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1968-06-03 第58回国会 参議院 災害対策特別委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年六月三日(月曜日)    午前十時十四分開会     ―――――――――――――    委員異動  六月一日     辞任         補欠選任      片山 武夫君     高山 恒雄君  六月三日     辞任         補欠選任      白木義一郎君     宮崎 正義君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         秋山 長造君     理 事                 青田源太郎君                 佐藤  隆君                 武内 五郎君     委 員                 稲浦 鹿藏君                 内田 芳郎君                 近藤英一郎君                 津島 文治君                 温水 三郎君                 山内 一郎君                 小酒井義男君                 宮崎 正義君    国務大臣        国 務 大 臣  田中 龍夫君    政府委員        運輸省鉄道監督        局長       増川 遼三君    事務局側        常任委員会専門        員        鈴木  武君        常任委員会専門        員        中島  博君    説明員        内閣総理大臣官        房参事官     川上 幸郎君        日本国有鉄道施        設局長      松本 文彦君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○一九六八年十勝沖地震津波による災害対策に関  する請願(第五二五〇号) ○一九六八年十勝沖地震による被害対策に関する  請願(第五三〇二号) ○災害対策樹立に関する調査  (災害対策基本問題に関する件)  (昭和四十三年十勝沖地震等による災害対策に  関する件)     ―――――――――――――
  2. 秋山長造

    委員長秋山長造君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  まず委員異動について報告いたします。  一昨一日、片山武夫君が委員辞任され、その補欠として高山恒雄君が選任されました。また本日、白木義一郎君が委員辞任され、その補欠として宮崎正義君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 秋山長造

    委員長秋山長造君) 次に、本日の理事会の結果について御報告いたします。  本日の議事につきましては、まず請願の審査を行ない、引き続き激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律政令緩和並びに昭和四十三年十勝沖地震経過措置等について総理府から説明を聴取した後、昭和四十三年十勝沖地震災害対策に関する件について質疑を行なうことになりましたので御了承願います。
  4. 秋山長造

    委員長秋山長造君) では請願第五二五〇号一九六八年十勝沖地震津波による災害対策に関する請願及び請願第五三〇二号一九六八年十勝沖地震による被害対策に関する請願議題といたします。  ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  5. 秋山長造

    委員長秋山長造君) では速記を始めて。  それでは、両請願は、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものと決定することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 秋山長造

    委員長秋山長造君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。  なお報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 秋山長造

    委員長秋山長造君) 御異議ないと認めさよう決定いたします。     ―――――――――――――
  8. 秋山長造

    委員長秋山長造君) 次に、災害対策樹立に関する調査議題といたします。  まず、激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律政令緩和並びに昭和四十三年十勝沖地震経過措置について、総理府から説明を聴取いたします。
  9. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) それでは今日までの状況につきまして御説明を申し上げます。  一九六八年、昭和四十三年の十勝沖地震及びえびの吉松地区地震被害状況並びに政府応急対策につきましては、過般の当委員会におきまして御報告いたしましたので、その後の処置につきまして、簡単に御報告を申し上げたいと存じます。  被害額がだんだんと判明いたしまして、施設等被害額は、総計が五百三十一億円に達しております。これに対しまして、政府は、本日の官報をもちまして、昭和四十三年十勝沖地震による災害激甚災害として指定し、及びこれに対して適用すべき措置といたしまして、激甚法第五条農地等災害復旧事業等にかかる補助特別措置、第六条農林水産業共同利用施設災害復旧事業費補助特例、第十二条中小企業信用保険法による災害関係保証特例及び第二十四条第二項から第四項まで、すなわち農地農業用施設等災害にかかる地方債元利補給等に規定する措置を指定する政令を公布いたしました。なお、法第七条、すなわち開拓者施設及び水産動植物養殖施設災害復旧事業に対する補助、第十一条の共同利用小型漁船建造費補助、第十三条中小企業近代化資金等助成法による貸付金等償還期間等特例及び第十五条の中小企業者に対する資金の融通に関する特例につきましても、早急に追加公布いたしまするように手続中でございます。  えびの吉松地区地震につきましては、予備費支出交付税の繰り上げ交付等措置をすでに実施いたしましたほかに、激甚災害に準ずる措置について検討中でございます。  次に、激甚法指定基準につきましては、先般中央防災会議主事会議を開催いたしまして、局地災害救済を含めて、その扱い方を協議いたしたのでございますが、いずれもかなりの問題点がございますので、結論には至っておりません。政府といたしましては、これらの問題点につきまして、今後もなお協議検討いたしてまいる所存でございます。  右御報告を申し上げます。     ―――――――――――――
  10. 秋山長造

