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1953-11-02 第17回国会 衆議院 建設委員会 第3号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十八年十一月二日(月曜日) 午前九時四十五分
開議
出席委員
委員長
久野
忠治君
理事
内海
安吉君
理事
瀬戸山三男
君
理事
安平 鹿一君
理事
高木 松吉君 高田 弥市君
仲川房次郎
君 堀川 恭平君 松崎 朝治君
赤澤
正道君
村瀬
宣親
君 志村 茂治君 三鍋 義三君 山田
長司
君
中井徳次郎
君
細野三千雄
君
世耕
弘一君
只野直三郎
君
出席政府委員
大蔵事務官
(
主計局長
)
森永貞一郎
君
大蔵事務官
(
主計局次長
) 原 純夫君
建設政務次官
南 好雄君
委員外
の
出席者
建設事務官
(
大臣官房長
) 石破 二朗君
建設事務官
(
河川局次長
) 伊藤 大三君
建設事務官
(
住宅局長
)
師岡健四郎
君 専 門 員 田中 義一君 ――――――――――――― 本日の
会議
に付した事件
災害復旧
に関する件 ―――――――――――――
久野忠治
1
○
久野委員長
これより
会議
を開きます。
災害復旧
に関し前会に引続き
調査
を進めます。質疑の申出があります。これを許します。
村瀬宣親
君。
村瀬宣親
2
○
村瀬委員
大蔵大臣
がお
見え
になるまで、
資料
的な問題について
お尋ね
をいたしておきます。前二回の
委員会
でたびたび問題になり、また本
会議
でも問題にな
つたの
でありますが、
主計局長
は当
委員会
へは初めてお
見え
であるようでありますから、なるべく重複は避けますけれ
ども
、基本的な
数字
だけはもう一度
お尋ね
をいたしておきたいと思います。 今回の
補正予算提出
の
基礎
となりました
災害
に対する
国庫負担総額
を千五百六十五億円と御発表にな
つたの
でありますが、この千五百六十五億円は、
建設省関係
、
農林省関係
、
運輸省関係
にわけて
幾ら
になりますか。
森永貞一郎
3
○
森永政府委員
千五百六十五億円の
各省所管別内訳
でございますが、
建設省関係
が九百九十七億、
運輸省関係
が二十四億、
農林省関係
が五百四十四億、概数で申し上げまして大体そういう
内訳
に
なつ
ております。
村瀬宣親
4
○
村瀬委員
この
数字
は十月五日現在の
報告
を
基礎
としたと
大蔵大臣
は
お答え
に
なつ
ておるのでありますが、われわれといたしましては、この
数字
につきましては、はなはだ承服できかねる要素が多分にあるのであります。
建設省
から出ております
資料
を見ましても、すでにほとんど確定しておるものを集計いたしましても千八十六億円に
なつ
ております。これは
排土
の百四十四億円の
報告額
に対する
査定
並びに
国庫負担額
は全然加えておらない
数字
であります。
従つて
九百九十七億円が
建設省関係
の
国庫負担分
であるという御決定は、これは当然
ただ
ちに増額されるべきものと
考え
ますが、
大蔵省
はどのようにお
考え
になりますか。
森永貞一郎
5
○
森永政府委員
大蔵省
の
査定見込額
は、
予算
の
編成
の手続から
考え
まして、ある
一定
の
期日
をもつて締切りをいたさなければ、その後の
作業
が円滑に進まないわけでございます。そういう
関係
から、
数字
を締め切りましたのが十月五日ということに
なつ
ておりまして、その後において
建設省関係
の
被害報告額
がふえて参りました。それがこの
相違
の
一つ
の
理由
でございます。もう
一つ
の
理由
は、私
ども
は過去三箇年間の
工事
の
種類別
の
査定率
でもつて
査定見込額
を
出し
ております。たとえばそれが
公共土木
につきましては七五%ぐらいの
査定率
に
なつ
ておりますが、
建設省
で
ただ
いまお持ちに
なつ
ております
査定見込額
は、七五%に相当するものが八五%であるとい
つた
ような
見込み
の違い、その二点が
両方
の
数字
の違いを生じておる
理由
でございます。これはある
一定
の
期日
を
基礎
にいたしまして
予算編成
の
作業
を進めます場合に、
基礎
に
なつ
た
数字
に、その後
報告
がふえたり減
つた
りするというようなことで
異動
を生じますことは、ある
程度
やむを得ないことでございまして、どうしてもそういう事態が起るかと思います。 もう
一つ
の方の
査定率
の問題、これは
ただ
いまは大体確定という
お話
でございましたが、一部につきましては
実地調査
を終りに
なつ
た
部分
ももちろんあると存じますが、しかし十三
号台風等
につきましては、まだこれからの問題でございますし、西日本の
台風等
につきましても、その大
部分
のものにつきましては、
査定
が今後行われるというのが実情であろうかと存ずるのでありまして、七十五と見るか、八十五と見るか、これはいろいろな見方がございますが、要は今後の
実地査定
によりましておのずから
数字
が定
まつ
て来るわけでございます。私
ども予算
の
査定
におきましては、先ほど来申し上げておりますように、ある
一定
の
期日
を
基礎
とし、また過去の
平均
の
査定率
によらざるを得なか
つたの
でございます。これに対しましては、
予算
を実行せらるる上におきまして、
報告額
の
増減
に
伴つて数字
の
増減
があり、また
実地査定
が進むに
従つて
、あるいは七十五と言い、八十五と言い、見解の
相違
がございますが、これはおのずからある
実地調査
の結果の
数字
にまと
まつ
て行くというわけでございまして、それは
予算
の運用上の面における問題として処理して行かるべきものだと
考え
る次第でございます。
村瀬宣親
6
○
村瀬委員
一応ごもつともな
お答え
とも存じますが、しかし少くともこの九百九十七億円では、
建設関係
の
国庫負担
の
総額
は終らないということだけは、十分お認めを願つておきたいのであります。 そこで七八%が正しいか、七五%が実際の
数字
かということは、これは
査定
をしてみて、
最後
の権限は
建設大臣
にあるのでありますから、
建設省
で、日がたつとともにきまるわけでありますが、七八%とか七五%とかおつしやるその中には、
水害地緊急対策
諸
法律
の
適用地域指定
をどの
程度
にお
考え
になりましたか。過去三年間の
