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1961-04-21 第38回国会 衆議院 本会議 第32号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年四月二十一日(金曜日)     —————————————  議事日程 第二十五号   昭和三十六年四月二十一日    午後一時開議  第一 国家行政組織法等の一部を改正する法律   案(内閣提出)     ————————————— ○本日の会議に付した案件  原子力委員会設置法の一部を改正する法律案(   内閣提出参議院回付)  科学技術会議設置法の一部を改正する法律案(   内閣提出参議院回付)  公職選挙法の一部を改正する法律案島上善五   郎君外七名提出)及び政治資金規正法の一部   を改正する法律案島上善五郎君外七名提   出)の趣旨説明  日程第一 国家行政組織法等の一部を改正する   法律案内閣提出)  地方税法の一部を改正する法律案内閣提出)  犯罪の防止及び犯罪者の処遇に関するアジア及   び極東研修所日本国に設置することに関す   る国際連合日本国政府との間の協定締結   について承認を求めるの件  通商に関する日本国キューバ共和国との間の   協定締結について承認を求めるの件  測量法の一部を改正する法律案内閣提出)    午後一時二十二分開議
  2. 清瀬一郎

  3. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) お諮りいたします。  参議院から、内閣提出原子力委員会設置法の一部を改正する法律案科学技術会議設置法の一部を改正する法律案が回付されました。この際、議事日程に追加いたしまして、右両回付案を一括して議題とするに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  原子力委員会設置法の一部を改正する法律案参議院回付案科学技術会議設置法の一部を改正する法律案参議院回付案、この両案を一括して議題といたします。
  5. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 両案を一括して採決いたします。  両案の参議院修正に同意の諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  6. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 起立多数。よって、両案とも参議院修正に同意するに決しました。      ————◇—————  公職選挙法の一部を改正する法律案島上善五郎君外七名提出)及び政治資金規正法の一部を改正する法律案島上善五郎君外七名提出)の趣旨説明
  7. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 議院運営委員会の決定により、島上善五郎君外七名提出公職選挙法の一部を改正する法律案及び政治資金規正法の一部を改正する法律案趣旨説明を求めます。提出者島上善五郎君。   〔島上善五郎登壇
  8. 島上善五郎

