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1958-04-01 第28回国会 参議院 文教委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十三年四月一日(火曜日)    午前十時五十四分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     湯山  勇君    理事            野本 品吉君            吉江 勝保君            竹中 勝男君    委員            大谷 贇雄君            下條 康麿君            林田 正治君            林屋亀次郎君            三浦 義男君            秋山 長造君            松永 忠二君            吉田 法晴君   国務大臣    文 部 大 臣 松永  東君   政府委員    文部大臣官房総    務参事官    齋藤  正君    文部省初等中等    教育局長    内藤譽三郎君    文部省大学学術    局長      緒方 信一君   事務局側    常任委員会専門    員       工薬 英司君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○義務教育費国庫負担法等の一部を改  正する法律案内閣提出、衆議院送  付) ○教育、文化及び学術に関する調査の  件  (道徳教育実施に関する件)   —————————————
  2. 湯山勇

    委員長湯山勇君) これより文教委員会を開会いたします。  まず、義務教育費国庫負担法等の一部を改正する法律案議題といたします。  政府から提案理由説明を求めます。
  3. 松永東

    国務大臣松永東君) 今回、政府から提出いたしました義務教育費国庫負担法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容概略を御説明申し上げます。  現在、公立義務教育学校並びに公立養護学校小学部及び中学部教材に要する経費につきましては、それぞれ、義務教育費国庫負担法及び公立養護学校整備特別措置法によりまして、国庫がその一部を負担いたしております。  今回、国及び地方公共団体負担区分を明らかにするため、国の一部負担を二分の一負担と改め、国の負担額と同額の地方費を確保するとともに、国の負担額の増額をはかり、もって教材充実PTA会費等を通ずる教材費父兄負担の軽減に資したいと考えております。  また、学校図書館内容充実に関しましては、昭和二十九年度以来、学校図書館法による国庫負担が行われておりましたが、おおむね、その充実を見るに至りましたし、また、この負担金教材費国庫負担金とほぼ同性質の負担金でもありますので、今後は、これを教材費の中に含めまして、学校図書館の経営的な整備充実をはかることといたしたのであります。  この法律案は、以上の趣旨によりまして、義務教育費国庫負担法公立養護学校整備特別措置法及び学校図書館法につきまして、それぞれ所要の改正をいたしたものであります。  以上、この法律案を提出いたしました理由及びその内容概略を御説明申し上げました。何とぞ、十分御審議の上、すみやかに御賛成下さるようお願い申し上げます。
  4. 湯山勇

    委員長湯山勇君) 本案につきましては、従来の教材費、あるいはPTA会費、あるいは学校図書館の費用とか、いろいろ関係資料が必要だと思います。そこで、必要と思われる資料については、政府の方で用意して、すみやかに御提出願いたいと思います。  本案に対する質疑は、後日に譲ります。   —————————————
  5. 湯山勇

    委員長湯山勇君) 次に、日本育英会法の一部を改正する法律案議題といたします。質疑のある方は、順次御発言を願います。
  6. 吉田法晴

    吉田法晴君 議事進行について発言をいたしますが、育英会法について質疑をしてくれということでありますが、昨日、お茶の水の大講堂で、文部大臣、それから内藤初中局長出席になって、道徳教育に関連して重大な御発言があっておるようであります。この際、質疑をいたしたいと思いますが、お許しをいただきたいと思います。  問題は、教育の問題は、私は、戦前は政府が勝手にやれたかしらぬと思うのでありますが、新しい憲法のもとにおいて、政府が勝手に教育をやる建前にはなっておらぬと思う。道徳教育の問題についても、これだけの論議があり、国会でこれだけ問題にしておる際に、文部大臣の本会議における答弁と違う方針が、局長により示達をされ、あるいは法規の改正局長が言明するに至っては、これは言語道断だと思うのでありますが、育英会法に関連をして質疑をするということでございますけれども、その前に、本問題について、緊急に質疑する、審議をするように、お取り計らい願いたいと思います。
  7. 湯山勇

    委員長湯山勇君) ただいまの吉田君のお申し出の質疑を許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 湯山勇

    委員長湯山勇君) 御異議ないと認めます。吉田君。
  9. 吉田法晴

    吉田法晴君 それではお許しを得て質疑を申し上げたいと思うのでありますが、これはきのうの日経、それから読売、毎日と三新聞、まだほかにもあるかもしれぬと思うのでありますが、報ぜられておるところでございますから間違いない事実だと思います。文部大臣内藤初中局長、昨日お茶の水講堂都道府県教育委員会指導部課長、あろいは道徳担当指導主事、小、中学校校長ら約千人を招いて連絡協議会を開き、道徳教育問題について指導をされたということでありますが、さようでございますか。
  10. 松永東

    国務大臣松永東君) きのうの朝、お茶の水大学に集まっておられるところに参りまして、私一席あいさつしましたが、そのあいさつ文部省で作ったあいさつを読み上げました。そしてすぐに帰ってきたわけであります。その内容は、要するに今度道徳教育について特別な時間を設けるようになったから、この時間を設けて道徳教育を進めるということについて万全な策をとりたいと思うからよろしく御協力を願いたい、こういう意味のことを申し上げたように記憶しております。
  11. 吉田法晴

    吉田法晴君 内藤初中局長には別なお尋ねをいたしますが、出席をしておられることは間違いないと思います。内藤局長は、いつ大臣の責任ある国会における答弁を変更する権限を与えられたのか承わりたいと思います。
  12. 内藤譽三郎

    政府委員内藤譽三郎君) 私、大臣国会における答弁以外のことは触れてないはずでございます。少くとも大臣答弁を私が変更したような事実はございません。
  13. 吉田法晴

    吉田法晴君 これは、御当人の松永君がここにおられるのでありますから、松永君からもあとで御質問をいただきたいと思うのでありますが、三月二十八日の本会議での文部大臣答弁については、これは道徳教育の問題について教育委員会法律的に縛られることはない、こういう意味の御答弁であったように思うのです。今、ここでその該当の個所を探しておる途中でありますが、そういう答弁であったように思うのです。ところが、昨日の内藤局長の話は、日教組法的拘束力がないとして拒否の態度に出ているが云々という、こういう話でございますけれども、それは拒否する根拠がないのだ法的拘束力があるという意味発言をしておられるようであります。私どもは、本会議で聞きました大臣答弁と、内藤局長のきのうの話との間には私は明らかに食い違いがあると思う。そういうお話をされたかどうか、そういう文部大臣答弁と、あるいは方針と違うような権限をいつどこでおもらいになったかということをお尋ねしたい。
  14. 内藤譽三郎

    政府委員内藤譽三郎君) 日教組道徳教育を返上するということの話は私は聞いておりました。しかしこれは、教育課程編成権都道府県教育委員会なり、市町村の教育委員会が持っているのであって、教員が勝手に教育を返上する、こういうことは許されない。もちろんこの通達法的拘束力がないことは私も明言しております。しかしながら、教育委員会指導した場合には教育委員会指揮下にあるところの教員が勝手に返上運動をすることは、これは許されない、こういう趣旨でございます。
  15. 吉田法晴

    吉田法晴君 こういうようなことは言われましたか。「この通達学校教育法二十条に定められた文相の行政権にもとづくものである。したがって学校はこれを拒否する権限はない。」こういう御発言をされたと新聞は報じております。それに間違いありませんか。
  16. 内藤譽三郎

