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1966-11-11 第52回国会 衆議院 地方行政委員会交通安全対策に関する小委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十一年十一月十一日(金曜日)    午前十一時十六分開議  出席小委員    小委員長 亀山 孝一君       大石 八治君    大西 正男君       秋山 徳雄君    阪上安太郎君       門司  亮君  小委員外出席者         地方行政委員長 岡崎 英城君         地方行政委員  渡海元三郎君         総理府事務官         (内閣総理大臣         官房陸上交通安         全調査室長)  宮崎 清文君         警  視  監         (警察庁交通局         長)      鈴木 光一君         警  視  長         (警察庁交通企         画課長)    片岡  誠君         大蔵事務官         (主計官)   長岡  実君         大蔵事務官         (国税庁直税部         審理課長)   大塚 俊二君         厚 生 技 官         (医務局長)  若松 栄一君         通商産業事務官         (重工業局次         長)      赤沢 璋一君         運 輸 技 官         (鉄道監督局国         有鉄道部保安課         長)      山本 正男君         運 輸 技 官         (鉄道監督局民         営鉄道部土木課         長)      吉橋三七郎君         運輸事務官         (自動車局保障         課長)     斎藤 英夫君         運 輸 技 官         (自動車局整備         部長)     堀山  健君         運 輸 技 官         (自動車局整備         部車両課長)  隅田  豊君         建 設 技 官         (道路局長)  蓑輪健二郎君         自治事務官         (財政局交付税         課長)     横手  正君         専  門  員 越村安太郎君     ————————————— 本日の会議に付した案件  交通安全対策に関する件      ————◇—————
  2. 亀山孝一

    亀山委員長 これより地方行政委員会交通安全対策に関する小委員会を開会いたします。  交通安全対策に関する件について調査を進めます。  まず、さきの小委員会において要求いたしました資料が提出されましたので、その説明を求めます。宮崎陸上交通安全調査室長
  3. 宮崎清文

    宮崎説明員 前回の小委員会で御要求のございました資料をお手元にお配りいたしてございます。これにつきましては、一応総理府でまとめましたものと、それから各省庁個有のものと二通りございます。しかし、いずれにいたしましても、内容は各省庁所管にわたるものでございますので、後刻各省庁から御説明をお願いするつもりでございます。  総理府でまとめました分、目次がございますが、第一には、自動車生産台数予測でございます。これは通産省で作成いたしております。  それから第二は、自動車保有台数見通しでございます。自動車保有台数見通しにつきましては、所掌事務の上から申しますと、運輸省におきましても見通しを書いておりますが、いま問題になっております自動車保有台数見通しは、主として道路計画との関連において必要であろうかと思われますので、本日御提出申し上げました資料の第二の自動車保有台数見通しは、道路計画との関連におきまして建設省で一応作成いたしました見通しによっております。  第三は、運転免許所持者数増加推移でございます。これは必ずしも御要求がなかったかと記憶いたしておりますが、将来の自動車がどういうぐあいに動き回るかという一つ予測になろうかと思いますので、これをつけ加えさせていただいております。これは警察庁で作成いたしております。  第四が、道路現況でございまして、これは主として建設省が作成した資料でございます。  第五の道路整備長期見通し、これも同じく建設省の作成した資料でございます。  第六の交通安全施設現況、これも大部分は建設省でありますが、一部、交通信号標識につきまして警察庁が作成いたしております。  第七が、将来の一番問題になります交通安全施設整備長期見通しでございますが、この点も同じく建設省が主体となりまして、これに警察庁が加わって作成いたしております。  それから、最後踏切事故防止対策現況等でございますが、これは実は前々回の小委員会におきまして運輸省及び国鉄から詳細の御説明がございましたので、それに尽きておると思われますが、念のため、データーとしてつけ加えさせていただきました。  以上、内容の概況でございまして、個々の問題につきましては各省別に御説明いたすことにいたしたいと思います。
  4. 亀山孝一

    亀山委員長 ありがとうございました。それでは、いまの資料の順によりまして、自動車生産台数予測につきまして、通産省見えておりますか。——見えてない。  それでは、第二の自動車保有台数見通し建設省見えておりますか。
  5. 蓑輪健二郎

    蓑輪説明員 二枚目の2の自動車保有台数見通しでございます。  数字を言いますと、普通貨物小型貨物乗用車バス合わせまして四十年が六百四十七万八千台、これは大体二輪を除きまして、軽自動車と称せられるもの以上をとっております。四十一年が七百七十七万一千台というように逐次増加いたしまして、四十六年には千五百四十五万三千台というような想定をしております。この想定は、トラック小型貨物につきましては、工業の生産高想定関連させましてやっております。また、乗用車につきましては、国民所得といままでの伸び方のトレンドを両方加味しまして台数を計算しております。このように、大体百万台以上の数字が毎年毎年増加してくるようにわれわれ考えております。
  6. 亀山孝一

    亀山委員長 ありがとうございました。  あわせて建設省でやられました道路現況道路整備長期見通し交通安全施設、それから交通安全施設整備長期見通し、これをちょっと御説明願いたいと思います。
  7. 蓑輪健二郎

    蓑輪説明員 続きまして、4の道路現況でございます。これは昭和四十年の四月一日の道路現況でございまして、道路種別高速自動車国道、元一級国道、元二級国道——元一級、元二級あわせまして一般国道となっております。一応便宜上もとの種別で書いております。そのほかに主要地方道一般都道府県道市町村道、これを合わせまして全部で九十八万四千九百三十四キロとなっております。一番端に書いておりますのが舗装率でございまして、これは、高速自動車道が百八十一キロ、これは当然全部舗装されております。一〇〇%でございます。元一級国道は一万二千八百キロでございまして、そのうち六九・七%が舗装されております。元二級国道は一万五千キロばかりでございまして、そのうち三五・四%、主要地方道が三万二千七百七十四キロでございまして舗装率二三・三%。一般都道府県道が八万七千七百三十八キロでございまして、九・八%、市町村道が、これは非常にけたが違うほど多くございまして八十三万六千三百八十二キロで三・七%になっております。  次のページ道路整備長期見通しでございます。  基本的な構想といたしましては、わが国の経済国民生活の均衡ある発展をはかるため、将来の道路輸送需要の増大に対応いたしまして、輸送能力の画期的な拡大と交通難の解消をはかって、国土の有効利用、流通の合理化国民生活環境の改善に寄与することを今後の道路整備の基本的な目標としております。このために、われわれのほうでおおむね二十年後に予想される社会経済の水準にふさわしい近代的な道路網を確立することを目標に、幹線自動車道七千六百キロの全線貫通海峡連絡道路等整備、これは東京の港岸道路とか大阪の湾岸道路とか、海上コンテナ輸送に関係するような港湾との関連道路及び本州−四国の連絡架橋というものを考えております。そのほかに一般国道都道府県道改築を完成させる、主要な市町村道も先ほど言いました八十何万キロございますが、そのうちの約四分の一、二十二万キロが市町村道の中でも比較的交通幹線になる道路というふうに想定しておりまして、二十二万キロぐらいを二十年後は全部改良舗装をはかるという考えでおります。そのほかに交通混雑しているところのバイパスの建設及び都市高速道路整備、そのほか維持管理等強化、こういうものを二十年後のビジョンとして考えております。  (2)といたしまして第五次五カ年計画の規模でございますが、二十年後のビジョンといいますと、これも想定がございまして、非常に問題があろうかと思いますが、一応これを基準として、当面とりあえず必要なものを四十二年から四十六年度に至る五カ年間でおよそ七兆三千億の道路投資が必要であるということで、ただいま五カ年計画の改定を要求しております。これに基づきましてどのぐらいの道路ができますか、(3)以下に書いておりますが、高速自動車国道は現在百九十キロが供用開始になっております。これは名神だけでございます。これが四十七年の三月末では千二十キロができます。  次のページ都市高速道路につきましては、現在首都高速道路阪神高速道路、合わせて五十キロの供用開始が四十七年の三月で二百七十四キロできる。  (三)の一般道路については改築、これについてはまだすれ違いのできないような幅の狭い道路、これを一応成規の道路構造に合ったような道路にすることでございます。これが一般国道主要地方道一般地方道合わせまして十四万八千五百五十六キロあるうち、四十七年の三月で七万三千二百三十九キロの改良をやっていきたいというように考えております。次の舗装でございますが、これも四十七年三月には七万三千百五十八キロ、全体のパーセントでいいますと四九・二%の舗装を完成したいという考えでございます。  次に、一番下の(ロ)の再改築事業量でございます。これは現在一応構造令によりまして改築したあとでも、交通の混雑によりまして再改築、いわゆるバイパス拡幅等工事のことを言っております。一般国道地方道合わせて五千百六十一キロ、舗装が四千五百六十二キロと計画しております。  以上がただいま要求している五カ年計画の大要でございますが、この中でやはり交通安全に関係ありますのは、われわれ道路構造令をかなり改正いたしまして、いわゆる交通幹線になるようなところのバイパスにつきましては、やはり車道のほかに自転車とか歩行者の通れるような二メートルないし二メートル五十くらいの路肩兼歩道、こういうものを必ずつけるというようなことに改正いたしたいというように考えております。また一般歩車道分離の困難なようなすみずみ地方道でも非常に広げまして、歩行者の安全をはかっていきたいというふうに構造令の改正を考えております。  次の6が交通安全施設現況でございますが、そのうちの(1)として道路管理者分、この表にございますように、元一級国道は一万二千六百十七キロのうち、歩道の欄を見ていただきますと、千四百四キロ、約二%程度歩道ができております。これは当初の計画のときには、それほどの交通増加考えずにつくったために、歩車道を区分できなかったということもございますし、また中央分離帯の例をとってみましても、そのうち八百二十八キロが中央分離帯ができているという状態であります。これは、一級国道についてはほかの道路よりは非常によくなっておりますが、元二級国道主要地方道一般地方道になってくると、その歩道整備のできておるパーセントが逐次減ってきております。  あとのこまかい数字説明は省略させていただきます。  次に、7の交通安全施設長期見通しでございますが、これは必要事業費予測をしております。(1)が道路管理者分といたしまして、交通安全施設は、その性格上大量に整備すればするほど望ましいものであり、全国のすべての道路を完全に安全性を備えたものにするためには、根本的にはやはり道路整備に対する投資を大幅に増額いたしまして、道路改良事業を推進していかなければならないのでございますが、今後五年間、昭和四十二年から四十六年の間で、おおむね次の表にございますとおり、千九百八十億円程度交通安全施設整備が必要であろうかと考えられます。表にあります改良済み道路については、延長大体七万五百キロくらいを対象といたしまして、その事業費が約九百五十七億で、今後新設改築に伴う道路については約二万二千キロくらいを対象として、その事業費が千二十三億、すなわち改良済み道路については、必要額はおおむね九百五十七億であり、そのうち特に緊急を要する道路については、交通安全施設等整備事業三カ年計画で、昭和四十二年度、四十三年度の分として四百六十億の事業を実施することとしております。また、道路の新改築に際しては歩行者保護施設に重点を置いて極力交通安全施設整備することとしており、今後五カ年間における新設改築延長二万二千キロに対しておおよそ千二十三億の事業費が必要となると考えております。これは交通安全施設等整備事業以外の道路改良工事舗装工事の中で実施されるものでございます。  以上でございます。
  8. 亀山孝一