    島上善五郎君 私は、日本社会党を代表いたしまして、公職選挙法の一部を改正する法律案並びに政治資金規正法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨説明を行ないたいと存じます。(拍手)  池田総理は、就任後、よく政治姿勢を正すとか、国民に信頼される公明なる議会政治を確立するとかいう言葉を使いましたが、一体、いかにして政治姿勢を正すのか、国民に信頼される公明なる議会政治をどうして実現しようとするのか。もし、この言葉真実性がありますならば、池田総理のもとにおいて行なわれた昨年十一月の総選挙が、戦後最大の不正、腐敗選挙であった事実、買収供応等のいわゆる悪質違反者が、違反者総数の九〇%をこえるということの事実、そうして、その中で、池田総理の率いる自由民主党公認候補者を含む候補者運動員が圧倒的多数であったという事実、これらの運動員の中には、いわゆる総括主宰者出納責任者が多数含まれており、今なお二十九名の多数の者が逃亡しておる事実、このような事実に対して、深刻にして厳正なる反省を行ない、国民にその不明をわびて、直ちに公職選挙法の抜本的な改正に着手することでなければならないと存じます。(拍手)しかるに、池田内閣は、から念仏を唱えることには達者でございますけれども、一向に具体的な改正に着手しようとはしないで、先般本院に提出されましたように選挙制度審議会なるものを設け、みずからの責任を回避して、じんぜん日を延ばし、国民世論のほとぼりがさめたころ、うやむやにごまかしてしまうのではないかと疑われるような態度をとっておりますことは、はなはだ遺憾であり、国民の断じて納得しないところでありましょう。(拍手)  御承知のように、明年七月には、参議院通常選挙が行なわれます。そうして、ぼつぼつ事前運動らしきものの動きが見られます。もし、すみやかに公職選挙法改正いたしまして悪質事前運動を厳に禁止しなかったならば、昨年の衆議院選挙にさらに輪をかけたような悪質選挙になるのではなかろうかとの心配が、心ある者のひとしく持っておるところであります。(拍手)腐った土台の上には、りっぱな建物が建つ道理はございません。国民と直結し、国民に信頼される議会政治を確立するには、まず、その出発点であり土台である選挙を、金や物によって汚されない選挙、権力の介入によって左右されることのない選挙、すなわち、選挙民の意思が政策と候補者の人物に対して自由に公明に表明できる正しい選挙にすることが何よりも必要であります。(拍手)  私たちは、この信条をもちまして、かねてから選挙法改正について検討、調査を加えて参りました。その結果、現行選挙法には多くの矛盾や不備、欠陥がありますことが明らかになりましたので、昨年の通常国会にも、公職選挙法の一部を改正する法律案、並びに、政治資金規正法の一部を改正する法律案、及び、衆議院議員選挙区における議員定数と人口のはなはだしいアンバランスを是正するための審議会設置法案の三案を提出したのでございますが、国会の解散によって廃案となりました。そして、法改正がなされないまま行なわれた選挙は、今申しましたように、醜悪きわまりない選挙となり、二万八千名に余る悪質違反者の中には総括主宰者出納責任者が多数含まれており、裁判の結果は連座によって失格するのではないかと疑われる議員が多数おりますことは、国民に対して何とも言いようのないことであり、国民議会政治に対して疑惑と不信を深めますのは、けだし当然であるといわなければなりません。(拍手)しかし、私は、ここで、われわれが正しい選挙をしたからといって、声を大にして他を責めるをもって事足れりとするものではありません。われわれの期するところは、不正、腐敗選挙を根絶し、金のかからない正しい選挙の上に真の民主主義政治確立の方途を明らかにし、議会政治不信を抱き、ややともすれば背を向けようとする国民の信頼を回復するために、ここに、国民の要望にこたえる緊急必要な公職選挙法並びに政治資金規正法改正を行なわんとするところに、私どもの目的があるのであります。  以上、きわめて簡単に総括的な理由を述べましたが、内容要点につき、少しく述べさせていただきます。  まず、公職選挙法改正について述べますが、この改正案要点の第一は、金のかからない選挙にするために、公営を可能な限り拡大しようとする点であります。そのために、はがきの枚数、新聞広告選挙公報立ち会い演説などの回数をそれぞれ適当と思われる程度に増したこと、及び、ポスター公営掲示場を新たに設けたこと、並びに、テレビ利用の道を開いたこと等であり、また、文書については、現行ポスターのほかに、立て看板を適当数認めることとし、そのかわり、街頭演説会場と称して無数に立て看板を立てたり、選挙事務所に無制限に立て看板を立てることなどを、それぞれ二枚ないし三枚に制限したこと等であります。  第二は、事前運動制限を強化し、後援会政党及び政治団体、その支部の集会その他の行事の名をかりてする酒食、金品、記念品などの贈与を禁止し、もしくは制限したこと、並びに、高級公務員がその地位を悪用してする事前運動の弊害を除くため、その職を離れてから二年以内は公職候補者となることができないようにしたこと等であります。  第三は、寄付制限を強化し、選挙運動期間中、候補者及び後援会区内有権者及び有権者の組織する団体に対る一切の寄付を禁止したこと、並びに、候補者の受ける寄付については、国から財政投融資補助金交付金利子補給等を受けている団体からは選挙に関して寄付金を受けてはならないこととしたこと等であります。  第四は、連座制及び悪質違反者に対する罰則を強化し、総括主宰者出納責任者及び実質的にこれと同じ職務を行なった運動員が、買収及び利害誘導罪等のいわゆる悪質違反を犯して刑に処せられた場合は、あらためて当選無効の訴訟を要せずして候補者連座失格することとし、また、候補者がこれらと同じ悪質違反を犯し刑に処せられた場合は、必ず五カ年間公民権を停止することとし、また、運動員前記と同じ悪質違反を犯し刑に処せられた場合は必ず公民権を停止することとし、前記違反容疑者が逃亡した場合は時効を五カ年間に延長したこと等であります。  以上、内容概要に関して、一々の改正理由を省略して簡単に述べましたが、委員会審議を通じて、さらに詳細に内容及びその理由を明らかにいたしたいと存じます。  次に、政治資金規正法改正案について一言述べます。  政治資金規正法改正は、古いことを申しますと、実は七年前からの懸案であります。昭和二十九年、国会が極度に混乱いたしました際、当時の五党は、自粛のために、三法、すなわち、公職選挙法国会法及び政治資金規正法改正国民に公約したのであります。その後、不十分な形ではありましたが、他の二法は相当程度改正が行なわれたにもかかわらず、政治資金規正法のみは改正されずに今日に及んでいるのであります。  御承知のように、現在の政治資金規正法の柱ともいうべき点は、政党及び協会等について、国と請負その他特別の利益を伴う契約の当事者から選挙に関して寄付を受けることを禁止している点でありますが、これは、裏を返せば、選挙に関してでなければ、これらの者から、自由に、額のいかんを問わず、寄付を受けてもよろしい、ということであり、選挙に関してであるかいなかの判断はきわめて困難である場合が多く、さらに、その対象範囲もあいまいな表現であること等からいたしまして、実際にはほとんど寄付制限実効を上げ得ない状態であります。そこで、われわれは、この対象を、国から財政投融資補助金交付金利子補給等を受けている会社その他の法人にまで範囲を広げるとともに、「選挙に関して」なる六文学を削除することによって巧妙なる脱法の抜け穴をふさぐとともに、常時の政党資金も公明化するよう改正しようとするものであります。  これらの改正については、どうしても一言その理由をつけ加えねばなりません。と申しますのは、今までも、この改正案提出いたしました際、保守党の側から強く反対がございまして、そのつど、それならば、社会党総評等労働組合から受ける寄付も禁止せよというのが反論でございました。しかし、私は、この議論は本質をはき違えていると断ぜざるを得ません。なぜかなれば、われわれの禁止しようとするのは、一般会社法人ではなくて、国から財政投融資補助金交付金利子補給等を受けている団体、すなわち、特別な財政的恩恵を受けている会社法人対象としているのであって、言いかえますならば、右の手でもって国民から預かったお金を特別の恩恵をもって提供し、左の手でもってそのリベートを受けるにひとしいように寄付は当然禁止すべきものである、このような考えに立っているのであります。(拍手)この点に関しましては、国民世論もひとしくわれわれの改正案を支持しておりますことは、かつてわれわれが提案いたしました際、大新聞が筆をそろえて賛意を表した事実によって明らかであります。  昨年の下半期における各党の寄付金受入額を自治省への届出によって見ますると、自民党は十八億九千余万円、ほかに自民党内の八つの派閥の受けているもの九億六千万円、合計二十八億五千万円余りであります。社会党、民社党はそれぞれ二億円前後でございますが、自民党は本来財閥から支持される政党でございまして、社会党中小企業勤労者から支持を受ける政党でございますから、金額に多い少ないがあるのは当然であるかもしれませんが、この多額の寄付の中に、先ほどあげました国の政治と結びついて特殊な恩恵を受けている会社法人との関係が含まれておることや、これらの巨額の政治資金が結局は選挙界、政界を腐敗せしめる要因となっている事実については、自民党さんも近代的保守政党に脱皮せんとするならば、とくと考え直してしかるべきものではないかと思います。(拍手)  以上、両案の改正理由とその内容に  ついて、きわめて大まかに御説明申し上げました。多少お耳ざわりの言葉もあったかもしれませんが、遠回しに上品なことの言えない野人でございますからお許しを願って、何とぞ、慎重御審議の上、今国会の会期内において衆参両院を通過し、実施することができまするよう御協力をお願い申し上げて、趣旨説明を終わります。(拍手
  9. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 趣旨説明は終わりました。      ————◇—————  日程第一 国家行政組織法等の一   部を改正する法律案内閣提出
  10. 清瀬一郎