    政府委員内藤譽三郎君) 新聞がどう書いたか各紙ばらばらでございますので、私もよく存じておりませんが、私が申し上げましたのは、趣旨は、学校教育法二十条に基いてどういう教科を置くかとか、あるいは指導要領——教育課程学習指導要領の基準による、こう定められておるので、この権限文部大臣行政権にゆだねられた権限である。本来ならば施行規則改正して学習要領を改訂するのが順序でありますけれども、間に合わなかったので、暫定的にこの指導通達を出したので、その指導通達学習指導要領内容的には基本的なものは同一である、こう申し上げている。ですから、施行規則ならば守る、それから指導通達なら守らない。これはあまりに私は形式論ではなかろうかということを申し上げたのであります。内容的にはいずれ学校教育法施行規則改正して道徳の位置づけを明らかにする指導要領が当然できるはずなのであります。それまでの間暫定的にこういう措置をとったのだ、こういう趣旨説明をしたわけであります。
  17. 松永忠二

    松永忠二君 今のこれですがね。そういう今の御説明ならば、指導要領ができるまでそれまでお待ちになっているという方が筋だと思うのであります。
  18. 内藤譽三郎

    政府委員内藤譽三郎君) その点も私きのうの会で御説明したわけであります。あるいは指導要領ができるまで待てという御意見も確かに一部あるようです。しかしながら、私は指導要領に盛るべき内容がすでに教材等調査研究会で御審議願って、大体指導要領基本線というものは固まっているのだから、これが一点です。指導要領という形式をとらなくても実質的には道徳教育内容なり、方法なりというものはすでにきまっている。ですから、その八月以降の指導要領ができても内容的には大きな変化をするわけではない。形式だけだ。それからいま一つは、学年の途中でやるということはかえって混乱を来たすので、学年の初めからやった方がいい。こういう判断に基いて四月から施行することにした、こういう意味であります。
  19. 松永忠二

    松永忠二君 それは少し、私は、その文部省という役所なり、あるいはその文部省というところに勤めている役人としては、やはり法律を正しく守っていくのは建前であるし、それから道徳教育の時間についてはあなた方は非常にけっこうなことだとおっしゃっているんだが、これはいろいろ意見もあるわけです。参考人の方のを聞いても現にああいう意見もある。一般に非常に意見もあるのだから、とにかくあなた方は法律的に準備を整えて万全の計画をした上でやられるのが当りまえであって、それまでは異論があるにかかわらず、こういうふうになるんだからこういうふうにしなさいという、そういうそのやり方は、それこそ拙速主義であり、独善的だという批判を受けても私は決して言い過ぎのことにはならない。何もイデオロギーとかそういうものに基いてやっているのではなしに、やはり行政をしていく者の心がまえとしてはあまりに独断的なやり方じゃないか。あとから学習指導要領ができるんだから、もうそれができればやらなければならないのだから、通達庁から守らなくてもいいというのは形式論だ、すべての人が賛成をして異議がないという状態の中でそれが行われるならば、そういうこともあり得るかもしらぬけれども、現に異論もあるし、異議もあるので、それを、八月にできる、それまで待てない。しかも、法律的に正しく言うならば、明らかに拘束力がないということは先ほどからお話通りです。そういうことについて、そういうふうなことをやることが行政の正しいあり方だと思われているのですか。こういうふうに、拘束法案というような印象を受け取られているのは、あなたのそういう発言からくるのしやないか。新聞のとり方が全部間違いであるという判断をすべきであるのか、それとも言い方の方に間違いがあるのじゃないかということになるのですか。どうその二つの点を御判断なさいますか。
  20. 内藤譽三郎

    政府委員内藤譽三郎君) 現在でも、小学校中学校では教科外特別教育活動時間の中で生活指導というものが行われている。私どもは、昨年来、道徳教育強化のために、生活指導改善充実のために努力して参った。これはどこでもやっていらっしゃる。ですから、この生活指導の時間を道徳という時間に充てていただきたい。こういう趣旨を述べたのであります。それから拘束力がないと申しますのはこれは教育委員会に対してであって、教員諸君がこれを返上するというのはいき過ぎだ。教育委員会指導をされた場合は、教員が返上するということはこれはいき過ぎだ。こういうことを申し上げたのであります。
  21. 松永忠二

    松永忠二君 あと発言誤解はどうですか。
  22. 内藤譽三郎

    政府委員内藤譽三郎君) 私は発言誤解はないと思っております。
  23. 松永忠二

    松永忠二君 特別教育活動の中にそういうものがあったのだから、それを一つに区画をしてやったのだから、別にそういうことを言ったっても内容的一にはいいじゃないかというお話なんですがね。むしろ、特別教育活動そのものについてのそういう内容指導である。あるいは一つ試案であるから、これを参考にしてもらいたいというような言い方であって、しかも、なおかつ、これについては今後法的にもやはりきめられている指導要領を作った上で実施をしていくというようなことであるなら、まだ話はわかると思うのですよ。こういうふうなことにはならないと思うのですがね。あなたは八月からやるということについて、そういうことを言うことは形式論だ、ということは、どこをさして言うのですか。
  24. 内藤譽三郎

    政府委員内藤譽三郎君) 私が申し上げているのは、八月になれば指導要領ができる。学校教育法施行規則改正します。それまでこの通達でやっていただくわけですから。ところが、そのときになって、内容が非常に変ったものでは、これは実質的に御迷惑になると思う。(「迷惑とか、そんな問題じゃない」と呼ぶ者あり)私の申し上げているのは、指導通達内容指導要領内容が同じなんですよ。形式的には指導要領という形はとっておりませんけれども指導通産の中身は大体指導要領に盛らるべきことなんだから、私どもは同じようなものだと思う。ですから、施行規則なら守る、それから指導通達なら守らないということは、私はこれは形式論だと思うのです。
  25. 松永忠二

    松永忠二君 そこのところですよ。形式論だと言うけれども、あなたの言われておること、やられることがすべて正しいとみんなが判断しているならそれでいいかもしれぬと、こう言うのです。現に国会の中で参考人を呼んでも、ああいうふうに反対をなさっているんでしょう。現場でもこの問題については相当危惧を持っておるし、また、あなた方が招集された校長協議会でも、この問題については相当あなた方の意図に反した発言をなさっていることも事実でありましょう。だから私たちは、むしろ形式論としてではなくして、内容的にやはり一つの案をまとめてみた。それを試案として出してみた。ところが、これについては工合が悪いじゃないかというような、いろいろさまざまな意見もこの間に出てくるだろう。それだから、これについてまた再度、学習指導要領を作るときには、教材等調査研究会が十分そういう意見を取り上げて、とにかく教育をやっている現場教師意見というものをもっと尊重さるべきであると思う。一体学校で授業をしているのは役人じゃないでしょう。国会議員でもありませんよ。現実にそれを取り扱ってやっていて、苦心をしているのは、私は、教師だと思う。こういうところにある教師のやはり発言権を尊重していくということが、私たちは、役人の務めでもあるし、われわれもまたそういうふうにいくべきだと思っている。だから、あなた方がやられている事柄が、すべて万人賛成であって、しかも法的に準備が整わないからおやりにならないということであれば、これは、形式論だというのも私はいいと思う。内容的に、形式論ではないと私は思う。そういうことまで、あなた方は何もかもこれがいいのだという考え方——現実にあなたが新聞に発表したことに対して反対をしている人もあるじゃないですか。そういうことにちっとも耳をかさずにおやりになるということは、局長としておやりになることは、一体、私はどういうふうにそういう点を判断をされているのか。これをも形式論というのかどうか。合せて一つ文部大臣にもその考え方をお聞きしたい。
  26. 松永東