    亀山委員長 ありがとうございました。  これに関連して警察庁からお願いします。片岡交通企画課長
  9. 片岡誠

    片岡説明員 お手元資料の第三にございます運転免許所持者増加状況でございますが、昭和四十年現在で千九百七十五万二千七百二十八名という数字でございます。それが、逐次四十一年から四十六年の推定の数がそのあとに出ておりますが、四十一年には二千百三十六万一千四百七十五名、増加率約八・一%と推定いたしております。四十六年には二千八百二十七万三千七百七十七名という推定を現在いたしております。増加率が八・一、七・九と次第に鈍化するものであろうという推定を一応いたしております。その理由といたしましては、すでに免許取得可能年齢になっておる人たちの中で、自動車運転免許を持つ人が次第に飽和状態になってまいりますので、増加率が減るであろうというのが一つと、それから免許取得可能年齢、十六歳あるいは十八歳になる人口層が次第に減ってまいりますので、増加率鈍化傾向推定いたしております。  次に、第六にございます交通安全施設現況でございますが、それの中の都道府県公安委員会分について御説明いたします。そこにございますように、昭和四十一年三月末現在における都道府県公安委員会所管交通安全施設設置状況は、信号機が八千四百九十基、これは定周期から感応式あるいは系統式歩行者への信号機もすべて含んだ数字でございます。その次に道路標識が約五十万三千本、それから道路標示が一万三千五十三キロメートル、そのうちに横断歩道が設置されております個所が六万九千カ所ございます。  その次に、第七の交通安全施設整備長期見通しでございますが、私どものほうの昭和四十二年から昭和四十六年の五カ年にわたります公安委員会所管交通安全施設所要経費として、すべての道路、つまりすでにでき上がっている既存道路も、これから五カ年計画建設省のほうで新設あるいは改築される道路も通じまして、約二百億くらいの事業費が要るのではなかろうか。先のことでございますので、おおむねそのくらいの金額が要るのではなかろうか、こういう推定をいたしております。  以上でございます。
  10. 亀山孝一

    亀山委員長 ありがとうございました。  自動車生産台数予測につきまして、通産省赤沢重工業局次長から説明を願います。
  11. 赤沢璋一

    赤沢説明員 お手元資料の第一ページでございますが、現在通産省といたしましては企画庁で行なっております中期経済計画の作業の一貫として試算中でございます。この表について、試算中のものでございますが、簡単に御説明を申し上げます。  三十九年度、四十年度というふうに実績が出ておりますが、四十年度の欄で見ていただきますと、一番右の端にございますように、乗用車小型四輪、普通トラックバス合計いたしまして、生産いたしました台数は百九十三万八千台、約二百万台弱という数字に相なっております。そのうちで一番左側にございます乗用車が七十二万二千台でありまして、そのうちの輸出は約十一万一千台ということになっております。こういった四十年度の実績をベースとして四十六年度の予測をいたしておるわけでございますが、予測のやり方として、乗用車についてはGNP国民所得中心といたしました関連方程式内需をはじき出し、また小型四輪、普通トラックバス等、いずれも一次あるいは二次の時系列関連方程式を使って算出いたしております。  乗用車で申し上げますと、四十六年度の予測としては、いま申し上げましたようなGNP関連方程式試算いたしますと、内需が百七十六万七千台、こういう数字が出てくるわけでございますが、それに対して現在の乗用車の総生涯に対する輸出の割合が四十年度で約二八%になっております。七十二万二千台対十一万一千台というものが約一六%になっておりますが、将来この輸出をもっとふやすべきであるという観点から、これを二五%、つまり内需を七五%ということで想定をいたしますと、ここにございますような二百三十五万六千台というのが四十六年度における乗用車生産台数であるということに相なるわけでございます。  同様にして、小型四輪については輸出比率を五%、普通トラックについては二五%、バスについては一〇%というふうに四十六年度の、やや目標的な数字になりますが、想定をいたしまして合計をいたしますと、一番右の欄にございますように、四十六年度における全車種の合計は四百七十三万三千台、そのうちの輸出は、総体として約一八%、七十四万台、こういうことに相なるわけでございます。全体として年率では約一六%の生産伸びであり、生産台数で申しますと、二・四四倍、約二倍半ということになります。  乗用車の面では、特にその伸び率が高くて、左のほうにございますように、年率にいたしますと約二二%の生産伸びであり、絶対数の比率から申しますと約三・二六倍、これだけの生産が行なわれるであろう、こういう推定をいたしております。先ほど御説明があったかと思いますが、この数字合計をいたしますと、運輸省当局想定されております四十六年度における自動車保有台数が千五百万台強ということでございますが、この見通し生産見通しがほぼ一致するのではないか、かように考えております。
  12. 亀山孝一

    亀山委員長 ありがとうございました。  運輸省から堀山整備部長が見えておりますから、きのう、きょうの資料でお願いします。
  13. 堀山健

    堀山説明員 お手元資料の中で、これは調査室資料とは別表になっておりますが、先ほどからの建設省及び通産省生産見込み、保有の推計、これと若干数字が違ったところがありますが、これは私どもいままで保有台数について過去の実例から時系列でいろいろ推定した数字でございます。道路局長のお話の数字と若干違う点は、二輪車をこちらは含んでおります。その点で四十六年度において約百万程度違うということでございますが、大体傾向は同じでございます。  それからもう一つ事故のことが出ておりますが、これは最近三カ月間に発生いたしましたいわゆる重大事故、これは死亡、重傷、それを伴います大きな事故で、主として転落それから衝突踏切事故車内事故でも死者を免じた事故、これを提出したわけでございます。これは八月から十月までの間における事故でございまして、これは中身を分類いたしてみますと、転落事故が六件、転覆事故が一件、衝突事故が三件、踏切事故が一件、それから車の中だけで起こった事故が二件、合わせて十三件ございます。それで死亡いたしましたのが九人、重傷が四十九人、軽傷が二百二十四人、こういうことになっております。  以上でございます。
  14. 亀山孝一

    亀山委員長 ありがとうございました。  きょう幸いに厚生省から医務局長が見えておりますから、医務局長ひとつ交通事故救急医療のことで、資料はないでしょうけれども、大体あなたの立場から何かわれわれに聞いてもらいたいことでもあればひとつお願いします。
  15. 若松栄一

    若松説明員 救急医療体制につきましては、現在消防庁と共同で搬送並びにその収容の体系化をはかっておるところでございますが、明年度からの特別の計画といたしまして、救急医療機関の中でも特に中核的な救急医療機関整備をはかりたいという趣旨で、四十二年から四十五年の間に、全国主要都市中心にいたしまして約二百カ所程度専門的救急病院をつくりたい。その中でも救急病院というものの経営の特殊性等を考慮いたしまして、国立の病院並びに地方公共団体の設置いたします公的な病院にまず主力を注いでいきたいという考え方をとっております。そういうような中心病院といたしましては専門外科医、特に脳神経外科等能力のある外科医が常時待機するような形にいたしたい、そのために相当の赤字というものも覚悟した上で人員の整備をはかる、また公立病院につきましては機械設備等について相当額補助金も出して、その機械設備整備強化をはかりたい。なお、そのほかに一般的な救急医療機関として告示医療施設がございますが、これが現在三千足らずでございますので、これを五カ年間に五千程度にまで増加して救急医療機関等の充実をはかりたい、そのような計画をいたしております。特殊な問題として、数多くの私的の救急医療機関等で、その経済的な能力からいいまして十分の機械設備等ができないし、またやっても遊休の程度が大きくてむだになるというような面も考慮されますので、そういう面につきましては特定の場所にある程度機械設備を常置しておきまして、それを運搬、輸送等によって常時出動できる搬送可能な形にしておくというようなことを考慮いたしております。なおそのほかに、救急搬送医療機関との結びつきをいかに円滑にやっていくかという体制整備するように心がけるつもりでおります。  以上でございます。
  16. 亀山孝一