    委員長秋山長造君) 次に、昭和四十三年十勝沖地震及びえびの地震災害対策に関する件について質疑を行ないます。質疑のおありの方は、順次御発言お願いします。
  11. 津島文治

    津島文治君 きょうは、時間が非常に短いものでありますから、私はただ一点お尋ねを申し上げます。なお、ただいま総務長官から御報告がございまして、政府におかれましても、よくこの被害状況を御認識になられまして、激甚災の二十四項目ございますか、そのうち八つ御指定くださいましたことにつきましては、私ども感謝をするものでございますが、どうぞ、さらにまた検討を加えまして、これに加えられることを地方民が非常に熱望しておるのでございますから、それをまずお願いを申し上げます。  そこで、この鉄道のことでございますが、鉄道は、尻内から青森まで東北本線非常に被害をこうむりまして、国鉄はあらゆる面からその復旧に努力をいたされたようであります。ようやくにいたしまして、十二日目に開通をいたしました。まだ非常に速力が出ないのであります。十五キロ程度のところがございますが、とにかく開通をいたしたのでありまして、非常に地方民も心強く思って、勇気もこれによっていよいよ出てまいったような次第でございます。これは国鉄に対しまして、その御労苦に対しまして、私は敬意を表するものでございます。しかし、特に総務長官おいでになっておりますから申し上げたいのは、野辺地から大湊に至る線でございます。これは約五十五キロ程度だと思います。これはまだようやく復旧の緒についたばかりでございます。一月ほどかかるというのであります。これは本州の最北端の線でございまして、非常に地方民から見ますれば重要な路線でございます。国道はございません。国道のない、日本には珍しいそうでございますが、国道はございません。僅かに幅の狭い県道で往復をいたしておるような次第でございます。私ももちろん現地に参りましたが、あの県道にたよることはまことに遺憾な次第でありますので、これは一月といわず、さらに工期を繰り上げて、地方民要望に沿うことはできないかどうか、まずこれを国鉄の方からお答えを願いたいのでございます。
  12. 松本文彦

    説明員松本文彦君) お答えいたします。  もうよく御案内のように、今回の災害によりまして大湊大畑線が非常に、実は私どもも意外と思う被害を受けております。約八十カ所にわたって不通個所ができておりまして、部内で、東北線本線優先にいたしましたので、非常に復旧がおくれて申しわけないのでございますが、ようやく近日着工の運びに至りまして、現在逐次鋭意準備を進めておる段階でございます。お説のように、一応一カ月強かかるというのが普通の見通し、われわれの災害復旧を行なっておりますいままでの従来の普通の見方で申し上げると一カ月ちょっとということになるので、この事柄に決して間違いはないのでございますが、御指摘のように、私どもといたしましても、一日も早く開通いたしたいということで、いろいろ知恵をしぼって今後進めるつもりでございますが、まだ何日詰めるということまで今日の段階では御答弁できないわけでございますが、そういう点でやるということで御了承願いたいと思います。
  13. 津島文治