    国務大臣松永東君) 私は、松永委員仰せになることもよくわかる。よくわかるけれども、あなたのおっしゃること、要するに、議論がたくさんあるのだ、議論がたくさんあるからして、もう少し研究を重ねてやっていったらどうだ、こういう御主張であります。ところが、これだけの問題について、一人の反対論もないようにするというのは、それは百年河清を待つのと同じことです。必ず相当の反対論があります。反対論がありますけれども、それは徐々にやはりやり方によって反対論がなくされるのじゃなかろうか。私はそう思う。ことに最近ああした高等学校中学校あたりも、新聞に伝えられるところによると、卒業式をやるのに警官を連れて来てやらなければ、卒業式がやれないのだというような、それが実情ですよ。ですから、そういうふうな問題が日に日に起っておる折柄、とにかく道徳教育を少しでも強化せんければいかぬ。少しでも早くやろう。こういうことなんです。道徳教育を強化して、それがために弊害を起すというおそれがあればだけれども、これは私は弊害を起すおそれはないと思う。従って道徳教育をやはり四月からやる。そうして進んでいって、そのうちに学習指導要領あたりをこしらえて、そうして完全なものに仕上げていきたいという考え方でいっておるわけなんであります。ですから、それは松永委員の言われる通り、全部の人の異論がないようにしろとおっしゃっても、これは無理なんです。これはきっと議論が相当あります。ですけれども、ここら辺で何とかして、こういう世相になって、ことに青少年の道義心がないとか何とかということが今問題に取り上げられておる折柄ですから、道徳教育をやはり強化するのは早くやった方がいいというふうに考えて、やっておることなんです。
  27. 内藤譽三郎

    政府委員内藤譽三郎君) 私どもは、十分現場の意向を尊重したいと考えて、現に教材等調査研究会でも小学校中学校先生方十分——教材等調査研究会で三十数回非常に御熱心な御討議の後にようやく成案が出たわけでございまして、現場意見も十分取り入れて、現場先生方がこれでやれるというお考えのもとにやられた。
  28. 松永忠二

    松永忠二君 大臣にちょっとお聞きしますが、今まで論議されてきたのは、道徳の時間を特設するかどうか、あるいは教科を作るかどうかということについて、非常に意見を言ってきたのですよ。そうして論議されてきた。その論議を一本にしぼるということは百年河清を待つがごとしとおっしゃった言葉も、ある程度、あるいはそういう意味においては該当する場合があるかもしれない。しかし現実にそうではなくて、あなた方は一つ教科として、特設教科として考えて、一つ内容試案具体案を作られた。その具体案については、やはり取り扱っているそのいろいろな者が意見があるわけです。ちょうど勤務評定と同じなんです。勤務評定実施するか、実施しないかということについて論議があると同時に、勤務評定の出てきた試案については、やはりいろいろ異議があるわけです。ちょうどこれは実施要綱というのが出てきたので、これについて、これは一つの案だから一つ研究してみてくれぬか、それでしばらくとにかく討議してみてくれぬか、そうしてわれわれの意見もまとめて、八月にはこういうものを作って出したいというなら、まだわかるんじゃないかと私は思うのです。それを百年河清を待つがごとしなどというような、あなたはそういうことをおっしゃるが、実際にはそうじゃないと私は思うのです。あなたは、いろいろ今まで教育現場そのものについては、あまり明らかでもないし、そういう点から考えて……、しかしあなたは理論というもの、理屈というものに対しては、はっきりわかられていると思うのです。そういう意味から言って、私は教科を置くか、置かないかということについては、百年河清を待つがごとしという言葉も必ずしも認めないわけではないけれども実施要綱の出てきた現段階において、これを文部省一つの案として現場に流し、多くの教育学者意見を聞き、そうしてなおかつ、今後法的な準備も整えておやりになるということならば、筋も通っている話なんです。それを実施要綱が出てきている現段階において、これを皆の意見を聞こうというようなことをしないで、そんな理屈を言ったって、百年河清を待つがごとしというようなことでは私はわからない、話が筋が通らぬと思う。  それからもう一つお聞きしたい点は、私たちは決して道徳教育充実することについて反対しているわけじゃないのです。従って道徳教育充実させる方法として、いわゆる今お話の出てきた一つ試案を出して、これを一つ皆努力をしてみてくれぬか、あるいは校長にもこれを一つやってみてくれぬか、委員会でもやってみてくれぬか、ただしかし、異議があればいろいろ聞きましょうというような、そういう立場から、自由な一つ試案として出していくということが、道徳教育充実になると思う。文部省文部省としての考え方をまとめて、世の中に発表していくということについては、私は決して異議のあることではない。しかし直ちにこれを、法的にも疑義がある時期に、拘束力ありと断定するような言い方をして実施していくということについては、これは真の道徳教育充実にはなるまい、現実道徳教育返上というような意見の出てくるのも、そこに私は原因があると思う。手段、方法を尽さぬというところに、あまりに急ぐというところに、問題が出てきていると思う。  だから二つにお答え下さい。今までのことは、教科を作るとか、作らぬとかというようなことについては、それは一本にすることはむずかしいでしょう。しかし出てきている試案を、十分に皆さんから論議をいただいて、そうしてそれを意見をまとめて一本として、将来学習指導要領に表わしていくという方法こそ、最も慎重なるべき態度ではないかと思う。  同時にもう一つは、道徳教育充実方法としては、そういう文部省一つの案を自由な立場から批判をさせ、そうしてこれによって投げかけていくということが、これこそ、そういう中から一つ道徳教育方法考えていくやり方の方が、ずうっと私は道徳教育充実になるというふうに考えているが、この二つの点について、大臣一つ率直なお考えをお聞かせ願いたい。
  29. 湯山勇

    委員長湯山勇君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止
  30. 湯山勇

    委員長湯山勇君) 速記を始めて。
  31. 松永東

    国務大臣松永東君) 今、松永委員仰せられた現場先生方意見を聞くのがいいことは当然です。それは私どもももっともだと思っております。であればこそ、教材等調査研究会ですか、これあたりでも、この研究会委員人々は、それぞれ長い間、いわゆる俗に言えば、年期をかけた教育者です、そうして、それぞれのやはり体験を持ったエキス。ハートです、こういう人々意見を十分承わって、そうしてその意見に基いてこれを実施しようというのです。ですからして、私は現場先生よりもっと上の、現場を長い間勤められた人を——上とか下とかということは別です、そういう人々意見を聞いた以上は、それでいいのじゃないか、こういう気持なんです。そうして、さらに、今仰せになりましたのは、もっと相談してやった方がいいじゃないか、こういうお話でありますが、その相談が、要するに私ども拘束力を持たないということは、その点にある、委員会の方に、これを私らの方で通達をいたしまして、それで各都道府県委員会が、これはもう少し研究しようというような気持でやられるなら、これはやむを得ません、拘束力はないのだし……、ですけれども、私らの方は、大体の都道府県では了承してくれるものだと思ってやっておるわけです。そうしてそれまでの間に、われわれも、八月までには学習指導要領準備させて、そうして実施に移したいというふうに考えております。
  32. 松永忠二

    松永忠二君 それを文部大臣局長形式論だと、こう言うのじゃないですか。私たちの、それに対していろいろ言うことを形式論だと、こう言っておるのです。どうせやるにきまっているものなら初めからやってもらったらいいのであって、それを返上だとか何とか言うのは形式論だと、こう言うのです。いろんな意見を聞いて、そうして慎重にやっていきたいと大臣の言われている、そのことを、そういうことをやろうとすれば、こんなことを言うのは形式論だと、あたかも教師が言うことを非難するようなことを……、教育委員会あたりだって、どうせやらなければならないのだから、規則がないからやらぬなんと言うのは形式論だと……、そうして、そのことについて、いろいろできるかできないかということをやることも形式論だと、こう言うのです。その言い方はどうですか。
  33. 松永東