    亀山委員長 ありがとうございました。
  17. 堀山健

    堀山説明員 先ほど踏切対策について説明をいたしませんでしたが、鉄道監督局土木課長が参っておりますので、そちらから説明させます。
  18. 吉橋三七郎

    吉橋説明員 お手元に差し上げました資料の一番最後の八番の「踏切事故防止対策現況等」という資料がございますが、これについて若干説明させていただきます。  一番の「現在の踏切道数」、一種、二種、三種、四種の数が列挙してございます。一種、二種とは遮断機のついている踏切三種警報機のついている踏切、四種は設備のない踏切でございます。四種の踏切がまだ非常に数多くございますが、その対策あと資料でお読み取り願いたいと思います。  二番の「現在までの指定踏切道数」、ここに昭和三十六年に踏切道改良促進法ができまして、その法律に基づいて指定しました数が列挙してございます。保安設備整備立体交差化等まずまずの成果があがっているものと考えております。  それから三番は「現在までの踏切道整備数」、これは先ほど申し上げました法律に基づいて指定しておりますけれども、それ以上に実際にはこのようなものを整備しているという数をあらわしております。そのほかに、すべてに警報機をつければよろしいのでございますが、非常に数多くあるものでございますから、踏切整理統合あるいは交通規制によってそれをカバーしていくという方法もとっておりますので、その数も下のほうに書いてございます。  それから最後に、先回の国会で踏切道改良促進法が五カ年間延長されまして、一応その五カ年間にどの程度計画を持っているかということを一応列挙してございます。  以上でございます。
  19. 亀山孝一

    亀山委員長 ありがとうございました。
  20. 亀山孝一

    亀山委員長 一応当局からの御説明は終わりまして、これから質疑に入りますが、都合により、きょうはおそくとも一時までにはこの小委員会を終わりたいと思いますので、さよう御了承願います。  通告がありますので、順次これを許します。秋山徳雄君。
  21. 秋山徳雄

    ○秋山小委員 この資料をきょういただいたわけですけれども、端的に言わしていただきますならば、自動車はさっきの話だと大体二二、三%から二五%くらいふえている。ところが道路のほうの拡幅ということになりますと、ほとんどなされておらないで、なされようとしているものの多くが舗装をしていくということのように承ったわけですが、自動車台数が二五%も年々ふえていくのだということになれば、当然の結果として、道路舗装よりもむしろ拡幅を重点に置かなければならないのじゃないかという気がするわけですが、それらについては大した施策が行なわれていない、こういうことのように承ったわけですけれども、これらに対しまして建設省のお方はどうお考えになっておりますか、お尋ねいたします。
  22. 蓑輪健二郎

    蓑輪説明員 いま御質問のように、車が非常にふえていきまして、それに伴って道路改築をやっていかなければならないと思います。ただ非常に予算の制限がございますので、非常にこれが、われわれ大ざっぱな勘でいいましても、車の伸びにいまのところ見合わないんじゃないか。また、実際道路工事をやりまして、それが完成するまでに——やはり大きな道路バイパスみたいになると、用地の買収その他を入れましてどうしても五年かかるということから考えますと、そういうような交通の混雑するところのバイパス、拡幅等をかなり早くから手をつけていかないと、車のふえたのに追いつかないという点で、その点はわれわれ、いまの七兆三千というような新しい道路投資の規模を要求して、それによってできるだけ交通の混雑しているところを拡幅なりバイパスをやっていきたいというのが第一点でございます。  それからまた、現道を舗装するか、改良して舗装するかの問題であります。これはやはり改良して舗装するのが本来の姿だと思いますし、やはり狭いままでやると車のすれ違いにも困難になりますし、ただ、いまの道路投資の現状から言いますと、交通量が五百台以下の少ないようなところであれば早く道路舗装して維持費がかからないようにし、また車の運転も、ゆっくり走れば非常に経費も節約になるということでございまして、非常に交通量の少ないところについては現道の舗装も進めていきたい。しかし、交通量の多いところについては当然改良してから舗装をやっていきたいということでございます。改良いたします場合は、先ほどちょっと説明いたしましたように、やはり路肩をもっと広げて車道の拡幅をして、歩行者と車の通るところを完全に分離するというようなことを決定していきたいというふうに考えております。さらにもっと交通量の多い、歩行者の多いところは、当然歩道車道を区別したものにつくっていきたいというふうに考えております。
  23. 秋山徳雄

    ○秋山小委員 私が先般要求した資料は、こういう個々の資料ではなくて、できれば自動車生産台数増加率、あるいはまた道路の拡幅の状態、これもやはり年々歳々のパーセンテージ、そういったものを要求したんですが、そうしたものは出ておらないので、そういうほうにお尋ねしなければならないと思いますが、これらをまとめてどこでコントロールをしたらいいのか、こういうことが考えられなければならないと思うのです。現状のままで自動車がどんどんふえていきますと、たとえば停車してはいけない道路をいろいろな形で規制をしております。ところが、ここの大きな道路は停車してはいけないということになりますと、今度は細い道路にどんどん置きにくるわけです。そうなると歩行者はどこを歩くかということだな。歩行者から言えば人間が先にできたんで、自動車というのはあとから生まれてきているものですね。それがどんどんはびこってきちゃって、人間が安心して歩けない、こういうことに大きな矛盾があると私は思うのです。政府といえば一つのものであって、その中に各部署が分かれているのですから、どこかでそれをまとめ上げてコントロールする必要があればしなければならぬでしょう。少なくとも自動車増加が年々二五%ずつということになれば、拡幅も当然少なくともそれ以上に上回っていかなければこの解決はできない。さもなければ人間の歩く道は別にどこかへつくるか、あるいはまた国のほうで、人間はあぶないからということで、どっかの国で発明されたそうですけれども、人間がぱっとやればふわっと歩いてどこへでもいける、そういったものを全国民に渡すか、そういうことでなければ絶対にこれは解決しない問題ですよ。だから、そういうことを私は知りたかったわけですが、これらについて総理府ではどういうふうなお考えを持っているか。あるいは逆に、自動車はいまの路面でなくて、当面の問題として、歩行者はいまでも優先ですが、優先なんというものじゃなくて、もっと強い態度に出てもらって、自動車のほうは自動車専用道路を地下なり、あるいは地上の何メートルか上なりに置きかえるべきじゃないか、こういうことが考えられてこなくてはならないと思いますけれども、これについて総括をしておる総理府ではどういうお考えを持っておりますか、これを一つお尋ねしたい。
  24. 宮崎清文

    宮崎説明員 交通安全施策につきまして、総合的な長期見通しを立てて、これに基づきまして計画的にこれを実行していくということにつきましては、先生の御質問のとおりでございます。つきましては、まずそのために現状がどうなっているかという現状認識が大事でありまして、率直に申しますと、現在までのところ、各省別にはそれぞれ担当の所掌事務を持ちまして現状の把握あるいは将来の予想というものを立てておりましたが、交通安全全般につきましての総合的な現状の把握あるいは将来の見通しということは、率直に申しまして従来十分でございません。たいへんおそまきながらでございますが、総理府としては、前々回のこの小委員会でも御報告申し上げましたが、現在各省庁の協力を得まして、まず第一に交通安全施策という見地から見まして、わが国の現状はどうであるかという総合的な白書の作成をいまいたしております。現在第二次原稿の段階になっておりますので、年末までにはそういう白書の形で総合的な見地から見た交通安全の現状はどうであるかということを皆さまにお示しすることができると思います。  それから第二の将来の問題でございます。これはたいへんむずかしい問題でございます。これもおそまきながら一応私のほうで素案をつくりまして各省庁に御検討願っておるわけでございます。ただ問題は、交通安全をどういう点でどういうぐあいにまとめるかということ、これは非常にむずかしい問題でございまして、たとえばいま御指摘のございました道路計画そのものは一体交通安全になるのかならないのか。もちろん交通安全に非常に関係はございますが、なるのかならないのかという問題はございます。道路計画は別の意味では経済政策とも密接な関係を持っております。あるいは社会政策とも密接な関係を持っております。それをどういうぐあいにまとめるかということにつきまして非常にむずかしい問題がございますので、これらの点も目下いろいろ検討いたしておりますが、現在の時点におきましてはやはり交通安全に直接的な施策を取りまとめる、こういうことにならざるを得ないのではないか。そういう点におきましてまだいろいろと問題点はあろうかと思いますが、交通事故の防止に直結する諸施策の総合的な長期見通し、こういうようなものをできるだけ早い機会に何らかの形をもちましてつくりたい、このように思っております。
  25. 秋山徳雄

