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1954-05-07 第19回国会 衆議院 郵政委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十九年五月七日(金曜日)     午前十一時二十二分開議  出席委員    委員長 田中織之進君    理事 小林 絹治君 理事 羽田武嗣郎君    理事 船越  弘君 理事 大高  康君    理事 山花 秀雄君 理事 吉田 賢一君       大上  司君    坂田 英一君       武知 勇記君    濱地 文平君       三池  信君    佐藤觀次郎君  出席政府委員         郵政政務次官  飯塚 定輔君         郵政事務官         (貯金局長)  小野 吉郎君  委員外出席者         大蔵事務官         (銀行局総務課         長)      大月  高君         郵政事務官         (郵務局次長) 渡辺 秀一君         専  門  員 稲田  穣君         専  門  員 山戸 利生君     ――――――――――――― 五月六日  委員飯塚定輔辞任につき、その補欠として濱  地文平君が議長指名委員に選任された。 同月七日  委員岡崎勝男辞任につき、その補欠として大  上司君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  郵政行政に関する件   請 願  一 内郷町に無集配局設置請願(闘内正一君   紹介)(第二九六号)  二 笠間村に郵便局設置請願喜多壯一郎君   紹介)(第二九七号)  三 水ケ崎簡易郵便局を無集配郵便局昇格の   請願片島港君紹介)(第二九八号)  四 川水流簡易郵便局を無集配郵便局昇格の   請願片島港君紹介)(第二九九号)  五 岩田郵便局無配事務開始請願辻原弘   市君紹介)(第三〇〇号)  六 郵便切手類及び印紙売さばき手数料引上げ   に関する請願佐竹新市紹介)(第三六七   号)  七 関豊村に無集配郵便局設置請願(水田三   喜男君紹介)(第三六八号)  八 清瀬医療地区特定郵便局設置請願(   山花秀雄紹介)(第三六九号)  九 千年村に特定郵便局設置請願稲富稜人   君紹介)(第三七〇号)  一〇 石巻市に無集配特定郵便局設置請願(   長谷川峻紹介)(第三七一号)  一一 和田村に無集配郵便局設置請願船越   弘君紹介)(第三七二号)  十二 水分村に無集配特定郵便局設置請願(   荒木萬壽夫紹介)(第三七三号)  一三 同(稲富稜人君紹介)(第三七四号)  一四 同(石井光次郎紹介)(第三七五号)  一五 青柳地区特定郵便局設置請願(並木   芳雄君紹介)(第三七六号)  一六 郡山亀田郵便局復活に関する請願(助川   良平君紹介)(第三七七号)  一七 谷山郵便局普通局昇格請願(赤路   友藏紹介)(第三七八号)  一八 同(床次徳二紹介)(第三七九号)  一九 犬川簡易郵便局を無集配特定郵便局に昇   格の請願牧野寛索紹介)(第三八〇号)  二〇 鶯沢簡易郵便局を無集配特定郵便局に昇   格の請願庄司一郎紹介)(第三八一号)  二一 新野簡易郵便局を無集配特定郵便局に   昇格請願戸塚九一郎紹介)(第三八二   号)  二二 豊中郵便局舎新築に関する請願原田憲   君紹介)(第三八三号)  二三 岩田郵便局集配事務開始に関する請願   (辻原弘市君紹介)(第三八四号)  二四 浅野郵便局集配事務開始に関する請願   (成田知巳紹介)(第三八五号)  二五 入江郵便局集配事務存続に関する請願   (佐竹新市紹介)(第三八六号)  二六 馬立原簡易郵便局を無集配特定郵便局に   昇格請願山中貞則紹介)(第五七七   号)  二七 種平郵便局集配事務開始に関する請願   (飯塚定輔紹介)(第六〇一号)  二八 神村簡易郵便局を無集配特定郵便局に昇   格の請願岡本忠雄紹介)(第六〇二号)  二九 新野簡易郵便局を無集配特定郵便局に   昇格請願戸塚九一郎紹介)(第六九四   号)  三〇 勝岡簡易郵便局を無集配特定郵便局に昇   格の請願瀬戸山三男紹介)(第七四二号)  三一 芳野郵便局集配事務開始に関する請願   (吉田安紹介)(第七九五号)  三二 立野地区に無集配特定郵便局設置請願   (有田喜一紹介)(第一一三六号)  三三 郵便切手類及び印紙売さばき手数料引上   げの請願今澄勇紹介)(第一三二六号)  三四 郵便切手類及び印紙売さばき手数料引上   げの請願櫻内義雄紹介)(第一三七六   号)  三五 同(船越弘紹介)(第一四〇九号)  三六 郵便切手類及び印紙売さばき手数料引上   げに関する請願岸信介紹介)(第一六七   〇号)  三七 曽佐村に無集配特定郵便局設置請願(   有田喜一紹介)(第一六七一号)  三八 徳田に簡易郵便局設置請願山崎猛君   紹介)(第一九〇八号)  三九 荒川簡易郵便局特定局昇格請願(   堀川恭平紹介)(第一九〇九号)  四〇 富成郵便局集配事務開始に関する請願   (佐藤善一郎紹介)(第一九一〇号)  四一 小湊町に郵政省結核療養所設置請願(   淡谷悠藏紹介)(第一九六一号)  四二 丸山町に無集配特定郵便局設置請願(   