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1964-06-23 第46回国会 参議院 地方行政委員会 第40号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年六月二十三日(火曜日)    午前十一時十七分開会     —————————————   委員異動  六月十一日   辞任      補欠選任    温水 三郎君  沢田 一精君    徳水 正利君  松野 孝一君    鍋島 直紹君  森田 タマ君  六月十五日   辞任      補欠選任    松野 孝一君  井野 碩哉君    上林 忠次君  鍋島 直紹君  六月十六日   辞任      補欠選任    沢田 一精君  岩沢 忠恭君  六月十七日   辞任      補欠選任    井野 碩哉君  北畠 教真君    千葉千代世君  山本伊三郎君     —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     竹中 恒夫君    理事            石谷 憲男君            西郷吉之助君            西田 信一君            松本 賢一君    委員            井川 伊平君            鈴木  壽君            林  虎雄君            松澤 兼人君            山本伊三郎君            辻  武寿君            基  政七君            市川 房枝君   国務大臣    自 治 大 臣 赤澤 正道君   政府委員    警察庁長官   江口 俊男君    警察庁保安局長 大津 英男君    自治省行政局長 佐久間 彊君    自治省財政局長 柴田  護君    消防庁次長   川合  武君   事務局側    常任委員会専門    員       鈴木  武君   説明員    警察庁警備局警    備第二課長   後藤 信義君    通商産業大臣官    房地方管理官  本多 俊夫君    建設省河川局防    災課長     安芸 元清君    建設省道路局企    画課長     三野  定君    建設省住宅局調    査官      尚   明君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○地方行政の改革に関する調査  (新潟地震災害に関する件)  (爆発災害に関する件)     —————————————
  2. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  委員異動について報告いたします。  六月十七日付、千葉千代世辞任山本伊三郎選任。以上であります。     —————————————
  3. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 初めに、新潟地震災害に関する件、並びに爆発災害に関する件を議題にいたします。  まず、消防庁並び警察庁当局から被害状況等説明を願います。
  4. 川合武

    政府委員川合武君) 消防庁でございますが、新潟地震に伴う被害状況並びに私どものとりました措置の概要について御報告いたします。なお私ども長官は、ただいま現地にございますので、私から報告さしていただきます。  印刷物で資料といたしまして拠出いたしておきましたが、その1のイ並びにロに書きましたごとく、災害が起こりましてから、私ども消防庁長官並びに担当の課長、さらに技官を派遣いたしまして、今回の新潟地震に対しますいろいろな措置、技術、連絡指導助言等に当たっておるわけでございます。この地震は御承知のとおり十六日の午後一時に起きましたわけでございますが、私どもはその状況をつかみますために、この文書でしたためましたごとく、近隣の市に対しまして、すなわち高田市、長岡市、新発田市等に対しまして緊急電話手配申し込みをいたしまして、午後四時、高田市の県上越支庁連絡がつきまして、新潟市の被害状況につきましての第一報を確認することができました。そして昭和石油石油タンクが炎上中である、なお付近水素ガス工場等があり、非常に危険なおそれがあるということを承知いたしました。よって直ち消火用資器材、ことにあわ消火剤応援体制を固めまして準備いたしまして、同時に東京消防庁及び富山県高岡——高岡市に化学消防車を持っておりますものでございますから——さようなところに化学消防車出動等応援協力の要請を行なったわけでございます。さらに化学消火剤を、先ほど申しましたごと準備が整いましたので、直ちに当日の夕方からトラックで緊急輸送をいたしまして、それにつきましては警察当局の非常な協力でパトカーの先導というようなことで、一路現地におもむいたわけでございます。  なお、その間に、現地新潟県からも、また現地に急遽おもむかれました私ども自治大臣からも、直接電話でもってこれらの措置に対しましての命令、御指示がございましたので、さらに、あわ消火剤等消火準備を整えまして、翌朝払暁午前四時より自衛隊輸送機をもって緊急輸送をいたしましたのから始まりまして、この二枚目の終わりごろにしたためましたごとく、自衛隊輸送機延べ三十二機、米軍輸送機延べ四機によりまして、あわ消火剤十一万リットル、紛末薬剤が三万キログラム、ノズル六十四本、紛末消火器類二百本等を緊急輸送を行ないました。その内訳はそこにしたためましたとおりでございます。  なお、念のためと申しますか、御参考に申し上げますが、米軍がこの輸送機でもって緊急輸送を援助いたしてくれたうちに、米軍自体として約一万リットルの消火剤緊急輸送をいたしておりますが、その薬剤につきましては、われわれの日本のものと同質のものでございます。  ここに消防機関活動状況としてしたためましたように、この石油火災の初期の消火が全くできませんでしたものでございますので、御承知のとおりのような猛威をふるう火災状況となりました。正直に申しますと、ちょっと手がつかないという状況でございました。  先ほどから申しますところの東京消防庁化学車が到達いたしましたのが十七日の午後十一時でございます。十八日の払暁五時ごろから消化活動の本格的なものに移りました。その状況でございますが、あわの壁をつくりまして、これを押していくというような感じのものであったというふうに報告を受けております。三尺くらいのあわ消火剤をどんどんこちらから積み重ねまして、そしてどんどん、どんどん押していく。火の勢いで強いと押し返されてくる。押しっこするようなかっこうで、ただいま申しました三尺くらいに壁のように積み重ねましたあわ消火剤をどんどん、どんどんうしろからやりまして押していく。そうしてタンクに密着させる。こういうような作業を続けまして、ようやっとにしまして、大体のところといたしまして、ここにしたためましたとおりでございますが、昭和石油関係で申しますと、八十基のタンクのうち五十九基を焼きまして二十一基を防止いたしました。アジア石油関係は、七基のうち四基を焼きまして、三基を防止いたしました。  ただ、まことに申しわけないのは、臨港町、これは御承知のとおりほとんど工場と密接しております。と申しますよりも、工場の中に入り組んでいるかのごと感じ住宅でございますが、その住宅につきまして、ここにしたためましたように、住家三百二棟を焼失いたしております。  なお、この工場には4エチル鉛八十本、水素ボンベ等の倉庫がございましたが、これらは自衛隊等協力を得まして、それを運び、また東京消防庁中心とする化学消防車がこれを守りまして、この危険を防ぐことができました。東京消防庁化学車は一日半フル運転をしたというふうに報告を受けております。出動しましたポンプ車は四十五台、これは普通ポンプ車でございます。化学消防車は十七台、新潟市の消防職員二百三十二名、消防団員二千四百名等でございます。  以上が要点でございますが、新潟地震に対しましての被害状況のあらまし、消防庁の行ないました措置並びに現地及び東京消防庁の活躍というような点につきまして御報告いたしたのでございますが、全体といたしまして、私ども消防の、この火災に対します点につきまして、いろいろお騒がせしまして、ことに民家を焼失しましたことは、率直に申しまして反省と検討を加えていかなければならないと思っております。
  5. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 続いて爆発災害に対しまして御説明を願います。
  6. 後藤信義