    国務大臣松永東君) 形式論とか実質論とかという議論は、見方によってはいろいろありましょうけれども、とにかく今まで私が申し上げたことが、事実の真相なんです。またわれわれはそう考えておるのです。
  34. 松永忠二

    松永忠二君 そこで、そういうことなら、一体この通達は何ですか。「昭和三十三年度から、「道徳」の時間を特設し、道徳指導充実を図る」、この結論に基き、なお盲ろう学校その他「それぞれ、小学校および中学校に準じて実施することとする。」と、こういうように書いてあるのです。もう知事や校長なんかに三月十八日に出している通達には、「実施することとする。」というのは、一体どういうことなんですか。そういう表現で通達をしているのですか、大臣
  35. 松永東

    国務大臣松永東君) 私の方の念願するところは、道徳教育は一日も早く実施したい、それでそういう通達を出したわけなんです。しかしながら繰り返して申し上げる通り、それを都道府県委員会で御採用にならぬとしても、拘束力を持っておりませんから、これはやむを得ない、これは私らの繰り返して申し上げておることです。しかし念願としては、ぜひそうありたいものだ、そうしてもらいたいものだということをわれわれは考えております。
  36. 松永忠二

    松永忠二君 そういうことなら、そういうことをやはり通達の中に入れるべきだと思うのです。入れないから、私たち国会論議をしなければできないようなことに、現実になる、そういうことは、一つもこの通達の中には出ておらないのです。ちょうど今、局長が言われたような趣旨で、この通達が書かれているのです。あなたがおっしゃるように、拘束力もないし、それから、今後はそういうこともやりたいと思っているが、この問題について、十分委員会として論議をされて、できるだけ実施をしていく方向に願いたいというような、そういう言い方ならいいと思うのですが、そんなことは何も書かぬで、実施するのだと、一」ういうふうに書いてある。このごろのいろんなものが、そういう傾向にあるのです。私たちは、そういうことについて、非常な不安を持っている。ただ、私たちが話ししているのは、今、この教科書問題だけれども、実は次々と幾つもそういう問題を持っているのです。目に余るものがあるのですよ、こういうやり方は。
  37. 松永東

    国務大臣松永東君) それは、通達の点まで一々私が見るというわけにはいきませんので、実は局長まかせなんです。そうして、それも、正直なことを申し上げますが、通達が出て、まあ問題になってから見るということがほんとうでございます、実際は。それですからして、こまかな通達は見ません、しかし、見ませんが、私の意を体してやっているものであることだけは間違いない、それはもちろん意を体してやっております。そこで、今問題になっているのは、これは教育委員会教育長の方に出した通達なのであります。でありますから、教育委員会教育長なんというものは拘束力があるのかないのかということは、ちゃんと承知をいたしております、承知いたしておるはずです。従って、これに法律解釈までつけ加えてやる必要はないと思う。ちゃんと文部省の意のあるところ、念願するところを通達すれば、それによって都道府県教育長及び教育委員会が善処されるものというふうに私は考えております。
  38. 松永忠二

    松永忠二君 そう文部大臣はおっしゃるけれども現実に受けている立場の者はそういうふうに考えておらないのではないですか。現実にこういうふうな通達が知事やそういうふうなところに出てきて、何々を実施するということになっておれば、これをその法律的な根拠はちゃんと知っているのだから、そんなことまで書かなくてもいいのだというよりも、むしろ、そういうものだというふうに、そういう気持を表わすことの方が大臣考えておられるようなことが実施をされる結果になるのではないですか。私は、一々何も通達をごらんになるということは困難だということはもちろんだけれども、しかし、現実にはこの通達が大きく影響してきているので、いろいろ今までも問題になったわけです。だからこういうことについては、やはり十分注意をしていただかなければならぬし、内藤局長一つ形式論だというようなことは、そういう言い方をお改めになるという気持はございませんか。
  39. 内藤譽三郎

    政府委員内藤譽三郎君) 私が申し上げたのは、お話のように、指導要領ができるまでの間、これはこの通達でやっていただきたい、そこで指導要領ができたら学校教育法施行規則改正して、道徳という特殊な科目を設けるのです。で、それによって指導要領教育課程編成の基準が明示されるわけであります。それまでの間における暫定措置としてこの通達を出したのであります。しかも、その通達内容は、先ほど来申しましたように、指導要領内容と基本的には同じものである。私どもはかような見解のもとにございますから、施行規則なら守るけれども通達なら守らないでもよろしいのだということは、私はわざわざ言う必要はないのではなかろうか、内容的に同じものなら、やっていただくように私どもは勧めるのが、私どもの職責だと考えております。
  40. 松永忠二

    松永忠二君 もう一つ。そうすると、そういう、ふうにして通達で出されて、それがいろいろと論議をされて、それでいくということ、その中からいいものを見つけていくということは、これは形式論ではないのでしょうね。
  41. 内藤譽三郎

    政府委員内藤譽三郎君) 私どもは、今のところ教材等調査研究会で練りに練った案でございますので、あの案を指導要領の改訂の場合にも変える意思はございません。
  42. 松永忠二

    松永忠二君 指導要領を変えるときにどうだというようなことを聞いているのではないのです。そういうふうなことをやるということについては、今大臣の言われたように、これはそういう方法を尽していくということが建前であるし、そういうことが形式論だというようなことは私は言われないと思うのです。これはどういうことなのですか。「昭和三十三年度から、「道徳」の時間を特設し、道徳指導充実を図る」「昭和三十三年度から、「道徳」の時間を特設し、」とこういうふうにちゃんと書いてある。「特設し」ということは、特設する、ということでしょう。それからさっき話した、「それぞれ、小学校および中学校に準じて実施することとする。」「こととする。」というのは、一体この表現は、今の言ったことに該当した内容の表現ですか、適当な表現だとあなたはお思いになりますか。
  43. 内藤譽三郎

    政府委員内藤譽三郎君) 私は適当な表現だと考えております。
  44. 松永忠二

    松永忠二君 そうなってくれば、なぜ適当なのですか。実施をするというようなことは、文部省実施をするというのではなくて、実施をするように要望するというのが当りまえでしょう。
  45. 内藤譽三郎

    政府委員内藤譽三郎君) これは学習指導要領の運用の基準の問題だと思うのですね。現在の学習指導要領の中で、小学校の場合は各教科があって、教科活動と教科以外の活動がある。教科以外の活動——中学校の場合は、これは特別教育活動ということになっております。これが大体三時間程度である。その中で一時間は従来の生活指導をやっておったわけです。この生活指導のために時間を特設されておるわけです。この生活指導道徳教育として明示する、こういうことは私ども指導要領の運用基準の問題だと思います。これは文部大臣権限でもってできると考えております。
  46. 松永忠二

    松永忠二君 そんな内容のことは、私は聞いているのじゃないのですよ。それなら特別教育活動の中に道徳時間を特設し、道徳教育充実をはかることを要望する、こう言えばいいのです。なぜ、そんなことを何も書かないで、特別教育活動の中でどうするということも、何も書かないで、「この結論に基き、小学校及び中学校においては、下記により、昭和三十三年度から、「道徳」の時間を特設し、」と書いてある。何も特別教育活動の中でどうとかこうとか、そんなことが何もなしに、「道徳」の時間を特設し、」「特設し」という事自体は、法律的には、そんなあれはないじゃありませんか。
  47. 内藤譽三郎

