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1968-04-16 第58回国会 参議院 建設委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十三年四月十六日(火曜日)    午前十時四十九分開会     —————————————    委員異動  四月十三日     辞任         補欠選任      吉武 恵市君     小山邦太郎君      山本茂一郎君     栗原 祐幸君      楠  正俊君     米田 正文君      紅露 みつ君     奥村 悦造君      菅野 儀作君     大森 久司君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         藤田  進君     理 事                 稲浦 鹿藏君                 内田 芳郎君                 山内 一郎君                 大河原一次君     委 員                 大森 久司君                 小山邦太郎君                 米田 正文君                 沢田 政治君                 瀬谷 英行君                 田中  一君                 春日 正一君    政府委員        文化財保護委員        会事務局長    福原 匡彦君        建設政務次官   仮谷 忠男君        建設大臣官房長  志村 清一君        建設省都市局長  竹内 藤男君        建設省道路局長  蓑輪健二郎君    事務局側        常任委員会専門        員        中島  博君    説明員        建設省計画局宅        地部長      播磨 雅雄君    参考人        日本住宅公団副        総裁       町田  稔君        水資源開発公団        理事       小林  泰君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○建設事業並びに建設計画に関する調査  (昭和四十三年度建設省関係施策及び予算に  関する件)  (昭和四十三年度首都圏整備委員会施策及び  予算に関する件)  (昭和四十三年度近畿圏整備本部施策及び予  算に関する件)  (昭和四十三年度中部圏開発整備本部施策及  び予算に関する件)  (昭和四十三年度北海道開発庁施策及び予算  に関する件)     —————————————
  2. 藤田進

    委員長藤田進君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  まず、委員異動について報告いたします。  去る十三日吉武恵市君、山本茂一郎君、楠正俊君、紅露みつ君及び菅野儀作君が委員を辞任され、その補欠として小山邦太郎君、栗原祐幸君、米田正文君、奥村悦造君及び大森久司君が選任されました。     —————————————
  3. 藤田進

    委員長藤田進君) 昭和四十三年度建設省関係首都圏整備委員会近畿圏整備本部中部圏開発整備本部及び北海道開発庁施策及び予算に関する件を議題といたします。  これより質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。
  4. 大森久司

    大森久司君 私はこの間の予算委員会分科会におきまして、時間がなかったものですから、十分お聞きできなかったので、きょう重ねてお伺いしたいと思います。  政府は五カ年に六百七十万戸の住宅建設するということで、各方面において住宅建設をやっておられますが、私のほうでも政府のほうの住宅公団各所宅地ができております。ところが、奈良京都の間で二百万坪の宅地が確定しております。ところが水がないために、その団地建設されない。また地元からこれに対して、建設されることは困る、やめてくれと、こういう申し出が奈良市からあるということですが、その後の結果はどうなっておりますか、お伺いしたいと思います。
  5. 播磨雅雄

    説明員播磨雅雄君) ただいまお話のございました日本住宅公団がやっております平城団地と称しておるのでございます。大体全体の面積が二百万坪を目標といたしておりまして、その大体四割を公団が買いまして、宅成をしてやるという仕事でございまして、昭和三十九年からこの仕事にかかっておるわけであります。ちょうど仕事を始めましたときは、奈良市の上水道計画布目川でありますとか、ああいったところにダムをつくりまして、奈良市単独で給水計画考えておったのでございますが、その計画からいたしますれば、この平城団地奈良市分につきましても給水は可能であります、こういうことで、公団はこの仕事に着手いたしたのでございますが、その後、奈良市の人口計画以上に急増いたしましたこともございまして、一方、そのダム計画水道計画そのものが若干計画といたしまして甘かったという点もございまして、どうしてもこの地域奈良市の水道が供給できない、こういうふうな話に変わってまいりました。水がございませんでは、あの地方ではとうてい住宅建設できませんので、住宅公団といたしましても非常に困りまして、建設省あるいは近畿圏整備本部等ともいろいろと相談をいたしたのでありますが、結局結論といたしましては、奈良全体の水源配分と申しますか、奈良の県営の水道を何とか水利権配分いたしまして、奈良市のほうへ水源確保してあげよう、そういった調整をいたしませんと、とうてい木津川では奈良市の必要とする水は取れない。こういうふうなことで、各方面の御協力を得まして、調整を進めつつあるわけでございます。聞いておりますところでは、だんだんとそういったことが目安がついていく方向に進んでおる、こういうふうに聞いております。今後とも一そうの努力をしたいと思っております。  一方、公団はあの団地で二百戸ばかりの宅地債券を発行いたしておりまして、四十五年ないし四十七年に宅地を供給するという契約をいたしておるわけでございます。ただいま申しましたような県全体水源配分による水道確保いたしましても、それに間に合うかどうかは若干問題がございます。ダムができませんと、ここへできませんので若干時間がかかりますので、その間のつなぎといたしましては、地域内に地下水を汲み上げまして、第一期の町づくり地下水でやっていこう、こういうことで現在奈良市と共同いたしましてボーリング等をやっておる、そういう状況でございます。
  6. 大森久司

