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1959-03-05 第31回国会 参議院 文教委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年三月五日(木曜日)    午後六時十分開会   —————————————   委員異動 二月二十六日委員川村松助辞任につ き、その補欠として青木一男君を議長 において指名した。 二月二十七日委員青木一男君、近藤鶴 代君及び左藤義詮辞任につき、その 補欠として川村松助君、梶原茂嘉君及 び伊能繁次郎君を議長において指名し た。 二月二十八日委員伊能繁次郎君及び梶 原茂嘉辞任につき、その補欠として 吉江勝保君及び近藤鶴代君を議長にお いて指名した。 三月四日委員川村松助君及び剱木亨弘辞任につき、その補欠として前田佳 都男君及び迫水久常君を議長において 指名した。 本日委員迫水久常君及び大谷贇雄君辞 任につき、その補欠として大谷瑩潤君 及び草葉隆圓君を議長において指名し た。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     相馬 助治君    理事            後藤 義隆君            中野 文門君            松永 忠二君            竹下 豐次君    委員            大谷 瑩潤君           大野木秀次郎君            川口爲之助君            草葉 隆圓君            近藤 鶴代君            下條 康麿君            林屋亀次郎君            前田佳都男君            坂本  昭君            湯山  勇君   国務大臣    文 部 大 臣 橋本 龍伍君   政府委員    文部大臣官房総    務参事官    齋藤  正君    文部省社会教育    局長      福田  繁君   事務局側    常任委員会専門    員       工楽 英司君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○社会教育法等の一部を改正する法律  案(内閣提出)   —————————————
  2. 相馬助治

    委員長相馬助治君) これより、文教委員会を開会いたします。  委員異動がございますので、まず報告をいたします。昨日、川村松助君及び剱木亨弘君が辞任され、その補欠として前田佳都男君及び迫水久常君が選任せられました。また本日、迫水久常君及び大谷贇雄君辞任されまして、補欠として大谷瑩潤君及び草葉隆圓君が選任されました。   —————————————
  3. 相馬助治

    委員長相馬助治君) まず最初に、社会教育法等の一部を改正する法律案議題に供します。質疑のある方は順次御発言を願います。
  4. 湯山勇

    湯山勇君 私は、前回第十三条の削除関連いたしまして、憲法との関係をお尋ねいたしておりましたが、その中で、文部省社会教育事業という点に対する解釈は一応わかったわけですけれども、公けの支配ということについての見解を、本日資料として御提出願うように申しておりましたが、ただいまのところ参っておりませんので、早急にお配り願いたいと思います。第一点は、それです。どうなっておるのでしょうか。
  5. 福田繁

    政府委員福田繁君) ただいま御要求のありました資料は、用意いたしておりますので、お配りいたしたいと思います。
  6. 湯山勇

    湯山勇君 それではそれをいただいて、なお前回お聞きしたことに関連して、法制局長官見解をただす、こういうことが留保されておりますが、これは、なお、ただいまの段階においては留保したまま、次の質問に入ることにいたします。  その一つは、第九条の五についてでございます。第九条の五の中に、「文部大臣又は文部大臣委嘱を受けた大学その他の教育機関若しくは都道府県教育委員会」が社会教育主事講習を行う、とこうなっておりますが、その中の、「その他の教育機関」というものは、具体的にはどういうものをさしておられるのか、承わりたいと思います。
  7. 福田繁

    政府委員福田繁君) 一般的に教育機関といいます場合には、たとえばこの地方教育行政の組織及び運営に関する法律の第三十条にございますように、学校図書館博物館公民館等一般教育機関と申しておりますが、ここで大体「その他の教育機関」の中に含まれると思われますものは、たとえば中央におきまする教育研究所、それから地方におきまする教育研究所、あるいは図書館といったような、そういったものをこの教育機関の中には含んでいるものと解釈いたしております。
  8. 湯山勇

    湯山勇君 現在、都道府県に置かれておる教育研究所あるいは図書館に、こういう任務を果すだけの機能があるかどうか、これについてはどのようにお考えでしょうか。
  9. 福田繁