    政府委員内藤譽三郎君) これは学習指導要領編成権文部大臣が持っている。その学習指導要領教科とか教科以外の活動についての相当詳しい規定があるわけです。だからその中で私ども教科以外の活動、あるいは特別教育の活動の中の一時間の時間を道徳教育のために特設する、こういう解釈基準を出したのです。解釈基準を出す権限は、これは文部大臣の当然の権限だと思う。そういうことをしないならば、現場教育委員会教育課程の編成について非常に困ると思うのです。ですから、困らないように、これは基準を出すのが、私は文部大臣の職責だと思っております。
  48. 松永忠二

    松永忠二君 その解釈が規則として正しい法的な準備が整うものは、これは学習指導要領が出てからじゃありませんか。学習指導要領によって、その正しい活動が法的に規則として正しいものとして現われてくるのだから、そこで法的な拘束がないというようなことを言わざるを得ないので、だからそういう解釈をすることを正しいものとして表現してやっていくのが学習指導要領というものなんです。その学習指導要領を作る権限があなたの方にないということを言っているのじゃないのですよ。学習指導要領というものを改める意図に解釈いたしましたから、こういう解釈ですから、それで「「道徳」の時間を特設し、」そういうことはできないじゃありませんか。
  49. 内藤譽三郎

    政府委員内藤譽三郎君) こういう意味なんです。それはお説のように、学校教育法施行規則改正して、道徳という特殊の教科を設け、またこれについての指導要領を作っていくのが、これが筋でございます。しかし、これまでの間は、この道徳教育を推し進めるためには、現行の学習指導要領一般編によらなければならない。学習指導要領の一般編によりますと、教育以外の活動というワクがあるわけなんです。その教育以外の活動、あるいは中学校の場合は特別教育活動、この三時間の中から一時間をさいて道徳のために充ててほしい、こういうことに充てるようにという意味のこれは解釈通牒なんです。
  50. 吉田法晴

    吉田法晴君 学習指導要領の解釈ということで特設をし、それから指導要領の変更、学校教育法改正までもやりたいということをきのう言われた。ですから、自分の権限の範囲内を越えて教育を勝手に進めよう、あるいは法律改正までもやっていこう、その方向にやっていこう、ここに戦前のともかく何といいますか、一方的な教育行政の危険がひそんでおるということを私は申し上げて参っておるわけであります。一番最初伺いました文部大臣答弁と、それから局長のきのうの話と違うじゃないかという点が、まだ明らかになっておりません。これは文部大臣のそのときの答弁は、こういうことであります。松永君の質問に答えて、前の方は省略いたしますが、「それは端的に申し上げますというと、拘束力を持っておるわけじゃございません。それははっきり申し上げておきますが、しかし、私の方では、ぜひ一つ都道府県学校あたりで取り扱ってもらいたいという要望をいたしておるのであります。しかしながら、近く学校教育法第二十条の規定に基いて学校教育法施行規則の一部を改正し、法的根拠を後には明らかにしたいと思います。そうなりますというと、もちろん拘束力がありますけれども、それまでは拘束力があるということは言えないのでございます。」はっきり拘束力がないということをニへん繰り返して言われている。食い違っているのだから、そこで合わせるように、御相談を願いたいと思います。今の局長答弁では、きのうの話はわかりませんけれども、どうせ指導要領あとから直していくのだ、だから指導通達に反するということはあり得ぬのだ。拘束力がないというのはそれは強弁だと、こういう言い方文部大臣いいですか。そうでしょう、あとからとにかく指導要領を変えるから、同じ道徳教育を時間を特設してやれということは、そういう通達にこれは拘束力を持つという答弁だ、あるいは少くとも拒否することはできぬ、こういう言い方をきのうしている。それから、今もそうしている。こういうことが、これはあなたの御意思ですか。あなたの答弁と食い違いませんか、これは文部大臣
  51. 内藤譽三郎

    政府委員内藤譽三郎君) 私の発言だから。発言についての…。(「大臣が言うて、あとから言ったらいいだろう」と呼ぶ者あり)
  52. 吉田法晴

    吉田法晴君 局長じゃない、局長じゃない。大体なまいきだよ、大臣答弁と違うような発言をしたり、今のような答弁をしようとする。(「局長に聞いておらない、答弁しないでもいい」と呼ぶ者あり)
  53. 松永東

    国務大臣松永東君) それは私ども考えは、通達学習指導要領とは変らぬと思っております。変らぬだろうという私は考えをしております。変らないと。つまり通達意味も。学習指導要領を八月までに作りますが、それもやはり通達と同じような意味にとれる、こういうふうに確信持っております。    〔委員長退席、理事竹中勝男君着席〕 しかし、通達拘束力を持たない。それはもうこれはこの前も申し上げておる通りなんです。その点はちっとも変りません。しかし、いろいろな、八月までのうちに、その規則、内容等によって拘束力を持つようになるであろうということだけは、これはもう予期されることだと思っております。ですから変りはせぬです、私の考えは。
  54. 吉田法晴

    吉田法晴君 通達を出した、指導要領を変えたい、これはわかる、その指導要領内容通達と変らぬ内容のものにしたい、これはわかります。しかし、いやしくも本会議で言われた拘束力を持つか持たぬかという質問に対して、拘束力を持たないとはっきり答弁された。それがくつがえることは今でもないでしょう。おそらくそうだと思う。そうすると、きのうは拘束力があるかのごとく発言をした局長答弁、それから先ほど、今もあなたは局長内容は同じだということを言われましたけれども内容が同じだということで拘束力、効力というものは、法的な効力は同じだということは言えぬじゃありませんか。あなたの言われたこと、本会議大臣答弁されたことは、これは日本の国民に対して一つの大きな権威を持った答弁、それが局長なら局長の解釈によって変えられる、あるいは教育委員会なりあるいは指導主事なり、いろいろな関係者が集まった昨日、大臣答弁、先般の答弁と違ったような発言がなされるということは、これは許されぬことじゃありませんか。
  55. 松永東

    国務大臣松永東君) それは吉田さん、私の言ったことは、この前言ったことも今も変りはしません。、それは私の信念がそうですから、変ろうはずがございません。すなわち、拘束力を持ちません。こういうことを申し上げているので、しこうして、きのう何とかの会で局長が言われたこと、それも拘束力があるということを言われたとは私は思っておりません。やはり拘束力のないということだけは私の意見と一致していると思います。
  56. 吉田法晴

    吉田法晴君 私の意見と一致をしているはずだと言われるのですが、きのう聞いておられたのですか。
  57. 松永東

    国務大臣松永東君) 私は聞いておりません。
  58. 吉田法晴

    吉田法晴君 聞いていないんでしょう。そうすると、これは新聞が、手元にありますのは毎日、日経、それから読売ですが、おそらくこれだけの新聞が報じたのですから、ほかの新聞もまあ聞いている。千名近い教育関係者が聞いている。そこで拘束力があるような発言をもししたとするならば、それは局長として、何と申しますか、これは行き過ぎであり、あるいは多少責任問題も伴いますけれども教育問題について発言、あるいは指導的な発言をしたのですから、これは問題だとはお思いになりませんか。
  59. 松永東

    国務大臣松永東君) これは何せゆうべの夕刊に出たのでございましょう。ゆうべの夕刊は、御承知の通りわれわれの大みそかでありまして、これはもう御承知の通り九時まで夕刊見ないのです。従ってどういうことを局長が言われたか、新聞に出ているかということは見ておりません。よく研究しましてお答え申し上げることにいたします。
  60. 吉田法晴