基準
によ
つた
とおつしやいますが、過去三年間の
基準
の中には、今度の二十四の
特別法
はなか
つた
わけであります。でありますから、過去三年間が七五%の
平均
が出ているならば、七六%か七七%かにならなければ、この
水害地緊急対策
諸
法律
の
適用
はないということになるのでありますが、これをどのくらいにごらんになりましたか。
森永貞一郎
7
○
森永政府委員
私
ども
の方では、この千五百六十五億の
国費所要額
のうち、
特別措置法
による
負担
の
増加額
を二百五十七億くらい見ております。その
基礎
といたしましては、
公共事業関係
につきましては、大体八五%ぐらいの
金額
に対して
高率補助
の
適用
があるという推定をいたしまして、それに対しまして
高率補助
を
適用
するわけでありますが、全体の
補助率
は、
適用
のないところも
考え
まして、大体
平均
して九割近くを見ているつもりでございます。
地域
としましては、あるいは八五%よりもう少し広く
なつ
たり狭く
なつ
たりするかもしれませんが、
被害全額
として
高率補助適用
の
対象
となるものは八割五分くらいと
考え
ております。
村瀬宣親
8
○
村瀬委員
ちよつとさつきの御
答弁
との
関連
がつじつまが合うでありましようか。千五百六十五億円と
査定
をしたのは、もともと千八百億円と言つておられたのでありますが、それが千五百六十五億円にどうして減
つた
かということは、ここでは
お尋ね
いたしません。
ただ
いまの御
答弁
では、千五百六十五億円にな
つたの
は、過去三年間の
公共土木
について
平均
を
出し
てそれが七五%であ
つた
。
建設省
では七八%と言つているから、少し
金額
がふえるかもしれないが、
大蔵省
は七五%という過去三年間の
比率
をと
つたの
だ、こういう御
答弁
である。ところがその次の御
答弁
では、
公共事業費
の八五%の
金額
に対しては
高率補助
を
適用
した。
高率補助
というものは過去にはなか
つた
わけである。でありますから、過去三年間の
平均
の七五%によ
つた
という
お答え
と、八五%の
金額
には
高率補助
をしたという
お答え
とは、どういう
関連
がありますか。
森永貞一郎
9
○
森永政府委員
それらの点につきまして、まだ
説明
が十分でないかと存じますので、多少時間を拝借しまして、
ただ
いま
質問
から除くとおつしやいました千八百億と千五百六十五億との
関係
につきましても一言申し上げておきたいと存じます。 先日の十月
上句
の
水害対策委員会
におきまして、千八百億ぐらいになるであろうということを申し上げましたのは、これは
公共事業関係
だけではないのでございまして、そのほかに交教、
厚生関係
の
被害復旧
であるとか、諸般の
対策
であるとか、あるいは凍
霜害
以来の
施設
の
復旧
以外に、いろいろ
災害対策事業費
を
出し
ておりますが、それらのものもすべて含めました
災害対策費
が千八百億ぐらいになるだろうということを申し上げてお
つた
わけでございます。今回千五百六十五億と申しておりますのは、
公共事業
――
食糧増産
も含んでおりますが、広い意味の
公共事業関係
だけでございまして、その
国費負担見込額
が千五百六十五億になるであろうという
見込み
を立てているわけでございます。
前回
の千八百億のうち、
公共事業関係
の
国費負担見込額
は千六百四十九億でございますから、それとの差が約八十億余りございます。その差はどうして生じて来たかということを申し上げれば御了解願えると思います。 まず
被害報告額
は、
前回
の千八百億の
公共事業関係
の
基礎
になりました二千六百十九億でありまして、 〔
委員長退席
、
内海委員長代理着席
〕 それをそのまま採用いたしております。二千六百二十億、そのわけと申しますのは、この前の
報告
では、当時今後
発生見込額
というようなものに
あら見当
を入れました。その後
報告
が出て参りまして、大体二千六百二十億くらいにまとま
つた
わけでございます。ここにはあまり
異動
はざざいません。それに対しまして、
前回
は
査定見込額
を千八百四十八億と
考え
ておりましたが、今回は
業種別
に過去三箇年間の
平均査定率
を用いました結果、千七百七十五億が
査定見込額
だというふうに見込まれるのであります。
前回
の
報告
は全般的に
平均査定率
を
一つ
のものとして
適用
しておりましたが、今回はその分をし
さい
に検討いたしまして、
工事種類別
に
査定率
を用いました結果、千七百七十五億円と
なつ
た次第でございます。それに対しまして、
現行法
による
国庫負担額
が
幾ら
であるかというのが、その次に問題になるわけでございますが、
前回
の
報告
では千三百六十八億でございます。それが今回は千三百七億でございます。これは
現行法
による率でございますから、
率そのもの
はかわつておりません。
査定見込額
が若干減少して来たことによる減少でございまして、率は
現行法
の率をそのまま
適用
いたしております。それに対しまして、
特別措置法
による
増加
が
幾ら
あるかということが、その次に問題になるわけでございますが、それが
前回
の
調査
では、全
地域
に
特例法
が
適用
があるという
前提
のもとに、二百八十一億円を
特別措置法
による
増加分
として
計上
いたしました。今回はその後における政令の検討も大分進みましたし、全
地域
ということにはなりませんで、若干の
地域
がはずれるということに
なつ
たわけでございますが、そのはずれ方をいろいろな
資料
で検討しました結果、大体八五%くらいのものがこの
特別措置法
の
対象
になるだろう。これは
金額
として八五%でございます。
地域
といたしましては、あるいはし
さい
に検討いたしますれば上下に開くこととなりますが、八五%くらいの
金額
に対して
特別措置法
が
適用
があるであろうということで、
現行法
による千三百七億に
特別措置法
の
負担額
二百五十七億を加えますと、千五百六十五億になるわけでございます。先ほど七割五分と申しましたのは、
土木関係
の
平均査定率
を申上げたわけでありまして、そのあと八十五と申しましたのは、全然
関係
のない
数字
でございます。すなわち今度の
国費負担
千三百七億でありますが、これに対してどの
程度
の
金額
について
高率補助
が
適用