    津島文治君 今月に入りますと、あの地帯はイカの漁期に入るのであります。またもう一つは、大湊原子力船の停係港などの工事も始まってまいります。非常にそういう重要な時期に入るのでございますから、やはり一月といわず、これはいまの国鉄動員力と、私は技術の上から見ますればあの五十数キロの鉄道などは一月ということはなかろうと、かように考えられるのであります。したがいまして、地方民要望をお汲み取りくださいまして、善処あらんことをお願いする次第であります。  それから、まあここまではとにかくとして、この先なんです、問題は。この先に、十八キロの大畑線というのがございます。これの大畑というのが本州では、本州の北端とすれば一番重要な港でございます。これが大湊から十八キロ鉄道が参りまして、非常に地方民は助かっておるのであります。それでこの復旧も、もう一日も早かれと祈っておったのであります。ところが、あにはからんや、復旧どころか、五月の二十四日でございますか、盛岡森垣という局長さん、国鉄管理局長さん、この方が青森おいでになりまして、大湊-大畑は非常にいたんでおる、復旧費も四億ぐらいかかる。それからこれはかねてから赤字路線で非常に国鉄でも困っておる線であるからこれは廃止をするかもしれない、廃止をすることはあり得るということを森垣さんがお話しになったのであります。これは私どもはまず常識をもって考えられない発言であるのであります。大地震青森県のいまだかつて見舞われたことのない大地震青森県のほとんど半身――太平洋岸でございますから日本海のほうはよいとして、とにかく青森県の広大な地域の半分が半身不随になっておる。それへ持ってきて今度はお前のほうの鉄道あまり金がかかるし、ふだんもありがたくない線であるからこれは廃止をする、これでありますから地方民は驚いたのであります。それですぐさまに、これは議会で取り上げまして、いまだかつてないことでございますが、バスを、あの貧弱な町役場経済から見るというと非常な出費でございますが、そんなものを考えてはおられないというので、バスを一台仕立てまして盛岡局及び仙台の支社へ陳情をするということになってまいりました。また県におきましても、副知事はじめそれぞれの方々国鉄本社に参りまして、これはどういうことであろうということを尋ねて、非常にいまこの対策に対して苦慮いたしておるような次第でございます。しこうして、これは総理にもお願いを申し上げておるのでありますが、総理においては大畑線復旧は急ぐ、断じて廃線はあり得ないと、こういうお話をして、やや地元民は力を得ておるのでありますが、どうも国鉄のほうでは磯崎副総裁はじめ長瀬常務、みなこの廃止ということはあり得る、やらなきゃならぬのだというにおいを放っておるのであります。あの地方は御承知のとおり雪国でございます。雪の非常に深いところでございます。冬季になりますというと、この鉄道一本によってその経済生活を営んでおるのであります。  さらにもう一つ申し上げたいのは、本来であれば、国鉄さんがあの地方に対して同情があるならば、本来はあの大畑から大間まで、これは路床も全部できて線路を敷く、線路さえあれば汽車が走れるようになったのを中止をしてやめてしまっておる、そういう歴史もあるのであります。だから今度はせっかく線路のかかっておる自分のほうの鉄道までこれはやめるのではないかとおそれるのは、これは無理からぬことでございます。こういうことに対しまして国鉄はどういう考えをお持ちになっておるのであるか、この辺を承りたいのであります。
  14. 増川遼三

    政府委員増川遼三君) 大畑線廃止ということにつきましては、今回のような地震が起こりまして大災害を受けました際に云々することは、きわめて不用意なことだと私のほうでは考えておりまして、こわれました以上は、直すということがたてまえでございます。われわれといたしましては、現段階におきましては復旧の方針で国鉄に対しまして指導をしておるわけでございます。なお、赤字線廃止という問題につきましては、御承知のとおり、現在の国鉄財政問題急迫の折りから、いろいろの論議を呼んでおるわけでございまして、各種審議会等におきましても、これが対策審議中でございまして、ただこの赤字線廃止、整理という問題と、今回の災害対策という問題は全く別個の考えでやっておるわけでございます。その点御了承いただきたいと思います。  なお、国鉄のほうから具体的な点につきましては、補足御説明を申し上げると思います。
  15. 松本文彦

    説明員松本文彦君) 大畑線復旧につきまして、ただいま運輸御当局の御答弁がございましたとおりでございます。ただこういう機会に率直に申し上げさせていただきますと、私どもの気持ちといたしましては、もし可能であるならば、まあ大畑線に限らず大きな赤字線区は、ある程度ほかの代行機関輸送を行なっていただきたいという私ども希望はございます。希望はございますけれども、これを行なう前提条件は、あくまでも何と申しましても地元の御理解と申しましょうか、御納得を得て、しかも関係政府機関の御承諾も得て、その上でなければこれは行ない得ることではないというふうに了解しておりまするし、そういう点で、地元の御意思をそんたくせずに、こういう事柄をやるということは考えておりません。
  16. 津島文治