    大森久司君 第一回の計画というのは、どの程度におやりになるのか。
  7. 播磨雅雄

    説明員播磨雅雄君) まだ具体的にきまっておりません。これは水の出方その他とも関連いたしましてきめることになると思いますけれども、ただいま申しましたような二百戸の宅地債分だけでは、ああいう山林でございますから人が住むわけにいきません。やはり学校もでき、やはり一つ生活単位になっているような最小限度単位というものは、町として開発しなければならない。そのくらいの水なら間違いなく出るという見通しで現在ボーリング等をやっておるわけであります。
  8. 大森久司

    大森久司君 この間建設大臣にお伺いしておったのですが、とにかく住宅公団あるいは建設省のいろいろな計画をお進めになるという場合に、水資源問題、すなわち住宅公団の場合は、ことにいま平城団地のような水資源と並行してものが進まなければ、その目的に達しないとわれわれは思うのであります。それが一つの大きな障害になっておる。あるいはまた最近一戸の住宅が建ちますと、それに対しまして、その団地にそれ自体といたしましては道路をつけなければいかぬ、あるいは学校建設しなければいかぬ、あるいはじんあい焼却所あるいは下水、水道、いろいろな先行投資を行なわなければならぬ。その先行投資が一戸に対しまして大体四十万円かかる。そうすると起債に対し年七分として二戸当たり二万八千円の利息を支払わなければいけない。ところが一方におきまして、市民税が二万二、三千円しか入らない。そうすると一戸に対して五、六千円の損害というか、市が赤字を出していかなければならぬ。それが最近における都市住宅に対していままで税金が入るからということで非常に歓迎しておったが、逆にこれを拒否する、あるいはまたそういうふうな住宅建設を歓迎しない、こういうことになっております。   〔委員長退席理事大河原一次着席〕 これに対しまして、住宅公団ではいろいろなことを考えてもらっておる。ところが、民間建設会社は建てっぱなしで、そうして、もうけるだけもうけてそれっきりになってしまう。こういうために非常に迷惑をかけられておるという都市が非常にふえてまいりました。そういうふうなことから、住宅公団とかそういうふうなものに対しても、平気でこれを拒否する、あるいはお断わりするということになっておりますので、それに対する公団とかあるいは政府考え方、あるいは今後の方針を承りたいと思うのですが。
  9. 播磨雅雄

    説明員播磨雅雄君) 住宅公団にいたしましても、民間がだんだん建っていくにいたしましても、小さな町村におきまして急激に人口がふえるという現象が起こりましたときには、やはり当初のいろいろな施設が一ぺんに要るわけでございます。まあたとえば一年間に利息だけでも幾ら要るというお話がございましたけれども、一応日本公共団体はその収入——国からの交付税を入れまして、その収入で平常のまかないは一応いたしておるわけでありますけれども、急激にそういった人口増加がきました場合に、何と申しましても当初の設備ができない。こういう悩みを持っていらっしゃるわけでございます。住宅公団の場合はそういうことがございますので、一応団地内の、団地内だけの便益に供するような、街路でございますとか、下水道の末端の配管でありますとか、そういったものは住宅公団で負担いたしておりますし、いろいろ経費配分上の考慮を払っております。そのほかたとえば学校の建物でございますとか、そういった本来土地代にかぶせるのがどうかと思われるものにつきましては、公団のほうで経費を立てかえまして、これを公共団体のほうで将来年賦で払っていただくと、こういうふうな取り扱いをいたしています。いずれにいたしましてもいろいろな措置がとられておるとは申しがたいのでありますけれども、現段階におきまして、できるだけの措置はとっておるつもりでございますし、今後一そうそういった措置を充実してまいりたい、かように考えております。
  10. 大森久司

    大森久司君 これは住宅公団にお伺いするよりも、大臣とか次官にお伺いしなければならぬ問題だと思いますが、最近は過密化対策、いわゆる大都市が非常に行き詰まってきた。あるいは交通住宅公害等のためにどうしても大都市を分散しなければならぬと、こういうことで近郊整備区域ができまして、そうして近郊整備区域に対してそういうような協力を進めておられます。そうするといろいろな面において問題があると私は思うのです。ところが近郊整備区域の場合には、それは受益地であるというのが政府考え方になっております。ところが私はいま申しましたように、受益とは何をいうのかという問題でありまして、むしろ被害地である、新産業都市なんかの場合には。これに対していろいろな面から補助をしている。新産業都市というのはその区域においてその都市産業都市であることが望ましいということであると思います。ところが東京や大阪のような非常に発展し過ぎて、これを何とか疎開し、あるいは何とかして正常な姿にしなければならぬという立場にあるこの大都市整備協力しなければならぬという問題に対しまして、新産業都市と同じような態度政府は臨まれるのが当然と思う。どうも政府考え方あるいは補助率等を見ますると、近郊整備区域はそうも考えておらぬというふしがありますが、その点いかがなものでございますか。
  11. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) 先生おっしゃいました近畿圏近郊整備区域、これにつきましては、ただいまの法律で見ておりますけれども、たしか首都圏都市開発区域近郊整備地帯、それから近畿圏近郊整備都市開発区域につきましては、新産に似た財政上の特例法がすでに成立しているのでございまして、したがいまして、新産に近いような、内容的には若干新産との関係を私もはっきり承知しておりませんけれども市町村に対しまして、あるいは府県に対しまして財政特例措置というものがすでに法律上とられているというふうに考えております。
  12. 大森久司