されるかという場合の八十五%でございまして、七十五と八十五とは
違つた
場合の率であることを御了承い
ただ
きたいと思います。なお千八百億との差額につきましては、先ほどの文教、
厚生
その他の
公共事業
以外の
災害復旧費
が除かれておる点が違いであるということを申し上げたのでありますが、それらにつきましては、別途
文部省所管
、
厚生省所管
、
農林省所管等
の
補正予算
に
所要額
を
計上
いたしております。また凍
霜害
その他の
災害対策
につきましては、すでに
予備費
より
支出済み
でございますので、今回の
補正
からはこれを除外いたしました次第でございます。そういう点で食い達つておるのでございまして、決してそう大きな食い違いでないことを御了承い
ただ
きたいと思います。
村瀬宣親
10
○
村瀬委員
お尋ね
を省略した点についての詳しい
お答え
がありましたので、また明らかにせねばならぬことにな
つたの
でありますが、七五%とおつしや
つたの
は、千五百六十五億を出すときではなくて、これのさらに
基礎
と
なつ
た千七百七十五億を出すときの
数字
であ
つたの
だ、こうおつしやるのであります。そういたしますと、
特例法
がなければ
国庫負担
は千三百七億でよいのだ、こうおつしやるわけであります。しかしながら、この千三百七億などということは初めてお
出し
に
なつ
た
数字
でありまして、そうなりますと、もう私は不同に付するつもりであ
つた
千八百億と、かつて言いお
つた分
についての一応のいきさつを、簡単でようございますが
お答え
願わねばならないことになるのであります。
大蔵省
は
特例法
がない前年の三年
平均
によるということになるならば、千三百七億円でよいのである、こういう御
答弁
が
最後
にあ
つた
ように思うのでありますが、千八百億円のときには、それでは
国庫負担
は
幾ら
と
考え
ておられたか。
森永貞一郎
11
○
森永政府委員
千八百億円の場合の
現行法
による
負担額
は、千三百六十八億であります。それに
特別法
による
増加額
二百八十一億円、これは全
地域
に
特別法
の
適用
があるという
前提
での仮の計算でございますが、それを加えますと千六百四十九億円、これが
公共事業関係
の
国費負担見込額
であ
つた
わけでございます。それが
ただ
いま申し上げましたように、
査定
のときに若干違い、それから
特別法
の
適用
があつて若干違つて参りまして、千五百六十五億円に
なつ
たわけであります。
村瀬宣親
12
○
村瀬委員
何か次々と新しい
数字
が出て参りまして一層混乱いたしますので、この
質問
は打切ります。 〔
内海委員長代理退席
、
委員長着席
〕 そこで次に進みますが、
建設省
におきましては、
災害復旧費
とそれから
災害助成的経費
とにわけて、
災害額
並びに
国庫負担
の
調査
を進めておるようでありますが、
大蔵省
におきましては、いわゆる
災害復旧費
は、われわれは正しくはないと思うが、一応
大蔵省
では九百九十六億円という
数字
をお
出し
になりました。そのほかにたとえば
砂防
で二百十九億円、
都市砂防
が四億円、
道路修繕
七十六億円、
水防関係
が一億七千万円というような、合計いたしまして三百一億七千万円というような
被害報告
が出ておるのであります。これは
被害報告
でありますから、これの八割の
査定
になるか、四割の
査定
になるかはわかりませんが、ともかくもこういう
数字
が出ておる。これに対しては
大蔵省
はどういう御
説明
をなさるわけですか。
森永貞一郎
13
○
森永政府委員
ただ
いま御指摘の
数字
は、
災害報告
あるいは
復旧所要額
というよりは、むしろ
災害復旧工事
とあわせて同時に施行する
河川改修工事
とか、
土木助成
とか
河川上流
の
土砂崩壊防止
のための
砂防
とか、
道路
の
修繕
、
都市
の土砂くずれ
防止
という
予算
の
要求そのもの
の
数字
をおつしや
つたの
だと思いますが、
大蔵省
では
災害復旧事業費
のほかに、
各省関係
におきまして今おつしやいましたような
種類
のものを含めた
災害関係諸費
四十二億二千万円を組んでおります。そのうち
建設省関係
が十二億二千七百万円と
なつ
ております。
村瀬宣親
14
○
村瀬委員
そういたしますと、三百一億七千万円の
報告
に対し、十二億二千七百万円
国庫負担
すればいい、かような
査定
をなさ
つたの
でありますか。そうであるならば、これはどういう
比率
で、何を
基準
にしたのでありますか。その
報告額
とそうして三百一億と十二億との
関係
をひ
とつ
御
説明
願いたい。
原純夫
15
○
原政府委員
三百一億円と申しますのは
建設省
の方に
報告
のありました額の集計であろうと思います。それに基きまして
建設省側
から
建設省
の
意見
を加えられて
要求
がありまして、それをわれわれ
伺つて査定
を加えました結果が十二億二千七百万円ということに相
なつ
たわけであります。
村瀬宣親
16
○
村瀬委員
私はなるべく時間を節約してまじめに
質問
をしたいと思いますから、だれが聞いてもわかるような御
答弁
が願いたいのであります。三百一億を十二億にした、
建設省
の
意見
も聞いたというのでありますが、それでは
建設省
では何ぼでよろしいと言つて来て、それを何ぼに
査定
されたのでありますか。
原純夫
17
○
原政府委員
建設省
の
要求額
は百三十四億円であります。
村瀬宣親
18
○
村瀬委員
百三十何億いるという
建設省
の
要求
を、何を
基準
にして十二億になさ
つたの
でありますか。
原純夫
19
○
原政府委員
建設省
の百三十四億円の
要求
は、
河川
、海岸、
砂防
、
道路等助成
の
関係
、それから
都市
の
災害対策
、
水防資材
というようなものにわかれておりますが、それらの個々につきまして
査定
を加えまして、結果として十二億二千七百万円を
計上
しておるわけであります。
村瀬宣親
20
○
村瀬委員
そういう御
答弁
はどうですか、あなたがお聞きに
なつ
てわかりますか。それなら十二億を
ただ
の二億にしてもいいでしよう。それでは十一億になぜならぬ、十億になぜならぬ、あるいは三十億になぜならぬのですか。三十億でもなく、十億でもない、十二億にしたという
理由
を伺いたい。
森永貞一郎
21
○
森永政府委員
これは、
予算
をつくります場合に、
各省
から
要求