吉田賢一紹介)(第一九八七号)  四三 郵便切手類及び印紙売さばき手数料引上   げに関する請願中川俊思君紹介)(第二二   一四号)  四四 十日市駅前郵便局設置請願船越弘   君紹介)(第二一四六号)  四五 郵便切手類及び印紙売さばき手数料引上   げに関する請願橋本龍伍紹介)(第二三   三七号)  四六 藤枝郵便局普通局昇格請願田中   織之進君紹介)(第二四八七号)  四七 岩田郵便局集配事務開始に関する請願   (田中織之進君紹介)(第二四八八号)  四八 郵便切手類及び印紙売さばき手数料引上   げに関する請願黒金泰美紹介)(第二六   二五号)  四九 同(木村武雄紹介)(第二六二六号)  五〇 平井地区特定郵便局設置請願小枝   一雄紹介)(第二六二七号)  五一 安室に無集配郵便局設置請願有田喜   一君紹介)(第二六九二号)  五二 清瀬医療地区特定郵便局設置請願   (山花秀雄紹介)(第二七九二号)  五三 郵便切手類及び印紙売さばき   手数料引上げに関する請願橋本龍伍君紹   介)(第二八九一号)  五四 同(高橋禎一紹介)(第二九七一号)  五五 折原村に無集配郵便局設置請願(荒舩   清十郎紹介)(第二八九二号)  五六 中之町に無集配特定郵便局勢置請願(   岡本忠雄紹介)(第三一一五号)  五七 茅野郵便局舎買上げに関する請願原茂   君紹介)(第三一一六号)  五八 折原村に無集配郵便局設置請願(松崎   朝治君紹介)(第三二〇九号)  五九 簡易生命保険契約額引上げに関する請願   外二件(只野直三郎紹介)(第三二一一   号)  六〇 同外一件(只野直三郎紹介)(第三二   九二号)  六一 林の上に特定集配郵便局勢置請願(   関内正一紹介)(第三三三三号)  六二 地方郵政局監察部設置請願本名武   君紹介)(第三三三四号)  六三 簡易生命保険契約額引上げに関する請願   外一件(田中織之進君紹介)(第三三七三   号)  六四 同(中村時雄紹介)(第三四八八号)  六五 郵便切手類及び印紙売さばき手数料引上   げに関する請願森幸太郎紹介)(第三六   四〇号)  六六 簡易生命保険契約額引上げに関する請願   (岡村利右衛門紹介)(第三六四一号)  六七 静岡県下郵政業務東京郵政局所管に復   帰の請願塩原時三郎紹介)(第三六四二   号)  六八 清瀬医療地区簡易郵便局設置請願   (山花秀雄紹介)(第三六九六号)  六九 簡易生命保険契約額引上げに関する請願   (只野直三郎紹介)(第三八〇五号)  七〇 同(只野直三郎紹介)(第三八三三   号)  七一 同外二件(只野直三郎紹介)(第三八   九七号)  七二 犬川簡易郵便局を無集配特定郵便局に昇   格の請願牧野寛索紹介)(第三八五九   号)  七三 北町に特定郵便局設置請願高木松吉   君紹介)(第三九七三号)  七四 簡易生命保険契約額引上げに関する請願   (岡村利右衛門紹介)(第三九七四号)  七五 郵便切手類及び印紙売さばき手数料引上   げに関する請願高津正道紹介)(第四〇   三四号)  七六 別所村に郵便局設置請願小林絹治君   紹介)(第四五八四号)  七七 合併市町村内の郵便局及び電報電話局統   合に関する請願小枝一雄紹介)(第四六   〇七号)  七八 安室に無集配郵便局設置請願有田喜   一君紹介)(第四六二四号)  七九 西有家郵便局集配局昇格請願(田   口長治郎紹介)(第四六二五号)   陳情書  一 郵便切手類等売さばき手数料引上げに関   する陳情書   (第四七〇号)  二 鹿児島県谷山郵便局普通局昇格陳情   書   (第四七一号)  三 郵便切手類等売さばき手数料引上げに関   する陳情書   (第六七一号)  四 行政改革に伴う特定郵便局職員減員反対   の陳情書   (第二二五三号)  五 学術、文化団体刊行物郵便料金に関す   る陳情書   (第一   六四一号)  六 行政改革に伴う特定郵便局職員減員反対   の陳情書   (第一六七三号)  七 関東州における郵便貯金の払戻しに関する   陳情書   (第一七一九号)  八 占冠郵便局電報配達員増員陳情書   (第一   八〇一号)  九 特定郵便局廃止反対に関する陳情書   (第二一   八二号)  一〇 簡易保険保険金最高制限額引上げの陳   情書外一件   (第二二五四号)  一一 同外七件   (第二二五五号)  一二 同外一件   (第二二五六号)  一三 同外一件   (第二二五七号)  一四 同(   第二二五八号)  一五 同(第   二二五九号)  一六 同(第   二二六〇号)  一七 同   (第二二六一号)  一八 同外一件   (第二二六二号)  一九 同外一件   (第二三四七号)  二〇 同   (第二三四八号)  二一 同(第   二三四九号)  二二 伊豆地方郵便局東京郵政局管内復元に   関する陳情書   (第二四五一号)  二三 簡易保険保険金最高制限額引上げの陳   情書外三件   (第二四五二号)  二四 特定郵便局廃止反対に関する陳情書   (第   二六四六号)  二五 行政改革に伴う特定郵便局職員減員反   対の陳情書   (第二九五五号)  二六 特定郵便局廃止反対に関する陳情書   (第二九五六号)     ―――――――――――――
  2. 田中織之進