    ○秋山小委員 ですから私も先般も要求したわけですけれども、これだけ資料ができたのですから、総理府のほうで一つにまとめていただいて、自動車生産台数、同時にまたいろいろな道路の形態などによって違うかもわかりませんけれども、そうしたものを含めて、あるいはまた信号機のようなもの、あるいはまた横断歩道のようなもの、これは現在ある道路でもとの一級国道、二級国道あるいはまた主要府県道あるいは市町村の道路に至るまで、現有の道路について当面信号機をどのくらいつけ、ガードレールをどのくらいつけ、そうしてまた横断歩道をもっとふやすならふやして、それだけ完全に現状においてでき上がればまあ事故もほとんどなくすることができるだろう。それには一体どのくらいの予算を必要とするか。現状においてそういうことが出てきて、しかしいま国の財政状態あるいは投融資の問題などで考えたときに、一ぺんにはできっこないのですから、これはやむを得ないんだが、十年計画でやればこういうスピードになるし、あるいはまた五年計画に縮めればどうなんだということが出てきて、初めて三年計画、五年計画、十年計画というものが立つんじゃないかと思うわけです。それがなければ、ただこそく的に事故が起きたから直す、ここでもまた始まったからここを直す、こういうことでは幾年たったって解決はしないわけですね。そういう基礎的な数字をお示しを願いたい、こういうことを私は申し上げておるわけですから、次会までにそういうものをおつくり願えれば幸いだと思います。  それから、立ったついでですから、立ったりすわったりするのもやっかいだから、続けて言わなければならぬことにもなりますが、きょうは大蔵省の方もお見えになっているそうですが、会社などの使用する車、これが今日では非常に多いと私は思うのです。昔の観念からいけば、大きな会社では自家用車を持っていたと思いますけれども、今日ではそうではない。今日の状態を見てまいりますと、昔でいえば、俗にあきんどといったことばがありますが、そういう方々でも、いまは株式会社になったり、あるいは有限会社になったりなどいたしまして、かなり組織が変わっております。同時にまた、そういうところでは、一々運送屋に頼むよりも、ガソリンだけで走れればそのほうがいいなど、いろいろな観点からいたしまして、たいていの業者の方々は、ライトバンなりあるいは自家用車なり、そうしたものをかなり多く使っていると思います。またその反面、それだけではないと思いますけれども、当面考えられることは、そういうこともかなりウエートが高いと思います。したがって、こういう自家用車の購入費用、あるいはまたこれの償却の資産の問題、あるいはこれに使うガソリン代、運転手の給料、すべてそうした経費が税法上では一体どうなっているだろうか。普通俗っぽいことばでいいますならば、いろいろなことを人に頼まないで、あるいはまた、もうかってしようがないんだから、それを税金で払うよりも、自分のうちで車で使ったほうが得なんだという考えもあるかもしれません。ですから、税法上ではこういうものはたてまえ的にどうなっているか、こういうことをまず御説明いただければ幸いだと思います。
  26. 大塚俊二

    ○大塚説明員 ただいま御質問の、車を会社が購入いたしまして、その車を使って会社の業務をやっている、それから会社の役員、従業員がその車に乗りまして、いろいろ会社のために仕事をやる、こういう場合に、車を購入いたします費用、それから車を運行いたしますための諸費用、運転手の給料とか、そういうものを含めましたこういった費用でございますが、車の購入の費用の関係では、これは固定資産になりまして、おおむね五年程度で償却いたしまして、その償却費が会社の経費になるということでございますし、それから運行に要します運転手の給料、手当など、それからガソリン代でございますとか、こういった費用は、それぞれ支出をいたしましたときの会社の経費ということで、法人税のほうでは損金に見るたてまえになっております。
  27. 秋山徳雄

    ○秋山小委員 私はそうだろうと思います。だからこそ最近ではそう使わないところでも車がどんどん購入されている、こういうことじゃないかと思うわけですけれども、これは会社ですからいろいろ経理の方法もあるでしょう。そういうところにかなり自動車が普及している面もあろうかと私は思います。片方では、通産省補助金をあげたりなどしながら、自動車がどんどんできているんですから、これはふえるのは当然なんであって、またそれだけではなくて、最近はスポーツカーなどというものがどんどんはやってしまって、需要がどんどん増してきている。そうなってくると、当然自動車台数はふえていかなければなりません。これがほとんど輸出に回っていくということになれば非常に幸いかと思いますけれども、そうでもなさそうでありますし、きょういただいた資料の中を見ましても、まだまだ輸出のほうが非常に少ない、こういうことじゃなかろうかと思います。そういうことを考えてまいりますと、何かそこらになされなければいけないような気もするわけですね。私どもがたまたま早く帰ったからといって、テレビでもたまに見る。そうすると、自動車はいろんな宣伝がなされております。日本の国でも、スピードなどというものを考えますと、そんなに百キロも百三十キロも出せる道路はないはずなんですけれども、にもかかわらず、それが宣伝の中では百何十キロ出ますというふうなことをどんどん宣伝している。そうしてまた、これでも買わないか、あれでも買わないかということで、最近では、おつとめをなさっている方々でも自家用車でおつとめに出てくる、こういう時代だろうと思います。そういうことを考えてみますと、通産省の方にもお尋ねしなければなりませんけれども、日本で百キロ以上スピードを出せる道路というものが一体どことどこにあるのか、これは建設省へ伺わなければならないかもわかりませんけれども、そういう宣伝をして売り込んでいくということが通産省ではいいと思いますか。悪いと思いますか。そういう点もやはりこういう機会に考えなければならぬことではないかと考えます。これが、日本で使う車の場合では、スピードは六十キロなら六十キロだけしか出せないという車だけを売れば、これは無理なスピードは出てこない。そして、スポーツカーだか競走用自動車だかわかりませんけれども、そうしたものを別の角度で見ていくということも一つ考え方ではないかという気もするわけです。これらについて、通産省の方は一体どうお考えになっているか、こういうこともあわせてお答えいただければ幸いだと思います。
  28. 赤沢璋一

    赤沢説明員 自動車生産の面を通産省は担当しているわけでございますが、宣伝の面その他で、私ども見ておりまして、若干行き過ぎの面もあるのではないかということは気にかかっております。ただ、自動車の場合には、つくりまするときには、一応型式承認という形で運輸省の許可を受けまして、そうして製造するわけでございまして、いま御指摘のように、全体からいいますと、輸出の面はまだ一六、七%ということでございまして、これから五年くらいたった後に二割五分くらいまでは輸出に持っていこうというつもりでおります。そういう面からいたしまして、スピードの面でたとえば六十キロしか出せない、こういう車をつくるということ自身、輸出の面と両方考えますと、やはり相当問題があろうかと考えます。一応会社としては、これだけ出る性能を持った車だということで、これはスピードの面だけではなくて、全体の車両構造という面からバランスのとれた車をつくっているのであるという意味から、国内用は八十キロしか出せない車を輸出用は百二十キロまで出せる、そういう車の製造のしかたというものは、おそらく製造の技術の面では相当困難があろうかと思います。ただ、御指摘のような宣伝の行き過ぎ等は私どももときどき見ておりますが、もちろんこれは高速試験場あたりの撮影をしているようで、普通の道路でとっているものは比較的少ないようでございます。  乗用車の面で言いますと、御存じかと思いまするが、いま日本ではちょうど四十八人に一台というのが乗用車保有比率でございますが、アメリカで言いますると、二・七人に一台、大体三人に一台でございますが、ヨーロッパでは大体六人に一台、こういうことでございまするから、アメリカ並みにはまいりませんでも、おそらく国民所得増加に伴いまして、四十八人に一台というのはこれから相当ふえていく。私は持っておりませんが、個人的には、やはり所得がふえれば自動車を買いたいというような感じになるのではないかと思います。そういう感じになると思いまするが、もちろん道路の面その他もありまするけれども自動車の構造自体の安全性という点につきましては、従来に引き続きまして、今後とも十分な検討、研究を加えていかなければならぬと思います。  先般もこの委員会で御説明いたしましたように、自動車の構造上の安全対策ということにつきましては、通産省としても来年度以降、先般御説明申し上げましたようなセンターを設けて、官民一緒の形でこれを推進していくということが緊要なことだと考えております。
  29. 秋山徳雄

    ○秋山小委員 無理な注文かもしれませんが、日本の国はよその国と違って山坂が多いのですね。ですから、力がなければ山坂は登れない。これはしかたがないことだろうと思います。できれば平地の場合には何キロしか走れないんだ、山坂へ登ったら力は相当出るんだというふうな機械ができればいいのかもわかりませんけれども、そういうことはできませんか。
  30. 赤沢璋一

    赤沢説明員 私どもが承知しておる限りでは、そういう使い分けのできるエンジンというものの製造は非常に困難だと思います。
  31. 秋山徳雄

    ○秋山小委員 さっきのことは建設省はどうですか。
  32. 蓑輪健二郎

    蓑輪説明員 ただいま百キロ以上のスピードを出せる道路といいますと、われわれのほうは名神高速だけでございます。名神高速につきましては、大体最高速度百二十キロ、これは区間によりまして八十キロに制限をしておるところもございますが、最高百二十キロ出せる、最低速度の制限が五十キロになっております。そのほかの道路につきましては、第三京浜みたいな有料道路のりっぱな専用道路もございますが、大体あれが最高速度八十キロに押えております。しかし、八十キロというのは、いろいろ交通の量の問題もございまして、交通の量が非常に少ないときは、実際には百キロ以上で走れるような構造でございます。しかし、いまの制限としては八十キロ。そのほかの一般国道バイパスあたりでは、緩速車を分離しておるようなところで、最高速度を七十キロで押えております。一般には最高速度は六十キロでございます。
  33. 秋山徳雄