    大森久司君 どうもその点がはっきりしないのですが、先ほど話しておりましたように、新産業都市新産工特の場合には、その都市に対して、ダム建設に対しても、これは補助金が与えられている。ところが、近郊整備区域に対してはこれがないということは、これはどうでしょうか。
  13. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) 特例法がすでにできておりまして、市町村に対しましては国の補助のかさ上げ、それから府県に対しましては起債のたしか元利償還金についての特例措置ということがとられているはずでございます。
  14. 大森久司

    大森久司君 ダムに対する補助金がないということは、その区域が最近非常に発展して人口がおびただしく増加していく千葉県とか、あるいは神奈川県、あるいは埼玉県、奈良県というようなところは、最近日本人口増加率の最も激しいところになっております。そうすると、その増加率というのは住宅公団その他団地など非常に多くできつつあります、あるいは工場ができるということであると思います。ところがそれに対する水の分配というものが公平に行なわれておらない。一方において再開発のためあるいはまた過密化対策のために他府県に移動するように奨励し、あるいはまたそれを計画して進めているにかかわらず、人間生活に最も必要な水に対する考え方が十分に行なわれておらないということは、私は住宅政策がうまく進まないということであると思うのですが、そういうようなことに対する考え方、あるいはまた最近そういうようなことにぶつかって考えておられるようなこと、今後の方針とか、考え方を聞かしてもらいたい。
  15. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) 今度の都市計画法にも水の問題が非常に大事な問題でございますので、いろいろな規定を置いておりますけれども、しかし先生おっしゃいますように、最終的には、広域計画と申しますか、都市計画の当面の計画である広域計画におきまして水資源確保のためにダムをつくるとか、その他の水源対策というものを講じなければならないと、私どもそのように考えておりまして、私、私の局の直接の所管ではございませんけれども建設省といたしましては、都市の形成と水資源というような観点から水資源対策につきましては、大いに力を入れていかなければならないというふうに考えている次第でございます。
  16. 大森久司

    大森久司君 最近住宅が、いままで山であったところに住宅団地が建って、いままでは人が一人もおらないところが、最近になってその山が切りくずされ、そして土木技術が非常に発展しましたために、そこに五階建てのアパートが数百むね建つ。そうすると非常に人口がふえる。そうすると河川の問題ですが、いままでの河川は下から河川法によってこれを改良していくというのが河川のたてまえであったと思います。ところが最近は上ににわかにそういうような団地、あるいは人口が稠密して、何万という人が上のほうに住んでいる。そうすると、いままでは一メートル余りの上流の幅でありました。それが上からもこれを改良していかなければならないということがわかっておるのにもかかわらず、建設省ではそれを一向やってもらえないというのは、これはどういうようなお考えでしょうね。
  17. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) 先生おっしゃいますように、宅地開発に伴いまして、排水の問題が起こってきておりまして、排水につきましては、それぞれ開発行為と同時に、開発者に、先ほど宅地部長が御説明いたしましたように、地域の中あるいはそれに関連いたします排水施設としてつくるわけでございます。それが流れてまいりまして、河川に当然入ってまいります。その場合に、河川のほうの整備が並行しませんと、どうしてもいろんな弊害が生ずるということは、あちらこちらにございます現象でございます。私どもといたしましては、そういうようなことが起こらないようにするためには、やはり新しい都市計画法の市街化区域というような制度を確立いたしまして、そして排水の問題も含めまして、どこを市街化するかということをきめていく必要があると思いますけれども、現在におきましては、そういうような河川に対する対策ということが非常に大事になってきているわけでございます。これは私これ直接の所管ではございませんけれども、今度の河川の治水の五カ年計画等におきましても、中小河川対策ということを非常に重点に置いておりますが、その中には当然都市内の中小河川も入ってまいりますので、そういうようなものを今後積極的に整備していこうという姿勢が出ているわけでございます。なお、都市内の中小河川につきましては、これは河川局とわれわれのほうでも打ち合わせいたしておりますけれども、できる限り都市計画できめまして、そして計画に従った河川整備が行なわれるようにしたいというような方針で現在おるわけでございます。  〔理事大河原一次退席委員長着席
  18. 大森久司