    政府委員福田繁君) その点につきましては必ずしも一様ではないようでございまして、たとえば国の中央教育研究所等におきましては、これはこういった主事講習等を実施しようと思えばできる体制にあると思います。地方におきましては、やはり人員その他設備等の不十分な点がありますので、全部できるとは限らないと思います。あるいはその中でごく一部のものができる体制にあると現在は思って差しつかえないと考えております。
  10. 湯山勇

    湯山勇君 具体的にお尋ねいたしますが、教育研究所あるいは図書館で、現在こういう講習を実施できる能力を持っておるもの、これはどこどこがあるでしょうか。もしおわかりでしたら具体的にお示し願いたいと思います。
  11. 福田繁

    政府委員福田繁君) 具体的にはなお各県の事情をよく調査いたしませんと申し上げかねますけれども、たとえば東京の研究所等は、これは多少の充実をいたしますればできるのではないかと、かように考えております。
  12. 湯山勇

    湯山勇君 その点は一応その程度にいたしまして、次にお尋ねいたしたいことは、二十三条の二です。この二十三条の二の中に、「公民館設置及び運営上必要な基準」を文部大臣が定める、こういう規定がございます。この点については、先般、松永委員からいろいろ質疑がありまして、この条文規定しておる運営上基準というものは、たとえば公民館主事を置くというような程度のことで、いわゆる普通一般的に使われる運営上基準ではない、こういうような意味の御答弁があったと思いますが、もう一度この点について御答弁をわずらわしたいと思います。
  13. 福田繁

    政府委員福田繁君) この点につきましては、前々から申し上げている通りに、運営という言葉を使っておりますけれども公民館職員専任職員を置かなければならないといったような職員の問題と、それからもう一つは、今回の改正によりまして同一市町村の中におきましては共通の運営審議会を置くことができる、こういうようになりますので、そういった点からいたしまして、もし同一市町村公民館の中に共同運営審議会を置くというような場合には、なるべく中央公民館的な公民館にこれを置く、置くようにしたい、こういうような点をこの基準の中ではっきりしたいということのみでございます。
  14. 湯山勇

    湯山勇君 ただいまの御答弁の中で、後段についてはこの法律規定しておりますから、あえて運営基準の中に入れなくてもいいのではないかという感じを持ちます。それからまあかりに、それがそうでないとしても、そういう審議会を置くとか、あるいは専任職員をどう置くとかいうようなことは、多くの場合法律では設置基準に入っておるのが普通だと思います。中には運営基準というので入っておるのもありますけれども設置基準の中に含ませても何ら不都合はないと思いますが、局長の御見解を承わりたいと思います。
  15. 福田繁

    政府委員福田繁君) これは考え方でございまして、たとえば大学設置基準等におきましては、そういった職員の問題も設置基準の中に含ましておりますが、社会教育関係におきましては、これの例といたしまして図書館の場合は運営というような言葉を使いまして、専任職員を何人置くというような具体的な事項運営基準の中に含ましておりますので、その先例に従って、これも「設置及び運営」という言葉を使ったにすぎません。
  16. 湯山勇

    湯山勇君 そこで、今おっしゃるような程度であれば、必ずしも運営基準を作るということをここであげなくてもいいという解釈も成り立つと思うのですが、これはいかがでしょうか。
  17. 福田繁

    政府委員福田繁君) 私は、やはり専任職員あるいは運営審議会のことに関する事項基準の中に入れる以上は、「運営」という言葉を使った方が適切であろう、こういうように考えます。
  18. 湯山勇

    湯山勇君 私が申し上げているのは、差しつかえがあるかないかということをお尋ねしておるので、必ずしも今言われたようなことをあらためて運営基準としなくても、別に不都合はない、そういうのを設置基準に含ませても不都合はないのではないかということを申し上げておるわけですから、それについて御答弁を願いたいと思います。
  19. 福田繁

    政府委員福田繁君) これは不都合があるかないかは別の観点から考えられる問題でありまして、私どもとしては、法律解釈する場合にはやはり運営という言葉を使った方が適切であるというような観点から、運営という字句を使っているのでございます。
  20. 坂本昭

