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1955-03-28 第22回国会 衆議院 建設委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十年三月二十五日  志賀健次郎高木松吉山口好一君逢澤寛君瀬  戸山三男西村力弥松尾トシ子君が理事に当  選した。     ————————————— 昭和三十年三月二十八日(月曜日)     午後二時五分開議  出席委員    委員長 内海 安吉君    理事 志賀健次郎君 理事 山口 好一君    理事 逢澤  寛君 理事 瀬戸山三男君    理事 西村 力弥君 理事 松尾トシ子君       伊東 隆治君    大高  康君       荻野 豊平君    廣瀬 正雄君       松澤 雄藏君    大島 秀一君       仲川房次郎君    二階堂 進君       有馬 輝武君    三鍋 義三君       山田 長司君    今村  等君       中島  巖君    細野三千雄君       石野 久男君  出席国務大臣         建 設 大 臣 竹山祐太郎君  出席政府委員         建設政務次官  今井  耕君  委員外出席者         建設事務次官  稻浦 鹿藏君         建設事務官         (大臣官房長) 石破 二朗君         建設事務官         (計画局長)  澁江 操一君         建 設 技 官         (河川局長)  米田 正文君         建 設 技 官         (道路局長)  富樫 凱一君         専  門  員 西畑 正倫君         専  門  員 田中 義一君     ————————————— 三月二十六日  委員三鍋義三辞任につき、その補欠として武  藤運十郎君が議長指名委員に選任された。 同月二十八日  委員武藤運十郎辞任につき、その補欠として  三鍋義三君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  小委員会設置に関する件  建設行政に関する件     —————————————
  2. 内海安吉

    内海委員長 これより会議を開きます。  お諮りいたしたいことがあります。先刻の理事会におきまして御相談いたしたのでありますが、河川道路住宅に関し調査を進めるため及び請願審査のために、河川道路及び住宅に関する各小委員会並び請願審査小委員会を設置いたしたいと存じますが、これに対して御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 内海安吉

    内海委員長 御異議なしと認め、さように決しました。  次に以上四つの小委員会は、いずれも小委員の数は十五名とし、小委員及び小委員長委員長におきましてそれぞれ指名するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 内海安吉

    内海委員長 御異議なしと認め、さように決しました。  それでは小委員及び小委員長の氏名は追って公表いたします。
  5. 内海安吉

    内海委員長 建設行政に関し調査を進めたいと思います。  まず、建設大臣より建設行政に関しまして、施政の方針とでも申しますか、聴取いたしたいと思います。建設大臣
  6. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 先般ごあいさつを申し上げましたが、きょう初めての方もおられますので、一言ごあいさつを兼ねてただいま委員長から申された点を申し上げたいと思います。  御承知通り何分ずぶのしろうとでありまして、私自身何ら新しい考えを持っておるわけではありません。建設委員会には、従来ともにいろいろ親身になって、超党派的にいろいろな問題について御検討をいただいております歴史的な経過にもかんがみまして、私もそういう心持で一そう努力をいたしたいと考えている次第であります。  問題といたしましては、新しい問題というほどのことはないと存じますが、ただ住宅の問題については、いろいろ論議をされておりますようなわけで、このことは、いずれ具体的に予算の裏づけがきまりました上で御説明を申し上げ、また御批判をいただきたいと思いますか、今のところはごくラフな点で各省の間に事務的な折衝を続けているようなわけであります。御承知通り、問題は資金の面と土地の面——いろいろ問題を取り上げればたくさんございますが、資金の面につきましては、従来の公営方式を堅持することはもとよりでありまして、これが低額家賃一つ基礎をなすものだと考えておりますから、従来の方式を堅持いたして参る。それから公庫の制度も、これも従来の制度を運営の面においていろいろ御注意をいただいて、改むべきものは改めなければならぬと考えますが、この方式は当然とって参るべきだと考えておれます。そのほかに、二つの制度だけではなお足りない点を補う意味におきまして公社制度考えて参りたいと考えておりますが、これについては今後またいろいろ御注意をいただいて一まだ細目の点について決定をいたしたわけではありませんので、いろいろお教えをいただきたいと思いますが、ねらいといたしましては、宅地造成という問題が公社一つのねらいであります。それから第二には、御承知のように地域的に行政区域を越えて住宅建設をいたさないと進行しない場面ができております。首都のごときは、その一番いい例でありまして、千葉とか埼玉とか神奈川の方面の隣接地帯住宅地域を拡大するという場合に、今の行政機関だけでは不十分だと考えますので、それを補うことが一つのねらいに考えております。そのほかなお公営に準ずる住宅建設公社がやったらどうかと考えておりますが、この方法等については、画一的に今考えておるわけではありませんで、この中で情勢に適応するようにいろいろなことを織り込んで参ったらどうかと考えております。なお会社には、今までの制度のほかに変る点は、民間資金をできるだけこれに集中をいたしたいという点が変った点だと考えております。  それから宅地造成につきましては、これは別に新味な問題ではありませんが、公社を使い、あるいは地方団体等機関によって、この際宅地造成を強力に進めて参りたいと考えております。最近も、御議論はあろうかと思いますけれども、東京都におきまして、戦後指定をいたしました緑地の中で、情勢上どうしても宅地にいたさなければならぬ地帯で、しかも緑地の要求を、十分とは言えますまいけれども、できるだけ残す趣旨において、約五百万坪の宅地に向けるために緑地の緩和を、これはそれぞれの機関を経て決定をいたしておりますが、宅地の問題についてはいろいろな方法を集中いたしていかなければなるまいかと思っております。  なお、そのほか税制の面におきまして、あるいは農地制度との関連におきまして、いろいろ各省との間に調整をはかって参りたいということで進めておりますが、大体ある程度の見通しは立っております。  住宅については、なお法案を作りたいと考えておりますが、一つは今の公社法案であります。それから民間資金を吸収するために、ある程度の金融の損失補償制度考えたらどうかということで、これをどういうふうに立法化すかは、なお事務的に検討をいたしておりますが、一応立法措置を必要とするように考えております。その他農地税制等、いわゆる住宅促進のために必要な措置を立法化する必要が当然起って参りますが、これも立法技術上どういう形になりますか、今事務的な交渉をいたしておるようなわけであります。  住宅につきましては大体そういうことで、いずれこの問題は今の小委員等で十分御検討をいただいて、御注意を伺った上で十分な案にまとめ上げたいと考えております。  河川の問題につきましては、これの重要度は十分心得ておりまして、その線に沿って、予算の問題についても努力をいたしております。なお、私だけの見解でありますが——特に河川という意味ではありませんけれども、従来御承知のように建設省予算について、戦前においては予算継続費制度があったわけでありますが、これがアメリカのいわゆる占領政策のときに、この継続費制度というものを一切やめられてしまいまして  そのことの是非を今さら論ずるわけではありませんが、私個人としては、やはり継続費制度をとるべきだと考えておりまして、事務当局で今研究をしてもらっております。ただ、これは私かかように申したからといって、それが事務的に簡単に片づくというものでもありません。これは技術者諸君の良心的な数字の盛り上った計画にいたさなければなりませんので、これが事務的に間に合いますかどうか、努力はいたしておりますが、これも今後予算成立までの間に御意見も伺って、私としては努力をいたして参りたいと考えております。  それから道路の点につきましては、これはもう前回までの本委員会において、ガソリン税問題等について十分の御論議をいただいておりますから、その従来の線を守って今後の予算化の線に進んで参りたい。もちろん、従来立っておりますところの道路の五箇年計画というものは堅持をいたして、その線を具体的なガソリン収入に応じて持っていくということに今話合いを進めておるような次第であります。それに沿っていわゆる地方道路税というような制度考えられておりますが、まだそれをどういうふうに何ぼにするかという点については、事務的折衝の段階でありまして、政府として具体的にきまっておりません。この点も、いずれきまり次第御報告を申し上げて御了承をいただきたいと考えておりますが、私としては従来の委員会のいろいろな経過、御主張をよく守って参るという線で努力をいたしておるつもりであれます。  そのほか、御承知のようにこの間の補正等におきまして、緊急就労対策というものを新しく始めておりますが、これはこの三十年度の本予算におきましても、当然考えられなければならぬ点でありますので、これも努力をいたして参りたいと考えております。  なお、そのほか都市計画のことにつきましても、皆さん方の御努力によって成立をいたし幸した新しい法律も、御希望に沿うようにこの四月一日から実施をいたしますことに諸般の準備を整えましたので、明日の閣議で事務的な政令案をかけまして、四月一日実施ということにいたしたいと考えておりますので、これは皆さん前回までの御努力感謝をいたしますと同時に、さような手はずに、一年という法律を早く繰り上げまして四月一日からの実施に進めたようなわけでありますので、この機会に御了解をいただいておきたいと思います。  いろいろ申し上げればたくさんございますが、ごあいさつにかえて、私として気づきました点のごく大まかなことを一応申し上げたわけでありまして、今後とも皆さんの御意見を伺って努力を続けて参りたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
  7. 内海安吉

