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1969-06-25 第61回国会 衆議院 逓信委員会 第31号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十四年六月二十五日(水曜日)     午前十時五十五分開議  出席委員    委員長 井原 岸高君    理事 小渕 恵三君 理事 加藤常太郎君    理事 加藤 六月君 理事 亀岡 高夫君    理事 志賀健次郎君 理事 中井徳次郎君    理事 森本  靖君 理事 小沢 貞孝君       内海 英男君    上林山榮吉君       齋藤 憲三君    塩川正十郎君       田澤 吉郎君    高橋清一郎君       内藤  隆君    羽田武嗣郎君       古内 広雄君    古川 丈吉君       水野  清君    森山 欽司君     早稻田柳右エ門君    安宅 常彦君       島本 虎三君    武部  文君       三木 喜夫君    八百板 正君       米田 東吾君    中野  明君       田代 文久君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 河本 敏夫君  出席政府委員         郵政政務次官  木村 睦男君         郵政大臣官房長 溝呂木 繁君         郵政大臣官房首         席監察官    西原林之助君         郵政省郵務局長 曾山 克巳君         郵政省貯金局長 鶴岡  寛君         郵政省簡易保険         局長      竹下 一記君         郵政省人事局長 山本  博君         郵政省経理局長 上原 一郎君  委員外出席者         郵政大臣官房資         材部長     中根 敬一君         専  門  員 佐々木久雄君     ————————————— 六月二十四日  委員安宅常彦辞任につき、その補欠として河  上民雄君が議長指名委員に選任された。 同日  委員河上民雄辞任につき、その補欠として安  宅常彦君が議長指名委員に選任された。 同月二十五日  委員齋藤憲三君、早稻田柳右エ門君及び山花秀  雄君辞任につき、その補欠として塩川正十郎  君、田澤吉郎君及び島本虎三君が議長指名で  委員に選任された。 同日  委員塩川正十郎君、田澤吉郎君及び島本虎三君  辞任につき、その補欠として齋藤憲三君、早稲  田柳右工門君及び山花秀雄君が議長指名で委  員に選任された。     ————————————— 六月二十四日  簡易郵便局法の一部を改正する法律案反対に関  する請願(松前重義紹介)(第九一五七号)  同(山本政弘紹介)(第九一五八号)  は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  簡易郵便局法の一部を改正する法律案内閣提  出第四七号)      ————◇—————
  2. 井原岸高

    井原委員長 これより会議を開きます。  この際、おはかりいたします。  去る六月二十日の逓信委員打合会の記録につきましては、会議録に参照として掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 井原岸高

    井原委員長 御異議なしと認めます。よって、さように取り計らいます。  簡易郵便局法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森本靖君。
  4. 森本靖

    森本委員 この間の簡易郵便局法の一部を改正する法律案質問で、私のほうから二つの資料説明を求めて、これについての回答ができずして終わったわけでありますが、まず、それからきょうはお聞きしたいと思います。
  5. 曾山克巳

    曾山政委員 最初に、簡易郵便局年度別廃止状況の中で昭和二十六年の廃止局数七局の内訳を問うという御質問でございましたが、お手元に差し上げてございます資料の二枚目にございますように、七局のうち、町村合併によるものが一局、事務取り扱い量僅少によるものが二局、受託者が解散したもの、それによって支所廃止したものが二局、維持が困難であるために廃止したものが二局「以上、七局がその内容でございます。  なお、さらに事務取り扱い担当者配置人員を一人局、二人局、三人局、四人局等段階別に示せというお話がございましたが、その当時約三千四百五十人の延べ人員として人がおるということを申し上げましたが、その後詳細に調べました結果、合計三千四百七十五人という数字が出ましたので、以上、御報告いたします。
  6. 森本靖

    森本委員 どういうつもりでこういう回答をしたか知らぬけれども、ぼくのほうはそんな回答を求めているわけじゃなしに、この間問題になったのは、簡易郵便局廃止局における最低手数料年度別に言ってもらいたいということと、それから現在の人員が、いわゆる再委託をせられているものが何ぼと、それから実際に直轄のものが何名か、このことですよ。
  7. 曾山克巳

    曾山政委員 廃止局の中で最少手数料を申し上げますと、昭和二十六年度におきましての最少手数料が二千四百円でございました。——年度別に申し上げますか。
  8. 森本靖

    森本委員 ええ。
  9. 曾山克巳

    曾山政委員 二十七年度が同じく二千四百円、二十八年度が同じく二千四百円、二十九年度が同じく二千四百円、三十年度が二千四百円、三十一年度が二千四百円、三十二年度におきまして五千四百円、三十三年度が六千六百八十六円、三十四年度が二万四百十六円、三十五年度が二万一千三百五十六円、三十六年度が二万二千三百四十六円、三十七年度が三万五千四百円、三十八年度が三万六百四十円、三十九年度が五万四千四百六十六円、四十年度が六万四千百二十八円、四十一年度が九万四百十七円、四十二年度が九万五千七百五十二円、四十三年度が九万四千三百五十円、それぞれの年度におきます廃止局の中で最少手数料であったのでございます。  それから、先ほどお尋ねのございました事実上の個人というお話でございますが、私どもといたしましては、現在の簡易郵便局受託者地方公共団体並びに協同組合でございまして、それぞれの責任者と契約をいたしますので、個人という観念は御承知のように入っておらぬわけでございます。したがって、現時点において個人があるかというお話でございますと、法律上は、私ども個人がないということを言い切らざるを得ませんし、事実上の個人と申しましても、これはあくまで正規、つまり合法的なものでございますので、その数字をあげろといってもちょっとあげにくいのでございますが、しいて、いわゆる事実上の個人というものを再委託者という表現でとります場合に、おそらくただいま森本委員お考えのものがさような点じゃないかと思いますが、その再委託者にもいろいろあるわけでございまして、局舎市町村等の直接の施設とは全然別にいたしまして、自宅等におきまして、しかも、その身分市町村あるいは協同組合嘱託であるという観念をしいてとらざるを得ないのでございます。さようなものの数がこの前申し上げましたように約九百九十、正確に申し上げますと九百八十九局ございます。
  10. 森本靖

    森本委員 いまの九百八十九というのはどういうことですか。
  11. 曾山克巳

    曾山政委員 これはただいまも申し上げましたように、協同組合地方公共団体の直接の施設ではなくて、それから離れた位置に自宅を改造いたしまして局舎として、身分地方公共団体及び協同組合嘱託という形のものでございます。
  12. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、地方公共団体もしくは農業協同組合嘱託という形になっておる従業員は何人ですか。
  13. 曾山克巳

    曾山政委員 嘱託という身分を有しております者はあくまでこの九百八十九人でございますが、自宅を改造して局としておりますもの、そのほか市町村あるいは協同組合嘱託、つまり、かつて市町村の吏員あるいは協同組合事務員でありました者で定年を過ぎられたような方が嘱託という形でそれぞれの直接の施設で業務を執行しておる者、そういうものは正規職員の中に入り込むわけでございます。したがって、それが幾らかということはいまここで申し上げられませんが、正規職員の中にそれは入っておるというぐあいに申し上げていいと思います。
  14. 森本靖

    森本委員 だから、私が聞いているのは、現在の簡易郵便局従事員数は総人員幾らですか。
  15. 曾山克巳

    曾山政委員 配置人員といたしまして、先ほど申し上げましたように三千四百七十五名おります。
  16. 森本靖

    森本委員 その三千四百七十五人のうちで再委託者は何人ですか。
  17. 曾山克巳

    曾山政委員 これは九百八十九局が再委託局でございますが、その中に二人、つまり、妻あるいは子供等事務代行者としておりますものをも局員という形でこの三千四百七十五に入れておりますので、それを再計いたしますと千二百二十名おります。
  18. 森本靖

    森本委員 そうすると、千二百二十名が再委託者で、三千四百七十五人から千二百二十名引いたものが直轄の人だ、こういうことですか。
  19. 曾山克巳

    曾山政委員 そのように観念できます。(「再委託というのがあるのか、あるわけはない」と呼ぶ者あり)
  20. 森本靖

    森本委員 いまの不規則発言にありますように、確かにそのとおりですよ。再委託者というのは、あるのがおかしいのであって、そういうものはあり得ぬはずでありますが、しかしそういうことの答弁でありますので、これはまた後ほどの論議に譲りまして、先ほど年度別簡易郵便局数調査でありますが、これは廃止局数のうちの最低手数料ですか。
  21. 曾山克巳

    曾山政委員 そのとおりでございます。
  22. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、非常におかしいと思うのは、九万円をこしておるのがあるわけでありますので、この年度別簡易郵便局における全国の最低手数料幾らになっておりますか。
  23. 曾山克巳

    曾山政委員 いま古い年度のものをさがしておりますが、四十二年度におきましての最低は一万三千円でごさいました。——お待たせいたしました。三十三年度におきましては二千二百五十円、三十七年度が四千五百円、三十八年度が七千五十円、四十年度が九千六百円、四十一年度が一万一千五百円、四十二年度先ほど申し上げたとおりでございます。
  24. 森本靖

    森本委員 いや、まだあとが残っているんですよ。半分しか答弁せぬ。
  25. 曾山克巳

    曾山政委員 先ほど廃止局の中で最低でございましたが、ただいまお示しの最低のものの二十六年以降のものは、三十二年まではいずれも二千百五十円でございました。
  26. 森本靖

    森本委員 よく人の質問を聞いて答弁してもらいたいですよ。そうしたら、三十四年と三十五年と三十六年はないじゃないか。いいかげんな答弁するな。何回も同じようなことを質問しなければならないじゃないか。初めに人の質問をよく聞いて、それで答弁しなさい。ないならないと言いなさい。
  27. 曾山克巳

    曾山政委員 先ほど説明が不足しておりましたが、三十四年と五年、六年は、いずれも二千二百五十円でございました。
  28. 森本靖

    森本委員 そうしたら三十九年がないじゃないですか。ぼくはあなたの答弁をずっと書いているのです。九千六百円というのは四十年だろう。三十九年がないじゃないか。人の質問をよく聞いて、答弁をどこまでやっておるかということをよく調べてからやってください。それで、はたにおる課長も一体何をやっているんだ。
  29. 曾山克巳

    曾山政委員 三十九年を抜かしておりました。これも前年と同じで七千五十円でございます。
  30. 森本靖

    森本委員 初めからそういうように回答してもらえば十五分ぐらい節約されておるわけですから、今後ひとつ答弁はそういうふうに気をつけてください。  そこで、一応これでわかったわけでありますけれども、この廃止局の中で特に疑問に思うのは、三万円以上ですね。三万五千四百円以上の廃止が七つくらいありますね。これはどういう理由廃止になっておりますか。たとえば三十七年以降、これは最低手数料でありながら三万五千円以上ですね。
  31. 曾山克巳

    曾山政委員 三十九年は市町村合併によりますもの、それから四十年が受託者解散支所廃止によるもの、四十一年は無特設置によるものでございました。
  32. 森本靖

    森本委員 全部答弁をしてくださいよ。だから、私の質問では残るのは四十一年と四十二年と、それから三十七年と三十八年があるでしょう。質問をよう聞いておってくださいよ。三十七年以降の三万五千円以下の分についてはどうなっておるかと聞いて、それをたった三カ所返事したってあきませんよ。長うなるだけです。これで二時間質問したと言われたって、これ二時間にならぬですよ。
  33. 曾山克巳

    曾山政委員 三十七年は無特の設置でございまして、三十八年は解約申し出、それから四十二年が無特、無集配特定局設置、四十二年が解約申し出でございました。
  34. 森本靖

    森本委員 その中で解約申し出が三十八、九年と四十三年とあるわけですが、これはどういうことですか。
  35. 曾山克巳

    曾山政委員 項目といたしまして、先ほど町村合併取り扱い事務僅少といろいろ分けてまいりましたが、解約申し出はその他の理由に入るものでございまして、そういう分類をいたしたものですから一応解約申し出という分類で申し上げたわけでございます。
  36. 森本靖

    森本委員 だから私の言うのは、解約申し出はわかりましたけれども、九万四千三百五十円の手数料があって解約申し出をするのはおかしいから、どういう理由解約申し出をしておるか。それからさらに三万五千四百円の手数料があって解約申し出はおかしいから、どういう理由での解約申し出ですか、こう聞いているわけです。
  37. 曾山克巳

    曾山政委員 先ほど申し上げましたのを調べましたところ、いずれもその九万円と申しますのは年額でございますので、したがってそれを月額で割りますれば八千円くらいでございます。さようなことで、これは向こうのほうでおそらく解約申し出たのではなかろうかと思います。しかし、項目をその他の項目ということで解約申し出をいたしましたので、その辺は最終的な詰めばいたしておりません。
  38. 森本靖

    森本委員 先ほど言った金額は全部年額ですか。二千四百円も年額ですか。そんなばかなことがあるかね。
  39. 曾山克巳

    曾山政委員 年額に間違いございません。
  40. 森本靖

    森本委員 全部ですか。
  41. 曾山克巳

    曾山政委員 はい、さようでございます。
  42. 森本靖

    森本委員 そうすると、二千四百円から九万四千三百五十円というのは全部年間ですか。
  43. 曾山克巳

    曾山政委員 さようでございます。
  44. 森本靖

    森本委員 そうすると、先ほど最低手数料二千百五十円も年間ですか。
  45. 曾山克巳

    曾山政委員 その点、基準をはっきり申し上げませんで申しわけございませんでしたが、先ほど私が取り扱い局の中で最低と申し上げましたのは月額でございました。
  46. 森本靖

    森本委員 これはそんな答弁をしておったらさっぱりわからぬですよ。いいですか。いわゆるその年度最低手数料というのは二千百五十円で、廃止局における最低手数料二千四百円。その二千四百円は年間であって、一方の二千百五十円が月額なんという答弁をせられたのではさっぱりわからぬですよ。どういうことなんですか。それは二千四百円で答弁したほうは全部これは年間、二千百五十円で答弁したほうはこれは全部月額ですか。はっきりしてくださいよ。
  47. 曾山克巳

    曾山政委員 基準をはっきり申し上げませんで失礼いたしましたが、三十七年以降に基本額を設定いたしましたために、私が先ほど申し上げました最低基準額の点は、月額と申しますのは三十七年度以降の分でございます。その前の分はやはり年額でございまして、その年額は、これはいずれも郵便しかやっておりません状況でございまして、いわゆる最近の手数料算出根拠にいうところの取り扱い手数料だけでございますので、前の観念といたしましては基本額等が入っておりません。したがいましてさようなことでございました。
  48. 森本靖

    森本委員 三十一年の当時は手数料基本額は全然ないのですか。
  49. 曾山克巳

    曾山政委員 当時の算定のいたし方としましては、基本額手数料加算額といった三要素をとっておりませんでした。単なる件数に比例いたしまして出しておったいわゆる取り扱い手数料式算出でございましたので基本額は入っておりません。
  50. 森本靖

    森本委員 そうすると、三十一年当時は手数料だけだと、こういうことですね。
  51. 曾山克巳

    曾山政委員 現在の手数料の中の取り扱い手数料相当のものだけでございます。
  52. 森本靖

    森本委員 そうすると、この三十一年の廃止されたうちの二千四百円というものですが、月に直すとこれは二百円になるわけでありますが、この中でさらに二千百五十円というのは——二千四百円、これは年間でありまするから、三十一年当時月二百円ということでありますが、この三十一年の二千四百円で廃止された局の取り扱い手数料はどうなっておりますか。
  53. 曾山克巳

    曾山政委員 取り扱い数最低郵便年間七十五件でございます。郵便で七十五件ございました。
  54. 森本靖

    森本委員 郵便で七十五件というのは、これはどういう郵便取り扱いですか。
  55. 曾山克巳

    曾山政委員 これはいずれも件数換算いたしておりまして、一件当たりということでございますので、したがって、それが小包でございましたか、あるいは普通通常引き受けでございましたか、速達引き受けでございましたかは、当時のそれぞれの局におきます資料を見なければわからぬ次第でございます。
  56. 森本靖

    森本委員 そうすると、三十一年当時の手数料が一件当たり幾らということになっておりますか。
  57. 曾山克巳

    曾山政委員 五十件までが二百円ということになっております。
  58. 森本靖

    森本委員 それは月ですか年ですか。
  59. 曾山克巳

    曾山政委員 月額算定根拠でございます。
  60. 森本靖

    森本委員 五十件というのは、小包であろうと速達であろうと何であろうと一件、五十件について二百円、こういうことですか。
  61. 曾山克巳

    曾山政委員 さようではございませんで、それぞれの件数を足したものが五十件まで到達しなければ二百円ということでございます。
  62. 森本靖

    森本委員 それぞれというのは、どういう意味ですか。
  63. 曾山克巳

    曾山政委員 小包が一件、それに速達が一件というような形で足しましたものの合計でございます。
  64. 森本靖

    森本委員 そうすると、小包速達というのは全部合わせて五十件まで達すれば二百円、こういうことですか。
  65. 曾山克巳

    曾山政委員 いま小包とそれから普通を例にとって申し上げましたが、小包が一件、普通通常が〇・五件、それから速達が同じく〇・五件、書留通常の場合に一件でございました。さような換算値を用いて計算するわけでございます。
  66. 森本靖

    森本委員 さようなことを言ってもこれはわかりません。おそらくこれは委員会の人全部わからぬと思います、それをかけてどうこう言ったところで。いわゆる二百円というのは五十件だ、こう言われましたが、小包速達、それから通常というようなものについては全部一緒ですか。
  67. 曾山克巳

    曾山政委員 いまも申し上げましたように、書留通常引き受けが一件、交付が一件、あるいは速達引き受けが〇・五件、部常が〇・五件という形でそれぞれ換算するわけでございます。その換算値合計いたしましたものに単価をかけるというのがいまの取り扱い手数料のシステムでございますが、当時におきましてもこういう換算はございましたけれども、その場合、五十件未満のものにつきましては、たとえ四十八件でありましてもあるいは十五件でございましても二百円しか支給しないということでございます。
  68. 森本靖

    森本委員 その二百円というのは月額ですね。
  69. 曾山克巳

    曾山政委員 そのとおりでございます。
  70. 森本靖

    森本委員 そうするともとへ戻りまして、三十一年の二千四百円というのは、取り扱い件数が七十五件ですか。
  71. 曾山克巳

    曾山政委員 年に直しまして七十五件でございます。
  72. 森本靖

    森本委員 その七十五件という場合には、これはそうすると月々の手数料換算をしていくわけですか。
  73. 曾山克巳

    曾山政委員 これは合計年間足しましたものが七十五件でございますので、月におきまして一は、ある月は二十件、あるいは年末のごときはあったかと思います。しかし閑散の月、たとえば十月等におきましては六件だったかもしれません。さような合計値でございます。
  74. 森本靖

    森本委員 そうすると、全然ゼロでもこれは二百円ついているわけですね。
  75. 曾山克巳

    曾山政委員 当時はさようでございました。
  76. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、この七十五件というものを月別に分けるとどうなりますか。
  77. 曾山克巳

    曾山政委員 その数字は、先ほども申し上げましたように具体的な局の具体的な数字でございまして、しかもだいぶ前の数字でございますので、ただいま手元にはございません。
  78. 森本靖

    森本委員 そういう数字はわからぬと、こういうわけですね。
  79. 曾山克巳

    曾山政委員 保存期限等の関係もございまして、いま正確に調べようと思ってもちょっとできないと思います。
  80. 森本靖

    森本委員 そうすると、そういうのは正確に調べてないけれども、こういう法律を出した、こういうことになるわけですが、まあ、それはいいでしょう。これだけでおそらく一時間かかりましたが、ひとつ答弁を正確に迅速にやってもらいたいと思います。  そこで次に、簡易郵便局年度別廃止状況の中に、事故犯罪ということによってなったというのがあるわけでありますが、この二十七年の事故犯罪一局というのはどういうことですか。
  81. 西原林之助

    西原政府委員 お答えいたします。  二十七年度のは、犯罪は青森県津軽松島局というところにおいて発生いたしました犯罪でございまして、犯罪口数が七口、犯罪金額が一万二千六百三十円、小為替を不正経理して横領したというものでございます。
  82. 森本靖

    森本委員 小為替でありますが、その次の昭和三十年のやつはこれは何ですか。
  83. 西原林之助

    西原政府委員 これは東京都下長渕局という局でございまして、これは少し大きゅうございます。犯罪口数が四十五口、犯罪金額百一万二千円でございます。これは通常貯金及び資金横領でございます。
  84. 森本靖

    森本委員 そこで、通常貯金資金横領が出てまいりましたが、その場合に通常貯金横領資金の流用がどの程度ですか。
  85. 西原林之助

    西原政府委員 大体資金横領が全体の犯罪の四三%、貯金横領、これはほとんど通常貯金でございますが、これが四〇%を占めております。
  86. 森本靖

    森本委員 私が聞いているのは昭和三十年のこの局ですね。
  87. 西原林之助

    西原政府委員 貯金横領が四十四口、九十六万二千円でございます。資金のほうは一口、五万円でございます。
  88. 森本靖

    森本委員 当時はこの資金留保簡易郵便局でどの程度やっておりますか。
  89. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 最低一万円でございます。それに局カバー等に応じまして比率をかけてそれぞれの局に算出をいたしております。
  90. 森本靖

    森本委員 そうすると、この局は五万円ですか、資金横領は。
  91. 西原林之助

    西原政府委員 さようでございます。
  92. 森本靖

    森本委員 五万円ということになりますと、この当該局はどういう資金の財源の算出根拠になっておりますか。
  93. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 五万円未満の場合には一五〇%をかけてとめ置き資金算出をいたしております。
  94. 森本靖

    森本委員 一五〇%を何にかけるのですか。もとのかけるものがわからぬとこれはわからぬですよ。
  95. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 前年同月の払い出し金額にかけるわけでございます。
  96. 森本靖

    森本委員 そうすると、この簡易郵便局のこの犯罪にあった前の月の払い出し金額幾らですか。
  97. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 ただいま残念ながらわかりかねます。
  98. 森本靖

    森本委員 わかりかねますと、いばって答弁されちゃこれはかなわぬよ。これは大体いま言ったように、資金の問題は非常に重要な問題になってくるわけですね。資金が一体何ぼあるかということは、これはあなたも御承知のとおり統括局調査課で見ておればあらかじめこういう犯罪は一応予防できるわけですね。だから、その当該局がどれだけの資金留保をしているか、その資金留保についてはどれを何ぼかけておるかということが明らかでないと、これは犯罪予防というものが完全にできないわけですね。それがわからぬということではちょっと困ったわけですが、しかし、それはひとつ早急に調査してみてください。  そこで、この一類証拠書類については、この資金留保については、統括局調査課なりあるいは郵政局調査課で、どうもあそこの資金留保はおかしいということで調査をするわけでありますけれども、この簡易郵便局の二十六年から今日に至るまで、この一類証拠書類の、犯罪ではないけれども事故件数幾らありますか。
  99. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 調査をいたしますれば判明いたしますが、ただいま手元にはその数字を持ち合わせておりません。
  100. 森本靖

    森本委員 調査をすれば判明するといっても、これは毎日報告しておるわけですよ。簡易郵便局からそれぞれの統括局調査課なりあるいは郵政局調査課に毎日報告が行っておるわけです。この報告が来ない限りについては全国の日締め計算ができませんから、だからその一類証拠書類というものは完全に出ておるわけであります。そこでこの一類証拠書類調査課における調査そのものが、犯罪のまず第一段階の予防段階です。それが事故が多いか多くないかということによって、今後の犯罪が起こるかどうかという大きなポイントです。  そこで、昭和二十六年からおたくのほうで資料が出ておるわけでありますから、この各年度別におけるいわゆる一類証拠書類の事故調査というものの統計がおそらくあるであろう、だからその一類証拠書類の事故統計調査というものはどうなっておるかということを聞いておるわけです。
  101. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 御説のように、調査局等におきましてこのとめ置き現金の監査ということは防犯上非常に大事なことでございます。したがいまして、さようなケースはもちろん当該監査当局にはございますが、私ども手元に現在その集計を持ち合わせていないという意味でございます。ただし、三十八年度以降の件数についてはただいまございますが、二十六年度から三十八年度までの分を持ち合わせていないということでございます。
  102. 森本靖

    森本委員 これは一応早急にその資料はひとつ御提出を願いたいと思います。  これは先ほども言いましたように、簡易郵便局犯罪の予防というものは、まずこの一類証拠書類調査課が完全に調査をして、そこで予防するというのがまず第一段階の鉄則であります。そうして、特にこれは簡易郵便局におきましても、この一類証拠書類というものの調査につきましてはきわめて厳重であります。判のつき方が横になってもこれはだめだというぐらいの内容であります。そうであるとするならば、毎日、それぞれの局に対しては、事故があれば、すぐ調査課からこうこうこういう事故があったということを通知をするわけであります。それを直ちに直して万全を期する、こういうかっこうになっているわけであります。そこで、この資料については、これは統計を集めれば確実にあるはずであります。統計を集めればあるはずでありまするから、この資料は早急にひとつお集めを願いたい。そうでないと、この犯罪予防の問題について今後における質問が続いていくことができない、こういうことになるわけであります。だから、もしなければこの質問だけは留保して次に進みますが、後日ひとつ資料としてお出しを願いたい、こう思うわけであります。
  103. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 早急に提出をいたします。
  104. 森本靖