    田中委員長 これより郵政委員会を開会いたします。  本日公報に掲載されました請願日程中、第四三ないし第七九を一括議題といたし、審査を進めます。  ただいま日程第六八、清瀬医療地区簡易郵便局設置請願、第三六九六号の紹介議員山花秀雄君より、本請願を取下げたいとの申出がありましたので、これを許可するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 田中織之進

    田中委員長 御異議なしと認めまして、さよう決しました。  なお日程紹介議員の御出席の都合もあり、委員長において適宜変更いたしますから、御了承を願いたいと思います。  なお本日の日程中、郵便切手類及び印紙売さばき手数料引上げに関する請願並びに簡易生命保険契約額引上げに関する請願は、すでに法律案審議の際に十分内容を検討いたしておりますので、審査を省略いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 田中織之進

    田中委員長 御異議なしと認めまして、さよう決します。  それでは日程第五二清瀬医療地区特定郵便局設置請願山花秀雄紹介、第二七九二号を議題として、紹介者山花秀雄君の説明を求めます。
  5. 山花秀雄

    山花委員 これには清瀬村になつておりますが、最近の町村合併によりまして、ただいまは清瀬町になつておることを一応御了承願います。  前記の清瀬町は全国的にも有名な医療地区であります。たくさん病院がございまして、元農村の一角に結核療養所ができておりましたが、それがだんだんふえて参りまして、今日では非常に大きな医療地区なつておるのでありまして、病院町といわれておるような地区でございます。ちよつと大きな病院を列記いたしましても、国立清瀬病院国立東京療養所その他等等、十数箇所の結核療養所が並立をしておるという地区でございます。従いまして患者対象とする郵便事務もきわめて多く、これらの施設のすべてが結核性疾患療養所であるということと、いま一つは医療地区内に郵便局がないために、患者への医療費送金等についても、一々農村地区内の郵便局まで出かけなければならないし、その際看護婦または付添看護人等勤務中の衣服をあらためなければならないので、勤務の余暇を見て患者の願いを入れるということが非常に困難である。また患者散策地区も限定されているために、軽い患者においてさえみずから郵便局に出かけて医療費を受取り、速達、書留便の発信に当ることができない。郵便局が遠いために、あまり大きくない施設では、やつと三回に一回ぐらいしか用を達することができないところもあり、急ぎの書留等の場合には、いたし方なく施設側で一時立てかえ等の便法を講じているありさまで、患者たちもほとんど外出できないので、郵便局を通じての通信にたよる度合いが一般の人よりもことに多く、病院施設における一日の集配数は約五千通にも達し、大きな施設には郵便物取扱い専任者もいるという現状であるのであります。これらの点からぜひとも医療地区居住者を重点的に対象とする特定郵便局設置が要望されている次第であります。  なお以上のほかに、薬品の製造会社あるいはその他の病院施設もありまして、最近は都営住宅引揚者住宅建設も急速に進み、現在四箇所、約百五十戸、その他建設中のもの六十数戸に及び、小学校も建てられ、先ほど申し上げましたようにただいまでは町制をしいているような実情でございます。従いましてこの地区において、郵便局設置医療施設並びに付近居住者の心から願つているところであります。何とぞこれらの事情を勘案くださいまして、急速に設置できますよう、ここに請願をしている次第でございますから、よろしくおとりはからいのほどをお願いするものであります。
  6. 田中織之進

    田中委員長 本件に対する政府所見を求めます。飯塚郵政政務次官
  7. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 ただいまの請願の御趣旨ごもつともでございます。また現地の地況等より考えましても、その緊急性が認められておりまするし、さらに無集配特定局設置するその設置標準にも達しておりますので、御趣旨に従いまして、なるべく早い機会実現したいと考えております。
  8. 田中織之進

    田中委員長 ただいまの政府所見山花さんより御意見、御質問はありませんか。
  9. 山花秀雄

    山花委員 ただいま政府当局の方から、設置の理由を十分了承されまして、なるべく早い機会実現をしたいというような所見が述べられましたので、ひとつその所見通りなるべく早急に実現できますように努力をしていただきたいということを重ねてお願いをいたしておきまして、私のこの説明を終りたいと思います。     ―――――――――――――
  10. 田中織之進

    田中委員長 次に日程四六、藤枝郵便局普通局昇格請願田中織之進紹介、第二四八七号を議題といたします。  藤枝町は最近関係町村を合併して藤枝市ができましたので、請願趣旨は若干内容的に現在提出しておるものとは変化を来しておるわけでありますが、現在までの藤枝町にありまする郵便局は、隣の青島町との関係青島郵便局普通局藤枝局特定局で、集配事務青島局で行つておるという関係があつたのでございますが、おもなる官公衙等の所在も藤枝町の方にありました関係から、藤枝局集配事務を開始する普通局昇格してもらいたいというのが、この請願趣旨でございます。その後藤枝市が実現いたしておりますので、集配事務の点について若干事情変化は来しておりますけれども、かりに現在の青島局集配事務をそのままといたしましても、局名変更その他集配回数等の問題で、当然この請願趣旨を取入れた御処置を願いたいということに相なると思いまするので、この点を勘案した形において御処置を願いたいというのが、この請願趣旨であります。
  11. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 ただいまの請願の御趣旨もわかりますし、なおこれは町村合併等によつて、この請願をお出しになつた当時と現在とはあるいは事情も少しかわつておるやに伺つておりまするが、本請願藤枝局、現在の藤枝シラコ局でございまするが、それに集配事務を開始してといつた御意見のようでございます。しかし現在の藤枝シラコ局郵便物集配事務を開始するということは、郵便物集配上かえつて不利となるのではないかと考えられる点もございます。また定員増員を要する関係から、実施困難に考えられるのであります。また同局を普通局に改訂することも、実は普通局特定局との差異が、局長任用関係を除いては実質的にはさしたる差異も認められない現状にかんがみまして、今日のところでは、ただいまの請願の御趣旨のような必要はないという考えでおりまするが、なお御質問等がございますれば担当官も出ておりまするから、その点は御質問等をいただきましたならばお答え申し上げたいと存じます。
  12. 田中織之進

    田中委員長 請願説明のときにも申し上げましたように、その後すでに藤枝市が発足をいたしておりまするので、請願趣旨も若干の変化を来しておると思うのでありますが、藤枝市の発足によりまして現在集配事務をやつておる青島郵便局名称等変更が近く行われる見込みでありますか、それとも藤枝町と青島町とを合併した新しい藤枝市の実現伴つて、特に旧藤枝方面への集配回数等変化を来すような事態に現在向いつつあるのかどうか、この点について御説明を願えれば伺いたいと思います。
  13. 渡辺秀一

    渡辺説明員 局名につきましては四月一日付で旧青島局藤枝局に改称いたしました。なお藤枝シラコ局付近集配度数につきましては現在のところは従来と同じであります。なお今後のこの方面の模様によりましてはあるいは変更の必要があるかもしれませんが、現在の段階におきましては、さしあたり現状通りという考えでおります。なおかりに藤枝シラコ局集配事務を開始いたしたといたしますと、かえつて郵便局受渡し関係上、若干郵便物が遅れるのじやないかというふうに考えられるのであります。これは御承知かもしれませんが、一応藤枝局郵便局の鉄道との受渡しをいたしまして、藤枝局でそれをすべて処理して配達あるいは取集めをいたしておりますが、もし藤枝シラコ局集配事務を開始いたしますと、藤枝局を中継ぎにしまして別の伝送便といいますか、そういうふうな便でシラコ局まで持つて来て、ここでまたあらためて局内の手続をして引継ぎあるいは配達をするということになりますので、若干郵便局配達が遅れるというたような状況にもなります。それからあわせて両局にわけて普通局にいたしますと、いろい6の共通的な人員が余分にいることにもなりまして、かたがた郵便物取扱いも若干遅れますし、また要員も現在よりは余分にいるというような事情で、これに集配事務を開始するということは困難な事情であります。     ―――――――――――――
  14. 田中織之進