    内海委員長 質問の通告があります。順次これを許します。瀬戸山三男君。
  8. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 私は、質問とまではいかないかもしれませんが、人格識見ともに私どもの非常に尊敬いたしております竹山建設大臣でありますので、建設行政については非常に御期待を申し上げておるのであります。  ただいま建設行政の大体について御構想を承わり、私どもが常日ごろ考えておることとほぼお考えが一致しておるという気持がして、敬意を表しておるのであります。まだ予算を編成される途中にありますので、こまかい問題をここでとやかくお尋ねするのでありませんが、ただ一兆円予算のわく内で三十年度の本予算を作ろうという政府のお考えのようでありますので、今日まで大臣その他からお話になっておりますことが、うまく一兆円予算の中であんばいができるかどうかということについて、私と毛利当に疑念を持っておるのであります。そこで政治全般につきましては、日本現状から申し上げて、申すまでもなく非常にむずかしいのでありますけれども、特に建設行政部面においては、道路にいたしましても、治山治水関係住宅都市建設、これが中心だと思いますが、いずれも兄たりがたし弟たりがたしというくらいに、今の日本現状ではきわめて重要な問題ばかりであると思っております。そこで、先ほどお話を承わって、大体同じことでありますが、まず第一番に道路の問題は、数年来われわれの委員会でも非常に重視いたしまして、先ほどお話になりましたように、画期的な方法をとらなければ、ただ大蔵省のそろばん玉だけで道路行政考えるということだけでは、いつまでたっても非常におくれておるといわれております日本道路新築改良が、非常に速度がおそい、それが国の経済再建に非常な支障を来しておる。そういうことで、道路整備費財源に関する臨時措置法というものを非常な摩擦を冒して作ったのであります。これは揮発油税の金額を道路に投じて、早く道路改修なり鋪装を完成しなければ、すべての産業経済がんになっておる、こういうことから来ておるのであります。ところが、これらについても、今日でもまだ法律予算が出ませんからわかりませんけれども、相当の異論と申しますか、財政上の異なった主張が行われておる、こういうふうに私どもは見ておるのであります。しかし、財政バランスだけでなく、やはりこういうものは、あくまでも特別の方法をもって、道路は永久なものでおりますから、早くこれを完成して、経済基礎を早く確立しなければならない、これが政治の大きな行き方であると、こう考えております。でありますから、建設大臣に、まず第一に、先ほどお触れになりましたけれども、念のために聞いておきますが、この主張をあくまでも建設大臣は堅持して行かれるか。財政都合もありますけれども財政都合は知りながら、あえて——先ほども申し上げましたように、非常なる摩擦を冒してでき上りました議員立法であります。衆参両院全会一致をもって通った議員立法でありますから、この線はあくまでも堅持し、しかもできることならば、これにさらにプラス・アルファーをつけるというような勢いで、道路整備に当られるお考えがあるかどうかということが第一であります。  それから第二でありますが、これは治山治水と申しますか、大臣も御承知通りに、日本経済の根本を破壊しておるものは、治山治水が行き届いておらない。言いかえますと、災害のために少くとも二千億ないし三千億の年年の損害をこうむっておる。これは日本経済と申しますか、国民生活の安定上一番大きながんである、こういうふうに私ども考えて、微力ながら今日まで努力して来ておりますけれども、なかなか財政都合上思うように行かないことは、これはまたどなたも御承知通りであります。中心になっております河川改修災害復旧についても、今日までより以上の御努力を願わなくては、ただ財政バランスだけを考えておりましたのでは、損をする方が多い。今の治山治水事業では、せっかくほかの部面努力をしましたものがこの方で欠損を来たすということは、重大な問題であろうと考えております。先ほど特に河川改修−直轄でありましょうが、継続費構想を示されましたが、これについては、私個人としては同感であります。そういうことでぜひ進んでいたでくお考えがあるかどうかということと、災害復旧については、本来ならば二年ぐらいでやりたいのはやまやまでありますけれども、しかし、できない相談でありますので、今日まで数年間それに手は届かないといいながら、御承知のように三・五・二の割合で、三年間で災害復旧を成しよう、こういう大きな原則を一応政府国会においても認めて、来ておるわけでありますが、やはり大臣も同じような考え努力をしていただけるかどうか。  それから次に、住宅の問題については、こまかに御説明を願ってありがとうございましたが、少くとも三十年度でも四十二万戸の住宅を建てて、十年間のうちには、まず住宅についてはそう心配せぬでもいいというところまで持って行きたいというのが、民主党または民主党政府の大きな主張であります。これについては、われわれも同感でありますし、国民ひとしく大きな期待を持っておるわけであります。そこで一月二十二日でありましたか、前の内閣のときの大蔵大臣財政演説にも、このことがほかの部面よりもやや詳細に述べられておる。大蔵大度財政当局がそういうふうにおっしゃっておるのでありますから、建設大臣としては非常にやりやすいのじゃないかと、私はよけいなことでありますけれども考えるわけであります。金を出してやるから建てろ、建てたいのはやまやまでありましょうから、これは先ほどお話になりましたが、その線を必ず実行に移されるお考えがあるかどうか。これを実行に移されるについては、私今計算を持っておりませんから、どのくらいの金がかかるかということについて申し上げることはできませんけれども、相当尨大なる経費が要ることは常識上わかっておるのであります。そこで私が心配いたしますのは、住宅を建てて国民生活の安定をはかるということは、先ほども申し上げましたように、国民の非常に待望しておるところでありますから、けっこうでありますが、そのために道路であるとか治山治水の問題が、ゆるがせにされるようなことがあっては一大事であると思いますので、その点の調整についても御意見をさらに承わっておきたいのであります。  もう一つは、都市建設の問題であります。と申しますのは、御承知のように、戦災復興がある程度進捗いたしておりますが、まだまだ御承知のように相当残っておる面があるので、あります。これも都市行政と申しますか、ひいてはやはり産業経済、民生の安定の上に、相当重大なる支障を来しておることは御存じ通りであります。ところが、終戦後今日まで約十年になります。もう戦災復興事業というものは、何かよけいな仕事をしておるように感じられないとも限らない。そういうことは、あの戦争のために大災害をこうむって今日まで苦心惨たんして来ておる都市行政について、これは相済まないのじゃないかと私ども考えておりますので、これについてのさらに一段の御意見を伺っておきたいというのと、戦災復興計画をたびたび改訂いたしまして、本来ならば都市行政上に、戦災復興と同時に、都市区画整理と申しますか、復興事業が完成しなければならないのにかかわらず、財政都合によりまして、そういうところを省いておるところが各戦災と市にあるわけであります。これをそのままにしておいたのでは片ちんば都市計画になって、将来に禍根を残すような状態になっておることは、建設大臣も静岡県下の都市を見られてよく御存じのはずでありますが、これもこの際戦災復興のほんとうの計画にマッチさせてやらなくちゃならないということで、昨年度から一応この仕事にかかっておるわけであります。ところがこういう問題を非常に軽視する向きもありますので、これについての建設大臣のお考えを承わっておきたい。どうしてもやっていかなければ、せっかくの都市計画戦災復興計画片ちんばなことになってしまいまして、将来これをやるということは国民に非常な迷惑を及ぼす、こういうことになりはしないかと思いますので、私どもは今日までこれに従事してきておりました関係上、お尋ねをいたしておくわけであります。  こまかい問題がたくさんあると思いますけれども予算編成でありますから大臣のお気持を聞いて、その大臣のお気持を三十年度予算に盛り込んでもらわなければ、ここで幾らいい御意見を承わりましても結果が現われませんので、きょうはそういう点をさらに、蛇足のようでありますけれども大臣の御見解を承わって、予算編成についてどういうお気持でいかれるかということを、この際承わっておきたいと思います。
  9. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 瀬戸山さんの大へん御理解のある御教示をいただきまして感謝をいたしております。私も今お話のうちで、多分皆さんが関心をお持ちだろうと思います意味で、実は住宅の問題は、建設省の事務的な制作というふうな取扱いは、最初からいたしておりません。これを鳩山内閣重要政策に取り上げてもらったゆえんのものは、単なる建設行政の一部門と考えていくべきものでないと考えたからであります。従って今日の政府の部内における態勢も、今お話通り財政の画においては大蔵大臣にみずから進んで考えてもらっておるようなわけであります。そういうことは、一に今御心配のように、住宅のために他の建設行政財政負担をそっちに振り回けるというようなことになりませんようなというふうな私の最初からの考えでございますので、その点は、今後もご注意の点をよく守りまして、そういうことになりませんように努力をいたすのは当然でありますが、今日さようなことはいささかも考えてはおりません。  それから河川の問題、災害復旧の問題は、まことに、ごもっともであります。実は事務的なことを申し上げるのを避けたわけてありますが、災害復旧の点についても、前国会までのわれわれ及び皆さん方の御主張もあることでありますから、何とか新しく展開をいたしたいという意味で、三年間、暫定的なものでもいいと思いますが、継続費制度をとりたいという主張で、今大蔵省折衝をいたしております。これにはやはりいろいろ御意見があろうと思いますし、一利一害はあろうと思いますが、私はこの際は、予算額で御想像の通り、一ぺんに片づけ得る財源を急に災害復旧にとるということは、なかなか言うべくして行われないことでありますので、実情からみましても、早く完成をしてあげるという意味からいっても、毎年同じ予算をとってくるよりは、継続費制度にする方が、より地元の方も安心をするし、国家財源を有効に使い得ると考えて、今極力そういう線で進めておりますが、これはなかなか今までの法律財政制度とかなんとかということで、率直に申すと理屈がむずかしいようであります。しかし、私は何とか政治的にこれを打開いたしたいと、今研究努力をいたしておるわけであります。  それから道路のことについては、御注意通りでありまして、私は就任以来、道路河川等、従来前内閣等でお作り下すった技術的な計画というものは、絶対に変えないということを事務当局にも申し、ただ財政都合で、その年その年のふくれ方に——これは経済ともマッチしなければなりませんから、一応の目安はあっても、きちっと機械的に五年間予算をきめていくということは困難だと思いますけれども、しかしその内容をなす技術的な計画というものは私は変えない。内閣がかわっても、建設省に関する限りは、道路の五カ年計画あるいは河川の十カ年計画というようなものは変えるべきものでないという態度で技術者諸君にも臨んでおるようなわけでありますので、その点はよく今の御注意を守って参るつもりであります。  都市計画の問題についての御注意は、私も不十分ながら承知をいたしておりまして、これは実は今度の住宅の問題とも関連がありますので、宅地造成等と十分に関連を持たなければならぬ問題だと考えますから、この際一つ今までよりも一そうその促進ができますように、新しい構想をできるだけ盛り込んで参りたいというふうな努力を、今いたしておるようなわけであります。  全体につきまして、今御注意の点は、まことにごもっともなことでありまして、いささかも私は異論を差しはさむべきことはないわけで、その御注意の線に沿って全力をあげて努力をいたしたいと考えておる次第であります。
  10. 内海安吉