    説明員後藤信義君) 六月十六日に起こりました新潟地震につきまして、警察庁でただいままでのところ報告に接しましたことを申し上げます。  地震が起こりましたのは、六月十六日の午後一時二分ごろでございました。気象庁の発表によりますと、震源地新潟県の沖にあるようでございまして、その強さは関東大地震より弱いけれども昭和二十三年に発生しました福井地方地震よりは規模が大きいということでございます。なお震度でございますが、今回の地震新潟県と山形県に主として被害をもたらしたわけでございますが、新潟酒田では震度五でございます。それから山形秋田福島等では震度四でございます。なお甲府、熊谷、長野等では震度三を記録したのでございます。これによりまして、ただいま申しましたように新潟県、山形県を中心被害発生いたしたのでございます。  その被害の集計をいたしましたのをお手元に差し上げてあると存じますが、  まず人身の被害でございますが、死者新潟県で十三名、山形県で九名、秋田県で四名、合計いたしまして二十六名でございます。それから行方不明は新潟県一名でございます。負傷は新潟県で二百九十三名、山形県で八十四名、秋田県で二十五名、宮城県で一名、福島県で十二名、群馬県で一名、長野県で二名、合計いたしまして四百十八名でございます。  建物被害でございますが、全壊いたしましたものが新潟県で千九十六戸、山形県で六百五十三戸、秋田県で三戸、福島県で八戸、合計いたしまして千七百六十戸になります。半壊いたしましたものが新潟県で六千六百三十四戸、山形県で八百一戸、秋田県で十九戸、福島県で六戸、長野県で四戸、合計いたしますと七千四百六十四戸になります。それからただいま消防庁のほうからも御報告がありましたように新潟火災が起こったわけでございますが、これによりまして全焼いたしましたものが新潟におきまして三百二戸ございます。半焼いたしましたものが一戸でございます。それから床上浸水新潟で一万一千三百八十二戸、山形県で十六戸、秋田県で九戸ございます。合計いたしますと一万一千四百十戸でございます。それから床下浸水、これは新潟県で九千六百四十九戸、山形県で二十四戸、秋田県で百三十戸でございます。なお、中部地力にも若干ございましたので、合計いたしますと九千九百十七戸でございます。それから建物で一部こわれましたもの、これが新潟で一万四百一戸、山形で五千百五十五戸、秋田で二千六百六十一戸、宮城で十三戸、福島で八十三戸、群馬で一戸、長野で二十五戸、島根県で三十八戸ございますので、合計いたしまして一万八千三百七十七戸でございます。なお、人の住んでいない納屋等被害は、新潟で三千四百六十六、山形で二千七百二十、秋田で千百七十三ございましたのをはじめといたしまして若干ほかの県にもございますので、合計いたしますと七千四百五十五戸でございます。  それからこれらの被害によりまして罹災した世帯数は、新潟におきまして二万二千九百二十七世帯山形で二千百八十世帯秋田二千七百四十七世帯福島で十四世帯ございます。合計いたしますと二万七千八百六十八世帯でございます。  以下、おもなる被害状況について申し上げます。  まず、新潟県でございますが、これは新潟県のうち、新潟市を中心にいたしまして被害発生したのでございます。それは信濃川の堤防の決壊、あるいは地割れ、地下水の湧水、それから家屋倒壊傾斜というような被害が出ましたために、ただいま申し上げたような数字の被害発生したわけでございます。  火災でございますが、これは消防庁のほうとあるいは重復するかもしれませんが、申し上げますと、新潟市の東臨港町にあります昭和石油新潟製油所、それから柳島町にあります藤島製作所松島通りにあります成沢石油株式会社、それから日東紡績新潟工場松島通り二丁目付近の合計五カ所から、地震とともに火災発生したわけでございますが、藤島製作所成沢石油日東紡績新潟工場松島通り二丁目に発生しました火災は、十六日の地震発生しました当日の午後十時までの間に鎮火したのでございますが、昭和石油新潟製油所から発生しました火災は、この製油所にあります原油タンク等九十基に燃え移りまして、これらを焼失し、さらに付近臨港町二、三丁目あるいは平和町、船江町といったところの住家にも延焼しまして二百八十棟を全焼したのでございます。この火災のため、付近危険区域住民約六千五百名が近くの保健所、中学校等避難をしたのでございますが、新潟県の警察といたしましては、二百名の警察官を出動させまして、その誘導に当たったのでございます。  次は浸水状況でございますが、これは信濃川河口付近新潟港付近及び通船川、新栗ノ木川の堤防決壊によりまして浸水が起こりましたり、あるいは海水が逆流して、またさらに浸水するという状況にあったのでございますが、入船町あるいは松島通り等住家約一万二千棟が床上浸水被害を受けたのであります。  次に橋梁でございますが、信濃川にかかっております三つの大きな橋、昭和大橋、これが落下をいたしました。それから万代橋八千代橋はそれぞれ陥没、損壊をいたしまして、東新潟——西新潟交通が一時途絶したのであります。万代橋は六月十七日の昼ごろになりまして二車線の通行が可能となりました。それから八千代橋は、歩行者が通行するのには差しつかえない状態に立ち至っております。  道路でございますが、これは一級国道七号線——新潟と青森を結ぶ線でございますが——をはじめといたしまして、一、二級国道あるいは県道におきまして相当決壊個所が出ましたために、交通が途絶したのでございますが、六月二十一日におおむね応急の復旧が完成をいたしております。  それから、おもな建物被害でございますが、新潟市内住家約六千棟が全半壊いたしましたことは、ただいま申し上げたとおりでございますが、そのうちのおもなものといたしましては、新潟地方検察庁、これが半壊いたしております。海上保安庁の庁舎、これが一・五メートル陥没いたしております。それから東新潟警察署も同様に一・五メートル陥没いたしております。新潟中央警察署道場、これが倒壊いたしました。新潟警察学校、これか一部倒壊でございます。新潟駅、これはプラットホームに断層を生じました。それから白山駅、これが倒壊をいたしました。県営アパート、これは六棟が傾斜いたしまして一棟が倒壊いたしました。電電公社、これは一メートルの陥没でございます。それから佐渡汽船も同様一メートルの陥没でございます。福祉センター傾斜をいたしました。それからホテル新潟、これも一メートルの陥没三洋ビルが五十センチの陥没松下電気が一メートルの陥没といったようなものがおもな建物被害でございます。  避難状況でございますが、火災発生あるいは住宅の全半壊あるいは浸水によりまして危険となりました地域住民に対しましては、避難命令が出されまして避難をいたしたわけでございますが、その総数は約二万四千名でございました。これによりまして全半壊あるいは全半焼、床上浸水によります被害は約二万世帯九万人でございます。これは先ほど申し上げたとおりであります。  それから新潟県におきましては、新潟市をはじめといたしまして十八市町村に対しまして災害救助法の適用をすることになりまして、発動されております。  それから民生の状況でございますが、罹災いたしました各地方は、現地におきます救助活動の強化あるいは生活必需物資市場安定等措置によりまして、流言飛語の発生もなく、民心は平静を保っておるのでございます。  電気及びガスですが、電気新潟市内入船町、松島通り等浸水地域を除きましては、ほとんど現在まで復旧をいたしております。ガスは約一割が復旧をしております。  水道は、新潟市内の約三割程度が復旧しております。復旧しておりません地域に対しましては、約二百車両の車によりまして給水活動を行なっております。  電話でございますが、これは市内線は約半数、市外線は約八割が開通をいたしております。  道路交通状況でございますが、これは万代橋から帝石橋に至る一方交通措置を六月十七日から引き続き実施をしておりまして、緊急車両以外の車両の通過を制限しておりますが、ただいまのところ著しい渋滞は見られない状況でございます。  以上が新潟県の状況でございます。  次は山形県の状況でございますが、山形県の被害は、鶴岡と酒田の両市を中心発生したのでございます。先ほど山形県におきます家屋の全半壊の模様を申し上げましたが、これらは主としてこの両市を中心発生したものでございます。そのうちで、鶴岡市にございます京田幼稚園というのが、建物が倒れまして園児十五名が下敷きとなりまして、三名が死亡し、十二名が重軽傷という被害発生しておるのでございます。  それから山形県下におきましても、新潟県下と同様に以下四市町に対しまして災害救助法の発動がございました。  それから酒田市の水道は損壊したのでございますが、現在までに八割方復旧をいたしておりまして、未復旧の部分に対しましては、車両約二十台をもって給水を行なっております。それから温海市は飲料水地震によりまして濁ってまいりましたので、給水車によって給水活動を続けておる状況でございます。  これらの災害に対しまして、警察といたしましては、警察庁内に直ちに警備局長を長といたします新潟地震災害警備本部を設置しまして被害地情報収集被害に対する警備実施その他の指導あるいは連絡調整に当たっております。  また、警備局から参事官が直ちに災害地にヘリコプターで飛びまして、現地の模様を視察し、かつ現地災害警備実施指導に当たっております。なお、他県からの応援でございますが、人員の応援はございませんが、資器材といたしまして、電灯が消えましたような関係で、直ちに地震発生しました夜、警視庁神奈川県警からそれぞれ発動発電機と投光器合わせまして二十台を現地に送っております。それからまた関東管区内の各警察から大型輸送車二十台を援助いたしております。  それから先ほど申し上げましたように交通関係でございますが、これは六月十七日の午前九時から災害対策基本法第七十六条の規定に基づきまして新潟市に対する緊急輸送を確保するために緊急輸送車両以外の直面の通行を制限して今日に至っております。なお、これらに関連します所要の措置は、警視庁はじめ関係各県の警察に指示してございます。  それから被害状況あるいは交通状況等広報でございますが、これらにつきましても、警察庁警備本部におきましてそれぞれの問い合わせに応ずるという体制をとったわけでございます。  関東管区では局長中心としまして同様に対策本部を設けまして、公安部長現地派遣して視察に当たっております。  東北管区では公安部長を長としまして警備連絡室を設置して同様の処置を講じております。  関係県警察でございますが、これらはそれぞれ警察官を出動さして、避難者誘導罹災者の救出、集団警ら危険個所警戒、犯罪の予防取り締まり、広報交通整理等活動を行なっております。  特に新潟県の警察といたしましては、災害が激甚でありましたので、新潟市におきまして約三万四千人の住民避難させたのでございますが、市当局協力をいたしまして警察活動をいたしております。  それから火災現場及び危険地域における警戒でございます。これは特に新潟昭和石油火災現場付近警戒警備を重点に部隊を配置しまして警戒措置を講じたのでございます。  それからいろいろ罹災者の困りごとであるとか、あるいは交通の案内であるとか、あるいはその他のいろいろな相談ごとがございました場合に便宜をはかろうということで、県警察本部災害警備総合相談所というものを設けまして、住民の便宜をはかっております。なお、新潟中央署及び東署には、それぞれ同様に災害警備相談所を設けまして人心の安定につとめ、市民の問い合わせ相談に応じておるのでございます。  それから主要道路交通の確保、これは先ほども申し上げましたとおりでございますが、特に国道八号線の万代橋柾谷小路の間に交通渋滞を生じましたので、この間におきましては一方交通を実施しまして、ただいままでのところ、さような渋滞が生じておらぬという状態でございます。  それから夜間の特別警戒、これは特に地震がありました当夜は、全市ほとんど電気がつきませんでしたので、特に夜間の集団による警らを実施いたしまして民心の安定をはかったのでございます。それから犯罪の発生に対処するために機動捜査班を特に二個班設けましてこれに対処いたしております。  それから広報活動状況は、これは四個班の広報班を設けまして、市内主要地域に出まして広報活動を行ない、市民の不安解消をはかったのでございます。  それから罹災者名簿を作成いたしまして、いろいろ問い合わせに応ずるという体制をとっております。  なお、暴利行為未然防止でございますが、これらにつきましても特別な視察班を四個班設けまして、遺憾のないように措置をいたしておるという状況でございまして、これらを合わせますと、新潟県におきまして現在までに災害警備のために出動いたしました警察官は延べ九千八百十四名、山形におきまして二千二百八十八名、秋田におきまして千二百八十名等でございまして、合計いたしましてこの災害に対しまして警備活動に従事しました警察官は、全国で一万五千二百二十六名ということになっておるのでございます。
  7. 大津英男