    津島文治君 ただいま大畑線復旧はまずやるというお話を承りました。これはぜひそうしていただきたいのであります。これは一月もかかって大湊線を直してそれから着手する、こうなりますと地方民もまた非常に不安なんであります。でありますから、野辺地から大湊までの復旧に着手すると同時に、やはり私はこの際こういう動揺しておる際でございますから、やはり大湊から大畑に至る線、これも同時に私は復旧をする、そういうことが非常に必要であると思うのであります。それから私のほうの唯一の東奥日報という新聞でございますが、この赤字線であるから廃止をするなどというけれども、この新聞によりますというと、私のほうよりも何倍か多いまだ赤字線もある。営業係数七〇〇というのもある。それから災害線であるから廃止をするというのであれば、只見線などは毎年大きな災害をこうむっておるけれども、これはまだ廃止とかなんとかいう爼上にのぼったことはない、こういうことを私ども承知をいたしておるのであります。したがいまして、あの線の廃止ということは絶対地方民納得をしかねるところでありますから、これはほんとうに、国鉄のほうにおきましてもお考えを願いたい。  もう一つ私が遺憾なのは、あの地帯に私線がございます。その私線がことごとく今回の災害でやられておるのであります。おそらく復旧には数千万円を要します。それでも、私鉄資金面において非常に苦しい、資金調達も容易ではないけれども、これは地方のためであるという信念に燃えまして、だれもこれを廃止をしなければならぬとか、そういう私鉄はないのでありまして、みな金調達をしまして復旧をやるのであります。こういう私鉄のそういう一つの根性、そういうものに比べましても、私は今回の国鉄お話はあまりにも打算的であり、地方民に対まして愛情を欠くお話であると思いまして、ほんとうに遺憾に存ずるのであります。ことに、繰り返すようでございますが、ほんとうに人は困っているのです。病気ならば相当の重症で苦しんでいる。その枕もとへ来て、「おまえにはもう薬もやるわけにはまいらぬ。まあだんだんに働けない方向にいくであろうが、手の施しようはない。」、病気見舞いに来た人が、元気づけるどころではなくてその人をがっかりさせるような、そういう私は、お見舞いのことばというのは、いまだかつて聞いたことがないのであります。どうぞこの点はよろしくお考えになられて、御善処ありたいと思うのであります。この機会に、もう私の時間がございませんが、総務長官お見えでございますので、政府の御見舞を承りたい、かように考えます。
  17. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) 本件に関しましては、先般の衆議院におきまする災害対策委員会におきまして、総理がやはり同様の御質問に対して、さようなことはないということを、お答えをいたしておる次第でございます。なお、ただいまも、大畑線の問題につきましても国鉄のほうから、運輸省のほうから御回答があったような次第でございまして、被災地救済、ことに民心の安定ということが、一番大事な政治的な問題でございますので、その点につきましては十分考慮いたしております。御了承いただきたいと思います。
  18. 宮崎正義

    宮崎正義君 いま鉄道関係お話が出ましたので、私もちょっと伺っておきたいと思うんですが、こういう声も聞いておりますが、常磐線が寸断された個所、その個所バス輸送をして応急処置をされた。その乗客に対する迷惑をなくしていくという非常処置は、非常によかったと思う。ですから、寸断されたところの部分はバス輸送していくから、これは時間は正確にいくようにやった、こういう処置はいいと思う。ところが、だんだん線路復旧されるに従って、逆に今度は列車がおくれていく、こういう事態が現在起きているわけです。復旧してしまって、じゃ時間はうまくいっているかというと、寸断されたときの時間のほうが、発着の時間がやや正確である。こういう矛盾した一つの姿がある。  それからもう一つは、よく聞いていただきたい。特急料金を、四時間おくれるけれどもそれを承知なら特急料金を払って乗ってくれ、こういうことを聞いているのです。四時間おくれるのだということがわかっていて、そして特急料金を払わせて、そして四時間以上おくれて現実には列車が運行されているという、こういった問題もまことにおもしろい現象じゃなかろうかと思うんです。こういったようなことが、どういう、何条のどこに規定されてそういうことをやってよろしいのだというのがあるのでしょうか、まずこの一点から伺っておきたい。
  19. 松本文彦

