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1953-07-31 第16回国会 衆議院 郵政委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年七月三十一日(金曜日)     午後二時二十一分開議  出席委員    委員長 田中織之進君    理事 羽田武嗣郎君 理事 船越  弘君    理事 片島  港君 理事 吉田 賢一君    理事 濱地 文平君       小林 絹治君    坂田 英一君       武知 勇記君    伊東 岩男君       井手 以誠君    佐々木更三君       土井 直作君  出席政府委員         郵政政務次官  飯塚 定輔君         郵政事務官         (郵務局長)  松井 一郎君  委員外出席者         専  門  員 稻田  穰君         専  門  員 山戸 利生君     ————————————— 七月三十日  委員船越弘辞任につき、その補欠として山中  貞則君が議長指名委員に選任された。 同日  委員山中貞則辞任につき、その補欠として船  越弘君が議長指名委員に選任された。 同月三十一日  船越弘君が理事補欠当選した。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  閉会審査に関する件  委員派遣承認申請に関する件  郵政行政に関する件     —————————————
  2. 田中織之進

    田中委員長 これより開会いたします。  この際お諮りいたしすことがございます。理事船越弘君が去る二十八日委員辞任されましたので、理事が欠員になつておりますが、その補欠選任委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 田中織之進

    田中委員長 御異議なしと認めまして、船越弘君を理事指名いたします。
  4. 田中織之進

    田中委員長 本日で会期が一応終ることになつておりますので、閉会中の審査に関してお諮りいたしたいと思います。本会期中、本委員会におきましては国政調査事件について種々検討を加えて参りましたが、いまだに問題が山積いたしております。さらに問題の緊急性から見ましても、閉会中もなおこれらの諸問題について、引続き調査検討する必要ありと考えられますが、委員会閉会審査をいたしますには、国会法第四十七條第二項によりまして、審査しようとする事件につきましては、特に議院の議決によつて付託されねばなりません。従いまして、郵政事業合理化並びに監察制度効率的運用をはかるため、郵政事業並びに監察制度に関する件について、閉会審査申出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 田中織之進

    田中委員長 御異議なしと認めて、さようとりはからいます。
  6. 田中織之進

    田中委員長 なお委員派遣に関してお諮りいたします。閉会中の調査事件が院議をもつて付託され、これに伴う実地調査をいたす必要を認められました場合には、再び委員会を開会いたす煩を避けまして、委員長において適宜委員派遣承認を申請いたすことにいたしたいと思いますので、あらかじめ御了承を得ておきたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 田中織之進

    田中委員長 御異議なしと認めて、さようとりはからいます。
  8. 田中織之進

    田中委員長 次に郵政行政に関する件について調査を進めたいと思います。船越弘君。
  9. 船越弘

    船越委員 終戦以来の郵政業務に対しまして、当時の占領治下におけるところのGHQの方からいろいろな勧告なんかがございまして、いわゆる三等郵便局制度というものについて、強い批判がなされたということを私たち承知しておるのでございますが、この特定局長会議といいますか、どういう名前になつておるか、私もよく承知しておりませんけれども中国地方におきましては、現在特定局長会議というようなものが設けられております。全国団体のそういう会議をことしの一月二十七日に設けようという決議をして、いろいろその運動をやつておるそうでございますが、それにつきまして、国家公務員法の九十八條によつて職員組合を結成したいという希望があるのでありますが、その希望について、郵政局の方といたしましてはどういうふうなお考えを持つておられるのか、まず郵務局長にお伺いをいたしておきたいと思います。
  10. 松井一郎