  11. 清瀬一郎

  12. 久野忠治

    久野忠治君 ただいま議題となりました国家行政組織法等の一部を改正する法律案につき、内閣委員会における審査経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、現行定員管理制度欠陥を是正して、実効のある定員規制を行なうため、定員規制対象となる職員範囲を明確にする定員規制方式、すなわち、各行政機関所掌事務を遂行するために恒常的に置く必要がある職に充てるべき常勤の職員定員法律でこれを定めるとする制度を確立するとともに、行政機関の実態に即応して定員規制弾力性を保持させる必要がある五現業の職員定員、及び、特別の事情により緊急に増加を必要とする職員定員については、いずれも政令で定めることができるとし、かつ、従来のように定員のみを切り離して規定することなく、各省庁等の必要とする具体的な定員につき、特別職職員をも合わせ、当該省庁設置法等においてそれぞれ規定することに改め、行政機関職員定員法はこれを廃止し、関係法律に所要の改正を行なうものであります。  各行政機関一般職職員定員は、昭和三十六年度事業予定計画に伴う増七千七百七十四人、定員外職員定員化に伴う増四万七千六百九十三人で、その総合計は七十五万六千五百六十五人となり、そのうち四十三万五百七十七人については各省庁設置法等で規定し、三十二万五千九百八十八人については政令で規定することにいたしております。  本案は、三月二日本委員会に付託、翌三日政府より提案理由説明を聞き、四月二十日質疑を終了いたしましたところ、草野委員より、施行期日を「公布の日」と改め、昭和三十六年四月一日から適用する等の修正案提出されたのであります。  討論の通告もなく、採決の結果、本案全会一致をもって修正案の通り修正議決すべきものと決定した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————     —————————————
  13. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 採決いたします。  本案委員長報告修正であります。本案委員長報告の通り決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  14. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 起立多数。よって、本案委員長報告の通り決しました。      ————◇—————  地方税法の一部を改正する法律案   (内閣提出
  15. 田邉國男

    田邉國男君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  すなわち、この際、内閣提出地方税法の一部を改正する法律案議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  16. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 田邉國男君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  地方税法の一部を改正する法律案議題といたします。     —————————————  地方税法の一部を改正する法律案   〔本号(その二)に掲載〕     —————————————
  18. 清瀬一郎

  19. 濱田幸雄

    濱田幸雄君 ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案について、地方行政委員会における審査経過及び結果の概要を御報告申し上げます。  本法案は、第一に、地方税制自主性をさらに強化するために、国税改正に基づく自動的な影響を遮断し、地方税としての自主的な運営が行なわれるようにすることに重点を置き、まず、住民税課税方式を簡素合理化するため、現行市町村住民税の五つの課税方式整理して、これを第二課税方式本文ただし書の二方式とし、所得範囲及び計算の方法は原則として所得税法の定めるところによることとするが、専従者控除制度については現行のままとすること、所得控除及び税率については現行のまま据え置くこととし、また、道府県民税所得割についても、市町村民税本文方式と同様の課税方式とすること等の改正を行なっております。  なお、法人税減税に対応して、法人住民税等軽減を行なうことといたしております。  次に、個人事業税におきましては、白色申告者について新たに専従者控除を行なうこととし、個人事業者負担軽減がはかられております。  なお、住民税及び法人事業税において、各種協同組合等に対する特例を法人税と同様の取り扱いとすること等の改正を行なっております。  第二に、大衆負担軽減趣旨より減税を行なうために、遊興飲食税において、大衆飲食及び宿泊について免税点引き上げるとともに、電気ガス税において免税点制度を新たに創設することといたしております。  第三に、新道路整備計画の実施のための財源の充実をはかる目的をもって、軽油引取税税率引き上げております。  その他、税負担均衡化推進等税制合理化をはかるため、住民税事業税娯楽施設利用税遊興飲食税自動車税固定資産税軽自動車税等について、非課税規定等整理合理化税率の不均衡是正等改正を行なっておるのでございます。  本案施行の結果、減税規模は、平年度二百二十六億円、初年度九十八億円となるのでございますが、軽油引取税税率引き上げを行ないますので、差引平年度において百八十二億円、初年度において五十九億円の軽減と相なるのでございます。  本案は、三月三十日本委員会に付託され、翌三十一日安井自治大臣より提案理由説明を聴取し、自来、地方税制度の根本問題にも触れて検討を行なうとともに、地方税法の一部を改正する法律案審査小委員会を設け、また、四月二十日には、本委員会において参考人より意見を聴取するなど、審査に十分なる慎重を期したのでございます。本二十一日には、小委員長大沢雄一君より、小委員会における審査経過及び結果についての報告がありました。審議の詳細については会議録に譲りますが、本委員会及び小委員会を通じてのおもな論点を二、三申し上げます。  その一は、住民税につきまして、現行制度において市町村間に存するところの住民負担の不均衡というものは、今次の課税方式改正のみによっては何ら是正されないのではないか、特に、今回所得税において認められることに相なった白色申告者に対する専従者控除配偶者控除を、国税影響遮断の見地から認めないということは、従来の課税上の不均衡を温存し助長するとともに、事業税においてこれを認めていることとの関連においても首尾一貫を欠くものではないかという強い意見がありました。  次に、住民税法人税割及び法人事業税を通じて、非出資農業協同組合等について非課税規定整理を行なうということは不適当であり、また、法人税等改正措置をそのまま地方税に反映せしめることとする結果、法人負担軽減され、個人事業者負担との間に不均衡を生じないか、また、固定資産税については、農地等についての負担軽減を行なうべきではないか、自動車税及び軽自動車税税率引き上げは不当ではないか、また、全体として、今次の地方税減税額は少な過ぎるのではないか等の諸点であります。  本二十一日、本案に対する質疑を終了いたしましたが、日本社会党より提出せられておりました本案に対する修正案につき、太田一夫君より趣旨説明が行なわれました。  修正案要点は、住民税において白色申告者専従者控除及び配偶者控除を認めること、ただし書方式における割り増し勤労控除額引き上げること、住民税事業税を通ずる農業協同組合等への非課税特別措置を存置すること、中小法人等に対する事業税税率を引き下げ、大法人に対する税率引き上げること、農地及び漁船の固定資産税軽減すること、自動車税軽自動車税及び軽油引取税の増税を行なわないこと、遊興飲食税における外人の宿泊等に対する非課税の廃止は即時実施すること、電気ガス税における免税点制度基礎控除に改めること、その他、特権的な減免税措置を廃止すること、消防施設税を創設すること等を内容とするものであります。  かくて、政府原案及び修正案を一括して討論に付し、太田一夫君は、日本社会党を代表して、政府原案反対修正案賛成久保田円次君は、自由民主党を代表して、政府原案賛成修正案反対門司亮君は、民主社会党を代表して、政府原案反対修正案賛成意見を述べられました。  次いで、採決を行ないましたところ、修正案賛成少数をもって否決、政府原案賛成多数をもって可決、よって、本案原案の通り可決すべきものと決しました。  右、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  20. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 本案に対しては、太田一夫君外九名から、成規により修正案提出されております。     —————————————     —————————————
  21. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) この際、右修正案趣旨弁明を許します。太田一夫君。   〔太田一夫登壇
  22. 太田一夫