    吉田法晴君 それでは、こういうことにいたしましょう。速記がとってあれば速記、それからNHKなりあるいは民放なり、放送していると思いますから、録音があると思います。だから、その録音を取り寄せて、これは後日検討をしたい。また、大臣意見を伺いたい。大臣としては、間違ったことを言うはずがない、拘束力があるのだ、こういうことを言うたはずがない、こういう答弁、そうすると、そのほかにも言っておられることですが、その辺は多少、これは言葉のニュアンスで、きのうは拘束力があると言ったのじゃないのだ、どうせ指導要領が変るのだから、その内容は同じなんだ、こういう言い方をしたのだという先ほどの答弁、それは実際言うたことを取り寄せてみないと断定ができませんから、取り寄せることにいたします。私は、最初に申し上げたように、教育というものは、少くとも新憲法のもとにおける教育というものは、文部官僚が一方的に一」ういうことにしたいということでできるものじゃないと心得ております。教育の問題が基本的な問題として憲法に規定をされ、あるいは国会論議をされるのは、これは民主教育として間違いを再び繰り返さないようにという私は趣旨、制度だと思うのです。これは御異議ございませんね。そうしますと、私は実は道徳教育内容については、あまり問題はないのかと思いました。ところが、この間参考人を呼んでいろいろ意見を聞いておる間に、小学校道徳実施要綱等を拝見をしております。あるいは答申の中に出てきておる共同体理念、その共同体理念の中には国とか、あるいはなくなっている家族とか、そういうものが入っておるんですが、指導実践要綱案の内容を見ておっても、私は昔の危険なやっぱり共同体概念、あるいは上から押しつけるという教育方法の面があるように私は見てきた。それに教育行政のあり方として、こういう道徳教育をやりたい通達を出したが、結局それは指導要領で変えていくんだ、あるいは学校教育法施行規則改正もその通りにやるんだ、それから教育法の改正もやるんだ、それから道徳科を作るが、その教科については検定制をやりたい、こういうことがきのう言われておる。そうすると、昔のようなこれは修身科に通じます道徳教育を、文部大臣の意思にかかわらず、あるいは国会でどういう議論がなされておろうと、あるいは世論の中に異論があろうと、文部官僚が大臣の意図を越えてどんどんやっていく、規則も変える、法も変えるんだ。こういうことになりそうですが、これについて文部大臣どういう工合にお考えでしょうか。
  61. 松永東

    国務大臣松永東君) 私は今申し上、げたように、その新聞を読んでおりませんし、その局長の言ったことを聞いておりません。従ってその判断ができませんが、お説の中にありましたように、教育法を変えるとか、何とかいうことは、これはまことに容易ならぬことでございます。それはなかなか大へんなことなんです。今の学習指導要領とか何とか、これはまあ大した問題じゃありません。大した問題じゃありませんから、(「大した問題だよ」と呼ぶ者あり)それは、大したものでないということは、そんな効力を蔑視してというんじゃありません。その手続において、大した手続をせんでもでき院ることであるからと、こういう意味です。ですからその内容や、その効力が大したものであるとかないとかいうのじゃありません。しかし、教育基本法に通じているところの今の教育法を変えるとか何とかということは、これは非常に重要な問題です。ですからそんなことを局長が軽々しく言うはずはないと私は思っております。
  62. 秋山長造

    ○秋山長造君 私はこの問題がこういう問題を起すというのは、私はそもそも、いわばこれは文部大臣の旨を忠実に受けて、忠実に服務しなければならぬ文部官僚、内藤局長筆頭に文部官僚が、大体最近いろいろな問題で、やれ通達だとか行政措置だとかいって、そういうものをあまり乱用して、そうして実質的には、教育基本法だとか、何だとかいうものを全く空文化してしまって、そうしてあまり通達行政を乱用し過ぎていると思う。これは全く目にあまるんですよ、大臣。私ども率直に言って目にあまるんです、そのやり方というものは。で、大体ついこの間まで今度の道徳というものは、道徳という時間の特設であって教科じゃない、独立教科にはしないということを大臣は言明しておられた。ところが、きのうのこの会合では、早急に法律改正して独立教科にするのだということを局長が言っておられる、実際これは、一つ国会で今こういう問題を議論しおるさなかに、きょうはここへ来て別なことを言う、あしたはまた外へ行ってまた違ったことを言う、われわれ国会を侮辱しておる。国会を侮辱しておるだけじゃない、これは部下として大臣をないがしろにしておると思う。私は借上もはなはだしいと思う。大臣一つその点は、これはもう大臣も、昨年来御就任になって今日までやってこられて、これは言うても言わぬでも自分の部下ですからね。どこまでが限度で、どこからが限度を越えておるということはわかると思うのですよ。だから、大臣がここへ出てきて局長をおかぱいになるという気持はなかなかうるわしい。うるわしいけれども、そういうことだけでこういう重大な問題を適当に、いいかげんに笑い話しでやり過ごされては困ると思う。だからその点ははっきり大臣として私はけじめをつけていただきたい、やっていいことと亜旧いことと。  それから、特に内藤局長あたりが、いろいろな会合へ出て言っておられるということは、まことに大臣は知っておられるのだろうかと思われることを、平気で言っておられる。大臣、その点はもう少しよく目を光らして、そうして締めるところは締めてもらいたい。内藤局長は、これは、あなた自身の信念は信念としてけっこうでしょう、けっこうでしょうけれども文部省内藤初中局長としての発言は、もう少し慎重にしてもらいたい、どうですか大臣
  63. 松永東

    国務大臣松永東君) お説のことよく承知いたしました。しかし、きのうの問題ですね、これはさっきも申し上げる通り、よく一つ研究しまして、そして果して私らの意向と違っておる点があれば、これは改めてやらなければならぬというふうに考えております。  さらに、一般的な問題として御忠告いただいたことは、よく一つ考えまして善処したいと思います。(「委員長関連して」と呼ぶ者あり)
  64. 吉田法晴

    吉田法晴君 私発言を最初求めているのだから……。(「そっちに発言を許したじゃないか」と呼ぶ者あり)全文は一つ取り寄せて何かしたいと思うのですが、一応新聞に出ていることですから、こういう発言をされたかどうかは確めておきたいと思うのです。教育施行規則改正はしたいということは、先ほど言われたから、これはまあ言われたのでしょう。それから、「近く学校教育法改正して、道徳を独立教科にしたい」、こういうことは、これは毎日新聞でありますか書かれておりますが、そういうことを言われた覚えはありますか、ありませんか。
  65. 内藤譽三郎

    政府委員内藤譽三郎君) そういう事実はございません。
  66. 吉田法晴

    吉田法晴君 もう一つ、これは読売の方ですが、ちょっと前から読みますと、「早急に学校教育法施行規則改正して道徳を社会や国語と同じような通常の教科としたい」その次に、「副読本については各教委の承認制にするよう通達したが、それでも弊害があれば将来は検定制とする場合もある」こう報じておりますが、この道徳の副読本について検定制とする場合もあると、こういう発言は、これはいかがでしょう。
  67. 内藤譽三郎

    政府委員内藤譽三郎君) それは申し上げました。実に今道徳教育教材が、いわゆる副読本が町にはんらんして、非常な弊害があると私ども聞いておりますので、私どもとしては教育委員会の承認にかからしめるようにいたしたのでございます。これで私どもは大体そういう弊害は防げるという確信を持っております。しかしながらそれでもなおかつ弊害が起るならば、そういう検定のことも考えなければならぬ、検討しなければならぬと、こういうことは申しました。
  68. 松永忠二