  11. 山口好一

    山口(好)委員 住宅問題は、われわれ民主党の大きく掲げた公約であり、また従って鳩山内閣の実現しなければならないところの公約であります。これについて、建設大臣としても強い御意思を持って進まれることをただいま承わりましたが、これに関連して、過般、イギリスのある住宅会社代理人がこちらに参りまして、庶民住宅の増設に関しての側面的な援助と見られるような申し出をいたしたように新聞紙上において見たのでありますが、新聞紙上の記事によりますれば、一万戸ないし四万戸というようなことを、まず目標にしていくというようなことが出ておりました。かつ、その代理人は、建設大臣とまず会見をして具体的な方策を進めていきたいというようなことでありましたが、多分大臣にはこの代理人にお会いになられたことと存じますので、その経過について詳細な御報告を願いたいと思います。また、それかもし具体化できるといたしますれば、国内の業者との間の調節の問題、あるいは実際に建設するところの住宅が、真に庶民に適するような安いものができるかどうかというようなことも話し合ったことと思いますから、御説明を願いたいと思います。
  12. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 新聞に出ましたことは事実であります。実は二十三日の日にグレゴリーという住宅会社代理人から、一応の構想を示したもので、とりあえず日本に支社をつくるために一万ポンドの金を送らなければならぬから、それの手続をするのに一応の了承を与えてくれぬかということでありました。私、その人に会いましたが、これは今建設省大蔵省事務当局研究をしてもらっておりますので、これが必ずできるとか、この通り私がのみ込むとかいうことを今申すことは少し早計と存じますので、その点は御了承いただきたいと思いますが、ただ向うの申しておりますことだけを受け継きに申せば、この会社はすでにイタリアやフランスで住宅をどんとん建設をしておることは事実のようであります。その方式で、日本にも金を持ってきて家を建てて売る、こういうことで、向うは商売でございますから、別に恩に着るほどのことでもない。ただお話のように、これを日本のいろいろな政策とどうマッチさせるかということは、もちろん研究をいたさなければならなぬということと、為替の関係で、ドルが入って、またドルを持って行くのでありますから、そういう点についても、よく大蔵当局と研究をいたしておきませんと、ただ家を建ててくれるからいいというわけにはいかぬと思います。また今それが庶民に合うかどうかということは、実はフランスでやっておるのは、日本の金にすると二戸土地付約二百万円というもので、それで二十五年で月賦で約八千円です。月賦償還で二十五年でいい。金利は向うの原資は四分五厘だというようなことを言っております。このままでは、とても日本にはよ過ぎて、庶民住宅にはちょっと向かないと思いますが、何もフランスで建てた家をこっちで建てなければならぬということはないので、プリンシプルを言えば、そういうわけであります。向うとしては、もう各国でやっているから、そう新しい制度とは考えておりませんようであります。しかしこの点については、四万戸まではというようなことも言っております。なおよく研究いたしまして、情勢がわかり次第御報告はいたしますが、先般聞きました向う側だけの話は、さようなわけであります。これはアメリカなんかでもやっておることで、向うからいえば、別にそう珍しいことではなく、ただ日本に投資をしようということは、ちょっと耳寄りな話であることは事実であります。
  13. 内海安吉

    内海委員長 ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  14. 内海安吉

    内海委員長 速記を始めて。  ちょうど大臣の欠席の間、前金におきまして昭和三十年度建設省関係暫定予算につきまして、政府より説明を聴取いたしたので、ありますが、これに関し、さらに河川継続工事、就労対策あるいは有料道路の諸点につきまして説明を聴取したいと存じます。米田河川局長
  15. 米田正文

    ○米田説明員 暫定予算関係だけをちょっと申し上げます。  河川関係は、暫定予算におきましては前年度実績を基本にしまして、原則的に十二分の二、すなわち二カ月分を計上いたしておるのでありまして、特に積雪寒冷地区の北海道及び東北、北陸等につきましては、三カ月分を計上するという原則の通りにやっておるのであります。積雪寒冷地区が全体の約三〇%になっております。緊急就労対策事業については、二十九年度においては、河川関係では実施をいたしておりません。ただ実質的に三十年度のテストという意味で、遠賀川について、緊急就労対策事業という予算項目ではございませんけれども河川費の中で一部試験的に実施をいたしておったのがございます。それと、これは直轄河川でございますが、そのほかに福岡県と福島県で、中小河川緊急就労対策事業の試験的なものを、これも予算項目には河川事業費としてあげてやったものが、ごくわずかでございますが、そういう実施を試験的にいたしてみております。暫定予算には、やはり原則として緊急就労対策事業は、河川事業には計上しないという通りにやっております。  継続費の問題は、今ちよっと委員長からお話がございましたが、大臣からお話申し上げたような構想で、三十年度予算については、現在大蔵省折衝中でございまして、まだ決定をいたしておりません。なかなか事務的にはいろいろ困雑な問題があるようで、大蔵省としていろいろ反対の理由も強く計っておる向きもございますので、まだ決定に至っておりません。従いまして、暫定予算については、継続費の問題は一切触れない、前年度予算額の二カ月または三カ月をもって計上いたしております。  以上概要を申し上げました。
  16. 内海安吉

  17. 富樫凱一

    ○富樫説明員 道路関係の四、五カ月分暫定予算関係について御説明申し上げます。前会官房長から御説明申し上げましたように寒冷地では三カ月分、その他の地区では二カ月分ということで立てられておりますか、道路事業費に、暫定予算としてつきましたのは直轄の分だけでございます。直轄道路改修費が四億八千二百余万円になっておりますが、これは直轄の継続分に当てられるものでございます。  それから緊急就労対策事業でございますが、緊急就労対策事業も、二十九年度よりの継続の分に使用いたします。これは直轄分と補助分とにわかれておりまして、直轄分が一億六千六百万円、補助分が三億三千四百余万円になっておりますが、いずれも二十九年度に実施いたしましたものの継続でございまして、これの二カ月分を計上いたしております。従いまして就労人員は、この暫定予算におきましても変更はないわけでございます。これが原則でございますか、二十九年度において事業が完成いたしましたものにつきましては、その付近に新規をとるというふうに考えております。この緊急就労対策実施いたしますのは、全体で約百八十余個所になっております。一日の就労人員が約一万一千人でございます。それから前回提出いたしました資料の一番終りの万に「特定道路整備事業特別会計」というのが載せてございます。これが二億八千五百万円でございます。これは直轄と貸付とに分れておりますが、このうち直轄に当てられますものが一億四千余万円ございまして、これは関門隧道の継続と伊ノ浦橋の継続に当てられるものでございます。貸付は一億四千万円でございますか、これが二十九年度の貸付の約二カ月分に相当いたします。これを貸付の個所に全部分けるということではなく、暫定で続けなければ困るという橋梁などに使いたい考えでおります。  以上簡単でございますが、道路関係説明を終ります。
  18. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 簡単なことですが、道路局長に伺いたい。緊急就労対策事業の問題ですが、これは昭和二十九年度に初めてやった仕事で、今朝の新聞でありましたか、労働省関係で失業対策事業について相当考えをいたしているようでございます。建設省あたりでも、従来から失業対策事業については非常に考えておられたことであって、同じ金を使うについても、失業対策では能率が上らない。それでいわゆる失業対策事業でなしに、公共事業として失業者を吸収するのが、貧乏国としての金使いのために効率が上る、こういう意見が相当にあったと思うのであります。そこで新聞の記事によりますと、そういう考えが出ているようでございまして、専門的な仕事に従事する者と、ただ生活の安定というか、生活の維持のために失業者を吸収する失業対策、この二通り考えに分割してやった方がいいのじゃないかという構想があるようであります。私どもは一応傾聴に値する考えだろうと考えているのでありますが、今緊急就労対策事業が、その一部面を現わしているのじゃないかという気がするのであります。そこで私がお尋ねしたいのは、この事業は、今現に各地で実施中であると思いますから、その効率がいいか悪いかということの判定はまだ出ていないかもしれませんけれども、もし出ておりますれば——これは道路の事業でありますから、大体見当かつくと思うのでありますが、いわゆる失業対策事業と今度の緊急就労対策事業——これも一種の失業対策事業でありまして、名前は違いますけれども、内容は同じであります。そこで、この事業といわゆる失業対策事業と、国費の使い方において能率かどういうふうに違うかということはまだ見当がつきませんかどうか。この失業対策に関しては、従来から非常に議論のあった問題で、一つのテスト・ケースではないかと私は考えているのですか、この点どんなふうでしょうか。
  19. 富樫凱一

