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水谷長三郎君 つつしんで、ご
あいさつを申し述べます。
このたび、私が
社会主義陣営において初めて満二十五年間本
院議員に
在職いたしましたところ、ただいま
院議をもって御丁重なる
表彰の御決議をいただきました。まことに身に余る光栄でありまして、厚く御礼を申し上げます。(
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顧みれば、私が初めて本
院議員に当選いたしましたのは、
無産階級が初めて
議会に進出の機会を得ました
昭和三年の
普通選挙第一回のことでありました。(
拍手)あれから三十余年、ふつつかながらも、
社会主義の大道を一筋に生きて参りました。今日の私の感慨は、わが
師河上肇博士が疾風怒濤の過去を顧みてうたわれた「たどりつき振り返りみれば山川を、越えては超えて来つるものかな」に尽きております。(
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この間、
わが国は革命的な激動期でございまして、
満州事変、
日支事変を経て、ついに太平洋戦争に突入し、有史以来初めての
無条件降伏のうき目を見ました。私としては、及ばずながら、平和にして良心的な
民主社会主義者として終始いたしましたが、それも、しょせんは「風にそよぐ一本のアシ」にすぎず、戦前、戦中の
政治家として、たとい戦犯、追放にならずといえども、戦争に対する
責任は甘んじて受けなければなりません。(
拍手)われわれは、断じて「この道はいつか来た道」のあやまちを再び繰り返してはなりません。(
拍手)
今日を契機といたしまして、不肖ながら、今後、皆様の御
指導と
国民各位の御支持を得まして、余命を、
わが国の
議会政治を通して平和の確立と
民主主義の
発展、
国民生活の向上にささげ、
民主社会主義者の誠を尽す覚悟であります。(
拍手)
ここに、衷心より感謝の意を表して、ご
あいさつといたす次第でございます。(
拍手)
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