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1962-05-04 第40回国会 参議院 農林水産委員会 第37号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十七年五月四日(金曜日)    午後四時三分開会     —————————————   委員異動 本日委員木島義夫君及び佐多忠隆君辞 任につき、その補欠として石谷憲男君 及び戸叶武君を議長において指名し た。     —————————————  出席者は左の通り。    委員長     梶原 茂嘉君    理事            石谷 憲男君            櫻井 志郎君            安田 敏雄君            森 八三一君    委員            青田源太郎君            植垣弥一郎君            岡村文四郎君            重政 庸徳君            柴田  栄君            田中 啓一君            谷口 慶吉君            仲原 善一君            温水 三郎君            藤野 繁雄君            大森 創造君           小笠原二三男君            北村  暢君            清澤 俊英君            戸叶  武君            天田 勝正君            千田  正君   国務大臣    農林大臣臨時代    理       三木 武夫君   政府委員    農林政務次官  中野 文門君    農林省農林経済    長       坂村 吉正君    農林省農地局長 庄野五一郎君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君     —————————————   本日の会議に付した案件理事辞任及び補欠互選の件 ○農地法の一部を改正する法律案(第  三十九回国会内閣提出衆議院送  付)  (継続案件) ○農業協同組合法の一部を改正する法  律案(第三十九回国会内閣提出、衆  議院送付)(継続案件)     —————————————
  2. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員異動について報告いたします。  本日、木島義夫君及び佐多忠隆君が辞任、その補欠として石谷憲男君及び戸叶武君が選任されました。     —————————————
  3. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) この際、お諮りいたします。  仲原善一君から理事辞任したい旨の申し出がございます。これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。  この際、理事補欠互選を行ないます。互選は、便宜上委員長から指名することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 御異議ないと認めます。よって、委員長は、理事石谷憲男君を指名いたします。     —————————————
  6. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 農地法の一部を改正する法律案(第三十九回国会閣法第六六号)、農業協同組合法の一部を改正する法律案(第三十九回国会閣法第六七号)、以上いずれも衆議院送付の二案を一括議題といたします。  両案について御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  7. 清澤俊英

    清澤俊英君 議事進行。何か聞きますと、質疑強行打ち切りをされるような話を聞いておりますが、理事安田君の話を聞きますと、そういう約束はしていない。あまり不穏当じゃないかと思う。質問は委員長に申し上げたとおり全部残っている。そういうお取りきめはないでしょう。
  8. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 別段安田君との問に取りきめはいたしておりません。