    説明員松本文彦君) まず最初の御質問の非常に到着時間と申しますか、ダイヤがほんとうに不正確である、何をやっているかというおしかりでございますが、ほんとうにこれは私ども申しわけないと思っております。実は何ぶんにもとにかくあすこでお客さんが乗る、あるいはお客さんに乗りかえをお願いする、あるいは貨車を奥羽線を経由させるということは、お客様にも非常に御迷惑で、また私どもとしても日常の業務上に非常にこれは不便だということで、ほんとうに緊急な仕事のやり方をして、かろうじて東北線をつないだというのが二十七日の現況でございまして、したがいまして、非常に積み上げた路盤も十分まだ締め固まっておりませんし、スピードを出すには、いろいろ不ぐあいな個所が相当たくさんございまして、したがいまして二十七日の現在では、あの区間は平素五十キロのスピードで走るべきものが十八キロくらいでしか走っておられないというふうな状態で、それでも一応つないだほうがよかろうというふうに判断して実はつないだわけでございます。したがいまして平素の三分の一くらいの速度しか出ない。そのために、お客様にも非常.に御迷惑をおかけしたということについては重々申しわけないと思っております。これはいま鋭意補強工事を進めております。もう一昨日からだいぶスピードも上がってまいっておりますので、間もなく平常の状態に復帰すると思いますので、その辺のこともひとつ御了承いただきたいと思います。  それから後段の特急料金云々でございますが、実は部内にも初め特急というのはおかしいという話もだいぶ実はございまして、ございましたが、一応座席を確保できて、ある程度時間の確保ができるというのには、あれしかないということで、そういうことを御承知の方には、一応特急ということでお乗りいただいたほうが、むしろかえってお客様に喜んでもらえるんじゃないかということで、あのような処置をとったようなわけでございます。したがいまして、第何条云々ということは、実は私もよく存じませんが、していいということもないかと思いますが、していけないということもないんじゃないかというのが、部内の常識的な解釈であって、そういう点で、私どもがこうやったほうが喜んでもらえると思ったことが、だいぶあちらこちらで御不満を与えたようなわけで、この点まことに申しわけないと思っておりましておわびいたします。
  20. 宮崎正義

    宮崎正義君 二時間おくれれば特急料金を返済する……。これは時間がありませんから、この程度にとどめておきまして、基本的なことをもう一点だけ伺って、時間がありませんので私の質問を終わりたいと思いますが、今回の地震は、いろいろの角度から調査されて結論が順次出てきているようでございますが、北海道の場合は、いまになってみて家の中の――家自体が非常にくるいを生じてきている。それは陥没という現象ですから、外から見たのではよくわかりませんけれども、実際うちの中に物が入った生活をしている日常生活というものは、相当いろいろなたとえば建具だとか、建具たてつけとか、あるいは中の調度品がこわれたとか、そういう表立って見えない激甚災害というものが非常に多いわけです。それがいまだんだんわかってきておる状態です。それと同じように今度の指定されましたけれども、条文が指定されましてやや安心をしておるわけですけれども農地の問題にいたしましても、相当な被害を受けておるわけであります。  そこで、もう一つは一番心配されていることは、公共土木施設復旧事業に対する特別財政援助をきめております三条四条の問題、ありますね。四条援助額に対して三条等の問題をどういうふうに適用していくのかどうか、この点を一点大事なことですから、伺っておきたいと思います。それからさらに先ほど長官がおっしゃられたことは、七条、十一条、十三条、十五条ということは考えつつあるというお話ですが、私はさらに八条とか十六条、二十二条、これらの問題についても十分に考えていかなければならぬ。私が最初申し上げたように、表からは見えないけれども、内部に受けているという被害というものを考えあわせて御答弁を願いたいと思うのであります。
  21. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) まあ被災地方々のことを考えますと、全条の適用ということは当然望ましいことでございます。他方におきましては、なかなかいまの現行法規から申しますと、被災額というものが比較的その激甚法の規格に合わないようなものも多々ございますので、われわれのほうとしましては、できる限りの適用を今日努力いたしまして、八つほどの適用をいたしておるものでございます。御指摘三条あるいはまた八条等の問題につきましても、私の気持ちから申すならば、できるだけのことはいたしたいと存じますが、やはりいろいろと規格がございますので、この点はひとつ詳細な点を担当官から報告させてお許しをいただきたいと存じます。
  22. 川上幸郎