    大森久司君 いま竹内局長の話で非常に考えてもらっておるということはわかりますが、建設省の場合には道路にいたしましても、自動車が急足に発展するために、むしろ道路がおくれておる。それが交通障害をなしておる。すべての点において、住宅にいたしましても、建設省のほうが非常におくれておるということ、そしてまた一つは、建設省のほうでよく御存じであるが、大蔵省がこれに対する理解が足りないということであると私は思う。で、大蔵省に対する努力が足りないということを申し上げたいと思うのですが、とにかく大蔵省はそういうような新しく発展していく都市に伴う周辺弊害あるいはこれに対する被害というものを十分認識して、そうして日本開発をやっていかなかったならば、日本開発に伴って、新しい住宅団地各所にでき、その付近の人が非常に迷惑しておる。これはもう現実な問題です。そうして、いままで水害がなかったのに、その人らの汚水とか、いろいろのもののために、非常に周辺の人が静かな環境であったところが、逆にそういうふうな政府施策によって迷惑をこうむっているというのが現実である。この現実を早く処理するということが、私は緊急な問題である。そうしてまた、この住宅問題をさらに各方面において歓迎されるようにしていくために、これは私は必要である、かように思うわけであります。そういうような意味からいたしましても、先ほどの先行投資のことについてでありますが、先行投資をするために、どうしてもその都市が一戸当たりに対して五千円ないし六千円の赤字を出していかなければならない、これに対して建設省はやはり大蔵省に対して、いろいろ話を進める必要がある。われわれも無論努力しなければいかんと思いますが、そうして、その都市に対して起債が許される、そうするとその起債は五カ年ぐらい据え置きにして、そうしてその都市が立っていくように考えていく、あるいは利子補給に対しても、新産工特で三分五厘ぐらいの利子補給をやっている。そうすると、近郊区域においても、その都市が立っていく三分五厘の利子補給をするように努力するということでなかったならば、私はこの住宅建設というものはうまく進まない。こういうことを思うのですが、これに対して住宅局ではどういうぐあいに考えておられますか。
  19. 竹内藤男

    政府委員竹内藤男君) 私どもたとえば近畿圏近郊整備区域、その中に各種の宅地開発が行なわれるということで、新市街地が形成されていく。これを何とか秩序ある新市街地にしたいというのが、今度の都市計画法のねらいの一つでありますけれども、その新市街地をつくります場合に、先生おっしゃいますように、どうしてもやはり公共施設を優先的にその地域において整備していかなければならない。したがいまして、新都市計画法ができました段階におきましては、どうしてもそういう新市街地に優先的に公共投資をしていくという態度が必要であると思います。従来のように、既成市街地中心公共施設整備ではございませんで、既成市街地に投じておりました一部を新市街地のほうにさきますれば、投資効率は相当違うわけでございますが、相当新市街地整備が進むのではないかと思います。そういうような国としての投資を優先的にやっていくという態度をどうしても打ち立てなければならない、これはそういうような考え方を持っているわけであります。同時にその反面、地方公共団体に対する措置といたしましては、先ほど申し上げましたように、近郊整備区域財政特例措置というものが講ぜられております。市町村に対しましては、補助率のかさ上げ、それから府県に対しましては起債利子補給につきましての措置が講ぜられておりますので、こういう制度を大いにつくってまいりまして、新市街地公共施設整備を優先的にやっていく必要があるのではないかと考えます。なおしかし、これだけで新しい新市街地ができますと、面積も相当大きくなりますので、これだけではなかなか足りない面もあると思いますので、その点につきましては、なお一そう努力してまいりたい、こういうふうに考えているわけであります。
  20. 大森久司

    大森久司君 水資源小林理事が見えておられますのでお伺いします。小林理事はこの前お伺いしたときに、奈良に対する水の分配の問題に対する考え方を聞かしてもらいましたが、その後それに対してはどういうふうな考えを持っておりますか、お伺いいたします。
  21. 小林泰

    参考人小林泰君) お答えいたします。水資源開発計画及び調査につきましては、政府所管ということでありまして、公団が直接関与はしておらないわけでございますが、宅地開発に関連いたしまして、特に奈良の北部と京都府下にかけましての都市化が次第に進んでおるわけでございますが、これらの地域に対して、地元におきましても奈良京都府両関係者あるいは国の出先機関等によりまして、淀川中流水資源開発協議会が最近設けられたと仄聞いたしております。これを中心といたしまして広域的な調査計画を進めていただいておるわけでございますが、私ども公団立場といたしましても、特にこの地域に対する水の問題には関心を持っておりまして、奈良市からの受託調査等もいたしておる現状でございます。これらの水源としてまず考えられますのは、木津川水系でございまして、特に木津川水系のうち布目川あるいは奈良市における佐保川というような河川に着目もいたしておるわけでございます。それから木津川本川からの取水につきましても、この地域的な協議会のほうで目下検討を進めるということになるわけでございます。そういった方面検討が進んでまいりますと、私どもとしてもそれに強力して計画の立案、調査あるいは事業というところまで逐次進めていきたいと存じておるわけでございます。そういうことによりまして、淀川中流全体に対する水資源確保というものが、付近河川及び本流の水資源のさらに高度の琵琶湖等による開発等と関連いたしまして解決されていくものと、私ども考えておるわけでございます。
  22. 大森久司