  9. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 野党側理事との間には取りきめをしておらぬ。むろん聞いたこともないことですから、安田君は取りきめしなかったのは当然のことと思うのですが、先ほどの理事会のお話を聞くところによると、進行上について何か本日中に質疑を打ち切りたいような意向が委員長かどなたからか表明されたということを聞いたので、私はなはだ失礼でありましたが、安田理事を難詰したのです。少なくともこれだけの重要法案審議する過程において、関係参考人を呼んで問題点について意見を聞くことを、そういうような審議を尽くすということを理事諸君が協議しないで、そしてきょう中に質疑を打ち切ってしまえ、未熟の問にそういうようなことをおやりになるということについて、非常にこれはへんてこな運営だと、少なくとも衆議院においても参考人を忙しい中であってもお呼びになって十分意見を聞くという過程があってこの法案が通ってきておる。したがって通すということについてお考えの政府与党としてつやっぱりしかるべく順序を立てられて審議を尽くすということでお取り扱いをしたらいかがかと、ずいぶん非常識なことをお話し合いになったものだと考えて、またそういう点について、安田理事が積極的な諸提案をすべき準備を持っておりながら、あえて攻勢をかけられたような形で拒否して帰ってきたというような事態になったことは遺憾だと思う。事実そういう話があったのですか、なかったのですか、あったとすれば、私は本席を借りて積極的に別な提案をしたいと思うのです。委員長にお伺いしたい。
  10. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 安田理事からお聞き取りを願ったとおりであります。
  11. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ということは、どういうことですか。
  12. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) これまでの理事会におきます経過ですね、経過につきましては、安田理事はもちろん御承知なんでありまして、安田さんからそれぞれ御連絡があったことと存じます。
  13. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そんな、同僚委員として委員長はどんなに偉いかしらぬけれども、役人みたいな紋切り型なことを言わんで、審議に協力してくれというなら詳しく経過を話したらどうですか。速記をとめても何でもいい。
  14. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) ちょっと速記をとめて。   〔午後四時九分速記中止〕   〔午後四時四十六分速記開始
  15. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 速記をつけて。  御質疑はございませんか。——御質疑はないと認めます。  それでは、これより両案の討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
  16. 安田敏雄

    安田敏雄君 私は日本社会党を代表いたしまして、議題になっております農地法の一部を改正する法律案並びに農業協同組合法の一部を改正する法律案に対しまして反対意見を申し述べたいと思います。  今回の改正案は、農地法基本原則に沿いつつ、自立農家育成協農化の促進をはかり、また農業従事者の転職を容易ならしめるように農地流動化を確保するものであるということを明らかにしておりますが、農地法原則とはどんなものであろうかという点があるわけでございます。農地は、その耕作者みずからが所有することを最も適当であると認めて、耕作者農地取得を促進し、その権利を保護する、こういうように農地法というものは述べているわけでございます。それを今回の改正案におきましては、一部の比較的大農だけを対象とするような自立農家育成をはかっている感がするわけでございます。たとえば農業基本法にうたはれておりますところの自立経営というような問題がありますけれども一体自立経営をいたしますに近代家族構成というようなことがやはり問題にならなければなりません。ところが、今日の農家の現状を見ますというと、親夫婦長男夫婦、まあこういうような形があるわけでございますが、これは今日の家族制度のもとではその問題はもう後退しておるわけでございまして、一体近代的な家族構成とはどういうものかといいますというと、やはり夫婦二人に子供二人とか三人とか、しかもそれが農業をするにはそれらが中心になったところの自家労働、まあこういうことになろうかと思うのでございます。そういう自力の自家労働に対しまして内地三町歩以上、北海道十二町歩以上の農地を今度は上限を撤廃いたしまして、そしてこれに農地を保有せしめるというようなことが、はたして今後において自家労働中心といたしましたところの農業経営に当たられるかという問題点が出てくるわけでございます。これらの問題は、家族制度の上からいっても、根本的に再検討されなけばならないのでございます。