    政府委員大津英男君) 六月十一日に起こりました川崎市の昭和電工爆発事故につきまして概況御報告を申し上げます。  六月十一日の午後三時十分ごろでございますが、昭和電工川崎工場化学品製造部プロピレン・オキサイド製造工場におきまして、爆発事故発生をいたしたのでございますが、現場付近昭和石油あるいは三菱石油、川崎精油所、その他化学工場が取り巻いておるところでございます。また一般住宅事故現場から四、五百メートル離れた駅付近中心としまして九十九戸、約八百五十人が居住をしておるところでございます。事故が起こりましたのは三時十分ごろでございますが、大音響ととも黒煙を発しまして火災を起こしまして、死者十六、負傷者、重傷が三十一、軽傷八十九、計百二十名を出す、こういう惨事となったわけでございます。被害につきましては、その他の工場被害あるいは付近民家その他におきましてのガラスあるいはかわら等の飛散、こういうようなことがあるわけでございますが、警察といたしましては、こういう状況を認知をいたしまして、三時十四分には一一〇番で——これは昭和石油爆発というような一一〇番が入っておりますが——昭和電工であるということを確認をいたしまして、直ちに警備課から在署員十一名を第一次に出動させました。さらに二十分には第二次十一名を出動させております。その後、管内の派出所から、一名を残しましてその他の者を部隊編成をして派遣をいたし、また県警本部におきましては、事故状況に照らしまして、機動隊出動、あるいは隣接警察署からの派遣応援、待機ということを命じておるわけでございまして、現場に参りました警察官は、負傷者救出、救護、死体の搬出、爆発に伴う一般人の避難措置、あるいは主要道路における交通規制等の初期的な活動、それから事故原因の究明のための採証、死体の検視、被害調査、こういう活動に当たったわけでございますが、また多重無線車現地被害場所派遣をいたしまして、通信連絡に当たらせるというようなことをいたしております。この活動中に、四時ごろとそれから四時四十分ごろの二回、さらに誘爆が起こっておりますが、この際におきまして、警察官避難をするというときに、若干ころんだりいたしまして、けがをした者が二名出ておるというようなことも起こっております。それから消防が出動いたしまして火災消火に当たったわけでございますが、この爆発事故の原因につきましては、プロピレン、オキサイドのガス漏れに対して、工事現場の下請業者の電気溶接の火花が散って、そのために火災爆発を起こしたものか、あるいはその他の原因によるものかということにつきましては、現在捜査を進めておる、こういう状況でございます。  以上簡単でございますが報告いたします。
  8. 川合武

    政府委員川合武君) 昭和電工川崎工場爆発につきまして概況を御報告いたしますが、ただいま警察庁から御報告ありましたので、重複します点を省略いたしまして、当日出動いたしました消防車は十三台でございまして、うち署の分は十一台でございます。なお救急車は十七台でございます。自衛消防隊が、すなわち昭和電工昭和石油、三菱石油、富士電機等合わせまして、自衛消防のポンプ車が五台出ております。工場消火に対しましては主として冷却消火、すなわち、この種の火災に対しましては化学薬剤は効果が薄いものでございますので、主として冷却消火につとめまして、また第三プラント建設関係事務所等の建物爆発に伴いまして炎上いたしましたので、これに対しましては注水消火を行ないました。十六時二十七分に鎮火したわけでございます。あわせまして申し上げますが、この昭和電工に対しましての事故発生前の消防の立ち入り検査の状況でございますが、三十八年の九月十三日、三十八年の十二月、三十九年の三月二十三日に立ち入り検査をいたしております。原因につきましては、まだ私どものほうとしては調査中でございます。  以上、簡単でございますが……。
  9. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  10. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 速記を起こして。
  11. 井川伊平

    ○井川伊平君 消防庁関係の方にお伺いいたしますが、新潟のあれにつきましては、非常な消火の熱意を持ち、最善の御努力をなすったことはよくわかるんですが、しかし、事実は手のつかない状況であったという御報告である次第でありますが、それで、この種の火災というものを想像するときに、現在の消防の持つ設備、機能、こういうもので今後も十分だと考えるのであるか、あるいはこれは大きくそういう点で別の構想のもとに設備や機械を持たねばならぬと大きく反省されるものであるかについて、もし反省があるのであるとすれば、その反省の構想についてお伺いをしたい。それから、いや機能はもう現任の程度でいいのであって、ああいう場合には将来とも手がつかないで見ているよりしかたがないんだといったような、そういうような見解ならばそういうように承ってもよろしいのでありますけれども、現在の持っておる消防の力というもので、将来に備えて大きく反省する点があるとすれば、どういうような反省の内容か、そういうことをお伺いしたいと思うのです。
  12. 川合武