    説明員(川上幸郎君) 事務的な問題でございますので、説明をさせていただきます。ただいま御指摘の二章グループ及び八条、十六条、二十二条におきます基準の問題でございますが、現在公共土木施設、公立学校施設等のいわゆる激甚の二章グループにつきましては、被害額が基準のB基準の二百七十五億に対しまして、約九十六億程度でございますので、基準に達しておりませんので、適用できなかったわけでございます。なお、八条につきましては、天災融資法の特例でございまするが、天災融資法につきましては、現在農林省において検討を続けておるところでございます。十六条につきましては、基準が二章と同様でございますので、二章が適用できません場合には適用できません。なお、二十二条につきましては、B基準が千二百戸となっておりまするが、今回のところ、現在まだ六百八十九戸でございますので、適用できなかったわけでございます。説明させていただきました。
  23. 宮崎正義

    宮崎正義君 一つだけ特急料金の二時間。あとでけっこうです。  いま私が申し上げましたように表面上だけ出ている問題が取り上げられておるが、最初申し上げましたようにあとから、どこからも見えないような被害というものが非常に多いということです。その点を私は申し上げておるわけです。この点十分に考慮していただかなければならない。もっとよりよい調査をしていただきたいということを申し上げたいわけです。長官の……。
  24. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) 確かにお話しのとおりでございまして、ちょうど戦傷病者における場合におきましても、外から見えるような傷は非常に保護されますが、あとで後遺症でありますとか内科疾患というふうなものが、なかなかこれが取り残されると同じようなお話だと存じます。これもやはり考えてみますれば、法の不備と申しましょうか、被災された方々をできる限りの救済をするというあたたかい立法措置に照らしてみまして、お話しのようなこともあるかと存じます。しかしながら、なかなか外形標準ということが基本になっております現時点におきましては、ことに家屋なんかの場合、全壊家屋となりますと非常に救済されますが、半壊とか何とかということになりますと、これはなお今日の法律をもってしては、非常にかえって個人の負担が多くて、救済の対象にはならないというような矛盾もございます。ただいまのようなお話もだんだんに十分に伺いまして、私どもはその国の立法趣旨であります親心に即しまして、法の修正なり改正なり逐次心がけてやっていかなければならぬ、かように存じております。なお、この点でまだ小災害等の問題につきましても、いま部内におきましていろいろと各省庁に検討を依頼いたしておりますところでございますが、また逐次その新しい手段なり、あるいはまた適用ができますたびに、かようにいたしまして御報告をさしていただきたいと存じます。
  25. 松本文彦

    説明員松本文彦君) ただいまの特急料金の御質問に対しての適用条項でございますが、これについては私いま存じておりませんので、後刻調べてお答えいたします。
  26. 温水三郎