    大森久司君 いろいろ考えてもらっているそうですが、とにかくいま平城団地が水のために建設できない、あるいはまた生駒と奈良との間に富雄というところがあるのですが、その富雄にも団地がたくさんできておる。それも水がないために問題を起こしております。結局は政府の奨励というか、政府計画に基づいて各方面団地ができていく。ところが、必要な水がないために非常に問題を起こしておる。これに対しては、私は政府の責任においてそういうような水の分配をするということでなければいけない。かってに建てているということではないと私は思う。ことに住宅公団が金を投資して土地確保しながらそれができないというこの事実に対して、やはり私は責任ある行動をとってもらいたい、こう思いますが、いか  がですか。
  23. 藤田進

    委員長藤田進君) 速記をとめて。  〔速記中止
  24. 藤田進

    委員長藤田進君) 速記を起こしてください。
  25. 町田稔

    参考人(町田稔君) ただいま大森先生のお話にございましたように、大規模な団地をつくりましたり、宅地造成をいたします際には、当然あらかじめ水の点は、計画の中に入れておかなければならないわけでございまして、そういう意味におきまして平城地区の公団宅地造成いたしますことをきめました際にも、水のことにつきましては、事前に奈良市とも十分協議をいたしておりまして、当時におきましては、御承知のように奈良市の上水道には、布目ダム、須川ダムなどを含めて自然流下方式による拡張事業考えられておりました。この事業の実施によりまして、平城にも奈良市から水を分けていただくということで考えてまいったのでございます。しかしながら、その後先生もよく御承知のように、奈良市の人口が予想以上に急激にふえましたことと、それから異常の渇水があるというようなこともございまして、昭和四十一年には奈良市で一部断水というような状況にもなりまして、その当時奈良市のほうから平城の宅地造成については、いまの状態だと水の供給がむずかしいので、この計画を根本的にもう一回考えてもらいたいというお話もあったわけでございます。  その後公団といたしましても、平城の給水につきましては、いろいろと検討をいたし、関係方面にもお願いをいたしまして、現在では建設省はじめ各関係方面におきまして奈良県営水道との調整等もはかり、奈良市の給水につきまして明るい方向に向かっておるというように考えておるのでございます。ことに現在奈良市におきましては、関係方面とのお打ち合わせもしながら、第三期上水道拡張計画の一部といたしましてすでに厚生省のほうに上水道の拡張計画を提出しておられます。この計画が実施されるということになりますれば、当面は平城の必要水量に対しましても、手当てができるというふうに考えておりますし、いろいろ長い長期的な給水計画につきましては、先刻申し上げましたような根本的な計画関係方面のいろいろと御協力をいただきまして立案中であり、いずれこれが実施されることになるであろうということを、私たち期待をいたしておる次第でございます。なお今後も宅地造成をいたします際には、十分に給水のことにつきましては考慮に入れてむだな事業の行なわれることのないように考えてまいりたいと、こういうように考えております。
  26. 大森久司

    大森久司君 いろいろ研究してもらっておると思いますが、とにかく最近奈良県において西大和団地が七十万坪か八十万坪、それからまた富雄がそれに近い、あるいはまた広陵もそれくらい、八十万坪くらい。そうすると、そういうような団地が七、八カ所あります。それがみな二万とか三万とかの人口がふえていくということになると、あるいは平城団地が三万か四万ふえると、こういうことになると、非常に私はそういうような問題が、管理というか、政府施策がこれに伴って進行しなかったら、地元はこれに対して非常に強力な援助といいますか、協力体制をとることができないと非常に不安がっておるのが事実であります。だから、これに対しては根本的に地元と話し合いをして、そうして政府はこういうような協力体制をとっていつまでにどういうことをやるということを示してもらわなきゃいかぬと思うのです。それでなかったなれば地元はこれについていけないというのが現実になっております。この点十分考えてもらっておると思いますから、私はこれ以上追及はしませんが、とにかく政府方針地元とが合致しておらぬ。そして非常にまたおくれておるというのが事実であると思いますので、その点よろしくお願いいたします。  この機会に、この間奈良バイパスのことでいろいろ質問いたしましたが、その後奈良バイパスについて平城宮跡のところを通ることが、いま東院が発見されたから他に新しいルートをつくろうということで、道路局長さんのほうで考えてもらっておると思いますが、その後の経過をひとつ聞かせてください。
  27. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) 現在、奈良バイパスは平城宮趾のあとを通っておりますが、これを変えまして別のルートにいたしますために、現在近畿地方建設局でこの周辺のいろいろ比較線を調査させております。まだはっきりしたルートもきまりませんが、ルートをきめますについては、やはり地元の意向も十分尊重してやりたいというふうに考えております。まずいまのところ地建で調査いたしまして、ある程度目鼻がつけば、本省からも係官を出しまして、こちらの案を二、三の案をきめていきたいというふうに考えております。
  28. 大森久司