    政府委員川合武君) お尋ねの点でございますが、私ども今回の火災に対しまして、少なくとも初期におきまして、率直に申しますと手がつかない状況でございまして、反省をいたしております。しかし、かかる火災に対しましては、私どもはぼう然自失をしておるわけではむろんございませんで、まず第一に考えなければならないことは、新潟市の消防署に化学車が一台もなかったという——まことに申しわけございませんが——事実でございます。率直に現任の状況を申し上げますと、化学車状況でございますが、現在数多くの危険物施設を有しておりますにかかわらず、全国で化学消防車消防機関が保有いたしておりますのは七十台でございます。そのうち二十一台は東京の分でございます。御承知のとおり地方にも相当の高度の化学工場は現在あるわけでございまして、それらの化学工場を、どれが一番大きいか、いろんな分類のしかたがございますが、かりに大きな工場と、大きな化学工場群があると思われますものを申し上げまして、それに対しまして化学車があるかないかということを申し上げますと、北海道の室蘭市には化学車がございます。函館市にはございません。秋田市にはございません。秋田市の男鹿にもございません。新潟市もいま申しましたように、ございません。千葉の市原にもございません。川崎市には五台ございます。横浜市には三台ございます。静岡の清水はございません。三重県の四日市はございます。和歌山県の有田がございません。和歌山県の下津町はございます。岡山の倉敷、山口県の和木村、徳山、下松、愛媛県の松山市、大分市等はいずれもございません。かような状況でございまして、私ども措置といたしまして、まだほかにございますが、まず一番の問題としまして、われわれの消防機関としましては、かような地に化学車の整備を至急はからなければならない、いままでその点につきまして不十分であったということをおわびいたしまして、至急対策を考えておるわけでございます。なお、ただいま申しましたのは、われわれ消防機関の問題でございまして、さらに、御承知のように、これは私どもの危険物関係の予防の法規の対象になる問題でございまして、予防といたしましてのいろいろなまた考えられる点が多々あるわけでございます。ただいま大臣の御指示のもとに、それらの問題点につきまして検討をいたしておりまして、かような点をこうすれば防げる、また防がなければならないし、私どもの力でもって防ぎ得るという情熱をもってただいま検討中でございます。
  13. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 井川委員の御質問とあわせて、地震対策を御説明願います。
  14. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) ただいまの井川委員の御質問にあわせまして、大体私からは地震対策反省に基づく対策などにつきまして、まとめて申し上げたいと思います。一番最初衆議院の本会議場で警察情報などをお伝えしておりました席から私すぐヘリコプターでもって現地に参ったわけでございますが、わずかな滞在でございましたけれども、大体新潟地震の特徴——特徴と申しますのは、御承知のとおりに非常に地盤が軟弱でありまして——のために地盤が陥没して、いわゆる海抜ゼロメーター地帯というのが相当ございますので、そこの被害が大きかった。県が直後にとりました措置、これは私おおむね妥当なるものと考えます。何せ混乱の際でございますので、なかなか皆あわてておりますから……。私東京から来たものですから、被害民でもありませんし、おか目八目といいますか、少し整理してやりなさいということで、いろいろ対策をしぼってみたわけでありますが、九項目ぐらい実はこちらに報告いたしましたけれども、おおむね妥当、それ以上県としてもどうしようもありませんし、それからまた、参議院で御報告いたしましたとおりに、緊急要望事項、中央に対してぜひこれだけはすぐやっていただきたいというもの、これも朝方にかけまして取りまとめて十点ばかり、これも新聞などに出ておりましたので、私といたしましては、そのときの対策は、まあこれ以上はどうにもしようもなかったという気持ちでこちらへ帰って御報告をしたわけでございます。しかし、いろいろ落ちついて考えてみますと、やらなければならぬ問題が、私の所管につきましても多々あるわけでございまして、新聞では、どろぼうを見てなわをなうなどと言ってからかっておりますけれども、例の昭和電工事故以来、私もこういった化学の進歩に伴うオートメーション工場、あるいは石油のコンビナートなどを中心にいたしまして、いままでのような防火対策では、もうとても追っつかないというようなことから、実は私いろいろ要件を指示いたしまして、いわゆる防火対策の研究を始めたわけでございます。ただいま消防庁の次長からるる説明したようでございますが、井川委員の御質問もそのことではなかったかと思われる次第です。やっぱり大規模な化学工場、たとえば石油コンビナートに対する規制ですが、この個々の工場に対しましても、今次の事故にかんがみまして相当重大な規制を加える必要がある、こういうことが消防法関係では漏れておるわけでございまするので、まあこういうコンビナートなどにつきましては、タンクの容量、高さの制限を、現行法ではできておりませんけれども、そういうものをやっぱり考えなければならない。  それから、ただいま次長が言っておりました消火薬剤、これも行ってみたところ、まるでお話にならぬ状態である。まあ東京からその薬品が来るのを、まるで干天の慈雨のごとく待ち望んでおる。まことに不都合千万な話です。事実その薬がなかったかというと、そうではないのでして、さすがに何がしかの薬品はあったけれども、ああいう大きな事故を予想しておりませんから、工場としては怠っておったのではないか。これが単なる行政指導で片づく問題でありません。やはり消火薬剤の量を化学的に算定しまして、その保有義務を法制化する必要がある、こういうふうに考えます。  それから、日本は地震国ですから、タンクの耐震度の検討、これもやはりもっと別の角度からやらなければならない。  それから、油が流れ出てそれが一面に燃えておりますので、民家に類焼する危険がやっぱりあるわけでありまして、ですから、このためには防油堀と申しますか、コンクリートあるいは土手を築いて、タンクがこわれた場合に漏れ出る油が一つの地域に限られてしまうという形をつくりませんと、今回のように運河へ流れ出したものまで燃えてしまって、水の上だって火が一ばいということになりますと、どうにもなりませんので、こういうことにつきましても、やっぱり検討しなければならない。  また、なかなか土地が高価で手に入りませんが、やっぱり工場の性質によっては、付近に保有の空地というものも相当広げる措置を講ずる。  また、化学車の設置、ただいまのような危険物設置につきまして、消防用の設備としてこれは必ず設置させる。  それから保安要員、こういった事故は当然起こるわけでございまするので、こういう緊急事態に対処するための保安要員というものにつきまして、やっぱり平素から工場自体でも消火訓練をするように指導するなど、いろいろやらなければならぬ点があると思います。  それから、総合的な規制につきましては、やっぱり化学車中心とする高度の装備、つまり化学消防専門という形での自衛消防隊というものを、やはり大規模のものには義務づけなければならぬということ。  それから、これはたいへん遠大な計画ですけれども、都市計画などの際に、緑地帯というものを大きくつくる。大規模工業地域の周辺には、やはり都市計画上緑地帯の設定というものは絶対に必要である、こういうふうに考えるわけです。  それから、危険物扱いの法規の一元化、ただいま次長が申しておりましたが、やはり御案内のとおりに、それぞれ取り締まりの法規が違いまするために、所管省も違うわけなんでん。ですから、単にこういう重油というだけでなくて、やっぱり同種の高圧ガスあるいは火薬類の消防を主管するものは一元化しなければならぬのじゃないかというふうに私どもは考えるわけでございます。つまり高圧ガス以外の可然性ガスについては新しい規制も考えていかなければならぬ。結局、事故が起こったら、何省が所管している、査察しているといっても、消すのは消防庁の消防関係の責任になるわけでございまするので、やっぱり平素から査察の基準なんかを明確にいたしまするならば、何も通産省あるいはその他の各省をわずらわさなくても、消防職員の知識でやり得ると思うのです。やはりこれを一元化していくということが私は大事ではないかと、かように考えるわけでございます。たとえば、例の原油であそこの昭和石油がやられたわけです。あそこへ行ってみますと、精製過程でLPGなど出ております。LPGのタンクもある、別に製品のガソリン・タンクもある、こういうことになっておるのであります。原油は消防庁が所管する、精製過料で出る高圧ガスは通産省が所管するということになりましては、それは、行政上所管するということはけっこうだけれども、やはりその危険を予防し、爆発した場合にどういう措置をどこがするかということにつきましては、やはり責任の所在が明確ではないのではないかという感じを私は持つものですから、この際、こういったことも統一しなければならぬ。皆さん御案内のとおり、消火せんがこわれてしまって、まるで普通の消防という概念であの火に立ち向かえなかった。そこで、やはり地震などの場合には、また新潟でも飲料水に非常に困ったわけです。ですから、これは所在市町村で地下に貯水槽というものを必ずつくらせる。これは耐震設計をいたしまして、漏水防止の工法を研究した上で、なお、ろ過装置もつけて、飲料水にも使える、消防にも使えるということも当然やらさなければならぬのではないかと考えておるわけでございます。その際、消防組織法関係でも、私どもは、いまのやり方では新しい時代に向かないと考えますので、こういったことにつきましては根本的な措置を考えなければならぬ。まあどろぼうを見てなわをなうと言われるとそれまでですが、しかし、ほうっておいていいことではないと思いますので、私はこれにすぐ手をつける決意をいたしまして、いま消防庁中心に、私もいろんな問題点を指示いたしまして、それを法律的にどう扱うかということについて検討をさしておる最中でございます。来週防災会議を招集することになりまして、初めて防災会議を開くことになっておりますので、それまでには大体の骨子というものをつくりまして、そしてこれをはかって、そうして次の国会には必ずこの消防法の改正というものをぜひ皆さんに提案をいたしまして御検討願いたい、かように思っておる次第でございます。  なお、ただいま現地からお帰りになった方々から、激甚地指定というものを至急にやってくれと、これは現地ではそういう気持ちになられるのはもっともだと思いますので、私ができる立場ではありませんから、すぐに防災会議の事務局長である総務長官電話をいたしまして、とにかく拙速という意味でも急いでやるべきであるということを非常に強く要求をしたわけでございます。  大体今度の災害のあと始末のことを考えてみるわけですが、きょうも閣議で河野大臣も報告をされました。まあ手ぎわよくいったほうだ、最近いろんな災害が毎年毎年繰り返してあるけれども、今回の事故の緊急措置というものは非常に手ぎわよくやっている、自衛隊ども非常に目ざましく働いておるし、まあまあ打つべき手は打って今日まできている、しかし、本格的な復興になれば、いまの段階での話は別だけれども、緊急措置としてはやれるところまでやったという印象であるということを言われましたが、私もそういうふうに感じとっておるわけです。しかし、閣議の席でも、どうせこういう災害国だから、非常災害対策本部は常設すべきではないかという御議論もありまして、これは次の防災会議では当然議題になると思いますが、やはり心がまえを平素しておきませんと、さあというときにまごつきますから、そのことにつきましては、私どもも防災ということにつきましては、何がしかの経験を持っておりますから、十分意見を述べ、そして今後の対策というものについて検討したいと、かように考えております。  自治省としてやるべき財政面の措置でございますけれども、こういう災害か起これば、市町村というものは何かえたいのしれない金というものを支出しなければならぬことは私ども承知をいたしております。たとえば、たき出しをやるとか、あるいは町内の人たちが、働いた者に御苦労賃に酒の一ばいも出すということは、どこでもやっておるわけでございますので、目に見えぬ金がかかるわけです。そこで、何かそういった場合の措置につきましては、実は私どもとして苦慮をいたしまして、緊急の融資と申しますか、そういったとりあえずの資金に事欠かぬようにということは、実は事務当局でもいろいろ配慮いたしておりますが、そのほかに罹災者の免税のことにつきましては、言うまでもなくできるだけ大幅に地方税を減免する、新聞で八十万円などと言っておりましたが、しかし私どもはそういうことでなくて、できるだけ罹災者の方々の苦しみというものを軽めていくということを当然考えなきゃなりませんので、これはいま検討をさしておる次第でございます。それから交付税の繰り上げ交付であるとか、あるいは特別交付税の時期になりまして特に考慮するなどということは、これは当然のことでございまするので、こういう措置あわせてやっておりまするし、その他起債面だとかあらゆる面についてこういう罹災地の県並びに市町村につきましては、それぞれ十分配慮していく、かように考えておる次第でございます。  この間、私参りましたのは、何ぶん三人乗りのヘリコプターで、しかも三時間もかかるわけですから、向こうへ着いたと思ったらすぐ帰ってきて、参議院の本会議で十時半から報告せいということでございました。実際、私は新潟現地はずっとひどいところだけは見て回りましたし、何せ夜危険をおかして入って、朝早くたったわけですから、多少御報告いたしましたのに漏れもあったかと思います。しかしながら、そのときは緊急やむを得なかったわけでございますので、お許しをお願いいたしたいと思ういますが、しかし、自後の措置につきましては、こっちにありましても常に罹災地の面に思いをはせまして、十分なことをしなきゃならぬと考えて善処しつつあるわけでございます。ただ、新潟に限られておって、ほかの秋田とかその付近は、私もこの目で見たわけではございませんし、あわせて警察庁消防庁報告というものを皆さんにお伝えするにとどめたわけでございまするけれども先ほど申しましたように、まあとりあえずのところは着々としていろんな措置が行なわれておるということだけは御報告させていただきます。
  15. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) なお、消防庁警察庁当局のほか建設省都市局、河川局、営繕局、住宅局、道路局、通産省軽工業局並びに官房地方管理管、自治省財政局、税務局当局が出席をいたしております。  御質疑の方は順次御発言を願います。
  16. 松本賢一