がございまして、それを私
ども
は一々たとえば
建設省
の
関係
でございますれば、
名川別
に御
計画
を承りまして、そして
立場
としては、私
ども
はもちろんできるだけ少い方がいいという
立場
を
とつ
ております。
建設省
の方は、できるだけ多い方がいいという
立場
を
とつ
ております。その
両方
が寄り集
まつ
ていろいろ
折衝
を重ねて行くわけでありますが、
一つ一つ
検討いたして参りました結果、たとえばある川につきましては二箇年
計画
でやつてい
ただ
くとかいうようなことも出て参りましようし、あるいはある川につきましては、こうしないでこういうふうにしたらいい、それで十分とは申しませんが、さしあたりは事足りるのじやないだろうかということで、
一つ一つ
の川その他の
施設
につきまして検討いたしまして、その結果を
建設省
に内示し、
建設省
からはそれに対して、ここは不十分だから、もう少しふやせとかいうような御
要望
があります。そういうことを二度、三度繰返しまして、結局この十二億二千七百万円におちついたわけでございまして、これは
ただ
いまの御
質問
に詳細に答えるということになりますと、その間の経過をすべて申し上げなくてはならぬということになるわけでございますが、
ただ
いまは係も参つておりませんから、そこまでは御
要望
に沿うことができないことを御了承い
ただ
きたいと思います。大体の仕組みは今私が申し上げましたようなことでできて参つておるわけであります。これは
建設省
に限らず、ほかの
各省
でも大
なり小
なり
要求
と
査定
とは食い違つておるわけでありまして、その間
折衝
しておちついたところがこれである、そういうふうに御了承願いたいと思います。
村瀬宣親
22
○
村瀬委員
大
なり小
なり
要求
と違うことは
十分承知
をしております。大
なり小
なりでない、非常に違うことは承知しておりますけれ
ども
、百三十四億が十二億というのは、これは大
なり小
なりではないと思うのであります。これは
比率
にならぬのであります。そこで私は何か
説明
がつくのでありますかと、こう言うのであります。何も
一つ一つ
の小
さい
こと、一週間もかか
つた
ことを三時間とか三分で
説明
せよというのじやないのであります。これはこういうわけで十二億二千七百万円という
数字
に
なつ
たという何か御
説明
の根拠がなくては十二億になるわけがない。
ただ
当てずつぽうにやられるのなら、十三億になるか十五億になるかわからぬのでありまして、もう小し
基準
というものがあるべきでないかと思うのであります。もともと
被害額
は三百一億なのでありまして、それを百三十四億に
建設省
が
言つて行つた
ということさえ、われわれはどうかと思うのでありますが、それまで議論をいたしますと時間がかかりますから、一応百三十四億の
建設省
の
要求
に対し、それをどういうわけで十二億にしたのだという
説明
は、もう少しはつきりせねばならないものと私は
考え
ます。なぜこういうことを申すかといいますと、もちろん言い訳に
ただ復旧
とか金を
使つて
それで能事終れりとするならば、この問題は軽々に見のがしてもよいのであります。しかし、もし
災害復旧
というものが、前あ
つた
通り
の
復旧
にとどまるならば、また
災害
を繰返すのであります。そういう
状態
であ
つた
から
災害
が起
つたの
でありますから、
災害
の起
つた
状態
に
復旧
するということは、もう一度
災害
を呼び起すということなのであります。そこで、
国土
を保全してわれわれの税金を効率的に使おうとするならば、もの再び
災害
の起らないような
復旧
にせねばならない。そこにこの
助成的経費
というようなものも加わつて来るのであり、また
災害復旧
の困難な技術的ないろいろな問題があるのでありまして、その問題をあまりに切り捨てられると、ほんとうの
災害復旧費
に
使つた分
までがむだに
なつ
てしまう。この
関係
がありますから、私はこの点についてもう少し理論的な
説明
がぜひ望ましい、かように重ねて
お尋ね
をするわけであります。
森永貞一郎
23
○
森永政府委員
こまかい点の
査定
につきましては、先ほど来申し上げておりますように、
一つ一つ
につきまして、私
ども
は私
ども
なりに
一定
の
考え
方をもつて臨み、それに対して
建設省
の方から、これでは足らぬというようなことで、さらにそれをふやすとかいうようなことで、
折衝
の過程を経てきま
つた
わけでありますが、その前の問題といたしまて、本年度の第一次
補正予算
を論議する際に、私
ども
としましては、もちろん
災害復旧
なり
災害助成
なりにできるだけ金をつけたか
つた
わけでございますけれ
ども
、
大臣
も本
会議
その他でしばしば申し上げております
通り
、
財源
の面にも限りがございますので、いろいろ無理なことをして
財源
を捻
出し
ておるわけでございますが、それでもやはり
総額
五百十億円にとどまらざるを得なか
つた
わけでございます。そういたしますと、どうしても
建設省
の御満足の行くような金がつけられないというようなことにも
なつ
て来るわけでございます。その
財源
との振合いからして、どうしてもある
程度
以上にはいれられなか
つた
という大きな
前提
があるわけでございまして、その
前提
のことを今申し上げなか
つたの
でございますが、全体の
予算編成
上の雰囲気としてそういう大きな制約を受けてお
つた
ということも御了承い
ただ
きたいと思うのであります。
村瀬宣親
24
○
村瀬委員
御苦心のほどはわかりますけれ
ども
、実際
国土
の
崩壊
をどうやつて防ぐかという観点に立ちますならば、御
答弁
は承服できません。そこでもう一度念を押しておきますが、この四十二億二千万円のうちに
建設省分
が十二億二千万円。そういたしますと、百三十四億の
要求
に対し十二億ということになりますと九%であります。
他省
から
要求
いたしました分も九%くらいに
査定
をなさ
つたの
でありますか。この四十二億二千万円全部に対して、
要求額
と
査定率
とをお示し願いたい。これは
建設省
の分だけを
査定
したのですか。
原純夫
25
○
原政府委員
助成関係
で、
農林省関係
におきまして六億三千万円が
計上
に
なつ
ておりますが、これは
要求額
四十七慮円に対して、
計上
いたしましたのは六億三千万円であります。 それから、
農林省関係
で、