特に今回の農地法改正におきまして、一般会社農業法人資格を与えるわけでございますが、農業生産者にばかりでなくて、そういうふうにほかの会社にも与える、すなわち合名会社合資会社有限会社等にも農業法人としての資格を与える。ただ、その中で株式会社だけが削除せられておるわけでございますが、なぜ株式会社を削除したかというような問題もあるわけでございます。そこで、すでに政府からいただいた資料の中にも約四百何がしの協業を営んでおるところの、資料の中にも株式会社が四十幾社かあるわけでございますが、これらの問題の処理は一体今後どういうように発展していくのかということも考えられるわけでございます。特に問題点になりますのは、政府所得倍増計画におきまして、将来二町五反以上の自立経営農家を百万戸作る、そして十年後には農業生産を二兆四千億に持っていくと、まあこういうことでございます。そういうような中において二町五反の農家を百万戸作るということになって、それらの人たち粗収入が百万円だと、こういう倍増計画の内容のようでありますけれども、それを考えますというと、自立経営農家百万戸だけで約一兆円を粗収入に持っていくわけでございます。そうしますというと、残りの一兆二千億というものは、これは残り農家で分けなければなりません。かりに六百万農家としますというと、五百万戸が一兆二千億を分ける、こういうことになりますというと、農家二戸当たりの粗収入というものは二十二、三万ぐらいしかならぬ。まあこういうことになりますというと、五百万農家というものは、これは所得倍増計画の恩恵に浴せない、まあこういう問題が考えられるわけでございます。しかもそういう自立農家を百万戸ふやしていくということにすれば、かりに農家が二町以上の農家が現在三十八万戸日本の中にあるわけでございますけれども、百五十万町歩という土地を今後は自立経営農家に与えなければなりませんそうしますというと、かりにこの地価を二十万円と想定いたしますというと、約三兆円という金になるわけでございます。ところが、現在の農地価格というものは、おそらく二十万円というような安い値段ではございません。高いところによりましては四十万、五十万もするような問題もあるわけでございます。そういうような場合を考慮いたしますときに、三兆円というような、こういう以上、あるいは三十万円とすれば四兆五千億という膨大な金がかかりますが、これらの土地を購入するところの代金は一体どこから出てくるのか、はたして政府がそういうような土地購入代金を、これを将来自立経営農家のために保障し得られるのかどうかという疑点が出てくるわけでございます。しかもそういう中において、かりに自己資金でもって土地を購入したというような農家がありましても、それはせっかく土地を得ましても、今後における生産手段であるところの農機具その他のいわば問題にも自己資金が要るわけでございますから、結局土地は得ましたものの営農はできない、生産性の向上ははかり得ないといういわゆる資金面において行き詰まりが生じてしまう、こういうようなことも考えられるわけでございます。そういう意味からいたしまして、私どもはすでに社会党におきましても過ぐる国会におきまして農業基本法提案いたしました。しかし、われわれの農業基本法は、国会構成分野の中ではついにほうむり去られたわけでございまして、まことに残念ではございますが、私どもにおきましては、やはり農地農民に保有せしめる、そうしてこれは共同管理をしていくのだという、こういう基本原則を打ち出しているわけでございます。しかも生産につきましては、農民みずからが作るところの農業、いわば生産組合中心にしていく、たとえばその単位は十戸ぐらい、今度の政府改正案は、大体五戸を最低基準単位としているようでございますが、そういうようないわば農民みずから農業に従事するというものを中心にいたしまして今後の構造改革に対処していくという、こういう考え方を持っておるわけでございますが、そういう点と今回のいわば改正案とはほど遠い感じがするわけでございます。特に今回政府が三十六年度に指定いたしました農業構造改善事業、すなわち主産地形成というような問題もあるわけでございますが、これらにつきましては御存じのように、本年度九十二のパイロット地区、二百市町村一般地区の指定、こういう問題が出ております。それは政府で推進しているわけでございますが、これらの問題につきましても、従来は特別地区におきましても地元負担が、パイロット地区におきましても地元負担が二千万円、政府補助が三千五百万円、近代化資金が三千五百万円、それから一般市町村におきましては一億一千万円の事業費のうち地元負担が二千万円、政府補助金が四千五百万円、また近代化資金が四千五百万円、こういうことで主産地を形成するわけでございますが、私はこれだけでは農業構造改善が不十分であると思うのでございます。