    松井政府委員 特定郵便局長団体というものは、終戦前からだんだんと発達して参りまして、その歴史は大分昔にさかのぼるのであります。御承知のごとく特定郵便局というのは、非常に小さな局舎全国に数たくさんある関係上、これの連絡といつたようなものについて、やはり特殊な何かが必要であるといつたようなことから生れ出まして、まず最初は地方ブロックごとにある局長会議というようなものが結成せられて、各郵政局管内にそういう団体が統合せられた。ところが終戦後、当時のいろいろな社会情勢を反映いたしまして、これが全国的な団体にまで結成されたわけであります。そうして全国的な団体動き方については、われわれとしても、必ずしも感心しないような動き方もあつたのであります。そこで司令部からも、どうも現業局長全国的な団体をつくつて活動するということは、役所の秩序というものとはむしろ相反する問題が多いのじやないかというような角度から、これは解散すべきであるという強い指示がありまして、これが解散になつたわけであります。しかし特定局長が、何らかの意味において業務運営上連絡機関を持ちたいというその希望の中には、必ずしも全部が全部間違つたことではない。ただ終戦後に行われたそういう全国的な組織の団体動向自身は、これはにわかに賛成できない部分があつたわけであります。そこで私どもといたしましては、従来のそういう経験にかんがみまして、各地域における最小限度の規模における業務連絡というような意味において、特定郵便局業務推進連絡会というような形を持たしておるのであります。しかしそうした過去の伝統からいたしまして、特定局長さん方の中には、どうもそれでは不満である、もつと何か自分たちみずからの手による団体を持ちたいという強い希望が、一部には持たれておるようであります。結局そういう希望の実現の仕方として、しからば今日一体どういう形の団体が持ち得るかということになりますと、先ほど御指摘になられたような、国家公務員法九十八條による団体というものが一応想定されるわけであります。中国地方におきましては、たしか二年ばかり前だつたと思いますが、国家公務員法九十八條による団体が結成されました。もとよりこの団体については、私どもとしてこれを業務的にどうこうするというようなものとは若干従質が違います。御承知の全逓信労働組合、全逓というものも大体公企労法適用されるごとしの一月一日以前においては、やはり同じく九十八條に基く団体であつたわけでありまして、その団体は、一般的にどんな人間でも結成し得る資格を持つておるわけであります。そこでそういうふうな意味自発的団体というものは、その団体責任においてなされる問題でありまして、官としてこれを積極的につくらしめるとか、あるいはつくつたからこれを解散せしめるというような性質のものではないと思います。ただわれわれ自身といたしましては、九十八條は非常に包括的に書いてありますが、事実問題は、九十八條を通じて当時の官業労働組合の結成を認めたのが主眼点であつて、必ずしもそういう先ほどの特定郵便局長さんばかりの団体というものが九十八條で認められたからといつて団体活動が円滑に行くかどうかということについては、相当疑問があろうかと思います。しかしその九十八條に基くことは、やはり一つの権利として法律上与えられておりますので、それをわれわれの方から阻止するというようなことは、もとより考えておりません。またこの団体ができたからというので、これを積極的に援助しようということは、ただいまは考えておりません。
  11. 船越弘

    船越委員 それで私の問わんとするところにはつきりわかつたのでありますが、私の聞き及んでおるところでは、そういう全国的な団体を組織するという決議を一月二十七日にしたのであるけれども郵政当局の方ではそれについて非常に批判的であり、むしろ拒否的な態度をとられた、こういうふうに私聞いておるものでございますからお尋ねしたのでありますが、今の郵務局長お話によりますと、これを支援することももちろんしないが、そのかわり法的に当然自発的にでき上つたものは、これを認めるとか認めないとかいう考えは全然持つておらない、こういうお話でございますので、おそらく特定局長方々は、その決議に基きまして今後全国団体をつくるであろうと私想像いたしております。その際にはやはりこの法の九十八條が認めておる範囲内の団体として活動するであろうと思いますが、その点については、別に御異議があり、あるいは御不満があるということはございませんか。重ねてお伺いいたしておきます。
  12. 松井一郎

    松井政府委員 法の九十八條に基く団体として、最近この一月一日からはかわりましたが、従来われわれの部内にありましたのは労働組合ですが、この労働組合は大体九十八條に基いて結成せられ、そうして九十八條運用の仕方としては、大体そういうふうな官業労働組合活動というものを頭に置きながら、いろいろな規則できておると思います。従つて実際問題としては、かりに九十八條に基く団体が結成せられましても、これの実際的な動きについては、相当無理がありはしないかということは当然予想されるのであります。そういうものをみずからの意思で結成せられ、そうしてちやんと人事院にそれを登録せられるということになりますれば、われわれとしてはこれは一つの事実として認めざるを得ない問題であります。これに対しましても、当時私ども労働組合に対してとつてつた態度と同じような態度をもつて向わざるを得ない問題だろうと思います。
  13. 船越弘

    船越委員 従来の請負制度によるところの特定局の行き方について、終戦後いろいろ批判がございまして、解体せしめられたのでありますが、この特定局制度についてよい部面と、やはり悪い部面ももちろんございましようから、そういうふうによい部面と悪い部面にわけまして、どういう特徴があつたか、お教え願いたいと思います。
  14. 松井一郎