    太田一夫君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして御説明を申し上げたいと思います。  御承知の通りに、このたび政府の御提案になりました地方税法の一部改正案は、国税地方税とは建前が違うから、国税減税されるからといって地方税まで減らす必要はないとか、税負担の力があるかどうかよりも、税は住民が分担し合うべき筋のものであるとか、目的さえあれば税の引き上げは正しいのである等の理由のもとに、本来大幅減税をいたすべきはずであるのに、大衆飲食税宿泊税等大衆課税におきましては、わずかに八十億そこそこの軽減にとどめたということは、何としても納得のいかないところであります。政府説明には、零細負担の排除を重点とした減税を行なうと言っておるのでありますが、それは、わずかに、三百円までの電灯料ガス料金免税遊興飲食税免税点引き上げたにとどまっておるのでありまして、かえって、地方税制自主性に名をかりて、やがては住民税固定資産税さえ大幅増徴のかまえを見せておりますことは、政府累次の公約等にかんがみましても、遺憾千万に存ずる次第でございます。  これに反しまして、わが党の修正案は、住民税固定資産税電気ガス税個人事業税、トラック、軽自動車税等大衆負担を極力軽減することに重点を置き、政府案に比べ、さらに三百八十億円ほどの減税を行ない、国民生活の向上と国民経済の繁栄に資せんとするものでございます。もちろん、地方行政水準の向上をはかるために、自主財源の充実強化は大切でありますが、地方政治は地方住民に対するサービス使命を忘れてはならないと思うのであります。従って、国税地方税とを通ずる税源配分適正化の問題や行政事務の再検討をこの際根本的に行なうことは最も肝要なことでありますが、この際、当面の現実の中におきましても最大限の改善を行なう必要があると思うのでございまして、その意味におきまして、大企業その他負担能力の大きなところは、応能原則に照らして特例軽減措置を廃し、所要の負担をお願いし、負担分任の真精神をも生かす必要があると考えるのでございます。  以下、その内容について申し上げます。  まず、第一は、住民税であります。従来、五種類あった課税方式を、このたび第二課税方式本文ただし書方式とに統一されることになったわけでありますが、これは、中央における所得税減税が地方住民税影響して減収となることを避ける趣旨に出たものでありまして、この場合に忘れてならないことは、個人所得課税の税額は適正でなければならないということであります。負担能力を越える重税となったり、いつの間にやら他の税と比べて過酷となるような制度を排することであります。  そのために、まず、均等割も条例で軽減し得るようにするとともに、配偶者控除制度を設けて、八万円控除を認めることといたしました。また、ただし書方式を採用する場合は、給与収入額の七%、限度五万円の控除を行なって、負担均衡をはかることといたしたのでございます。  また、事業所得者に対します住民税は、青色申告者についてのみ専従者一人につき八万円限度の経費控除を認めました以上は、農家を中心とする多くの担税力弱き白色申告者に対しましても、片手落ちとならないよう、この際、専従者一人について七万円限度の専従者控除をいたすこととし、非情冷酷のそしりある住民税改正原案を緩和することといたしたのでございます。  法人住民税につきまして、政府原案は、農協、漁協、生協等の非営利事業特殊法人について、収益事業を行なっているとの前提のもとに、従来の非課税措置を剥奪しようといたしておるのでありますが、昨二十日、地方行政委員会に招致いたしました参考人の御意見等にもありますように、これら非営利法人は、その存立の目的から、本来非営利を建前とし、国民経済発展の見地からしましても、さらに一そう内容を強化せしめる必要があるのでありますから、農業協同組合、消費生活協同組合、水産業協同組合、中小企業等協同組合、労働金庫、信用金庫及びそれらの連合会等に対しましては課税を行なわず、引き続き非課税といたしたのでございます。  なお、事業税につきましても、同じ趣旨に基づきまして、これら非営利法人につきましては従来通り課税いたさぬことといたしました。  この農協、生協等に対する住民税事業税非課税特例の存置は私どもの修正案の一つの大きな焦点であることを申し添えておきたいと存じます。  次に、個人事業税についてでありますが、このたび基礎控除が事業主控除と改められたことは、考え方として一進歩と存じますが、その控除金額が二十万円据置でありますのは、まことに画龍点睛を欠くうらみがございますので、この際、中小企業商社の置かれている立場にかんがみまして、三十万円に控除金額を引き上げ税負担軽減をはかることといたしました。また、専従者控除につきましても、青色申告者の八万円に対応し、白色申告者については、政府原案より二万円を引き上げ、七万円を限度として認めたいと考えるのでございます。  それから、事業税税率でありますが、中小零細法人及び特別法人に対しましては、この際、一%税率を引き下げたいと考えるのでございます。従って、五十万円以下の所得に対しましては、七%の税率が六%と低下するのでありまして、二百万円以上五百万円以下という所得の大なる向きは一二%そのまま、五百万円をこえるものは一三%と、一%引き上げたいと考えるのでございます。  娯楽施設利用税のうち、ゴルフ場の利用に対する標準税率を、政府原案におきましても倍額に引き上げておりますが、この際、一人一日一千円といたしまして、その徴収額の半分を都道府県からゴルフ場所在の市町村に交付するよう改めたのでございます。  次に、自動車税でございますが、年々自動車の数が増しておるときでもありますから、年来の税額統一引き下げの問題は、トラック、三輪小型自動車とも税額の引き上げは行なわず、現行の低額の方に一本化することといたしました。  なお、ついでに、軽自動車税について申し上げますが、これまた需要増大のおりから、その負担能力をも考え合わせまして、今まで通り千五百円一本に据え置きたいと思います。政府原案では、三輪軽トラックに対して五百円、軽四輪トラック一千円、乗用車には千五百円の増税をいたしておりますが、国産中型乗用車に対する物品税の軽減等がありましたことも考え合わせまして、地方税は増税という考え方は全く納得できない次第でございますから、若干なりと引き下げることといたしたのでございます。  ついでに、軽油引取税について申し上げます。これは、新道路整備計画の一環として、その財源の充実をはかるため、政府は一キロリットル二千百円の引き上げを行なうというのでありますが、石油消費の合理化をはかるためディーゼル車を奨励いたしました経緯に照らし合わせましても、この大幅引き上げは大いに問題があるのであります。やがては運賃料金引き上げに至るおそれもあるのでありますから、世論にこたえ、現行の一万四百円のまま引き上げず、据え置くことといたしたのでございます。  それから、固定資産税でございますが、大企業には軽減の特例あり、農民には評価がえによる増税の危機ありでは、不均衡もはなはだしいものと考えますので、固定資産評価がえには、減税時代には減税となるよう措置することこそ大切と考えるのでございますが、とりわけ、田畑の固定資産税につきましては、その課税標準を三分の二の額といたし、農村振興の一助といたしたいのでございます。なお、ゴルフ場の土地、芝、庭園等には、制限税率を百分の七まで引き上げることができるようにいたしました。  次に、電気ガス税は、市町村財源の有力なものでもありますから、将来撤廃の方向に向かうこととしつつ、当面、一カ月の料金に対し三百円の基礎控除を設けることといたしました。また、非課税の電気料に対しましては、当面二%の課税を行ない、負担分任の精神を、ここにこそ明らかにいたしました。なお、防犯灯と呼ばれる街灯の類には、電気税は一切課さないことといたしたのでございます。  最後に申し上げますが、懸案の消防施設税を、今年はぜひ実現いたしたいものと思うのでございます。これによりて民生安定、人命財産保護の実をあげることができると考えまして、民営損保の保険料に対し三%の課税を行ない、十六億円の増収をはかりたいと考えます。  以上、これらは、ともども、昭和三十六年度から実施することといたしたいのでございます。地方自治が中央政治の都合によって抑圧されたり、内容が低下したりすることのないよう、地方財政強化の道を正しく把握いたしまして、国民大衆の期待にこたえ、大企業、大資本にのみおもねらず、大衆負担軽減に大きな意義を有するわが日本社会党修正案に御賛成賜わりますようお願いをいたしまして、地方税法の一部を改正する法律案に対する修正案趣旨説明といたす次第でございます。(拍手)     —————————————
  23. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 討論の通告がありますから、順次これを許します。小澤太郎君。   〔小澤太郎君登壇
  24. 小澤太郎