    ○松本賢一君 時間もあまりきょうはないようですから、簡単に一、二お伺いをしておきます。建設省の方にまずお尋ねしたいのですが、今度の震災の非常に特殊な現象だったと思うのですけれども、コンクリートの新しい橋が落ちたり、コンクリートのアパートが引っくり返ったりというような、いままでにあまりなかったような災害が起こっているわけです。これは幸い死傷者がなかったぜいか、あまり問題になっていないようですけれども、もし死傷者が多数出たということにでもなったらたいへんな問題になったと思うのですけれども、これの原因についておわかりになっておったらお話しいただきたいと思います。
  17. 安芸元清

    説明員(安芸元清君) 今回の新潟地震では、御指摘のように昭和大橋の落橋、それから県営アパート倒壊がありましたが、こういう重要な構造物につきましては、私たちは、耐震構造という見地からいろいろ計算いたしまして構造物はつくっておるわけでございますけれども、今回の新潟が非常に軟弱な地盤であったということ等も関係しておると思いますが、不幸にして落橋、倒壊というふうな目にあったわけであります。これにつきましては建設省といたしましては、土木研究所並びに建築研究所を中心といたしまして現地調査官を派遣いたしまして、実際の原因の究明に現在当たっておるわけでございます。現在まだ確実な原因というものはつかんでおりませんけれども、今後その原因を十分究明いたしまして、今後の対策に十分役立たせたい、かように考えておる次第でございます。
  18. 松本賢一

    ○松本賢一君 そうすると、原因はまだよくわかってないというわけなんですか。
  19. 安芸元清

    説明員(安芸元清君) 現在まだ調査中でございまして、まだ確実にどうだということは、まだわかっていない段階でございます。
  20. 松本賢一

    ○松本賢一君 そこで、いずれ原因はわかると思うのですけれども、おそらく地盤が悪かったとかあるいは場合によっては設計に落ち度があったとかいうようなことも起こってくるかとも思いますけれども、そういうことは今後だんだんおわかりになると思いますが、これに関連して地盤が悪かったからこういうことが起こったんだということだけは、おそらくだれが考えても間違いないことだと思うのですが、そうしますと、全国的にいま地盤の悪いところはたくさんあるわけですね。しかも、関東大震災というものからこっち、耐震構造ということがやかましく言われておるにもかかわらず、今回のようなことが起こったということになると、まあ地盤の悪いところに住んでいる人たちが、こういう同じような設計でできているアパートが全国に無数にあるわけですから、そういうところに住んでいる人たちが非常に不安に脅かされているんじゃないか。われわれも現に議員宿舎に住んでおりますが、これは三階建てのアパートですが、あそこは高台で、やや東京では地盤のいいところだからと思って、まあまあ夜も眠れるのですけれども、低いところの本所、深川あたりの地盤の悪いところに住んでおられる方は、気の弱い人は夜も寝られないような人があるんじゃないかと思うのですが、こういういままでにもうすでに建ってしまっているものに対する再検討、今後お建てになるものについては十分な研究の結果お建てになるんだろうと思うのですが、いままで建ったものについて、新潟でとにかく一つひっくり返ったし、橋も落ちたんですから、そういういままで建ったものについての再検討というようなことをお考えになるおつもりかどうか。そういう点、もし悪かったら、これはいまからでも何とか補強をしてもらいたいというような声もおそらく出てくるんじゃないかと思います。そういう点について、まだ日が浅いので、はっきりした御方針もないかとも思いますけれども、一応のお考えを聞かせていただきたいと思うのです。
  21. 尚明