助成
ではありませんが、
ただ
いま
お話
の四十二億のうちに、純粋の
助成
でなしに、いろいろな、
雑災害復旧
と申ますか、
米麦
を
被害農民
に安売りするとか、というと言葉が少しなんでございますが、さようなことでいろいろ
経費
の出ます分がございます。これが二億三百万
計上
に
なつ
ておりますが、これは二十一億円の
要求
に対する
査定額
であります。
運輸省関係
におきましては、三億六千万の
要求
に対しまして一億五千万の
査定
をつけておるわけであります。
他省分
はそういう状況でございます。
村瀬宣親
26
○
村瀬委員
そういたしますと、
農林省関係
は一五、六パーセント、
運輸省
のごときは五〇%の
要求
に対する
査定
である。
建設省
だけが九%、こういうことになるのであります。いくら押問答しても時間がかかるだけですから、やめますけれ
ども
、何か特別の
理由
がありましたか。
原純夫
27
○
原政府委員
ただ
いま局長から申し上げましたように、それぞれ中身を伺いまして、お互いに
意見
を交換してきめましたので、その結果が率に現われたわけであります。そのときどきの、その事項その事項の
要求
の内容にもよることでございますので、御了承願います。
村瀬宣親
28
○
村瀬委員
大蔵大臣
は
見え
ますか。
久野忠治
29
○
久野委員長
今
要求
いたしております。
村瀬宣親
30
○
村瀬委員
今度政府は、一旦提出をな
さい
ました
予算
を、政府の方から修正をいたして参りまして、冷害
関係
の四十五億円というものを、
一つ
の五百十億内でやり繰りをなさつております。
災害
の方はそういう御処置をとられないで、融資で行くという御方針を発表なさつております。その限度を百五十七億円と御
答弁
にな
つたの
でありますが、その前に、かねて当
委員会
において
建設大臣
が信念を持つて申されておりました、
災害復旧
は三割、五割、二割の
比率
で三箇年間にやろうということを、きのうの
予算
委員会
で大藏
大臣
も御確言に、
なつ
たと思いますが、私はここでもう一度、
大蔵大臣
がお
見え
に
なつ
てから、
大蔵大臣
のお口から承つておきたいと思います。そういたしますと、千五百六十五億円を
基礎
といたしましても、なお相当の
金額
が足らないということになりますが、それを
大蔵省
が百五十七億と計算になりました根拠を伺いたいと思います。
森永貞一郎
31
○
森永政府委員
国費の
所要額
千五百六十五億に対しまして、今度の
予算
では
災害復旧費
三百億円、そのほかに冷害
対策
の中に
災害復旧費
を
建設関係
と農林
関係
で約十二億組んでおります。二百十二億でございます。そうしますと、千五百六十五億の大体二割になるわけであります。三割を
基準
とするということになりますと、一割が残つておるわけであります。そうしますと、千五百六十五億の一割でございますから、大体百五十七億ぐらいのものが計算上は残つておる。今後
工事
の進行に応じまして、必要に応じて
実地調査
の上、緊急やむを得ない、どうしても
工事
を進めなくちやならぬものにつきましては、融資なり何なりでその方法を講じて行くつもりでございますが、その場合の計算上の最大限は、千五百六十五億円の一割という計算になるわけでございます。
村瀬宣親
32
○
村瀬委員
千五百六十五億の二割を三百十二億とおつしやいまして、そして三百億は
災害対策費
へ
出し
ており、十二億は冷害
対策
費の百十五億の中にあるとおつしやるのでありますが、この三百億の使い方におきましても、これは当然冷害その他で失業した農家その他にも賃金を支払わなければならない。ことさらに十二億を冷害の方へ持つて行かれた根拠は、どういう
理由
があるのでありますか、また冷害
対策
費として、そういう意味で十二億 そこに持つていたということになりますと、いかにも百五十億と公称はいたしておりますが、その実は
災害復旧
に充てるべき十二億であります。こういうことになりますと、これまた私が先ほどから申します
通り
、そういう金なら十二億であつても二十二億であつてもよいわけであります。
災害復旧
のためには、千五百六十五億の二割に相当する分を三百億と十二億にわけようと、二百五十億と六十二億にわけようと同じだということでありますが、特に三百億と十二億円おわけに
なつ
た
理由
は何かございますか。
森永貞一郎
33
○
森永政府委員
冷害地で救農土木事業を起こしますのに、いろいろな事業
対象
あるわけでございます。土地改良であるとか開墾干拓であるとか、農道であるとか、いろいろの事業が
考え
られるわけであります。その事業の
一つ
の形態といたしまして
建設省
所管に
道路
というようなものを組んでありますが、
災害復旧費
はやはり
一つ
の好個の
対象
になるわけでございます。各地にそれぞれ適当な事業を選んで、その
地域
に一番適当した事業をやつてい
ただ
くという趣旨から
考え
ますと、いろいろのヴアライエテイーがあ
つた
方がよろしいわけであります。そういう
関係
から事業費の配分をきめます場合の
災害
事業費として
農林省関係
が七億、
建設省関係
が五億、そのくらいのものは
災害復旧費
に
使つて
い
ただ
こうというので、別途
計上
いたしたわけでございます。もちろん当年災限りの趣旨ではございません、過年災も入るわけでございますが、今後事業内容を決定してい
ただ
く上におきまして、当年災に重点を置いてい
ただ
くということにいたしますれば、その十二億はその
災害復旧
にも使えるわけであります。そういう趣旨で申し上げたのであります。
村瀬宣親
34
○
村瀬委員
結局あなたのおつしやるのは千五百六十五億の三割に直したいが、
予算
面では一応二割だけ出そう、そうすると二割というのは三百十二億だ、それを三百億と十二億にわけたのだとおつしやるのですが、そうなら三百億と十二億にわけても、いずれ
災害復旧
をやるなら、二百五十億と六十二億にわけてもよい。なぜ三百億と十二億にわけたかという点をお伺いしたいのであります。特に百十五億円は冷害
対策
だといつておりながら、その中に
災害復旧
もあるというなら、実際冷害には百三億しか充てないということにもとれるのでありますが、その
関係
をもう少し明らかにしてい
ただ
きたい。
森永貞一郎
35
○
森永政府委員
千五百六十五億の二割ということで
考え
ましたが、そうすると大体三百億くらいになるわけであります。それで
