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清澤俊英君 私は
社会党を代表して
本案に反対いたします。
いろいろ
競馬をやりまして、それによって馬の
増殖、
改良をするとか、その金で
畜産の
振興、
社会福祉の増進、学校を建てるとかというような
方面へ金を出すからまあいいじゃないかということと、いま
一つは、世界的にやはり
競馬というものもあるのだから、その世界的なやはり水準に従ってやってもいいじゃないか、こういうような
議論が
中心で強引にまあ今
競馬法というものがまた
改正せられて、しかも、これはどうも見ますと、ある程度まで整備強化する線も出ておるようでありますが、こういうことを
考えてみますと、この裏には、いわゆる
賭博行為が
中心になっておりますので、したがいまして、
社会党は年来の主張として、ひとりこの
競馬だけでなく、現在行なわれておる競輪、オートレース、その他まだ
一つほどあるようでありますが、こういった
賭博的なものを
国民に公開することは
一つの間違いであると同時に、これらの
賭博行為の
うしろに、先般の資料をもらいましても、この
組織の裏についた
犯罪というものは、まあそう数多くはありませんですけれ
ども、総
犯罪の、平均して約〇・八、九%の
犯罪率を持っておる。これは表面に現われた
犯罪率でありましょうが、実際はこれを
中心にして今最も
国民的に
考えなけりゃならない問題として暴力団の
横行等のことを
考えられて、
政府等におきましても、こういう
暴力対策に対しては
相当の
考えをもって臨むとは言うておられますが、なかなか成果は
一つも上がらぬ。ちょうどざるの目を通すがごとく片っ端から検挙しても、それが彼らのいわゆる金鵄勲章になるだけの話で、決して絶えることではなく、だんだんと増強拡大していくと、こういうような者の温床として多くの場合使われておる。こういうものを
考えますと、一面においては
国民の
考え方に
賭博を公許してやっておる、こういうこととともに十分
考えなけりゃならない私は要素があると思いますので、したがいまして
社会党としてはこれに対して反対して参ったのであります。
しかも本
法案の
地方競馬、根本的に反対して参ったのでありまするが、このたび提出せられました
地方競馬の
改正等を見ましても、一部
改正をやっていかれることを見ましても、私は何もこの際
地方競馬全国協会等を設けて、そうして
屋上屋を重ねたような
一つの
組織体を作って、わずか集めて参りまする金は三億円ぐらいのもの、しかも、それをどうして分けるかということになったら、なかなか困難だと思うのです。そういうものが
中心になって、その
半面にはそれだけじゃないのだと、
半面におきましてはひとつ
業務を整備して馬の
免許の問題であるとか、騎手の
免許であるとか、
訓練であるとか、あるいは馬の登録の問題であるとかというような、ほとんど
競馬業態に必要なものを整備しようとしているわけであります。そういう形で出ておりますが、先般も私は質問の中で申し上げましたとおり、それくらいのことは、現在の
全国競馬主催者協議会でもやれることじゃないかと思う。馬の
訓練であるとか、あるいは
審判員の
訓練であるとか、馬の調教であるとかいうようなものは、やり方によれば、私は、
中央競馬でもってより完備した
施設をもってこれを行なっているのでありますから、そこで、何かの
免許の
資格を取るようにして参りまして、その
資格者を回すような規定にすれば、何もこんな二重構造の無理なものを作り上げることは要らないと思う。そして、しかも作り上げます主体の財源が
二つに分かれまして、そして
一つは、六千万円以上の
売り上げのある有力なところから、附則で定められた
漸増的一定率の金を集める。それは三億三千万円。一方からは、全部の
開催者から、千分の一%から三%、平均して二・五%の金を集めてこれを運用する、こういうような非常に、まあ数字で申しますれば簡単でありますが、それを基礎にして、一億一千万円ぐらいで、この
協会を
運営していくんだと、そして、さっき申しました六千万円以上の
売り上げのあるところから取りまする金は、これは
特別会計において集めて、そして、これは間違いなく
全国に、
畜産振興並びに馬の
増殖改良を
中心にして流すんだ、こういう御
答弁でありますが、先般もらいましたその
協議会の
収支計算書を見ますと、決して
特別会計になっておりません。そのうちの幾分かが、やはり
地方から、一般から集めました
基金の中に食い込まれておる。私はこれらは、口では、三億三千万円は別にしてそして
特別会計で流すんだなどとこう言われるかもしれぬけれ
ども、あの
計算書を見まするときは、結局あれだけの
施設をして、二重
施設をやりまして、
業務規程にあるような
施設をやって、そしてこれを
訓練して参りましたら、これは手数料や、あるいはいろんなもので返ってくる部分もあるかもしれませんが、私は、その集めた金は、これから
畜産や馬の
増殖改良に使おうとする金は、これはだんだん食い込まれていくんじゃないかと思う。
こういうことを
考えますと、何もここでそういうむずかしい
法律を
改正して、ああいう
独立機関のようなものを作る必要はないと思う。こんなものは最も簡易にしてお扱いになったほうがいいのじゃないかと思う。
こういうことを
考えますとき、私は直接のこの
法案自身の中にも大きな疑惑と不満を持つものでありまして、両方を相合わせて、
結論的に、
日本社会党はこの
法案に反対して参ります。