御存じのように、すべて畜産物におきましても、あるいはその他の果樹におきましてもそうでございますが。問題は農業生産物が再生産できるという、最低のできるということと、もう一つ農家最低生活が保障し得るという、こういう基本線に立ったところの価格が保証されなければならないわけでございます。そういう中にもかかわらず、そういうような流通機構の問題はさらに取り上げられないで、いわばただ基盤整備をする、そうしてそこへ主産地形成をするということになりますというと、その農業構造基盤整備をやった地区内におきましても大農と小農との間の、たとえば果樹をやる場合におきましても、片方の自己資金のあるものはいわば温室の果樹園を作る、ところが、貧農のほうはやっとこビニールのハウスを作るというようなことで、そこにお互いに自然的に格差が生じてくるという問題もあるわけでございます。しかもこの価格の保証がないために、現在では政府の推進するところの構造改善事業に対しまして、たとえば養蚕地帯におきましては繭価が一貫目二千円を保証されなければ、どういう形におきましても三千五百万円なり、四千五百万円の近代化資金の借金というものは、いわば農民負担のものになってしまう、こういうようなことが今日いわれておりまして、むしろ返上の機運さえも出ておるわけでございます。そういう意味合いからいたしまして、もう少しくこの農地の問題につきましては、今後十分に検討していくべきものがあるではないかというように思うわけでございます。この意味におきまして、実は前の国会から二回継続審議に本法案はなっておるわけでございますが、この間におきましては、相当日本経済界も、あるいはまた農業状態も、さらにはまた貿易自由化によりまして相当大きな変革を生じつつあるところの状況にあるわけでございますから、当然もう少しく法案整備をすべきではなかったかということを指摘しなければなりません。  また、農業協同組合の一部を改正する法律案でございますが、これは論議の中においてもそうでございますが、農業協同組合農業生産法人との問におきまして、将来必ず摩擦が生ずるということが種々論議されておるわけでございますが、これはまさにそのとおりでございます。こういう意味合いからいたしまして、私はこれらの問題につきましては今後十分な検討の上に対処していかなければならないと思う次第でございます。  さらに、農業協同組合土地信託するという問題があるわけでございますが、はたして農業協同組合土地信託することが妥当であるかどうかということでございます。信託業法との問題も考慮するならば、なおさらそういう疑点が出てくるわけでございます。今日の農協の状態を見ましても、真に農民のためにサービス機関といたしまして自主的にその生産発展に尽くしておるという農業協同組合もありますけれども、一面におきましては組合経営安定のためにその運営をしておる、こういうような組合現実の問題としてはあるわけでございます。そういう中でこの信託問題等につきましても、はたして完全な運行ができるのか、あるいはまた信託された土地を一体どういう調査に基づいていかなるものにこれを売り渡していくのかという将来現実の問題にぶつかったときにおきましては、相当運営上困難性をきわめるではないかということも予想されるわけでございます。  まあ、いろいろ申し上げたいことがございますが、特に、これは清澤委員のほうからもいろいろ指摘があったわけでございますが、農業生産法人農事組合にかかるところのいわば税の負担の問題でございますが、これらにつきましても私は十分もっと再考しなければならないと思うのでございます。というのは、実はたとえば、私も先日ちょっと触れましたが、畜産物の振興だというようなことによりまして、わが国飼料は足りませんから、これを外国から輸入する。濃厚飼料を輸入した場合におきまして、その飼料保税工場会が取り扱いましたときに配合飼料にいたします。その際、濃厚飼料を全部飼料に使うのだということが検査官によって認められた場合に、初めて関税がかからないで無税になる、こういうような特別の優遇があるわけでございます。今日、農業構造改善のいわば重要な時期に際会いたしまして、農事組合に加入する、すなわち農業生産法人の中に自分が出資いたしまして、そうして直ちに出資したものに対しまして課税をするというようなことは、特に今後避けなければならぬと思うわけでございます。今日、農業が曲がりかどにあるといわれておりますときに、農業生産基盤拡大して、そうして農民にいわば最低生活保障ができ得るという、農産物の価格を安定する、こういう主眼点に立つならば、今回の農地法の一部を改正する法律案と、農業協同組合法の一部を改正する法律案については、さらに最近の農業事情にかんがみまして、再考してもっとしっかりしたものを提案すべきではなかったかということを私どもは申し上げたいのでございます。  いろいろ申し上げたいわけでございますが、以上簡単でございますが、本二法案についての反対理由とする次第でございます。