    ○小澤太郎君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案につき、政府原案賛成日本社会党より提出されました修正案に対し反対討論を行ないます。(拍手)  地方財政の最近の状況を見ますと、各地方団体の財政再建の努力と国の施策と相待って、ようやく健全化の効果が上がってきていると認められるのでありまするが、今なお全国には五百有余の財政再建団体が存在し、また、地方団体全体を通ずる行政水準はきわめて低く、現代社会の要請にこたえるにはほど遠い実情にあることを考慮に入れますと、地方財源の充実確保をはかる必要は大であると考えられます。しかしながら、他面におきまして、国税地方税を通ずる国民の租税負担が、実質的に見て、諸外国に比してもかなり重いと認められる今日、地方税制におきましても、地方財政の実情の許す限り、住民負担軽減合理化を逐次はかっていくことが肝要と考えられるのであります。このことは、さきにわが党が新政策において減税を重要な柱として公約しておることからいたしましても当然のことであります。  政府提案地方税法の一部を改正する法律案は、地方財政の状況にかんがみ、地方税制自主性の強化をはかるとともに、大衆負担軽減税負担均衡化の推進、並びに新道路整備計画実施のための財源の充実をはかることをおもな目的として、おおむね地方制度調査会及び税制調査会の答申の線に基づいて立案されたものでありまして、地方税財政の現状から見てきわめて適切妥当と認められるのであります。すなわち、具体的には、地方税制自主性をさらに強化し、国税改正に基づく自動的な影響をできるだけ遮断し、地方税として自主的な運営が行なわれるようにするため、住民税において課税方式の簡素合理化をはかるとともに、課税標準等について所要の改正を加え、事業税についても所要の調整を行なうこととし、また零細負担の排除を重点として、電気ガス税において免税点制度を創設し、遊興飲食税において、大衆飲食及び宿泊について免税点引き上げを行なう等の減税を行ない、さらに、税負担均衡化推進等税制合理化をはかるため、住民税事業税娯楽施設利用税遊興飲食税自動車税固定資産税軽自動車税等につきまして、非課税規定等整理合理化税率の不均衡是正等改正を行ない、また、新道路整備計画実施のための財源の充実をはかるために、軽油引取税税率引き上げを行なうことを骨子としたものでありまして、その内容を見ましても、政府原案はきわめて適切妥当なるものと存じますので、今後、地方財源の充実に伴い、さらに住民税負担軽減を期待し、これに賛成するものであります。(拍手)  日本社会党から提案されておりまする修正案は、住民税事業税固定資産税電気ガス税等において大幅な減税内容としており、地方財政の実情からして、これらを実現することはとうてい困難であります。また、同党の修正案における法人に対する課税税率引き上げ、及び非課税規定整理等による増収措置は、わが国経済の実情からして直ちにこれを実現することは不適当であるのみならず、この修正案による影響は、概して財源貧困な地方団体に対してきわめて大きな減収の効果を及ぼす反面、増収の効果は財源のすでに豊富な地方団体に限定され、財源貧困な地方団体においてはきわめて乏しいと認められますので、修正案は地方財政の健全な運営に重大な支障を来たすものと認めざるを得ないのであります。(拍手)  以上の理由によりまして、日本社会党修正案に対し反対意見を表明するものであります。(拍手
  25. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 二宮武夫君。   〔二宮武夫君登壇〕   〔議長退席、副議長着席〕
  26. 二宮武夫