災害
予算
は
考え
たのでありますが、厳密に申しますと、一九・七%ということになりますが、そのほかの冷害
関係
といたしまして
災害復旧
の
経費
十二億を組んでおりますので、それを合せて活用してい
ただ
けば、大体二〇%くらいのものは
工事
はできるはずだということで、先ほど申し上げたわけであります。そのおおむね二割見当からまず三百億が出て参
つた
わけでございまして、それのプラス・アルフアとして冷害の方にも
災害復旧費
が入つておるから、二割は大丈夫できますということを申し上げたわけであります。
村瀬宣親
36
○
村瀬委員
どうもこれは苦しい御
答弁
でありまして、結局あなたのおつしやるのは、融資のわくは百六十九億五千万円にならねばならないんだけれ
ども
、融資を少し減すために冷害の方に十二億あるじやないか、だから十二億減せ、そうして百五十七億しか融資しないぞ、こういう言い訳にここに十二億を持つて来たということが初めてわかりました。それなら冷害の方に十二億あるとおつしやる最初のような御
答弁
であるならば、これは何も二割分を三百と十二億にわけようが、あるいは二百と百十二にわけようが、結局同じで、最初の方は御
答弁
に
なつ
ておりませんが、あとからの御
答弁
で意味はわかりました。結局
大蔵省
の企図するところは、少しでも何とかかんとか
理由
がつく限り融資額を減し、いわゆる
災害復旧費
を減らそうという苦心のお
考え
であることが、ここに明らかに
なつ
て参りました。そういう
考え
については、私たちは根本的に承服いたしかねるのでありますが、この段階に至つてはそれを議論してもしようがありませんから、一応百五十七億という
基礎
の上に立つて
お尋ね
を進めて参ります。この百五十七億円はこれは最高限度である。これも
大蔵大臣
がお
見え
に
なつ
てから
お尋ね
したいのでありますが、きのうの予箕
委員会
では、そうはいらないと思うというような本音を吐いておられた。つまりいらないのではない、そうは出さないぞという意味だろうと思うのですが、これについて資金運用部資金ではとうてい足らないからなどという字を入れたと、声を張り上げて御
答弁
に
大蔵大臣
が
なつ
ておられるのでありますが、一体一番堅実なものは、またたよりにできる資金運用部資金を使うことでありますが、資金運用部資金からは百五十七億の限度のうち、どのくらいまで出せる
見込み
でありますか。
森永貞一郎
37
○
森永政府委員
資金運用部資金の運用の問題は、実は主計局の所管ではないのでございまして、理財局長がお
見え
にならないとよくわからないのでございますが、現在の資金繰りは非常にきゆうくつでございます。今度の
災害
に伴いまして、地方団体の租税収入が減少した分であるとか、あるいは十万円以下の小
災害
等についてのいわゆる単独
復旧
資金、そういうもので約八十三億円くらい地方債をふやさなくちやならぬわけでございます。そのほかに老朽校舎の
復旧
資金として二十五億円くらいを前から
要望
がございまして、資金運用部資金からまかなわなくちやならぬようなことに相
なつ
ております。そうしますと既定の資金運用
計画
のほかに百八億円ぐらいの
災害
関係
その他の地方債の需要が
増加
するわけでございます。一方原資の方は郵便貯金の
増加
をフルに
見込み
ましても大体八十億円くらい、そのほかいろいろ操作をいたしましても、もうほとんど新たな原資は出て参らないのでございまして、結局今のままで参りますれば、年度末には余裕金を相当食い込まなくちやならぬという
状態
でございます。そこで百五十七億に対して資金運用部から捻出できる余地は、今計算上はなかなか出て参らないのでありますが、今後できるだけ郵便貯金の奨励もいたさなければならぬと思いますし、また既定
計画
につきましても、資金のずれとかなんとか、もしありとすれば、十分捻出するということも見ておかなければならぬと思いまして、極力捻出することを
大蔵省
としては
考え
ておるわけでございますが、目下のところどのくらいのものがその方から捻出できるかということにつきましては、ちよつと具体的に
数字
を申し上げる段階に参つていないことを遺憾といたします。
村瀬宣親
38
○
村瀬委員
委員長
にお願いいたしますが、こういう重大なことになると、主計局の所管でないということに
なつ
て参りまして、せつかく当
委員会
が熱意を持つて、
災害復旧
を少くとも三割をやりたいというので、朝九時から
委員会
を開いたりしておるのであります。ところがこういう押し問答をしておつては、時間を空費いたしますので、
最後
の責任者であり、全体の話のわかる
大蔵大臣
をぜひ早急に出席願いたいと思いますが、どのくらいたてばお
見え
になりますか。
久野忠治
39
○
久野委員長
極力努力いたします。
村瀬宣親
40
○
村瀬委員
私の
質問
は、まだ続きますが、
関連
質問
があるそうですから、これで一応やめておきます。
赤澤正道
41
○
赤澤
委員
関連
して。今小
災害
という言葉がひよつと出ましたので、
一つ
だけお伺いいたします。この前の
水害対策委員会
で、府県市町村の小
災害
について、
現行法
の十万という
金額
を切り下げるということに議がまと
まつ
てお
つた
。それを
建設省側
からの申入れによつて、そうしないで、そのかわりに公共
災害
の全額にして大体五%見当のものを
災害
引当の特別交付金的な制度を
考え
て支出するから、その一項を除いてくれということで、確約いたして除いたはずでございます。それについては、
大蔵大臣
それから
建設大臣
並びに自治庁長官、三者で話合いがあ
つた
はずでございますが、この結末はどういうふうに
なつ
ておりますか、お伺いいたしたい。但し、
ただ
いま八十三億という
金額
も出ましたが、これと
関連
させて御
説明
を願います。
森永貞一郎
42
○
森永政府委員
今回
災害
関係
の
補正予算
を組みましたにつきましては、それに伴う地方財政需要も同時に検討いたしまして、
災害
関係
の地方財政
計画
につきまして検討を加えたわけでございます。その場合に、今度の政府が
補正予算
として
出し
ました補助金に伴う地方
負担
の
増加
が約二十四億くらいございます。それから今
お話
の単独小
災害
を含めました地方公共団体の単独地方債の
増加
が百十八億であります。そのほかに税の減収補填が三十五億ございます。その他需要がいろいろございまして、結局二百八億円くらい