    大森久司君 奈良バイパスはちょうど三十八年から五年半くらいかかっております。それで文化財のほうでいろいろ調査をされて東院があると、いままではここを通ってもいいということで二年前の三月十日にこれが決定になった。それからあとそれを調査されて東院がある。しかもそこは聖武天皇が退位後そこにお住まいになっておったというように最近ではやかましく宣伝されております。そういうような問題に対しまして、地元はこれによって迷惑をしておる。むしろ私の地元の法華寺なんかでは、ここに聖武天皇がお住まいになっておったということが記録に載っておると聞いている。それを文部省は知らぬということはおかしいと思う。三年も前にここは通ってもよろしい。そして文化財も文部省もそれを許可しておきながら、あとから、さもえらいものを発見したかのようになって、そしていまになると居すわってこれに対して反対するものは非文化人であるという態度をとっておる。そういうような態度をとる前に、自分みずからを省みてもらいたいと私は思う。文部省それ自体は勉強と研究調査が足りない。はなはだ失礼な言い分だけれども、学者としてあるまじき行為であると、私はこう思う。地元においては、すでにそういうようなことは前から書類なんかによって残っておる。地元の人はここに聖武天皇がお住まいになっておったんや、ということを言うておる。それにかかわらず、そういうようなことを調査研究せずにルートをきめて、そして調査してみたらはじめてそういうことがわかったと、いままでは平城宮跡は正方形である、ところが今度は東のほうに出ておるということがわかった。わかってからあとに、これは聖武天皇がお住まいになっていた所らしい、いや御退位のあとに聖武天皇がここにお住まいになっておったのであると、こういうぐあいになって、いまでは決定版のように言われておる。そういうようなことそれ自体は、名所旧跡、あるいはそういうような文化財の埋蔵物をたくさん持っているわれわれ奈良県といたしましては非常に困る。文部省のほうで、奈良県のどの場所には歴史から見て、あるいはまた過去の文化財の資料から見て、いわゆる甲地はどこである、あるいは乙地はどこであるということをはっきりしてもらいたい。そうでなかったなれば、われわれは大阪に接近しておるために、保存もしなければならぬし、また開発もやらなければいかぬというのが、われわれの県の立場である、かように思います。そうすると、その開発をじゃましておるというと語弊があるかもわかりませんが、事実においていま道路がつく、そして五年何カ月かかってようやくこれからやろうと思うときにどうにもならぬ。しかもこれが許可しておるルートであるということになると私は文部省の責任も重大であると思う。そういうことに対して、文部省はどういうぐあいに考えておられるのか、御意見を伺いたい。
  29. 福原匡彦

    政府委員(福原匡彦君) 最近になりまして平城宮跡の東に伸びていることがわかったということでございますけれども大森先生いまお話のように、地元ではそういうことは早くからわかっているのだ、それを学者が信用しないでいて、いまになって騒ぐ、それでかえって地元が非常に迷惑しているというお話でございます。ほんとうに地元に御迷惑をかけて、その点はたいへん恐縮しているわけでございますけれども、ただいまの平城宮跡が東に伸びているということにつきましては、これはあるいは地元でそういういろいろお話があったかも存じませんけれども、学問といたしましては、やはりそれを突きとめるまでに至っていなかった。これは奈良の都というのは、長安の都を模してつくったために正方形だということが、古来江戸時代から定説となっておりまして、それをまた明治の時期におきましても学者が確認をして、学者としてはだれ一人疑わずに今日までまいった。その点私どもといたしましては、学問がはっきりきめたことに基づいて役所として仕事をしておりますものですから、そこの点、地元お話を十分伺わずにという点は、私どもとしてもそれが学問のほうではっきりいたしましてからでないと動けないという点もございましたので、御了承いただきたいと存じます。まあ一般的に申しまして、記録その他によりまして、あるいは分布調査をいたしまして、先生の表現で申しますと甲地、乙地、こういうような形でございましょう、非常に重要なところ、あるいはこの辺にはこういうものがあるというような推定は、現在ある程度全国的にできております。ただこれは分布調査段階でございますと、やはり正確ではございません。それに基づきまして具体的に住宅建設でありますとか、あるいは道路が通りますとかというときに、そこの詳しい発掘調査に入るわけでございまして、その発掘してみたことによって、初めの推定が間違っておるということも、たまには出てくるわけでございます。平城宮跡の場合は、その一番何と申しますか典型的な例になってしまいました。その点ほかに例のないような御迷惑を地元に対しておかけいたしておる、この点は恐縮しておるわけでございます。ひとつ御了承いただきたいと思います。
  30. 大森久司