    ○二宮武夫君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案に対しまして、政府原案反対社会党修正案賛成討論を行ないたいと思うのでございます。(拍手)  今回、地方税法改正案が今国会提案されまするまでの経過の中に、私は、国民の一人として、どうしても納得のいかない問題があるのでございます。すなわち、この法案があまりにも提案がおくれたことでございます。地方税を重要な一般財源としておりまするところの全国三千五百の地方自治体は非常に迷惑いたしているということでございます。地方財政計画はおくれ、地方税法改正案がおくれたこの二カ月間の空白というものは、私ども聞くところによりますると、全国わずかに三百軒しかないところの、国際観光ホテル整備法の規定によって登録をしたホテル業者、旅館業者が、その宿泊する外人客に対する遊興飲食税非課税措置廃止に反対をして、閣僚の中にも一部これに同調する者が現われ、ただいま閣僚の名は申しませんけれども、この調整にまことに困難をきわめたために、これが今次地方税法改正案提案のおくれた理由であるというふうに聞き及ぶのでございます。(拍手税制調査会の地方税に対する答申におきましても、外人観光客に対しては非課税廃止の措置が望ましいということは、はっきり答申として出て参っているわけでございます。これがかくも長く紛糾しており、しかも、国民に迷惑をかけているということにつきましては、政府は深く反省をせねばならないと考えるものでございます。  批判のその二は、池田内閣選挙を通じて公約をいたしましたところの、国、地方を通じて大幅に減税を行なうという公約は実行されておらないということであります。地方税が、自然増収一千三百八十九億に対しまして、三十六年度においてわずかに五十九億円、これが平年度化されまして、百八十二億という減税になる見通しでございます。国民大衆は正直であり、賢明であります。「私はうそは申しません」という言葉を額面通り期待しておりまするけれども、もし、この期待を裏切りました際には、がぜん支持する階層が減って参るであろうということも覚悟せねばなりますまい。私も、地方税減税が困難であるということは、私自身の経験からよく知っておるのでございまするけれども、ただ、厳粛なる選挙を通じて公約をいたしました以上、これは何としても実現をする責任政府にあろうかと考えるわけでございます。  今回提案されました政府原案におきましては、その内容においで、私どもがかねがね要求をいたしておりました大衆的な飲食宿泊等に対する問題は取り入れられました。必ずしも全部が全部反対というわけではないのでございます。一歩前進ということを申し上げて差しつかえございません。しかしながら、ただいま修正案説明いたしましたように、現在の時点におきまして、地方税制改革の重要目標は、何と申しましても、地方行政水準の向上のために地方自治体独自の財源を確保することと、住民負担均衡、特に大衆負担軽減をはかるという、この二つの目標が調整をされ、貫徹をされなければならないと考えるわけでございます。これらの目標達成のためには、地方税制のワクの中で枝葉末節を修正するがごとき、こそくな手段では、とうてい解決のできる段階ではないのでございます。国と地方とを通じて、その行政事務の再配分を前提とした国税地方税の抜本的な再配分という、まことに困難ではございまするけれども、この問題と取り組まない限り、私は解決はできないと考えておるものでございます。(拍手)この問題が解決されない限り、いつまでたっても、憲法第八章によって保障されました地方自治体の独立性、自主性というものは絶対に強化することはできないと考えるものでございます。それぞれの地方自治体が、その独自の立場に立って、ほんとうに妙味のある行政を行ない、地域住民の福祉向上のために、国と地方との連帯性の上に立って行政が推進される、こういう姿が具現されることを私どもは念願しておるわけでございます。  私は、内閣の諮問機関である税制調査会において、いよいよ本三十六年度をもって最後の答申がなされるということを聞いておるのでございます。政府は、その主体性を確保しながら、この委員会の苦心の答申策を純真に受け入れて、その実施にあたっては自信と確信を持って臨まれるように、強くここに要求をいたすものでございます。  もちろん、私どもは、全般的に、まだまだ多いところの税外負担の解消、あるいは法定外普通税の整理、超過課税を廃止して標準税率または準拠税率に近づけること、地方交付税率の増額と貧困団体に対する強い傾斜配分、後進地域に対する国庫補助の思い切った増額、あるいは軍事基地、国有林に対して正しい交付金の配付、すっきりしたところの各種助成金の増額等、この施策を並行して行なうときに、初めて地方自治体の強化が実施されるものであるというように考えるわけでございます。  このような見地に立って今回の政府原案検討いたしますると、以下、私が指摘をいたしますような点について、どうしても賛成をいたしかねるわけでございます。  今回の改正方針は、国税減税地方税に持ち込まないということを言っておるわけでございます。言葉の上では、なるほど、私どもも賛成をいたすのでございますけれども、このように説明をしておきながら、実は、しさいに検討いたして参りますと、必ずしもそのようになっておらないのが、この地方税法案でございます。すなわち、所得税において、青色申告者について現行専従者控除を拡充するとともに、白色申告者についても、新たに専従者控除制度を創設することにしておるのでございますけれども、住民税においては、所得税影響を遮断するという名目のもとに、白色申告者専従者控除を認めないという措置をとっておるのでございます。その均衡を欠きながら、事業税においてはこれを認めておるということは、これはまことに首尾一貫をいたしておらないものでございます。青色、白色との間には、単に申告の能力があるかないかの差以外には、実質的には差異は認められないのでございますが、このような住民税の減収から逆算して、負担均衡を失しているということは、どうしても了解をいたしかねるわけでございます。これは、あくまで、修正案のように、すっきり筋を通して、住民税においてもこれを認めるべきであり、国税において認められた配偶者の座についても、所得税と同様にこれを確保することが必要であるというように考えるわけでございます。  また、住民税におきましては、負担均衡を保つ上から、常に過重の負担にあえいでいるところの給与所得者に対しまして、課税方式ただし書適用の場合には、七%の控除、限度五万円とすることが適当であるように考えるわけでございます。同時に、それぞれの自治体が、住民税の均等割に対しましては、独自の条例に基づいて軽減措置のできるように、自主性を生かすべきであるということを、私は主張いたすわけでございます。  事業税におきましては、個人事業税の控除を引き上げるとともに、白色申告控除七万円を認めるべきであることは、さきに指摘した通りでございます。政府原案で廃止しようとしている非出資協同組合、生協、漁協その他の非課税、あるいは課税標準の特例は、そのまま存置すべきであるというように考えるわけでございます。法人事業税については、中小法人に軽く、大法人にその税負担を求めるという方途を講ずべきでございまして、私は、先ほどの修正案に心から賛意を表するものでございます。これに対しましては、社会党所属議員の皆さん方はもちろん、自民党議員の中にも、紹介議員となって、この請願書が正式に国会で受理されている事実を、私は御披露申し上げてみたいと思うのでございます。(拍手)その中には、大平官房長官の名前もあるわけでございます。必要でございまするならば、名前を読み上げてもよろしゅうございます。(「紹介と賛成とは違う、ごっちゃにするな」と呼び、その他発言する者あり)これは正式に国会提出をされた問題でございますので、ここで御披露申し上げておくわけでございまして、これこそ、理解のある、国民世論を反映する国会への正式の請願というものを受け付ける態度であろうというふうに考えるわけでございます。  そのほか、詳細にわたりましては、私は、完全に修正案賛成をするものでございまして、国税で大企業に特別の優遇措置を講じておきながら、地方税においてこれを復活するというような意欲はさらさら見えない、このような態度に対しましては、納得をいたしかねるわけでございます。地方自治を財源の上から中央集権下にあえがせるようなこの池田内閣の地方自治に対する恩情のないところの政策には、私は心から反対いたすわけでございます。(拍手)  日本の国会の良識において、私どもが提案をいたしておるところの修正案が可決をされまするように心から御期待を申し上げまして、私の賛成討論を終わるわけでございます。(拍手
  27. 久保田鶴松

