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南條国務大臣 今回の政変にあたりまして、不肖私が
池田内閣の
農林大臣を拝命することになりまして、今日この
常任委員会の
皆さんに
新任のご
あいさつに参った次第でございます。はからずもという
言葉がよく使われますが、私の場合は、全く
農林行政はずぶのしろうとでございまして、全くはからずもこの地位につくことになつたのでございまして、
自分ながら全
くじくじたるものがある次第であります。特別な知識と経験を持たなければなかなか
皆さん方練達たんのうな
委員の方々への応答も容易でないということを十分心得ておりますので、できるだけお手やわらかに、今後一つ御
支援を賜わりたいと思うのでございます。
農林行政につきましては今日まで世上多々区々問題があります。特に、
政府の貿易の
自由化あるいは
所得倍増というような問題に関連いたしまして、
農業の基本問題をどうするかというような重大な
案件があるようでございます。これらについても、各
方面からいろいろ
練達な諸君の
調査研究も進められておりまして、ある程度の
結論も得るやに聞いておりますが、
政府といたしまして、特に
新任の
大臣として、私は、十分これらの問題について検討、研究いたしまして、
日本の約四割にも達しておる農民の生活の向上をはかるように、そして、
日本の
農林行政というものについて何とか希望を持たせ、明るさを持つような
方向に進みたいと考えておるのでございますから、今後とも
皆様のいろいろな御卓見や御批判、御注意をいただきまして、
自分の職責を全うしたいと思う次第でございます。
私は生来の野人でございますから何ら特徴はございませんけれども、いわゆる近ごろの
はやり言葉で言う話し合いというようなことが政治の要諦であるといわれております。この
池田内閣もその趣旨に沿いまして
国会においても
十分和衷協同の
精神でいきたいという総理の考えでございますので、私個人としては最も
自分の性格に合った考え方でございますので、
十分皆さんとはその
精神に基づいて今後運営を願いたいと考えるのでございます。もしそれ、きわめて粗野なためにいろいろ行き違いあるいは行き過ぎの点もございましょうけれども、さような場合においては遠慮なしにぜひ御叱正を願いまして、間違いのない
方向へ御
指導下さるように、くれぐれもお願い申し上げる次第でございます。
簡単でございますが、
新任のご
あいさつを申し上げて、今後の
皆様の御
支援をお願いする次第でございます。まことにありがとうございました。(
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