    森本委員 そこで、いまの一類証拠書類の問題で、簡易郵便局については自治監査はどういうようにやっていますか。
  105. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 自治監査につきましては、受託者またはその受託者が指定いたしました者が現金の計算、証拠書類との符合等をやっておるでわけでございます。
  106. 森本靖

    森本委員 それはどういう意味ですか、わからぬです。具体的にありのまま説明してもらわないと、下僚が書いたのをそのまま読んだのじゃ、それはわからぬですよ。現実にだれがどういうふうに自治監査をやっていると……。
  107. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 ただいまの御質問が自治監査云々でございましたが、私どもにおきましては、そのような事故防止につきましてただいま申し上げましたように、現金の監査、すなわち受託者またはその指定した者に毎月二回以上現金出納日報面の残高と現金の残が合うかどうかを検査させているということが一点でございます。そしてまた、受け持ち集配局でも書面調査をやっておりますが、これは受け持ち集配局におきまして、通常貯金の預払いの証拠書、そしてまた一万円以下の定額貯金の預入申し込み書、こういうものによって書面調査を行なっているわけでございます。そしてまた、これは自治監査の一つでございますが、貯金通帳用紙などの使用監査をやっております。これは受託者またはその受託者の指定を受けました者が、これは随時でありますが、随時、通帳や証書の用紙の使用や保管が適切にできておるかどうかということ、あるいはまた通帳や証書をお客さまからかってに預かっておりはせぬかという点、あるいは預金者の印章、判こを預かってはいないかということ、あるいは主務者印や日付印、金額器、そういうものの保管が適正を欠いておる点はないか、そういうような点について自治監査を行なっておるわけであります。
  108. 森本靖

    森本委員 最初に答弁せられた受託者に依頼をしてやるというのはどういう意味ですか。
  109. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 いわゆる自治監査の一つの考え方でございますが、特定郵便局あるいは普通郵便局で、局長や課長がその監査の最終責任者または立案者となりまして行なう監査と同じタイプの監査であるわけであります。したがいまして、受託者、すなわち市町村長あるいは団体の長、そういう者が事実上の職務の執行者の仕事のやりぶりを検査するというようなことでございます。
  110. 森本靖

    森本委員 それはどの程度やっておりますか。
  111. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 月二回でございます。
  112. 森本靖

    森本委員 月二回というのは、そういう月二回の報告が来ますか。
  113. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 本省まではそのようなことを掌握しておりませんが、郵政局、あるいはこれは主として受け持ちの集配郵便局でありますが、そういうところではそのような事実を押えておるわけでございます。
  114. 森本靖

    森本委員 そうすると、これはその集配局からその市町村に要請するわけですか。
  115. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 集配局からいっておるものもございます。
  116. 森本靖

    森本委員 月二回というのが、集配局からいっておるのもありますというのは、どういう意味ですか。
  117. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 その点につきましては、集配局長がそのようなことを簡易局側に要請してやります場合には集配郵便局に報告が参ります。しかし簡易局側が自主的にやります場合には、その結果等の書類はそこに保存をされるという意味でございました。
  118. 森本靖

    森本委員 そうすると、これは集配局から月二回やれということを要請するわけですね。そうして、その結果については月二回集配局長報告がある、こういうことですか。
  119. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 月二回と申し上げますのは、これは先ほど申します自主的にやります場合と集配局から要請を受けてやる場合と、両方含めて二回、そのような意味であります。
  120. 森本靖

    森本委員 それでは、集配局が要請をするのは何回ですか。
  121. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 格別に何回と申しますような基準はございませんで、随時、その簡易局の取り扱い状況等を見まして、これはどうもちょっと問題がありそうだというような局に対しましてはひんぱんに、そして比較的だいじょうぶだという局に対しましてば回数を少なくと、いわば随時ということでございます。
  122. 森本靖

    森本委員 それはだいじょうぶだ、だいじょうぶでないという判断はだれがするわけですか。
  123. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 簡易郵便局から現金出納日報等の送付を受けております集配郵便局長の判断でございます。
  124. 森本靖

    森本委員 集配郵便局がその検査をするわけですか。そんなことを集配郵便局がどうして検査できるんだ、一々証拠書類を。
  125. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 集配局長がそのような報告を受けて、それによりまして指導を行なう、たとえばとめ置き現金が多過ぎる場合には適正額減にらす、あるいはとめ置き現金が毎回多い場合が続くというような場合には、犯罪を懸念いたしまして、それぞれ指導あるいは監察官への報告等の措置をとる、そのようなことでございます。
  126. 森本靖

    森本委員 その集配特定局はどこからその報告を受けるのですか。
  127. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 そのような簡易局の運営状況につきましては、簡易局から受けるわけでございます。
  128. 森本靖

    森本委員 簡易局の監査をするのに、簡易局から報告を受けて監査しておって、何が監査できるのかね。何を言ってるんだ、君は。簡易局の自治監査をやれということを指示するというのは、君もさっき答弁したとおり、非常にあぶないじゃないか、こうじゃないかということがあるからその調査をしろと言っているんだ。だから、それはだれがそういうことを集配特定局に言ってくるのかということを聞いている。こういうことを簡易局が言ってきますか。自分のところが犯罪がありそうだから調査してくださいと言ってくるか、君。
  129. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 失礼いたしました。質問の意味を取り違えておりました。そのような指示はもちろん郵政局でございます。
  130. 森本靖

    森本委員 それは郵政局から言ってきておって間に合いますか。そんなことを郵政局がいつごろわかるのですか。
  131. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 郵政局でやる場合もございますし、また、先ほど申しましたように集配局長が自己判断でやる場合もある、二様のやり方をとっております。
  132. 森本靖

    森本委員 そうじゃないでしょうが。その場合は統括局調査課から集配特定局に対して、これはどうもおかしいが、ちょっと調べてみてくれぬか、こういう話があるのでしょうが。その話を郵政局から持ってくるはずはないんだ。そんなものを郵政局から持ってきておったら間に合いませんよ。日々の日締め計算をして、これを調査しておるのは統括局調査課でしょう。統括局調査課はそれがための統括局調査課であって、それが集配特定局に、この日報はどうもおかしいからひとつ自治監査なり何なりであらためて調査してくれぬか、それでなおかついけなければ監察が出ていく、こういうことになるのじゃないか。
  133. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 具体的な事故が出ておる、あるいは犯罪が予想される、そういう場合は、ただいまお説のように調査課が現金出納日報面等の書類によりましてそういうことを判断いたします。あるいは推察いたします。したがいまして、お説のように調査課がそのような措置をとるわけでございます。しかし、そのような具体的なことがない場合、いわば予防的な措置をとります場合は、これは郵政局におきまして、一般的な事故が起こる前に、そういう事故が起こらないようにという意味で郵政局から指導いたしまして、先ほど来申し上げておりますような監査の手段をとる、さようなことでございます。
  134. 森本靖

    森本委員 そうすると、郵政局は恒例にやるわけですか、毎月二回ということを。
  135. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 郵政局におきましては、事故が発生しそうなおそれのあります不良局あるいは資金運転の不良局、そういうものに対しまして重点的にそのような監査を行なっておる、そういうことでございます。
  136. 森本靖

    森本委員 資金運転不良局は調査課でわかるでしょうが、郵政局でなしに。そうじゃないですか。
  137. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 御質疑のように調査課でそのようなことはもちろんわかるわけでございます。また一方、郵政局におきましても、そのような事故の多発局、そういうものは把握いたしまして、これに対して指導監査を行なう、そういうような手だてになっておるわけでございます。
  138. 森本靖

    森本委員 だから、事故多発局というのは郵便その他の事故であって、あなたの所管の貯金関係その他については、郵政局が主であるよりも統括局が主である、こういうことじゃないですか。そんなことぐらい局長が知らぬでどうするか、下のやり方を。
  139. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 確かにおっしゃるように、現金出納日報等を直接送付を受けます統括局等が第一次のそのような指導監査の発議をとるわけでございますが同時にまた、統括局調査課あるいは地方貯金局から郵政局に対しましては、いわゆる事故多発局ないし不良要監視局の連絡も参っておりますから、そのような資料に基づきまして、郵政局においてそのような指導監査の措置を命ずる、そういう場合もあるわけでございます。
  140. 森本靖

    森本委員 そうすると、これはどの年度でもかまわぬが、郵政局から指示をした件数統括局から指示をした件数と大体どんなパーセンテージになっておるか言ってみてください。ぼくが言っておることは正しいはずなんだ。郵政局がそんなことを一々できるはずがないですよ。数字を明らかにしてみてください。
  141. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 郵政局からのものと統括局からのものとは、現在私ども手元におきましては一緒になっておりますので、どちらから幾らという数字はただいま持ち合わせておらないわけでございます。
  142. 森本靖

    森本委員 これも先ほどの件と一緒に、どちらがどうなっておるということを調査をして、あとでお出しを願いたいと思います。あなたはようそんな監督で貯金局長でございますというようなことを言って、下部の統括局郵便局に指示、命令が流されるものだと思って、私はこれは非常に不満です。もう少し下部の内容を詳しく知っておらなければだめですよ、直接やれとは言いませんけれども。  私は代議士になって十五年になりますが、それでもあなたより詳しく知っておりますよ。それでもやはりこういう法案をやるときは、ぼくは一応局へ行って全部調べてくる。あなたは専門的な局長ですよ。あなたは局長になってまだ五年くらいにしかならぬ。五年にもならぬだろう。だから、こういう点はやはりよく知っておってもらいたいと思うのですよ。だから、先ほどの件とこの点とは、ひとつ二つともあとで資料を出してもらってまた質問することにいたしまして、先へ進みます。  それから、この間問題になっておった貯金通帳の件ですが、貯金通帳を二十通、三十通持って、こっちで千円出すとこっちで千円入れる、またこっちで千円出すとこっちで千円入れる、そうすると、一件当たり十九円の手数料——あまりやると問題になるから、大体一日五件か十件ぐらいやっていけば、貯金件数が五通なり十通あるのを十通やれば百九十円の手数料になる、こういうことをどういうやり方で防止いたしますか。
  143. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 先般小澤委員の御質問に対してお答え申し上げたわけでございますが、そのような事態らしきものが見受けられましたので、私どもといたしましても、これに対しまして厳重な文書面の指導、あるいはまた、郵便局ないしは受け持ちの集配郵便局からいたします実地監査、すなわち、そのようなことがいわゆる作為的な手数料かせぎではないかどうか、そういう点につきまして、文書指導ないし実地指導の面からこれを厳重に指導してまいっておるわけでございます。
  144. 森本靖

    森本委員 だから、私が聞いておるのは、文書の指導はわかりました。しかし文書の指導でやったところで無意味ですね、それはわからぬようにそういうことをやるつもりでやるわけでありますから。  そこで、それじゃ実地指導というのはどういうようにやっておりますか。
  145. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 実地指導のやり方といたしましては、ただ単にわれわれが受けます報告だけでは、これが作為的な手数料かせぎかどうか判断がむずかしゅうございますので、現地に臨局いたしまして、そして何回もひんぱんに小額を出し入れいたしますような貯金通帳が、いわゆる受託者あるいは受託者の親族等のものではないかというような点が一点と、そしてまた同時に、しばらく小額を積み上げまして、ある一定の金額になるとそれを一ぺんにおろしてしまう、そしてまた小額を積み上げていくというような、いわゆるそういうことの反復継続をしておりはしないかというような点につきまして、そのような点を十分に把握する、そして矯正すべきは矯正するというような手段を講じておるわけでございます。
  146. 森本靖

    森本委員 それはだれが行ってそういう実地指導をやるわけですか。
  147. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 場合によりましては郵政監察官の出張を依頼する場合もございますし、また郵政局から出向く場合もございます。
  148. 森本靖

    森本委員 郵政監察官、それから郵政局から行くわけですか。
  149. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 そのとおりでございます。
  150. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、郵政監察官が行った場合には、これは一応司法警察権を持っておりますから、それぞれの預金者その他に調査に行くわけですか。
  151. 西原林之助

    西原政府委員 ただいまの件でございますが、監査官は考査の際当然貯金の預簿を全部調べます。その際小額の預金が多数あるということでもって、取り扱い手数料かせぎということの粉飾貯金を考査するわけでありますが、過去において考査の際にこういった手数料かせぎのためと認められるものを発見し、措置したものは三十九件ございます。ただし現在はございません。  それから、特別に監察官が利用者のところに参って調べるということは、私、最近ちょっと事例を聞いておりません。
  152. 森本靖

    森本委員 その小額というのは、どの程度の金額ですか。
  153. 西原林之助

    西原政府委員 かっては十円、ないし現在では大体百円までと思いますが、出ております。
  154. 森本靖

    森本委員 そうすると、百円ということになりますと、五千円なり四千円程度を——自分が百通ぐらい通帳を持っておる、しかもその部落における実在の人物の通帳を持っておる、その通帳を郵便局に置いておいたらわかりますから、通帳も印鑑も全部自分の家に持っていっておる、それで、引く日だけ三通くらい持ってくる、別の日にまた引いて預ける。これを交互に繰り返しておったら、一つの通帳を大体ニカ月に一回くらい五千円か三千円引いたり出したり繰り返すことになります。そこでその金額は一つの金額を出したり入れたりすればいいわけですね。そういうのをどうやって調査しますか。私はふしぎでしょうがない。いろいろ考えてみたけれども、どうもこれは調査のしょうがないと思うのですが、それはどういうふうに調査しますか。
  155. 西原林之助

    西原政府委員 やはりこれは貯金預簿でもって調査するよりほか方法はないと思います。貯金預簿には正確に記入されておりますから。
  156. 森本靖

    森本委員 貯金預簿には正確に記入されておっても、これはひとつ首席監察官に聞きたいと思いますが、その場合に、私がいま言ったように、かりに百人程度の貯金通帳を持っておってやるとするならばニカ月に一回くらいの出し入れになりますね。それがはたして不正であるかどうかということをどこで判断をするのか。だから、そういうことをやる者はどうせ通帳を十冊も二十冊も局に置きませんよ。うちへどっさり置くか、親戚の者のところに置いて、日に二通か三通持ってきてぽんぽんと処理したら、そのまま持って帰る、そういう場合の犯罪——犯罪じゃないけれども、そういうやり方の事故調査というものをどういうふうにして調査をするのか。これは現実に調査をやろうとするならば、預入者のところに行って聞かなければいかぬ。聞かなければ、これはもう絶対わかりっこないですよ。だから、そこまで貯金の指導員、監察官はやっておるかどうか。
  157. 西原林之助

    西原政府委員 まことにおっしゃるとおりでございます。ほんとうに正確に調べようと思ったら全部利用者のところに行って調べるということでございますが、実際問題として、これは率直に申しまして、監察官は特別に犯罪容疑がない場合におきましてそこまでちょっとやりかねる、実施しかねるというのが実情でございます。
  158. 森本靖

    森本委員 これは議論でありますから、それはそういうことになりますけれども、しかし、これは現実に調査の方法もないんですね。  そこで、現実に調査の方法がないとするならば、これは手数料の面である程度考えていかなければならぬのじゃないですか。たとえば、同一の金額の出し入れで、それが一件十九円というようなことが妥当ですか。それが一件十九円です。たとえば百円出そうが入れようが、十九円、十円出そうが入れようが、十九円——九円損する。それでもって引かれたらまるまる二十九円損だ。こういう点についてのこの手数料の再検討ということは、貯金の場合については私は言えるんじゃないかと思うのです。これが郵便とかあるいは速達とかその他の引き受けであるとするならば、それが高いとか安いとかいうことが言えると思うけれども貯金のこの預入と引き出しが一件当たり十九円というやり方は、これは犯罪的な予防措置からいっても私はある程度検討する余地があるんじゃないか、こう思うわけですが、どうですか。
  159. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 御説は確かにごもっともでございます。しかし、私どもいろいろその点について検討いたしておったわけでございますが、一つには、小額の貯金というものはいわゆる日掛け貯金方式でございまして、非常に小額が特に簡易局あたりのほうで行なわれておるという実情をやはり一応は尊重しなければいけないという点、それからもう一点は、この十九円の手数料と申しますものは、これはいわゆる貯金の預入あるいは払い出しに対しますいわば手数をかけた、労働をかけたという点に対して支払われるわけでございますから、さような点からしますと、金額の大小には一応関係ない、そのような考え方でおるわけでございます。
  160. 森本靖

    森本委員 それならいま言ったように、百通なら百通の貯金通帳をこしらえておって、それを自宅へ持って帰っておって、必要なときだけ三通か四通局へ持ってきて、二千円ないし千五百円こっちの通帳から引いてこっちの通帳へ入れた、それをまたこっちの通帳に入れる、こういうやり方をどうやって防止をするかということを聞いておるわけです。防止のしょうがないじゃないか、君。これは仮定じゃないのだ。そういうことがたくさんあるのだ。これを防止する方法を考えるのが郵政省としての任務でしょうが。だから、この現行手数料が、出しても入れても、金額多くても少なくても十九円というところに大きな一つの問題があるわけですよ。いま私が言ったような不正事項をチェックする方法があるとするならばけっこうですよ。これは預入簿を幾ら見たって、百通なら百通の通帳をこしらえて、実在の人物の名前をかりれば、どうやったってわかりっこないですよ。これはまだ犯罪になっていないから本人には調べには行けぬと、こう言っているわけだから、何か犯罪があれば、それは司法権を発動して本人に調査に行くけれども、これはそこまではできないわけですよ。  だから、そういう点について、手数料も、あなたが言うようにがんこにこのままで妥当ですというならば、一体いま言ったようなやり方をどうやって具体的に防止するか。
  161. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 確かに、おっしゃるように、そのような小額預払いの通帳が非常に多数あります場合、一つのケースといたしましては、本人の親族等の名義である場合は、これはあやしいということがわかるわけでございます。しかし、ただいま例に引いておられますように、全然他人の、しかもその市町村に実在の場合はどうかという点でございますが、これにつきましては、やはり手数料をかせげる程度のたくさんの通帳を持つということ、そしてまた同時に、そのための印判を持つということが必要に相なるわけでございます。  従来、私ども承知しております例によりますと、そのようなたくさんの通帳をつくったということ、あるいはそのような印判を持っておるというようなことから、これはいろいろな場合に、どうしても多少そのような手数料詐取をしておるのではなかろうかというようなことが、これは実例でございますからおしかりを受けてもやむを得ませんが、自然にいろいろといわゆる人の口の端にのぼって発覚したという例もあるわけでございます。そのようなことで、そうやたらにそういうことができるとは考えておらないわけでございます。
  162. 森本靖

    森本委員 それは貯金局長としては本省の広い貯金局長室でふんぞり返っておったらわからぬ。しかし現実にそういうことはあり得るわけなんです。すでに三十九件というものを監察官があげておるわけだ。これは氷山の一角だ。その下に、いまぼくが言ったようなやり方でやるとするならばこれは絶対にわかりっこありませんよ。その部落の実在の人の名前で、しかも金額が百円とか二百円ということでなしにかえていけばいいんだ。通帳では千五百円、千二百円、トータルを合わせればいいのだ。それで百通ばかりの通帳で出したり入れたり出したり入れたりということで日に五件くらいやっていけばいい。これは絶対にわかりっこない。それをどうやって調査して、どうやってそういう不正を防ぐかということを聞いているわけですよ。だから、これはむろん簡易郵便局なり特定郵便局だったら、局に通帳と印鑑を持っておればこれはそれをつかまえればすぐわかりますよ。  ちょっと監察官に聞きますが、この三十九件はおそらくそうでしょう。この三十九件全部あがったというのは、おそらく簡易郵便局に、手元に通帳と印鑑を一緒くたに置いてあったというのがほとんどでしょう。
  163. 西原林之助

    西原政府委員 おっしゃるとおりだろうと思います。
  164. 森本靖

    森本委員 いま監察官が言った、それならわかるんですよ。それは犯罪をやるにしても一番へたな手口であって、じょうずにやろうとすれば、私がいま言ったようなやり方でやればできる。それを一体どうやって防ぐか、こういうことですよ。
  165. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 確かにおっしゃるように、非常に書類面その他からチェックしにくい問題ではございます。しかし別の面から、いわゆる貯金というものが各局におきまして、御案内のようにどんどん純増額がふえておるという実態でございます。しかるにそのような局におきましては純増がなかなかふえない、しかも預払いの件数はきわめて多い、そういう面からもチェックできる、そのように存じております。
  166. 森本靖

    森本委員 それじゃ、この三十九件の中で純増数が減っておるからということであがった分は幾らですか、監察官。
  167. 西原林之助

    西原政府委員 そこまでは調査してございません。
  168. 森本靖

    森本委員 貯金局長がそういう答弁をしたじゃないですか。それの数字がなければいかぬじゃないですか。     〔委員長退席、加藤(六)委員長代理着席〕
  169. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 申しわけないことですが、ただいま手元に三十九件についてのいわゆる具体的な分析を持っておりませんが、先ほど申し上げましたように純増がふえない、しかも預払いの件数が多いという点からチェックをするということは、郵政局として従来とっておった方針でございます。
  170. 森本靖

    森本委員 だから私はそのあなたの答弁を一つも否定してないわけです。そういうこともあり得る。だから、それならば、昭和二十六年から三十九件あがっておる、その三十九件の中に、いわゆる純増額がふえない、おかしいということで調査したものは幾らあるか、こう聞いておるわけですよ。
  171. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 調査をいたしまして至急にお答えをいたしたいと存じます。
  172. 森本靖

    森本委員 これで留保が三つできたわけでございますが、審議に協力して次に進めます。この三十九件の分については、次に資料が出てきてからまたお聞きいたします。  それから、簡易郵便局の自治組織というのはどうなっておりますか。これは郵務局長です。
  173. 曾山克巳

    曾山政委員 御質問でございますが、自治組織という趣旨は、当該受託者たちがお互いに協力し合って任意団体等をつくり、お互い戒め合って事故のないようにし、かつまた検査に励むという意味でございますか。——そういう意味ございますと、全国簡易郵便局連合会という組織がございまして、これは全くの任意団体でございますが、それも一つの団体だろうと思います。お互いに会合いたしまして検査に励み、かつまた事故のないように戒め合っているわけでございます。
  174. 森本靖

    森本委員 それは任意団体ですから、特定局長会もそれは別です。私が言っておるのは、特定郵便局長業務推進連絡会というものが特定局の場合自治的にやっている、そういうものが簡易郵便局にあるかどうか。
  175. 曾山克巳

    曾山政委員 さような組織はございません。
  176. 森本靖

    森本委員 そういうのは考えたことはございませんか。
  177. 曾山克巳

    曾山政委員 現在のところは、御案内のように簡易郵便局法十九条でもちまして、一次的に集配局長、あるいはその地域を管轄しております監察官等がこれを監督指導することになっておりますので、一応その指導で十分じゃなかろうかと考えております。ただいまのところは考えておりません。
  178. 森本靖

    森本委員 これはただいまのところは考えてないといったところで、これでやはり犯罪件数が一番多いのは貯金関係ですね。そうすると、この特定局あたりも集配局、無集配局が部会ごとに集まってこういう自治研修をやるというふうなことをやっているわけですね。これは非常に効果をおさめている場合とおさめていない場合とありますけれども、とにかくやっていることは間違いないわけですね。簡易郵便局についてもそういうことをやるということは考えておらぬのかどうか、こういうことです。
  179. 曾山克巳

    曾山政委員 実質的には、先ほど申しました略称全簡連の集まり等がございまして、さような場合に当局から係官が参りまして指導しておるということが、ただいま森本委員がおっしゃいました完全な自治組織ではございませんけれども、一種の実態的な変形的な意味で効果をあげているというような気がいたします。
  180. 森本靖

    森本委員 いや、私が聞いているのはそういう任意団体じゃないのですよ。特定局の場合でも、たとえば為替担当の貯金の人間だけが一つの部会で十人ぐらい集まって自治的に研修を行なう、そこへ郵政局の係官なり統括局調査官が来て一緒に検討する、そういうことをやっているが、簡易郵便局についてはいままで全然こういうことはなされてない。しかも簡易郵便局というものは一番こういう点についての事務はおろそかになっておる。だから、そういうふうな自治的にやる場合の研修組織というものを——あながち郵政研修所だけに呼んでやるというのが能でない。土曜日の午後特別の日当を出せばいい、そしてそういう者を集めてやるということは考えておらぬかどうか。この法律が通るか通らぬか知りません。私は通らぬと思いますが、かりに通りでもして個人受託にでもなるということになると、さらにそういう面を強力にやっておかなければ、これは非常に危険性があるということは言えると思います。だから、そういう点について考えておるかどうかということを聞いているわけです。
  181. 曾山克巳

    曾山政委員 実質的には、先ほど申しますように特別の全簡連ということでなくても、各地域別に新規にその事務につく者、つまり主任者の事務につく者等が集まりまして会合いたし、それに郵政局等の係官の臨席を仰ぎまして研修をするということがございますが、お話しのようにこれを自治組織化するということにつきましては、確かに一つの方法だろうと思います。その点につきましては、今後とも十分検討いたしたいと思います。
  182. 森本靖

    森本委員 それでは、大臣にまず最初に正統な質問を初めからやり直しをしたいと思いますが、今年度郵政事業特別会計が非常に困難な事情になっているわけでありますけれども、今年度の郵政事業特別会計におけるこの間の春闘のベース改定、この総額が原資が幾らになりますか。
  183. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 およそ三百億円でございます。
  184. 森本靖

    森本委員 その三百億の捻出のしかた、今年度、四十四年度の郵政事業特別会計の中における捻出の方法はどういう方法をおとりになるか。これは経理局長でけっこうでありますが、聞いておきたいと思います。
  185. 上原一郎