    坂本昭君 関連質問。この間の公聴会の場合にも、今度の法改正について賛否両論がありましたけれども、いずれにしても通ずることは、社会教育を促進したい、推進したい、特に財政的に非常に苦しいから何とかこれを財政的な援助もほしい、特に公民館については皆さん異口同音に非常に強い熱望がありました。それも、なるほど今、局長の言われたこの運営についての面も含まれていますけれども、特にこの設置についても強力な熱意があったと私たちは公述人の方から受け取ったのでございます。また、特に今度の法改正に反対の方々の意見の中では、いろいろな社会教育を実施していく上に、特にその運営の面についての危惧ですね、危惧が非常に強かったのであります。でありますから、私は政府におかれては、この問題になるような言葉はできるだけこの際遠慮なさる方が、われわれとしても全面的にこの法律を推していくのにいい、そうしてわれわれとして賛成をしていく、そういうような考えを持っているのです。でありますので、ただいま湯山委員から述べられた点につきまして、私も質問を兼ねて特に要望しておきたいと思うのであります。
  21. 福田繁

    政府委員福田繁君) ただいま御趣旨とされる点は非常に私どもよくわかっておりまして、そういった誤解のないように私ども運営いたしたいと考えております。  ところで、この前申し上げたのでありまするが、公民館の場合におきましては、現在町村の数から申しますと、未設置町村は四百五十ぐらいしかございません。パーセントにいたしますと約八六%まで設置されているという状況でございます。従って新しく公民館設置するという場合だけでなくて、既存公民館をいかにこれを充実振興させるかということが非常に大きな問題になっているわけでございます。従って私どもといたしましては、既存の、設置されている公民館の中身を充実する意味で、今のような専任職員問題等十分基準の中に取り入れまして今後振興させていきたいという趣旨でございますので、そういった意味で、運営という言葉を入れたのでございます。従ってこの法の運営につきましては、十分誤解のないように努めたいと存じております。
  22. 湯山勇

    湯山勇君 局長の御答弁は、御答弁として了解できないことはありません。けれども、今、坂本委員が言われたように、運営基準を設けるという今の文部大臣局長のおられる間は、あるいはそういうことも可能かもしれませんけれども、将来、法律でこうなっておるのだからという理由のもとに、これをもしもっとこまかい、ほんとうの運営基準というようなことになったときの保証というものはないわけです、ここでは。そこで、やはりそういう点については、今日この法律で一番心配な点は、文部省なり教育委員会なりが、民主的な社会教育団体に今までよりもより強く干渉するのではないかという点を心配しておるわけですから、もし今言われたように、運営審議会も、さらにまた職員の問題も、設置基準の中に含ませることもできるし、また同じ文部省から出した法律の中にそういう前例もあることですから、これは、局長としても必ずしもこれにおこだわりにならなくてもいいのではないか、こう思うのですが、いかがでしょうか。
  23. 福田繁

    政府委員福田繁君) これは、決して私はこだわって申し上げておるのでございませんので、先例もあることでございますので、筋としてさように申しておるわけでございます。実行上は十分そういう御懸念のないようにいたしたいと考えております。
  24. 湯山勇

    湯山勇君 もう一回今の点お尋ねいたしますけれども、筋としては、これは何も社会教育局の筋というようなものがあるべきものではないと思います。博物館がこうなっておるからこうだとか、図書館がこうなっておるからこうだとかいうことは、ちっともこれは筋ではないので、同じ文部省から出された、あるいは政府から出された法律の中に両者があるわけです。その両者がある場合に、今のような誤解を避ける意味合いから、この場合は、そして将来も安心して運営ができるようにこれを除いていくということは、筋とか何とかじゃなくて、実際問題としてこの際考えるべき問題じゃないかということを申し上げておるわけです。もう一度、一つ答弁願いたい。あんまりこだわらないで一つ答弁して下さい。
  25. 福田繁

    政府委員福田繁君) 先ほども申し上げましたように、決してこだわっておりません。私どもは、基準の内容によりまして今申し上げたような事項を実施していきたいと考えておりますので、決して字句にこだわっておりません。
  26. 湯山勇