増加
するはずでございますが、それに対しまして補填
財源
を
考え
ました結果、結局八十三億円を地方債で見なくてはいかぬ。これの補填
財源
といたしましては、節約等も
考え
ておりますが、それらを織り込んで、結局八十三億くらい地方債をふやさなくちやいかぬ。その八十三億円に、今まで問題でございました老朽校舎の
復旧
費等の問題がございますので、それをあわせて八十三億円を起債に見よう。従いまして、その中には小
災害
の分も入つておるわけであります。小
災害
の方が
幾ら
であるかということは、ちよつと今
数字
を持ち合せておりませんが、自治庁と十分打合せて、この
程度
の
金額
が
考え
られるというものをこれに入れて、八十三億と計算いたしております。
赤澤正道
43
○
赤澤
委員 このことの起りは、先ごろ大野国務
大臣
が福岡に行かれたとき、いろいろ小害災について陳情を受けてたいへん困
つた
。しかし、実情を見て市町村ごとにその区域内における小
災害
の
総額
をひつくるめたものを
現行法
に当てはめて補助をしてもらいたい。大野さんはたしかそれを承知して、こつちへ帰つて来られて、閣議にかけて、これが通らなか
つた
。そのしりが実は
水害対策委員会
に来たわけであります。これは単に地方債をもつて片づける性質のものではなくて、事実べた一血にそういう小
災害
が起つている市町村にあつては、将来そういう債務が残るということは大問題であると思いますので、
委員会
はそういう話はなか
つた
と思いますが、
大蔵大臣
からはどういうふうにお聞きに
なつ
ておりますか。
森永貞一郎
44
○
森永政府委員
小
災害
を地方債をもつて見るということは、それだけ債務が地方団体に残るわけでありますけれ
ども
、同時に、公債についての元金償還並びに利子の支払い、これは地方財政
計画
に入るわけであります。それを含めて地方の歳入との
関係
を考慮いたしまして、平衡交付金の
金額
が今そういう段取りに
なつ
ておるわけでありまして、元利の
負担
も地方財政
計画
の中で見ておる、そういう結末になるわけでございます。しかし、この点については若干問題がございます。それは元利の償還金を地方財政
計画
の中に入れ
ただ
けでいいのか、あるいはそれとも
特例法
がございましたが、あの
特例法
の
対象
にしまして、元利の償還金を特別に政府において補給するか、そういう問題があるわけであります。その点が
水害対策委員会
でもしばしば問題になりましたことは事実でございまして、私
ども
といたしましては、地方財政
計画
の中に織り込んでもらえば、それで見たことになりますからいいんじやないかということを申し上げておりましたが、自治庁の方では、特別に元利の補給を見てもらいたいという
要望
がございまして、目下自治庁と
大蔵省
との間で、その問題を具体的に検討中でございます。いずれにいたしましても、地方の借金になりつぱなしということにはならないわけでありまして、何らかの形で元金なり利子の
負担
が、考慮せられるということになることは疑いをいれないわけであります。
赤澤正道
45
○
赤澤
委員 非常に大切なことでありますので――当時私がこの問題について実は責任を負わされてお
つた
わけでございます。ですからこれは将来とも問題が残ると思いますので、やはり地方の
負担
にならないようにひ
とつ
善処方をお願いいたします。なお、何ごとも済んでしま
つた
現在でありますので、この問題について、さらにつつ込んで、当時のいろいろの言質等をとらえて申し上げたいこともありますけれ
ども
、希望だけ申し上げて
質問
を終ります。
仲川房次郎
46
○仲川委員
ただ
いま
質問
がありました問題に
関連
して、さらに私は
お尋ね
したいと思います。それは水害
対策
の
委員長
が提案した案は、県
工事
費は前からの
法律
では十五万円であ
つた
が、それを十万円に下げること、それから町村
工事
費は十万円であ
つた
基礎
が今度五万円に下るということがはつきりしたのに対しまして、
建設省
の方からは、それは国から
調査
をすることは非常にめんどうであるから、県の方の十五万円を十万円に下げ、町村の十万円を五万円に下げるということはとりやめにしてくれ。そのかわり、その
工事
に対してはその金を国が県なり町村に特別平衡交付金で払うということの話でそれをとり、提案を取消したのです。しかるにその途中において、こんなに金のないときには、起債を許し、その起債の元利合計を国が責任をもつてそれを支払うから、それでしんぼうしてくれという案に
なつ
ておるが、それに間違いないか、確認してい
ただ
きたい。
森永貞一郎
47
○
森永政府委員
先ほど述べました経過は、私も承知しております。その経過を
十分承知
いたしました上で、実は
水害対策委員会
で、起債の
特例法
を
適用
したらどうか、つまり特別平衡交付金と申しましても、
金額
に限りがございまして、十分に見切れませんので、むしろ起債を認めて、そのかわりに起債の
特例法
による元利の補給をしたらどうか、そういう御議論が強か
つた
ように承知いたしておるのでおります。そこで私
ども
は、いずれにしても地方財政
計画
の中に入れるわけでございますが、特に取
出し
て
特例法
による元利の
対象
にするかどうかという問題につきまして、御
要望
の趣旨も十分わかつておりまそので、自治庁と十分協議を遂げておる、そういう段階でございます。
仲川房次郎
48
○仲川委員 そうすると
大蔵省
では、最初言明した平衡交付金でまかなうということをかえて、起債を許し、その元利合計を国が補給する、さように承知してよろしゆうございますか。 それから
災害
地指定の標準において、
公共事業
復旧
費とそれから農地
施設
の小
災害
を含んで、二十八年度の地方税額より超過した地方を指定することに
なつ
ておる。県であれば十五万円を十万円にするというその十万円の
調査
をし、それから町村では十万円を五万円にする
調査
をして、それをこちらは
査定
の標準に入れなければならぬ。それが大きな問題であると思うのでありますが、いかがですか。
森永貞一郎
49
○
森永政府委員
前段の方から申し上げますが、私
ども
は特別平衡交付金でできるだけまか
なつ
てもらいたか
つたの
であります。しかし、自治庁の方でどうしてもできない。特別平衡交付金の中の
災害
関係
は昨年は二十億くらいでありますが、ことしはそれを極力ふやしてもらいたいということを希望しておるのでありますけれ