    ○富樫説明員 お尋ねの二十九年度に実施いたしました就労対策事業の実績でございますが、これはまだ全体にわたって統計をとる段階になっておりません。ただ中間的に見ましたところでは、相当の成績を上げております。この就労対策事業には、道路事業のうちで、比較的就労対策に向くものを持っていっております。そういう工種の関係もあり、またやっている地域の関係もございまして、普通の公共事業とほとんど大差ない程度の実績を上げているように思います。そこで普通の失業対策としてこの就労対策を実施いたしているのではございませんで、失業者は使いますが、失業者の適格者を使うというふうに進めておりますので、その成績も、普通の公共事業とあまり変らないものになるのではないかと構想いたしております。
  20. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 今、ただ単に失業対策ではなくて、そのうちの事業に対して適格者を使うような方法でやっている。これはきわめていいことだと思います。そこで先ほど私が申し上げましたように、労働省てそういう構想を失業対策事業に持ちつつあると思うのであります。これは非常にいいことであって、失業対策は、ただ時間さえつかせばいいんだというように見られがちで、全般がそうではないと思いますが、金をむだ使いしているような議論かたびたびあったのであります。その点は、労働省も気がついておられるようですが、それに適格な者を使っていると能率か非常に上る。これは同じく失業者でありますが、そういうことで労働省が二つの部面に分けて、二面においては女子とか高齢者とかいう人たちの生活維持のための失業対策、これはほんとうの救済事業であります。それともう二つは、今あなたがおっしゃったように、適格者は別な考え方でやりたいという御構想を持っているということでありますが、これは国の金でありますから、労働省で使おうと建設省で使おうと農林省で、使おうと、そんなことは私ども問題にするのじゃありませんけれども、金の使い道をできるだけ効率の上るようにすることは、国全体としては大いに考えなくもやならぬことで、あると思います。そこで、同じ失業者の中にも、成績のいい適格者であるのと、ないのとあるわけでありますから、そういうふうな構想は、労働省や何かと御相談なさってやられるのが非常にいいのじゃないかと思うのでありますが、そういう部面政府の部内で御相談になったか、またはなる考えがあるかどうか、こういう点をこの際伺っておきたいと思います。これは非常に大事な問題だと私は従来から考えているのですか、労働省がせっかくそういうふうに完全なる生活の維持の部面の失業対策——新聞には失礼なことにニコヨンて書いてありましたが、そうでなくして、技術を持っておって職がないという人もあるわけでありますから、そういう考えで労働省あたりと相談をされたか、される気があるかどうか、一つ伺いたい。
  21. 稻浦鹿藏

    ○稻浦説明員 建設省でただいまやっております緊急就労対策事業というのは、一種の失業対策事業でございます。しかし、個々に公共事業とかみ合せることによりまして能率を上げなければならぬと同時に、失業者を使わなくちゃならぬということで、相当頭を使って、先ほど道路局長から申しあげたようなことをやっているわけであります。けさの労働大臣構想につきまして、先ほど次官会議で労働次官と会いましたので、一応その構想といいますか概念を聞いてみました。向うもそういう考えはあるが、まだ具体的にまとまっているものじゃない。しかし、これはどうしてもやはり建設省でやっている仕事関連してやって行くべきなので、よろしく頼むというようなことでありましたので、私の方も同じ国の仕事でございますから、できるだけ効率を上げて、互いに相談し合ってやっていきたいということは先ほど話し合ったのですが、まだ具体的に向うもきまっておりませんし、こっちもまたそれに対して具体的な話し合いというものは、けさのことでありますからきまっておりません。きまりましたら、また御報告いたします。
  22. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 けさお話になったということは、けっこうでごさいますが、労働省の方も、今、次官のお話では、はっきりきまったわけではない、こういうお話でありますけれども、これは相当重要な問題だと私は思っております。建設次官も御存じ通り、これは言い方が悪いかもしれませんけれども、前から所管争いみたいなこともあったのであります。失業対策を労働省の所管にするかどうかということについては、やはり失業対策をやっておるのだという看板をかけなければ、政治部面で味わいがないからということで、あっちの方に四十億か掲げたこともあるのです。それもありますが、どっちに掲げられようともかまいませんけれども、やはり効率が上るように命を使う。せっかく相当な技術を持っておられる、あるいは労働能力のある人でも、やはりどぶさらいや公園の掃き掃除ということだけでは、だんだん日本国民気持も怠慢になってくるし、国費の使い方、それから日本建設と申しますか、国の政治情勢といいますか、そういう方面からも大いに考えなくてはならない問題だと思っております。それから、けさせっかくそういう話をされたのでありますならば、予算編成の途上でありますから、少し真剣にお考えなさって、皆さん御専門でありますので、一つできるだけ金の効果が上るような方法で、しかも失業対策その他の仕事に従事される人たちも励みを持ってそういう仕事に従事される方法を、ぜひ御考究くださいますよう希望申し上げておきます。
  23. 逢澤寛

    ○逢澤委員 ただいまの失業救済専業といいますか、失業者の就労に対して、先ほど道路局長の御答弁では、最近能率が上りつつあるように私拝承したのであります。先ほど瀬戸山委員から御指摘になっておりましたように、そうなっておれば、まことにけっこうだと思うのですが、私どもの見るところでは、残念ながら従来の能率と通ったことはないと思っております。先ほど瀬戸山委員から御指摘になりましたように、ああいうような方法で国費を使うのでは、国民感情の上からいっても、非常に残念だと思います。幸い先ほど稻浦次官は、労働省方面ともいろいろお話し合いがある、こういうようなお話でありましたか、非常にいい機会だと思いますので、効率を上げて、国費の重要性をここに確認してもらわねばならないという点、さらにお気の毒ではあるが、この就労者自体も国費の重要性の自党を持って仕事をやる、こういうことに指導してもらうような相談をしていただきたいと思う。私ども建設委員として若干関係があります者の立場からいいますと国民の側からいっても、君たちはあんなことでよいのか、こういうことの批判を受けております。特に、建設委員の心々などはその感じが強いと思いますが、この点を私は強く一つ主張しておきたいと存じます。  それから、今こで陳情書を見て初めて知ったのですが、道路使用につきまして、地方の舗装ができていない道路にも、最近大型バスの数が非常に多くなっております。それで受け入れ態勢とのバランスがとれていない。従って地方の道路というものは、めちゃめちゃになっているところがある。この点についていろいろ建設省としてもお考えになっているようでありますが、ここに陳情書もあり、私ども関係があるのでありますから、どのようにお考えになっているのか、この機会に承わっておきたいと思います。
  24. 富樫凱一

    ○富樫説明員 先ほど説明申し上げました中に、就労対策事業が、公共事業費と大体大差のない能率を上げていることを申し上げたわけでございますが、私どもが中間的に見ましたところでは、そのように見ているわけであります。今まで行われておりました失業対策事業は、なるほど言われましたようなことかったと思いますけれども、就労対策事業は、適格者を使うということと、能率給を出すということで、公共事業費とは大差がないと考えております。  それから、ただいまお話の大型バスが狭い道路に入るということで、道路を通行する車両の制限というようなことを道路局で考えておるのであります。これは現在は通路規格というものがございまして、その規格に合せまして、定期バス路線あるいは定期トラック路線を認可いたしておるのでございますが、お話のように車が大型になる、また数が非常によけいになる、しかもスピードが上っているということで、従来の通路規格についても検討を要します。また従来の通路規格が厳格に守られておったかと申しますと、これも守られておらなかった面もあるのでございまして、これらの点について、その制限をただいま事務的に検討中でございますが、まだ建設省としてはまとまった結論に達しておらないのでございます。
  25. 逢澤寛

    ○逢澤委員 いろいろな事情もありますし、また業者の方からの要求もありましょうし、業者としても、軍が発達しているのだから、とにかく発達した車を利用しないということもないと思います。業者の万にもお気の毒だとは存じますが、地方の方から考えてみても、国の財政の方面から考えてみても、非常に非常識なところがあると思う。しかもようやく県道に編入しただけというような県道の砂利道路の固まっていないところに、あの大型のバスをどんどん通すというようなことで、まるっきり道らしい道になっていないようなところもあるということをよく確認をされまして、監督官庁としての適切なる方法一つやっていただきたいと存じております。
  26. 西村力弥