    湯山勇君 この問題は、なおもう一ぺんあとでお聞きするかもしれませんから……。  あとへ返りますけれども、第十七条の3についてお尋ねいたします。それによれば、「市町村社会教育委員は、当該市町村教育委員会から委嘱を受けた青少年教育に関する特定事項について、社会教育関係団体社会教育指導者その他関係者に対し、助言指導を与えることができる。」、この条文趣旨についてもお尋ねしたいのですけれども、まず字句について最初にお尋ねいたしたい点は、社会教育指導者とは何をさすか、その他関係者、これは一体何をさすか、この二点についてお尋ねいたします。
  27. 福田繁

    政府委員福田繁君) この字句意味でございますが、これは社会教育法等に掲げられております社会教育の専門的な指導をする人も含みます。それからまた、団体等関係者も含むわけでございます。
  28. 湯山勇

    湯山勇君 ただいまの答弁は非常に不明確なので、もう少し明確にしていただきたいと思います。社会教育指導者というのは何か。これは別に青年団幹部だから社会教育指導者とか、婦人会幹部だから社会教育指導者ということにはならないと思います。その他関係者というのは、社会教育指導者以外の関係者と私は文章を読んだのですが、そうすると、どういうものをさすか、もう一度、一つ答弁願いたいと思います。
  29. 福田繁

    政府委員福田繁君) これはまあ団体幹部で、たとえば、青年団、あるいは婦人団体等のそういった社会教育関係団体幹部指導的な地位にある方は、やはり社会教育関係の場では指導者考えておりますので、そういった指導者ももちろん入ります。それからまた、指導者以外のその他関係者と申しますのは、これは一般のそういった個人も含まれる、こういうような団体以外の個人も含まれる、こういうように解釈しております。
  30. 湯山勇

    湯山勇君 そうすると、非常に問題は大きくなると思いますが、結局、その他関係者というのは、その社会教育団体に入っておるすべての人ということになるわけですか、今の局長の御答弁によれば。
  31. 福田繁

    政府委員福田繁君) これはそういった意味で、社会教育関係団体社会教育指導者といったものを例示的に掲げまして、その他関係者でございますので、一般的にそういった広い意味のものをさすわけでございます。
  32. 湯山勇

    湯山勇君 まだよくわかりませんから、もう一ぺん一つ今の点明らかにしていただきたいと思います。社会教育指導者というのが団体幹部だということであれば、結局、青少年教育に関する特定事項についてということとの関連において、学校なんかも入るわけですか、その他関係者という中には。
  33. 福田繁

    政府委員福田繁君) これは特に学校を含ましてはおりませんけれども、そういった社会教育指導者という団体幹部と、そういったそれらの関係者、従ってその団体の中での構成員といいますか、会員等につきましては、これは個人も含まれると思います。学校については、これは何ら触れておりません。
  34. 湯山勇

    湯山勇君 じゃあもう少し申しますと、たとえば少年団というのがありますね、少年団員学校に行っておる少年団員もやはり直接指導対象になるかどうか。こういう点はどうですか。
  35. 福田繁

    政府委員福田繁君) それは学校として、学校子供という立場でなくて、少年団団体会員という立場であれば、これはその子供指導ができる、こういうふうなことになろうと思います。
  36. 湯山勇

    湯山勇君 それだと、もうちょっと伺いたい点は、たとえば道を歩いている場合、これは社会教育団体として行動しておるわけでもなく、あるいは学校生徒児童として歩いておるわけでもありません、そういう場合をさすのではなくて、少年団として何かしておる場合、こういうふうに言われるのかどうか、それならそれでわかります。
  37. 福田繁

    政府委員福田繁君) これは単に道を歩いている人をつかまえて指導するという趣旨では毛頭ございませんで、これは趣旨によって解釈するよりないと思います。そういった社会教育団体とか、あるいは社会教育指導者、それに関係のある場における指導でございますから、ただ道を何でもない人が歩いているという場合に、それを対象にするということは、これは趣旨ではございません。
  38. 湯山勇

    湯山勇君 それでわかりましたが、もしそれならば、こういう規定が必要ではないかと思います。社会教育団体としていろいろな行事その他行動しておるときに、それに対する直接指導ですから、これは当然その団体責任者もいることだし、それからそれの指導者もいると思います。そういう場合にその指導者なり、責任者に何のことわりもなく、この条文からいえば、いきなり直接指導するということができるようになっておりますけれども、それはいささか当を失することであって、当然、常識的にも、その責任者の了解を得るとか、求めに応ずるとか、そういうことがなければならないと思いますが、これはいかがでしょうか。
  39. 福田繁