    ○秋山小委員 そういうもろもろの話を聞きますと、何かかなり無理があるんですね。それで先ほど申し上げましたように、道路はお金の関係でなかなか完備ができないようだし、ちまたの声を聞いてみますと、どこでも例外なしといってもいいように、道路舗装されたりなんかをすると、必ず事故が多い。そしてまっすぐな道路をつくると、より一そう事故が多くなってくる、こういうことが考えられるわけですね。ですから、それならば昔へ戻って、道路がでこぼこであればスピードも出せないし、それだけまた危険も伴ってこない、こういうことが言えるわけです。だからといって、それがいいかというと、これは決してよくないと思う。こういう問題を考えたときに、やはりかなり無理があっても、これほど今日のように交通事故がふえて、いまでは戦争に匹敵するような死亡者が出てくるというふうな時代が来ているんですから、ほかのものはさておいても、道路にはそうした安全施設をまず考えるべきじゃないか。最近つくっている道路を見ましても、歩道がついてないのがたくさんあるわけですよ。それはなるほど現在では人が通行しないのかもわかりません。だからといって、後になって歩道をつけるということになりますと、かなりまたここにも余分なお金がかかってくるわけです。ですから、私がずっと前から主張しておることは、結局道路の上に電信柱をつくらない、それからまた、水道管も一定のところにきめてしまう、いわゆる両側に共同溝をつくっていったらいいのじゃないか。なるほど一ぺんにお金がかかるかもしれぬけれどもあとは金がかからない。いま見ていると、府県道にしても市町村道なんかに特に多いらしんですが、きょう舗装がなされたら、あしたはもうそれをほじくってしまって、水道を直してみたり、何を直してみたりやっているわけです。これじゃ金と追っかけっこになってしまうわけですね。それを私はずいぶん主張した。大阪のほうにつくった団地の千里ニュータウンなんかでは、大体それをやろうとしたんです。ところが、各省の縄張り争いで、なかなかむずかしかったが、そこら辺がどうやらできたということであります。そういうふうなことを考えてみると、何か各省の意見が対立をして、むずかしさがあろうかと思いますけれども、こうしたことは一体将来できるのかできないのか。これはもう電線も水道も下水も何もかも新しい道路にはつけないで、道路形態とすれば、全部いま言ったような形式をとっていく、こういうことが私は望ましいのじゃないかと思います。  それともう一つ、先ほど何回も申し上げましたように、自動車がこれほどふえていくし、通産省のお話もありましたように、まだ日本の国では現在四十八人に一台しかない、アメリカでは二・七人に一台だ。これがもっと進んでくれば、アメリカと同じようになるかもしれない。そうしますと、道路網というものを、こういうときに根底から新しい考え方のもとに立って直さなければならぬでしょう。かなり無理があっても、道路にはかなりのお金をかけて、人身事故などが起こらぬようにしなければいかぬじゃないか。こういうことが考えられますけれども、現在つくっておる道路でも、先ほど申し上げましたように、歩道がついていない新しい道路もあるはずです。こういった指導ではどうにもならぬでしょう。こういうことについて一体どういうふうにお考えになっておるのか。そこいらも十分御説明いただければ幸いです。
  34. 蓑輪健二郎

    蓑輪説明員 ただいまの御質問の趣旨、まことにわれわれもそのとおりに考えて、どうするかはわれわれに与えられている大きな責任だと思います。交通安全の面から考えますと、道路にいろいろ横断歩道橋をつくるとか、ガードレールで歩道車道を区別するとか、そういう応急対策、それからもっと恒久的な大きな対策の、二つに分けてわれわれ考えたいと思います。  恒久対策とすれば、先ほどちょっと説明いたしましたように、将来の自動車保有台数伸び交通事情を想定いたしまして、これが大体昭和六十年くらいになりますと、乗用車で約四・五人に一台くらいになります。この辺になりますと、車はさらにもっと伸びるとは思いますが、その伸び方は鈍化してくるのではないか。この約十年間、昭和五十年くらいまでの車の伸び方というものはパーセントが非常に高いものになってくる。ただ、それが六十年くらいになりまして、四・五人に一台というくらいに乗用車が普及いたしますと、それからの伸びのパーセンテージは非常におそいのではないかというふうに考えております。われわれはやはり昭和六十年くらいの水準を考えまして、これを一つの長期のビジョンといたしまして、約五十三兆円が必要だという想定をしております。これについて国民の総生産との関係を諸外国と比べてみますと、日本は諸外国よりも非常に大きな道路投資になってまいります。約五十三兆円を二十年間に投資いたしますと、国民総生産に対して三%をこえるような投資になっております。これがどうして諸外国に比べてそんなに大きくなるかと申しますと、いまの日本は、高速道路計画もございますが、一般国道なり県道なりの最初の改築を一次改築とわれわれは呼んでおりますが、まず二車線の道路をつくる、これが非常におくれております。この分を高速道路及び幹線道路の建設とあわせてやらなければならぬというところに非常に投資伸びているのではないか。そういうような大きな将来の長期計画に基づいて道路整備する。これが大体五十三兆円あれば、そのときの交通の混雑の状況を推定いたしますと、いま混乱していると思われる道路をほぼ全部なくす状態になると思います。そういう長期のビジョンと、もう一つは、なかなか二十年後までそれを待ってもおれないし、応急に安全の対策をいたさなければならぬ。この二つの柱で交通安全というものを考えていきたいというふうに考えております。  また、先ほどお話がございましたように、歩道でございますが、全部の道路歩道をつけるということが一番いいわけでございますが、非常に道路の建設費もかかるわけでございますので、非常に歩行者の多いところと少ないところに分けて、逐次歩道のついた道路をふやしたいという考え方でおります。  また、車道歩道分離につきましては、一番最低の分離の方法としては、一つ道路をつくりましたら、車道の外側線を引くことだと思います。外側線を引きまして、その路肩を舗装いたしますと一メートルくらいの、かなり人の通れる余地ができる。そういうことでまず分離する。その次の分離は、やはりガードレールその他で明らかに、車が歩行者の通っておるところに飛び込まないように、こういう形で分離していく。さらに歩行者の多いところなんかには、車道面より高い成規の歩道をつくっていきたい。この三段階でいまのところ考えていきたいと思います。ただ、いまおっしゃいましたように、現在つくられている道路については、われわれもほんとうのところ、もう少しそういう歩行者の安全を考えて、多少舗装延長が縮まっても、路肩を全部舗装して、歩行者が路肩を通れるように、そういうようなことにわれわれもいま以上に指導していきたいというふうに考えておるわけでございます。  もう一点の、埋設物につきましては、これは、舗装してもすぐ掘り返すというようなことをわれわれ往々言われます。実は、まず幹線道路、まあ、国道、こういうものについてはいろいろ地下埋設物を行ないます人と道路管理者と、毎年、一年に数回協議会を設けまして、いろいろ埋設の時期と舗装の時期を調整するようにしております。それで一番問題になりますのは、やはり道路舗装する時期とほかの埋設物関係の計画とがなかなか合わないということだと思います。埋設物を保持すればもう一、二年あとでもいいのだが、舗装だけはことし中にやってくれというようなズレがあると思います。しかし、国道みたいに非常に交通量の多いところについては、できるだけそういうものはわれわれの計画に合うような形で埋設をやってもらうように協議会を開いてやっております。この点はさらに国道とか、そういう幹線だけじゃなくて、将来やはり市町村の末端までそういうようなむだがないようなふうに指導していきたいと考えておるわけでございます。  また、現在の都内の都道でございますが、どうもわれわれが見ましても、明らかに車道歩道分離もないし、じゃ、ガードレールをつけるかということになりますと、ガードレールをつけるとすると、商店の荷物の積みおろしにも支障を来たしてくるので、非常に苦情も出てきます。そういうところではガードレールをぽつぽつと間を置いてやるとか、いろんなくふうをやっておるのでございますが、こうなりました原因というのは、まあ道路をつくったときにはこれだけの交通量を考えなかった。ほとんど歩行者だけで十分必要な道路の幅をとったのでございますが、それが最近非常に都内の幹線で混みますと、いままであまり車が通らないような計画でつくったような道路にまでどんどん車が入っていくというようなことが一つの原因じゃないかと思います。それにしても、やはり都内の交通が非常にふえたことに対しては、道路の面積をふやすというような長期的な考えと、先ほど言いましたガードレールその他を地元の了解、協力を得まして、できるだけつけていくというような方向を考えていきたいというふうに考えております。
  35. 秋山徳雄