    西村(力)委員 ただいま瀬戸山委員と逢澤委員から失対事業あるいは緊急就労対策事業、この就労者の仕事のしぶりが非常に非能率的である、かような指摘がございましたが、一体失業対策に就労するというのは、正式の就労で、あるかどうか、この点まず明確にしていただきたいと思います。緊急就労の問題にしても同じですが、正常なる就職であるかどうか、これを明確にしていただきたい。その点は、どういう立場で、緊急就労の雇用の場合にその労働者を受け入れられるか、この点一つ明確にしていただきたい。
  27. 石破二朗

    ○石破説明員 失業対策事業に失業者が雇われます際の法律上の地位と申しますか、お尋ねがございましたが これにつきましては、私よく存じませんけれども、おそらく失業対策事業に就労しましても、やはり失業者が失業対策事業に従事しておるのだ、かように了解いたしております。私の方の緊急就労対策事業につきましては、さような考えでおります。
  28. 西村力弥

    西村(力)委員 これはとにかく失業者をある程度就労の形にせしめて、最低の生活を何とか見てやろう、こういう意味であって、むしろこれは就職、就労ではなくて、社会保障というか、そういうような精神から発しておるものであると私たちは理解しておる。ほんとうに正常なる労働を要求するならば、やはりそれを要求するだけの給付をやらなければならぬのじゃないか。それをやらずして、一万は最低の保障だけで、長くここにとどまっておってはいけないというために、たんさん金をやりては長くとどまることになるから、たくさん金をやらないという工合にして仕事をやらせておるのです。そういうために、十分なる保障もしない。そうして変則的な立場で仕事をさせておいて、仕事のしぶりだけを正常な形を求めるということは一方的であると思う。やはりこういう考え方は払拭していかなければならぬのじゃないか、私たちはこのように考えておるわけでございます。つきましては、緊急就労の問題につきましても、いろいろ予算を計上される。労働省においては失業対策事業の予算も計上されるでしょうが、これに見合う地方自治体の負担というものは、十分に話し合いができておるかどうか。近ごろの地方財政の逼迫状況からいいまして、せっかく国でこれこれの予算を盛ったとしましても、これに見合う支出ができないために、これを返上してしまおうかという動きも非常に多いということを私は聞いておる。そういう点も十分に見られるように、相談なりあるいは措置なりができておるかどうか、この点についてお尋ねしたいのです。  ちょっと関連いたしますので、そのあとの一般補助事業ですか、これは地方団体が必要と認める事業は、本予算編成とにらみ合せて、そしてやられるというふうなことがここに書いてあったように思いまするが、そのために「資金運用部資金の運用等により事業の実施支障のないよう万全の措置を講じて参りたいと考えております。」とこうなっております。これも同様な問題であると思われるのですが、この点十分に話し合いができておるか、どうか。それとともに、地方の公共団体において四、五月中に実施する必要があるというふうに認めてやったことは、本予算編成の場合において、建設省においてそのまま承認せられるのかどうか。あるいはそういうことは、本予算の編成とにらみ合せるべきものでありますので、事前に建設省側から一応の了解なり認定なりをいただいて、そして地方団体かこれを施行していくのであるかどうか、そのような点についての経過といいますか、それを御説明願いたい。
  29. 石破二朗

    ○石破説明員 初めのお尋ね、労働省所管の失業対策事業については、答弁を差し控えさせていただきたいと思いますが、建設省所管の緊急就労対策事業に雇います失業者の賃金につきましては一般の労働者と同じ単価で組んでおります。従いまして、失業者なるがゆえに安いしかも固定した給料で働かせるという建前にはなっておりません。それも先ほど道路局長から御説明しました比較的能率がいいという一つの理由だろうと思います。さらに二十九年度に緊急失業対策事業を行いますについて、地方公共団体によりましては、この裏づけとなる地方財源が不足する、その起債をどうしてくれるかという問題があったのは事実であります。御指摘の通り、県によりましては非常に苦しいというところもあります。実を申しますと、これは年度当初予定しておりました公共事業費にプラスしたものではありませんで、地方財源は当然自治庁なりその他において考えておったはずでありますけれども、一時節約というようなことかありまして、ほかのものは道路事業ほどそれを復活しなかった関係もあり、決定がおくれるというような関係もありまして、地方公共団体全体としては合っておるという勘定になっておりましても、具体的の県によりましては、まずかったところもあろうと思いまして、はなはだ遺憾に思っておる次第であります。三十年度におきてましては、さようなことのないように、もちろん他の公立事業の一般経費と同様に、できればそれ以上にも考えたい、かように考えております。  さらに三十年度暫定予算の編成に当りまして、一般補助事業を計上していない、これをどう措置するかというお尋ねでありますが、御指摘の通り国の予算に計上してありませんと、地方公共団体は事業をやるのに理論上は非常に迷うわけでありまして、その間いろいろな不便が生ずるだろうと思います。しかし、実際問題としましては、所要の地方財源考えの中に入れてあるのでございますし、また地方公共団体と建設省とは、それぞれ緊密な連絡をとっておりまして、本予算の編成が進むにつれ、その間そごのないようにいくだろうと考えております。  なお、御参考までに例年の例を申し上げますと、大体四月−五月に建設省所管の、補助費二カ月分といいますと、三、四十億、去年の例でございますと四十億程度になるわけでございますが、その間前年度の繰り越し専業も、残念でございますけれども相当残っておりますし、災害復旧事業も三カ月分を二カ月分として組んでおるわけでございまして、まあそれやこれや勘案しまして、まずまず支障なくいくのではなかろうか、かように考えております。
  30. 西村力弥

    西村(力)委員 私は山形県ですが、北海道、東北、北陸関係が三カ月分計上せられておるということに対しては、政策的な予算を組んでは悪いという原則とは相反しますけれども、一応敬意を表したいと思うのですが、三カ月分計上されたそのことは、何も科学的なことでは、なく少しは色をつけようというわけでつけられたのかどうか。もし科学的に積雪ということを勘案しましての、ほんとうの研究の結果とすれば、もっとよけいにしろとかなんとか出るのじゃないか、こう思うのですが、この点どういう結論から三カ月分計上なされたのか、お尋ねしたい。
  31. 石破二朗

    ○石破説明員 災害復旧費につきましては、一律に三カ月分を組んでおる次第でございますか、これは前年度なし遂げ得なかった災害復旧工事を、出水期前、田植え前になるべく早く片づけていただこう、こういう趣旨で組んだものでございまして、これは全国一律でございます。東北、北海道その他の寒冷地につきまして三カ月分組んでおりますのは、これは直轄事業についてでございます。三カ月組みました科学的根拠というものにつきましては、十分の自信を持っておりませんけれども、大体この辺組んでおけば工期の関係——東北はもう十二月になりますと工事ができなくなるわけでございまして、毎年工事の適期というのは限られておりますので、そういう関係考えましてよけいに組んだ次第でございます。
  32. 内海安吉

    内海委員長 有馬輝武君。
  33. 有馬輝武

    ○有馬(輝)委員 二点につい、お伺いいたします。これは官房長にお伺いいたしたいと思います。  暫定予算説明で人件費事業費その他の経常的な経費について最小限度組んだということでありますが、せんだっての委員会におきまして、旅費、超勤等雑件の中に含まれておるものについて八割を組んだということでありました。この件につきましては、各省共通の立場において組まれたものであるかどうか。それからこの八割について、特に建設省の性格からいたしましても、旅費、超勤等の問題につきましては、相当の無理がくるのじゃないかと私は思うのでありますが、この点について、将来これを補足するところの含みを持っておるかどうか、こういう点について、まず第一にお伺いいたします。  それから第二点といたしまして、ルース台風以来の護岸あるいは道路の工事につきまして、建設省、認定したものについては、少くとも昨年度分までは全部予算が流れておるかどうか、この点についてお伺いいたします。
  34. 石破二朗

    ○石破説明員 先日当委員会におきまして御説明いたしましたのは、旅費、庁費等の事務費及び調査費につきましては、前年度の二カ月分の八割を組んでおりますと申し上げた次第でございます。人件費につきましては、さようなことをいたしておりません。人件費は、所要の額だけを計上いたしておるのでございます。大体前年の同期と同額に相なっておるかと思います。これを本予算編成の際に戻すつもりがあるかどうかという御質問でございますが、そこまでまだきめておる次第ではありませんけれども、われわれとしましては、いわゆる事務費につきましてはで、きる限りこれを節約して参りたい。もちろん、事の性質によりましてどうしてもこれでまかなえぬ分については、余分にちょうだいしなければならぬ場合も出てくるかと思いますが、原則といたしましては、いわゆる役所の事務費はなるべく節約して参らなければいけないものだ。かように考えております。もっとも暫定予算に八割を組んだからこれを一年間ずっと本予算の際にもこの通りの率でいくかどうか、その辺につきましては、まだ交渉いたしておりません。
  35. 米田正文