    ○副議長(久保田鶴松君) これにて討論は終局いたしました。  これより採決に入ります。  まず、本案に対する太田一夫君外九名提出修正案につき採決いたします。  太田一夫君外九名提出修正案賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  28. 久保田鶴松

    ○副議長(久保田鶴松君) 起立少数。よって、修正案は否決されました。  次に、本案につき採決いたします。  本案委員長報告は可決であります。本案委員長報告の通り決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  29. 久保田鶴松

    ○副議長(久保田鶴松君) 起立多数。よって、本案委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————  犯罪の防止及び犯罪者の処遇に関するアジア及び極東研修所日本国に設置することに関する国際連合日本国政府との間の協定締結について承認を求めるの件  通商に関する日本国キューバ共和国との間の協定締結について承認を求めるの件
  30. 田邉國男

    田邉國男君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  すなわち、この際、犯罪の防止及び犯罪者の処遇に関するアジア及び極東研修所日本国に設置することに関する国際連合日本国政府との間の協定締結について承認を求めるの件、通商に関する日本国キューバ共和国との間の協定締結について承認を求めるの件、右両件を一括議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  31. 久保田鶴松

    ○副議長(久保田鶴松君) 田邉國男君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 久保田鶴松

    ○副議長(久保田鶴松君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  犯罪の防止及び犯罪者の処遇に関するアジア及び極東研修所日本国に設置することに関する国際連合日本国政府との間の協定締結について承認を求めるの件、通商に関する日本国キューバ共和国との間の協定締結について承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。     —————————————     —————————————
  33. 久保田鶴松

    ○副議長(久保田鶴松君) 委員長報告を求めます。外務委員長堀内一雄君。     —————————————   〔報告書会議録追録掲載〕     —————————————   〔堀内一雄君登壇
  34. 堀内一雄