    田中委員長 次に日程四七、岩田郵便局集配事務開始に関する請願でご己いますが、これは日程五とまつたく同一趣旨で、前会の日程五のときにその趣旨説明が行われておりますので、これは説明を省略いたします。     ―――――――――――――
  15. 田中織之進

    田中委員長 次に日程第五〇、平井地区特定郵便局設置請願小枝一雄紹介、第二六二七号について説明を求めます。
  16. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、岡山市平井地区同市操陽地区とともに古くから操南地区と呼ばれ、小学校二校、中学校一校を持つ田園都市で、その面積は約二箇村隣接に相当するが、金融機関としては操業地区農業協同組合が存在するのみで、門田、網浜地域とは丘陵地帯で相隔てているため、地元民は常に多大なる不利不便を感じている。ついては、平井地区特定郵便局設置されたいというのであります。
  17. 田中織之進

    田中委員長 本請願に対する政府所見を求めます。
  18. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 ただいまの申請の地に無集配特定局設置することは、施設標準には大体達しておりますけれども、現下定員事情等にかんがみまして、その早急実現は困難と思われます。但し郵便事務を取扱う窓口機関利用上の御不便があると思われますので、簡易郵便局でありまするならば考慮したいと存じております。
  19. 田中織之進

    田中委員長 次に日程第五一、安室に無集配郵便局設置請願有田喜一紹介、第二六九二号、これは日程第七八と同一趣旨請願でありますので、一括して説明を求めます。
  20. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、姫路安室地区は御立、田寺、辻井の三部落五百六十三戸を有するも、いまだ無集配郵便局すら設置されていないが、姫路本局までは二マイル以上の距離があり、かつ隣村曽左村は現在飾西郵便局で管轄されている関係上、安室地区住民郵便物等利用にきわめて不便を感じている。ついては、安室地区に無集配郵便局設置されたいというのであります。
  21. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 ただいまの請願設置予定地姫路大学田寺とするときは、設置標準には達することとなりますけれども、先ほどと同じように現下定員事情等にかんがみまして、早急の実現は困難と思われるのでありますけれども、窓口機関利用上の御不便もあると思われますので、簡易郵便局ならば設置を考慮しておる次第でございます。     ―――――――――――――
  22. 田中織之進

    田中委員長 次に日程第五五、折原村に無集配郵便局設置請願荒舩溝十郎紹介、第二八九二号、日程第五八、折原村に無集配郵便局設置請願松崎朝治紹介、第三二〇九号、これは同一趣旨請願でありますから、一括して御説明を求めます。
  23. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、埼玉県大里郡折原村は山間僻地に位する関係上、村内の交通はきわめて不便で、しかも村内に郵便局がないため、八キロ離れた郵便局利用する状態で、村民の不利不便は著しいものがある。ついては、折原村に無集配郵便局設置されたいというのであります。
  24. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 ただいまの御請願設置予定地折原大字立原とするときは、設置標準にはほぼ達するのでございますけれども、現下定員事情等にかんがみまして、これまた早急実現は困難と思われまするが、窓口機関利用土の御不便もあると思われますので、簡易郵便局設置ならば将来考慮することといたしたいと存じます。     ―――――――――――――
  25. 田中織之進

    田中委員長 次に日程第五六、中之町に無集配特定郵便局設置請願岡本忠雄紹介、第三一一五号について説明を求めます。
  26. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、広島県三原中之町は本市の住宅地としての計画も進み、戸数が激増しつつあり、さらに三原工業高校を有するとともに、市内十数町歩の塩田活用具体化に伴い、中之町廃川跡の住宅地化計画等飛躍的発展を予想されるので、同町に通信金融機関を兼ねる郵便局の新設は、住民の福祉はもとより三原市の発展上緊要な条件であると考える。ついては、三原中之町に無集配特定郵便局設置されたいというのであります。
  27. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 ただいまの請願の地に無集配特定局設置することは、その設置標準にはほぼ達しておりますけれども、ただいまの定員事情等にかんがみまして、早急の実現は困難と考えております。     ―――――――――――――
  28. 田中織之進

    田中委員長 日程第五七、茅野郵便局舎買上げに関する請願原茂紹介、第三六号について説明を求めます。
  29. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、長野県諏訪郡茅野郵便局は茅野電話局と同一借入局舎で狭隘不便の実情にあつたため、昭和二十八年十一月村費七百五十万円を投じ、一年以内に郵政局が買い上げることを条件として新築したが、同年の未曽有の凶作によつて、村財政はまつたく急迫している窮状にある。ついては昭和二十九年度において茅野郵便局舎を買い上げられたいというのであります。
  30. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 ただいまの御請願の茅野郵便局新局舎は、買収の申出をしない旨の条件を付して借入れをしたものでございまして、現在の予算事情にかんがみまして、早急に買収することは困難と思われますが、なお将来計画上の参考とすることといたしたいと存じます。     ―――――――――――――
  31. 田中織之進

    田中委員長 次に日程第六一、林の上に特定集配郵便局設置請願関内正一紹介、第三三三三号について説明を求めます。
  32. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、福島県石城郡小名浜町は人口三万一千人を有する商港都市であり、かつ工業都市として現在日本水素工業を初め製塩工場等があり、さらに大化学工業が建設中で、本町の発展は目ざましく、人口は増加の一途をたどつており、郵便局利用度もますます増加しているにもかかわらず、現在郵便局は市内一局、市外二局のみでその不便著しい。ついては、小名浜町林の上に特定集配郵便局を昭和二十九年度中に設置されたいというのであります。
  33. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 福島県石城郡小名浜町林の上に無集配特定局設置することは、実は利用予定人口も少く、設置標準に達しておりません。特に現下定員事情にかんがみまして、早急の実現は困難だと思います。     ―――――――――――――
  34. 田中織之進