    ○米田説明員 第二点の災害復旧に関することでございますが、これは現在の状況を申し上げますと、災害は御承知のように毎年起きまして、それを一一について査定をいたして、災害金額というものを考えております。これは個々の災害について考えております。それがずっと最近その年に起きた災害をその年に全部財政支出を済ますということができないで、だんだん延びてきておりまして、現在では二十九年度一ぱいになると二十四年度災害が全部完結するという状況でございます。二十五年度以降は三十年度予算以降に繰越されてきておる。そういう実情でございまして、われわれとしては、かねてからこの当委員会でも、災害についていろいろ苦慮しておることは御説明申し上げておる次第であります。ただいまのお話は何年度災害かちょっとはっきりいたしませんでしたけれども、二十五年度から二十九年度分までは三十年度以降に持ち越しになっおります。年災々々で何パーセントできておるかという実績は、大体はっきりいたしておりますけれども、二十九年度までの分は、三十年度以降の予算支出でもって逐次完結していく方針であります。
  36. 有馬輝武

    ○有馬(輝)委員 旅費等につきましては、これは官房長にお願いしておきたいと思うのですが、無理をいたしまして、結局せっかく続けておる仕事が十分できないというようなこともおもんばかられますので、やはりその他のものを二カ月分組んだなら、八割に制限するということでなくして、この点については二カ月分そっくりそのまま組むという努力を続けていただきたかったと思います。今後の問題といたしましても、やはり旅費だけに限らないで、超勤その他についても、事務当局の御努力をお願いしたいと思うわけであります。なお、今の災害の問題につきましては後日また具体的な問題としてお伺いしたいと存じます。
  37. 西村力弥

    西村(力)委員 昨年このガソリン譲与税の問題では、当委員会は五カ年計画が破棄になる、こういう立場から反対されておりましたが、あれ片上年間限りということでございます。本年はっきりおやめになるかどうかということです。そういたしますと、地方の万にかわり財源というものが考えられるかどうか、そこのところの状況は今どうなっておるか、お聞きしたい。
  38. 石破二朗

    ○石破説明員 揮発油譲与税は、御承知通り二十九年度限りのものでございまして、これを三十年度に続ける意思はおそらく持っていまいと私ども考えております。さらにこれにかわる何らかのことを考えておるかどうかというような御質問でありますが、御承知通り道路事業費の国の予算に計上します分は、年々ガソリンの消費の増に伴いましてふえて参りております。他方地方の財源はどうかと申しますと、ひとり道路かふえるたけではありませんけれども、やはり年々ふえていく道路事業の裏打ちをしていくということは、地方によっては相当苦しいところも出てきておるように聞いております。従いまこて、私どもまだ詳しく話を聞いてもおりませんし、具体的の折衝もまだいたしておりませんけれども、この政府におきましては、地方道路税というものを新設いたしまして、地方の道路財源確保の方策を談ずるという措置考えておると聞いております。
  39. 内海安吉

    内海委員長 中島巖君。
  40. 中島巖

    ○中島(巖)委員 大臣予算委員会の方へ出席されて、こちらへお見えがないようでありますので、はなはだ遺憾であります。予算委員会偏重で、主管大臣が三十分くらいの出席では、はなはだ心もとない。この点について、委員皆さんに各党へ帰られて御相談願って、何とか方法を講じていただきたい。かようにお願いするわけであります。  さて、暫定予算についての質問でありますが、災害復旧費の関係住宅建設費の関係——災害復旧費は事務当局でけりこうであります。住宅建設費の関係につきましては、事務次官の方から御答弁願えればよし、もし事務次官でおわかりのない点は、あとで書面でお答えをお願いしたい、かように考えるわけであります。その次は道路事業費、それからただいま問題になれましたガソリン税の問題、それから本予算にはありませんが、目下問題になっておる中央道についての調査費を計上する意思があるかどうか、この五点につきてましてお伺いいたしたい、かように考えるわけであります。
  41. 内海安吉

    内海委員長 中島さん、お話し中ですが、今大臣は、予算委員会の方を済んでこちらへ来られるというのですが……。
  42. 中島巖

    ○中島(巖)委員 それでは大臣が来てからにさせていただきます。
  43. 内海安吉

    内海委員長 中島さん、もしあれでしたら大臣以外の簡単な御質問をお願いいたしましょうか。
  44. 中島巖

    ○中島(巖)委員 では、委員長の御忠告通りいたします。  災害復旧関係でありますが、昨年度予算におきまして成立予算が三百三十九億九千二百万というような数字になっており、それから実行予算が三百三十九億九千何がしというような予算になっておるわけでありますが、この四分の一つまり三カ月分といたしまして七十五億をこの予算書に計上してあるのですが、この食い違いはどうかという点であります。それから第二の点といたしましては、御承知のように出水期が迫りまして、とうていこの七十五億の予鈴では、災害の未施行工事ができないと思うのであります。たとえば、私、長野県でありますけれども、工事費二百億くらいのところで、河川の締め切りだけで七十億を要するというようなところに、わずか七十億くらいの予算しか来ずに、河川の締め切りだけで、あとは工事費は立てかえてやらなければならぬ、こういうような現象を各所に見受けるのでありますけれども、これらにつきまして、国としての災害復旧の方針は今後どういうふうになされるかというこの二つの点と、いま一つは現在の過年度災害におきまして、未施行分がおそらく千三百億程度あるのじゃないかというように私考えるのであります。現在の三カ月予算の七十五億という数字で見ますと、数年を要しても、なお過年度災害が復旧できない、さらにまだ本年度もこれらの災害が来ることは必至であるというような考えからいたしまして、国で認定いたしました未施行の災害は国で全部やると考えておるかどうか。考えておるとしたならば、何年計画でもってこれを行う予定であるかというようなことについてお伺いいたしたい。災害復旧関係につきましては以上の三点であります。  次に道路事業費とガソリン税関係でありますけれども、今年度のガソリン税は、大体におきまして、通産省におきましては二百七十万キロリットルというような数字を出しておるように聞いておるのであります。キロリットル一万三千円のガソリン税といたしますと、おそらくこれが三百五十億あるいは白熱増収によりまして四百億以上のガソリン税になるのではないかというように考えるのであります。これを目的税といたして道路整備方面へ使うような考え建設省としてないかという点であります。  さらに、先ほど道路局長意見としまして、大型バスが通行するについて、通行道路の制限をするところの法律案を現在考えておるというようなお話でありましたけれども、これは時と場合によってそういうことも考えねばならないのでありますけれども、基本的な問題といたしまして、自動車の通行に対して道路を制限するというようなことは、結局大きな国の生産というような血から考えて、はなはだ逆行する考えである、どうしても道路を改良して、国民産業の隆盛に寄与せねばならぬというところが、基本的の考えであらねばならぬというように考えまして、局長のおりしゃった御意見に対しまして、非営に了解がいたしかねるのでありますが、この点につきましても局長の御意見をお伺いいたしたい、かように考えるわけであります。  ただいま大臣かお見えになったようでありますので、住宅建設関係についてお聞きいたしたいと思うのであります。先ほど大臣よりもお話を承わったのでありますが、またこのごろ予算委員会におきましても、一萬田大蔵大臣の御意見をお聞きいたしておりたのでありますが、公約実施するようなお考えは十分お持ちのようでありますけれども、さてその予算をどうするかという問題になりますと、大蔵大臣建設大臣も非常にあいまいなのであります。さらにその予算の浦づけになりますと、全く何らの曙光も見えないというのが現在の状態なのでありまして、翻りまして昨年度の住宅関係予算並びに決算を見ますと、国よりのいろいろな融資が三百三十二億でありまして、十一万五千戸というようなものができておるのであります。そうして建設省関係といたしましては約百五十五億というような決算面になっておるわけであります。それで、この住宅政策につきましても、農林省でやるところの入植者住宅というようなものがあり、また厚生年金で融資するところの厚生省関係のものがあり、また大蔵省関係のものがありまして、これが全体の約二〇%を占めておるというような数字が出ておるのでありますが、これらを一貫してやる考えはないのかどうかという点が一つ。  それから、昨年の予算から見まして、一戸当りが約二十九万円という数字になっておるわけであります。従いまして、公約実施いたすといたしますと、千二百十八億というような、とにかく民間から融資するにいたしましてもいずれにいたしましても、これだけの金が必要だということになるわけであります。従いまして、建設省全体の予算額よりはるかに上回るところの事業をせねばならぬ。これに対しまして、大臣はいかに官庁機構の問題を考えておられるか、あるいは別に住宅省というようなものを設けてやるのか、あるいは現在の建設省の中のその部門でやるとしたならば、人員の構成とかその他どういうような方法でやろうという考えをお持ちであるか、この点と、さらに、これをお尋ねいたしましても先日の蔵相並びに本日の大臣の御答弁より推して、はっきりしたお答えは得られないと思うのでありますけれども、これだけ尨大な数字を融資でやるのか、あるいは国庫においてどれほど出すのかというその振り合いがおわかりになったらお聞かせを願いたい、かように考えるのであります。  次に、目下非常に問題になっておる中央縦貫道路でありますが、これに対しまして本年度は調査費を置いて調査をする御意思があるかどうかという問題であります。  以上、はなはだ大ざっぱで簡単で、はありますけれども、お答えをお願いしたい、かように考える次第であります。
  45. 米田正文