ども
、ほかのいろいろの要素もございますので、その中でまかない切れないというようなことから、どうしても起債にまたざるを得ないというような話でございますので、しかりとすれば元利金の問題が残るわけでありまして、先ほど来申し上げておりますような経過に
なつ
ておるわけでございます。 なお、
ただ
いまの
査定
の問題でございますが、これは農地
関係
は小
災害
といたしまして、国家の補助の
対象
になるわけでございますけれ
ども
、農地以外の小
災害
は、これは十万円、十五万円という線が残つておりまして、
ただ
そういう起債
関係
で考慮するということでございますので、
ただ
ちにこちらの方の
基準
をきめて
査定
の中に入れるという問題には
なつ
て来ないと存じます。
仲川房次郎
50
○仲川委員 そういたしますと、農地の方は認める、それから
公共事業
の方は認めないとおつしやるのでありますか。そうすると、それは政府がうそを言
つた
ことになるのではないのですか。それは入れなければゆゆしき問題だと思います。そのために指定をはずれる町村ができ、
災害復旧
ができないことに相なりままして、本法の趣旨に沿わないので、ぜひ御考慮願います。
森永貞一郎
51
○
森永政府委員
法律
の趣旨が、農地
関係
につきましては引下げる、
建設関係
につきましては引下げない。そのかわり
水害対策委員会
の御
要望
のございましたのは、特別平衡交付金なり起債なりで十分認めてくれという
お話
でございます。特別平衡交付金では、地方税額の需要から十分見切れませんので、起債に
なつ
た場合にも、元利補給の問題については別途
考え
るということでございますから、御趣旨に沿つて処理して来ておるわけでございます。
久野忠治
52
○
久野委員長
速記をとめてくだ
さい
。 〔速記中止〕
久野忠治
53
○
久野委員長
速記を始めてくだ
さい
。
村瀬
君。
村瀬宣親
54
○
村瀬委員
当
委員会
は二日にわたつて
大蔵大臣
の出席を
要求
したのでありますが、一向お
見え
になりません。
主計局長
は
大蔵大臣
にかわつて御出席に
なつ
ておるのでありますから、
大蔵大臣
の責任で御
答弁
を願いたい。 そこでもう時間もないようでありますが、百五十億円は
予算
によらずに融資で
災害復旧
をやろうとおつしやるが、これに対する融資の利子は
幾ら
どこに
計上
なさるおつもりであるか。
森永貞一郎
55
○
森永政府委員
預金部資金から融資をするということになりますれば、従来の利率は六分五厘であります。それから市中銀行から融資をするということになりますれば、一割一分くらいになるわけでございます。そこで先般の三党協定の趣旨によりますと、本件に限つて年度末までの利子補給をするというような御
要望
もあるわけでございまして、私
ども
もその点につきましては御趣旨に沿うように検討をいたしております。しかし、何分にもまだ
金額
がはつきりいたしておりませんので、具体的にどうということは申し上げられないのでありますが、御趣旨は十分尊重いたしまして検討するつもりでおります。
村瀬宣親
56
○
村瀬委員
検討をする段階ではありません、はつきりとここで御
答弁
を願いたい。この国会中に出すのか、あるいは次の第二臨時国会でお
出し
になるのか、通常国会でお
出し
になるのか。この百五十七億円に対する利子は、いつどの
予算
でお
出し
になるのか、
大蔵大臣
がおいでにならぬのでありますから、
大蔵大臣
にかわつて責任のあるはつきりした御
答弁
を伺つておきたい。
森永貞一郎
57
○
森永政府委員
工事
進行の必要に応じ、実情
調査
の上資金の融通をして参るわけでございますが、その時期は実は来年に持ち越されると思います。と申しますのは、この補助金が出て参りましたときに、今までのつなぎ融資を回収するわけでございますが、それでも若干の資金が手元に残るわけでございまして、これが使い果された後に起る問題であります。その場合に実情
調査
の上融資をいたして行くわけでありますが、
金額
がどの
程度
になりますか、そういう点につきまして、まだ十分見当はつきませんので、御協定の趣旨を十分尊重して参るつもりでおりますが、今の段階では、いついかなるときにどのくらいの利子補給の
予算
がいるかということは、ちよつと見当がつきかねる次第でございます。少くとも今国会におきましては、これに対する所要の法令上、
予算
上の措置はとることがむずかしいし、またその必要もないのではないかと存じます。
村瀬宣親
58
○
村瀬委員
イエスかノーかを御
答弁
願いたい。それでは
金額
はわからなくてよろしい。そこでこれに対する利子は今年度内の国会において必ず二十八年度の
補正
千軍に
計上
するとかしないとか、どちらか御
答弁
願いたい。
森永貞一郎
59
○
森永政府委員
必要が出て参りますれば、何らかの措置をとるということを、
大蔵大臣
も昨日おつしやつております。
村瀬宣親
60
○
村瀬委員
必要があればとは何ごとでありますか。必要があればというようなことを、いまさらおつしやる必要はないではありませんか、どういうぐあいに必要がないのですか。
森永貞一郎
61
○
森永政府委員
必要に応じということでございますので――必要があるということは、もう今から確実視されるのでございますけれ
ども
、
金額
その他の問題につきまして未確定の要素がございますので、それらの点を十分見きわめまして必要なる措置を講ずるという趣旨でございます。
村瀬宣親
62
○
村瀬委員
私の
質問
を十分お聞きでないようであります。私はこの際
金額
は申しません、時期も申しません。
ただ
二十八年度の
補正予算
として必ずこの百五十七億を限度とする融資に対する利子を
予算
に
計上
なさるのかなさらないのか、イエスかノーかだけでよろしい、御
答弁
願いたい。
久野忠治
63
○
久野委員長
ちよつて速記をとめて……。 〔速記中止〕
久野忠治
64
○
久野委員長
速記を始めてくだ
さい
。
村瀬宣親
65
○
村瀬委員
本日の
質問
ではまだ大事なことがはつきりいたしませんが、一応私の
質問
を留保いたしまして、この次の機会には必ず
大蔵大臣
の出席を求めまして
質問
を続行いたしたいと思います。
久野忠治
66
○
久野委員長
他に御質疑はございませんか。――質疑がなければ本日はこの
程度
にて散会いたします。 午前十一時一分散会