    田中委員長 日程第六二、地方郵政局監察部設置請願本名武紹介、第三三三四号について説明を求めます。
  35. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、今次の行政改革の一環として、郵政省においては本省の監察局を廃し、あわせて地方郵政監察局も廃止し、地方には郵政省直轄の監察制度を設ける由であるが、現行の監察機構を郵政省直轄とすることは行政の簡素化とはならず、しかも地方郵政監察は本省直轄でなければ、司法警察権の行使に不都合を生ずることはまつたくなく、これが実施によつて事業部門の郵政局との折合いが悪くなり、従つて事業に対する改善意見も十分受入れられなくなる等の多くの弊害のみが生ずる結果となる。ついては、地方郵政局に監察部を設置されたいというのであります。
  36. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 ただいまの請願の御趣旨は、あるいは今の行政機構改革に対するお考えが少し違つておるのじやないかと私は考えるのでありますが、現在のところ地方郵政局に監察部を置くという考えは、当局としてはいたしておりません。現在の郵政監察局をそのまま存置しておる次第であります。     ―――――――――――――
  37. 田中織之進

    田中委員長 次に日程六七、静岡県下郵政業務東京郵政局所管に復帰の請願塩原時三郎紹介、第三六四二一万について説明を求めます。
  38. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、静岡県下の逓信行政は昭和十八年に東京逓信局より名古屋逓信局に移管され今日に至つているが、元来静岡県は人文上、経済上及び交通上において関東ブロックに属することが本然の姿であり、郵政の業務もまた東京を中心に密偵な関係にある。ついては、静岡県下り郵政業務を東京郵政局所管に復帰されたいというのであります。
  39. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 この趣旨請願陳情は、当局に対しても直接たびたびあるのでございますけれども、静岡県下の郵政業務を東京郵政局所管に復帰することはさしむき困難でございます。しかしこれはなお研究いたしたいと考えております。     ―――――――――――――
  40. 田中織之進

    田中委員長 次に日程第七二、犬川簡易郵便局を無集配特定郵便局昇格請願でございますが、これは日程第一九と同一趣旨で、前会のときにその趣旨説明が行われておりますので、これは省略いたします。     ―――――――――――――
  41. 田中織之進

    田中委員長 日程七三、北町に特定郵便局設置請願高木松吉紹介、第三九七三号について説明を求めます。
  42. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、福島県相馬郡中村町の地形は著しく東西に細長く、その西部は官公署を初め学校、会社等が存在し町全体の中心をなしているが、該地区には郵便局がなく、かつ近隣の郵便局はいずれも四キロないし八キロの遠距離にあるため、関係住民は多大の不利不便をこうむつている。ついては、北町西部地区特定郵便局設置されたいというのであります。
  43. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 ただいまの請願の予定地を相馬市大手先――これは旧中村町大手先でございますが、相馬市大手先とするときは、利用人口も少く、設置標準に達しておらないのでございます。ことに現下定員事情等にかんがみまして、その実現は困難だと考えられます。
  44. 田中織之進

    田中委員長 次に日程七六、別所村に郵便局設置請願小林絹治紹介、第四五八四号について説明を求めます。
  45. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、兵庫県印南郡別所村は現在御着郵便局の管轄区域となつているが、本村より当郵便局までの距離は三キロ半もあり、村民はバス、自転車あるいは徒歩で半日を費し、貯金、為替、電信、電話の用を足しているため、商取引を初め日常生活に多大な不利不便をこうむつている。ついては、別所村に郵便局設置されたいというのであります。
  46. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 別所村には昭和二十六年三月、別所村の大字別所印南に別所簡易郵便局設置済みでございますので、本請願は同簡易郵便局を無集配特定局にされたいとの御趣旨考えられます。印南別所簡易郵便局を無集配特定局にすることは、そのもよりの局にも近いため、設置標準には達しておらないのでございます。また外局における取扱量も少いので、現下定員事情等にかんがみまして早急の実現は困難と考えられます。
  47. 田中織之進

    田中委員長 次に日程七七、合併市町村内の郵便局及び電報電話局統合に関する請願小枝一雄紹介、第四六〇七号について説明を求めます。
  48. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、市町村合併の進展に伴い、郵便局及び電報電話局の管轄を異にする市町村の合併を余儀なくされているものが多数生じつつあるが、合併により同一行政区画となつ通信需要が激増しながらも、管轄局を異にするために、かえつて郵便物集配の遅延、電報電話連絡の不便が増大し、合併の趣旨に背反する事態を招来しつつある現状である。ついては、合併市町村内の管轄を異にする郵便局及び電報電話局の整理統合を促進されたいというのであります。
  49. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 町村合併に伴う同一行政区を分割して、二つ以上の郵便局郵便物集配を受持つようになつた場合は、作業等の関係を考慮し、統合する必要のあるものにつきましては、予算定員及び業務上可能なものについて、でき得る限り一行政区を分割しないような郵便物集配受持区域を調整する方針でございます。また電報電話局につきましては関係地域相互間の通話数、距離、経済的諸条件、合併による収支の比較等を勘案いたしまして計画上の基準を定めておりますが、現在基準に該当しておりながら、拡張資金が十分でないために合併を実施できない市が多数ありまして、毎年その緊急度に応じてその一部を実施しておる状況でございます。これらの局との振合いを勘案いたしまして、でき得る限り実施して行きたいと考えておる次第でございます。     ―――――――――――――
  50. 田中織之進

    田中委員長 次に日程七九、西有家郵便局集配局昇格請願、田口長治郎紹介、第四六二五号について説明を求めます。
  51. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、長崎県南高来郡西有家町は県下において首位を争う大町にして、人口一万五千を有し、物産豊富な本郡の中心地として商業は盛んで、金融取引も活況を呈し、年間の郵便物三十万通、電信二万通を数えているが、本町の郵便局は無集配局で、これら郵便電信は隣接有家町を中継して送信されるため、その下利不便はまことに大である。ついては西有家郵便局集配局昇格されたいというのであります。
  52. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 西有家局に集配事務を開始いたしましても、郵便物の速達上の効果は期待し得ないばかりでなく、定員増員を要するので、さしむき実施は困難であると存じます。     ―――――――――――――
  53. 田中織之進