    松永忠二君 これは重要な問題だと思うのですよ。道徳の副読本を検定にする、そうすると、一体検定の順序というものは、ちゃんときまっておるわけです。そうしてしかも、そういうことから教科書を作ってやっていくために、三十六年、三十七年というふうに出てきておる。こういうことは一体、さっきの話に戻るのですが、大臣、御承知ですか。道徳の副読本を検定にしていく場合もある、そういうことを考えている。(「そういうことはまかしてある」と呼ぶ者あり)まかしてあるなんて、そんなばかな話はない。そんなばかな話がどこにある。実際それは大臣御承知ですか。
  69. 松永東

    国務大臣松永東君) この副読本を検定にするとか何とかいうことは、一つもまだ話題にも上っておりませんし、これが弊害があるということは、いろいろ新聞なんかで聞いております。何とかせんければならぬと思うておりますが、今局長が申し上げました通り学校先生方にその採択方法考えてもらうというようなことも一つで、検定をするなんということは、私今考えておりません。
  70. 松永忠二

    松永忠二君 もう一つ、今話が出てきたので、教科にすると、しかも、それは教科書を使わないで、免許状を必要としないから、特別教科でやっていけばそれでいいのだと、……話をしないで下さい……、さっき秋山委員から出たように、独立教科にはいたしませんと、一」ういうように大臣はたびたびお話があった。これは御承知ですか。
  71. 松永東

    国務大臣松永東君) それは、今日のところは、この前申し上げた通りに、私は考えております。
  72. 松永忠二

    松永忠二君 この前申されたということは、独立教科にはしないということなんですよ。教科にはしない、打ち合せをしなければわからんようなことを大体勝手に発言しておるところに問題があるでしょう。一番大事なところですよ。これが一番重要なところじゃないですか。教科書を使わないし、これは教科にしたっていいのだと、教科にはいたしませんと大臣の言ったことに対して、そうではなくて、教科にするのだ、教科にしてもいいのだということを局長が言われたのですがね。ところが、今まで明らかにしてこられたのは、道徳の時間を教科にはしないということですが、それとこれとどういう関係にあるのですか。
  73. 松永東

    国務大臣松永東君) 私が今日まで申し上げておることは、それは四月から実施をする、そうして四月から実施をして特別な時間をさいて、すなわちホームルームあたりの時間の中でやる、しかしそれは特別な教科にはしないと、こういうことを申し上げたのです。しかし、この何といいますか、施行規則改正して、そうして独立な教科にするということも考えたいと思うのです。しかし、今四月から実施する、それは独立の教科にしようという考えは持っておりません。
  74. 松永忠二

    松永忠二君 それはそういうふうに言われるのだと、大臣教科にしないということは、学校教育法施行規則を変えて、そして教科という名前にしないということを言われておったことなんです。それじゃ、教科にするということと、今までのしないということは、どういう音一味でしないと言つたんですか、その内容はどういうことなんですか。
  75. 松永東

    国務大臣松永東君) それは、今の四月から実施するのは、さっきから論議しております通り拘束力を持たぬ、なるべくならやってもらいたい。こういう意味で、それで都道府県通達を出した。従って、その間は、施行規則をきめるまでは、それは教科にはしない。これは、だから、施行規則をきめて、学習指導要領ができ上れば、それは別の考えをしなけりゃならぬ。
  76. 松永忠二

    松永忠二君 これは大臣、こういうことなんでしょう。今まで言ったことは、要するに教科にしないということ、しかも、拘束力がないことは、学習指導要領というものの中へ道徳という一つの項目を入れるというようなことでこれからやっていきたいと思うと、しかし、それを道徳という一つ教科として、この法律に基く一つの施行の規則を改めていくということについては、この八月以後にそういうことをやろうと考えておられたのではなくて、現に初中局長も、私が質問したときに、将来はあり得るかもしれぬとただ言っただけなんです。もちろん、大臣教科にしないということは、要す  るに学習指導要領の中にあらためて道徳というものを一つ項目を入れると、そういうことであって、決して図画や国語なんかと同じように教科にはいたしませんということを言われておった  のです。そうなってくるというと、私どもいろいろ速記を調べて大臣にお聞きするわけですが、そういう建前教科にしないというふうにわれわれもとり、一般もとってきたのです。
  77. 松永東

    国務大臣松永東君) それは、私が今も申し上げた通り、とにかく四月から始めたい。それまでの間は、学習指導要領に基かないんですから、従って施行規則並びに学習指導要領改正して、それから独立の教科にするとかせぬとかということは研究したい。しかし、それまではこれは拘束力はない。従って独立の教科にするのではない、こういうことを私は申し上げたつもりです。
  78. 松永忠二

    松永忠二君 そういうふうな今の大臣の御発言ならば……、ちょっとやめて下さい。
  79. 竹中勝男

    ○理事(竹中勝男君) 私語はやめて下さい。
  80. 松永忠二

    松永忠二君 そういうようなことであるならば、今おっしゃったように、これからそういう教科とか、法律とか、規則を改めるということについて、今言う通り考えていきたいというのが腹だというならば、独立教科にして、施行規則を改めて、そうしてやるんだということを言ったことは、局長が明らかに大臣と違った発言をしておるのではありませんか。その点はまた再度、吉田委員から御発言があったように、いろいろなものを調べて一つお聞きすることにしたいと思うのです。いずれにしても、私は秋山委員が言われたことに全面的に賛成であって、特に、私がさっき申し上げたように、私は決して文部省が基準を作ることにどうこうということを言っておるわけではない。あらためて私はいろいろ基準ということは何だかということを、機会を見て聞きたいと思う。参考人を呼んだときも、梅根氏は、これはあくまで基準だと、それは基準であるということが規則できめられてある。学習指導要領が自由じゃないとか何とか言われるけれども学習指導要領を改めれば、教科教育内容もみなどんどん変えていくことができるのです。その変えていくことのできるものが、現実に勝手に作られて、それをそのままやるのだということになったら、そういう意味の基準だということになったら、それこそ、文部省学校教育のすべてを支配するという結果になる。やはりそこのところは、地方の実情に即し、小中学校意見を聞き、そうしてその中で基準を重んじながら実施していくということの必要さを、私どもは感じておるわけです。だから、そういう意味では、私たち文部省権限を云々しておるのではなくて、その権限に基く実施の仕方、それとまた一般の世論等をかみ合せて、真に道徳教育充実する方法として、今文部省がとられておる手段方法がいいかどうかということについて、われわれ意見があるわけです。道徳教育充実することについて異議を申し立てておるのではないのです。ただ、大臣はあまりに私はこだわり過ぎておる点もあると思う。いろいろな面で非常にフリーにものを考えられておるところを、私たち敬意を持っておるわけなのでありますから、この問題についても、やはりもう少し退いて大局を見て、そうして万全の措置を講じながらやられていくということを切望するわけです。機会をあらためて、一つこの問題については、実際のわかったところで、私は再度意見を聞いていきたいと思う。きょうで明らかになったことは、教科書をどうの、検定制をどうのということは、全然文部大臣はまだそんなことは考えていない。それを局長が言った教科の問題についても、なお再度はっきりさせていきたいと思う。
  81. 秋山長造