    大森久司君 私はこの問題に対して、いまさらとやかく言うてもしようがないと思います。どちらにいたしましても、学者の皆さん方がこの事実を知って、初めて非常に何といいますか、さも大きなものを発見したという態度でいまやっておられることはけっこうです。ところが、今後における文化財の皆さん方の態度ですが、私はこういうような文化財が非常にたくさんある奈良県に対して、もっと集中的に研究するというのならいいが、いろいろ全国的に散発的な研究をしておって、そうして自分らの方向を、自分らのものであるという、こういうような考えで、そうして学者の皆さん方が、あるいはそのときそのときによって自分らが散発的に研究する、そうして地元がいろいろな構想——あるいはまた都市計画なんかを立てようとしても立てられないということは、現実においてその地元に対して妨害行為である、こういう考え方になってくると私は思う。で、すべての問題においてもっと先行して学問を進める、あるいはその方面の研究をやるというなら、話は私はわかります。ところが、ものが出てきて、初めてそこにさも大きな発見をしたかのようなことで、そうして新聞やあるいは雑誌等に書いて、そうしていかにも大きなことを、誇張しているということは、私はおかしいと思うのです。そんなものならば、もっと初めから研究してやってもらいたい。今度新しいルートができるに際しましても、研究するというのなら、調査されることもけっこうだと思います。しかし、その調査があるいはまた思いも及ばないものが出たとかなんとかというようなことになってくると、これは私らは非常に困る。だからそのルートをつくる場所に対して、ここにどういうようなものとどういうようなものが埋蔵されている、こういうようないわゆる歴史的な事実があるということを、あらかじめ発表してもらいたい。一つもいつも発表せずに、そうして出てきてから理屈をつけて、そうしてなんとかかんとか言われるということになると、これははなはだ迷惑です。しかもその学者に対して、非常に不信をいだくことにもなる。少なくとも今度のルートは、万博が大阪で行なわれますその準備として、奈良と大阪との間にはいま阪奈道路が、今度四車線になります。そうしてまた名阪国道が四車線、そうして二十五号線が二車線、近畿鉄道が難波に乗り入れするということで、大阪と奈良との間は非常に開発されて、そうして万博に対する受け入れ態勢が相当私はできてきたと思う。ところが、京都奈良の間には二十四号線一本しかなく、しかもそれが二車線で現在すでに行き詰まっております。大阪、奈良京都というものが万博に対する第二会場的な京都奈良では役割りをする、あるいは最も近い場所であるために、観光客がそれに六〇%くらい流れるであろう、こういうときに、その観光客の受け入れ態勢、あるいはまた多くの観光客が十分といかなくても、混雑とか、あるいは危険でないようにするためには、そのバイパスはどうしてもやらなければならないことであるし、またこれが万博関連事業として指定されている。しかるに、これが万博までにいまの状態ではむずかしい、こういうことも言われている。そうすると、万博に対する計画を阻害することになると私は思う。だから何としても道路は万博までにやってもらいたいというのが地元の熱願であるし、またもともとこれをやるために、平城宮跡のああいうようなものの遠因があらわれてきたという、遠因のために、万博との関連事業である奈良バイパスが無効になるということは、私は非常に政府の責任であると、こう思うのですが、その点いかがですか。
  31. 福原匡彦

    政府委員(福原匡彦君) ただいまの新しいルートにつきまして、文化財としてあらかじめ何が埋蔵されているか発表せよという、こういうようなお話でございまして、私ども前回のときにお答え申し上げましたように、新しいルートにつきましては、事前に調査させていただきますけれども、これは記録として保存するための調査でございまして、道路の工事に支障のないように、それを妨げることのないように、十分注意して建設省の御計画に御協力申し上げたいと思うのであります。何が埋蔵されているかという点につきましては、一応分布調査はできておりまして、大体こういうものがあるはずだということはわかるわけでございます。ただそれを確認する意味で調査させていただく、ただその調査が工事に支障のないように、これは十分気をつけなければならないと思います。ひとつよろしくお願いいたします。
  32. 大森久司

    大森久司君 いま文化財のほうでは、奈良バイパスは万博に間に合うように調査するということですが、建設省道路局長さんのほうではこれは万博までに間に合うように工事をやってもらうのかどうか。
  33. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) われわれといたしましても、できるだけ万博に間に合うように精一ぱいやりたいと思います。ただほんとうに間に合うかどうかにつきましては、もしこのルートを変えた場合に、用地の買収がスムーズにできるかどうか、これにかかっていると思います。
  34. 大森久司

    大森久司君 私はこの問題に対しては、地元も十分協力すると思いますが、ぜひこれは万博に間に合うようにやってもらわなければならない。もしできなかったならば私は政府に責任問題が起こってくる、かように私は思います。そういうような意味合いにおいても、ぜひ協力してやってもらうことを要望しておきます。  この機会に橿原バイパスが藤原宮跡を通るということでありますが、われわれはこういうような問題を見まして前車の轍を踏まないようにと思っておりますが、文化財のほうでは、この藤原宮跡に対してはどのような考えを持っていらっしゃるか、聞かしてもらいたい。
  35. 福原匡彦