    田中委員長 次に先ほどあとまわしにいたしました日程四四、十日市駅前郵便局設置請願船越弘紹介、第二一四六号について説明を求めます。
  54. 山戸利生

    山戸専門員 本請願要旨は、広島県双三郡十日市町の国鉄備後十日市駅は、芸備線中の最大駅であるとともに福塩線の始発駅であり、一日平均乗降人員は約七千五百名を数え、また駅前始発の国鉄バスの出雲今市、広島、石見大田の各線も約四千名に達する県下有数の交通上の要地で、なお同駅前には専売公社三次出張所、日本通運三次支店、双三地区警察署その他会社、旅館、商店等が密集し、ますます発展しつつあり、加うるに同地は観光地として年間約十万名の観光客があり、いずれも十日市駅及び駅前に発着するバスを利用している。ついては、十日市駅別に郵便局設置されたいというのであります。
  55. 飯塚定輔

    飯塚政府委員 ただいまの請願の申請の地に無集配特定局設置することは、利用予定人口一も少く、設置標準に達しておらないのでございます。ことに定員事情等にかんがみて、急にその実現は困難だと考えております。
  56. 田中織之進

    田中委員長 以上で請願日程に上つたものの審査は一応終つたわけでありますが、これが採否の問題については次の委員会で御決定を願いたいと思います。     ―――――――――――――
  57. 田中織之進

    田中委員長 次に日程にあります陳情書取扱いの件でございますが、陳情書は、御案内の通り郵便切手類等売さばき手数料引上げに関する陳情並びに簡易保険の保険金最高制限額引上けの陳情が多数でございます。本件については請願審査の場合にも触れておる点でございますし、なお両件につきましては、それぞれ今会期中に関係法律案が成立をいたしておるような事情かありますので、そのような陳情の趣日は相当程度いれられておることになりますが、そういう陳情書のあつたここを御了承願いたいと思います。なお行政改革に伴う特定郵便局職員減員反対陳情書あるいは特定郵便回廃止反対に関する陳情書も数件出ております。この点については日程には掲載しておりませんが、委員長の手元へ福岡県の上山田郵便局から同一趣旨陳情書が出ております。これは四月一日に郵便局組織規程の一部を改正して、この上山田は四月一日から市制施行になつたのでありますが、課制の廃止が行われたということで、新しい市としての発展の過程にあるこの種の局における分課の廃止は、業務の遂行上非常にさしつかえるという趣旨陳情でございます。これらの点について郵務局の方から、具体的には上山田局の場合の分課の廃止の問題等の事情でありますが、どういうようないきさつであつたか、御説明を願えれば伺いたいと思います。
  58. 渡辺秀一

    渡辺説明員 上山田の局の分課を廃止した、これは上山田局だけの問題ではありませんで、実は今回定員配置上の単独服務と総合服務についての新しい基準を設けたのであります。それでその基準に該当する、つまり単独服務になる基準に該当する局のうちで、郵便、貯金、保険、それぞれの事業につきまして、定員の十二人以上あります場合には分課を設置する、それだけの事務量がない場合には分課を設置しない。この標準は前からあつたのでありますが、方針としてきまりまして、結局従来分課がありましたのは普通局だけであつたのでありますが、普通局特定局を通じましてある一定の事務量以上の局については単独服務にして、その単独服務の局の中で今言いました郵便、貯金、保険について、それぞれ人員が十二人以上必要とする事務量のある局について分課を置くということになりました関係上、上山田局についてはその標準に達しませんので分課がなくなつたという状況で、ございます。
  59. 田中織之進

    田中委員長 この点について委員長の手元に来ておる陳情書では、業務取扱い件数等の関係で、普通局と大差ない点を申し出て来られておるのでありますが、なおこれらの点については画一的な取扱いではなくて、実情を十分しんしやくした上で取扱いに慎重を期していただきたいと思います。  なお陳情書の中には、学術、文化団体刊行物郵便料金に関する陳情、それから関東州における郵便貯金の払戻しに関する陳情がありますが、これは別途本委員会で目下審議中の軍事郵便貯金等特別処理法案と関連して御審議を願つておるわけであります。  さらに伊豆地方郵便局東京郵政局管内復元に関する陳情書がございます。これは先ほど請願にありましたと同趣旨のものでございます。  これらの陳情書がそれぞれ出ておりますが、本委員会の国政調査の過程において、これらの陳情同一趣旨の事項がそれぞれ取上げられておりますので、その点をあわせて今後の委員会の審査の際、特に各委員の方々において御留意を願いたいということで、陳情書の処理を終りたいと思います。
  60. 田中織之進

    田中委員長 次に郵便行政に関する件について調査を進めたいと思います。  まず郵便貯金に関して調査を進めますが、去る四月二十八日、郵便貯金の周知奨励の方法に関して、大蔵省より郵政省に対して文書をもつて意見を申し入れてあつた由仄聞をいたしておるのでありますが、その概略を政府当局より説明を願いたいと存じます。小野貯金局長
  61. 小野吉郎