    ○米田説明員 災害復旧の問題でございますが、災害復旧費の、ここにお手元の表に計上してあります八十二億という暫定予算は、その内訳の第三に書いてあります災害復旧土木事業費補助、これが各府県に参ります災害復旧費の補助でございます。これは二十九年度の当初予算の二百九十七億の三カ月分になっておるのでございます。それとその二つの直轄河川関係と直轄砂防関係の分を合せまして八十二億になっておる次第でございます。二十九年度の分は、御承知のように昨年補正がいたされましたので、総額としてはその後ふえてきておりますけれども、当初の数字でこの暫定予算ができております。  それから、ただいまもお話がございましたように、災害は年々累積して参りまして、今日国費だけで約一千億に相当する災害を手持ちにいたしておるのでございます。この二分を三十年度以降で支出をしていかなければならないのでございまして、なかなかの難事業ではございますが、お話のようにこの出水期を控えて、処置かできなくて非常に困っておる現実も相当、ございます。われわれとしては、これはもう昨年来、特に二十八年度災害後の問題でございますが、予算が足りないところは、できるだけ融資でいきたいというので、府県といろいろな話合いをいたしまして、十分な資料をつくって財政当局に預金部資金の融資方を今折衝いたしておるのでございます。御承知のように、融資関係は非常にむずかしいので、われわれも困難をいたしておりますけれども、この努力はさらに続けていく予定でございます。一方三十年度以降の予算については、われわれは今まで残っておりますものを少くとも今後三年間で片づけたいという折衝を今大蔵省といたしておるところでございます。その結論がどうなりますか、もうしばらくいたしませんとはっきりいたしませんが、われわれとしては、そういう努力をいたしておる次第でございます。
  46. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 住宅の問題は、ぴったりとした御答弁を申し上げることができませんが、予算編成が目下進行中でございまして、そう長いことではありませんで、ここ数日のうちには大体の目鼻がつこうと思いますから、その際十分具体的に今お申し出のような点を申し上げることをお許しをいただきたい。もちろん、四十二万戸をやるという決意には、何ら変りありませんが、先ほど申し上げましたように、公営住宅、公庫にいる金融の措置公社制度、それから今お話のありました厚生年金あるいは農林関係の開拓者の住宅、それから公務員住宅、民間建設といったようないろいろな種類のものがありますので、これを一本にしたらどうかという御意見もよくわかりますけれども、やはり困難な住宅政策を推し進めますには、それぞれの情勢に適合したようないろいろいろな制度を組み合せてやることがわれわれはいい、というよりも、それでなければ、実際問題として解決がつきませんので、そういうようないろいろな制度を組み合せてやって参りたいと考えております。従って、そのための政府財政負担、それから財政資金、それに民間資金というようなものをどういうふうに組み合せますかは、全体の組み合せによってきまって参りますので、今のところ何ぼに幾らということだけを具体的に申し上げることができませんのは、まことに相済みませんか、しばらく一つ御猶予を願いたいと思います。もちろんお話のように膨大な資金が要ることは事実であります。これは何としても家を建てるためには必要でありますから、これを一本の税金でできればまことにけっこうでありますけれども、そういうことが許されませんので、あらゆる方面からこれにいろいろな資金を集中して四十二万戸に盛り上げたいと考えておるわけであります。  なお、中央道路お話が出ましたが、これは私の前の沿革は、聞いてはおりますが詳しくは存じません。けれども、私の個人的な考え方を申せば、道路は幾らあったって、決してあり過ぎるということはないのでありますから、いろいろいわれておるところの道路については、熱意を持ってわれわれは今後も進めて参りたいと考えております。従って、もちろん調査も続いてやりたい。とりあえずこの間高碕審議庁長官が中へ入ってくれまして、今佐久間のダムに来ておりますアトキンソンの——一昨日もちようど社長の、一番おやじさんがアメリカへ帰りましたけれども、親子六代も土建をやっているアメリカには珍しい社長ですが、非常に熱心な人で、その幕下の今佐久間に来ております技術者を三人貸してくれて、一つ中央道路の実際的な技術的な調査建設省と一緒にやろうじゃないかということになりまして、今道路局の方の技術者と、その三人のアメリカの技術者と協力をして、とりあえず西の万から調べてもらっております。これは将来いろいろ資金の問題に対しても、外資を入れるような場合に、日本の役所で調べたもので、これでどうだと言ったって、なかなか相手は承知しません。そこでやはり向うは向うなりの連中に見せておくことも、将来のためになると思いまして、そういうことも進めております。この間道路局長に聞きますと、やはり実際家だけに、なかなか見どころがおもしろいということで、一体どこに石があるのか、材料のことはどうなってどの距離から運んでくるのかといったようなことを、すぐ行って調べておるようなふうでありまして、これも一つ調査の資料になろうかと思っております。実際現実の問題は、五カ年計画をすみやかに完成するということにやっきになっておる現状といたしまして、それをほっておいてはそっちの方へまで、なかなか欲深いことではありますが、しかしわれわれとしてはやはり次々への計画をほんとうに真剣に用意をしておくということだけはいたさなければならぬと考えて、努力をいたしておるつもりであります。
  47. 富樫凱一

    ○富樫説明員 先ほどガソリン税についてのお尋ねがございましたが、昭和三十年度につきましては、通産省において、お話のように約二百七十万キロリットルを予想いたしております。この消費量に対しまして、ガソリン税は約三百六十億になりますが、このガソリン税臨時措置法に基きまして道路整備に充てられなければならぬわけでございます。一方道路整備の五カ年計画というのが出ております。この五カ年計画では、昭和三十年度に二百十六万キロリットルの消費があり、それに応ずるガソリン税が入るものとして計算されておるわけであります。この五カ年計画とこのガソリン税の方との調整が、今後われわれの折衝中心点になろうかと考えております。  それから大型バスが狭い道路を通ることについての問題でございますが、道路との関係において、必要とされる車両について制限するという政令をただいま考えておるわけでございます。これはお話のように、道路をよくすることが先決でございますが、ただ、われわれの今の計画からいきましても、現在あるバス路線を急速に整備するということは、ほとんどむずかしいのでございますから、ある時期にはかような制限も必要であろうと考えておるわけでございます。現在運行されておりますバス路線は、十万キロに及びますが、そのうち約半分は規格に合わない狭い道路であります。まあ、この狭い道路を、早く退避所でも設置して、バスの通行には差しつかえないようにしたいというのが、われわれの第一の念願でございます。予算関係で、なかなかそう参りませんので、とりあえずの措置として、かような制限もまたやむを得ないと考えておる次第でございます。
  48. 中島巖

    ○中島(巖)委員 大臣より中央縦貫道路について非常な朗報を得たことを、大へん喜ぶものであります。この住宅建設関係におきましては、これ以上大臣に御答弁を求めて毛無理かと思いますし、昨日の予算委員会の様子から見ましても、無理であるように考えますので、打ち切ることにいたしますけれども、一昨日の予算委員会におきまして、総理大臣は、十五日までには本予算を提出できるというようなことを予行委員会に言明していたようでありますけれども、あとわずか二週間に迫った本日、この一千数百億を要するところの公約で占める住宅建設に対しまして何らの見通しもつかないということは、非常に心細いことであって、遺憾と思うわけであります。せっかく大臣の御努力、御勉強をお願いいたしたいかように考えるわけであります。  それは別といたしまして、官庁規模をどういうふうに持っていかれるかというようなことについて、大臣に御腹案がありましたらお伺いいたしたい、かように考えるわけであります。
  49. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 決して住宅予算の問題をほったらかしておるわけではございません。御心配のように、われわれとしては大体十五日ごろを目標にして予算の提出をいたすたけに、来月早早には予算決定をいたす用意は進めております。ただ、今折衝中でありますので、申し上げかれておるようなことでありまして、ご鞭撻の点は感謝いたしますがさようなわけであります。  なお、官庁機構については、いろいろ御意見ごもっともだと考えます。今の制度でうまくいかないのだから、これを拡充するためには当然そういうことも考えられると思いますが、率直に申して、私は、この際役人をふやして住宅をふやすという考えにいくよりも、まあ役所は忙しかろうけれども、現在の機構の範囲で、勉強をしていく。そのためには、先般次官を委員長にいたしまして住宅対策本部というものをつくりまして、そして関係各省から、それぞれの当面実際に仕事を担当しておる局長、課長をメンバーに集まってもらいまして、時々必要な連絡をいたしております。これは建設省だけで全部を引き受けてやるという性質のものでありません。税制のこともありますし、北海道から材木を持ってくるために林野庁の長官にも出てもらったりいたしておるわけで、各省関連があるわけでありますから、そういう点で今努力しておりますし、今後もそういう機構をもつと拡充をいたして参りたい。それから、政府の一部の機関であるところの公庫でありますとか、いろいろこれらの関係機関も総動員をして持って参りたい。しかしこれを実行する段になりますれば、これだけのやり方では参りませんから、実践部隊はまた当然別に考えて参らなければならぬと思いますけれども、役所だけをまた大きくすることは、今の民主主義の行き方からいって、まあ最後のことに考える、なるべく内部の連絡を十分にして勉強をしてやってもらう、それだけのことは一つ実行の手先の万へ力を入れて参りたいと考えております。しかし、実際問題として、御注意のような点について、いろいろ抜けておる点は、どんどん改めるところは改めて参りたいと考えております。
  50. 中島巖