    説明員(尚明君) 新潟におきましてアパートが倒壊いたしましてまことに申しわけなかったと思いますが、あそこの場合におきましても、平常の状態では、従来の試験方法による土地の地耐力と申しまして、土地の支持力等を計算して一応堅固につくったものでございます。今回は御指摘のとおり地盤そのものがかなり流動いたしまして、地盤が流動することにつきまして従来十分なる研究等が行きわたっておりませんし、建築の構造計画等につきましても、地盤の性質と建築というところに十分な科学的な設計基準等がなかったことは事実でございます。そこで、今回の災害を契機といたしまして、先ほど申しました各種の調査を行ないまして、新潟と同様に震災等の場合に異常な流動等の起こる地盤が他にあるかどうかということを研究調査いたしまして、もしそういうことがございましたら、ほかのいわゆる一般に軟弱といわれているところにつきましても、やはり同様なことが起こり得るかということを専門家に調査を依頼して、その結果、そういうことでございましたら、おっしゃるとおりにやはり補強をしなければならない。こういうふうに考えております。しかしながら、ああいうふうに地盤がきわめて顕著に流動するところが日本中どういうところにあるかというあたりが、まだ正直のところ十分つかめめておりませんと思います。今回の調査を契機として、地質、土質等の学者を通じて十分それが判明してくれば、それに対応した方式の設計にいたしたい、こういうふうに考えております。
  22. 三野定

    説明員(三野定君) 橋梁について御指摘がございましたが、先ほど災課長から御説明申し上げましたように、原因については、地震のいわゆる作用につきましてかなり新たな面が出てきそうでございまして、慎重に調査中でございまして、その結果をまちまして本格的な対策というものができると思いますけれども、とりあえず私どもといたしましては、道路局長、都市局長連名をもちまして、十九日付の文書をもちまして全国の都道府県並びに府県の局長並びに公団それぞれのところへ、現在設計施工中のものについて、再検討する、それからまた、現在計画あるいは設計を始めているものにつきましても、もう一度耐震の点につきまして検討するように、とりあえず文書をもちまして注意を促しております。なお、本格的な対策につきましては、原因が判明次第、この情報を伝えまして善処させたいと考えております。
  23. 松本賢一

    ○松本賢一君 これは新潟が全国唯一の特殊な地盤であったというような結論でも出ればまあ一安心できるのですがね。まあおそらく広い日本ですから、類似のところが無数にあると思うのですよ。そうなると、地震はいつ起こるかわからないということになって、まあ起これば、ああいうことが実際起きるでしょうし、地震が起きないでも、住んでいる人はいつも不安に脅かされているというようなことになりますと……。この点ひとつ徹底的に究明していただいて、とにかくだいじょうぶだというところまでひとつぜひこぎつけていただきたいと思います。まあ今日の段階でそれ以上のことを申し上げてもあれだと思いますので、ひとつよろしくお願いいたします。
  24. 林虎雄

    ○林虎雄君 関連して。いま松本委員から質問がありました点で、関連して一点だけ建設省へお伺いしたいと思います。  いま質問のありましたように、新潟県の地盤が非常に脆弱であったということで、鉄筋コンクリート耐震家屋があのように傾斜したりあるいは倒壊したり陥没したり、いろいろの現象が起こっておりますが、この原因については、これからいろいろお調べになると思いますが、私は現地を見ておりませんので、的確かどうかわかりませんけれども、報道の写真等を見ますると、斜めに傾斜して埋没したところがあります。これもやむを得ない地盤の脆弱なせいだろうと思いますが、中にはマッチ箱をひっくり返したように倒れているのですね、直角に。それを見ますると、全然基礎工事というものかなかったのではないかと思われるような写真がありますが、そういう事実はどうなんですか。つまり、もっと説明を加えますと、確かに地盤の脆弱であるという点は認めますけれども、そのほかに工事そのものに対して非常に基礎工事が不十分ではなかったか、この指導方針なり監督なりが不十分であったために、さらにこの脆弱なところへ拍車をかけてあのように倒壊したのではないかというふうに、まあ写真を通じて見るのですけれども、その点どうなんですか、お聞きしたい。
  25. 尚明

    説明員(尚明君) アパートの設計、建築物の設計をいたします場合に、通常、従来の方法では、地盤にかかります力、それを地盤がもち得るかというテストをいたします。で、あのアパートの場合、設計も取り寄せて調査しておりますが、あのアパートの重み及び地震のときの力に対しては、通常あの地盤でもってテストをいたしましたときには、十分もち得る設計になっております。普通、大体あの基礎は、山の手のかたい地盤等で通常用いられている工法と変わっておりません。で、新潟の場合、あすこで載荷試験と申しまして、加重の試験を、通常の地震状態で普通にやったときには十分にもっていたわけでございます。もうすでに十数年たった建物でございまして、その間、少しの沈下もなかった状態でございました。ところが今回の地震は、実は非常に異常な地盤で、それを見通せなかったということには私どもも十分欠陥を感じるのでございますが、通常の状態においての地耐力というのは相当にございまして、それでいいと思ってやっていたわけでございます。ところが、いま御指摘のとおり、地盤もろともに下がりながら、その下がるときに傾斜してしまった。あの基礎自身は、通常普通の地耐力のあるところでは用いている設計でございます。ですから、この地盤の上がり下がりというような問題のない、普通の状態で行なわれましたかたい地盤における地震だったら、あれで十分だったと思います。だから、工事そのものには不正その他はなかったと思います。
  26. 林虎雄

    ○林虎雄君 ちょっとその説明、よくわからない点がありますが、横倒しになっておって、基礎というものがなくて、ちょうどマッチ箱が横倒しになってひっくり返って下が見えているのですね。そして基礎というものが全然——まあ多少はあったろうか、もっとくいを打ち込むとかというようなことであれば、なるほどと思いますけれども、ただ、加重試験をやってみて心配ないから、ただ上に買いたというような印象を、あの写真では見るのですが、そんなことはありませんか。
  27. 尚明

    説明員(尚明君) かたい地殻の場合には、建築設計では、通常の状態での重みとそれから地震でゆられるときにここに力がかかります。それに耐えるかということをテストしてやるわけであります。ところがあの設計は、まあちょっと写真で見たところは基礎がないように見えますけれども、あの建物の下に、帯状に相当——一メートル何十という幅に——ずっとつながる基礎になっております。ところがあの場合には、こう力がかかった場合に、あの下の地面がめり込んでしまったものと思われます。
  28. 鈴木壽