    ○上原政府委員 お答え申し上げます。  ただいま仲裁裁定の原資は大臣から三百億というお話がありましたが、正確に申し上げますと三百五億でございます。それで、約半分は、御承知のとおり郵貯会計、簡保年金特別会計、それから電々公社から受け入れられます。したがって、郵政事業特別会計の固有業務の原資といたしましては約百五十億でございます。  そこで、百五十億をどういうふうに生み出すかということになりますが、御承知のとおり予備費が二十億ございます。それからもう一つは郵便の増収でございますけれども、これはどういうふうに予定するかということはまことにむずかしゅうございますが、四十三年度予算に対して三十八億の増収がございます。したがって、かりにこの程度に増収があるということになるといたしますれば、二十億にプラス三十八億、五十八億、約六十億ということになろうかと思います。したがって百五十億から六十億ですから、残りの九十億というものでございますが、これはいわば節約というようなことでやってまいりたい、こういうふうに存じております。
  186. 森本靖

    森本委員 この九十億の節約というのは何の節約ですか。
  187. 上原一郎

    ○上原政府委員 人件費と物件費がございます。そこで、いろいろと使用計画上実行しておりますが、主として物件費で二十億程度か三十億程度、あとは人件費でやっていこう、こういうふうに考えております。
  188. 森本靖

    森本委員 二十億ないし三十億の物件費でやるとすると、かりに三十億とした場合には六十億を人件費でと、こういうことになるわけですが、六十億ということになりますと、人数にして何名分になりますか。
  189. 上原一郎

    ○上原政府委員 一人当たり百万ということにいたしますと六千人になります。
  190. 森本靖

    森本委員 年間定員として六千人分、こういうことになるわけですね。
  191. 上原一郎

    ○上原政府委員 さようでございます。
  192. 森本靖

    森本委員 これは簡保とそれから貯金の特別会計における予備費は使えぬわけですか。
  193. 上原一郎

    ○上原政府委員 直接には使えません。と申しますのは、繰り入れ経費の中に入りますので。
  194. 森本靖

    森本委員 郵政事業特別会計に簡保それから郵貯の特別会計から繰り入れ金が初めに言われた百五十億の中には当然ある程度入るわけですね。ベース改定によりますから、郵政事業特別会計に簡保それから貯金の特別会計からある程度ベース改定にちなんだものが繰り入れされるということは当然でございますが、それ以外に郵貯あるいは簡保にあるところのいわゆる予備費二十億、二十億たしかあったと思いますが、その四十億を——もっとも、そうなってくると、補正予算といいますか予算の編成をちょっとやり直さなければなりませんけれども、現に予備費が郵貯と簡保にたしか二十億円ずつあったと思いますが、それを郵政事業特別会計に繰り入れるという考え方はいたしておりませんか。
  195. 上原一郎

    ○上原政府委員 かりに三百億お話のとおりございます。それで、百五十億は郵政固有の郵便事業でやる、そのほか郵便貯金特別会計、簡保年金特別会計から繰り入れる、その場合に、いま森本委員がおっしゃいました二十億ないし三十億の予備費がそれぞれあります。かりに郵便貯金特別会計二十億ございますけれども、そういたしますと、その二十億の予備費を直接そのこと自体で郵政事業特別会計に繰り入れられるのかという御質問の趣旨だろうと思います。(森本委員「それはできない」と呼ぶ)それは繰り入れられません。そうすると私の聞き違いでございます。そうすると、郵便貯金特別会計で、かりに五十億郵政事業特別会計に繰り入れるというときにその予備費をつぶす、かりに五十億としますと、予備費二十億としますとなおかつ三十億でございますね。あと三十億をどうするかということになりますと、御承知のとおり郵便貯金は非常に調子がよろしゅございますので、弾力条項を発動して原資としては十分ある、したがって歳出のワクもとれる、こういう状況になっております。
  196. 森本靖

    森本委員 ぼくが聞いておるのは、この三百億の中における百五十億の郵政事業特別会計の中における捻出の方法です。これを物件費と人件費においていまのような形において、たとえば物件費の中で三十億、人件費の中で六十億ということになりますと約六千人という人間が使えなくなる。そういうことでなしに、たとえば貯金事業特別会計、保険事業特別会計の中には予備費もあれば剰余金もある、そういうところから、この九十億の予算というものを郵政事業特別会計に繰り入れるということをやるとするならば郵政事業特別会計としてはやりやすい、だからそういう措置をとれないか、それをとるためには、ある程度の補正予算といいますか、そういうものが必要になってくるわけでありますけれども、そうしないと今後一年間の郵政事業というものが非常にやりにくくなる、その点が何とかならぬかということを言っておるわけです。
  197. 上原一郎

    ○上原政府委員 結論を端的に申し上げます。  いまおっしゃったような意味での繰り入ればできません。できない理由はということになりますと、これは法律に、郵便貯金特別会計法それから簡保年金特別会計法がございます。そして郵便貯金に例をとりますれば、郵便貯金特別会計の業務運営に必要な経費を繰り入れる、それから営繕費、設備負担金ということになりますので、その分はもう完全に私どものほうの郵政会計の立場に立ちますれば郵貯特別会計からいただきます。ところが、郵政事業特別会計、端的にいえば、郵便がちょっと調子が悪いのだ、だからその分だけよこせということはその法律に抵触いたしますし、これは国会の議決を必要とする法律事項ということにならざるを得ないというふうに思います。
  198. 森本靖

    森本委員 だから、初めから言っておるのは、補正予算並びに法律上の問題であるから国会の承認を要するということになるけれども、郵政省としてはそういうふうにやらぬと、これはいま郵便関係で、定員関係で非常に紛糾を来たしておるさなかにおいて六千人の人件費をこれに流用するということになると、郵政省のこの事業の運営が今後非常に窮屈になるということになってくるわけでありますが、ここから先は大きな政治問題になるわけですが、大臣、その辺はどうですか。
  199. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 保険と貯金のほうからの繰り入れ問題につきましては、先ほど局長答弁したとおりでございまして、現在の時点ではいろいろなむずかしい点がございます。そうすると、三百億の財源をどうするかということでございますが、これはいろいろ検討いたしまして、ことしは何とかなる、こういう結論に達しております。
  200. 森本靖

    森本委員 それは何とかなりますよ、年間六千人分ですから。しかし、年間六千人分といっても、何とかなるといっても、それじゃ一体どこでなっていくかということになりますと、それは残った従業員にそれだけの労働過重になっていくことは当然なんです。  そこで、いまかりに自動読み取り区分機の搬入について全逓と郵政省とが非常に紛糾を来たしておるわけでありますけれども、これは大臣もこの間三局長会議で、き然として読み取り区分機をやるということを言っておるわけですね。だから、私はこの読み取り区分機についてはやるなとは言いません。これは時代の進展でありまするから当然やるべきでしょう。これは磁石式の電話から自動電話にかわることについて反対ができぬのと一緒です。しかしながら、そういうことをやるとするなら、それはそれに応じて、それぞれの職場における時間短縮の問題なりあるいは労働時間の問題なり作業の問題なり、そういうものを考えていかなければ、読み取り区分機を入れることによってそれだけの労働量というものが変わってくるわけでありますから、おそらく全逓の労働組合にいたしましても、それをまっこうから反対だということを言っておるのじゃないと思います。やはりそういうふうな時間短縮の問題、それは前から懸案になっておるわけでありますから、そういう点について、大臣は一方のことだけを聞いて、き然としてやるのだ、もし言うことを聞かなければ弾圧するのだということでは、なかなか郵政事業というものはうまいこといかぬのじゃないかと思うのです。全逓という組合は、おそらく労働組合の中でも私は一番話がわかる組合だと思っておるわけでありますから、そういう点からいくとするならば、ただ強がりばかり言わずに、大臣としても率直に話し合いをしようという姿勢に立つべきではないか、こう思うのですが、大臣、その点どうですか。
  201. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 いまお話しの件は、大体原則的には賛成でございます。  要旨は、将来の郵政事業にとって機械化は必要である、それは時代の趨勢である、それはいいと思うが、しかし、それをやるならば、労働条件の改善ということについて具体的に先に示せ、当然そうすべきではないか、こういうお話のように見受けられますが、私どものほうは、機械化をやることは郵政事業を救う唯一の方法である、これは皆さん異論はないと思うのです、それによって労働条件の改善をここで必ず考えます、ただしかし、いまこの時点で具体的に時間をどうしろとか、休日をどうしろとかいうことを正確に示すことは不可能である、もう少しやってみた上で、その段階において必ず実現をいたします、こういうことを言っているわけでございまして、同時にあわせて、一方的にやるというのではございません。できるだけ話し合いをして、話し合いによってものごとを解決していきたいというこの根本の姿勢は変えているわけではございません。
  202. 森本靖

    森本委員 これは労使の問題でありますから、これ以上国会の場では取り上げませんけれども、こういう問題で紛糾を来たして国民に迷惑をかけるということについては、まことに郵政省としては申しわけないと思うと私は思います。そういう点については、いま大臣が言ったような線で積極的に従業員の意向を聞き、話し合いに応じていくという態度でひとつこれは円満解決の方向に臨んでもらいたい。何か硬直したような姿勢を示してもらいたくない。特に、人事局長山本君あたりは非常にまじめさが勝っておりますので、ときによると、あまりまじめ過ぎて硬直した形ではなかなか円満にいかぬと思いますので、そういう点、ひとつ円滑に酒脱に、ときには冗談も言う、ときには激突もするということがあってもいいと思う。国会みたいなものです。だから、こういう交渉は円滑に酒脱に進めていく、最終的には円満にいく、その過程においてはいろいろトラブルがありましょうけれども、トラブルをいつまでも根に持ってそれがどうこうという形では困る。その辺の指導は、大臣が責任をもって円満解決の方向に指導してもらいたいわけであります。  そこで、いまの問題で三百五億ということになると、この六千人という問題が非常に窮屈になることは明らかであります。大臣は、何とかなりますと言いますけれども、この調子でいきますと、この四十四年度の予算を見ましても、それからいまの取り扱い物数の上向程度からいきましても、来年度の郵政事業特別会計の予算というものは組みようがないという形になるのではないかと私は思う。今年においてすらわずかに二十億の予備費しか組んでおりません。郵便の増収についても、昨年から見ますと相当上がった形を見ているわけでありまして、これはいま予算の組み方としては、郵便の増収目標として筒一ぱいだ。だから実際に二十億程度しか出てこない。たとえば記念切手についてもほとんど筒一ぱいに組んでいる。こういうことになると、予算的に非常に窮屈になってくる。来年度はどうやって予算を組むだろうか、わしが大臣になったらこういう予算はなかなか組めないが、ということで、自分が大臣になったつもりで四十四年度の予算を検討してみたわけでありますけれども、どうやっても四十五年度の予算は組めない。(「心配御無用」と呼ぶ者あり)心配御無用という不規則発言がありましたけれども、心配をしないと、自民党にまかせておいたのでは、この予算の組み方がうまいこといかぬと思います。  来年度の予算編成については、一体大臣はどういうふうに考えておるのか。賢明な大臣でありますから、おそらく来年度の予算編成のときにも大臣としてそのまま在職しておられると思いますけれども、そういう点で、四十五年度の予算編成については一体どういうお考えかということをひとつ聞いておきたいと思います。
  203. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 四十五年度の予算編成の事務的な作業はただいま続けているところでございますが、いまお話しのように、確かに来年度の予算は非常にむずかしい問題が山積しております。しかし、いろいろ総合いたしまして、来年は何とか組めるのではないかと思います。しかし、いまの状態が続きますと、さらに再来年以降は相当組むことがむずかしいのではないか、こういう状態だと思います。
  204. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、再来年度以降については、ある程度郵便料金の値上げをしなければやっていけぬという大体の見通しですか
  205. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 いまのところはっきりしたことを申し上げかねますが、とにかく、いまの状態が続けば再来年度以降は非常にむずかしい問題で、相当大幅な赤字が出るであろう、こういう結論でございます。
  206. 森本靖

    森本委員 だから、赤字が出れば、そしていまのやり方でいくとするならば当然料金を値上げしなければやれぬ、来年は何とかいくけれども、再来年になればある程度の値上げをしないとどうもむずかしいというのが大体常識じゃないですか、いまの予算を見た場合。それ以外に、一般会計から繰り入れるとかいうことをやれば別ですよ。そういうことでなしに、現行の予算の編成の方法でいくとするならば、再来年度あたりは結局料金値上げに行き当たるのではないかというふうに考えますが、その点どうですか。
  207. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 相当な赤字が出ることは確実でございまして、この赤字をどういう形で埋めていくかという問題は残るわけでございます。
  208. 森本靖

    森本委員 そこで、赤字の問題になりましたので、結局簡易郵便局に返りますが、この法律の施行はいつですか、局長
  209. 曾山克巳

    曾山政委員 この法律は公布の日でございます。
  210. 森本靖

    森本委員 そうすると、もしかりにこの法律が通ったとするならば、いつ公布するつもりですか。
  211. 曾山克巳

    曾山政委員 ぜひ御承認いただきたいのでございますが、もし御承認いただければ、省といたしましては十月一日でも施行していただいたらと思っております。
  212. 森本靖

    森本委員 この法律が通ったことによって簡易郵便局がふえる数はどの程度に見ておりますか。
  213. 曾山克巳

    曾山政委員 現在約二千百くらいのところに、簡易郵便局で置けるところで、かつまだ置いてないところがございます。したがって、さような地域のうちの約七割ぐらいが公共団体あるいは協同組合施設のないところでございますので、どうしても個人にならざるを得ません。私どもこれを大体五カ年計画ぐらいで消化していきたいと存じております。
  214. 森本靖

    森本委員 だからこの法律がかりに通ったならば、簡易郵便局を今年度個人請負で許可するというところはどの程度出てくるか、こういうことを言ったわけです。
  215. 曾山克巳

    曾山政委員 本年度といたしましては一応予算のワクが三百とってございますが、まだ現在未消化のところが相当ございます。したがって、それ一ぱい消化すれば本年度の目標でいいのではないかと考えております。  ちょっとそれから先ほど申し上げましたこの法律の施行の日でございますが、「公布の日から起算して三十日を経過した日から施行する。」でございましたので、訂正させていただきます。
  216. 森本靖

    森本委員 その三百のうちで、現在までに何ぼ許可しておりますか。
  217. 曾山克巳

    曾山政委員 現在のところ、今年度の簡易局の開設数は約三十くらいでございます。
  218. 森本靖

    森本委員 三十くらいというが、正確な数字はわかりませんか。
  219. 曾山克巳

    曾山政委員 数字をとりましたのがしばらく前でございましたので、現在のところというお話ですと……。
  220. 森本靖

    森本委員 いつですか。
  221. 曾山克巳

    曾山政委員 五月末現在におきまして大体二十五でございます。
  222. 森本靖

    森本委員 五月末で二十五ということでございますが、そういたしますと、先ほどの赤字の問題に返りますが、今年度の三百の簡易郵便局を全部許可をしたとして、現行の簡易郵便局数全部合わせまして大体どの程度の赤字になりますか。
  223. 曾山克巳

    曾山政委員 現在の簡易郵便局一局当たりの赤字が年間大体五万円でございます。したがって、それに約三百かけますので千五百万円ぐらいの赤字になると考えます。
  224. 森本靖

    森本委員 年間千五百万円の赤字ということでありますが、そうすると、今回の場合平均手数料幾らになりますか。三百を許可したあとにおける平均手数料ですね。手数料というよりも、基本額一切合わして平均……。
  225. 曾山克巳

    曾山政委員 平均手数料月額で申し上げますと、予算の面におきまして約二万五千円、実行の面におきまして二万九千円になろうと思います。
  226. 森本靖

    森本委員 二万九千円で、最高と最低幾らになりますか。
  227. 曾山克巳

    曾山政委員 予測されます数字が最高で一応年額百三十万円くらいになろうと思われます。月額で申し上げますと約十二万円弱になろうと思います。それは最高でございます。最低につきましては、年額にいたしまして約十七万円になろうと思います。月額で申しますと一万四千円になろうと思います。
  228. 森本靖

    森本委員 それで大体わかりましたが、これはかなりの赤字になるわけでございまして、貴重な郵政事業特別会計の中における赤字ということは非常に望ましくないわけであります。  そこで、とにかく大衆にサービスをしなければならぬということは、わが社会党といえども賛成であります。ただし、やり方について一体どういうやり方をしたらいいかということが一番問題でありますが、それを論議する前に、現在の郵政局統括局、普通局、それから普通局の無集配局、特定郵便局集配局、無集配特定局、それからさらに特定郵便局長業務推進連絡会、こういうものの関連を一体どう考えておるのか。いわゆる郵政省の機構として一体この機構がどういうふうに考えられるか、こういうことであります。
  229. 曾山克巳

    曾山政委員 郵政現業機関のあり方並びに管理機関のあり方につきましてはいろいろ考え方があろうかと思いますが、御案内のように昭和三十三年に特定局制度調査会におきましては、小規模局であるところの特定局につきましてと、並びに簡易局につきましての答申が一応出ております。私どもとしましては、現在のところ現行制度に特別に欠陥はないと思っておりますが、ただ、なお時代の進展に伴いましていろいろの御意見があれば、それを検討するにやぶさかでない次第でございます。
  230. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、現在の郵政局の位置づけというものはどうなっておりますか。これは官房長か文書課長だと思う。いわゆる本省郵政局統括局、普通局、普通無集配局、それから特定局、特定無集配局、簡易郵便局、こういうものの指導監督、縦横の連絡、こういうものは一体どうなっておるか。
  231. 溝呂木繁

    ○溝呂木政府委員 設置法上、郵政省の組織は本省内部部局というものがありまして、地方に地方郵政局、地方郵政監察局という形になっております。そうして、あと郵便局は全部地方支分部局という形で、現業を行なうという形で各郵便局がある、これは普通郵便局であろうと、特定郵便局であろうと、集配局であろうと、無集配局であろうと同一の郵便局の監督下に同一の形で並んでおります。それからさらに、地方支分部局として特殊な形態のものとして地方貯金局、地方簡易保険局、あるいは付属機関としまして病院とか研究所、こういうものがあるわけでございます。  したがいまして、御質問統括局とか、そういういろいろな名前はありましても、郵便局は郵政局の下に一様にある、こういうことになっております。
  232. 森本靖

    森本委員 それでは、順次聞いていきますが、統括郵便局というのは、法律的にどういう地位ですか。
  233. 溝呂木繁

    ○溝呂木政府委員 統括郵便局と申しますのは、結局「郵便局の称呼に関する件」として昭和二十五年の公達できめておりまして、これによりますと、「都道府県内郵便局の連絡統轄事務を取り扱う郵便局」、これを統括郵便局と呼称する、こういうことになっております。
  234. 森本靖

    森本委員 その連絡統括はどういうことをやりますか。
  235. 溝呂木繁

    ○溝呂木政府委員 郵便局組織規程に「地方郵政局長の定めるところにより、それぞれ同表下欄に掲げる都道府県内郵便局の事務の連絡統括に当るものとする。」というふうになっておりまして、「地方郵政局長の定めるところ」ということになっております。そしてなお「前条の連絡統括に当る郵便局の各課」、要するに郵便局の中にあります各課は、この組織規程の「第二条から第十九条までに掲げる事務の外、その所管事務に関し前条による連絡統括に関する事務をつかさどる。」ということに規定上はなっております。
  236. 森本靖

    森本委員 だから、郵便局長の定めるところというその連絡統括ということはどういうことをやっておりますかと聞いておるわけです。あんた郵政局長やっておったことがあるんだから知っておるだろう。
  237. 溝呂木繁

    ○溝呂木政府委員 連絡関係の事務と申しますと、いわゆる指揮、監督に属さない事項でございますので、郵便については郵政局の指揮系統に属さない、いろいろ統括局長に対してこういうものをまとめてほしいとか、あるいはこういう連絡をしてほしいとかいうふうに指揮、監督に属さない事項を、しかもそれぞれ郵便貯金、保険、あるいは共通事務、そういうものについて統括局にその連絡をやらせております。
  238. 森本靖

    森本委員 具体的に郵便貯金、保険、それから共通の例を一つずつあげてください。
  239. 溝呂木繁

    ○溝呂木政府委員 たとえば郵便関係につきますと、いま郵便番号の周知等について、各局内の連絡とか、そういうものに当たっております。これはほんの一例でございます。
  240. 森本靖

    森本委員 貯金、保険、共通はどういうことがありますか。
  241. 溝呂木繁

    ○溝呂木政府委員 貯金、保険等につきましては、御承知のように、いろいろ県内で会議を持つとか、そういう場合に統括局長に、いつ、どこで、どういう県内の普通局の会議を持ったらいいかとか、いろいろそういうことの事務連絡等が貯金、保険等には多うございます。
  242. 森本靖

    森本委員 貯金、保険の会議統括局を通しておりませんよ。これは現在普通局に直接ですよ。それから指定局ですよ。
  243. 溝呂木繁

    ○溝呂木政府委員 私の申し上げましたのはいわゆる事務連絡の分でございまして、たとえば静岡県の中で郵政局が静岡県の西のブロックの普通局の会議をやりたいというようなときに、たまたま統括局が西ブロックにありますと、その統括局長を幹事局として連絡をするというような事例があります。それから県内一本で普通局をまとめて会議をしたいというようなときには、やはり統括局にその事務連絡をお願いする、これは一つの便宜な方法でありますが、いわゆる事務連絡という形でやっております。  指定局関係は、これは特定局の経費の支出を必要とするような場合には、当然指定局を通して、いわゆる支出官事務を伴う問題でありますので、いまお尋ねの件は特定局を集めるような場合に指定局を使う、こういうことでございます。  共通関係につきましても、いろいろ労務問題の連絡とかあるいは庶務会計事務について、いろいろ講習会の問題とか、そういうものを県ブロックごとに行なうような場合には、そこの統括局にそれのいろいろな雑務と申しますか、事務のあっせんをしてもらうという意味で事務連絡をしておるわけであります。
  244. 森本靖

    森本委員 共通は厚生関係を主にやるのではないですか。
  245. 溝呂木繁

    ○溝呂木政府委員 申し忘れましたが、統括局をつくった当時は、県内のいろいろな厚生物資のあっせんというものが非常に大きなウエートを占めておりますことは確かであります。
  246. 加藤六月

    加藤(六)委員長代理 午後一時四十分より再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時五十九分休憩      ————◇—————     午後二時三分開議
  247. 井原岸高

    井原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  簡易郵便局法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。森本靖君。
  248. 森本靖

    森本委員 もとへ戻りまして、先ほど統括局の問題であります。  統括局についてはいま回答がそれぞれあったわけでありまするが、その中で貯金、保険、労務連絡ということでありましたが、そこでお聞きしたいのは労務連絡ということであります。  この労務連絡というのはどういうことでございますか。
  249. 山本博

    山本(博)政府委員 労働問題といいますのは、始終いろいろな変化が起こりますので、年に何回か、場所によって違いますけれども、普通局長を集めましていろいろな情報を与えたり、あるいは起こってきた問題にどう対処するか、そういうようなことについての指導を郵政局が直接行なうというような機会がございます。そういう場合に、統括局長を通じまして、場所の設定とかあるいはいろいろな連絡とか、会場の設定とか、こういうようなことをさせておるのが実情でございます。
  250. 森本靖

    森本委員 その場合、各統括局には労務連絡担当官というのがおるわけでありますが、この労務連絡担当官というものの身分はどうなっておりますか。
  251. 山本博

    山本(博)政府委員 労務連絡官は、本来の身分郵政局身分を持っておりまして、それでそれぞれ必要なところに駐在をしております。仕事は、それぞれ担当しております地域の労働問題に関する情報の収集、あるいは郵政局からの個別の連絡、こういうようなものを担当することにしております。
  252. 森本靖

    森本委員 そうすると、その労務連絡担当官は、大体いなかのほうへ行ったならば統括郵便局しかおらぬのじゃないですか。
  253. 山本博

    山本(博)政府委員 大体そういう置き方になっております。
  254. 森本靖

    森本委員 そうすると、この労務の連絡については統括郵便局はほとんどやってないと、こういうことですね。
  255. 山本博

    山本(博)政府委員 労務の連絡と申しますのは、大体労務連絡官がその担当地域、したがいまして統括局に在勤しております場合は労務担当官が主としてそれを担当いたしております。
  256. 森本靖

    森本委員 統括的が労務の連絡を行なうということはほとんどないわけだね。
  257. 山本博

    山本(博)政府委員 先ほど申し上げました会議を行なうような場合の場所の設置とかあるいは技術的な連絡とかはございますが、労働問題そのものの内容についての連絡というようなことは、労務連絡官が行なっておるということでございます。
  258. 森本靖

    森本委員 この労務連絡担当官というのは、一体全国で何人おりますか。
  259. 山本博

    山本(博)政府委員 約六十名ちょっとだったと思います。
  260. 森本靖

    森本委員 約でなしに、正確な数字は。
  261. 山本博

    山本(博)政府委員 六十一名でございます。
  262. 森本靖

    森本委員 これは大体統括郵便局と、それからどういうところに配置されておりますか。
  263. 山本博

    山本(博)政府委員 置かれておりますのは大体原則としまして統括局でございますが、たとえば東京とかあるいは札幌とか、こういうところは必ずしも統括局ではございませんで、それぞれの地域を適当に分割いたしまして置いてあります。
  264. 森本靖