    政府委員福田繁君) この委員は、御承知のように、教育委員会に置かれる非常勤の委員でございますので、やはり身分上は教育委員会に所属している人でございます。従って一般教育委員会指導助言に乗り出す場合には、団体等求めに応じて指導助言をするという建前に、社会教育はなっておりますので、従ってこの社会教育委員指導するという場合におきましても、やはり団体なり、そういうものから、求めがなければ、直接には指導しない、してはならないという解釈を私どもはとっておるわけでございます。従って何らかの団体の代表なり、あるいはグループの代表者から、そういう点について当然に求めがあって、それによって指導するという建前がとられるものと考えております。
  40. 湯山勇

    湯山勇君 ただいまの御答弁は非常に明快で、よくわかりました。ただ、心配な点は、今、局長が言われた前提条件になる教育委員会文部大臣社会教育、あるいは公民館等に対する指導助言の項目の中で、従来、求めに応じて、とあったのが、今回削除になっているわけです。二十三条の二です。そこで、そういう誤解を避けるためには、やはりここへ、求めに応じ、というような断わり書きを入れることが親切ではないかと思いますが、私の考え違いか、局長の方のお考え違いか、どっちでしょうか。
  41. 福田繁

    政府委員福田繁君) 二十三条の二といいますのは、公民館関係ですか。
  42. 湯山勇

    湯山勇君 そうです。
  43. 福田繁

    政府委員福田繁君) ちょっと意味がとれなかったのでございますが、おそれ入りますが、もう一回……。
  44. 湯山勇

    湯山勇君 今、教育委員会指導助言は、求めに応じて、だというのは、どの条文によってでしょうか。
  45. 福田繁

    政府委員福田繁君) 社会教育法の十一条に、「文部大臣及び教育委員会は、社会教育関係団体求めに応じ、これに対し、専門的技術的指導又は助言を与えることができる。」という条文がございますが、これによるわけでございます。
  46. 湯山勇

    湯山勇君 それでは、この第十七条の3には、当然社会教育法十一条はかかってきている、これは確認してよろしゅうございますね。
  47. 福田繁

    政府委員福田繁君) その通りでございます。
  48. 湯山勇

    湯山勇君 それでは、今の点はよくわかりました。従ってこの第十七条の3は直接個人に対して指導助言をするのではなくて、社会教育事業団体として行動しているときに、こういうことがなされる。しかもその場合は、求めに応じてでなければなされないのだ、これを確認してよろしいかどうか、もう一ぺん伺います。
  49. 福田繁

    政府委員福田繁君) その通りでございます。
  50. 相馬助治

    委員長相馬助治君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止
  51. 相馬助治

    委員長相馬助治君) 速記をつけて。  湯山君より、先ほど憲法八十九条と本法との関連において質疑の一部保留があり、かつ、内閣法制局長官意見を徴したい旨の発言がございました。委員長は後日、適当の機会にこれを取り扱って解明したいと存じます。  ほかに御発言もなければ、質疑は終局したものと認めます。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 相馬助治

    委員長相馬助治君) 異議ないと認めます。  これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願いたいと存じます。なお、修正意見のおありの方は、討論中にこれを付してお述べ願いたいと存じます。
  53. 松永忠二