    ○中島(巖)委員 ちょっとした感じで、道路建設のために、災害復旧であるとか道路の改良であるとかいう点が圧迫されるような感じが非常に多いのでありますが、この点御留意願いまして、圧迫されないようにということを大臣にお願いするわけであります。  次にお伺いいたしたいことは、ガソリン税を全額道路の万へ持っていくような、つまり目的税に振りかえるような腹案があるかどうか。もしあるとしたら、大蔵省折衝したことがおありかどうか、またその切通しはどうかというようなことをお伺いいたしたいと思うのであります。  次に、この財源関係によりまして、非常に各方面が圧迫されて、おるということを、当委員会大臣並びに関係の皆様からお伺いいたしまして、よく了解するのでありますけれども、現在各所にあると思うのでありますが、片方に数十キロの道路があり、片方にもまた数十キロの道路がある、中間二、三キロを開さくすれば、全通して利用度が非常に高くなるというようなのがある。これらに対しましても、新しく事業を興す意思は全然ないのかどうか、この点をお伺いいたしまして、私の質問を打ち切りたいと思います。
  51. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 道路の問題は、あるいは道路局長からお話申し上げるのかいいかもしれませんが、それは計画上年度の関係でそういうことになっておるのじゃないかと思いますけれども一つむだのないように努力いたします。  それから、住宅のために一般予算が圧迫されるのじゃないかという御心配、先ほど瀬戸山さんからもお話がありましたが、これは私は当初からそういうことのないように慎重な考慮を払っておるつもりでありますから、御心配のないように努力いたしたい。これは内閣全体の問題と考えておりますから、内閣全体としてむしろほかの省も応援をして、やるべきものだと私は考えております。しかし、これは各省全体の予算の振り合いということは考えなければならぬと思います。  それからガソリン税の問題は、これは御承知と思いますけれども、今お話のような線に、すでに建設委員が多年の御努力で目的税に大蔵省を屈服させたわけでありますから、この沿革からいきましても、その原則を今さらくつがえすということはあり得ないと私も考えております。その方法、具体的な問題につきましては、いずれ予算決定に伴ってまたご説明いたしますが、これはもう法律できまっている問題でありますから、御心配のことはなかろうと考えております。
  52. 二階堂進

    ○二階堂委員 関連して……。私ちょっと一言大臣に希望を申し上げることがあるのでございます。この暫定予算の編成を見ておりますと、寒冷地帯につきましては、いろいろな事情かあることはわかっておりますが、三カ月計上していただいておるわけであります。特に今後の予算編成の途上にもありますので、特に考慮していただきたいことは、私どもの南九州におきましても、御承知通り非常に雨量が多いし、また台風が非常に多いところであります。従いまして、申し上げるまでもなく災害等も非常に大きいわけでございます。時期的に申しましても、雨期に入ることはどの地方よりも非常に早い。従いまして、災害復旧等も遅れている点も多々あるのでございまして、こういう点を考えていただきますならば、どうも予算編成、暫定予算の組み方を考えてみましても、寒冷地帯には特に重点的にお考え願っておるというふうにも考えられるわけでありますので、特に雨量、台風度の強い地方につきましても、予算編成上重点的に御考慮いただくべき点が多々あろうかと考えております。今後こういう特殊の事情も篤と一つ御考慮いただきまして、予算編成上重点的に積極的に考慮していただきたいということを御要望申し上げておきたいのであります。
  53. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 御注意の点、よくわかりました。実は私もそういう実情も承知いたしておりますが、お話災害復旧の点は、この間も申し上げましたように、三カ月がんばつて取ってありますので、今のお話災害の問題は一応区別なくやっている。ただ仕事の性質上寒冷地帯に春までに間に合せるということのために三カ月主張したというわけでありますから、この点は多少そういう点では抜けておったかもしれませんから、以後よく注意をいたします。  なお、これはつけ加えた話でありますけれども、いろいろ災害復旧あるいは直轄以外の仕事で、地方に御迷惑をかけないように、他の財政資金等で仕事にはいささかも支障かないようにということは、大蔵大臣とよく私は何画も閣議で確約をして、今推し進めておるようなわけでございまして、大体、いわゆる成立はいたしませんものの、予算の内容は来月に入ればわかるわけでありますから、従って、それに応じて今暫定予算に入っていない分につきましても、地方の実情に応じて適宜な処置のできますように、用意だけは事務当局にも話しておりますようなわけでありますから、今後いろいろ御注意を伺って、万遺憾なきを期したいと考えております。
  54. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 関連して……。今話が出ましたので、御意見があれば承わっておきますが、希望というような気持で申し上げておきます。今寒冷地帯災害復旧その他の公共事業費に関連して、特に台風災害の多いところも、やはりそういう気持で対処してもらいたいという二階堂委員の御意見であります。それに関連して、前々の国会でありましたか、そういうふうに連年と申しますか、例年台風災害をこうむるところについては、やはり国の政治上特別な措置をとらなくてはならないといった、災害の特別立法というものが問題になりまして、衆議院あるいは参議院で審議をされたのでありますけれども、政局の変転等でそのままになっておりますが、その当時、大蔵省事務当局といたしましては、やはりそういう特別な事情のところには特別な立法をしなければならぬという主張をいたしたのであります。最近も、私は非公式でありますけれども大蔵省事務当局とその話をいたしましたか、その考えを今日も持っておりますから、建設省の方で——これは農林省にも関係がありますが、そういう点について、もし今日お考えがありますれば、お考えを承わりたいし、まだお答えを願うだけの御構想がなければ、そういう考え大蔵省も、建設省が御相談なさって、政府の方でそういう特別なる処置の立法を出されるお気持があるかどうか、これだけを伺っておきます。
  55. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 瀬月山さんのお話の点は、おそらく四国、九州という台風の常道みたいなところについては特別に考えるべきだというお話、これはわれわれも前々から承知をいたしておることであります。建設省としてその立法の措置をいつ講ずるかという具体的な問題になりますと、まだ研究をいたしておるということで、まことに相済みませんけれども、これは問題としては古い歴史と経過を持っておる問題で、ありますから、よく慎重に一つ大蔵当局ともあわせて研究をいたすということで御了承を願いたいと思います。
  56. 内海安吉

  57. 細野三千雄

    ○細野委員 時間も四時になりましたし、大体中島さんからお尋ねになりましたからやめてもいいのですが、さっき話の出ました過年度災害の復旧費なんです。これは一千億近い金になるそうですが、各地方では、非常に今でも困っております。各地方自治団体が因り、業者が因り、その下に働いておる労働者も困っておる。しかも、これは別に政府の方で利子を払ってくれるわけでもありませんし、何かこう、何年たてば一体それが解消するかという、せめてそのめどでもつけばいいと思うのであります。こういう点に、もう少し計画的に過年度災害を片づけていただきたいと思うのであります。それは希望であります。  それから揮発油税道路整備でありますが、昨年はああいう揮発油税を全額道路整備に充てるという決定を見ながら、初年度からそれを実行しないで、三分の一、まあ妙なことになりました。同じようなことが、大臣はそういうことは法律を守るとおっしゃいますけれども、とにかくあの法律はガソリンの消費量が幾らふえても、自動車の台数か幾らふえても、ガソリン税そのものが増税になっても、多々ますます弁ずで、そういう金はもうすべて近路の整備に充てる、こういう趣旨の法律なんであります。昨年も三分の一はわれわれが反対したのでひもつきになりましたけれども、その中で、一万一千円から一万三千円に増税になった二千円分は、また妙なことになりました。今うわさでありますが、地方道路税というようなお考えもあるようですが、その財源は一体どうするのか。うわさによれば、ことしもガソリン税をさらに増税して、増税部分をもってそっちへ充てるのだというようなうわさもあります。そうなりますと、やはりこれは法律の趣旨に反するわけであります。ガソリン税は全額、どれだけ多くなっても、どれだけ増税になりましても、すべてこれは五カ年計画の方に充てていただきたい、こういうふうに希望を申し上げておきます。  私のお尋ねしたいことは、ただ一つ河川法であります。河川法は明治二十九年に制定されたまま、改正しなければならぬ、改正しなければならぬということで各省折ががまとまらぬわけでありますが、大臣御在任中に、これを政府提案としてお出しになるお考えがあるかないか、これだけであります。
  58. 竹山祐太郎

    竹山国務大臣 ガソリン税の問題は、よく心得て、一つ委員会の御趣旨を守るように努力をいたしたい。五カ年計画を変えるということは、もちろんいたしませんし、道路にこれを使うということについても、異論を言うべき筋とは考えておりません。なお具体的な問題についてはその節に一つ……。  それから過年度災害の問題は、私もほんとうに困ったことだと思いますが、一般地方財政の二面からいえば、総括的な対策を考えなければならぬというところへ来てしまっておりますから、それらの問題とあわせて考えてもらうように今後も努力いたしたい。  それから河川法の問題は、私も少しは聞いておりますけれども、まだ十分にとっくりと勉強もいたしかねるようなわけでありますので、なおよく勉強をいたすと同時に、御趣旨に沿うように努力いたしたいと思います。
  59. 内海安吉

    内海委員長 住宅問題のいかんにかかわらず、建設省の既定方針はあくまで強力に推進されるという建設大臣の御答弁は、まことに力強く感ずるのであります。ぜひそういうように推進を願いたい。  本日はこの程度といたしまして、次会の日程は公報をもってお知らせいたします。  本日はこれをもって散会いたします。     午後四時十二分散会