    政府委員(福原匡彦君) これは国道百六十五号線のバイパスでございますが、藤原宮跡を通るということで、発掘調査を現在進めている最中でございます。で、これは平城宮跡と違いまして、藤原宮跡の宮域というものがほとんどわからなかったものでございますので、そのバイパスの通る路線によりまして、これが内裏あとを通るということが一応推定されまして、その内裏の範囲、それから宮域の範囲というものを早急に検出いたしたいということで、現在も調査続行中でございます。奈良県に御協力を願いまして、現在のところ、ただ内裏の内郭と推定されるところまでは出ておりますけれども、内裏の外郭、それから宮域というものと、それから北限、東限というものが、一応いろいろなみぞのあととか、築地のあとというものは出ておりますけれども、それが確定的に、これは内裏の外郭のあとであるというようなことが言えるまでに調査が進んでおりませんので、私どもとしては、第一段は、ことしの作付のころまでに、どの程度まで調査が進みますか、鋭意努力を続けまして、その結果に基づきまして、またいろいろ建設省のほうとも御相談を申し上げたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  36. 大森久司

    大森久司君 このバイパスに対しましては、もうすでに路線が決定しておるという意味から、橿原市では用地を買収しておる。そうしてまた、すべての計画を進めておるということでありますので、私は、少なくとも文化財のほうで、これはここを通ってもらっては困るというなら、早くこれを発表して、そうして路線変更をさす必要があると思う。そうでなかったなれば、いつも自分のほうが土地を買収するとか、あるいは研究が十分でないから言えないというようなために、おくれておる。そうして、最後になってこれは困ると、こう言われると、非常に私は、その関連してやってきた皆さん方が迷惑を受ける。現実に橿原市においても、そういうふうな形になりつつありますが、私は、少なくともこれを早く発表してもらいたい。で、文化財のほうでは、これは通ってもいいのか悪いのか、それをはっきりしてもらいたいのですが。
  37. 福原匡彦

    政府委員(福原匡彦君) 現在、路線として決定されておりますところは、明らかに藤原の内裏あとを通ることになっておりますので、あそこでは困るということはかねてから申し上げているわけでございますが、ただ、どこを通ったらよいかということについて、先ほど申し上げましたように、実は、藤原宮跡の範囲というものがまだ確定的になっていない。これが実は先般橿原の市長さんもお見えになって、私どもとしてはその路線を変えていただくためには非常にはっきりした根拠に基づかないと、ここら辺が宮あとらしいから、そこをよけてくれということではたいへん恐縮なので、その確定を待っていると申し上げましたところ、市長さんのお話では、いま大森先生のおっしゃるように、もう推定でもいいから、とにかく早くここは困るというふうなことを言ってくれ、こういうふうなお話もございました。それで私どもとしまして、この五月、六月ごろまでの時点において、どこまで推定できるか、その結果を申し上げて、いろいろ御検討いただければと、こういうふうに存じておる次第でございます。
  38. 大森久司

    大森久司君 この問題に対して、市のほうで買収したり、あるいはいろいろなことをやっておる。で、もし、この路線が変更になった場合に、それのほうの補償はどういうようになりますか。文化財のほうではどういうように考えておられるか。あるいは道路局長さんのほうではどういうように考えておられるか。
  39. 蓑輪健二郎

    政府委員蓑輪健二郎君) 藤原宮跡のあとを通ります橿原バイパスにつきましては、これは橿原市で一部用地を買収しておるということもございますが、これについては、実はそういうことの話もなっておると思いますが、十分とにかく打ち合わせしてやったものでもないし、責任問題ということになりますといろいろむずかしくなるかと思いますが、まあ市も金を出していることだし、それをもとに地主に返すことによって市が持ち出しにならないように、そういう点で考えていきたいというふうに考えております。
  40. 大森久司

    大森久司君 文化財のほうでは、その場合にあの土地を買収する御計画ですか。
  41. 福原匡彦

    政府委員(福原匡彦君) これはいままだそこまでの決定はなされておりませんけれども、現在の路線として買収されましたところは内裏あとでございますので、将来は特別史跡に指定され、買収ということもその方向で検討されるのではないか、こういうふうに存じております。
  42. 大森久司

    大森久司君 文化財のほうに私は御注文というか、文化財のほうでは内裏あとであるというような、そんな重要な場所に対して、これを将来どういうようにするかという計画を立てて進めてもらいたい。その場その場の場当たり主義でものごとをやっておるように私は思うのです。飛鳥あとであるとか、あるいは平城宮跡であるとか、藤原宮跡であるとかというようなものは、日本の旧跡として重大であるということなら、そういうようなものに対する文部省の考え方が、もっと確立しておらなければならぬと私は思う。それに世論とか、あるいはまたその場の情勢に左右されているように思う、予算を要求するためにも文部省みずからが自発的な行為によって、その順位をきめて、これはどういうぐあいにするのであるという考え方を立てて進んでもらいたい。そうしてなかったなれば、こういうようなものに対して協力しかねるし、ついていけないと私は思うのです。で、その点を今後明らかにして、そうしてこういうような文化財に対する埋蔵物に対する考え方、あるいはまた歴史に対する裏づけになるようなものに対する文部省の確立した考え方を、今後明らかにしてもらいたい。これを要望いたしまして、私の質問を終わります。
  43. 藤田進

    委員長藤田進君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十八分散会      —————・—————