○北澤
委員 戦争前におきましては
日本の南米
移民については、米国
政府方面におきましても、必ずしも賛成ではないという気持があったのでありますが、最近の状況におきましては、今回の
借款について直接に
政府が
関係したかどうか知りませんが、米国の朝野におきまして、
日本の中南米
移民というものを、側面的に援助しようという好意的
態度になって参りましたことは、これは中南米
移民の将来にとって、非常に大きな光明であると思うのであります。従いまして、そういうふうな米国内の空気でありますならば、もし将来この
会社が千五百万ドル以上に外貨
資金を必要とするというふうな場合におきましては、もし
会社の経営が相当良好であり、また米国のそういうふうな
日本移民に対する好意的の
態度を
考えまして、もし
日本が必要とするならば、この
借款を増額するということも可能であろうと思うのであります。先ほどの
政府の答弁では、今のところそれは
考えておらぬということでありますが、私どもはやはり先ほど大橋
委員から
質問されましたように、
日本が中南米あるいはその他の地域に対する
日本の
移民を積極的にやるというならば、これは結局金の問題であります。一昨日でしたか、上塚司氏を参考人として呼んで聞いたのでありますが、結局
移民が成功するかしないかは金の問題であるという点、私どもも同感であります。そういう点から申しますと、やはりこの
会社が将来発展して、
日本の
移民政策を、この
会社を通じて積極的に進めようというならば、やはり
資金の面において相当余裕がなければならないと思うのであります。そこで問題は、そういうようにこの
会社が将来発展するにつきましても、問題は将来この
会社の経営がうまくいくかどうかということであります。もしそうでなければ、
アメリカの民間
銀行でありましても、もとより商業べースでありますので、金を貸してくれないのであります。そこで問題はこの間も私はこの
委員会で聞いたのでありますが、この
会社の
業務の中に
渡航費を貸し付けるということがある。
政府の答弁によりますと、
渡航費の元利の徴収は困難である。従って
渡航費から当然損失というものが
予想せられる。従ってもし
政府がこの
渡航費の未回収による損失を補償しなければ、この
会社はその面で倒れてしまうというわけでありまして、
渡航費の未回収による損失については
政府がこれを補償するということがなければ、この
会社に対する民間の
資金も集まらなければ、社債も消化できない。
アメリカの三
銀行の
借款もできないということでありますので、
渡航費の未回収による損失については、補償する必要はないかということを
質問いたしましたところ、
政府の方でもそれを
考えておるという御答弁でありました。今日
政府の方から配付されました
日本海外移住振興株式会社法第九条第二項に基く
政令要綱案というものによりますと、これは
大蔵省と
外務省と
意見が一致した結果できたわけでありますが、今度はこれによって先ほど申しましたような損失を、
政府がカバーしてやる道を開いておるわけであります。私どもは大体これでよろしいと思うのでありますが、今日は
外務省と
大蔵省の
政府委員が見えておりますから、ただいまからこういう点について疑問のないようにしていきたいと思います。
最初
政府におきましては、この
会社が
政府から
渡航費を借り受けてこれを
移民に貸し付ける、その利ざやを取って、それによってある場合には
損害を補てんしようというふうな
考えもあったようでありますが、この
政府の配付した
要綱案によりますと、
政府から
会社に貸し付ける
渡航費の利率は年三分六厘五毛、こうなっておりますが、しからば
会社から
移民に貸し出す場合の利率はどうなるか、もし利ざやを
会社に与えるというならば、相当高い利息で
移民に貸すわけでありますが、一体その点はどうなるのでありますか。