    ○秋山小委員 まだ他の人の質疑があるようですから、できるだけ私の質問は遠慮したいと思いますけれども、皆さん方のお話を聞いておりますと、もっともらしい説明にも聞こえますし、だからといって、それじゃ、交通安全の目的が達成できるかということになりますと、なかなかそこまでいっていない、こういうことのようであります。ですから、何回か言うようですけれども、現在ある道路をまず歩行者に不便がないようにしてもらいたい。そうしてまた、少なくも、自動車同士の事故は別といたしましても、まず歩行者に対しての危害が加えられないように考えるのが優先じゃないかと思うわけです。ところが、いろいろ道路関係の人たちのお話を承りますと、それよりも先に、産業構造がそうなっておるのかもわかりませんけれども、まず自動車のほうを先に考えて、ここでは事故も起きたのだから横断歩道橋をつくろうとか、あるいは地下道をつくろうとかいうことが考えられがちのようでありますが、そういうことは私はあべこべじゃないかと思うんですよ。もっと強いことばでいうならば、かなり広い、道路が二、三問以上の場合には、そういうところを舗装するときにはまず先に横断のことを考えていただいて、陸橋なりあるいは地下道なり、そういうものを先にやってから、舗装を行なうというふうにつとめていくことができれば、まず事故は先に防ぐことができるのじゃないか、こういう気がするわけです。  そこで考えねばならぬことは、この表を見てもおわかりのように、府県道や市町村道になりますと、舗装の関係もあるいはまた改良の関係も率は非常に低いわけです。これはなぜそういうことが起こるのかといいますと、やはり財源問題だと思うのです。多くの財源は国が吸い上げちゃって、だんだん効率の悪いものが府県、市町村にいっているということじゃないかとも思われるわけです。ですから、府県なり市町村なりに対して道路の維持費なりあるいは改善の費用なり補助金というものをもっと大幅に出す必要があるのじゃないか、こういうことが考えられるわけです。それがなければ、予算にしばられちゃって、やりたいところもなかなかやれない、こういう事態が起こってくると思います。ですから、そういうものを全部洗いざらい出していただいて、そうしてその上に立って、総額でどれだけの膨大な金になるかわからない、しかしそういうものを見て、それでは順次こういうものからやったほうがいいのじゃないか、そうしてまたこれを何年くらいまでに——いまの御説明だとだんだん自動車保有量も頭打ちになってくるというふうなことも考えられますので、それまでの間にどれとどれとどれをやったらいいか、こういう案が生まれてくるだろうと思うわけです。ですから、こういった小委員会というものは、皆さん方に苦情や何かを言うのじゃなくて、皆さん方と一緒になって、どうしたらば交通安全の目的が達し得られるか、こういうことを検討する委員会だと私は思っております。ですから、あなた方がもしかりにいままでの考え方をここらで言ったほうがいいのじゃないかということがあったら遠慮なく言っていただいて、そうして、あなた方が大蔵省に向かって予算を獲得しようと思ってもなかなかむずかしさが出てくる、そういう場合にこそ私たちができるだけ皆さん方のしり押しをして、予算を獲得しなければいけないのじゃないか、こういう考え方の上に立ってこういう小委員会ができたと私は了承しております。ですから、そういう気持ちで御協力をいただければ幸いだと思うわけであります。  そこで、先般来労働省からもいろいろお話を聞きましたけれども、タクシーでいえば、ノルマが非常に強過ぎて、無理な労力を使っているのじゃないか、こういうことも考えられなければならぬでしょう。それにはやはり最低保障をどの運転手さんにもできるように、国の施策の上に立って行なっていく、それでもなおかつ悪い人があるかもわからない。そういう不心得者に対しては厳罰を科するのもけっこうだと思いますが、道路が完備しているならば、歩行者に対して、道路規制を守らない場合にはこの人にもかなりな罰をやってもいいのじゃないか、こういう気もするわけですけれども、そういう声も確かに方々にあるはずです。あるのだけれども、現状の道路を見ていった場合に、いま歩行者に対してそれだけの何か罰するような条項をつくっても、これは無理じゃないかという気もしないわけではありません。ですから、まず第一に考えるべきことは、道路の形態を十分に考えていただいて、それに伴った多くの予算が必要かもわかりませんけれども、できる限り重点的に予算をいただいて整備をしていく、こういうことではないかと思います。  同時にまた、通産省のほうの関係になりますかわかりませんけれども、先ほど誇大広告がどうのこうのという話があったけれども、誇大か誇大でないかは別といたしまして、やはりスピードが出るから車の性能がいいんだということかもわかりませんけれども、やはりそういったことはかなり規制をしていく必要があるのではないか、こういう気もするわけであります。そしてまた販売のときには、できればさっき言ったように、山坂を登るときには力が出て、平地を走るときにはあまりスピードが出ないような、何か規制の方法があれば一番いいのですけれども、これは現状において無理だとするならば、それらに対しての研究費も何かの形で出すことにしてもらって、検討を進めるべきじゃないか、こういう気もしないわけではありません。したがって、これには御回答は要りませんけれども、これらについても十分考慮していただくことができれば幸いだと思います。  以上で、私の質問を終わります。
  36. 亀山孝一

    亀山委員長 門司君。
  37. 門司亮

    ○門司小委員 私、ごく簡単に二、三の質問を申し上げたいと思います。  いままでの質疑あるいは御答弁を聞いていますと、いずれもちぐはぐであって、どうもまとまったものがないような気がいたします。われわれがいま検討しなければなりませんのは、一つは当面の交通事故をどうするかということと、それからもう一つは、将来これをどう解決していくかということ、この二つに分けてお話をしていただくほうがいいんじゃないかと思います。たとえば、一つの問題をとりますと、通産省からのお話しのように、日本では四十八人に一台、アメリカでは二、三人に一台、イギリスその他西欧が六人だ、こういわれておりますけれども、これは持っておる台数事故との関係は比例しないのです。これはやはり道路の関係です。それから面積の関係です。たとえば、東京都の道路の面積は約一〇%でございます。ロンドンはこれが四〇%になっておる。この道路の広さと都市構造というものの関係をやはり見ないわけにはいかない。また、ニューヨークに比較してみると、ニューヨークは御承知のようにマンハッタンという一つの島に、地下道を入れますと、三十六の放射線状の道路がある。東京は一千万の人間がおるが、ニューヨークは八百万であります。この面積と、これに通ずる道路の数を一応考えてみると、多摩川に橋が大師橋から上まで幾つかかっているか、荒川に幾つ橋がかかっているか、こういうものをずっと勘定してまいりますと、車の数は非常に多い、東京都内の道路の面積は非常に少ない、しかも、それがほとんど一カ所に集約されておる、入るにもそこに行かなければならない、出るにもそこに行かなければならない、このむだな——と言うと言い過ぎかもしれませんが、実際必要以上の混雑さというものが一向解消されていない。それの最も大きな実例は、総理府にも考えてもらいたいのだが、横浜から東京に通ずる非常に速いハイウェイができておる。横浜から東京まで出るのに二十分、しかし東京に入ってくるとにっちもさっらもいかない、どうにもならない。一体どういうわけか。恒久策を考えるというのならば、現在のそうした都市構造における道路網考え方、交通量からくる道路網というようなものが、やはり考えられなければならない。  それから、もう一つの大きな欠点は、日本の場合、先ほども通産省からちょっとお話が出ましたけれども、産業構造との間の、いわゆる生産との関係の道路というものがたくさんある。しかし、一般交通に資する道路というものが一体どうなっておるかということ等については、あまり考えられていない。私は、やはり道路自身の構造あるいは道路自身の目的というものが、少なくともさっき申し上げましたように、目的別にある程度勘案された道路でなければ、貨物も大型も小型も自転車も一緒くたに走っているところに日本の今日の交通難一つの大きな原因がありはしないかと考えられる。こういう問題が、さっき申しましたニューヨークの場合なんかはわりあいに緩和されておる。大型の車で、それが主として波止場に行くものであるとか、市場に行くものであるとか、あるいは工場地帯に行くものであるとかいうふうになっておる。こういう問題を、どこでだれがどう調整しておるかということが政府にありますか。これは総理府はどうなんですか。いま関係者を集められておりますが、そういう問題を全部総合的にお考えになっておるところがあるのですか。ただ末梢的な問題だけをとっても、どうすればいいかということは一向にわからないのです。だから、これはそういう問題についての将来への計画一つでありますが、一体どこでこれが調整されておるか。もし調整されておる場所がありとするならば、はっきりしておいていただきたい。そうすればわれわれはそこに向かってやはり意見を申し上げ、話を進めていかなければならない。いまのようにばらばらになっておるところに、どんなにばらばらに交渉してみたって、まとまるところがなければ、結局まとまらないことになる。その点、総理府はどうですか。
  38. 宮崎清文

    宮崎説明員 先ほども秋山委員の御質問にお答えいたしましたように、交通安全施策というものの範囲がどこまでであるかという問題は、非常に大きな問題でありまして、それによって、いかなる部局で調整をするかということがおのずからまた結論が異なってくるかと思われますが、現在の総理府におきましては、おおよそあらゆる問題につきまして各省庁間で問題があれば、これを調整するのはある程度総理府に属しておりますので、一応形式的には総理府が総合調整の機能を責任を持つ、かように私は考えております。問題は、しからばいま先生が御指摘になりました、たとえば道路計画そのものは、一体自動車生産との関連はどうであるかということになりますと、先ほども申し上げましたように、これがどの程度交通安全に具体的に影響してくるか。交通安全に具体的に影響してくる限りにおきましては、これは現在の所掌で申しますと、私どものおります陸上交通安全調査室の所掌になるのでありまして、それを越えますと、たとえば審議室とか、そういうところの問題になりまして、その点は率直に申しまして必ずしもはっきりしておりません。実際私たちが仕事をやっておりましても、そういう問題にぶつかるのでありまして、その点は、率直に申しますと、一つの悩みになっておるのであります。ただ、それでいいかといいますと、決していいわけではございませんので、何らかの方法でそういう問題は将来打開していかなければならない、かように考えております。
  39. 門司亮