  17. 櫻井志郎

    櫻井志郎君 私は自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております両法案賛成の意を表し、その趣旨を簡単に申し上げたいと存じます。  今回の両法案について、過日、衆議院農林水産委員会において、日本社会党推薦者をも含めて四人の参考人から意見が求められた際、四人の参考人全部が両法案賛意を表し、一日も早く成立することを希望された向きもあったこと等からいたしましても、民意のおもむくところ、きわめて明瞭である。     ————————————— (「その討論はおかしいぞ」と呼ぶ者あり)おかしくない。  農業基本法では、国の政策の目標を達成するための国の施策として、農業生産選択的拡大農業生産基盤整備農業構造改善等八項目にわたる事項を掲げ、国はその政策全般にわたり必要な施策を総合的に講じなければならないことを明らかにし、特に農業構造改善、すなわち、農業経営規模拡大農地集団化、家畜の導入、機械化、その他農地保有合理化及び農業経営近代化をはかること並びに家族農業経営発展自立経営育成及び協業の助長を明定しておるのであります。  政府及び自民党におきましては、農業基本法を尊重し、その実施に遺憾なからしめ、これが成果の十全を期し、すでに農業近代化資金農業基盤整備畜産物価格安定、その他もろもろの施策実施に努め、必要な予算的、資金的諸措置整備並びに推進に非常な熱意を持って懸命な努力を続けておるのでありまして、農家努力と相待っ、これによりわが国農業近代化及び合理化並びに農業生産力発展が期待されるのであります。  しかして、今回の両法律案は、農業構造改善の裏づけ的な法制措置として、農業基本法が規定する農地についての権利の設定または移転円滑化の方針にこたえ、農地法の基本的な原則は堅持しつつ、農地等の所有及び移転等の制限を緩和して、一方においては自立家族農業経営育成に資し、他方、農事組合法人、その他の農業生産法人農業経営に伴う農地取得を認めて農業経営規模拡大及び資本装備高度化に寄与するとともに、農業協同組合農地等の貸付または売り渡しの方法による信託事業を行なう道を開いて農地等流動化を促進しようとするものでありまして、その構想とその意図するところはまことに適切でありますので、心から賛意を表するものであります。  そこで、この実施にあたりまして、私は次に申し上げます附帯決議案を皆さんの御同意を得、御賛成を得たいと存じます。  次に附帯決議案を朗読いたします。   政府は、この法律の施行に当り、次の事項につき遺憾なからしむべきである。  一、農業構造改善に必要な農地等流動化を促進するため、長期低利資金拡大等画期的な措置を講ずること。  二、農事組合法人育成に努めるとともに、農業協同組合との間の調整に万全を期し、両者の健全な発展に資するため法人税等の減免及び低利資金の融通を図ること。   右決議する。  以上でございます。
  18. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 速記をとめて。   〔速記中止
  19. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 速記を始めて。
  20. 清澤俊英

    清澤俊英君 議事進行について。そういう公式の場合に、今櫻井君から指摘されたようなことは取り消してもらいたい。この前の基本法においては、かってそうですよ。三十条を逐条審議するという話し合いで、わずか六条かそこらしかやらぬうちに打ち切ったですよ。今度だってそうですよ。まだ残されているものは山ほどありますよ。ですけれども、あなた方のいろいろの事情もまあ勘案してきょうは上げてしまおうと、こういうのはどうしてくれるのです。われわれはまだやりたいのですよ。ないのじゃないですよ。完全な審議はまだ済んでおりませんですよ。しかるに、そういう妙ちくりんなことをやられては、われわれは承諾できませんよ。取り消して下さい。
  21. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 清澤君に申し上げます。ただいまの件に関しましては、速記録を早急に見まして、委員長において善処したいと思います。
  22. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私は、委員長委員会の権限で善処するよりも、今後長きにわたって、自民党社会党がなくならぬ限りは、この委員会運営はやっていくのだよ。われわれ不満であっても、理事会の決定だということもあり、櫻井君も不満なことがあっても、また野党の言い分も通して、お互い一方的な運営をしないで今日までやってきて、そうして、いろいろな不満事情がある中に、こうして採決の段階に入ったのです。一方的に社会党責任審議が延ばされて法案の成立がおくれたなんということは、お互い理事者として委員会運営責任を持つ者として、そんな発言は不当です。侮辱ですよ。
