○藤田進君 議事進行のために、
日韓問題に入る前段に、
委員長はじめ意見を申し上げ、ただしたい。
いま
国民は、おそらく
日韓条約に賛成の者はもとより反対の者でも、本月、十一月六日の衆議院特別
委員会の事情、さらに引き続いて十二日における衆議院の事情、これらについてはおおむね有力な意見は出尽くしてもいる。それから見ると、
日韓の問題について、
委員会の運営をはじめ本
会議の運営等を含めて、なぜもっと掘り下げた、
政府は
政府として、答弁を回避しないで、十分なる答弁をすると、そういう声がほうはいとして起きているときであります。ところが、一昨日、二十日の
委員会の職権における事情、またその席上
寺尾委員長は、決して強行採決であるとか、いやしくも非民主的な
委員長の運営というものはしないということを確約したのは一昨日のことです。それが本日また繰り返し職権という、この
委員会の招集をし、会派間のまとまりもないままにただいままでの運営をやってこられた。いわば衆議院における、かようなあるまじき違憲的なあの状態が、すでに参議院の自民党なり
政府には感染してきてやることを証明するものです。私どもは、
日韓問題については衆議院の事情を踏まえた上でさらに
国民によく
日韓の
交渉なりその結果としての
条約、
協定を掘り下げてよく知ってもらおう、ついては、参議院の特殊事情として、みずからも言われているような
委員が一名のところ、いわゆる小会派というか複雑な多数会派を持っている参議院としては、ほんとうに民主的に、しかも慎重に
審議をするためには、理事懇談会にも応じ、特別
委員会に名簿も送り、そうして一昨日の土曜日にも理事懇談会に臨んで、今後運営される
日韓に対する方法についてるる協議をやってきた。そうして本日月曜日、二十二日に再び集まろうということで、私ども定刻にちゃんと出席して、いままでに
政府に対してもできるだけ早目に資料を要求することのほうが適当であろうということで文書にし、そうして本日は各省庁の窓口の諸君にも来てもらって、いろいろ取り違いのないように、提出の時期を含めて相談をやってまいりました。さらに、
委員長が
議題として出してきたところの
委員長及び理事打ち合わせ
事項の
委員会の持ち方、質疑の方法あるいは時間、質疑の順位あるいは公聴会の開会の要求に関する件、さらに今後の
委員会の持ち方、これがようやく夕方四時前後になって自由民主党からも一つの
提案があって、質疑順位については、まあ十人ぐらいまでとりあえずきめていったらどうだろうかということにも同調をして、これもきまりかけていた。ところが、全体の
審議をいたします土俵というものが一体いつまでかという意思統一がないと、各会派においてもそれぞれの質問者に質問時間を割賦するわけにもまいりません。したがって、そのことを相談をしようということであり、公聴会については、自由民主党は中央公聴会を一日一回ということに対して、
審議を深める意味においても、地方公聴会を少なくとも複数の数カ所設けたらどうだろうか、そのやり方については、能率のあがるようにというようなことになり、与党自民党の理事とされても、ここでいきなりきまらないから、ひとつ持ち帰って相談をしたいと、それじゃわれわれのほうも質問時間なり、あるいはその質疑順位なり公聴会について等、会派に相談をいたしますから、自由民主党も相談をしてもらいたい、その時間は十五分くらいで何とかならないだろうかと言ったのはむしろこちらのほうなんです。まあ十五分はともあれ、短時間の打ち合わせで集まって、
委員長を囲んでの理事打ち合わせ会において、突如として、
委員長が公約した、速記をつけての、おとといの無理はしない——今朝来打ち合わせ会でもしばしば
委員長は言明した、そのようなことはいたしませんと言ったことに反して、ここに職権で開くということについては、伝え聞くところによると、
委員長はそのような手荒なことはしたくない、そういうすべはとりたくないと言ってこられたように——私はこれは伝え聞くところですが——ところが、自由民主党を代表する五名の理事、またこれの背後にある機関が、しゃにむに
委員長をして今日このような事態に追い込んだものと解するほかは実はない。(「そういうことはないぞ」と呼ぶ者あり)それじゃ、
委員長がじきじきにこういうことを始めたのか、君にあとからまた答弁を願わなければならぬが。このようなことでは、
国民が期待している
外交問題については、ことに
日韓の問題については問題が多い、衆議院はかかる事情だということで、出発点をお互いに踏まえて、
委員長が公平に中立の
立場で運営をされるということがなければ、これは先が思いやられるんです。私は、いきなり質疑に入ろうとされたけれども、そういうやり方について、
委員長はどういう事情のもとにこうせざるを得なかったのか、
委員長をしてだれがそうさせたかという、これは皆さん
委員の中にも意見が出ているように、ぜひ聞きたい。こんなことで今後の
委員会というものがスムーズに持てますか。何でもかでも多数がきめ、
委員長を押し出して、押し上げて、突き上げていけばどうにでもなるんだと。私は、衆議院の事態等については、あらためて質疑の申し合わせができた日から佐藤総理大臣に、施政方針演説、所信表明、さらにしばしば言われているその政治に対するかまえというものと実際にやられておられることについては、どうしても
国民の納得のいくようにたださなければなりません。きょうは
委員長にまずこれをただしたい。
繰り返して要約いたしますと、
委員長が就任される
委員会そのものも、必ずしも円満なスムーズな状態ではなかった。しかし、それはそれとして、就任された当初のあいさつなり質疑の中から、いま行なわれておるような、いやしくも職権でというようなことはいたしません、こういう明言をされているにかかわらず、今日このような取り運びをされたことについての経過と、
委員長の所信と、また今後に対する——聞いてもむだかもしれない、言ったこととやることは違うのだ。しかし、あらためてここで聞きたい。
第二点は、以上申し上げた要約としては、一体
委員長としては、いま
国民は何を望んでおるか。与党の理事打ち合わせ会における発言を聞くと、汽車をまず出してからの話にしようじゃないか、こう言うのですね。それじゃダイヤに組んでいない列車を出したらどうなりますか。いわんや、新幹線に乗るのか旧東海道線で行くのか、青森か下関かわからないままに、とにかくけんかをぶっ始めていけば何とかなるだろうというような、第二院の良識を期待されておる参議院の
委員長としてそういうことでよいのかどうか。
国民はどう考えておるというふうにあなたは把握されておるのか。これが第二の点であります。
また第三の点は、理事打ち合わせ会等で、私ども議事の進行については全く献身的にやってきたはずです。滞りなく話し合いがきまって、最後まできめられないものについては、これはしようがないです。そこまでやってきたのだが、公明党を含めわれわれ野党の理事、これが打ち合わせ会において、
委員長をしてかくあらしめた
理由があったのかなかったのかはっきりしてもらいたい。それではほんとうに
国民は失望するでしょう。
あとさらにございますが、多くを申し上げて、答弁漏れになることは私の好むところでない。
以上三点について、議事進行上、この際あなたのほんとうの心というものをまず御答弁をいただいて、私が納得いくものなら納得をして、あらためて質疑にも——質疑、質疑と言われますから——入りもいたします。きょうはこのまま入れるような状態ではないのです。わかりましたか、質問の要旨は。わからなければまだ言いますが、とりあえず三つについて納得のいく
説明をしてもらいたい。