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政府委員(
位野木益雄君) この
提案理由でも述べられておりますが、この
裁判官、
検察官のうちでも、いわゆる認証官以上に当る職にあるものの給与が、その他の
裁判官、
検察官の給与に比しまして劣位に置かれた均衡がとれていないという
状態になりましたのは、結局それらの
裁判官、
検察官の給与が、他の特別職、たとえば内閣総理大臣等の他の特別職の給与に準じて定められている。そうしてその給与の改訂もそちらの方が改訂されなければ、こちらだけで改訂があるということは今まではなかったわけであります。そういうふうな
関係で、しかもこの特別職の給与はいろいろな
理由——主として政治上の
理由ではないかと思いますが、
理由から、一般の
政府職員及び一般の
裁判官、
検察官の給与が改訂された際にも、しばしば据置きになっておったのであります。その
関係でだんだん下の方が上って、上はそのままということで均衡がとれなくなったのであります。
それからもう
一つは、
裁判官、
検察官の一般のものにつきましては、一般行政職員のいわゆる管理者、課長級以上の者について管理職手当というものがつけられることになったのでございますが、それに準じまして、一般の
裁判官、
検察官につきましても管理職手当が昨年でございましたかつけられることになりまして、これも給与の一二%
程度でございまして、ほかの行政官吏よりは
割合が低いのでございますが、しかし、そういうふうな管理職手当の給与ということもございましたので、そういうことも原因いたしまして、均衡がとれなくなったというのであります。数字的に申し上げますと、現行の給与について申し上げますと、
最高裁判所の長官、これが今十一万円が俸給月額でございますが、
昭和二十三年の一月一日現在、すなわち、いわゆる二千九百二十円ベースという時代でございますが、そのときを
基準として
考えますと、これが四・四倍ということになってきております。それから
最高裁判所判事及び検事総長が、同じく二千九百二十円ベースから
考えますと、四・四倍ということになっております。それから
東京高裁長官、これも四・三倍、それからその他の高裁長官も四・三倍、それから
東京高等検察庁検事長も同様でございます。それから次長検事、その他の検事長、これは四・四一倍ということになっておりまして、これに対して、判事の一号及び検事の特号というものがございますが、これの増加の
割合は、二千九百二十円ベースの当時に比較いたしまして、今は七万五千円ということになっておりますから、五・三六倍ということになっております。それからこれに管理職手当がつく場合、これは全部でございませんが、ごく一部分人のでございますが、これに管理職手当がつきますと八万四千円ということで六倍ということになっております。今のは判事の特号と検事の特二号でございます。ちょっと今間違えましたが、判事の特号と検事の特二号の場合は五・三六倍と六倍ということになっております。それから判事の一号と検事の特号の場合には五・一四倍、管理職手当がつく場合が五・七六倍ということになりまして、結局、認証官以上の方の倍数が四倍余りでございますが、判事の特号とか一号の以下の場合は五・五倍以上ということになりまして、そういう倍数から申しましても均衡を失っているというふうに認められるのであります。