    森本委員 統括局以外のところで労務連絡担当官を置いてあるのはどこどこですか。
  265. 山本博

    山本(博)政府委員 数がたくさんございますが、読み上げます。
  266. 森本靖

    森本委員 地方でいいです。どの地方どの地方。
  267. 山本博

    山本(博)政府委員 東京都内、これはたとえば日本橋とか下谷とか、こういったようなところに置いてございます。あとは札幌関係、北海道でございますが、これは函館、旭川、釧路、滝川、こういうようなところに置いてございます。
  268. 森本靖

    森本委員 そうすると、近畿方面はないわけですね。近畿、名古屋、それから北九州は。
  269. 山本博

    山本(博)政府委員 たとえば静岡の地域が少し横に長うございますので、これは静岡と、そのほかに沼津というところに置いてございます。それから近畿地方では、県庁所在地以外ですと布施に置いてございます。
  270. 森本靖

    森本委員 この労務連絡担当官というものの任務はどういう任務ですか。
  271. 山本博

    山本(博)政府委員 大体先ほど申し上げましたように受け持ち区域というのがきまっておりますので、その区域内の労務状況というものを的確に把握をして、それを郵政局に連絡をする、また、その受け持ち区域内の労働関係事務についていろいろふなれな管理者がありますので、そういう点についての指導を行なうというのが原則でございます。
  272. 森本靖

    森本委員 労務連絡担当官ば統括局におるわけでありますが、その場合、統括局局長、次長、課長と比べた場合に、地位がどの程度になるわけですか。
  273. 山本博

    山本(博)政府委員 これは先ほど申し上げましたが、郵政局に本来身分がございますので、郵政局の課長補佐、こういうような身分で駐在駐在をする、駐在しました郵便局の固有の仕事をいたしますときには郵便局長の指揮下に入ります。しかし、郵政局からの事務連絡その他は郵政局から直接受けるということになっております。
  274. 森本靖

    森本委員 郵便局長の指揮下に入った場合に、この人の身分はどの程度の身分になりますか。
  275. 山本博

    山本(博)政府委員 先ほど申し上げました郵政局の課長補佐という身分でございますが、それぞれの郵便局の大きさとかあるいは組織とか、そういうことによりまして位置づけが必ずしも一致はいたしておりませんが、大体課長よりちょっと上ぐらいのところに置いてあるのじゃないかと思います。
  276. 森本靖

    森本委員 課長より上で局長より下ということになりますと、どの辺ですか。
  277. 山本博

    山本(博)政府委員 課長より上で局長より下、まん中くらいであります。
  278. 森本靖

    森本委員 その間に次長がおるわけでありますので、その次長より上になるのか下になるのか、それを聞いておるわけです。
  279. 山本博

    山本(博)政府委員 次長より、たてまえとしては下に置いてあると思っております。
  280. 森本靖

    森本委員 そうすると、これは一応郵便局長の下で、次長の下で、筆頭の課長よりは上というのが大体与えられておる身分ですか。
  281. 山本博

    山本(博)政府委員 六十一名全部について、その位置を全部調べておりますせんので全部について申し上げかねますけれども、原則としてはそういう形だと思っておるのでございます。
  282. 森本靖

    森本委員 それで、この労務連絡担当官は、ある程度の業務経費というものを持っておりますか。
  283. 山本博

    山本(博)政府委員 労務連絡官固有というものはないと思います。
  284. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、労務連絡担当官が年間使う経費はどの程度ですか。
  285. 山本博

    山本(博)政府委員 労務連絡官だけが使う経費というものはございませんで、これは大体郵政局の経費の中からそれぞれに必要な経費をまかなっておるということでございまして、大体労務関係の経費というも、のは、郵政省全体で年間一千五、六百万円ということでございます。
  286. 森本靖

    森本委員 郵政省全体で一千五、六百万円、その中でこの労務連絡担当官も郵政局で使う分も本省で使う分も含まれている、こういうことですか。
  287. 山本博

    山本(博)政府委員 さようでございます。
  288. 森本靖

    森本委員 この経費は予算科目のどの款、項、目に入りますか。
  289. 山本博

    山本(博)政府委員 これは雑費の費目から使っております。
  290. 森本靖

    森本委員 四十四年度の雑費の費目は全部で幾らに組んでおりますか。
  291. 上原一郎

    ○上原政府委員 ただいま人事局長から雑費というお話がありましたけれども、予算科目に雑費というものはございません。予算科目は需品費でございます。需品費の中から出ております。
  292. 森本靖

    森本委員 需品費の中でありますが、郵政局では通常雑費雑費と、こういっておるわけですね。だから、おそらく人事局長はそういうつもりで雑費ということで答えられたと思いますが、全国の郵政局が十あるわけでありますけれども、その中で、これは平均単価をとらなければわかりませんが、たとえば例を東京にとりますと、東京郵政局の中における雑費ですが、大体年間どの程度ありますか。
  293. 山本博

    山本(博)政府委員 郵政局別の資料をただいま持ち合わせておりませんが、推定をいたしますと、郵政局全体としまして約八百六十万ほど使っておりますので、そのうちの大体二割ないし三割というのが東京で使ったものと思います。
  294. 森本靖

    森本委員 もっと多いんじゃないですか。これは先ほどの労務の経費の千五百万円とは別に、たとえばこの雑費というのは、お年玉のいわゆる統括郵便局、普通局の門松までこの中から出ておるはずであります。だから、そういう点からいくとするならば、全国八百六十万の雑費ではとうていまかない切れないと私は思いますが、これは人事局長でなしに経理局長、どうですか。
  295. 山本博

    山本(博)政府委員 私が申し上げましたのは労務雑費でございます。
  296. 上原一郎

    ○上原政府委員 お答えいたします。  労務関係を含んだいわゆる雑費というものは、大体一億五千万円程度であろうかと思います。
  297. 森本靖

    森本委員 いや、一億五千万円というのは、全国の各郵政局に割り当てておる大体の雑費というのが一億五千万円程度ですか。
  298. 上原一郎

    ○上原政府委員 そのとおりでございます。郵便局を含みます。
  299. 森本靖

    森本委員 郵便局には大体雑費という制度はないのでしょう。
  300. 上原一郎

    ○上原政府委員 雑費という制度は郵政局にもございません。正式の名前は周知会議費ということで私のほうは令達をいたしております。それをいわゆる雑費と称しております。
  301. 森本靖

    森本委員 この周知会議費というのは、統括局にも出しているわけですか。
  302. 上原一郎

    ○上原政府委員 出しております。
  303. 森本靖

    森本委員 この周知会議費というのは、統括局年間どの程度ありますか。
  304. 上原一郎

    ○上原政府委員 いま、はっきりした数字は申し上げられません。あとで調べます。
  305. 森本靖

    森本委員 大体でけっこうです。
  306. 上原一郎

    ○上原政府委員 その大体もちょっとわかりません。
  307. 森本靖

    森本委員 そんな回答はないですよ。これは答弁がユーモアだから質問もユーモアになるけれども、この雑費というのは、周知会議費という形で、これがいわゆるある程度の交際費にもなる。ある程度先ほど言った門松の経費にもなるわけであって、電通と違って郵政の場合は、正式には交際費とかそういうものはないわけでありますから、この周知会議費というものがどの程度統括局にあるかということによって一応その交際範囲というものはわかるわけであります。御承知のとおり、電電公社はこういう経費を明らかに交際費として組んでいるわけですね。その場合に、郵便局にはこういう金が一銭もないということで平生から不合理に考えているわけであります。そういう点で、大体でもわからぬだろうかと思って聞いてみたわけでありますが、大体もわからぬということでありますので、これはひとつ御調査を願って、その資料が出てきましてから質問したいと思いますのでお願いしたいと思います。先に進みます。そこで、そういうことになってきますと、これもまた簡易郵便局に関連してくるわけでありますが、簡易郵便局に対する指導、連絡を行なうにつきましてもある程度の経費が要るわけであります。そういう簡易郵便局に対する指導、連絡あるいは監督をするという分の経費は、一体どこへ流されておるのか、だれが使っているか、そして年間どの程度の経費になっているか。これをひとつ明らかにしてもらいたい。
  308. 上原一郎

    ○上原政府委員 お答え申し上げます。  四十四年度予算について申し上げます。簡易郵便局の監督、指導ということで百三十四万六千円というものを計上しております。それから、指導ということに直接関係いたしませんが、簡易局の事務担当者講習ということで百四十七万五千円、それから、この際そのほかの経費を申し上げますと、新設局に対する事業用物品ということで六百六十七万二千円、それから貯金の無事故局の推奨ということで四万七千円、それから記念日の表彰関係で四万三千円、それから窓口会計機を配備するということで四千二百六十七万円、合わせて大体五千二百二十五万円というものを計上しております。
  309. 森本靖

    森本委員 記念日の四万三千円、これはどういう経費ですか。
  310. 上原一郎

    ○上原政府委員 これは需品費でございまして、十七局を表彰する表彰単価二千五百円ということで計上しております。
  311. 森本靖

    森本委員 これは表彰費だけですか。記念品を渡すとか、記念式典に際して、同じ郵政省の職員ではないけれども、郵政省の職員と同じようにまんじゅうの一つでも渡すというようなことはないわけですか。
  312. 上原一郎

    ○上原政府委員 それはそういうものを含んで二千五百円ということでございます。全部一緒であるというふうには考えておりません。
  313. 森本靖

    森本委員 そうすると、まんじゅう代も含んでおるわけですか。それは表彰するところだけの金じゃないのですか。
  314. 上原一郎

    ○上原政府委員 まんじゅう代は含んでおりません。
  315. 森本靖

    森本委員 そうすると、記念品代はこの簡易郵便局の場合には入ってないわけですか。
  316. 上原一郎

    ○上原政府委員 入っておりません。
  317. 森本靖

    森本委員 これはこまかいことですけれども、ひとつ今後考えていってやったらどうかと思いますが、同じように郵政事業をやっておって、一方の職員はちゃんと一応小さなまんじゅうでも何でも逓信記念日として渡る、同じように貯金郵便、保険をやっておる簡易郵便局には全然渡らぬ。やはり同じ郵政の仕事をしておるならば、同じように逓信記念日を祝福するという形であっていいじゃないか、こういう場合には、今後ある程度考えていっていいんじゃないかというふうに考えるのですが、その点どうですか。
  318. 上原一郎

    ○上原政府委員 御趣旨よくわかりました。そのように計画を組んでみたいと思います。
  319. 森本靖

    森本委員 それからこの六百六十七万円の事業用品ですが、これは一体どういうものがありますか。
  320. 上原一郎

    ○上原政府委員 お答え申し上げます。  事業用品は大体はかりと日付印ということが主体になっておりますけれども、こまかく申し上げますと、通常用皿手動はかり、小包用皿手動はかり、通帳用日付印箱、通帳用日付印軸、通帳用日付印年活字、月活字、日活字、記号活字、棒型日付印年活字、月活字、日活字、日付印ゴム板、速達便覧といったようなもので、大体二十三品目を予定しております。
  321. 森本靖

    森本委員 この中で、はかりと日付印ですが、これの耐用年数は幾らになっておりますか。
  322. 上原一郎

    ○上原政府委員 日付印でございますか。
  323. 森本靖

    森本委員 日付印と、はかりです。
  324. 上原一郎

    ○上原政府委員 ちょうどその点が出ておりません。あとで報告いたします。
  325. 森本靖

    森本委員 これはひとつあとで調べてやってもらいたいと思いますが、特にここで聞きたいのは、はかりの問題ですが、このはかりの計量検査は一体何日に一ぺんくらいやっておりますか。これはよく聞かれるのです。
  326. 中根敬一

    ○中根説明員 計量検査でございますが、毎年一回やることを原則としておりますが、必ずしも地域によりまして一回やっておりませんが、二年に一回くらいは必ずやっております。できるだけ密にやるようにいたしております。
  327. 森本靖

    森本委員 その検査はだれが行ってやるわけですか。
  328. 中根敬一

    ○中根説明員 郵政局の計量官でございます。
  329. 森本靖

    森本委員 その郵政局の計量官が全部行っておりますか。
  330. 中根敬一

    ○中根説明員 数が多いものでございますからなかなか意にまかせないところもあるわけでございますが、極力回りまして厳重な検査をいたすようにしております。なおかつ、はかりの検査につきましては、乙種計量主任というものが郵便局にあるわけでございますが、それに準じまして検査の指導をいたしまして、扱い者におきましても、平生におきまして正確を期するようにこの修善その他につきましては関与させておるわけでございますが、それについて足りないところは郵政局の計量官が回りまして検査をしておるわけでございますが、その回数は御指摘のように必ずしも十分にはいっておりませんので、今後ともなお一そう密にするように心がけていきたいと思っておるわけでございます。
  331. 森本靖

    森本委員 こまかいことを言っているようですけれども、これは非常に大事な点でありまして、非常に不満が出ているわけであります。あっちの簡易郵便局ではかったのとこっちの簡易郵便局ではかったのと全然違う。これは新聞の投書にも載っているわけであります。そういう点からいくとするならば、四十三年度簡易郵便局の計量器の検査は一体何回やったか、おきしたいわけです。
  332. 中根敬一

    ○中根説明員 正確な資料を持ち合わせておりませんので、すみやに提出させていただきます。四十三年度の分でございますね。
  333. 森本靖

    森本委員 それでは後ほど検査の資料を出していただいて、これもまたあとで質問することにいたしますが、次に、簡易郵便局では個人貸与の物品はございませんね。
  334. 中根敬一

    ○中根説明員 個人貸与の物品はございません。
  335. 森本靖

    森本委員 将来事務服とか、そういうものを個人貸与にする考え方はございませんか。
  336. 中根敬一

    ○中根説明員 個人受託になる場合においては協同組合市町村公共団体その他と若干事情が違いますので、その辺のところにつきましてはなお詳細検討してみたいと思っておりますが、委託業務の性格にかんがみまして一応考えておるわけでありますが、なお今後の実況を見まして検討してみたいと思います。
  337. 森本靖

    森本委員 これもやはり要望が非常に強いわけであります。全簡連の人々がいろいろ待遇の問題を言っておりますけれども、小さい問題でありますけれども事務服なんか全然渡っていない。同じ郵便局の職員でありながら簡易郵便局ということで全然渡っていないわけでありますが、そういう要望が簡易郵便局あたりから出たことはありませんか。
  338. 中根敬一

    ○中根説明員 要望は出たことがございます。ただし、全般的な状況ではございませんで、そう数多い要望でもないというように承っておりますが、要望が出ているということは承っております。
  339. 森本靖

    森本委員 この事務服についても要望は少ないと言っておりますけれども、要望してもなかなか貸与してもらえぬと頭からあきらめて要望してない面が多いと思いますが、この事務服の耐用年数は幾らですか。
  340. 中根敬一

    ○中根説明員 郵便局の場合ございますか。——二年に一着でございます。
  341. 森本靖

    森本委員 二年に一着の割りで現在の簡易郵便局に全部渡したら、経費はどのくらいになりますか。
  342. 中根敬一

    ○中根説明員 約三千局でございますから、一着千五、六百円くらいの単価と思いますので、約三、四百万円になると思います。
  343. 森本靖

    森本委員 郵政事業特別会計の中から見ると、三、四百万円ということになるとわずかな金額です。もしこの法律を通して個人請負ということになると、現行の簡易郵便局においてもこの程度のことは考えてやってもいいではないかと思いますので、これはやはり検討する余地があるのではないですか。こういうことは、こういうところでも通じて言わないと、率直なところ郵政省はなかなかやらぬですよ。ほんとうに小さいことを言うようですけれども、こういう委員会を通じて言って初めてこれが実現をされるという場合が非常に多いわけです。こまかいことを言うようですけれども、全国の三千何ぼの簡易郵便局に事務服が渡るということであるならば、郵政省の何千億の経理の中から当然これは考えてやっていいと思うのですが、検討の余地はございませんか。
  344. 中根敬一

    ○中根説明員 先ほど申し上げましたように、受託者地方公共団体ないし協同組合の場合でありますと——私も最近一、二局に行ってみましたが、たとえばある農協でございますが、農協の職員と一緒に働いております。窓口がずっと並んでおりまして、五つぐらいの窓口を農協が使っておりまして、その隣の一つの窓口を簡易局で使っておるという状況でございまして、なお職員の服務につきましては、固定服務では必ずしもなくて、必要に応じて共助共援の体制をとっております。並んでおる状況でも農協の制服と同じ事務服を着ているほうがお互いにいいという点なんかもございまして、そういう点では必ずしも郵政省のほうから事務服を貸与するという点についてはいかがかと思う点もあるわけでございますが、個人受託の場合になりますと、先ほど申し上げましたのはその点でございますが、若干事情が違ってくるかと思いますので、なお実況等をよく検討いたしまして、お話の点については研究してみたいと思っております。
  345. 森本靖

    森本委員 これはいま資材部長、せっかくの答弁ですけれども、農協関係でそういう形でやっておるのはわりかた少ないですよ。統計調べてごらんなさい。やはり農協関係の委託しておるものでも別個に置いておるものが案外多いのですよ。だから、農協の中に置いておるというのは、その中で調べて——貯金を扱っていないところがそうですよ。その貯金を扱っていないのは案外少ない。それから市町村の役場において市町村の窓口で一緒にやっておるというものも案外少ない。単独でやっておるものは案外多いのです。現行においてもこの問題はやはり私は考えるべき性格があると思うのです。あなたも郵政局長やっておるから少しはお詳しいと思うけれども、あなたも郵政局長をやっておる時分にそうぐるぐる下のほうを回っていないからまだよく知っていないと思うのですけれども、あなたがいま言ったようなことについては、事実あることも私は肯定をします。しかし、それは少ないということは言えると思います。特に四国のごときはそういうものはほとんどないですよ。あなたも松山の郵政局長をやって御承知のとおり、だから、これはやはりどうこう言わずに、ある程度一ぺんひとつ資材も郵務も一緒になって検討してみたらどうかというサゼスチョンをしておるわけです。検討に値する問題であると思うわけです。事はこまかいようですけれども、やはりこういうふうなこまない行政の配慮をしてやる必要があるのじゃないか、こう思うのですよ。どうですか。
  346. 中根敬一

    ○中根説明員 研究いたします。
  347. 森本靖

    森本委員 そこで、やはり何としてもこの簡易郵便局というものは、一体どう維持、監督をし、それをどう業務の方面において推進をしていくか、指導、監督をするのかということが非常にむずかしいわけですね。この法律においては一応集配特定局もしくは普通局監察官がいろいろなことをやるというふうに法律には載っております。載っておりますが、先ほど私が言いましたように、現在特定郵便局でやっておりますような特定郵便局長事務推進連絡会、これはよしあしについてはいろいろ御意見があろうと思いますが、簡易郵便局についても何かそのような機構というものが私はあってしかるべきじゃないか、単なる全簡連というふうな任意団体にこれをまかしておいたんでは私はなかなか話がしにくい、ある程度郵政が金を出して自主的に簡易郵便局がその一つの半官半氏といいますか、特定郵便局長業務推進連絡会、こういうふうな形の研究機関、指導機関というものを私は持ってもいいのじゃないかというふうに考えておるわけであります。  そこで、この特定郵便局長業務推進連絡会でありますが、これは全国でどういう機構になっておりますか。
  348. 溝呂木繁

    ○溝呂木政府委員 全国で連合会が十一ございます。これは郵政局単位ごとにあるわけですが、本来なら十なんですが、東京郵便局管内は御承知のように非常に広うございますので、特に東京郵政局管内について二つございますので全国で十一、それから連合会が百八十一、そしてそのもとにある部会が千二百二十一ございます。
  349. 森本靖

    森本委員 そこで、この特定郵便局長業務推進連絡会に使っておる金は、年間四十三年度幾らですか。
  350. 溝呂木繁

    ○溝呂木政府委員 ただいま手元資料がございませんので、後ほど調べまして御提出したいと思います。
  351. 森本靖

    森本委員 これも資料がないということでありますので、第六番目の問題としてまた資料を出してもらってから質問をすることにいたします。  そこで、審議に協力をして先へ進みますが、十一あって、東京が二つ、百八十一連合会があって、千二百二十一部会がある、こういうことでありますけれども、まずお伺いしたいのは、この千二百二十一ある部会、それから連合会にはどういう役職がありますか。
  352. 溝呂木繁

    ○溝呂木政府委員 まず連絡会には会長一人、副会長一人、理事三人以内が連絡会の役員でございます。それから部会には部会長を置いております。それからさらに副部会長二人以内ということになっております。
  353. 森本靖

    森本委員 この副部会長、部会長については、どういうふうな選任のしかたをいたしますか。
  354. 溝呂木繁

    ○溝呂木政府委員 すべて郵政局長の指名になっております。
  355. 森本靖

    森本委員 これを任命する場合、郵政局長がどういうふうな任命のしかたをしますか。
  356. 溝呂木繁

    ○溝呂木政府委員 任期がまいりますと、前にやっていた人が適任であるかどうか、さらに、その部会なら部会内にさらに適任者がいるかどうか、そういうものの資料を集めましていろいろ局内で検討いたしまして、最終的に郵政局長が指名するということでございます。
  357. 森本靖

    森本委員 郵政局長が指名するということでありますけれども、たとえば松山の管内にこの特定郵便局が幾つありますか、約七百から八百あると思いますが、その七百から八百ある特定局長全部を郵政局長がどうやって人間を知っておるか、管理をするのか。  まず聞きたいと思いますが、この役員は一年ごとに任命するわけでか。
  358. 溝呂木繁

    ○溝呂木政府委員 連絡会、部会及び連合会の役員の任期は一年となっております。ただし、役員に欠員を生じたときば、後任者の任期は前任者の在任期間とするという形になっております。
  359. 森本靖

    森本委員 一年という任期でありますが、郵政局長の任期はありませんが、大体平均して郵政局長の任命が二年くらいじゃないですか、どうですか。
  360. 溝呂木繁

    ○溝呂木政府委員 おっしゃられますように、常識的な平均でございますが、大体二年くらいということでございます。
  361. 森本靖

    森本委員 二年くらいの間に、郵政局長が、八百ないし九百ありますけれども、実際に会ってその人柄を知る特定局長がどのくらいありますか。
  362. 溝呂木繁

    ○溝呂木政府委員 郵政局長が赴任いたしますと、すぐには管内の特定局長を全部網羅することは非常に困難かと思います。したがいまして、郵政局内にある組織を使いまして、人事部関係のもの、あるいは文書課で特定局関係を扱っておる所掌のものがありますので、そういう部課を使っていろいろの資料を集めまして、局等にはかってきめているというのが実情かと思います。
  363. 森本靖

    森本委員 たとえば、君が名古屋の郵政局長をやっておったときに、名古屋の特定局長は管内で大体何名ぐらいいましたか。
  364. 溝呂木繁

    ○溝呂木政府委員 千六百二十五、これは四十四年三月末でございます。
  365. 森本靖

    森本委員 千六百二十五名おって、あなたが名古屋の郵政局長やったのは、任期は何年ですか。
  366. 溝呂木繁

    ○溝呂木政府委員 九カ月でございます。
  367. 森本靖

    森本委員 九カ月で千六百名の人員を完全に掌握をして、連合会長、副会長、部会長、副部会長を郵政局長が任命するだけ人を知って任命しておりますか。
  368. 溝呂木繁

    ○溝呂木政府委員 先ほど答弁いたしましたように、まず任期がきたときにそれぞれの組織を使いまして、人事部なり文書課なり、そういうところから資料を出させまして、いろいろと幹部でもって討議いたしまして、最後に郵政局長として判断して任命いたしました。
  369. 森本靖

    森本委員 それなりの組織を通じてやることはわかりますが、人事部がやっていないでしょう。文書課でしょう。
  370. 溝呂木繁

    ○溝呂木政府委員 特定局関係の所掌事務は文書課でやっておりますが、いろいろ特定局長の人事考課とかそういうものになりますと、ある程度人事のほうにいろいろの資料がございます。それからなお、監察考査の結果とか、そういうものも参考にしております。
  371. 森本靖

    森本委員 その場合、いわゆる人事部と文書課と両方でやると言っておりますけれども、現実には特定局長会の意向を聞いて——その私的の特定局長会は部会と連合会と同じように局長会の組織があるわけでありますけれども、その組織の意見を聞いてやっているわけじゃないですか。  (「こまか過ぎる」と呼ぶ者あり)
  372. 溝呂木繁

    ○溝呂木政府委員 お答えいたします。  郵政局長といたしましては、先ほど申し上げましたように郵政局内の組織を使っていろいろ検討するわけであります。したがいまして、主として人事部にある資料等、あるいは文書課、さらには、先ほど申し上げませんでしたが、貯金、保険の成績ですとか、そういう方面からもそれぞれの部長に意見がございますので、そういうものをいろいろしんしゃくして郵政局長が指名しているわけでございます。  それからお尋ねの私的団体である特定局長会、そういうものの意見を聞いているかということでございますが、形式的には聞いておりません。ただし、郵政局長とそれぞれの会長とは常日ごろ接触いたしますので、そういう段階において非公式的にそういう人たちの意見は事前に耳に入ってくるような形にはなっております。
  373. 森本靖

