○
田口(長)
委員 私は、この
機会に、
自由民主党、
日本社会党、
民主社会党三派
共同提案になる
水産物価格の
安定方策の
確立に関する件につきまして
決議案を
提出いたします。
まず、
案文を朗読いたします。
水産物価格の
安定方策の
確立に関する件(案)
いわし、
さんま、あじ、
さば等の多獲
性大衆魚の漁獲は、総体的には過剰でないにもかかわらず、これらの
水産物の採補が地域的及び時期的に集中して行なわれ、
処理能力をこえて水揚げされるため、局地的には
過剰生産の様相を呈し、
魚価は暴落し、
中小漁業の
経営内容を著しく不健全なものとしている。
これが
対策として、今回、
政府は「
漁業生産調整組合法案」及び「
魚価安定基金法案」を
提出したのであるが、両案は、多獲
性大衆魚の
生産制限、
さんま粕の
保管に要する
金利、倉敷料の一部補助等を
内容とするものであつて、必ずしも充分であるとは認められない。
よつて、
政府は、
大漁貧乏の積極的克服策として、今後速やかな
機会に、強力な
消費拡大
方策、
魚価支持機構、漁民所得向上
対策等の
確立を
内容とする法制上、財政上の
措置を講ずべきである。
右
決議する。
昭和三十六年五月三十日
衆議院農林水産委員会
理由につきましては、すでに皆さん御
承知の通りでございます。このイワシ、
サンマ、
アジ、
サバ等の多獲
性大衆魚は、
日本の
漁業のうちで中堅
漁業になっておるのでございまして、漁獲数量から申しましても、漁獲金額から申しましても、これに携わる
漁業者の数から申しましても、まさに
日本漁業の柱となっておるのでございます。しかるに、これらの
漁業は、不幸にも、そのとれる場所がきまっておる、また、時期が集中されておる、こういうような事情からいたしまして、漁港に品物を運びましても、運搬設備その他の
関係、あるいは加工設備、そういうようなことが十分でありませんために処理ができない、やむを得ず肥料に落としてしまわなければならない、こういうような実情でございまして、せっかくとってきた魚が金にならないということが
現状であるのでございます。しかし、重要なる
漁業でございますから、かかる状態にこれらの
漁業を置いておくということは、漁民のためにも、また国民食糧のためにも非常に悪いことと存ずるのでございますから、これらの
大衆魚の
漁業につきましては、なお一そう、
政府として、
生産から流通あるいは
消費、加工、こういう
方面に万全の
措置を講ぜられるように、すみやかに法制上・財政上の
措置を講じなければならない、かように
考える次第でございまして、以上の観点からこの
決議案を
提出したわけでございます。
どうか御
賛成あらんことをお願い申し上げます。(拍手)