    ○門司小委員 いまの御答弁、全くそのとおりだと思う。総理府というのは調査室ですからね、計画を立てるところでもなければ何でもない。いま建設省から道路の改造あるいはその他でかなり高邁な理想のお話がございましたが、この高邁な理想ができ上がるまでは、いまの交通事故はやむを得ないというような考えだったらえらいことになってしまう、たいへんなことになってしまうと思うのです。私がさっきから申し上げておるのは、道路にしても、日本の道路構造自身をひとつ考えてもらいたいということなのです。行ってごらんなさい、道路の幅より橋の幅のほうが狭いでしょう。これは一体どうなるのですか。道路の幅と同じ幅の橋が何本日本にございますか。ほとんどと書っていいほど道路の幅よりも橋の幅のほうが狭いのです。橋の上は通らなくてもいいというのですか。  それからもう一つの問題は、日本の都市構造の中でわれわれが考えなければならないのは、長い間の戦国時代を通うてきた軍国主義の日本としては、防御用の道路が非常にたくさんある。城下町に行ってごらんなさい。ほとんどそうです。門前町はやや異なっておる。都市はおのおのその性格を持っておる。戦争になったとき、敵を食いとめるには橋のところが都合がいい。道路も同じことです。守るためには丁字型につくっておくと非常に防ぐのに都合がいい。こういう軍国主義的な考え方がいまだに政府の中に残っておるのではないか。こういう点は、一体建設省、どう考えておるのですか。最近新しくできている橋でも、道路よりも狭いですよ。橋の幅を広くするのに一体どれくらい費用がよけいかかるのか私はわからないですが、橋の幅が三メートルや五メートル広くなったとしても、そんなに金はかからないと思うのです。橋は道路のうちだと考えてもらいたい。橋は違うのだ、道路ではないのだというなら別の話ですよ。こういうところに不必要な混雑、不必要な事故を起こしておる。当然考えられるべきものが考えられておらない。将来、やはりああいう橋をかけられるつもりですか、建設省は。これから直すつもりですか。どっちですか。はなはだ不見識なことを聞くようですが、聞いておかなければいけませんから聞いておきます。
  40. 蓑輪健二郎

    蓑輪説明員 ただいまの、道路の中で橋の部分が非常に狭くなっている、そういうような橋がまことにたくさん見受けられます。それは昔とばかり言えませんが、やはり道路をつくる場合に、橋梁になりますと非常に金がかかるということで、同じ歩道でも、歩道の幅を狭くし、車道でも駐車できるような駐車帯を狭くするというようなことがございます。ただ、いままでわれわれ一級国道改築をやってきたのでございますが、一級国道の新しい改築については、道路の幅を同じにしろということでやっております。現在の道路というのは、車道と路肩とございますが、二十メートル未満の橋については、当然前後の道路の路肩と同じでなければいかぬということでいまつくっております。一級国道改築については、全部橋の幅を道路と同じにしてございます。ただ、やはり二十メートル以上、ことに百メートル以上になりますと、非常に工費がかさむということで、その間は路肩を、普通の道路でいいますと五十センチ以上なければならないものが、長い橋になりますと二十五センチに狭めております。これはやはり費用の関係だけだと思います。しかし、いまおっしゃいました東京の周辺の橋で、前後の道路より狭くなっている、それが非常に交通のネックになっているという現象、非常に見受けられますが、これはかなり前につくった橋で、どうもその当時の道路投資の問題でそうなったんだとわれわれ推測しておりますが、できるだけそういうものについては、さらに再改築をして車道をふやす。及び歩道のないものについては、歩道を橋の外に添架するというようなことで、応急の交通対策考えていきたいというふうに考えております。いま先先おっしゃったことははなはだごもっともでございまして、われわれこれからの橋の構築の際には、前後の道路より狭くするというようなことはできるだけやめていきたい。また、先ほどお話ございました城下町の丁字路みたいなもの、こういうようなものは、やはり交通の流れを非常に阻害するような道路のルートのとり方でございます。こういうものはできるだけやめる。やむを得ないときには、非常に大きな交通量があるときは、そこを立体化するとか、交通の流れをよくするということを考えていきたいと思っております。
  41. 門司亮

    ○門司小委員 答弁、納得しがたいですね。長いやつをはっきりしておいてもらいたい。この橋は、日本で二番目に長い橋だ。その阿賀野川の橋を渡ってみたが、幅が狭いですね。どうしてこんな狭いままにしておくのだろうかという気がするのですが、ほんとうに大型のトラックがすれ違えない。いまごろかける橋にどうしてこんなことをするのか。しかも、それは日本で橋の長さでは二番目です。こういうものは配慮されるべきだと思うのです。そうして両方に人間の歩くところ、自転車の歩くところくらいは、張り出しででも実際につくれるのじゃないかと私は思うのですよ。親切にそういうものをやっていただくことはいいじゃないか。それで、こういうことをなぜ申し上げるかというと、かりに現在の橋の外に人道を狭いものでもかけられるとすれば、これは、私はしろうとだから、学問的にはそういう重量に耐え得るかどうかということはむずかしいと学者は言うかもしれないけれども交通行政に対しまする心理的影響というものを考える必要がある、いまの日本の場合は。これは、歩道ができたのだ、自転車道ができたのだというようなことで、一面考えていくと、お互いが気をつけなければならないのだという感じが起こる。いまの日本の交通行政の中には、昔からのいろいろな思想的の問題がたくさんあると思うのです。一つの問題は、従来は自動車に乗っておる者はいわゆるお金持ちだということで、道路を歩いておる人は、何となしに下層階級——ということばを使えばどうかと思いますが、ある意味において大名が通るんだ、下におれというような気持ちでやはりおったのではないか。これがずっとだんだん高じてきて、そして歩行者優先ということがだんだん忘れられてきた。歩行者のほうもまた、一方においてはそういうものだから——いまの白い線で書いておるようなところも昔はなかったはずであります。それですから、その間を縫って、そしてできるだけ自分が早い時間に早く目的の地に行こうとするものの考え方が、私はあったと思う。今日の交通行政の中で最も考えなければならぬのは、いろいろな施設はありますけれども、もう一つ問題は、人間の心理的影響をどう一体把握していくかということです。いまダンプカー、砂利トラなどで事故を起こすのが多い。一メートル上に乗って下の自動車を見おろしておるから、若い運転手は優越感を感ずる。ぶつかってみるならばぶつかってみろ、おれのほうが強いんだ、これは人間の心理です。今日の交通事故の問題を考えていきますと、そういう人間の心理状態というものを十分考え対策を立てていかないと、ただ表面にあらわれたものだけではいけない。人間がそうさしておるのですから、そして人間が傷害するのですから、人としての考え方というものが私は必要だと思うのです。そういう面に対しますいままでの御答弁を聞いておりますと、どうもはっきりいたしません。  それからもう一つここでお聞きをしておきたいと思いますことは、交通行政と道路行政、あるいは運輸行政というようなものの問題がどういうふうに交差しておるかということです。これはここで言っていいかどうか、私はわかりません。しかし、申し上げておきたいと思いますことは、たとえばさっき阿賀野川の話をしましたが、私はつい一週間ばかり前佐渡に参りました。佐渡は道が非常に悪い。それから四、五年前にも、私は二、三日佐渡に行きました。大体全島自分では歩いたつもりですが、離島で一番大きな佐渡はどういう形になっておるか一応見て歩きましたが、そのときにいろいろ話があった。車の話が多かった。それから事故の問題もあった。一つの問題は、どうも佐渡に来る自動車というものはあまり質のいいものは持ってきませんで、こういうところですから、本土——というともの笑いになりますが、こちらのほうでかなり使った中古ぐらいのものしか入ってきませんでね、結局いろいろな問題が起こりがちですよというある人の意見もありました。あるいはそれもそうかなと実は考えられた。島流しというと何ですが、こんなところにはいい車は持ってきませんよという話をしておる人もあった。それも一つ考え方だと考える。だからといって、交通事故が多いということとは別です。その中でもう一つの問題は、ここが観光地帯で非常に観光客が多いので、それをどうするかということで一つの要望としていまあらわれておるのが、フェリーボートをこしらえて、乗用車その他がどんどん佐渡に上陸してもよろしいというようなことも考えておるらしいという話をちょっと聞いたのです。そのときに直感したのは、それはいいかもしれない。しかし、佐渡のいまの道で、この上自動車がふえて、本土のほうからどんどんレジャーというような形でいろいろな車がここに乗り込んできたら、一体ここの交通状態はどうなるんだろうということを考えると、これはどうもちょっとそれでいいのかという気がするのですが、こういう問題についてどこかチェックするようなととろがあるのですか。運輸省の関係からいっても、フェリーボートをこしらえたってたいしたむずかしい問題ではないと思うのです。船の構造をそういうものを運べるようにすればいいのですから、許可するとかしないとか大きな問題にはならないと思う。しかし、交通事故の問題から考えると、そんなことをしたらえらいことになりはしないか。ことに土地勘が全然ない人が来るのですから、道も狭い、あの島に限られたところだけですから、いまでさえ軒をかすめてバスが通っておるところに、土地勘のないたくさんの車が入ってきて自由に歩けるということになると、それこそ自由が不自由になってどうにもならないことになる。こういうところは日本の諸所に見受けられる。ことに観光地帯にこういうところが多い。私、神奈川県の横浜におりますが、鎌倉に行っても逗子に行っても、日曜祭日などはどうにもならない。歩いていったほうが早いくらい車が多い。たとえば青森県の十和田湖がそうですね。春先と秋ごろ行ってごらんなさい。あそこは十七キロくらいなのに六時間くらいかかる。歩こうったって歩けない。どうにもならない。歩こうったって歩けないから、事故はないかもしれない。しかし、道路の構造、道路の幅、あるいは交通量というものを考えて、無制限な、車はどこへ行ってもいいのだというようなことをチェックすることはできないものだろうかということをつくづくというか、ときどき考えるのですが、こういう話し合いは政府のほうでどこかでやられていますか。運輸省運輸省で許可すればよろしいのだ、通産省通産省でそれでよろしいのだ、あとは起こった事故はどこかでやるだろうということでは、事故にあった人が災難だと思う。
  42. 宮崎清文