    ○小野政府委員 大蔵省からの申入れにつきましては、いろいろ新聞等におきまして少し大げさに取扱われているように思うのでありますが、内容といたしましては概略申し上げますと、まず最近の郵便貯金が非常に増加いたしておりますことにつきまして感謝の意を述べ、続いて郵便貯金といたしまして郵便貯金以外の各種の金融機関の活動とも関連いたしまして、多少行き過ぎのある点につきまして、何とか是正方を依頼するというような形のものであります。  行き過ぎの点としてあげられております点は、郵便貯金関係につきましてつくりました宣伝広告文等におきまして、いろいろ他の金融機関に無を受けるような表現のものがあるので、そういつた面はかげんをしていただけないかというような種類のものであります。まず第一には郵便貯金の安全でありますことを強調することはいいのでありますが、それを強調するあまり、民間の金融機関の信用度がきわめて怪しいものだというような誤解を招くように見られる宣伝文言を、かげんをしてもらえないかということであります。第二点といたしましては、郵便貯金の有利でありますことを説明いたしますために、郵便貯金の利率と民間の金融機関の利率の比較を行います際に、きわめて有利な部分のみを取上げてこれを強調いたし、あるいは適当でない比較表を示すようなもの、これは郵便貯金の利子と銀行預金の利子の関係には、計算方法がいろいろ異なつておるのでありますが、そういつた点を無視した比較、また積立ての一定の期間を示さないで、特に有利な利回りのみを掲げるような点は、きわめて民間の銀行の預金吸収活動に支障を来すので、そういう点について再考を願いたい。また郵便貯金は現在無税となつておりますが、これは郵便貯金としていろいろ宣伝はいたしておりますが、この郵便貯金の無税の点は、ひとり郵便貯金のみに限らないのでありまして、銀行預金等につきましても、ある種のものにつきましては無税措置がとられております。そういつた点を郵便貯金の無税を強調するあまり、これがひとり郵便貯金のみが無税で他は無税でない。従つて有利でないのだといつたようなことを宣伝いたしたり、あるいは貯金の秘密を保持いたしますことを強調するあまり、民間銀行の預金がきわめて秘密性がないというように裏から解釈されるような表現を再考願いたい。また郵便貯金の預入限度あるいは通帳の冊数等につきまして、法律に一定の制限があるわけでありますが、この制限を無視した文言を使うこと、こういう点を再考願えないか、こういつた関係のものでございます。  こういう点につきましては、いろいろ従来発行いたしました宣伝文等につきまして、いろいろ検討いたしてみたのでありますが、そういつた誤解を受けるもとになるものといたしましては、まず第一点の郵便貯金の安全性を強調するために、国が預かるのでどこよりも安心であるといつたような表現のものがあるが、これは多少行き過ぎのきらいがあるといつたようなことをあげられておるわけでありますが、郵政省として発行したものの中で、その該当のものを拾つてみますと、国が預かるので、どこよりも確かだという表現は確かにあるわけであります。こういつた点がいかにも民間の銀行の預金が不確かであるといつたような印象を一般に与えて、銀行の預金吸収活動に非常に支障を来すというように考えられたわけであります。またあなたのお金を国がお預かりするのであるから絶対安全だ、こういつたようなちらしもつくつたことがあるのでありますが、こういつた点も国が預かりますので絶対安全、これは間違いないことでありますが、裏から行けば民営の金融機関の預金はこれよりも安全性がない、こういうように考えられるので、その辺の再考を求めておるわけであります。またほかの金融機関の預貯金との間におきまして有利な点を強調する点に該当するものといたしましては、これは一般にそういつた宣伝文を撒布いたしておらないのでありまして、部内職員の指導用として出すパンフレットでありますが、その中に各種の金融機関の利子の比較表が載つております。これはただ単に郵便貯金がどこよりも有利だ、こういうことを表現したものではないのでありまして、銀行預金の利子はこのようになつておる、信用組合の利子はこうなつておる、投資信託ではどうなる、郵便貯金ではどうだ、こういう表を一覧に出しておるわけでありまして、別段に郵便貯金が銀行よりも明らかに有利だ、こういうことを示したものではないわけでありますが、そういう点が民間の方面に与える影響といたしましては、やはり非常に痛い、こういうような点を指摘されたものであります。また秘密性の関係につきましても、郵政省といたしましてこういつた点を部外に配布したものはないのでありますが、こういつた面は各現場におきましては強調いたしておる事例はあるやに見受けられます。こういつた点がやはり民間の金融活動に非常に痛手であるというような点から、そういつた表現を多少考慮してもらえないかといつた趣旨のものでありまして、同時にこの文書には民間の郵便貯金以外の金融活動で、そういつた行き過ぎの宣伝文面を使つたものについては、大蔵省といたしてこれは善処させるということも付記しております。こういつた事例は今日郵便貯金といい銀行預金こいい、またその他の金融機関の資金吸収活動といい、終局するところ目的は一つでありまして、日本の経済の自立に役立つための共通の目的になつておるわけであります。とはいえ、それぞれそういう高い使命を持つておりますだけに、年度の活動に期待されるところは郵便貯金につきましても、銀行預金におきましても、その他の金融機関におきましても、吸収する金額の目標は非常に高いわけでありまして、そういう困難な仕事をお互いにやつておりますので、終局の目的は帰一するところ一つでありますけれども、実際の貯金の吸収面におきましてはかなり競争的な立場に立つことは、これは偽り得ない現状であります。そういつた面から従来もいろいろ末端におきましては、銀行の方面から郵便貯金のあり方について批判もいたしますし、またわれわれの従業員の方面からも銀行方面その他の宣伝文について相当神経をとがらすような事例もありまして、そういつた事例につきましては私どもの方からも、文書ではありませんが、その都度大蔵省方面郵便貯金のあまり有利でない点を非常に強調しつつ、しかもそれが事実であると痛感しておるものにつきましては再考方を、われわれの方から申し入れておるような状況であります。最近の情勢を考えますに、ここ一年、昭和二十八年度の郵便貯金の成績は、予定通り非常に伸びたと思いますが、銀行方面は、いろいろな状況に左右されまして、成績はあまり芳ばしくなかつたのであります。そういう環境の中で、他の金融機関方面から見ますと、非常にこまかく神経を使つておることは事実であります。ところが、今日日本の預貯金の総額が、大体三兆五千億から六千億と見込まれるのであります。郵便貯金の現在高は三千五百億にまだ少し足りない、ざつと三千五百億であります。銀行預金は約二兆三、四千億になつておりますので、そういつた関係から見れば、必ずしもある種のものが成績がよければそれでいいわけではなく、やはり目的を共通にいたしております関係上、どの預貯金も伸びなければ、当面の日本経済の要請する点に沿わないわけであります。そういつた面から、お互いに相協力し合わなければならない点は十分認められますので、われわれといたしましても、申入れの中で再考し得るものにつきましては再考いたし、またあまりに無用に神経をとがらし過ぎた問題で、かえつてそういうことをすることが郵便貯金の増強、ひいては国家当面の資金吸収の要請に沿い得ないようなものにつきましては、これを曲げるわけに行かない、かように考えておる次第でございます。
  62. 田中織之進

    田中委員長 ただいまの説明に対して質疑があればこれを許します。――委員長から一点だけ伺つておきますが、これは大蔵事務次官名で文書をもつて申し入れたというのですが、それは事実ですか。それとも、この種の貯金の問題について大蔵省から文書による申入れ等が、過去において行われたことがあるのかどうか、この点だけちよつと明らかにしていただきたいと思います。
  63. 小野吉郎