    森本委員 そういうこまかいことを聞くなという声がありますけれども簡易郵便局と特定局、無集配局とは切っても切れぬ縁があります。そこで、無集配特定郵便局の管理運営の機構というものがわからぬ限りこれはわからぬのだ、古川君。だからこの法律に関係の深い事項を聞いている。(発言する者あり)君、何もわからぬのだったら、やじらんでおいてくれ。つまらぬ質問をするならそうだけれども……。  これはいま言いましたように、はたから聞いておるといかにも議事引き延ばしみたいに勘ぐる人もありますけれども、そうじゃないのですよ。簡易郵便局と無集配特定郵便局とは切っても切れぬ間柄です。そこで、無集配特定郵便局の管理運営はいかになされているか、それと簡易郵便局の管理運営の指導がいかになされているか、この二つを比べていかなければ論議の対象にならぬわけです。そういう点から、せっかく特定郵便局長業務推進連絡会というものが今日ある、その特定郵便局長業務推進連絡会と同じような形のものをかりに簡易郵便局にも持ったら業務推進連絡と周知徹底がうまくいくのじゃないか、しかし、現在簡易郵便局にはそういうものはない、それなら、一体特定郵便局の業務推進連絡をいかようにしてやっているかということを論理的にやっているわけであります。  そこで、役員の問題については一応不確かな答弁がありましたけれども、これは先に進めるといたしまして、現実の問題として、それじゃ簡易郵便局についてのいわゆる指導、周知、連絡、そういうものについて一体どういう機構を持っておったらいいかということをやはりここらで考えるべきじゃないか。簡易郵便局についてはほうりっぱなし、無集配特定局あるいは普通集配局にまかしてあるけれども、その監督がほとんどいっていないということは事実なんです。たとえば、簡易郵便局において七、八百万円の犯罪が数カ月を経過して発覚をする、これが今後個人請負になった場合にはなおかつそういう犯罪の心配の点が出てくるわけなんです。そういうことを考えた場合に、簡易郵便局の今後の周知、運営、指導、連絡、こういうものについては何らかの新しい機構を考えていかなければどうにもならぬじゃないかという考え方を持つわけであります。これはどこの所管になるかわかりませんけれども、いまのように一応特定郵便局長業務推進連絡会については、賛成、反対の意見がいろいろあるにいたしましても、小局の管理運営として一つ機能を果しておることは事実であります。そこで、簡易郵便局の運営、あるいはそれについては今後一体どういうふうな考え方を持っておられるかということを聞いておるわけです。
  374. 曾山克巳

    曾山政委員 先ほどお話がございましたときにお答えいたしましたように、一つの考え方でありますので、自治組織につきまして検討するということを申し上げました。  そこで、ただ特定局の場合はお互い近接して結び合っておる組織上の特徴があると思います。簡易局につきましては、御案内のように僻陬の地でございますのでその結びつきはかなりまばらな点もありますので、さような点も含めまして検討するようにいたしたいと思います。
  375. 森本靖

    森本委員 今度この改正案がかりに通った場合、現行の特定局についてこれを簡易郵便局に格下げをするというところは出てきますか。
  376. 曾山克巳

    曾山政委員 この簡易郵便局法改正を機会にいたしまして格下げするというようなことは考えておりません。
  377. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、無集配特定郵便局が取り扱い数量が幾ら減りましても、これは格下げするということはないわけですね。
  378. 曾山克巳

    曾山政委員 簡易郵便局法改正を機会に格下げするということは考えておらないのでございます。
  379. 森本靖

    森本委員 ここは非常に大事な点でありますが、簡易郵便局法改正を機会には考えておらぬけれども、この簡易郵便局設置というものが、かりに現行の無集配特定局簡易郵便局と同じ取り扱い数量になった場合、将来格下げをすることがあり得ると解釈してよろしいわけですか。
  380. 曾山克巳

    曾山政委員 この問題につきましては、たとえば炭鉱が閉山されまして、その地域における享便人口が非常に少なくなった、したがって事務量が少ないという場合におきまして特定局を廃止しておることがございます。したがって、そういう場合に、特定局の廃止のあとが簡易郵便局の事務量に匹敵いたします場合には、それは簡易郵便局にさしておるわけでございます。
  381. 森本靖

    森本委員 炭鉱の閉山についてはわかりました。  いま過密過疎の問題が非常にやかましいわけでありまして、そういう点で取り扱い数量が減っていく無集配特定局が非常に多いわけでございます。そういう無集配特定局が、この法律が通ったならば個人請負になりはしないかということで非常に心配をしておるわけであります。そこで、炭鉱が閉山になって定員が減るということと、過疎化現象において取り扱い数量と定員が減るということはほぼ同一になってまいります。将来過疎化現象がどんどん進行していって、いまのような取り扱い数量がなくなってきた、簡易郵便局として置いてちょうどいいというくらいに無集配特定局取り扱い数量がなくなってきた場合には、将来無集配特定局簡易郵便局に格下げをするということはあり得るということになりますか。
  382. 曾山克巳

    曾山政委員 その時点におきまして、当該局長、当該局の局員並びに地域住民の要望等を総合的に十分勘案いたしてきめたいと思います。
  383. 森本靖

    森本委員 きめたいと言いますけれども、これは現実に取り扱い数量が減ってくると、もうかえていかざるを得ませんが、大臣、どうですか。
  384. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 先般もこの委員会で御答弁いたしましたように、特定局を簡易局に格下げするということは考えておりません。
  385. 森本靖

    森本委員 簡易郵便局に格下げするということは考えておらぬという大臣の答弁でありますけれども、理屈として、過疎化がどんどん進行していって、そうして取り扱い数量が減ってきた場合は、現実にならざるを得ないでしょう。
  386. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 これはなるほど理論的にはそういうことも考えられます。理論的には考えられるのです。ただしかし、一つの制度をこわすということは非常に混乱も起こりますし、マイナスの面もあります。いろいろプラス、マイナスを考えまして、たがいまのところは特定局を簡易局に格下げする、そういうことは考えておりません。
  387. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、この法律が通ったならば、いわゆる定員三名以下の特定局の設置はしないというふうなことをきめておるということになりますが、それはどうですか。
  388. 曾山克巳

    曾山政委員 特定局の設置標準に該当するところにつきましては、ただいまお話のございました三名局、二名局につきましても設置することがございます。
  389. 森本靖

    森本委員 そうすると、今後は特定郵便局の定員三名以下の特定局については設置しない、こういうことですか。
  390. 曾山克巳

    曾山政委員 設置標準に該当するところではするということでございます。具体的に申しますと、特に市内地等を中心にいたしまして設置いたします。
  391. 森本靖

    森本委員 そうすると、無集配局の設置基準というのはどういう基準ですか。
  392. 曾山克巳

    曾山政委員 無集配特定局といたしましては、市内地におきまして、隣局との距離が最低八百メートル、人口が一般基準で六千人、優先基準で八千人ということにいたしております。市外地につきましては、隣局との距離が二キロメートル、戸数六百戸、ただし優先基準といたしまして八百戸というぐあいにつくっております。
  393. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、今度の特定郵便局のいわゆる設置基準はそうでありますけれども簡易郵便局の場合、いろいろここに条件が出ておるわけでありまして、この第三条にいろいろあるわけでありますけれども、この中で簡易郵便局についての今後のいわゆる開設の条件といいますか、この無集配特定局設置の条件とどの点で違いますか。
  394. 曾山克巳

    曾山政委員 簡易郵便局につきましては、主として僻陬の地、つまり郵便区の立場から申し上げますと市外地になりますが、人口稠密でない地域につきまして隣局との距離が八百メートル、戸数につきまして二百戸ということにいたしております。なお、それに逓減方式を使いまして、最低は五・五キロ、百戸ということになっております。
  395. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、今回の改正で第十九条二項一号でありますが、当該簡易郵便局における郵政窓口事務の利用の状況にかんがみ、当該簡易郵便局を存置する必要がないと認められるとき。」、これはどの程度の取り扱い数量ですか。
  396. 曾山克巳

    曾山政委員 先ほども申し上げました炭鉱閉山、その他物数が激減いたしましてほとんど利用者がないというようなときを考えております。
  397. 森本靖

    森本委員 だから、ほとんどないということになれば、これはもう当然やめるわけでありますけれども、ここの「当該簡易郵便局における郵政窓口事務の利用の状況にかんがみ、当該簡易郵便局を存置する必要がないと認められるとき。」その基準は、それならもう一つもなくならないとだめだということですか。
  398. 曾山克巳

    曾山政委員 その点は先般の委員会でも議論になったところでございますけれども、具体的に五十通未満であればやめるとかいうようなことにつきましてはただいま考えておりません。と申しますのは、やはりその地区におきましてある程度需要があります限りは、国民の需要、要求にこたえていくというのが、一応公共性の見地から見ました必要性だと思いますので、さような措置をとりたいと思います。
  399. 森本靖

    森本委員 しかし、何らかの基準をつくる必要があるでしょう。
  400. 曾山克巳

    曾山政委員 ただ、さように申しましても、私どもとしましては、内規といたしまして、ある程度、ただいま仰せになりました数字的なものは持ちたいとは思っております。
  401. 森本靖

    森本委員 その数字を大体どの程度にせられるかということです。
  402. 曾山克巳

    曾山政委員 いま考えておりますのは、年間郵便取り扱い件数にいたしまして五十件もないというようなところにつきましては、それを廃局にいたしたいと考えております。
  403. 森本靖

    森本委員 それは郵便件数だけですか。貯金その他についてはないのですか。
  404. 曾山克巳

    曾山政委員 貯金につきましては、やはり僻陬の地におきましても、貯蓄の奨励という見地から見ましても、積極的な奨励等を行なっていくという必要性もあろうかと思います。したがって、その限度を那辺にするかは、現在の簡易郵便局手数料の中で、貯金業務の中の基礎額の基礎になっておりますところの件数、その件数程度ということに考えております。それ以下でありました場合には、郵便と同じように存置をできるだけやらないというぐあいにいたしたいと考えております。
  405. 森本靖

    森本委員 存置をやらないというのは、だから件数にして貯金は何件ぐらいですか、こう聞いているわけです。この郵便の五十件というのは年間ですか。
  406. 曾山克巳

    曾山政委員 先ほど五十件と申し上げましたのは、年間でございます。  なお、貯金につきましては、これは貯金局のほうと十分相談をしてまいりますけれども、まだ具体的な数は持っておりませんが、年間にしましても大体三百件も件数がないというような場合には、貯金局と十分相談をいたしまして、できるだけ廃局の方針をとっていきたいと思います。
  407. 加藤常太郎

    加藤(常)委員 議事進行。  ただいま森本君の質問中でありますが、本法案に対する質疑の時間も、与野党の理事会で大体一時間半、そこは社会党が納得したような、せぬようなかっこうで理事会を終わっておりますが、森本君の発言は、十人目四十二分、ただいま午前中から三時間四分やっております。そうすると三時間四十六分やっておるということで、委員長がいまさっそく発言を中止というのは穏当ではありませんが、大体どの委員会でも四晴間の発言というのは、重要なことはいたし方ありませんが、ある程度委員長も御忠告をして、結論に入っていただくようによろしくお願いいたします。
  408. 井原岸高

    井原委員長 速記をとめて。     〔速記中止〕
  409. 井原岸高

    井原委員長 速記を始めてください。森本靖君。
  410. 森本靖

    森本委員 それでは、これは聞いておって退屈せられると思いますけれども、私は簡易郵便局に関係のないことを一つも言っておるわけじゃない。しかも、この法律に関係する事項だけを質問しているのであって、私はこの法律は非常に大事な法律だと思って、一生懸命真剣に勉強して聞いておるわけですから、そういう点について意見があるならば、これはやはり理平会なり何なりでひとつやっていただきたい。それから、その理事会がどうしても済まぬということになれば、それは委員長の発言のように、はっきり言ってそれは委員会で多数決で採決とったらいいでしょう。そうでしょう、国会というところはそういうところだから。だから、あなた方は時間についても不服ならi時間は、両党の国会対策委員長会談では制限しないということになっている。(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)理事会で話がついていないからこの本委員会で話をしておるわけであって、これは速記に入っているわけですから一応聞いてもらいたい。
  411. 井原岸高

    井原委員長 森本君に申し上げます。質問を続けてください。
  412. 森本靖

    森本委員 質問を続けますけれども、いまそういう発言がありましたから申し上げるのです。理事会で話がついておりませんでしたから、だから私はこういう質問をずっと続けてやっておるわけであります。あなたのほうは多数を握っておるわけですから、森本質問を打ち切れということならば、多数決で打ち切られてもしかたがありませんよ。それはそれとして、われわれはこの会議では服従していかなければいかぬ。しかし、それはそれで、その次の段階におけるいろいろな話し合なり工作なりあるでしょう。とにかく、そういうことについてあなたのほうがけしからぬということであれば、そういう議事進行の動議を出してやっていただけばけっこうだと思う。しかし、私のほうはそれにあくまでも反対しますよ。それは国対委員長会談の話し合いによって、良識に従ってやっておるわけです。ですから、その点をひとつ十分に考えながら聞いていただきたいと思います。私はふまじめにやるつもりは毛頭ないし、まじめにやっていきたい、こう思っております。それから、暴力的な発言もいたしませんし、暴力行為も行ないません。これは私の主張であります。私は、国会というところはあくまでも言論でいくべきである、こういう考え方です。その点ひとつ……。  そこで、もとに戻りまして、これは非常に大事なところに入ったわけでありますが、もう一つ重要な点は第三条の五です。「十分な社会的信用を有し、かつ、郵政窓口事務を適正に行なうために必要な能力を有する個人」、これが一体どういうふうな内容であるかということが一番問題になるわけでありますが、その辺どうですか。     〔委員長退席、加藤(六)委員長代理着席〕
  413. 曾山克巳

    曾山政委員 お話のように、個人受託者の範囲を拡張いたしました場合にはその点が非常に大事な点だろうと思います。したがてこの法律でも明定してございますように、十分な社会的信用を有し、かつ、郵政窓口事務を適正に行なうために必要な事務的能力、また資産、能力を有する個人ということになろうと思います。  「社会的信用」の内容でございますが、これは当然その地域におきまして経歴とか風評とか、その他家族の状況、あるいは現在の職業の面から見まして、地域社会の信望をになうに足る、そういう信用を有する人ということだろうと思います。なお、「郵政窓口事務を適正に行なうために必要な能力」ということになってまいりますと、過去の略歴、職歴その他学歴等からいたしまして、間違いなく適正に窓口事務を行ない得る資格ある人、同時に事故、犯罪等を起こすようなおそれのない資産、能力を有する人ということになろうと思います。私ども、当然この点を通達等で具体的にこなしまして、個人を選定いたしますときにいま申しましたようないろいろな項目を逐一チェックしてまいりまして、間違いのない選定をいたそうと思っております。
  414. 森本靖

    森本委員 どうもばく然としてわからぬですが、これは政令か通達か何かできめるのですか。
  415. 曾山克巳

    曾山政委員 ただいまのところは通達で明定したいと思います。
  416. 森本靖

    森本委員 その通達の内容は大体できておりますか。
  417. 曾山克巳

    曾山政委員 先ほど申したのが例でございますが、私どもといたしましては、過去の略歴、地域住民の風評その他家族の状況、現在の職業あるいは過去の事務能力についての客観的な認定をするに足る基準及び職歴、学歴がそうでありますが、さようなものを通達でうたおう、さように考えております。
  418. 森本靖

    森本委員 経歴、風評、家族、職業、事務能力、それ以外は何ですか。
  419. 曾山克巳

    曾山政委員 そのほかには資産能力の点がございますが、施設の提供あるいは維持につきまして十分な資力を必要とするもの、具体的に申し上げますと、一応私ども考えております内容としては、固定資産税の課税台帳に大体三十万円以上の資産を有するものというふうに掲げてあるというぐあいにいたしたいと思っております。
  420. 森本靖

    森本委員 経歴、風評、家族、職業、事務能力、固定資産税三十万以上、これだけですか。
  421. 曾山克巳

    曾山政委員 もちろん、そのほか連帯保証人を置くというような規定はございますが、その個人につきましての選定の基準項目先ほど森本委員がおっしゃったとおりでございます。
  422. 森本靖

    森本委員 連帯保証人の資格はどういうことですか。
  423. 曾山克巳

    曾山政委員 連帯保証人につきましても、個人について申し上げたとほぼ同じような基準でこれを認めてまいりたいと考えております。具体的に申し上げますと、これは主として不測の事故が発生いたしました場合の弁済能力の有無が非常に問題でございますので、固定資産税の課税台帳によりました場合に、一名について五十万円以上の資産を有するという要件は付加したいと考えております。
  424. 森本靖

    森本委員 そうすると、この連帯保証人は一人ですか二人ですか。
  425. 曾山克巳

    曾山政委員 二人考えております。
  426. 森本靖

    森本委員 監察官に聞きます。  現在までの簡易郵便局犯罪の一番大きい金額幾らですか。
  427. 西原林之助

    西原政府委員 一番大きい金額は五百二十万円でございます。二百万円以上が四件ございます。
  428. 森本靖

    森本委員 五百二十万円ということになりますと、いま郵務局長が言われた基準は五十万円の連帯保証人が二人で百万円、それから本人が三十万で百三十万。かりに五百万円の犯罪、事故が出てきて、これが弁済能力がないということになりますと、これは国の欠損ですか。親方日の丸でやれ、こういうことですか。
  429. 曾山克巳

    曾山政委員 資産能力並びに連帯保証人の資産等につきましては十分検討いたしまして、不測の事故という場合に、その不測の事故の額が幾らになるかということを私ども算定いたします場合に、過去におきますところの事故、犯罪等の件数並びに金額の平均値をとらざるを得ません。その平均値が三十万円以下でございますので、いま申しましたような一応の基準をとった次第でございます。  それでは、これ以上、かりに一千万円の事故が発生した場合にどうだということにつきましては、先ほど申しましたように、さようなおそれのない個人を先に選定することにいたしております。どうしてもそういう不測の事故がかりに発生したというような場合には、やはり先ほど連帯保証人等につきましては弁償責任を最終的に追及していく、五十万円と申しましても五十万円ずばりではございませんので、できるだけ資産能力のある者を中心に考えていきたいと思います。
  430. 森本靖

    森本委員 ここがポイントですからね。個人請負にすれば当然こういう問題が出てくるわけですよ。それがために、いままで地方公共団体もしくは協同組合でなければこれの委託ができないということになっているわけですね。そこで、個人委託にするとするならば、少なくとも現在まであった犯罪の最高額についてはこれが弁償できるという形でなければ、国民の皆さんの血税あるいは貯金の預入金を扱うということにはならぬですよ。  それから、五十万円だが云々と言われましたけれども、その五十万円の固定資産の資産台帳というものはふやしても百万円前後ですよ。そうすると二百万円、倍に見て二百六十万円ですよ。現実に五百二十万円という犯罪があるということになりますと、これではとても払えない。国の欠損金になります。あなた、自分の金でないからいいようなものの、これは国民の預貯金ですよ。その場合、こういう基準でどうするか、これを聞いておるわけです。  やはり法律というものは、そういうことはあると思いません、という回答ではいかぬ。あると思ってやらなければならぬ。それなら、どろぼうをつかまえる法律をつくる必要がない。どろぼうが出てきたら困るからということでどろぼをつかまえる法律があるんだ。だから、犯罪だって、犯罪があるかもしれないという認定のもとにいままでの実績をずっと見てつくっておかなければならぬ。だから、五百二十万円という犯罪が出てきたときにこれをどうするか、こう聞いておるわけですよ。
  431. 西原林之助

    西原政府委員 ただいま私が申し上げましたのは、ちょっとことばが足りなくて失礼いたしました。  五百二十万円というのは発覚時の犯罪の累計の額でございまして、実際にそのおりに実損を与えた実損の額は百七十九万円でございます。つまり循環横領等がございますので犯罪金額は大きくなっております。
  432. 森本靖

    森本委員 簡易郵便局で百七十九万円ということでありますけれども、それじゃ実損額で一番多いのは幾らですか。高知県の足摺岬の簡易郵便局でも八百万円ぐらいの実損額があったはずです。
  433. 上林山榮吉

    ○上林山委員 関連して。  森本委員のいまの発言とさきの発言に関連して質問しますが、第一点は、普通郵便局、特定郵便局、簡易郵便局犯罪件数と被害額、これをもう一度ここで再確認したいという点。第二点は、普通郵便局で一番大きい犯罪額は一口で幾らであったか。特定郵便局は幾らであるか、簡易郵便局は百七十何万になると報告があったから省略していいのでありますが、それはどうなっておるか。さらにその中を分析して、たとえば普通局でいえば、課長など管理者と一般職員の犯した犯罪件数と総額はどうなっておるか、どちらが多いか。はっきりした数字が言えなければ抽象的に言うてもらえばそれでもけっこうでございます。  それから次に聞きたいのは、やはりここで出た問題ですが、赤字の問題、これは私は少額であっても、簡易郵便局で赤字を出しているということは遺憾であると思います。どういう点から考えましても遺憾であります。だが、普通郵便局でもし独立採算制をとるものと仮定したら、普通郵便局ではみなペイしているかどうか。それから、特に特定局では赤字はどういうふうになっておるか。ことに特定局は相当赤字のあるところがあるだろうと思いますが、この点はどうなっておるか。公共事業ですから、かりに独立採算の場合でも、そんなに一升ますではかったように言う必要はない。さりとて、赤字があまり大きいことはこれは遺憾である。なおこれを縮小していくということも努力しなければならぬということはわかっておるのでありますが、この赤字の問題と犯罪の内容について、一般に伝えられているところよりももう少しく現実は違うと思いますのでこの点を明らかにしてもらいたい、これだけでございます。
  434. 西原林之助

    西原政府委員 普通局、特定局、簡易局別の犯罪の比較でございますが、これは先般も当委員会で申し上げましたように、年間平均で申し上げますと、普通局は百七件で一億百八十七万円、特定局は二百九十六件で七千九百七十五万円、簡易局は年間平均いたしまして十一件、三百二十六万円と相なっております。  概して申しますと、普通局は犯罪件数は特定局に比べまして約三倍になっております。と申しますのは、内容的に申し上げますと、郵便犯罪が特定局に比べて多うございますので、郵便犯罪件数の割合に金額は少なくなっております。それに対しまして、特定局のほうは貯金保険の犯罪が多うございます。そういうわけで、特定局のほうは、件数は少のうございますが犯罪金額は普通局に比べまして多くなっております。大体そういうことに相なるわけでございます。
  435. 上林山榮吉

    ○上林山委員 まだ答弁漏れがあります。  たとえば普通局の場合は、課長など管理者に犯罪件数が多いのか、一般職員に犯罪件数が多いのか、また特定局の場合、局長犯罪件数が多いのか、あるいは一般職員に犯罪件数が多いのか、こういうことは明らかにしたほうがいいと思いますので、重ねて答弁願います。
  436. 西原林之助

    西原政府委員 管理者と一般職員の犯罪は、管理者、一般職員の数も非常に違うせいもありますが、普通局におきます管理者の犯罪というのはほとんどないといっても過言ではございません。ただ残念ながら、特定局長犯罪は、年によって違いますが、年間十四、五件、四十三年度は非常に少のうございまして、八件という記録が残っております。これが大体管理者の、全体を通じましておもなる犯罪でございます、
  437. 上林山榮吉

    ○上林山委員 一般のほうが多いのですか。
  438. 西原林之助

    西原政府委員 特定局におきましては、一般職員と管理者を比較いたしますと一般職員のほうがはるかに多いことは当然でございます。
  439. 曾山克巳

    曾山政委員 各機関別の採算でございますけれども、普通局につきましては大宗が黒字でございます。なお、特定局につきましては、これは平均でございますが、昭和四十一年度の収支比較についてみますと、局長一人局員一人という二人局につきましての赤字が、一局当たり年間百二十万円になっております。先ほど申し上げましたように、昭和四十年度では五万円、四十一年度におきましては簡易局は七万円ということで、簡易局のほうが約十六分の一の赤字であるということになります。
  440. 上林山榮吉

    ○上林山委員 それで大体わかりましたけれども、特定局の場合は二人局の場合を例にとりましたが、一局平均百十何万円、そうすると、それに相当するのが幾らありますか。千局ぐらい、九百何十局——そうすると、一年に十億円ないし十一億円以上という膨大な赤字ですね。そういうふうにごらんになっておるかどうか。
  441. 曾山克巳

    曾山政委員 さような推算でけっこうでございます。
  442. 森本靖

    森本委員 もとへ返りますが、この連帯保証人が五十万円、それから本人が三十万円ということは、これはもっと上げる必要があるのじゃないですか、現実に。
  443. 曾山克巳

    曾山政委員 さような御意見もあろうかと思います。しかし、いろいろ内部で討議いたしました結果、できるだけいろいろな方に、資格、能力があると同時に事務能力もあるような方、それから社会的信用を得られる方、そういう者が、たとえ相当の財産がなくてもせいぜい三十万円程度の財産があれば引き受けられるという制度にしたほうが、国民の方々にあまねく受託の機会を提供することにもなろうかと考えましてさような額に最終的にいたしたわけでございます。  なお、連帯保証人につきましても、連帯保証人の一人当たり連帯保証額をあまりにも、たとえば先ほどお示しがございましたように五百万円、これは実損でないといたしましても、五百万円の保証金ということになってまいりますと、事実上受託者が不可能だということにもなりますので、さようなことで五十万円、しかし二人にしたということでございます。
  444. 森本靖

    森本委員 このいわゆる犯罪金額から比較をして連帯保証人とそれから本人の能力というのはやはりこれでは非常に低過ぎると私は思うのですが、その点、ほんとうにどうですか。
  445. 曾山克巳