  23. 櫻井志郎

    櫻井志郎君 私は、社会党ということは一つも言っておりません。しかし、委員長におまかせしてけっこうですよ。
  24. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 あなた自身、今後の運営を考えたら、ちょっと言い回しの足りなかった点があるとかなんとかいう発言をして、委員長によろしく善処してくれというくらいのことをやって下さいよ。わからぬじゃないか、速記がなければ。だめじゃないか、速記を起こしてやってくれよ。審議権を侮辱するんじゃないよ。
  25. 櫻井志郎

    櫻井志郎君 私の発言について誤解を招いた点があるとすれば、言葉が足りなかった点があると思います。その点について、委員長において誤解のないように善処されるように、委員長におまかせします。
  26. 天田勝正

    天田勝正君 私は民社党を代表いたしまして、農地法の一部改正農業協同組合法の一部改正、両法案賛成をいたし、かつ、ただいま櫻井君から提案のありました附帯決議にも賛成をいたします。  わが党は、昨年農業基本法提案をいたし、これは自民党、わが党、社会党それぞれの案が提案をされたわけでありますが、その立場からいたしますならば、もともと根本の法律でありまする基本法政府案に反対したのでありまするから、そこで、今回の両法案改正におきましても、基本法を裏づけるという建前からするならば、微温的と言わざるを得ないのであります。さようなことでありまするならば、今後一切の農業基本法に関連した法律反対あるいは阻止をせざるを得ません。しかるに、今日の事態は各委員がそれぞれ指摘されておりまする他産業と農業との所得の格差はますます開きつつあるのみならず、特に大都市の近郊といわれております私の埼玉県あたりでさえも、市街地とわずかに二キロないし三キロ程度離れた土地におきましても三年前から見るならば、土地価格が半分に下がり、あるいは三分の一に下がっておる。このことは、一方において上がるのに一方が土地価格が下がるのはなぜかというならば、それだけ今日の農業が困難を来たして、とうてい若い者が農業に携わる熱意が失われておるということを端的に表わしておるものでございます。そういう観点に立ちますならば、若干でも困難な今日の農業状態改善するということに眼を向けまして、いろいろな問題がありましても、せめて今後共同化が多少でも進むというこの両案に賛成したい、こう思うのであります。  すでに、この両法案につきましていろいろな心配になる点があることは、個々の審議を通じまして明らかになっておりますとともに、その結果として、衆議院におきましては、この法案成立の後における運営については六項目にわたる附帯決議をつけておるのであります。さらに、もし本委員会の同意を見まするならば、ただいまの櫻井提案附帯決議をつけ、かようにいたしましていまだ足らざる点は、今後政府において十分考える。そして、私ども農林委員もともにこれを考えていって、今日の農村の苦境を軽減して参る、こういう努力を重ねなければならないと思います。ただ、この際私が指摘しておきたいのは、本委員会における大蔵当局の答弁はまことに遺憾でございました。本来、農業基本法ができる際にこの基本法及びこれに関連する法律実施して参るには、単に農林当局だけの認識ではとうてい事足りない。どうしても、閣内あげてこの今日の苦しい農村の事態を匡救していかなければならないということが出席された各大臣からそれぞれ述べられておったのであります。ところが、一例をあげますと、確かに今度の改正によりまして、団体につきましては税法上の若干の改正がなされ、また今後において、政府法人税等については考えるようであります。しかしながら、団体を作るために、個人がみずからの不動産を出資する、こういうような場合になりますと、他の団体をあるいは会社を作る場合と同じように譲渡所得税はものすごくかかるのでありまして、ここでも清澤委員からも実例をあげて提示されましたけれども、もし三千万円の新しい団体を作る場合の譲渡所得は実に三分の一の一千万円に及んでしまう、かようなことでありまするならば、とうてい構造改善という問題の急務すら実施することはできないのでございまして、これらのことについては今後十分改善して参らなければならないと思います。そのことは内閣自体が農業基本法を作った精神、その思想をば一農林当局に限らずして政府全般が持っていただく以外には道はない、こう私は考えるのであります。  以上申し上げまして二法案には賛成をいたします。