    松永忠二君 私は、ただいま議題となっております社会教育法等の一部を改正する法律案に対し、三派の共同提案にかかる修正案を提出いたします。  まず、修正案を朗読いたします。     社会教育法等の一部を改正する法律案に対する修正案   社会教育法等の一部を改正する在  律案の一部を次のように修正する。   第一条のうち社会教育法第九条の五の改正規定中「文部大臣又は」及び「若しくは都道府県教育委員会」を削る。   第一条中社会教育法第十三条の改正規定を次のように改める。    第十三条を次のように改める。    (社会教育審議会等への諮問)   第十三条国又は地方公共団体社会教育関係団体に対し補助金を交付しようとする場合には、あらかじめ、国にあつて文部大臣社会教育審議会の、地方公共団体にあつて教育委員会社会教育委員会議意見を聞いて行わなければならない。  次に、右修正案提案理由を申し述べます。  まず、社会教育主事の養成についての問題でありますが、社会教育主事は、教育公務員特例法の第二条の4に、「専門的教育職員」という規定が明確になっております。従ってこの社会教育主事身分講習については、文部大臣あるいは都道府県教育委員会のような任命権者がこれを行うということは妥当を欠くということが考えられるわけであります。従って専門的教養を積むにふさわしく、なおかつ研究の自由を持っておりますところの大学であるとか、あるいは充実したところの教育機関においてこれを実施することが適当であろうと考えるのが、まずその第一の修正点理由であるのであります。  第二に、この第十三条を改めて、こういうふうに規定をいたしましたことは、御承知のように、憲法八十九条において、公けの支配に属しないものに公金を支出することについて規定が明確になっておりますし、また社会教育法の十二条には、不当に統制的支配を及ぼしてはならないし、または干渉を加えてはならないという規定が明確になっておるのであります。従って補助金を交付する場合には、それが適正かつ公正に行われるということが非常に重要な問題であるのであります。従ってこの憲法八十九条並びに社会教育法の第十二条の精神を十分尊重し、なおかつ、これが公正適正に行われる保証というような意味から、こういう条章を設ける必要があるというように考えるのであります。こういう問題については、今後文部省においてもこの実施について十分な監視と注意を怠ってはなるまいということを考えておるのであります。  以上が修正案提案いたしました理由であります。
  54. 中野文門

    ○中野文門君 ただいま松永委員より、各派共同修正案に対しまするその意図並びに意見を申し述べられたのでございますが、私は自由民主党を代表いたしまして、この修正案に賛成の意見を表明するものでございます。  本社会教育法等の一部を改正する法律案が、前国会以来、本日現在に至りまするまで、相当長期間の間、回を重ねまして、あらゆる角度から、与野両党は申すに及びませず、緑風会その他全委員から、当局に対しまして縦横に質疑が展開をされたのでございます。その質疑の段階におけるもろもろの委員意見は、実にこれは重大なる要素が多分にあったことは御承知通りでございます。今この修正はいたしましたが、修正案によって、私どもの審議の過程における重要問題の一角が修正によって現われたのでございますが、今日この社会教育法等の一部改正法律案が、以上の修正をもちまして、全会一致で、まさに可決されんとする時期に際会をいたしまして、私はこの法案がそのような経緯をもって、ここにおそらく満場一致でもって議了されるでありましょうが、第十三条で、「国及び地方公共団体は、社会教育関係団体に対し、補助金を与えてはならない。」という一項に対しまして、長い間、国内ではいろいろと問題があり、さらにまた、この補助金を望むところの純情な社会教育団体等が渇望しておった案件であるのでございますが、これが、本法案の無事可決することによって、そうした補助金禁止の条項が削除されるのでございます。私はそのような一点を思いましても、この社会教育法等の一部を改正する法律案は、実に重大なる意味を持って今日まで審議をされました。どうかこの修正案通り、この一部改正法律案が無事に通過することを望みまして、言葉は足りませんが、自由民主党を代表して賛成の意見を述べるものであります。
  55. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 私は緑風会を代表いたしまして、本修正案及びその他の部分の原案に賛成いたします。  終戦後、教育問題につきましては、非常にこんとんたる状態に陥って今日に至ったのでありますが、その間におきまして、学校の施設等につきましては、相当に文部省その他のお骨折りによりまして整いつつある。相当に、見ようによっては早い程度で充実されつつあるというふうに私は見ておりまするが、社会教育の部面に至りましては、学校教育の方に特に力を尽されたその結果かと思いまするが、どうも社会教育の方に尽す度合いが、学校教育と並んで同じような力で尽されたように思えないのであります。これは今日までの日本の状態として、やむを得ないことであったかと思いまするが、近ごろ社会教育の方面につきまして、文部省の方面におきまして特段の御努力を払うようなところが見えるようになりました。心から私は喜んでおる次第であります。今度のこの改正案の御提案につきましても、相当に御苦心になったことと思うのでありまするが、この運営につきましては、また今後一段の御努力を願わなければならない点も大いにあると思いますが、どうぞ、りっぱな運営ができますように希望いたしまして、私の討論を終ります。
  56. 湯山勇