    ○温水三郎君 田中長官に簡単に申し上げたいと思うのでございます。十勝沖地震に対しまして、ともかく五条、六条、十二条、二十四条等の激甚の指定をいただきまして、なお、今後さらに対策考えていただくというふうに考えておるのでございますが、この点に関しましては、まことにありがたく存ずる次第でございます。わがえびの地区におきましても、十勝沖地震に対しまして被災を受けて現に仮設住宅にいるような人たちが、十勝沖地震に対しましてかなり高額の見舞金を拠出いたしております。十勝沖地震に対して送っておるのでございますが、かような場合におきまして、えびの地震に関する対策について質問を申し上げたいのでございますが、どんどんここにも電報がまいっておりますが、ぜひとも十勝沖地震と同様に激甚地の指定をしていただきたいという電報がまいっておるのでございます。えびの地震につきまして相当の日時がたっております。しかるに激甚地の指定はもちろんのこと、ほとんど対策が確定していない。そのために非常に地元の県あるいは市町村において困却をいたしておるのでございます。さらにいよいよ雨期に入ってまいりましたが、このシラス土壌の上の台地、農地及び農用地について申し上げますと、シラス土壌の台地の上に、下のほうが削り取られた土がのっかっておる。これが雨が降れば必ずこれは落ちるわけでございます。さらにまた耕地の中にシラス土壌が落っこって堆積されておる。これが雨が降れば必ずこれは広がるのでございます。もうわかり切っておるのでございます。私は、これはすでに発生した被害であると思うのでございます。しかるに、調査にあたっては、こういうものは対象になってない。  時間がありませんから一口に申し上げますけれどもえびの地区の住民は、もちろんでございますが、宮崎、鹿児島両県の県民ひとしくえびの地震対策に対する政府の今後の、ここ一週間くらいの出方というものを真剣に注目しておるのでございまして、どうやら宮崎、鹿児島両県は政府から置き忘れられたという感じが濃くなっておりまして、毎日の新聞紙上等を見まして、挫折感に打たれておるのでございます。この際、ぜひともえびの地震に対しまして十勝沖地震と同様の激甚地の指定をしていただきたい。そうでなければ、宮崎、鹿児島両県の県民は、この点に関しましては、もはや政府を信頼することはできない、というような段階になってくると思うのでございます。もし万一、どうしても基準が合わないということであるならば、総理がたびたび言明せられておりますような激甚災害に準ずる措置を、すみやかに決定してもらいたいのでございます。もしそうでなければ、これは宮崎県のえびの地震に対しまして、また鹿児島県側の吉松の地震に対しまして、これはまさに均衡を失すると言わざるを得ないと思うのでございます。鹿児島、宮崎両県とも、その地方自治体における財政力は、きわめて少ないのでございまするから、政府が早く対策を示して、これこれのものは特交なら特交で見るのだということをはっきりしてもらいませんというと、どうにも手の打ちようがないという現状でございます。最もはなはだしいのは、農業施設の問題でございますが、これなどは激甚地の指定を受けると九割の助成がある、しかるにそうでなければ二割の助成しかない、こういうような不公平なことが、今日の近代国家といわれる日本災害施設の中にあることは、私は、これはきわめてふしぎであると思うのでございます。将来、激甚災害法の改正の問題を、これも爼上にのぼせていただきたいと思いまするけれども、しかし、当面の問題としては、厚さにおいては激甚の最たるものでありながら、国政の欠陥によって救済されないえびの災害に対して、政府は勇断をもって激甚の指定をしていただきたい。どうしてもできない場合はほとんどこれに準ずる措置をすみやかにこの二、三日のうちに決定してもらいたい、かように考える次第でございます。田中長官の御答弁お願い申し上げる次第でございます。
  27. 田中龍夫

    国務大臣田中龍夫君) ただいまのえびの・吉松の災害に対しまして、ほんとうに私どもお気の毒に存じておりまして、これは何とかして差し上げなければならぬと、総理以下非常に実は頭を悩ましておる次第でございまして、総理激甚法に準ずる措置をとるのだということを、再々お答えいたしておる次第でございます。  で、これらのえびの吉松地区につきましては、御承知のとおり、すでに予備費の支出につきましても、また交付税の繰り上げ交付等につきましても、すでにこれは措置をいたしております。激甚法の指定と申しましても、その地方自治体の非常に膨大な負担に対してこれを政府として高率補助救済をするということでございますので、こういうふうな予備費あるいは特別交付金といったようなものの補てんを、激甚災にひとしいような措置で埋めていくということでございます。これはもうただいまお話したように、予備費と交付税の面につきましては措置をいたしました。ただ、ああいうふうな非常に局地的な激甚被害をこうむった方に対して、どうして救済していくか。これはまあ激甚法というものがいままでのたくさんの単行法を集めたものでありまして、そうしてそれが集大成されてこの法律になった。この法律になったところがその基準が非常に高きに失して、現実のそういうふうな小災害に対しては、旧法だったらば、もとの法律だったらば救えるものが、今度は逆に救えなくなるといったようなことじゃ、まことに立法の趣旨にも沿わないと、私は存じておるのでございます。そういうふうなことから、先般来、中央防災会議主事会議を開きまして、こういうふうなえびの・吉松の局地災害救済を含めて、この扱い方を協議いたしておるのでございますが、かなり問題点がございまして、まだ今日の時点におきましては、結論に至っておらない次第でございますが、何とかこれらの問題についてすみやかに結論を得て、そうして措置いたしたい、かように考えております。特にシラス土壌の、しかも山の尾根の所に亀裂が生じておる。この梅雨期を控え、あるいはまた長雨等がありました場合の地すべりその他のことを考えますと、私も同じように非常に心配をいたしておる次第でございます。どうぞ、こういうふうな経過でありますことを、御了承賜わりたいと存じます。
  28. 温水三郎

    ○温水三郎君 本会議のベルが鳴っておりますから、遺憾ながら質問を打ち切ります。
  29. 秋山長造

    委員長秋山長造君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時九分散会      ―――――・―――――