    曾山政委員 この点につきましては、なおさらに内部で検討いたしたいと思います。
  446. 森本靖

    森本委員 その点は内部で検討するということでありますから、それでは内部で検討したあとでまた質問をすることにいたします。  そこで、この経歴はまずいいとして、この風評というのは一体どういう風評ですか。この風評というのはだれが調べるのですか。
  447. 曾山克巳

    曾山政委員 受託、委託の当事者は、郵政局長とそれぞれ資格ある受託者でございますけれども郵政局長の代理人といたしまして、当該地域を受け持っております集配局長がこれを調査いたします。
  448. 森本靖

    森本委員 風評というのはやはり調査するのですか、風みたいなものを。
  449. 曾山克巳

    曾山政委員 風評という表現がいかがかという御質問だろうと思いますけれども、やはりその地域におきましていろいろと社会的な信用についての項目があろうかと思いますが、地域住民の皆さんの持っておられる評判というものは当然その項目に入ってもいいと思います。したがって、そういう意味の評判ということでございまして、特別なうわさとかいうものではございません。
  450. 森本靖

    森本委員 評判がいいのか悪いのか、それはその人のいわゆる見られかたということで、絶対正しいという人でも評判が悪い人もありますし、絶対悪い人でも評判がいいという人もありますし、なかなかわからぬと思います。だから、この条項の中の評判というものはあまり重視をしてもらいたくない。  それからもう一つは、この家族構成ということですが、この家族構成ということはどういう面の参考になりますか。
  451. 曾山克巳

    曾山政委員 この場合の家族の状況といいますのは、家族構成ということよりもむしろ状況でございまして、その中に、たとえばこの法律にもございます三条の二の欠格条項を持っておるような者、たとえば犯罪人とかなんとかという者がもし家族におりますと、やはり不測の事故発生あるいは犯罪発生のおそれもないわけではございませんので、さような点を考えまして家族の状況という項目をつけたわけでございます。
  452. 森本靖

    森本委員 そうすると、家族の中にそういうふうないわゆる刑余者がおるとかあるいは受刑者がおるとかというような場合には欠格条項ではずれる、こういうことですか。
  453. 曾山克巳

    曾山政委員 総合的に考えまして、ほかによりいい条件の方がおればそちらのほうに持っていきたいと考えております。
  454. 森本靖

    森本委員 それから、この職業というのは、これは何を見るのですか。
  455. 曾山克巳

    曾山政委員 たとえば民生委員とか保護司とか、あるいは、かつて公務員をつとめまして現在年金、恩給受給者であるといったような人を予想しております。
  456. 森本靖

    森本委員 それなら、一般の会社につとめておって厚生年金をもらっておる人はどうなりますか。
  457. 曾山克巳

    曾山政委員 さような方ももちろん対象になるわけでございますが、どちらがいいかという場合の判断の基準としましていま申し上げた次第でございます。
  458. 森本靖

    森本委員 それでは、職業に上下の隔てはないでしょう。職業によってどうこうするということはありますか。
  459. 曾山克巳

    曾山政委員 文字どおり職業に貴賎なしでございまして、そのとおりだろうと思います。ただ、だれが、ベターかということを選定の過程におきまして判断する材料としまして会社員の話が出ましたが、会社員にももちろんりっぱな方もおられますけれども、最も望ましい方としては、地方で地域住民の十分信用を持たれる方としては保護司とか民生委員とかいったような準公職についておられる方のほうがいいのではないかというふうに考えまして、例に引いたわけでございます。もちろん会社員でもけっこうでございます。
  460. 森本靖

    森本委員 との中で風評、家族、職業ということは、そう問題にする必要はないわけですね。  それから、事務能力というのはどういうところで——これは試験でもするのですか。
  461. 曾山克巳

    曾山政委員 御承知のように、現在特定局長の選任、任命の場合に、たとえば作文を書いていただくとかあるいはそろばんをしていただくというようなことをやっております。それに類似のようなことをやってみたらどうだろうかという意味では、事務能力を確かめます場合にはさような方法があろうかと思いますので、その点は集配特定局長にまかせたいと思っております。
  462. 森本靖

    森本委員 これはいっそのこと試験制度にしたらどうですか。自由裁量にする、いろいろまかすということでなしに、試験制度にすればある程度これははっきりするのじゃないですか。それで、試験制度にして郵政省に——たとえは今回、社会保険労務士というのができましたね。社会保険労務士は社会労働委員会で審議せられたわけでありますけれども、これなんかは、労働組合業務に専従しておった者については無試験で選考してパスしておるわけです。あるいは労務に経験のある者についても今回の場合無試験でパスする、こういうふうな制度ができたわけですね。これははっきりした法律でできておるわけです。そこで、こういういわゆる簡易郵便局個人受託ということになると、ある一定の試験でもやったらどうですか。試験でもやって、そのかわり郵政省につとめるところの、たとえば勤続年数三十年の表彰を受けた者については無試験なら無試験という特典を与えるというくらいのことをやっていいんじゃないですか。
  463. 曾山克巳

    曾山政委員 ただいまの御意見はごもっともな点もあろうと思います。ただ、御承知のように、現在特定局長におきましても、試験任用でございませんで選考任用でございますが、その場合、事実上は、数人任用候補者があった場合に一応試験類似のことをやっております。そういった意味におきまして、個人が競合いたした場合、その個人につきまして、先ほど申しましたようなそろばんとかあるいは読み書き、その他の能力につきましても簡単な試験は実施いたしたいと思っております。
  464. 森本靖

    森本委員 簡単な試験を実施するということでありますけれども、その場合、私が言った郵政勤続というようなことについてもある程度考えていくということは必要じゃないですか。
  465. 曾山克巳

    曾山政委員 ごもっともな御意見でございまして、私ども事務能力という点におきまして、郵政省の職員としまして数十年つとめたような方は当然事務能力はあろうと思いますので、そういった方はやはり優先的に扱いたいというぐあいに考えております。
  466. 森本靖

    森本委員 これはあとまだ質問がどっさり、六時間くらいありますが、資料もたくさん持っておりますけれども委員長からやかましいし、一般の人からおこられてもいけませんので、この辺で一応終わることにいたしますけれども、私は肝心の問題について全然触れてない。  そこで、一つだけ最後に聞いておきたいと思いますことは、今回法律を改正するけれども、なおかつ郵政大臣としては、委託する場合には地方公共団体が一番先だ、農業協同組合がその次だ、漁業協同組合はその次だ、その次が消費生活協同組合だ、その次に個人だ、こういうふうにはっきりと法律で規定しているわけです。そこで、こういうふうに地方公共団体その他が優先をするということは、やはり従来の法律が正しかったということをはっきりさしておると思いますが、そういう点で、今回の委託契約の順位で、この団体を優先にして個人をあとに持ってきたということは、どういう理由からしてこう持ってきたわけですか。
  467. 曾山克巳

    曾山政委員 先般の委員会でもだいぶ問題になりましたが、私どもといたしましては、この簡易郵便局制度を創設いたしましたときに、個人が悪いんだと申しますか、個人ではいけないんだということではなかったように思っております。個人ということでもいいんだけれども、ただ、昭和二十二、三年当時のいきさつからいたしましていろいろ問題を指摘された、したがって、そういう点はさておいて、さしむき公共団体及び協同組合ということにしたらということだったと思います。そういうこともございますので、今回、個人が能力的に劣る、あるいは資格的に下だという形で個人を第三順位に置いたという考え方ではなくて、一応、僻陬の地等におきまして現在簡易郵便局がなかなか受託できない、そういうところを埋めていくという意味で個人を加えるということでございますので、現在の法体系をそのまま重んじまして、公共団体、協同組合と順位が現在ございますので、それを加味いたしまして、妥協してそうしてこういう体系をつくったということでございます。
  468. 森本靖

    森本委員 そうはいっても、ここで委託順位をはっきりと法律に明示しておるわけだね。だから、そうはいうものの、やはりこの法律においては団体のほうが個人よりも信頼度が高いと考えてこの法律の順位を一応つくったわけでしょう。そうじゃないですか。
  469. 曾山克巳

    曾山政委員 この法律の読み方でございますが、三者競合いたした場合には、ただいま森本委員おっしゃるような考え方でいいのではないかと私は思います。
  470. 森本靖

    森本委員 そういたしますと、いま言ったように、やはりこの解釈は、二者、三者が競合した場合は、この順位がやはり適当であるということだというふうに解釈していいわけですね。
  471. 曾山克巳

    曾山政委員 現在の法律においてはさように解釈いたしたいと思います。
  472. 森本靖

    森本委員 今回のこの問題については、私がいろいろ質問いたしましても、どうしても個人請け負いをしなければならぬという理由が明確に出てきておりません、質疑応答の間では。  われわれとしてはまだいろいろ質問したいことがありますけれども、審議に協力してこの辺でやめたいと思いますが、先ほど答弁に詰まっておりますのが六つありますので、この資料が明確に調査をして出てきてから再度この資料については質問することを留保いたしまして、本日の私の質問はこれで終わります。
  473. 加藤六月

    加藤(六)委員長代理 中野明君。
  474. 中野明

    ○中野(明)委員 けさほどから細部にわたって慎重な審議がなされておりますが、私、この簡易郵便局法に対しまして質問に入る前に、一応、過日来論議が出ておりますが、私の立場からももう一度、郵政事業の今後の見通しというのですか、そういうことについて二、三お聞きしておきたいと思います。  この郵政事業の件でございますが、公共事業でございますので、いろいろの面で非常に赤字の部面も出ておりますが、早晩、郵便料金の値上げというようなこともちらほら巷間うわさに出るような向きもありますので、この際大臣から、郵政事業の今後の大臣の見通し、このことについてもう一度見解をお尋ねしておきたい、こう思います。
  475. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 先般のベースアップで郵政事業の負担する金額はおよそ三百億をこえる予定でございます。しかし、ことしの分につきましては、増収対策、あるいはまた予備費の流用、あるいはまた経費の節減、こういうことをいろいろ考え合わせましてこの金額は大体処理できる、かように考えております。明年度もたぶんおよそ三百億前後のベースアップがあるものと当然考えておかなければならぬと思うのでございますが、明年度はことしよりも一段と経理状態は苦しくなると思いますが、しかし、若干赤字が出るかもわかりませんが、大体おおむねこれは吸収できる、こういうふうにわれわれは考えております。  ただしかし、明年以降につきましては相当大幅な赤字が出るのではないか、この赤字対策をどう処理するか、借り入れ金でやるのかあるいは一般会計からの補てんでやるのか、あるいは値上げ問題こういう形になるか、どういう形になるかわかりませんが、四十六年度以降は相当大幅な赤字が出て、その処理を何らかの形でしなければならぬ、こういう状態であろうと思います。
  476. 中野明

    ○中野(明)委員 当然、いままでの例からいきまして、赤字対策ということになりますと、郵便料金の値上げということが第一番目に考えられる問題として浮かび上がってくるわけですが、こういう点、非常に公共性のあるものですし、料金値上げについてはぜひそういう方向を避けて努力をしていただきたいと思うわけであります。  あわせて、これに関連しまして郵政公社化論というのがいま非常に頭を持ち上げてまいりました。いま諮問をしておられることになっておりますが、大臣としては過日、その答申が出てくるのを待ってというようなお話でございましたが、全体の傾向として、郵政公社化ということについては、大臣御自身のお考えとしても、諮問をなさっているのですからその方向に持っていきたいと思っておられるんだとは思いますが、もう一度この公社化のことについてこの際所信をお聞きしておきたいと思います。
  477. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 昨年の秋、公社化問題につきましては諮問をいたしておりまして、その後、審議会は十数回にわたって非常に熱心に審議をしていただいております。だいぶ煮詰まってまいりましたので、たぶん八月中には答申をいただけるのではないかと考えております。答申が出ました暁におきましては、これを受けまして前向きに検討していきたいと考えております。
  478. 中野明

    ○中野(明)委員 この簡易郵便局法の今回の改正も公社化論とあわせてやったらどうかというような意見もあったようでありますが、この法案として出てまいりましたので、当然私ども審議しているわけでありますが、もう一点だけ、これにからみまして、最近機械化をするために労働争議が起こりまして、労使関係のいろいろのことから郵便物の遅配ということが各地で起こっているようでありますが、私どものほうへも、特に九州の福岡方面から郵便物の遅配のために非常に迷惑をしたというような意見が出てまいりました。たとえていえば、年金の受給者だとか労働災害のお金をもらう人なんかが、郵便物が遅配したためにこれを受け取るのが何カ月もおくれてしまった、そういうことについて郵便局のほうへ抗議を申し込みましても、何ら誠意のある回答も得られずそのままになっているというようなことが相当あったように私ども聞いたわけなんですが、こういう点について、現在はおさまっているのではないかと思いますが、どの程度まで掌握なさっているか、関係の局長さんからその後の状態についてちょっと説明していただきたいと思うのです。
  479. 曾山克巳

    曾山政委員 ただいまお話のございましたいわゆる反合理化闘争ということを中心にいたしまして、最近組合との間にいわゆる労働基準法上の超過勤務協定がございませんために、残念なことでございますけれども、全国的に約六十万くらいの郵便物の滞留がございます。そのうちの大半が東京でございます。したがって、そういう滞留は、かりに一日おくれでございましても国民の皆さんに御迷惑をかけておるということはたいへん申しわけない次第でございます。  なお、福岡につきましても、福岡に機械を搬入いたしましたとき並びにその前から別な労使紛争がございまして、組合のほうでいろいろと戦術を強化いたしまして郵便をおくらせました。そのために地域住民に非常に御迷惑をかけたことは事実でございます。しかし、私どもといたしましては、それに対しまして管理者が直接郵便物に手を触れざるを得ませんし、また同時に、非常勤等を駆使いたしましてできるだけ遅配のないような努力をしているわけでございます。  なお、この機械搬入問題をめぐりましての労使の協力というものをできるだけ早く確立しました上で、一刻も早く組合のほうに対して超過勤務協定を結ばせまして、その上で国民の方々の期待にこたえて郵便物の処理を円滑にやってまいりたいと思っておる次第でございます。
  480. 中野明

    ○中野(明)委員 いまの被害を受けた人がいろいろと郵便局に抗議というのですか、そういうことのないように厳重に申し入れをしたときに、非常に不親切だ。だから、これは労使がもめておるということは、その当事者にとっては当然のことでございますが、何も関係のない一般の国民がそれによって迷惑を受けて、そして苦情を申し込めば非常に不親切に、あたかもおれたちのせいじゃないんだ、そういうふうな態度に出られることについて非常に憤慨しているわけであります。こういうことについて、もっと指導をきちっとしていただいて、迷惑をかけていることは事実なんですから、納得のいくように説明もし、また応待もされるように厳重に注意をしていただきたい。おそらくそういう衝突が起こって争いが起こっているのですから、だれもそういうことを知らない人はおりません。ですから、ある程度遅配もやむを得ないと思っているでしょうが、やはり自分個人の利害に関係してきますので、おくれたからというので苦情を申し込んでいったら非常に冷たい、おくれるのがあたりまえだというような態度に出られたのではますます反感を持つということですから、この点、将来もこういうことがまだあるかもしれません。そういうときに、国民の迷惑をかけた人に、いま局長がおっしゃったように、迷惑をかけたということに対するすまなかったという態度がなければこれはいかぬのじゃないか、私はこう思います。この点、厳重に注意をしていただきたい、指導もしていただきたい、こう思うわけでありますが、どうでしょう。
  481. 曾山克巳

    曾山政委員 ごもっともなお話でございます。各局には苦情処理担当者というものを置きまして、御苦情のある方に対しまして丁寧に、親切に応待するようにいたしておりますが、これがごたごたがございます場合に、結局は実務に携わっておる一般の組合員の人が応待に出る、そうすると、自分の紛争であるのに責任を他に転嫁するような言を往々申すようでございます。しかし、私どもといたしましては、いずれにしても経営の責任は経営者が持っておるわけでございますので、そういうような場合でも、ただいまお示しありましたように、十分事情を懇切に説明いたしまして、納得を得まして今後しっかりした業務をやるようにしてまいりたいと思います。
  482. 中野明

    ○中野(明)委員 じゃ、法案の内容について、先ほどから非常に詳しく質問が出ておりますので、私、疑問に思うところだけ簡単に質問を進めていきたいと思います。  御承知のとおり、現在のこの法律では、地方行政機関なりあるいは農協その他の団体が受託者になっておりますが、この手数料の支払いの方法というのですか、手数料が支払われていっている状態がどういうふうになっているか、どこまで手数料の流れ方、支払い方を把握しておられるのか、その辺からちょっと聞いてみたいと思うのです。
  483. 曾山克巳

    曾山政委員 手数料の支払い方という御質問でございますが、まず、手数料算出根拠という点から申し上げますと、現在の簡易郵便局手数料は三つの要素からなっておりまして、一つが基本額、もう一つが取り扱い手数料、これは取り扱い件数にそれぞれ件数に応じた単価をかけて算出いたしますが、それと、それから加算額と申しまして、貯金、保険等の奨励募集に当たりました場合、あるいは現金出納等に当たりました場合の手当に相当いたします加算額、この三つの要素からなっております。  さようにして算定いたしますが、なお、支払い方法ということを別な角度から申し上げますと、受託されました団体が、あるいは今度は個人がそれぞれ前月分の件数に応じました取り扱い手数料請求書及び計算書というものをつくりまして、これを受け持ち集配局に提出いたします。受け持ち集配局では、件数あるいは金額等の内容を十分検査いたしまして、記載事実と相違がないかどうか調べました上で、相違がなければこれを説明しまして、いわゆる分任支出官にこれを送ります。分任支出官におきましてはその簡易郵便局に支払い証明書を発行いたしまして、それを受け取った受託者は、自分の希望しますもよりの郵便局で金を受け取るということになるわけでございます。
  484. 中野明

    ○中野(明)委員 そうしますと、簡易郵便局のほうから手数料はこうこうでございますということを、取り扱ったのはこれだけこれだけということを詳細記入して提出してくる、そういうことになっておるわけですね。
  485. 曾山克巳

    曾山政委員 そのとおりでございます。
  486. 中野明

    ○中野(明)委員 それで二、三聞いてみますが、地方の公共団体とか農協とか、そういうところが現在やっているわけなんですが、たとえていえば、手数料が非常に少なくて人件費にも満たないという場合、これは受託者のほうでそれにプラスして支給している、大体こういうふうに考えてよろしいのでしょうか。
  487. 曾山克巳

    曾山政委員 取り扱い手数料が非常に少ない時代が事実ございました。その時代におきましてはただいまおっしゃったようなことがあったと思います。現時点におきましては、その後人件費の高騰等に見合った適正な手直しをいたしましたし、物件費の値上がりに伴っての是正もいたしましたので、現在のところは適正な手数料と考えております。したがって、私ども承知しておる限りにおきましては、ただいまおっしゃったように職員の人件費という形でさらに補給して出すというようなことはないように聞いております。
  488. 中野明

    ○中野(明)委員 では、その逆の場合ですが、先ほど森本委員質問の中でも出てきておったわけですが、再委託というのですか再契約というのですか、そういうような形で、結局手数料がたくさんある、そういう場合に、名前だけを貸して手数料のピンをはねるというのですか、そういうようなケースはどうなんでしょうか。あったのでしょうか、どうでしょうか。
  489. 曾山克巳

    曾山政委員 あくまで現在の時点におきましての——あるいはこれは過去においてもそうでございますが、取り扱い者はそれぞれの地方公共団体あるいは協同組合の職員、吏員等でございますので、責任者はあくまで地方公共団体の長並びに協同組合の長になっております。私どもの契約はその長との間に郵政局長がいたしますので、その手数料を支払いましたあとまでの内容の検査ということはやりようもないわけでございます。  しかし、実態はどうかということでございますが、現時点におきましては、おっしゃるような——事実上の個人ということをおっしゃいましたが、これはあくまで法律的には、先ほど申しておりますように、かりに嘱託でありましてもその市町村あるいは協同組合正規の職員でございますので、したがってそういう。ピンはねみたいなものは現実には私どもないと思います。と申しますのは、合法的な職員であるわけでございまして、その職員に対してピンをはねるというようなことはないものと信じております。     〔加藤(六)委員長代理退席、委員長着席〕
  490. 中野明

    ○中野(明)委員 何か、個人受託のような形式になっているということを当局のほうから数字をあげて説明しておられましたが、それは事実そのとおりにお調べになって出たものかどうか、想像でおっしゃっているのか、それとも実際にそのとおりになっていることを確認されているのか。確認されている場合、明らかに、いえば法律違反ではないかと思いますが、それに対してどういう処置をいままでとってこられたかということなんです。
  491. 曾山克巳

    曾山政委員 先ほども申し上げましたが、重実上の個人と申しますか、先ほど委託ということばが出ましたけれども、取り扱っている場所を自宅に置きまして、身分市町村あるいは協同組合嘱託というような場合がそれに当たると思います。しかしその場合でも、形式的には嘱託でございましても、市当局あるいは協同組合の職員でございますから別に違法ということではないわけでございます。しいて申しますれば、いまお示しになったような事実上の個人というような色彩がないでもございませんが、それはあくまで合法であるというぐあいに理解しております。  以上でございます。
  492. 中野明

    ○中野(明)委員 監察のほうになりますが、いままでそういうふうに、明らかに再委託というのですか、市とか組合から特別に契約を結んで再契約をしているというような事例が発見されたことがあるのですかどうですか。
  493. 西原林之助

    西原政府委員 受託団体と形式的にも実質的にも全然身分関係がないということは、過去において考査の際若干発見されたことがございます。御字をあげますと二十五件ございます。ただし、これは受託団体とは文字どおり関係なしにこの人間がかってにやっているということではないのでございまして、すべて手続を漏らしたというものでございますので、これはそのつど指導いたして百させております。現在はないと思います。
  494. 中野明

    ○中野(明)委員 そういう点が非常に疑問視されて、この法律改正も実質的にはそうなっているからというようなところから出発したというふうに考える人もおるようでありますけれども、形式的になっているきらいは確かにあるのじゃないか、私も回ってみてこのように感じました。  それで、現在簡易郵便局で実際に仕事をしている人、受託者ではなくて実際に事務を執行している人の名簿というか、名前はどこかで掌握できているのでしょうか、どうでしょうか。
  495. 曾山克巳

    曾山政委員 契約申し込みの際に事務代行者の名前は届けることになっております。したがって地方郵政局長においては的確にこれを把握いたしております。
  496. 中野明

    ○中野(明)委員 これは一つの心配という意味で尋ねるのですが、この法律が成立いたしまして、現在そういう事務を実際にとっている人たちが個人で受託することができることになるわけですから、現在地方団体が受託しているのがそれに切りかわっていくというような場合も出てくるのではないか。これはあくまでも想像でございますが、出てくるのではないかと考えられます。そのときにおいて、現在事務を取り扱っている人を優先的に個人受託の名義人にされるのか、それとも白紙で検討されるのか、そこのところをちょっと聞いておきたいのですが……。
  497. 曾山克巳

    曾山政委員 結論的に申し上げますと、ただいまお示しになりました後者のほうでございます。白紙の立場で考えたいと考えております。
  498. 中野明

    ○中野(明)委員 いまの質問に関連するのですが、この法律が通過しますと、全部が全部じゃないでしょうけれども、いままでの団体受託が個人受託に移行するというふうに私は想像したわけです。郵政省のほうではその点についてどういう予測を持っておられるか。
  499. 曾山克巳

    曾山政委員 今回提出いたしました法案の趣旨は、現在簡易郵便局のありますところとは別に、簡易郵便局のないところで市町村あるいは協同組合の直接の施設がないためにどうしても国民の通信需要にこたえられない、それを救うところにございますので、私ども、この法律案が通過いたしましたあと、現在簡易郵便局を受託しております団体からそれを直ちに個人に切りかえるというようなことは考えておらないわけでございます。
  500. 中野明

    ○中野(明)委員 そういうことが、どこまでもこちらの意思ではなくして——こちらはそういう気持ちでおられるのは当然でしょうけれども、向このほう、現在の受託者から辞退したい、そういう申し出があったら、これは断わるわけにはいかぬでしょう。そうしますと、当然そこに不便が出てくるわけですから、個人の人が申請をしてくるという場合があるんじゃないかと私は思うわけなんですが、その辺……。
  501. 曾山克巳

    曾山政委員 そのような場合、つまり受託者の団体のほうで受託を解除したいといってまいりました場合にはただいま御説のとおりになろうと思います。私どもといたしましては、その場合、現在、事実上かりに個人でございましたものにつきましても、白紙の立場で、その方が資格、能力の点におき、また社会的信用の点において十分な方であれば当然個人受託者の対象になろうと思います。
  502. 中野明

    ○中野(明)委員 現在まで団体が受託してきておってここで受託を辞退するという場合、何にも要請されないでそのまま引き受けられるのか、それとも、もう少しやってくれというふうに依頼を重ねて手を打っていかれるような考えを持っておられるのか。ある程度私は出るのじゃないかというふうに一応想像してみたのですが、そこのところ、方針としてどのように考えておられますか。
  503. 曾山克巳

    曾山政委員 簡易郵便局の受託契約の契約年限は一応三年でございます。したがって、現在三年の中にあるもので、しかも受託団体のほうで解除したいという希望がございました場合、その場合が一番問題だろうと思いますが、私のほうで、いや、解除はやめてほしいということを積極的に言うかどうか、その点についてはまだ態度をはっきりいたしておりません。しかし、その団体があくまで解除したいといってきました場合には、今度の法律によりますと、九十日たてば自動的に解除になりますので、さような場合には私どもやむを得ない、と申しますのは、それまで説得いたしまして、あくまで簡易郵便局をやってほしいということを団体に申す気はございません。
  504. 中野明