  27. 千田正

    ○千田正君 農地法の一部を改正する法律案及び農業協同組合法の一部を改正する法律案、この二案が当委員会議題になってかけられてから、審議期間がきわめて短い、もう一つは第一番に考えなければならないのは、農業基本法が通ってからすでに半年以上たっていて、こういう農業の格差を是正する、あるいは国際農業との問の関連において日本の経済の成長のための基礎産業である農業基本法がこういう跛行的な状況にあってはならないという観点からいいまするというと、農業基本法そのものに対しても十分ではなかった、さらにまた、ただいままで審議した過程におきましても、いろいろのまだまだ考えなきゃならぬ点がたくさんあると思うのであります。特にこの十月から貿易の自由化あるいはヨーロッパにおける共同市場の進出というような問題を考えまするというと、日本の経済に及ぼす影響が非常に大きいし、特に農山漁村等におけるところの従来の日本の基礎産業に及ぼす影響というものは、非常に甚大である。それに対処すべきところの法案としては、はなはだ残念ながら、十分とは申し上げにくい。そこで、私どもは、ほんとうを言うと、この問題を審議するには、少なくとももう一カ月くらいかかってやりたいのでありまするが、今国会はもうまさに幕切れの状況にある。衆議院から送付されて、わずかの期間で審議しなくてはならなかったということは非常に遺憾でありまするけれども、一応これを通しておかないというと、日本全国の農民が、政府並びに国会は、農業基本法を通したけれども、それのベースになるべきところの法案が十分に通っていないじゃないか、いつになったら、しからば政府並びに国会日本農民に対して、ほんとうのいわゆる将来の施策に対しての指針をきめるのか、こういう声が至るところで聞こえるのでありますので、はなはだ遺憾でありますけれども、一応この法案を通しておいて、しかる後において、押し寄せてくるところの国際的な経済の波を農民がかぶらないように、そうして日本農民のほんとうの底力であるところの政策を今後作らなければならないと思いますので、本日は遺憾でありますけれども、一応この法案賛成することにいたします。
  28. 森八三一

    ○森八三一君 私はただいま議題となっておりまする農地法の一部を改正する法律案並びに農業協同組合法の一部を改正する法律案に対しまして、以下申し上げまする意見を付して、衆議院送付の原案に賛意を表するわけであります。  農業基本法が成立いたしまして、一刻も早く基本法の実があがって参りまするように、関連する法律を正しく整えていくということが日本農業の現状、農民生活の実感に即しまして、きわめて緊要でありますることは申すまでもございません。そういうような趣旨にのっとりまして、この二つの法律提案せられておりまするわけであります。もちろん内容的には幾多改善すべき問題点はあるといたしましても、当面、この法律を制定いたしまして、農民の期待にこたえますることがきわめて重要な要諦であると考えるからであります。が、しかし、この法律運営するにあたりまして、特に考慮を払わなければなりません枢要な点につきましては、本法の審査に関連いたしまして、私も相当に質疑をいたしまして、速記録にも残っておることでありまして、今ここでそれを繰り返そうとはいたしませんが、特に農業協同組合法の一部改正に関連いたしまして、農業協同組合の下部機構的な存在として、農事組合法人が今後設立をされていくわけでありますが、その農事組合法人と親組合たるべき農業協同組合との間にいろいろの摩擦を招来する危険がなしとはいえないわけであります。政府の当局におきましてはその間の事情を十分察知をいたしまして、さような事態が起きないように善処をし、指導をするというような御発言ではありまするけれども、事はきわめてむずかしい問題でありまして、農村の実態を考えますと、必ずしも抽象的なそういうような指導方針というものを持っているだけでは実施し切れないという問題が随所に起きてくると思うのでありまして、私は農事組合法人の設立に関連いたしまして農業協同組合の発達を阻害することのございませんように、ほんとうに誠意を尽くして万全の措置を期待をいたすのであります。同時に、またその農事組合を創立いたしまするときに、零細な農民諸君、特に経済的に困難をいたしておりまする農民諸君といたしましては、農事組合の形式的な資力を充実せしめるための出資ということは非常に困難であることは予測にかたくありません。自然、農地を現物出資という形になろうと思うのであります。さような場合に、先刻天田委員からも御指摘になったわけでありまするが、譲渡所得税が課せられるというような形式的な現行法を当てはめていくということになりまするというと、実質的には農事組合の成立が非常に困難になろうと思う。またそれを押し切ってやるとすれば、非常に農民諸君に負担をかけるということになるわけであります。