    ○堀内一雄君 ただいま議題となりました犯罪の防止及び犯罪者の処遇に関するアジア及び極東研修所日本国に設置することに関する国際連合日本国政府との間の協定締結について承認を求めるの件、並びに、通商に関する日本国キューバ共和国との間の協定締結について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審議経過並びに結果を報告申し上げます。  まず、アジア、極東研修所設置に関する国連との協定について申し上げます。  国連は、その技術援助計画の一環として、犯罪の防止及び犯罪者の処遇に関する地域研修所を世界の適当な場所に設置し、その地域からの研修生に対して社会防衛の分野における研修を行なわせようとする計画を立て、その一つとして、アジア、極東地域の適当な場所にこの研修所を設置することを勧告する決議が採択されました。その後、パキスタン国ラホールにこの研修所を設置することになっておりましたが、同国は、国内事情によりまして研修所の招請を撤回するに至りましたので、国連事務局は、パキスタンにかわるべき招請国として、特にわが国にその設置を希望する旨を伝えて参りました。よって、政府は、関係当局間で検討の結果、昨年五月の閣議決定により、この研修所をわが国に設置することといたしました。  この研修所設置に関する協定案作成のため、わが国と国連事務局との間に交渉が行なわれ、その結果、先般妥結を見ましたので、本年三月十五日に、ニューヨークにおいてこの協定の署名を了しました。  この協定においては、研修所の目的として、犯罪の防止及び犯罪者の処遇並びに少年非行の防止及び非行少年の処遇の分野における研修、研究及び調査を行なうこと、次に、主要な事業として、研修計画の実施、アジア、極東地域の諸政府及び諸施設との間の連絡、情報交換等を行なうことを定め、また、国連は、研修所の所長、高級顧問及び短期専門家並びに毎年一定の奨学金、備品等を提供し、わが国は研修所の次長及びその他の必要な職員並びに土地建物、備品等を提供することとなっております。  この協定締結によりまして、国連との協力及びアジア諸国との友好関係の促進に資するのみならず、同時に、社会防衛の分野における知識、情報等の国際的交流を行ない、相互に大きな利益をもたらすものと考えられます。  本件は、四月三日本委員会に付託されましたので、会議を開き、政府提案理由説明を聞き、質疑を行ない、審議を遂げましたが、その詳細は会議録により御了承を願います。  かくて、質疑終了の後、今四月二十一日、討論を省略して採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと議決いたしました。  次に、キューバ共和国との通商協定について申し上げます。  戦後におけるわが国とキューバとの貿易は、毎年わが方が多量のキューバ糖を買い付けて参りましたのに対し、キューバは、多年日本繊維品に対する差別的高率関税を維持し、かつ、ガット第三十五条をも援用して参りましたため、常にわが国の著しい入超を続けております。このような事情を改善するため、政府は、機会あるごとに両国間の通商協定締結に努力して参りましたが、昨年四月、同国商務大臣を首席とする代表団が通商交渉のため来日いたしましたので、これと交渉を行ないました結果、妥結を見まして、同月二十二日、東京においてこの協定の署名を了しました。  この協定内容は、関税、輸出入規制、出入国、滞在及び事業活動に対する最恵国待遇、並びに船舶に対する内国民待遇及び最恵国待遇の許与を規定しておりまして、わが国が戦後締結いたしましたインド、マラヤ等との通商協定に類似しております。この協定締結により、両国間の通商関係は安定した基礎の上に発展するものと期待されます。  本件は、三月十四日本委員会に付託されましたので、会議を開き、政府提案理由説明を聞き、質疑をなし、慎重審議を行ないましたが、その詳細は会議録により御了承を願います。  かくて、質疑終了の後、討論に入り、帆足計委員より賛成の意を表明せられ、続いて採決の結果、今四月二十一日、本件は全会一致をもって承認すべきものと議決いたしました。  以上、報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  35. 久保田鶴松

    ○副議長(久保田鶴松君) 両件を一括して採決いたします。  両件は委員長報告の通り承認するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 久保田鶴松

    ○副議長(久保田鶴松君) 御異議なしと認めます。よって、両件は委員長報告の通り承認するに決しました。      ————◇—————  測量法の一部を改正する法律案   (内閣提出
  37. 田邉國男

    田邉國男君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  すなわち、この際、内閣提出測量法の一部を改正する法律案議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  38. 久保田鶴松

    ○副議長(久保田鶴松君) 田邉國男君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  39. 久保田鶴松

    ○副議長(久保田鶴松君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  測量法の一部を改正する法律案議題といたします。     —————————————
  40. 久保田鶴松

    ○副議長(久保田鶴松君) 委員長報告を求めます。建設委員会理事大村守江君。     —————————————   〔報告書会議録追録掲載〕     —————————————   〔木村守江君登壇
  41. 木村守江

    ○木村守江君 ただいま議題となりました測量法の一部を改正する法律案につき、建設委員会における審議経過及び結果の概要を御報告申し上げます。  本案は、最近における測量業務の進展の状況並びに測量の国土の開発及び保全等に果たす役割の重要性にかんがみまして、測量業の適正なる運営と健全なる発達をはかるため、本法の一部に所要の改正を加えようとするものでありまして、新たに測量業者の登録制度を設け、その業務の規制及び必要な監督を行なう道を開くことが、本案の主たる内容であります。  すなわち、本法所定の測量業者は、建設大臣の登録を受け、かつ、その営業所ごとに測量十一人以上を置かなければならないこととし、また、一括請負の禁止等、業務処理について規制を受ける一面、建設大臣に対しては、その業務改善または技術向上のため必要な助言を求めることができ、また、建設大臣は、登録の取り消し、営業の停止、業務報告の請求、部下職員による営業所等の立ち入り検査等の方法により監督することができることといたしたのであります。  本案は、四月三日本委員会に付託、同月五日田村建設政務次官より提案理由説明を聴取し、本日質疑を終了、討論を省略いたし、直ちに採決に付し、全会一致政府原案の通り可決すべきものと決定いたしたのであります。  右、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  42. 久保田鶴松

    ○副議長(久保田鶴松君) 採決いたします。  本案委員長報告は可決であります。本案委員長報告の通り決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  43. 久保田鶴松

    ○副議長(久保田鶴松君) 起立多数。よって、本案委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————
  44. 久保田鶴松

    ○副議長(久保田鶴松君) 本日は、これにて散会いたします。    午後二時四十三分散会      ————◇—————  出席国務大臣         外 務 大 臣 小坂善太郎君         自 治 大 臣 安井  謙君         国 務 大 臣 小澤佐重喜君  出席政府委員         科学技術政務次         官       松本 一郎君         外務政務次官  津島 文治君         建設政務次官  田村  元君      ————◇—————