    ○秋山長造君 議事進行。ただいまの大臣の御答弁ですけれども、これは私は大臣がきわめて円満な常識人でございますから、常識的に大臣お話ししたい。大臣が従来おっしゃったのは、ただこの四月から実施する道徳という格好をつけた、道徳という時間がどうのこうのということもありますけれども、それよりももっと本質的に、政府が今考えておる道徳教育というものは、特別な教科としてやるつもりはないのだ。独立した教科としてやるつもりはないのだ。こういう相当先の見通しに立っての御答弁が再々されておる。今もそのお気持だと私は信じておった。ところが今度の、今の御答弁を聞いておりますと、局長から受け売りされて、そうして、いやそれは今日ただいまの時点において言ったことで、先のことは別だというようなお話なんですね。それでは、私は大臣言葉にも、信用をどこまで置いていいかどうかわからんと思う。そういう御発言であったら、今後、いろいろ法律案が出ておるのですが、どういう法律案に対する御答弁にしても、全部きょうただいまの、この席だけでの御答弁であって、あすからあとのことは、またひっくり返るかもしれぬ、全く逆のことになるかもしれぬというように、言々句々すべて大臣のお言葉に対して私どもは猜疑心を持って、ああでもなかろうか、こうでもなかろうかという猜疑心を持ってお聞きしなければならぬということに私はなると思う。大体常識的に考えまして、大臣がついこの間まで道徳教育特は別な、独立した教科としてやるつもりはないということをおっしゃっておるのに、すぐその舌の根も乾かぬうちに、内藤局長がよその席に出て早急に法律改正して、そうして独立教科にするのだということを発言をされるということは、何とひいき目に見ても、これはあまりにもおかしいと思う。不統一だと思う、潜上ものだと思う。しかし、そういうことをここで議論を今続けましても、これは大体さっきの吉田さんのお話しじゃないけれども、言うた、言わなかったということになって参りますから、私はこれはきわめて重大な問題だと思いますので、大臣が従来国会において私ども質疑に対して御答弁になったあとを、十分私どもももう一度あとづけてみたい。同時に、昨日の会合で大臣発言をされ、また、局長発言された内容についても、早急に資料をいただいて、そうして、それらの点を十分私どもは慎重に検討した上であらためてこの委員会に臨みたい。従いまして、議事進行ですが、本委員会は直ちに休憩に入っていただいて、そうして、その休憩の時間内に(「反対々々」と呼ぶ者あり)黙まって下さい。
  82. 竹中勝男

    ○理事(竹中勝男君) 静粛に。
  83. 秋山長造

    ○秋山長造君 そうして、その資料を出していただいて、そうして、十分の検討時間を与えた上に再開していただきたい。(「賛成」「委員横暴だ」「横暴は取り消した方がいい」と呼ぶ者あり)
  84. 竹中勝男

    ○理事(竹中勝男君) 議事進行についてお諮りいたします。ただいまの秋山君の発言について、議事進行についてお諮りいたします。  もはや、重要な発言が行われて、それに対する資料が不十分であるからして、この資料を確実にして、その上にこの重要な問題を審議するために休憩をしたいという発言ですが、いかがいたしますか。
  85. 大谷贇雄

    ○大谷贇雄君 私は先ほど来数度発言を求めております。そこで、私は委員長態度について申し上げたい。私は、先ほど来、数度発言を求めておりまするのにもかかわらず、それを少しも委員長は取り上げずに、そうして関連関連で議事進行という名前によってお許しになる。私は、やはり委員長は公平にやっていかんと、当委員会の円満なる審議というものができぬ、かように思います。私は、今の秋山委員の、なるほど、時間はたっておりまするけれども、私も重要なる意図を持って、発言を先ほどから数回実は求めておる。従って、今の休憩するということは、これはまあ、私は了承しまするけれども、とにかく、もっと議事の運営を公平にやっていただきたい。委員長というものは、野党のお方であっても与党の人であっても、これは超党派的に発言を許されるということが、私は妥当だと思う。従って今後そのようなお取計らいをいただきたいことを申し上げておきます。
  86. 竹中勝男

    ○理事(竹中勝男君) ちょっと待って下さい。今、委員長の、発言の指名に関してのお言葉でありますが、私は議事の規則に従って吉田君が最初に発言して、そうして質疑の続行中に関連質問が出ておったのです。関連質問が終息するまで、大谷議員の発言を私は待っておったのです。関連ということを言われないのですから。すべて関連の質問になっておった。そうして議事進行発言があったから、それを先に取り上げたのです。これすべて関連なんです。
  87. 大谷贇雄

    ○大谷贇雄君 私も関連や。
  88. 竹中勝男

    ○理事(竹中勝男君) いや、それは、あなたは関連と言われないのです。
  89. 大谷贇雄

    ○大谷贇雄君 こっちも言われない。秋山さんも言われない。
  90. 野本品吉

    ○野本品吉君 これは私の思い過ごしかもしれないけれども、秋山委員の御発言は、ただいま問題になっております資料が十分に提示されない限りにおいては、委員会における審議に一切入れない、こういう印象を受けておるのでありますが、これは、私はそういうことでない。この問題に関する審議は、資料を整えてからする。他の問題については審議を続行する。こういう意味に了解できるかどうか、して差しつかえないかどうか。それを確かめておきます。
  91. 秋山長造

    ○秋山長造君 それは反対だ、御返事をします。大体私は今のような問題が出てくるというのが、先ほども申し上げましたように、私は文部当局が不謹慎だと思うのです、大体率直に言って。大体きのうの国立学校設置法なんかでもそうでしょう。慎重に審議せいというて大臣からおっしゃっておって、そうしてきのう特別に時間を設けてまで、それあげろ、それあげろというような調子で、時間を制約されて、質問時間を押えて、そうして、あげるというようなことを、一方ではやっておられる。で、私どももそれに対してすなおに協力しておるんです。それだけ、一方では、文部省から出された法案に対しての審議については、私ども野党に対しても協力を求められ、また、私ども今日まで忠実に協力してきておると思う。一方では、自分の勝手のいいものだけは、早くやれ早くやれというてやって、そうして片一方では、院外へ出て、大臣の言明と全くうらはらになるというようなことを、勝手に放言して回られる。そういう状態で、この法案だけ早くあげろというのは、全く虫がよ過ぎる。全くそれは人をばかにしていますよ、そんな態度というものは。そういう態度で、そうしてこの問題だけは別だから、これはまた適当なときにやったらよろしい。そして法案の審議は早くやれ——これはおそらく、与党、野党という区別があっても、これは国会立場として、そういう甘い、身勝手な考え方に対しては、私たちは同調できぬと思う。おそらく、これは自民党の皆さん方だって、議会人として同調できぬと思う。いわんや、今日の定足数を見てごらんなさい。定足数もはっきり欠けておる。こういうような状態で審議を続けるということは、もってのほかだ、直ちに休憩していただきたい。
  92. 竹中勝男

    ○理事(竹中勝男君) お諮りいたします……
  93. 大谷贇雄

    ○大谷贇雄君 この際、私は、湯山委員長おられませんが、この間の参考人に来てもらいましたときに、私は、長田新参考人に対して最後に発言を求めて、そうして一点質問をいたした。しかるに、湯山委員長は、速記を削除を命じました。委員長権限と称して削除を命じた。この問題は、委員会審議の重大問題であり、また、これは国会運営の重大問題であるので、これは当委員会において今後十分慎重に御協議を願いたい。このことを申し入れをしておきます。
  94. 竹中勝男

    ○理事(竹中勝男君) 先ほどの秋山委員提案、これは発議者の吉田委員からも強力に求められておる点です。資料が不確実であるからして、この重大な問題についての審議を進行する上においては、資料をはっきり整えたい。それで、それに関連して、秋山委員から、定足数も足りないし、きわめて重要な問題が今提出されているのであるから、資料の整うまで一時休憩をしたいという提案ですが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」「委員長々々々」と呼ぶ者あり〕
  95. 竹中勝男

    ○理事(竹中勝男君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止
  96. 竹中勝男

    ○理事(竹中勝男君) 速記をつけて。、これで休憩いたします。    午後零時二十四分休憩    〔休憩後開会に至らなかった〕