    鈴木壽君 いまの問題ですが、まあそれこそいまさらどうのこうのと言っても始まらないのですが、これからの問題として、これは真剣に考えなきゃならぬと思うのでありますが、それは、通常の地盤だったら心配ない工法だ、施工だ、こういうふうなお話ですね。ところが、あすこは、これはいまから言うまでもなく、非常に地盤の悪いところであり、地沈下のおそれで、地下水のくみ上げ等を規制したり何かして、いろいろ沈下対策までやっているところなんですね。そういうところに建てる建物あるいは地下に埋没する施設、こういうものに対する対策が、対策といいますか、やり方が不十分であったということだけは、これは確かだと思うのですね。予想できないことじゃなくて、予想してかからなきゃならぬところに、いわば普通の地盤に建てるべき工法あるいは建物のやり方ですね、それをそのままやってしまったのだというところが問題だと思うのですよ。ですから、これはいま言ったように、責任がどうのこうのといまさら言ったって始まりませんが、これからの建築物、特に地盤のああいうところ、これは新潟だけでなしに、東京だって大阪だって尼崎だって、地盤沈下の、そういうもう指摘されているところはたくさんあるのでありますから、しかも、そういうところに大きな建物あるいは工場タンク、こういうものがいまどんどん建っておる、あるいはもうすでに建っておるのだと、こういうのですから、これに対して今後の問題として、相当な規制なりというものを加えていく必要があると思うのですがね。そういう点については、まああなたはいま、これからよく原因を調べてやっていかれるというふうにお答えになっておりますが、これはもうほんとうに真剣にやらないといけないと思うのです。  私は、今回の地震秋田を、参議院から言いつかって見てまいりました。やはり今回の秋田における被害の多いところは地盤の弱いところなんです。秋田市それから本荘市、いずれも河口に近いところのいわばデルタ地帯みたいなところに都市ができ上がった、そういうところがひどいのです。ところが建物あるいは地下に埋没する水道管だとかガス管とか、こういうものに対してその考慮が払われておらないですね、多くは。もちろん最近できた何階建てかの建物で地盤が弱いというので念入りにやったところ、これはあります。そういうところは、またしたがって被害は受けておりませんが、本荘市なんかで水道がもうひどくやられておる。これはまあ資材の関係等もあるのでございましょうが、弱い地盤に埋没するそういう水道なり、あるいはガスなりというもの、こういうものの考慮というものが、やっぱり聞いてみると払われておらないですね。ですから、これは何べんも申し上げますように、この際ほんとうに大事な基本的な問題として、ひとつあなた方だけでもないでしょうが、関係するところはいろいろあると思いますが、十分これは対策を立てていかなければならない問題だと思うので、当然これは政府全体の問題としても検討されると思いますけれども、特に私は、質問というよりは、ひとつ要望、注文をしておきたいと思うのであります。  それから、この際もう一つつけ加えて申し上げたいのですが、災害に対する、何といいますか、考え方、どうもぼくらにすれば納得のできない考え方が、施設をやる人なり、工事をやる人なり、そういう者の中にある。一つ具体的な例を申し上げますが、秋田の八郎潟の干拓で、防潮水門がある。今回防潮水門のある部分をオーバーして海水が津波で——津波と言ったらいいか高潮と言ったらいいか、いずれにしろ相当中に入っているのです。海水が入るというと、その水を使ってやる水田に非常に悪い影響があるということは、これは明らかなんでありますが、それで関係の地元の人たちは、ちょっとやそこらの高潮等で海水が中に入らないようにしてもらいたい、こういうことを強く要望しているのです。ところが、あそこの八郎潟の工事の事務所の人たちは、何十年に一度起こるか起こらないかのそういう災害のために数億の金をかけてそういう工事をするということはたえられないと、これははっきり言うのですよ。これは農林省関係のあそこの所長がそうはっきり言うのですから、一体災害の工事なりあるいは災害対策というもの、それは確かに何十年に一度というようなことになるかもしれません、あるいは半ば永久的にないかもしれませんが、かりに何十年に一度の災害があるかもしらぬ、あるいはそういう災害が起こっても、そのために被害が起こらないようにするというのは、これは基本的な考え方じゃないだろうかと思うのですが、いま言ったように、そういうふうなことを言っておる。ですから、さっきの問題に関連をしますが、これはこれからの本格的な災害防除の対策というものを立てる場合の考え方として、私は誤った考え方だと思うのですが、これは政府の役人がそう言っておるのですよ。こういう考え方を捨てて、何十年に一度あるいは何百年に一度であるかもしらぬけれども、出てくる災害に対して万全を期するという、こういう対策を私はぜひなさなければならぬと思うのですがね。こういう点、たとえば建設省関係だっていろいろな構造物の場合、これは私は出てくると思うのですがね。どうでしょうか、そういう点については。
  29. 安芸元清

    説明員(安芸元清君) 八郎潟の水門がどういうふうな高さでつくられておるか、私詳細には存じておりませんけれども、考え方といたしましては、先生の御指摘のとおり同じであろうかと思います。われわれが河川構造物をつくる場合におきましても、既往の洪水の実績、それから何十年洪水というようなもの、それは計算上は出てくるわけでございますが、そういうものを対象にとりまして、それを一つの計画に載せて経済的な面で設計を立てていくという方向で現在やっておりますので、百年も何百年も絶対にこわれない堤防だというようなことを言明することができるかどうか、若干その点が疑問でございますけれども、常に維持管理を十分に怠りなくやりました場合には、異常な災害、現象が起こりましても、被害は最小限度に食いとめるというような工法でやらなければならない、かようにわれわれとしては考える次第でございます。
  30. 鈴木壽

    鈴木壽君 きょうは通産省の方おられますか。
  31. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 通産省は軽工業局、大臣官房……。
  32. 鈴木壽

    鈴木壽君 じゃ時間もないですから、ちょっと簡単にしますが、先ほど自治大臣から、消防の担当大臣として、いろいろこれからの工場の建て方とか、あるいは空地とか、あるいは防潮堤の検討とか、いろいろなことをおっしゃっておられました。適切だと思いますが、通産省として、いろいろな工場ができる場合に、その建物なりいろいろな施設について、やはり通産省自身として、たとえば石油コンビナートとか大きないわゆる装置工業といいますか、そういうようなものが出てくる場合に、現在規制する何かがありますか、災害防除の面から。
  33. 本多俊夫

    説明員(本多俊夫君) 現在のところは、特に災害の問題等についてコンビナートをつくる場合に特別の規制をする法律というものはございませんけれども、現在災害のみならず種々公害等の問題が起きておりますので、これはまあそういう点について特に規制をする措置をとりたいと思っておりますが、当面の災害に対ましては、新潟地区等に非常に類似の地区もございますので、今後新しくいろいろと工業地帯を形成するというふうな場合には、工場住宅の混在を防ぐ、あるいは石油業法に基づきますところの石油精製設備の新増設の許可というふうな場合に際しまして、周辺の民家の密集度合い、そういうもの等を勘案いたしまして、精油所周辺に対しますところの保安確保の見地から特段の配慮をはかっていきたいというふうに考えております、なお、先ほど来からも問題がございますように、往々にいたしまして精油所あるいは石油化学等のコンビナートにつきましては、埋め立て地というような土地に位置することが非常に多うございまして、建設の基礎工事にあたりまして、こういうふうな地震等の特別な災害等の起こることを予想いたしまして、今後特別な配慮をはかることを指導していきたい、こういうようなことでございます。
  34. 鈴木壽

    鈴木壽君 いまのところはあれですか、たとえば軟弱な地盤のところ、いまあなたがおっしゃったような埋め立て地等、こういうのは大規模なコンビナート施設、こういうものをやる場合に、これは全然場所なりあるいは建築のしかたなり、そういうことに対しましては、通産省としてはタッチできませんか。
  35. 本多俊夫

    説明員(本多俊夫君) これは実際の土地の状況に応じまして、新規に建設いたしますところの各企業に対しまして、それぞれそういうふうな土地の事情を勘案をいたしました上で、建設についての注意を十分すると申しますか、行政指導によってそういうことを行なっていきたい、そういうふうに考えております。
  36. 鈴木壽

    鈴木壽君 建設省関係では、何かそういういわゆる建築物その他の施設等について、何かこれは企業に対してタッチする面がありますか。
  37. 尚明

    説明員(尚明君) 工場内におきましても、建築物につきましては建築基準法の確認によって設計その他を審査してございます。したがいまして、機械、工作物等につきましては、やっておりませんけれども、建築物につきましては、建設省系統の建築基準法で見ているわけでございます。今回のようなことにつきましては、何と申しましても地盤に対する設計という点に、従来の研究不十分なところがあったことは事実でございます。したがいまして、今後そういう研究をいたしまして、この種の地盤についてはこういう基礎にしなければならない、そういうような規定を従来よりも必要な部分については、改正が必要であればしなければならない、こういうふうに考えて、その調査を今後進めたい、こういうふうに考えております。
  38. 鈴木壽