この間の問題についても最善をいたされたいと思います。特に私はこの二法案の最終の段階におきまして農業協同組合が何といたしましても今後における農業構造改善の中核的な団体として全機能を発揮していかなければならないということでありますので、その農業協同組合の正しい発展を期待いたしまするために農業協同組合に課せられている犠牲の軽減なり免除をはかりますことが当然の義務であると確信をいたしておりまするので、出資組合である農業協同組合農業協同組合連合会が各事業年度の所得のうち積み立てた、法律の規定による準備金の金額がある場合におきまして当該法人の各事業年度途中の日におけるその準備金の金額の合計額が、当日における出資総額の二分の一に相当する金額に達しないときは当該法人の各事業年度の所得のうち積み立てた金額については当該事業年度の所得に対する法人税は課さないという趣旨の修正を行なうべきであるという考えを持っております。皆様の御同意がありますれば、この修正を行なった上で可決をする、端的に申しますれば、農業協同組合に課せられている法人税を免除するということをこの際は踏み切るべきである、そのことを改正として提案をいたしたいという考えを持っておりました。持っておりましたが、先刻桜井君提案附帯決議の第二項にも、そのことについて、政府の善処を求める趣旨の内容が織り込まれておる案も出ておりますことでもありますし、このことにつきましては、政府の当局におきましても誠意をもって次の国会なり、あるいはその次の国会なり、すなわち臨時国会なり、通常国会なりにその趣旨を取り入れた法改正をやることに全力をあげるというように、誠意をもって対処せられるということも承っておりますので、この際、会期の切迫も考慮いたしまして、法律修正の措置には出ません。出ませんが、このことにつきましては、どこまでもこの趣旨が実現されるということを、実は内容として賛成をしておるということをつけ加えまして、私の討論を終わります。
  29. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 他に御意見もございませんければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより両案を順次採決いたします。  まず、農地法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  31. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって可決すべきものと決定いたしました。  次に、農業協同組合法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  32. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって可決すべきものと決定いたしました。  次に、討論中述べられました櫻井君提出の附帯決議案につきましてお諮りいたします。  櫻井君提出の附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  33. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 多数と認めます。よって、櫻井君提出の附帯決議案は本委員会の決議とすることに決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成その他の自後の手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) 御異議ないものと認めます。よって、さよう決定いたしました。  この際、三木大臣より発言を求められておりますので、これを許します。
  35. 三木武夫

    ○国務大臣(三木武夫君) 農地法並びに農業協同組合法の一部改正法案の参議院の農林水産委員会御決議に対する政府の所信を申し述べたいと思います。  政府といたしましては、農業基本法の趣旨実現のため、両法案の施行にあたりましては、他の諸施策と合わせて、自立経営育成協業の助長の実をあげるよう努力して参りたい所存でございます。なお、農地取得に対する資金融通措置、農協及び農協連合会等の課税負担の軽減等につきましても、附帯決議の趣旨に沿って今後十分に検討を加えて、両法案の目的達成に遺憾なきを期したいと思っております。  あと先になりましたが、河野農林大臣の留守中、私が臨時代理をいたすことになりました。よろしくお願いをいたします。(拍手)
  36. 梶原茂嘉

    委員長梶原茂嘉君) それではこれをもって散会いたします。   午後五時三十五分散会      —————・—————