    松井政府委員 特定郵便局制度の発端というものは、申し上げるまでもなく郵便機関地方への普及ということを、できるだけ経済的にやつて行きたいという考えです。そこで郵便事業創始者前島密先生がそういうことをお考えになられて、各地方名望家方々に、昔の三等郵便局長さんでございますが、郵便局長という名称を与えて、そこに郵便事業というものを請負つていただいたということが、そもそもこれの発達の初めであります。諸外国の例を見ても、末端郵便機関には幾多のそういう一種請負形態というものが行われている。これは総括いたしますと、事業経営を非常に合理的と申しますか、安いコストでやつて行けるという意味において確かに特色があつたかと思います。そのほかに日本におきましては、当時の地方名望家といつたようなものと特に結びついたという意味におきまして、そこに一種家族主義的と申しますか、封建主義的と申しますか、そういう意味温情主義というようなものが現われておつた従業員局長関係は、冷たいものではなくして、むしろある意味家族主義の広がつたような形において、ただ単に公務上の契約といつたようなものじやなくして、それ以外の身分的にもいろいろめんどうを暑つたというような形があつたわけであります。これが日本の三等郵便局から特定便局へ発達して参りました制度が持つてつた長所と言えば長所だろうと私ども考えております。ところが、終戦後そういう制度をやめまして、やはり特定郵便局従業員末端に至るまで、すべてこれを国が直轄してやらざるを得なかつたということについては、そういう一つの美点はさることながら、他方においてより大きな一つ弊害がやはり起きて来た。すべての制度には、あらゆる角度から見て、いい点もあるし悪い点もありますが、終戦一つ弊害として考えられたことは、従来のそうした明治以来の名望家といわれたような形の方々が、終戦後の急激な社会変動というような過程を通じまして、中には特例もありますが、一般的に皆さんが非常に貧困化された。そして今までのように、自分たち名望家であるというような形で、何でもそろばん勘定を度外視してその仕事をやつて行くというようなのはむしろレァ・ケースであつて、多くの方々はやはりそろばん勘上の上に立たざるを得ない。そうすると、やはり自分自身の持つている経済的な基盤というものが低下した関係上、そこに従来の請負のままであつては、やはり中間搾取形態というような形態が生れて来るというのが、大多数の郵便局長さんの場合でございますから、もちろん昔流のりつぱな方々もいらつしやるのではございますが、しかし数から申しまして、非常に窮迫された方々が、ややもするとそういう中間搾取形態をとられるというような部面が少くないようになつて来た。これはこのままではどうにもしかたがないというようなところから、この郵便局長さんの身分従業員身分というものを、全部国の直轄形態の中に入れて参つたわけであります。直轄形態になつた場合には、確かに従前のやり方に比べて融通性にも欠け、従つてその意味において企業コストというものも当然高くなつております。しかしそういうことにもかかわらず、なぜこれをせざるを得なかつたかという裏面には、そういう大きな社会変動というものが伴つて来たということをもつて、御理解を願わなければならぬと思います。そういう過程をふんで今日の特定郵便局という制度へ移つて来ているのでございます。
  15. 船越弘

    船越委員 これは時勢の変遷に伴いまして、古い夢をいつまでも見るべきものではございませんけれども、今の特定局長の実際の姿を見ますと、昔の名望家なるがゆえに寄付金が多いとか、あるいは交際費がよけいかかるということではなくして、実際に現業庁の最先端に置かれるところの管理者としての局長といたしましては、いろいろな費用がかさんで来ると思うのであります。ところが実際にはそういう人々に対しましては、別に特別対策費というものも出ておらないように聞いております。なおまたいろいろ保険業務について手数料が入るとかいう話も聞きますけれども、実際には局長自身第一線に立つて保険の勧誘をなさつておられるという部面も非常に少い。そういうような状況下におきまして、しかもこのたびの公企労法適用を受けられるところの職員に対しては、少くとも頭打ちの是正が六月一日からなされる。片一方管理者という立場に立たされるがために、この特定局長に対しては何らそういう恩典が課せられておらない。そこには何か私たちはそぐわない部分が次第に現われて来ておるのではないかと考えます。その点についてはどういうふうにお考えになつておるのでございましようか。
  16. 松井一郎