    ○中野(明)委員 手数料のことで少し具体的に聞いてみたいと思いますが、先ほどお話がありましたが、手数料最低基準ですか、基本料と手数料と加算料と言われたのですか、分かれておるようですが、基本料のことについてどういうふうになっておりますか。
  505. 曾山克巳

    曾山政委員 手数料の構成が基本額取り扱い手数料加算額、この三種類になっておることは先ほど申し上げましたが、その中で特に基本額についてのお尋ねでございます。  基本額は、郵便貯金、保険のそれぞれ事業別に分かれておりまして、各事業別に物件費と準備、整理等の時間に所要いたします人件費、この二つに分かれております。これは数字で申し上げますと、昭和四十四年度予算におきまして、郵便関係が物件費が七百七十円、それから人件費が四千三百円、合計五千七十円でございます。貯金は、同じくいまのような二つの分析をいたしまして、合計額は八千六百八十円、保険につきましては百円、合計いたしまして一万三千八百五十円、月額でございますが、さような算出になっております。
  506. 中野明

    ○中野(明)委員 私のいただいている資料と少し違うようなんですが、それはことしの四月に改正になった分ですか。
  507. 曾山克巳

    曾山政委員 ただいま予算の数字で申し上げましたが、おそらくお持ちの数字は実行ではないかと思います。実行でまいりますと、合計額は一万四千五百円ということになります。
  508. 中野明

    ○中野(明)委員 その中で一つお聞きしておきたいのですが、簡易保険の基本料が月額にして百円ですか、これは算定の基礎というのですか、百円というのは、私もこれをちょっと見まして非常に奇異な感じに打たれたのですが、べらぼうに少ないし、この百円というのはどこから出てきたのだろうか、この計算の基礎をちょっと説明していただきたい。
  509. 竹下一記

    ○竹下政府委員 簡易保険の基本額は百円でございまして、たいへん少ないのですが、実は昭和三十七年当時から百円で通してきておるわけでございます。  その理由は、扱い件数が非常に少ないということでございまして、全部の簡易郵便局三千二百のうちで簡易保険の扱いをいたします局がざっとその半分でございますが、一局平均年間一・九件というほとんどゼロに近いような数字でございまして、そういう姿が三十七年以来今日までずっとそのままきておるということで百円の据え置きになっておるわけでございます。そのかわり、基本額はたいへん少ないのでございますが、契約をとりました場合には、加算額といたしましてその契約保険料の一カ月分を支払う、募集に対するロードに対しましてはそのほうで十分見ましょう、こういう姿になっておるわけでございます。
  510. 中野明

    ○中野(明)委員 百円になったというのには、最初の算定のときに何か根拠があるのですか。
  511. 竹下一記

    ○竹下政府委員 郵便貯金と保険の三事業の比較を一応はしたようでございますけれども、簡易保険の場合はゼロにひとしいわけでございます。と申しましても、ゼロというわけにはまいりませんので百円という最低額、いわば気は心という額だと思いますが、その程度の額にしたわけでございます。
  512. 中野明

    ○中野(明)委員 今日の貨幣価値からいきましても、当然これを取り扱うという業務の内容になっているわけですから、もう少し検討する必要がないのだろうかと私は思います。いよいよないのならばないで、基本料はなくして、取り扱ったときの手数料が当然あるのですから、何かこの三事業のうちでこれだけが飛び離れて百円というのは、ちょっと見たときにだれが考えても奇異な感じに打たれるわけですが、検討事項として考えていただきたいと思います。  それから手数料について先ほど森本委員からもいろいろ疑問が出ておりましたが、この貯金の一件当たり十九円、こういうことになりますと、さっきから議論が出ておりますように、最近は子供なんかも、非常に子供のころから貯金の意欲を持たせるというようなことから子供貯金というようなことを奨励しておるところも多いようでありますが、そうなりますと、十円というようなことから法で認められている以上は受け付けないわけにはいかないし、そういうのもかなり出てくると思います。そうなりますと、十円の貯金を扱って十九円の手数料、十円引き出してもまた十九円の手数料ということになって、これは非常に私は不合理だと思います。この点についてまだまだほかにもいろいろお尋ねしていきたいと思いますが、この機会に手数料の件についても再検討をする必要があるのではないか、このように思うのですが、そういう点どうでしょうか。常識で考えてもちょっと不合理である。不合理でもこれは合法です、十円預けてはいけないということは言えないわけですから。そういう矛盾があるわけです。こういうことについてどの程度までお考えを持っておられるのか、ちょっと聞いておきたいのです。
  513. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 先ほど森本委員の御質問に対してお答え申し上げたわけでございますが、確かにこの問題は、われわれとしても今後趨勢を見ながら考えていかなくてはならない問題ではあろうと存じます。しかし、このようないわゆる小額預入というものはございますが、これを大別いたしまして、いわゆる手数料詐取という悪質な場合とそうでない場合と考えてみますと、悪質の場合は、この数年の指導によって現在はまあないと考えてよろしいようになっておるように存じております。  ただ問題は、ただいま御質疑の子供貯金あるいは日掛け貯金、こういう問題でございます。これは私どもといたしましては、そういう零細貯金、そして子供の貯金というものは勧奨上むしろ大事に扱わなければいけない貯金でございますので、それはもちろん今後ともふやしていきたい、しかし、おっしゃるように、そういう小額のものは確かに手数料で損をいたしておるわけでございます。これも先ほど申しましたように、一応形の上では損になっておりますが、これは、こういうものを預入しあるいは払い出します際の手数を時間換算してこのような十九円という額を算出いたしておるわけでございます。したがいまして、いわばそのような根拠に立っております関係上、これは一応現段階においてはこのままで考えておるわけでございます。日掛け貯金等の問題は、これもなるべくならばこんな零細に持ってきていただかないで、できたらまとめるというような方向に指導しておるようなわけでございます。そういう面からもこの不合理を是正していっておる、さようなことでございます。
  514. 中野明

    ○中野(明)委員 私が申し上げておりますのは、違法じゃないわけですね。合法的にやっても結果的に見れば非常に不合理だ、ですからこれは考えなければならぬのじゃないか、何かほかにいい方法を考えていかないとおかしいのではないか、このように思うわけです。ただ、悪質な分はどこまでいっても法の裏をくぐってやる分ですからもう言語道断の話ですけれども法律できめられている以上は、合法的にやっていって一向差しつかえないわけです。最低十円の貯金法律で認めておりながら一件の手数料十九円というのは、そういう手数料の立て方というのですか、計算のしかたが問題じゃないかと思うのです。ですから、こういう機会に手数料のあり方を再検討されたほうがいいんじゃないかということを申し上げるわけですが、どうでしょうか。基本的に件数でやるのがいいのか、金額である程度考えたほうがいいのかというふうに私もいろいろ考えてみたのですが、その点、将来の課題としてぜひ考えていただきたい、これはちょうどこの法律が出てまいりましたので相当関心も高まっているときですから。そういうことになりますと、こういう不合理なことがありますと、こういうことからまた何だかんだといういろいろな批判の声が出たり、またそこから、これを表面的には合法化してそして不正をしていくというふうなことにも通じるわけですから、そういうおそれのあることは変えておいたほうがいいんじゃないか、私はこのように思って聞いているのですが、もう一度……。
  515. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 確かにごもっともな御意見と存じます。ただし、先ほど来由しましたような算出の根拠でもございますが、なおまた、私どもといたしましてこのような小額預入で、しかも十円と十九円という、明らかに損に立つような預入の形態が今後非常に増加するとか、そういうようなことになりまして、簡易郵便局の収支の問題にも悪影響を来たし、また手数料という観念にも非常に悪い影響を及ぼすような事態になりましたならば、その段階においてこれをおっしゃるように再検討しなければならないのではなかろうか、そのように考えておるわけでございます。
  516. 中野明

    ○中野(明)委員 だれが考えても矛盾は矛盾で心配な面があるならば、それが起こってからやるというよりも、あらかじめいまから検討をして、なるべく早い機会に是正されたほうがいいんじゃないか、このように思うわけです。今回、たまたま法を改正して個人にまで範囲を広げようというようなやさきでございますので、なおさら私どもは、そういうふうにしろうとがちょっと考えても疑問に思うような手数料のあり方というものも是正するという姿勢を持たれたほうがいいんじゃないか、そう思ってお尋ねしているわけなんです。いま申し上げましたように、十円というのは、今日でいえば貨幣価値からいいましても非常に微々たるもので、おそらく十円貯金しに来るおとなはおらぬと思います。けれども、子供貯金だとか、先ほど言われた日掛け貯金だとかそういうことで、おとなが十円持ってきたらいけないということは言えないわけですから、そういうことを考えますとやはり是正しておいたほうがいいんじゃないか、このように考えて先ほどからちょっと申し上げているのです。将来そういうことがあったら前向きになって検討するとおっしゃっていますけれども、不合理であることは認めておられるわけですから、いまから検討されたほうがいいんじゃないか、私はそのように思っております。  それから、利子のことでちょっと聞きたいのですが、一カ月の利子の計算の起点と終点は何日から何日ということになっておるのでしょうか。
  517. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 一番一般的な通常貯金の場合について申し上げなければならないかと存じますが、利子の単位は月単位の計算でございます。その場合に、預入の月から払い戻しの月の前月までの月数に対して利子を付与するわけでございますが、預入の月と申しましても、十五日までに預入をした場合にはその月にも利子がつく、逆に言いますと、十六日以降の預入金については、その月はつかずに翌月からつく、このような計算のやり方になっておるわけでございます。
  518. 中野明

    ○中野(明)委員 じゃ、十日とか十五日以前に入れまして十五日以後に引き出した場合、利子はどうなりますか。たとえば十四日に預金をいたしまして、二十日なら二十日に引き出し、また三十日に入れた、そういうようになった場合。
  519. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 いま御設問の場合、十五日前に預入をされて二十日に引き出す、その二十日というのがその月の二十日でございましたら利子はっかないわけでございます。一般的に申しますと、その月の間に出したり入れたりしてももちろん利子はつかない、さようなことに相なっております。
  520. 中野明

    ○中野(明)委員 そうすると、いま私が聞きましたようなことはないわけですか、十四日に入れて二十日に出しても一カ月分の利子はついている……。
  521. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 利子はつかないわけでございます。
  522. 中野明

    ○中野(明)委員 それじゃ次に郵便手数料ですが、これが一回が十二円ということになっています。このいただいております資料についているこの二六ページですか、これでは簡易郵便局の取り扱っている速達あるいは小包、こう簡易郵便局がずっと取り扱っているところにマルがしてありますが、これはどれを一件取り扱っても十二円ということですか。
  523. 曾山克巳

    曾山政委員 先ほども御説明申したのでありますが、たとえば速達の場合ですと、普通速達の場合は〇・五ということになります。書留ですと一になります。そういうものをいま言ったような計算で足しました件数でございます。
  524. 中野明

    ○中野(明)委員 それは時間もとるようですから、何でしたらその手数料をこまかく取り扱った、ここにしるしをしているところの手数料金額をあとで資料として出していただければと思いますが……。
  525. 曾山克巳

    曾山政委員 承知いたしました。
  526. 中野明

    ○中野(明)委員 それから現金の取り扱いでございますが、この一カ月分の現金の取り扱い額の一万分の一ですか、それが手数料として出ることになっておりますが、これはちょっと私も考えて、二重に手数料をもらっているのじゃないか。先ほど質問にも出ておりますように、十円とか百円とか貯金を取り扱って十九円の手数料をもらって、それからまた総合計で一万分の一というふうにまた手数料がもらえる。こうなりますと、二重に手数料をもらえるようになっているのではないか、そう思うのですが、この辺はどうでしょうか。
  527. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 ただいまの御質疑でございますが、いわゆる現金の取り扱い手当と手数料と二つあるわけでございますが、手数料は、先ほど触れましたようにいわば労働の対価に対して支払われるものでございます。現金の取り扱い手当は、これは預入金や払い戻し金等がございます。その総現金取り扱い高に対して支払われるということになっておりますので、両者はそれぞれ性格を異にいたしておりますので重複するということはないと考えるわけでございます。
  528. 中野明

    ○中野(明)委員 そうしますと、この基本料というのとはどうでしょうか。基本料も出ているわけですから基本料ももらい、手数料の中で、いまの扱った件数に対しての手数料とその金額の総合計手数料と、こうなっているわけですから、基本料との関係はどうなるでしょう。
  529. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 現金取り扱い手当は、現金を取り扱う際に、間違ってはいけないとか亡失してはいけないとかいうようないわゆる精神的な非常な負担を受けますので、それに対して支給を受けるわけでございます。したがいまして、基本料と申しますものは、先ほど来郵務局長から説明のありましたようなああいう固定費的な、光熱であるとか局舎であるとか、そういうものに対する経費でございますからこれとも関係はない、そのように考えております。
  530. 中野明

    ○中野(明)委員 ちょっと見たときに私重複するような感じを受けたのですが、いまの説明である程度わかるような気がいたします。  次は局舎施設でございますが、この法律では七条と十三条でしたかに規定が出ております。この規定に出ておる施設について、現在で最低幾らぐらい必要というふうに見ておられますか。
  531. 曾山克巳

    曾山政委員 最低額といたしまして約十万円ということに見ております。
  532. 中野明

    ○中野(明)委員 それでは、施設最低必要なものを具体的にちょっと。
  533. 曾山克巳

    曾山政委員 まず第一に、局舎の改造と申しますか、自分の店先あるいは住宅等を若干改造いたしましてカウンターをつくるということが必要でございます。そういった場合の局舎の改造に要します施設費が一つ、それからあと備品的なものでございまして、金庫とか、あるいは机とかいすとかいったようなものに金がかかるわけでございます。そういうものを総合いたしまして最低約十万円はかかろうというぐあいに考えます。
  534. 中野明

    ○中野(明)委員 それは家の規模とかいろいろ違うのでしょうけれども、十万円程度で済むでしょうかね。
  535. 曾山克巳

    曾山政委員 お示しのございましたように、りっぱな単独の局舎ということでもつくりますと、とうていそれではおさまらぬと思います。平均いたしまして、大体二十万円から三十万円というのが大宗だと思います。
  536. 中野明

    ○中野(明)委員 簡易局はいろいろ現金を用意しなければならぬと思いますが、これは専門語でどう言うのですか、何かとめ置き資金とかいうようなこともちらっと聞いたですが、私、専門語はよく知りませんが、その現金を常備するのは現在幾らくらい常備していなければならないということになっておりますか。これはどこできめられていますか。
  537. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 御質疑の問題はいわゆるとめ置き資金の問題であろうと存じますが、これは現在全部の簡易郵便局を平均いたしまして大体六万円に相なっております。ただし、これはけさほど質問がございましたように、その局ごとにきめておるわけでございます。要するに、払い出しの多い局は多く、少ない局は少なくということでいろいろ段階がございますが、平均して大体六万円になっておる、さようなことでございます。
  538. 中野明

    ○中野(明)委員 これはきめるのはどちらがきめるのですか。局自体がきめるのか、それとも郵政省のほうできめるのか。
  539. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 本件の決定につきましては、郵政省で比較的こまかい通達を出しておりましてそのきめ方等を定めておるわけでございます。したがいまして、その方式によりましてそれぞれの簡易郵便局できめる、そのようなことに相なっております。
  540. 中野明

    ○中野(明)委員 ついでにお願いしたいのですが、集配局、無集配の特定局、それから普通局、そこらのとめ置き資金は大体平均どれくらいに規定されているのですか。それはおわかりでしょうか。
  541. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 普通局、特定郵便局も先ほどのような基準で自分できめるわけでございますが、その一局平均の額は、普通郵便局は、これはもちろん平均でございますが九百八十三万円、集配特定局が五十三万円、無集配局が十九万円、そのように相なっております。
  542. 中野明

    ○中野(明)委員 それで、今回この法が改正されますと福祉年金が取り扱い業務に追加されるようになりますが、そうしますと、当然手持ちの現金を多く準備しなければならぬようになると思いますが、この関係はどうなっているのでしょうか。     〔委員長退席、加藤(六)委員長代理着席〕
  543. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 確かに、御説のように福祉年金の取り扱いをそれだけ増加させるわけでございますが、これは大体平均して見ますと、一局当たり十二万という計数に相なっております。したがいまして、この支払い期が年三回ございますが、その際にはそれだけそれに準備いたしますように、支払い資金をふやして準備をするということに相なるわけでございます。
  544. 中野明

    ○中野(明)委員 それで、このとめ置き資金ですか、これはどういうふうになっているのですか。本人が自分の金を用意するのか、それとも公金が前渡しされるのか、それはどうなっておりますか。
  545. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 これは受託者のいわゆる私の金、私金では全然ございませんで、いわゆる公金が前渡しをされる、つまり簡易郵便局は、まあいわば所属と申しますか、その付近の集配特定の郵便局から、その受け持ちの集配郵便局からこの公金をあらかじめ必要な場合は受けておく、さようなことに相なっております。
  546. 中野明

    ○中野(明)委員 これはいまの福祉年金だけではなくして、それをのけて、いままで従前もそうなっておるわけですか。
  547. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 これは簡易郵便局を問いませんで、全部普通局、特定局を通じました原則でございます。公金を必要な際に、上位局と申しますか、受け持ち局からもらっておく、これは全体に通じる原則でございます。
  548. 中野明

    ○中野(明)委員 そうしますと、普通局は相当の金額になっておりますが、これは予算面ではどういうところに載っておりますか。
  549. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 普通局ではただいま申しましたような相当多額にのぼっておりますが、これは自分の局に受け入れる金もあるわけでございます。貯金が入りましたり保険の金か入りましたり——したがいまして、そういうのはいわゆる繰りかえ払いと称しまして、その局でほかの用に立てかえることを認められております。したがいまして、ただいま申します九百万というような金を上位局からそっくりそのまま持ってくるわけではございません。むしろ余った金はまた上位局へやるというような制度にもなっているわけでございます。したがいまして、さようなことでございますが、これはそのようなことで予算に計上する必要もなくて、会計法規に従いましてそのような措置をいたしておる、そういうことでございます。
  550. 中野明

    ○中野(明)委員 じゃ、老齢福祉年金等の支払い事務の手続ですが、これは今度新しく追加されるように法ではなっているわけですが、これは手続を先ほどちらっとお話しになっていましたが、もう少し具体的に、どういう方法で支払われていくのか、そしてその受け取り人は本人でなければならぬのかどうかですね。そこはどういうことになっておりますか。
  551. 鶴岡寛

    鶴岡政府委員 これは受領証書と年金証書を郵便局でまず受け取るわけでございます。そして、その上でその年金証書によりまして、いわゆる必要事項と申しますか、自分の局で払うようになっているのか、隣の局で払うのが、こっちに来たのではないかというようなことを見ましたり、あるいは支払い期が来ておるかというようなことを見ましたり、あるいは差しとめ中のものでないか、そういうようなことを確かめるわけでございます。そしてその上で受領証書——向こうに受領証書を出させるものでございますから、その受領証書と年金証書と比べまして、記号番号あるいは金額あるいは住所氏名、その他印影、そういうものが間違いないかというようなことを確かめて、そしてその上で受領証書と年金証書の双方に日付印を押して、そして現金を渡して、また年金証書を返す、そのかわりに受領証書はこちらにもらっておくということでございます。  第二のお尋ねでございます。これは代理人でもよろしいかという点でございますが、これはもちろん法律上の成規な委任をやっておる限り、代理人でもけっこうでございます。
  552. 中野明

    ○中野(明)委員 では次にお尋ねしたいことは、この簡易郵便局規則によりますと——この簡易郵便局法でいろいろ規定がありますが、この規定からいきまして、日本全国で一体どれくらい簡易郵便局があったら、国民にあまねく郵便の利便を与えることができる、このように計算しておられるかどうか、どのように計算されておるかどうか、それをちょっと聞いておきたい。
  553. 曾山克巳

    曾山政委員 なお、ただいまお示しになりました基準の面から見まして、これから置いてしかるべきだと思われます簡易郵便局の数は、全国で二千百ほどございます。
  554. 中野明

    ○中野(明)委員 それは二千百とおっしゃっていますが、一番戸数で少ないのは百戸以上で、局の間の距離が五・五キロ、こうなっていますね。それから享便戸数が二百戸以上で局との間の距離が八百メートル以上、こうなってまいりますと、この条件でやっていけば膨大な数になるのじゃないかというふうに思うのですが、いまたちまち必要なところ二千百カ所ですか、そのように申されたようですが、私の質問している意味は、この法律の規定どおりに割り振りますと日本全国でどれだけぐらいの数になるかということを試算されたことがあるのかどうかということでございます。
  555. 曾山克巳

    曾山政委員 ただいま申し上げました数字は、全国の郵政局を通じましてそれぞれ郵政局の持っております通信地図その他等で精細に調べました数字でございます。したがって、二千百というのがいま考えられます最大の数値であるということでございます。
  556. 中野明

    ○中野(明)委員 たとえていえば、現在の郵便局から八百メートル離れておれば簡易局の設置はできるわけでしょう、そういう規則どおりにいけば。そういうことから考えていきますと、現在確かに間に合っていることは間に合って、特定局もあればそれから普通局もあるというふうで間に合っておるわけですけれども、わざわざここに規定があるわけですから、そのために、あまねく国民に郵便の利便を与えるためにこの簡易郵便局の制度ができたわけでしょう。ですから、これはもうぜひ必要だといってやかましく言っているところがこの数じゃないか、私はそのように想像してみたんです。だけども、実際に地図の上でもよろしいが、機械的にこうやっていけば相当な数になるんじゃないか、このように考えてお尋ねしているんですが……。
  557. 曾山克巳

    曾山政委員 ごもっともな御質疑だと思います。先ほど来申しておりますように、簡易郵便局を置いていきます個所が、大体人家の稠密したところではなくて僻陬の地ということになっております。人家の稠密した地域につきましては、現在、お示しのように特定局あるいは普通局というのがございまして、それぞれの基準に従って全国をおおっているわけでございます。これはまあ市内地でございます……。それから市外地というのが、わりに人家の密でない地域、そういうところにつきましては特定局も多数ございます。特定局で、市外地におきますところの設置基準と申しますのが先ほど来申し上げました二キロで、したがって半径が一キロでございますが、かつ、戸数が六百戸ということになっておりますので、大部分のところはそれでおおわれているわけでございます。したがってその中にはこの簡易局を置かないでいいわけでございます。それ以外の地域で、それを越えました地域で、ここに書いてございますような基準で通信地図その他から全国を拾ってまいりますと二千百が残っているということになります。なおしかし、それ以外に、離島あるいはこれに準ずる地域につきましてはこの基準にとらわれないで置きますので、そういうところから非常に要望がございますと、二千百になお加わる可能性はございます。
  558. 中野明

    ○中野(明)委員 将来非常に市街地の形成が、団地とかあるいはまあそういうことで最近の町づくりというのが私どもの想像以上にどんどん発展していっているわけです。そういうことで従来からそういう場合はやはり特定郵便局を置いておるだろうと思いますが、先ほどから上林山委員も尋ねられましたが、経費の面で、特定郵便局よりも簡易郵便局のほうで非常に経費の面では安く上がるというようなことでございますが、将来新しく郵便局を設置する場合、どういう考え方で設置されていくかということですね。この簡易郵便局を優先にされるのか、それとも、やはり特定郵便局を置かれるのか。その町の状態でも違うでしょうけれども、最近の町づくりというものは非常に急激に伸びておりますので、そういう面で今後の考え方をちょっと聞いておきたいと思います。
  559. 曾山克巳

    曾山政委員 都市構造の変化につれまして、特に都市の周辺地域に人家がどんどんふえてきますこと、これは御指摘のとおりでございます。そういったところは現在の通信地図からも拾えないわけでございます。そういうところが出てまいりましたならば、簡易郵便局設置基準に該当いたしますと、私ども簡易郵便局を置いていいんではなかろうかと思います。したがって二千百よりもこえると見ております。  その場合の考え方でございますが、やはり人家が、かりに団地でございましても非常にたくさんありますような場合、つまり特定局の設置基準に該当いたします場合には、これは一人当たりの事務量をはるかにオーバーいたしますので特定局でいくべきだと思いますし、一人当たりの事務量以下のところにつきましては、団地等についても、市外地であります場合にやはり簡易郵便局でいったほうが、将来の財政から見ましても経済的でございますし、国民の通信需要にもこたえられますので、できるだけ簡易郵便局で進めたいと考えております。
  560. 中野明