    鈴木壽君 これは大臣、いま聞いてみると、どうも心細いことばかりなんですが、これでいいわけじゃないと思いますから、さっき大臣から、いろいろ消防という立場からのこういう対策ですか、また、今後とるべき法改正なり基準の定め方等について、いろいろお話がありましたが、こういうものとともに、ひとつやはり政府部内としての十分な対策を講じて、地震は日本ではしょっちゅうありますから、災害は忘れたころにやってくるという話があるのですが、日本の場合は、これは忘れないうちに次から次と出てくる、地震なんかもそうなんであります。ですから、これはやはり早急に根本的な対策を立てなければならぬと思いますので、ひとつ政府の代表として大臣に私それを要望したいと思います。それから、いろいろ具体的なことでお聞きしたいと思っておりましたけれども、時間もありませんからやめます。  今回の災害で、これは大臣にお尋ねをするのですが、新潟山形を私は知りませんけれども秋田を見まして、個人災害が多い、これは住宅等を中心にしてです。ところが個人災害について、いまのところは、これは何ともいわば手がつかないわけですわね。個人の、その人の犠牲といいますか、負担といいますか、そういうかっこうになっているので、これは性質上、ある場合にはやむを得ないとも言えますが、しかし、たとえば住宅復旧なり、その他個人でなさなければならぬそういうものについて、しかし実際は個人の負担能力というものはない、たとえば住宅関係で、その融資なんかの方法も全然ないわけじゃございませんけれども、手続がめんどうだったり、やれ保証人がどうだったとか、いろいろなことがあるわけですね、しかも、ほしい額は借りられない、こういうふうなんでありますが、これは何とか今回のこれを契機に、個人の災害復旧に対する融資の方法なりを、もっといわば簡単に、しかもほしい額が出るようなことを、ぜひ考えなければいけないんじゃないかということを強く考えてきたのですが、そういう点について何か御検討なさっておりますか。
  39. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 公共施設災害のときは問題ありませんけれども、御指摘のとおりに個人の特に住宅被害が非常に大きい、しばらく営業も休まなければならぬというような業者などもあるわけでございますので、何とかそういった面の救済措置はないものかということを実は部内でもいろいろ検討いたしますけれども、名案もありませんし、思案投げ首の状態でございます。そこで結果的には融資ということになるわけですけれども、ただいま御指摘のとおりに、なかなか保証人の問題とか、あるいは融資手続等の問題がそれぞれやっかいであって、容易にこれを活用することができぬ場合には、何とか特に、いつでも言うことですけれども、できるだけ手続等を簡素化して、そうして有効にこういう資金を利用していただく道をつくることにつきましては、実は検討しておる最中でございます。しかし、なかなかむずかしい面もありまするけれども、当然前向きの姿勢で検討いたしてまいりたいと思っております。
  40. 鈴木壽

    鈴木壽君 地震による災害について、これは新聞等で見ましたが、保険も多くの場合適用にならぬ、こういうことがありますが、しかし大蔵大臣は、何とかやりたいというようなことを言っておられるようであります。これはもちろん大臣、所管が違うのでありますが、政府部内としても、そういうような統一された考え方でその問題に取っ組んでおると、こういうふうになっておるのですか、その点どうでしょう。
  41. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 地震保険のことにつきましては、私の所管でもございませんが、しかし、大蔵大臣が累次新聞などに漏らしておるようでございまして、とりあえず今回のことにつきまして、地震の場合の保険ですけれども、会社の特約に従って契約しておるものは、普通の火災保険の上にプラス地震の料率というものを加えたものでやっておる部分につきましては、それぞれ若干救済をされておるわけですけれども、全体として地震についての保険は扱わないことになっておる。ですから、新潟の場合、ほんとうに私お気の毒だと思うのです。損保協会も、新聞でごらんのとおり何がしかの金を出したわけですけれども、お見舞い金の程度でして、これを当該県並びに市町村がどういうように扱うか存じませんが、全くお気の毒だと思うのです。私の所管といたしまして、やはり衆議院の委員会でしたか、消防施設税のことでいろいろ議論をされております。実は外国の例も私はある程度調べようとしております。若干わかっておることもあるのですが、やはり将来こういったことに備えて、やはりまず火災保険というものをもう一ぺん再検討して、そうしてこういった際の火災保険のあり方、または平素完全に、火であれば防ぎ切れればいいわけです。それから地震保険ということにつきましても、やはり根本から検討しなければならぬと考えます。ただ、所管じゃありませんので、実は若干私も個人的には調査しておりますけれども、ここで私見を申し上げることは差し控えたいと思いますが、おそらくは鈴木委員がお考えになっておることと同じようなことを私も考えまして、何らかの策を講じなければならぬというふうには思っております。
  42. 鈴木壽

    鈴木壽君 最後にひとつ。これは要望みたいになりますが、先ほど大臣のお話の中にもありましたが、いわゆる激甚災害地の指定の問題ですが、行ってみますと、形にあらわれたところでは、たとえばタンクが燃えたとか、油がどうしたとかいうような、そういうものはありませんけれども、さっき言ったように個人災害中心として、非常な広範にわたりそれがあるわけなんです。ですから、たとえば今回の地震の大きかったといわれる新潟山形秋田、この三県の全区域の指定ということは、これはむちゃでございますけれども、その中の特に被害の大きな地域、そういうところに対しては、やはりこれは指定をして、万全の復旧をやらせる、こういうことでなければならぬと思いますが、これはいま言ったように、質問ということでなしに、特に私は現地を見てまいりましての強い感想として御要望申し上げておきたいと思います。
  43. 井川伊平

    ○井川伊平君 ごく簡単に御質問申します。お答えは簡単でけっこうです。  東京都内の高速道路がだんだんとでき上がっておりますが、あれはどのくらいの地震に耐えられる設計になっておるかということが一つ。  それから強弱と申しますか、大小と申しますか、一から七まで数字で発表されておって、そして今回のはそのうちの五だといわれております。七まであるもののその数字のきめ方が水平動と上下動との関係で、上下動がわずかであっても水平動が多い場合に、五から五、三から三とする。それから水平動は割合少なかったが、上下動がこうだったからこの数字を与えたという強弱をきめるところの標準は何か。この地震の大きさ、強さの関係の御説明と、もう一つは、高速道路がどの程度の数字までの地震に耐えられる設計になっているか、この二点についてだけお知らせ願います。簡単でいいです。
  44. 三野定

    説明員(三野定君) 高速道路の設計の場合には、上下動及び水平動につきまして、それぞれ重力加速度に対する割合に地震の加速度をプラスして設計をいたしております。そういうことでいたしております。東京の場合は〇・三というものを足しております。新潟の場合には〇・二というものを足しております。東京の場合には、ただいまの震度五というと、ちょっとうまく合いませんが、工学的にはそういうことであります。
  45. 井川伊平

    ○井川伊平君 それではわからぬのですが、〇・三とか二と言ってもわからぬのですが、それは今度の新潟地震の程度ではだいじょぶだとか、この前の東京の程度ではだいじょうぶとか、それにどの程度上回るものはだいじょうぶということを知りたいのです。
  46. 三野定

    説明員(三野定君) もちろん東京の場合には関東大震災は十分考慮に入れております。今度の新潟地震は、関東ほどではなかったというふうに伺っております。その限りにおいてはよろしいのじゃないかと思っておりますが、ただ、今度の地震につきましては、かなり地震の特性が違っておりまして、従来考えておったものと違ったゆれ方をしたというふうに聞いております。その点につきましては目下調査中でございまして、何とも申し上げられませんが、その強さの、いわゆる工学的にわれわれが計算をいたしております方法におけるところの強さ等におきましては、東京のほうがじょうぶにできているということが申せるかと思います。
  47. 赤澤正道

    ○国務大臣(赤澤正道君) 先ほど十時二十六分の地震ですが、これは震源地が北海道千島沖。それから北海道釧路市、浦河町これが震度四でございます。青森、八戸市が震度三、この間の新潟震度五でございますから、いまのところ北海道のほうは被害はございませんが、そういうふうに、何度というふうに御説明を願わぬと私らもわからないから……。
  48. 尚明

    説明員(尚明君) 震度幾つということについて申し上げますと、震度を類別いたしますと、震度七までございます。震度一を微震と言い、震度二を軽震と言い、震度三を弱震と言い、震度四を中震と言い、震度五を強震と言い、震度六を烈震と言い、震度七を激震と言っております。そうして関東大震災は震度六程度に大体相当いたします。それから今度は震度五でございますので関東大震災よりは小さいわけでございます。構築物の設計等は、大体関東大震災に耐え得るよう、さらにある程度の安全率を見て普通設計されますので、通常震度六には十分耐えられる、震度七というのはきわめて大きいのでありまして、これは歴史上もないような地震の数字に一応なっております。
  49. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 本日はこれにて散会いたします。    午後一時一分散会      —————・—————