    松井政府委員 先ほど申し上げましたごとく、特定局長さんの昔の身分形態におきましては、もとよりそういうことの心配はいらなかつたわけであります。こうした一律に国家公務員というわくの中に入れておいた際に、一体現在の待遇でいいのかどうかという問題、ことに公企労法適用後、その適用外になられた方々待遇と、その部下の従業員等待遇との間におけるふつり合いというようなものについては、私どもも最近非常な悩みを持つております。これは率直に申し上げます。今の機構からいたしまして、それはある程度当然であるという結論ではありますが、その結論というものは、今日の地方第一線で働いておられる責任者方々に対して、責任をとつていただく建前からしては、必ずしも好ましい状態ではない。これは将来何らかの形において打開して参りたいと思つておりますが、今にわかにここで、たとえばどういう対策費を出す、出さぬというような形で申し上げる段階にはまだ立ち至つておりませんので、これは将来とも本委員会の御意見その他に従いまして、私どもとしては何とかこの立場是正、これは特定局長さんだけではなく普通の局長さんもあわせて、現業局長自身立場というものも十分に考慮いたしまして、今後善処いたしたい、かように考えておる次第であります。
  17. 船越弘

    船越委員 最後にもう一点お伺いしておきたいのであります。この特定局長任用制度の問題についてでございますが、いわゆる監督を受ける方の職員方々の御意見を聞きますと、やはりまじめに郵政業務に従事しておる人が、どんどんそういう局長にまでなり得るような制度をとらるべきである、こういう御意見もございます。また特定局長の側から見ますと、今まで世襲でやつて来たのであるから、何かそごに特別な任用制度の確立をしてもらいたい、こういうような御意見もあるようでございますが、本省といたしましては、将来この任用制度についてどういうような方向へ持つて行くのが一番よいかということについて、何か御見解があればお伺いしておきたいと思います。
  18. 松井一郎

    松井政府委員 今日特定郵便局制度の中で、特定郵便局長任用問題が、おそらくその特色として最後にきわだつて他と違う点だろうと思います。現在のところこれが形としては、一般任用とは違つた形で、いわゆる自由任用という形をとつております。つまりどなたでもいい。部内経験者でもよければ部外の方でもいいという立場をとつております。と申しますのは、特定郵便局というものは、多くは小さな局であり、そうしてこれは山間僻地にまでこれは持つて行かなければならぬ。それを一般任用の形でやりましても、そういう僻地に転任して行くなんという方もなかなか考えられないというような任用上の問題、特にそういう僻地においてはやはりその地方との結びつき、これは都会地とは違つて相当考えて行かなければならぬといつたような形がありますので、やはり建前としては、今の自由任用という建前が好ましいのではないかと思つております。ただ問題は、自由任用の内容というものをどうやつて行くかという問題だろうと思います。これは前に経験があるから優先をするとか、あるいはおやじがやつてつたから優先をするとかいうふうに、一元的に律し得る問題ではないと思います。人事の問題ではございますが、地方との関係、あるいは事業との結びつきといつたようなものをいろいろ角度から考えまして、そうしてそのときに適任者がありますならば、従業員の中からももちろん特定郵便局長任用をいたしますし、またあるいは親代々やつてつて、そこの方も郵便に対して非常な親しみを持つて経験者でもあるといつたような場合においては、あるいはそういう方がなる場合もありましようし、これは具体的な問題で、具体的な場合についてわれわれができるだけ公正な立場をとつて考えてみたい。それ以外に一律にどこを優先するかという形では割切りたくないと思つております。
  19. 船越弘

    船越委員 大蔵省の方から本日出ておられませんので、もし会期延長されるなら、大蔵省の方の方にぜひとも出ていただきまして、印紙手数料の問題についてお尋ねしておきたいことがございますので、大蔵省当局を御招致くださるように委員長にお願いいたしまして、私の質問を終ります。
  20. 田中織之進

    田中委員長 その点につきましては、ただいま大蔵省側から連絡があつたのですが、収入印紙の取扱いの問題については、郵政省と大蔵省の間には何らの意見の相違がないので、郵務局長が十分承知されておるから、郵務局長の方に確かめていただけないだろうかという連絡があつたのですが、いかがですか。
  21. 船越弘

    船越委員 郵務局長に対しましていろいろ尋ねましたところ、どうしても解決のつかない問題があるのでございます。従つてぜひとも大蔵当局の方の御出席が願いたいと思います。どうぞ委員長の権限でもつて御招致が願いたい。
  22. 田中織之進

    田中委員長 先ほどの常任委員長会議の様子から察して、会期延長になるような情勢にありますので、会期延長になりましたら、さらに大蔵当局出席を求めて御質疑を願うことにいたしたいと思います。  次会は公報をもつてお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後二時四十九分散会