    湯山勇君 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま御提案になりました修正案並びに修正部分を除く原案に対して賛成の意を述べるものであります。  従来、社会教育法改正について各方面から非常に強い要請がございました。その要請の焦点は、社会教育の中心である公民館の充実、こういうところにあったと思います。特に公民館主事の必置制、それから公民館主事身分の確立、それから公民館主事に対する給与の補助、こういうところを中心として、社会教育法改正についての要請が数年にわたって続けられて参りました。ところが今回出されました本法律案を見ますと、実は公民館に対する配慮がきわめて少なくて、他の方面に対していろいろ配慮がなされている、こういうことについては、公民館関係者全体が非常に不満に思っておるのでございますけれども、本法の成立によって具体的に得るものはないにいたしましても、そういう面に対する関心が深まり、将来に期待が持てる状態にある、こういうことから、公民館関係者も大部分が不満ながら本法に賛成している状態でございます。私も期待をしておった公民館に対する施策が非常に貧困であるということについては不満でございますけれども、これによって社会教育に関する関心を高めていったという点における功績は認めまして、賛成をするものでございます。  第二点として申し上げたい点は、この法律が不当な支配社会教育団体にするのではないか、こういう心配が各方面に強く述べられておったわけでございます。現に県あるいは郡、市町村等において、具体的にそのような不当な干渉あるいはまたそれに伴って起るいろいろな紛争もあったことは事実でございまして、本法の運営に当りましては、本委員会の質疑を通じていろいろお述べになりましたけれども、従来の実例に徴しまして、本法実施後においてはそのような事態が起らないように、関係者の慎重な注意を特に要望いたす次第でございます。  それから次に申し上げたい点は、社会教育団体の自主性の問題でございます。憲法に抵触する補助金は、これは当然出せないことでございますけれども憲法に抵触しない補助金を出すことによって社会教育団体の自主性がそこなわれる、こういうことがあった場合は、これはかえって角をためて牛を殺す、こういうことになると思います。この点につきましても、文部大臣あるいは関係者指導助言に当って、社会教育団体の自主性が、補助金を出すことによってそこなわれるというようなことのないように、深甚な御注意あるいは御指導、御助言を願いたいと思うわけでございます。  さらに次に申し上げたい点は、本法の実施は、具体的な補助金支出という段階においては憲法に抵触する問題が起る可能性を持っております。社会教育団体憲法上問題を起すということは、そのことだけでも避けなければならない問題でございまして、憲法との関連におきましては、ただいま修正提案において、これに対する審議会の性格を持った機関が御提案になられたわけでございますけれども、そういう機関で慎重に審議することはもちろんでございますけれども運営の衝に当る文部大臣あるいは都道府県市町村においても、いやしくも憲法上疑義を生ずることのないように、これまた特に私は御留意を要望する次第でございます。  以上の要望を付しまして賛成をするわけでございますが、特に将来にわたりまして、公民館の主事の必置制、それから公民館主事身分の確立、さらにこの主事の給与に対する国の補助、こういう点については、こういうことがされてないことは、本法の最も大きな欠陥でございますから、本法施行を機会に、すみやかな機会において、公民館関係について、以上のような点が実現されるように特に強く要望いたしまして、私の討論を終ることにいたします。
  57. 相馬助治

    委員長相馬助治君) ほかに御意見はございませんか。——ほかに御意見もないようでございまするから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 相馬助治

    委員長相馬助治君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより社会教育法等の一部を改正する法律案について採決に入ります。  まず、討論中にありました松永君提出の三派共同修正案を問題に供します。  修正案に賛成の方は挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  59. 相馬助治

    委員長相馬助治君) 全会一致でございます。よって、修正案は可決されました。  次に、ただいま可決されました修正部分を除いて原案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  60. 相馬助治

    委員長相馬助治君) 全会一致でございます。よって、本案は全会一致をもって修正すべきものと議決せられました。  なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 相馬助治

    委員長相馬助治君) 御異議ないものと認めます。  本日はこれをもって散会いたします。    午後七時二分散会