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田中一君 私はね、
小西君並びに
大臣、この
法律の
内容というか、
審議にあたって質問するのはいやなんですよ。これは
委員長だったかな、
——委員長も一年か半年でやめちゃう。
小西君だって、
事務局長だって、長くいて二年いたかどうかだ。何というか、やめるために最後のおつとめとか、どこかヘジャンプするために足場とかという形でもってのみこうした
制度の
行政機関があるわけなんですよ。もう私は質問する熱意すら失う、ばからしくて。これはむろん
内閣に対する
質疑という形でやっておりますければも、
答弁ですら的確な、真剣に取っ組んでいるという姿が見られないと私は受け取っているわけなんです。もう十五年たっている。
自然発生的に
膨張したからなんという無
責任なことばは聞きたくないのですよ。何がために、
首都というものを本物にしようか、いわゆる日本の民族の
象徴都市としての
首都を
整備し、
建設していこうかというところに狙があったのが、変な、不自然な
押え方をするから
抵抗度が強くなって、それに
政治が関与していく。しいて言えば
政治が悪いほうに悪いほうに裏道を通って、
自然発生という形でもって結果づけられてきているのです。
整備しよう、いい
都市を
建設しようという思想から出発したものが、無秩序というものでもって、現実にわれわれはそれによってあらゆる面の被害を受けている。これはもう私どもは、ずっとこの問題と取っ組んでいるからあえて言うのですが、ばからしくてしようがないのですよ。いたずらな
制限をするから、これは
局長が言っているように、全体の
計画を考えずに、いたずらに派生的な、現象的なものばかり追っかけていくから、その間を、盲点をついてはみ出していくのです。一体この程度のものでは、とうてい初めにわれわれが考え、また現在でも希望している、映像に描いている
首都というものはできるものじゃないです。たとえば、かってきめられた
グリーン・
ベルト、現在そのままです。そのままであって、これは
建設大臣も就任して以来、
建設大臣というより
委員長として就任して以来、おそらくその
地区を視察したろうと思うのです。
現状はどうなっているか。もうそれこそ
制限されて、
建設物のあらゆるものを
制限されていながら、実際がどうなっているかというと、無
制限に
工場なり何なりが乱立して、再びそれを
整備するとかしないとかの問題でなくして、
現状においては
無風地帯に建てられたものでありますから、
法律外の問題なんです。
法律外の問題は
法律で規制しようと思ってもできません。これは
緑地帯でございますから、
グリーン・
ベルトでございますからと言うから、建てられない。建てられないときまっているから、
建築基準法の届け出もしません。しないでいいんだから、持っていけば、これはだめでございますと言われるから、それを建ててしまう。そうして
グリーン・
ベルトにしてもそのままです。撤回するなら明らかにはっきり撤回して、建てるための
認許可あるいは確認とかいうものを行なわれて、秩序ある
建設がされなければならないのです。十何年たっていまだにそのままでしょう。無秩序なんというのは、そのような
無風地帯、
グリーン・
ベルトという
制限区域というものがあるからそこへはみ出していくのです。それは
抵抗が強くなるわけです。その
うしろにはやはり
政治という、悪い
政治の力がそれを援助しているのです。善良な
都民は、
自分の
私権というものを極度に
制限され、がまんしている。悪い
政治が介在している。それがもう非常に高い取引の対象になって売買されているのです。私は、
プラン・メーカーとしての
首都圏整備委員の
諸君、あるいは
事務局等が自主的な何らの構想を持たないでぶつかっていると思うのです。
公共事業として行なうこの
仕事が、各
行政部門の各
部署の
計画の
集合体にすぎない。乱雑な
集合体です。それを、一応それぞれの
行政機関の
意思をそのまま羅列して、そして
審議会に持ち込み、
審議会はそういうものを調べる、審査する権能はあると思うのです。あっても、そんなひまがない方々だけが
委員になっているのです。
東大教授であろうと何であろうと、
政府の息のかかっている人間がそこへ来て、一応
机上の
プランとして書いたものを
——机上の
プランとして魂がこもっていませんよ。各
行政部門、各
都道府県知事、いわゆる
地方団体の
計画に乗っかって
一つの取りまとめをしているにすぎないのです。観念的にはいろいろな寝言を言っております。人口の
社会増が年間二十万あるから、何とかこれをとめようじゃないか、学校をひとつよそへ持っていこうじゃないか、
工場の新設をやめさせようじゃないか。そんなもんじゃないのです。だから、こういうことを
委員長並びに
事務局長に私が質問しても、むだなんです。
首都圏整備の
委員長が、よし十年これに、政党がどうあろうと何がどうあろうと、腰を据えて、根をおろして、百年の将来を考えながら
街づくりをしようという決意がない限り、悪い
政治に左右されて、どう変えようとも
ほんとうに
国民が描いているような
街づくりはできないです。一年や二年でもってやめてしまう
委員長とか
事務局長とか、これらの
諸君に
責任をとれとか、
責任ある
答弁をしなさいとかいう
要求をするのが、いまの機構じゃ無理なんです。しかし、これもしょうがない。こういう
法律案がせめてもいい
方向に向かって実際に行動するのじゃなかろうかという
気持ちから、私はむだだと思うのだけれども、これから質問しようと思うのですが、
小西君もひとつつらいだろうけれども、これは
建設大臣もつらいでしょう。
建設大臣がこういう問題を、
近畿圏も兼務する、この
首都圏も兼務する、
建設省の
事業で一ぱいですよ。本気でやろうと思うならば、兼務なんかでできっこないですよ、実際これやろうとすれば。
それでは
最初に伺う。一番初めに出た
法律、二十五年に制定された
法律、
首都建設法の
法律、それはずっと
表題が変わり、
表題が変わる
あと新法になる、ということは、
内容が多少とも前進していると思うのです。そういう変貌を示しながら・過去のものに全然触れないで、過去のものはそのままにして進んでいるという以上、どうするかということをまず
最初に伺っておきたいのです。
それから極端な
私権の
制限をすることは、はっきりと買収しなさいというのです。
私権の
制限をする場合には買収しなさい。
都民全体のいこいの
地区とか、森林とか、
公園とかあるいは
グリーン・
ベルトとか、いろいろの形の
表現がございます。これは
国民全体の問題なんです。その場合には、いたずらに個人の
私権を
制限しないで、お買いなさいと言いたいのです。買えなければ
交換をなさい。金がないというなら、
等価交換ということをいま盛んに行なっているのですから。それをしないで、いまだに、過去の非を悟って
グリーン・
ベルトというものをこれを廃止をしようという
方向に向かっている。それは二、三年前からの
方向です。まず
最初に、いつそれを廃止して、どういう機会に廃止して、今度の
法律の
改正による規模の拡大をはかろうとするのか。これはどこまでも私のほうじゃございません、
都市計画法に基づく
東京都の
事業でございますから、
自分のほうは関知いたしません、申請があれば私のほうで考慮いたしましょう、おそらく
建設大国としてはそういう
答弁をする以外にないと思うのです。
首都圏整備委員会としては、そういう
方向になっておりましょうけれども・まだ具体的な
方向を示しておりませんから、そのままにしておきます、という
答弁しかないわけです。だから、いまここで
建設大臣に、
グリーン・
ベルトの改廃をするということについては、いつごろどういう形で改廃するかという質問をすることも
——答弁できるならしてください。
答弁できなければ強く
要求はいたしません。どちらかの
答弁をしていただきたい。