    宮崎説明員 御指摘のような点でございますが、何か問題になりましたときには、これは御承知と思いますが、総理府交通対策本部というものがございまして、これはおよそ交通に関係のある各省庁の事務次官からなっておりまして、総理府の総務長官が本部長である一種の会議体でございますが、基本的な個々の問題につきましては、必要のつど交通対策本部等にかけまして、各省庁間の調整をはかっております。  なお、先ほど申し上げましたように、常時仕事をしております機関といたしましては、交通安全につきましては、私ども調査室と、あとそれ以外の万般の問題につきまして総合調整をいたす審議室等が総理府にございますので、あらかじめ予想される問題というような点につきましては、一応いつも検討はいたしておるつもりでございます。
  43. 門司亮

    ○門司小委員 時間もちょうど小委員長の宣告の時間になりましたので大体やめますが、この中で非常に重要な資料だとして私いま見ておりますのは、一番最後につけてあります「交通安全施設整備による交通事故減少率」と書いてあるのがございます。もしこれが事実だとすれば——これは私は事実だと信じたいのですが、こういうことがモデル地区だけでも取り上げられたことによって、道は五百五十キロですからたいしたものじゃありません、路線も十路線でありますが、もしこういうことが完全にあるとするならば、私はこれは非常に貴重な、実際はわれわれが検討するに必要な資料だと考えております。いろいろ資料が出ておりますが、この資料のどれを見てみましても、これでいまの交通事故がなくなるような感じはあまりしないのであります。高邁な理想があったり、現実と合わないようなものがあったりいろいろしておりますが、私は、この資料がほんとうにこういう形で、たとえば信号機ができたことのために人間の死ぬのが半分以下になったというようなこと、これを見ますと、事故の数が非常に減っております。だといたしますと、こういう施設、こういう制度が早急に取り入れられないかどうかということです。この拡張はできないかどうかということです。これは現実にこういうものがあるのですから、かりにこれが全体の道路あるいは全体の路線に行なわれるとすれば、いまの事故率の半分くらいになるということが、率直に言えると私は思うのです。こういうものはどうなんですか、やはりやれないのですか。これは建設省警察庁などでおやりになったかしれないが、どういうことですか。
  44. 蓑輪健二郎

    蓑輪説明員 ただいま説明を落としましたが、この「交通安全施設整備による交通事故減少率」この表でございますが、これは実は三十九年にモデル区間ということで十路線、五百五十キロ設けました。東京でいいますと、甲州街道、日光街道、こういうものを取り上げて、非常に交通事故の多発地点をモデル地区として取り上げまして、そこにいろいろ信号機なり歩道、こういう施設をやりまして、その前とあととの統計をとったのでございます。これがこの資料でございまして、これが昭和四十一年から交通安全施設の三カ年計画をつくったもとになる資料でございまして、実はこの数字というものは、モデル路線で十路線、五百五十キロ、たとえば東京でいえば甲州街道、一番多いようなところだけをとりましてそこでやった。これは、こういうとりあえずの安全施設をやればこれだけ減少するというマキシマムの値ではないかと思います。だんだんこれが甲州街道みたいな四車線の道路でないところに行くと、またかなりこの数字は違ってくるのではないかと思います。こういうことをやりますと、交通事故の多いところについてやはりこれだけのものができるという確信をわれわれは得た。これに基づいていまの全国約四万キロのものについて安全施設を急速に整備しようという計画資料にしておる次第であります。
  45. 片岡誠

    片岡説明員 いま道路局長から御説明がありましたように、建設省警察庁一緒になりまして、このモデル区間についてやりました資料であります。この資料に基づきまして、道路局長から御説明があったように三カ年計画対策を立ててみた。現在、これ以外につきましても、私の経験によりますと、たとえば信号機をつけますと、歩行者事故はまずほとんど皆無に近くなってまいります。ただ、信号機をつけたことによる車両同士の追突事故というような事故は、信号機の設置直後はふえている。信号機がないところに信号機ができたために前の車がとまって追突するというような物損の事故はふえますけれども歩行者事故については、半減、一番いい場合にはほとんどなくなるというのが現状でございます。
  46. 門司亮

    ○門司小委員 これは私の意見だけ申し上げておきたいと思いますが、実は私のほうの党でこしらえたものを皆さんのほうに一部ずつお上げしてあると思いますが、これについては各省で検討していただければけっこうだと思います。  それからもう一つ事故道路の関係、道路の利用率というようなことで御答弁が願えれば幸いだと思いますが、たとえばいま神戸と名古屋間にハイウエーができておるわけであります。あの利用率であります。あの利用率は、当初建設省計画したよりも二%か三%——一〇%も下回るほどの利用率しか現在ないようなことを私聞いておるのでありますが、もしこれが事実とすれば一体どこに欠陥があるかということになれば、あの料金が約二千円近くかかるという通行料といいますか、料金のほうが非常に高いので、そういうばかばかしい商い料金は運輸関係からくるコストの中にとても消化し切れないということで、せっかく道路はできたけれども、そういうことであの道路をほとんど使用してない——使用してないと言うとおこられるかもしれませんけれども、最初見込んだより九〇%以下にしか使用者がないという話を聞いておるのです。これが事実だとすると、とんでもない話だと思います。ばかばかしいたくさんの金をかけてりっぱな道路をこしらえて、利用度が当初の目的よりも非常に少ないということになれば、道路自身何にもならない、したがって事故の防止にもならない、こういうことになろうかと思う。したがって、経済効果もほとんどない——ないと言うとおこられるかもしれませんけれども、きわめて少ない。それが、ただ問題は通行の料金が非常に高いから、これが運輸関係の採算ベースに乗らない、こういう理由だとすると、まことに不可解なものができて、一体何のためにこしらえたか私どもにはわからなくなってくるのですが、どこかそういう統計を全部お調べになったところはありますか。
  47. 蓑輪健二郎

    蓑輪説明員 ただいまのお話は、名神高速道路のことだと思います。実は名神高速道路計画と現在乗っておる台数との正確な資料を持ち合わせておりませんが、私記憶によって御説明いたしますと、車の実際乗っておる台数計画とほぼ同じ程度になっているのではないか。ただその内容が、当初トラックの利用が相当多いという予想に対しまして、非常にトラックが少なくて乗用車が多いというようなことが、事実としてあらわれておると思います。これはトラックがなぜ少ないかということになりますと、ただいまおっしゃいました料金の問題、これもあろうかと思います。また、やはり高速道路を主体として、一つの日本の輸送の業態がまだそこまでいっていないのじゃないか。また、百九十キロばかりの名神高速道路では、高速道路を利用する陸上輸送へのトラック輸送の切りかえということは、なかなか困難でございます。そういう意味で、やはり当初の計画よりはトラックが少なくなっているのではないか。また、乗用車のほうはかなりふえておるということは、当初われわれが予想したより乗用車についての保有台数全国的に非常にふえてきておるということが、一つの原因ではないかと思います。また、あれだけのばく大な投資をして効果がないのではないかということも言われますが、やはり相当台数が乗っておりまして、あの部分がもしかなかったとすれば、一号線が非常に混雑して、現在何ともならなくなっているということもございまして、そういう現在一号線を通っておる交通量などとあわせて考えてみるならば、やはり効果があったのではないかというふうに考えております。また、あの名神高速の中を見ますと、神戸から大阪−栗東間、この間はかなり成績がいいのでございます。栗東から関ケ原を通りまして小牧、このほうは、通ってみてもあまり車は通っていない。これはやはり東名高速とか、そういうものとつながらないとほんとうの交通量が乗ってこないのではないかというふうに考えております。
  48. 亀山孝一

    亀山委員長 門司君よろしいですか。
  49. 門司亮

    ○門司小委員 ええ。
  50. 亀山孝一

    亀山委員長 それでは本日はこれにて散会いたします。    午後一時二分散会