    ○中野(明)委員 これはどこまでも仮定で、想像して話をするんですが、この法律が通過しますと、当然個人でも受託できる、こういうことになります。そうなってまいりますと、かなり手数料として収入があるわけです。その場所によってそれは差はあります。最高と最低が非常に大きく差がついておりますが、いずれにしても幾らかの収入が確保できるわけですから、かなり私、希望者があるんじゃないかと、このように思います。  そうしますと、この選考にあたりまして、世間でも間々あることですが、いろいろとあとにしこりを残し問題を残すようなことが多いです。地方議会にしましても一般の社会にしましても、役職の争奪をめぐりまして非常にあとにしこりを残して、ときに、ところによれば一年交代というようなそういうこと——地方議会なんか、議長の役職なんかを、一年交代でも話がつかないで、両方とも譲らないで利害が対立してしまいまして、一年交代できめるという約束をしているようなところも耳にします。まあ、この簡易郵便局に限ってそういうことは私はあられぬと思いますが、もしそういうことが発生して、どうしても二人ないし三人が相譲らないということでそれを無理やりにきめてしまうと、そのあと地元にしこりを残して、小さないなかの部落で派閥のようになったり対立ができて、この郵便局のために部落の日常の生活にまで支障がくるというようなことになったらこれはやぶへびになると思います。そういう点で私心配するのは、もしそんなことでもつれちゃって一年交代だとかいうようなことになった場合、非常に困るのじゃないかという気がするのですが、そういう点、どう指導されますか、またどういう方針で臨まれますか、これは参考までに聞いておきたいのですが……。
  561. 曾山克巳

    曾山政委員 お話しのように、個人受託範囲が拡張されました場合に、その地位につきまして非常に多数の志願者が殺到するというケースがかりにあるといたします。さような場合にでも私どもは、その中で、選挙にあたって最も地域住民の信望を得られ、かつまた能力のある方を選びますので、その方に少なくとも現行の契約期限でございますところの三年間はついていただく、その後も、やはり最初に選んだ方が欠格条項に該当したりあるいは解除条項に該当しない限りは、できるだけその方に続けてもらうのが適正なやり方だと考えております。
  562. 中野明

    ○中野(明)委員 それで明らかに、それをきめたためにあと部落がうまくいかない、そういうような心配がある場合は、これは当然保留されて、みんなの話し合いがつくまではお待ちになるということは当然だろうと思うのですよ。そういう点も私ちょっと心配なところがあるわけです。  それで、けさほどからこまかいところまで議論が出ておりましたので、もう私、以上で終わりたいと思いますが、最後に、大臣にもそのことについて、将来、そういうことで現在の団体受託と違いまして個人受託ということにつきましてはかなり問題が多いし、手数料のことにつきましてもまだまだ検討の余地があるんじゃないか、私はこのように思います。そういう点について、一応この法案を中心にしまして、今回のこの個人受託の法案を提出された大臣として、いま私が申し上げました手数料の内容、けさほどから質疑もお聞きいただいておったわけですが、それについての大臣のお考えと、そうしてまた、もしもこの法律が通過して選定をするという場合、いろいろとトラブルの起こる可能性があります。こういうことについて、大臣として将来当然監督指導なさる立場でございますので、決意をお聞きして、終わりたいと思います。
  563. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 手数料の問題につきましてはごもっともな点もございますので、これは検討さしていただきます。  それから、将来の運用の面につきましては、いまいろいろ有益な御意見を拝聴いたしました。十分参考にさしていただきましてやらせていただきたいと思います。
  564. 加藤六月

    加藤(六)委員長代理 島本虎三君。
  565. 島本虎三

    島本委員 簡易郵便局法の一部を改正する法律案について、まず大臣に、私の最も不明とする点、どう考えてもわからない点について、内容に入る前に伺っておきたい、こう思うわけです。  これはまず事務当局のほうにお伺いいたしますが、簡易郵便局法をまっ先に提案したのはいつでございましたか。
  566. 曾山克巳

    曾山政委員 改正提案でございますか。
  567. 島本虎三

    島本委員 簡易郵便局法の一部を改正する法律案であります。
  568. 曾山克巳

    曾山政委員 この改正案につきましては、同じような案を前々国会に提出いたしました。
  569. 島本虎三

    島本委員 そうすると、今回では三回目ということになると思います。この内容は、前々回と比べて改正されている点がありますか。
  570. 曾山克巳

    曾山政委員 前々国会に提出したものと同じものでございます。
  571. 島本虎三

    島本委員 大臣、少なくとも、前回、前々回二回ともこれは廃案になっている法律案であります。廃案になっている法律案を一言一句も改正しないで、またその情勢にも応じないままにこれを出してきておるということは、立法府を軽視する傾向を見出せることは私は少し残念だと思うのです。三年間、経済情勢にしろ政治情勢にしろ、これは全然変化がない、こういうようなお考えならばまだしも、一日も一週間も一年もこれは同じような月がないと思わるほど目まぐるしい変転を来たしておるのです。それなのに、前二回もこれが廃案になっている法律案を一言一句も改正しないままで出してきたというこのず太い神経は、やはりこれはいわば立法府に対する行政府の挑戦じゃないか、こういうように思わざるを得ないのであります。本来ならば、これは大臣よりも、委員長並びに議長にこの件について十分お聞きするのが一番いいと思うのでありますけれども委員長代行は加藤委員長代行でございまして、これは聞いたことがある名前でございます。しかし、やはりこの辺につきましては、委員長代行並びに大臣からはっきりした御所見を伺っておかなければならないのであります。  前二回と経済情勢も政治情勢も全然同じだという理解のもとに、一言一句も変更しないこの法律案を出してきたのである、こういうようなものであるかどうか。もしそうだとするならば、はたして全然変わっておりませんかどうか。情報革命がいま盛んに云々されておるこの際、同じようなものをまた出してきておるということは、私はどうしても理解しかねるのであります。この点について、大臣並びに加藤委員長代行にお伺いを申し上げておきたいと思うのであります。
  572. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 ここ数年来毎国会廃案になっておるにかかわらず、また今回も同じ法律案を出してきたということはけしからぬではないか、こういうお話でございますが、実は、郵政事業の立場から申し上げますと、この法律案はぜひ通していただきたい、郵政事業を行ないます上にこの法律案がぜひ必要である、こういうことを強く痛感いたしておりますので今回も御審議をお願いすることになったわけでございます。
  573. 加藤六月

    加藤(六)委員長代理 私は委員長代行でございまして委員長ではございませんが、当委員会において過去二回この法案が付託されました。悲しいことには実質的な審議というのは一回も入ってない。これは当委員会として非常に残念であり、なおかつ、国会の職責を十分に果たしていないといううらみが逆にあったのではないか、このように反省いたしておる次第でございます。  今回はこの法案につきまして延々時間をかけて審議しておるということは、非常に好ましいことでございます。こういう精神を今後とも当委員会、当国会が持っていけば非常にいいことではないか、このように判断いたしております。
  574. 島本虎三

    島本委員 ただいま加藤委員長代行から、若干立法府としては信念に欠けているものがあるのじゃないか、こういうような答弁がございましたが、しかし、これは本来ではございませんから、きょうはまず理解しておきたいと思います。  それで、たとえば情勢が変化しているかいないかというこの問題になりますと、郵政省のほうでは公社化の問題について鋭意努力し、審議会に諮問している。また、森本委員のあらゆる角度からの質問に私は大いに傾聴するところがあったわけでございます。傾聴すればするほど、急いで出さなくてもいい法律案である、こういうように思わざるを得ないのであります。これは公社化の問題が出る前に、公社化の公の字も出ない以前にもうすでに発芽しておったのでございます。そういうような状態なのに、公社化のほうが先に諮問されているそのさなかに、また情勢を無視してこういうようなものが平気で出てくるということは、やはり情勢分析に欠けている点があるのじゃないか、こういうような点を私は遺憾に思う次第であります。まして、いま情報産業議員連盟などという機関もできております。また情報関係におきましても、今後の通信というようなもののいわば大勢もその方面に移るのじゃないか、こう思われるような情勢にあるのであります。そうしますと、もうすでに郵政事業そのものは斜陽産業であるという見切りをつけて、これをもう世の中の片すみへ弊履のごとくに投げ捨てるためにこういうようなものを出すのかどうか、これはやはり重要な問題なのであります。やはりこの点では、事務当局のほうはこれを通してもらおうと一生懸命になるのでありますから、歯に衣は着せないようにしてあえて言うと、私はうそも方便という答弁もないわけじゃないと思います。しかし、大臣も信念を持って、いわば郵政事業全体を責任を持ってあなたは統括されているのでございますから、そういうような高所からの一つの指導性を発揮しなければなりません。  私は大臣にお伺いいたしますが、情勢は、初め考えられたときと全然同じですか。情報革命といわれる情報産業というようなものの出ている現在、この特定局そのものをこの完全な位置づけからして大いに発展させるべく国のほうで努力しなければならないのを、請負のほうへ回しているような努力にすりかえるということは、私は時代逆行でなかろうか、こう思うわけであります。大臣の高邁なる御答弁を願いたいのであります。
  575. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 郵政事業は、よく御承知のように、国民にあまねくサービスを提供する、これが最大の使命だと存じております。しかしながら現在のところ、簡易郵便局法が施行されましてから十数年になりますが、昭和四十年ごろまでは大体順調に拡充してまいったと思うのでございます。四十年、四十一年ごろから非常に拡充のテンポがゆるくなりまして、ただいまのところ年間百局余りくらいしか拡充できないという状態になっております。しかし、なお各方面におきまして、ぜひとも郵政サービスを提供してもらいたい、こういう地区がたいへん多うございます。  そこで、現在の法律ではなかなか思うようにまいりませんので、一部個人受託もできるということに法律を改正いたしまして、そして大体現在考えておりますのは、およそ二千数百局をできるだけ早く全国に設置して郵政サービスを徹底させたい、こういう趣旨から御審議をお願いしておるわけでございます。
  576. 島本虎三

    島本委員 大臣のその考え方、また、郵政事業をいま大臣が考えられるようなこういうルールに乗せて進めていこうとするならば、これはもうほとんど反対する人はないんじゃないか、こういうように私は前提条件として考えます。しかし、この問題に対しては全逓はやはり数年前から反対をされておるようであります。私どもとして、いま大臣がおっしゃったようなその気持ち、考え方、指導理念、こういうものを全逓との間に交渉またはいろいろな関係によって十分煮詰めて話し合われたことがございましょうかどうか。この問題に対して、全逓の反対する根本的な理由はどこにあって組合がこれは協力できないのでしょうか。大臣、この点はお伺い申し上げておきたいと思います。
  577. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 実は私も当然賛成をしていただけるものだというふうに考えておるのでございますが、その点は私どもたいへんふしぎに思っております。
  578. 島本虎三

    島本委員 大臣もふしぎに思っているような法案を出しちゃ、なおこっちもふしぎに思うのですよ。それはやはり全逓自身もそれに対する一つの理由があるから反対されるのじゃなかろうかと存じます。これはやはり大臣がいま考えているようなものそのまま推し進めているように理解していいのか、また、そういうふうにすることと別に、ことばが悪いけれども、ひとつかんべんしていただきますが、大臣を含めての官側というのですか、官僚というのですか、事務当局というのですか、そこにおられる人です、そういうような人たちがやはりこういうふうに法案そのもののために考えて、何かの目的でこれを通そうと思っているのですか。この辺はやはり十分考えておかないと、その辺から案外に大臣、反対の原動力というものが発見されるかもしれないのであります。  私は、この点は山本人事局長に聞いておきたいのでありますけれども、この簡易郵便局法の一部改正法案に対しまして、全逓はいかなる理由でこの問題に反対しているのでしょうか。団体交渉その他を通じて、はっきりわかっている点をこの逓信委員会に表明願いたいと思います。
  579. 山本博

    山本(博)政府委員 この問題につきましては、これはいまお話がありましたような団体交渉という性質のものではございません。ただ、内容についての説明その他については組合との間に意思疎通がございますが、これにつきましては、人事局はあっせんはいたしておりますが、内容その他についてのこまかい説明は郵務局のほうからいたしております。
  580. 曾山克巳

    曾山政委員 私どもといたしましては、すでに特定局制度の問題について全逓に、いわゆる特定局制度打破あるいは撤廃というスローガンがあることは承知しております。ただ、その問題につきましては、すでに昭和三十三年に、先ほど申し上げましたが、特定局制度調査会でいろいろと議論をいたしました。大臣に答申が出ましたときに、その中で組合の意見も十分聞き、また各方面の意見を聞きましてあの制度調査会の答申が出たわけでございます。したがって、その中で十分こなされた意見だと承知しております。その後、なるほど十年たちましたが、その中でいろいろと組合のほうと、先ほど山本人事局長から申し上げましたように、いわゆる団交事項じゃございませんが、話し合いの中でいろいろお話し合いをしてまいっております。  先般も私、これは私的でございますけれども、やはり相当の有力者とこの問題についていろいろと議論いたしました。もちろん、組合はどういう理由でこれに反対しているかということにつきましての私の十分なる認識はございますが、先ほど大臣も申し上げましたとおり、私どもといたしましては、経営当局はあくまでやはり公共の福祉、国民の利益の立場から、国民が望んでおる先ほど来申しております通信需要に対応していく必要があるわけでございまして、どうしても個人受託をしなければ、なおへんぴな地域におきまして需要に対する供給ができないわけでございます。これにつきましては御理解をいただけるものというぐあいに確信をいたしておる次第でございます。
  581. 島本虎三

    島本委員 いまの御答弁によりましてわかりましたが、それならば大臣、話し合いを完全にしてからこれを実施させるように御提案なさったほうが、これがスムーズに理解できるし、これは通過成立させることになる早道じゃなかろうかと思うわけであります。いまの場合は事務当局ではやはり団交の線に直接は乗らないけれども、この理由は組合が納得しているはずだ、こういうようなことなのであります。しかし私どもは、組合は納得しておらない、この問題に対しては一つの重大な危険性さえも持っている、こういうようなことを私は危惧するものであります。そうすると、やはり考えていることと実際とは断層があるようになっていますね。これは私はやはり遺憾だと思います。  大臣はこの問題で実施前に組合ともう一回十分話し合う決意はございませんですか。いろいろな問題でも、もっともっと話を煮詰めてからこれを出すのでなければ、いろいろな面で、ハプニングなんかはないにしても、障害が多いのではないか、私はそう思っております。しかし、いろいろ大臣の考え方は私、率直に理解いたしますが、いまそれがまだ実を結ぶような段階まで至っておらない。あえて大臣は表面を見ておられる、内容のほうではもっともっと複雑なものがある、こういうように考えるわけであります。おそらくは今後この問題に対して公聴会というようなものもあろうかと思いますが、その際には大臣も出席なすって、そして各方面からの公述人の意見を十分聞いておいてもらいたい、もちろん私も出席して勉強させてもらいたい、こういうように思うわけです。  いまこの特定局の、いわば簡易郵便局法の一部改正法案、これに対して、はたして全逓はどういうふうに考えているのか、形式的なものよりも、請負制に逆戻りすることに対しての危惧、危険性というようなものを感じておられるのではなかろうか。郵務局長は、それは心配ないというならば、団交事項であろうとなかろうと、こういうようなことはどんどん詰めていって話し合いをなすって、そして提案なさるという、回り道かもしれぬが、一つのこういうようなルールを確立したほうが今後のためにもまことにいいのではないかと思うのです。  最近の郵政省の傾向を見ると、どうもその点あまりにも表面的であり、あまりにも官僚的であり、あまりにも事務的であります。そのために人間性が没却されるような、阻害されるような事象さえも各方面にあらわれておるのであります。今回のこの簡易郵便局法の一部改正法案、こういうようなことにつきましても、やはりそういうような危惧を持つ——反対しなければならないという考えが多いからこそ、これがもう難航するのではございませんか。私もそういうような点を考える場合には、大臣をはじめとして、いまの事務当局はもう少しこういうような点を煮詰めるための努力を事前において十分すべきである、そういうようなことがないのがいわば郵政当局の欠陥である、私はそういうように指摘せざるを得ないわけであります。したがって、これは進んで協力してもらわなければ、今後は郵政事業もおそらくはもう優秀なる成果をおさめることができないはずでなかろうか、こういうように思うわけであります。しかしながら、この特定郵便局の請負制に逆戻りする危険性があるのではないかというこの疑念、こういうようなものも十分に晴らす必要があろうというように思うわけなんであります。  大臣、この点について十分話し合いをなされて、そして詰めて、それからこの問題に対してはっきり四つに組んで出されたらいかがでしょうか。それまでの間、事務当局を十分——これは急ぐかもしれませんが、それを詰めて、そして完全なものにして出したほうが、国民的な受けもまた別だと思うのであります。大臣、この点についての御高邁なる御所見を承りたいと思うのであります。
  582. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 組合側とは労働条件の改善、賃金の問題、こういう問題につきましては十二分に話し合いをしなければならぬと思いますし、またその用意がございます。しかし、今度御審議をしていただいております法律案は、郵政事業のサービスの国民に対する徹底、こういうことのためにいろいろな仕事をしたいということでございますから、これは省として組合と話し合ってきめる、そういう事柄ではございませんので、もちろんお話しのように決して請負制度になるものではないというふうに、機会がありましたならばよく説明はいたします。説明はいたしますが、われわれの希望どおりひとつぜひとも法律を通していただきたい、かように希望する次第でございます。
  583. 島本虎三

    島本委員 それは表面は全然関係なくとも、働く従業員は組合員として労働条件に重大な関係が全然ないということは、大臣考えられないでしょう。やはりそういうふうになりますと、団体交渉事項ではない、こういうふうにしても、やはりそれに伴って発生する問題になりますから、当然そういう問題は、形式のいかんを問わず話し合わなければならない問題だと、こう私は考えておるわけであります。しかし、やはり大臣もこの点については大いに詰めるようにしなければならない。詰めない点があまりにも郵政当局に多過ぎるのです。なぜ組合ともっと話をするのをいやがるのですか。もっと話し合わないとだめです。(「組合ももっとよくならないとな」と呼ぶ者あり)したがって、もっと話し合いをしなければならない。それをしないで実施するからいかぬのであって、大臣も郵務局長も、これこそ国民へのサービスにこたえる道だ、方法だ。そして、区分機、こういうようなものの導入にしても、一方的に、まだはっきりした話し合いもしていないからトラブルも発生するのではございませんか。そういうふうな点で、形式のいかんを問わず、皆さんは官僚的になっている。考え方の点において、各省のほうを見ても郵政官僚はひとつ別な形になっている、これだけははっきり感じているのです。もっとやわらかくして、実質的に実を結ばせるような方法を考えないといけませんよ。今後郵便関係の区分機の導入、こういうふうなものの将来を考えます場合にも、もっともっとこれは組合との話し合いが必要であります。こういうような点で話し合いがルートに乗りながらもそうしていない、全然やっておらないという点、これはやはり福岡中郵や札幌中郵に導入されたあの一件でもはっきり大臣わかるではありませんか。ルートに乗っている場合、話を詰めてから行動に移るべきですよ。中ぶらりんにしたままやって、そうしていろいろ警官隊まで導入してやってあの郵便区分機の導入問題でトラブルを起こしているでしょう。こういうような状態は、大臣、真剣に考えなければなりません。(「反対する者自体が悪い」と呼ぶ者あり)その辺から不規則発言が出ておりますが、これはもう事の真相のわからない人の発言です、これは。(「ノー、ノー」と呼ぶ者あり)わかっている人はだまっているのです。そういう状態からして、大臣、福岡中郵や札幌中郵、こういうような方面には、まだ交渉事項になっている問題に対してさえもそれを煮詰めないで強行した、こういう一つの弊害のある面もはっきり理解しなければならないと思うのです。話し合いの必要なことはこれは当然認めていながら、そして話し合いが進んでいるのに、なぜ煮詰めないうちにこれを強行しなさるのですか。しかも、警官隊を導入せよ、警官隊を導入せよと、地方の郵政局長が先頭に立って十分ごとに警察に行ってこれを要請している事実があるじゃありませんか。こういうようなことが将来の一つのガンになる、こういうように考えられませんか、大臣。やはりこういうような点についても、一体組合の要求はどういうようなものなのだ、省の立場はどういうようなものなんだと十分聞いておかなければならないのであります。簡易郵便局法の一部改正法案はこつ然として生まれてきたものではありません。こういうような一つの様相の中から発生してきたものなのでありますから、こういうような点を解決しないでは、これだけ分離して幾ら考えようとしてもとうていそういうようなことになり得ないはずなのであります。大臣、おわかりでしょうか。
  584. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 組合ともっと話し合いをすべきじゃないか、こういうお話でございますが、その点は私も賛成でございます。ただ、郵政事業、郵便貯金、保険を問わず、この三事業とも最近仕事が激増しております。これに対応する道は、徹底した機械化及びそれに伴う合理化をおいてほかにないと思うのです。この基本原則は組合のほうもよく御理解をしていただいておると思うのでございます。  ただ、島本委員よく御承知のように、組合側は機械化は賛成でございますが、それをやるについてまず四十四時間を四十時間にせよ、週休二日制、週五日の労働制、そういうことをはっきりいまきめなさい、それでないと機械化に対しては一切反対である、こういう態度なんですね。しかし、省側といたしましては、機械化をやる過程において労働条件の改善、労働時間の短縮、こういうことはぜひ実現したいのだが、その過程においてひとつ相談をしていこうじゃないか、こういうことなのです。ですから私は、労働条件を改善するという基本的な立場において少しも変わらぬと思うのです。ですから、いま具体的に四十時間にするとか五日制にするということをきめるということは、これは不可能だと思いますので、何とかこの点を御理解をいただきまして、そしてわれわれのやらんとする機械化に対して積極的に御協力をしていただきたいというのがわれわれの希望でございます。
  585. 島本虎三

    島本委員 私はほかの大臣のいろいろな答弁を伺いますが、理解のできる答弁をしてくれるのは河本郵政大臣が最も右翼である、こういうように思いまして私はうれしいのであります。あなたがそこまでわかっていなさるならば、私はほんとうに同慶にたえません。組合側が四十二時間に対して四十時間にしてくれ、これは二時間の違いで、大きい問題ですが、世界的な一つの流れでございましょう。そういうような一つの時短と申しますか、四十時間に応じない、四十二時間でやれ、ではこの二時間の問題について話が全然できないのか、部分時短でもいいからその間は個別協議にしてはどうだ、こうまで言っているのに省側は応じないからトラブルが起きているのですね。そうなら、ある程度煮詰まっているのに、この辺、形式主義者の一つのこれはもう障害になっているやり方じゃありませんか。そこまでいったならば、もう一歩進めて、胸を張って話し合いなさいよ。それを拒否するような全逓ではない、これだけははっきり申し上げておいてもいいと思うのです。なぜ個別、部分時短でもその間は協議しようじゃないかというようなことに対してだんびらを振りかざすようにして交渉に応じないのですか。これは山本人事局長、あなたの責任ですよ。
  586. 山本博

    山本(博)政府委員 現行は四十四時間でございます。四十二時間ではございません。四十四時間を四十時間ということでございます。その差四時間ございます。  それからいまおっしゃいました内容は、組合側が言っているのではなくて私のほうが言っている内容でございます。したがいまして、話が煮詰まらないはずがないというのが私のほうから実は組合のほうにかねがね言っていることでございまして、現在の段階では組合のほうが私のほうの案に折れてくる段階ではないか、いまおっしゃったことは、私のほうが組合に申し上げている内容でございますので、組合のほうとの意思の疎通はなおこれからやっていきたいと思っております。
  587. 島本虎三

    島本委員 どうも大臣と私は二時間ずつ、あなたの交渉と時間が違ったように思いまして、残念でございございます。しかし、それは私のほうの質問の間違いであるならば、これは訂正いたします。よくこそ修正してくださいました。しかし、まだそれでも四十四時間ならなおさら悪いですよ。四十四時間——二時間長いじゃありません。短くこれを修正したのかと思ったら、長く修正した。そういうような修正のしかたがあなたたちの官僚主義なんだ。それは悪いことなんだ。  それで、そういうような場合には、やはり非現業特定局を除いて、この部分時短を機械が入ったときからやっていきたい、こういうふうに言っておるのは一体どっちのほうなんですか。
  588. 山本博

    山本(博)政府委員 率直に申し上げまして、その問題は現在労使間で話し合っておる内容に触れますので、もう少し労使間で内容を詰めていきたい、こういうふうに思っておりますので、具体的な内容については返事を差し控えさせていただきたいと思います。
  589. 島本虎三

    島本委員 具体的内容に対して差し控えるということを機会にして、先ほどの話で、三十分になったらきょうは終わっておけということであります。だいぶ三十分をこえたし、もういいかげんにということの通達も来ておりますが、次の質問までに早く煮詰めて、そして、その答弁が私を納得させるようにすることを心から望んでおきます。  大臣、そういうようなひとつ激励をして、関係当局が早く人間性に立ち返って、両方仲よく郵政事業を推進できるように促進させてやっていただきたい、こういうように思うわけです。大臣の答弁を聞いて、きょうはすべてを保留して私はやめておきたいと思います。
  590. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 基本的には、労働条件を改善しなければならぬ、労働時間も短縮しようじゃないかということでは私は意見が一致しておるわけですから、話し合いはつかないことはないと思います。ぜひ話し合いがつくように、今後とも努力を関係者一同重ねていきたい思います。  ただ、御理解をいただきたいことが一つございますが、昨年来始めました郵便の番号制でございます。これは現在国民の皆さんの七割以上の御理解をいただきまして、非常な好成績をおさめておるわけでございます。ところが、それを処理する機械が、御承知のようにまだ不十分でございます。急いでこれを全国のおもだった郵便局に次から次へと備えつけたい、こういうことで、われわれも全力をあげておるわけでございます。したがいまして、この労働時間の話し合いがつかなければその機械を入れてはいけないんだ、こういうことでは国民の皆さまに対しても申しわけないと思いますので、話し合いは話し合いとして続けながら、機械化はどんどんと進めていきたい、こういうふうに考えておりますので、その点もあわせて御理解いただきたいと思います。
  591. 加藤六月

    加藤(六)委員長代理 次回は明二十六日開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後五時二十三分散会