    ○小野政府委員 大蔵次官から郵政次官あての文書の形になつております。従来といえども、郵便貯金の宣伝のあり方で他の一般の金融機関の活動に多少再考願いたい、こういう申入れは、文書の形ではありませんが、あつているわけであります。またわれわれの方からいたしましても、これは末端ではいろいろ外勤員は神経をとがらす問題でありまして、郵便貯金の利子が、現在の法律で定められた利子よりも低いような形で流されたことも幾多あります。そういつた面、あるいはいかにも郵便貯金は不利である、たとえば百円か二百円のものならば郵便局へ持つて行きなさい。金が千円集まれば銀行へ、こういつた宣伝も民間関係にはあるのでありますが、そういう面につきましては、われわれといたしましても、その都度一般の金融活動についてそういつた配慮、善処をしてもらうように連絡申入れはしている次第でございます。
  64. 田中織之進

    田中委員長 その点については、大蔵省の銀行局長も来てもらつて後の質疑でないと意味がないと思います。その意味で明日は、昨日質疑を終了した軍事郵便貯金等特別処理法案の審議も終結いたしたいと思いますので、そのときに大蔵省の責任者の出席を願つて続行することにいたします。
  65. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ただいまの局長の御説明になりました数字なり事例なり、そういつたものが何か文書があるでしようから、適当に御配付願い、そうして質疑の資料にするようおはからいを願います。
  66. 田中織之進

    田中委員長 ただいま吉田委員から要請のありました文書による申入れの内容についても、これは印刷にして出していただきたい。あるいは大蔵省側から指摘している問題に関連するような郵政省側の宣伝文書等があれば、そういうようなものも出してもらいたい。本案の審議に必要だと考えられる資料は、明日までに委員会に提出願いたい。
  67. 大上司

    ○大上委員 私も資料を要求いたします。大蔵省の銀行局の総務課長が来ておられますので、大蔵省に対して資料を要求いたします。  まず銀行における預金というか、貯金というか、これに関連する、しかも全国の従業員と一人当りの貯蓄のパーセンテージを第一にお願いいたします。  第二に、現在あなたの方の所管に銀行検査部というのがある。巷間伝うるところによりますと、銀行が浮貸しをし、なおさらに定められたより以上の高金利をとつているということもわれわれ耳にするのであります。あなたの方で最も悪質と思われる検査当局の調べがあれば、その件数並びに事犯の内容を明日までにお知らせ願いたいと思います。
  68. 田中織之進

    田中委員長 大蔵省の銀行局総務課長の方で、ただいま大上委員から要求の資料は明日までに間に合いましようか。
  69. 大月高

    ○大月説明員 手元にある材料でつくつてみます。
  70. 田中織之進

    田中委員長 それではそのように願います。
  71. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私からも資料を要求しておきます。銀行が抽籤によつて何か預金を吸収するような方法を、電車とか、そういつたものに盛んに広告しているのを、われわれは旅行して見受けるのであります。そういう広告文の事例をできるだけ代表的なものを集めていただきたい。それから今文書で郵政省に申入れがあつたような問題について、相互銀行も含んで、銀行側においてそういう事例の有無、そういう事例があれば、ひとつそういうものをおまとめ願いたいと思います。明日のことですから、可能の範囲でけつこうです。これをお出しになつた以上は、そういうものも前もつて手元に集まつているのじやないかと思いますので、委員長においておはからいを願います。
  72. 大月高

    ○大月説明員 前半の点は承知いたしておりますので、その例を持つて参ります。あとの点につきましては、どういう資料がありますか、検査部あたりに連絡してみて、もしございましたら、提出いたすことにいたします。
  73. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それはあると思います。郵政省に対してそういう文書申入れをするというくらいの重大な行為に出ておるのでございますから、一般銀行において、今郵政省に文書で申し入れたような内容類似の趣旨のものが行われておることはあると思うので、そういつたものは必ず検査していると思います。それをぜひまとめて出していただきたい。
  74. 田中織之進

    田中委員長 明日の委員会でございますから、資料の整備等の準備の時間もたくさんございませんですけれども、できるだけそろえていただきたいと思います。なおそういう点については、質疑に対する答弁の形においても、ひとつ御用意を願いたいと思います。
  75. 大月高

    ○大月説明員 承知いたしました。
  76. 三池信

    ○三池委員 貯金局長にちよつとお伺いしたいのですが、ただいまこの問題についていろいろ大蔵省と郵政省の今日までのいきさつなど概略承つて来たわけですが、今度の大蔵省の方からの次官名での郵政省に対する文書をもつての申入れに対して、郵政省としては何か回答を出したか、もし回答を出しているとすれば、その内容をちよつと承りたいと思います。
  77. 小野吉郎

    ○小野政府委員 まだ何ら出しておりません。ただ先ほど申しましたような書のものでありますので、われわれとしてこれを受入れるべきものは受入れ、また受入れることのできないものにつきましては、さような回答はいたすつもりでおります。要は銀行預金といい、郵便貯金といい、ともに伸びなければならぬ共通の目的を持つておりますので、ただそこにお互いに非常に大きな目標を持つて活動をいたしておりますので、その司多少の調整がなければならない面も多分にあるやに思われます。そういう面につきまして、申入れの趣旨を受入れ得るものは受入れ、またそうでないものにつきましては、またそれが民間の金融機関の業務伸張にさほど障害にならないものにつきましては、やはり郵便貯金の資金吸収の使命の上からも、そういつた宣伝は必要であろうと思われますので、そういうような区わけをいたしまして処理をいたしたいと思つております。
  78. 田中織之進

    田中委員長 それでは本日はこの程度にいたしまして、明日は午前十時半より委員会を開きます。  なお先ほど申し上げましたように、軍事郵便貯金等特別処理法案を明日採決いたしたいと思いますので、各党の態度をおきめ願います。  なお本日審査いたしました請願の採否についても、明日御決定を願いたいと思いますので、お含みの上お願いをいたします。本日はこれにて散会いたします。   午後零時三十五分散会