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政府委員(
長谷川清君)
緬羊が
終戦後非常に増加しておりまして、統計的には全国に七十万頭というふうな
数字に
なつておりますけれども、実際は恐らく百万頭を超えておるだろうという
状況でありますことは、私
たちといたしましては非常に喜ばしいと思うのであります。一面、羊毛の値段が、国外の交易が自由になるに伴いまして濠洲羊毛の値段によ
つて国内羊毛が左右をせられるという事態に
なつて参りまして、これが極めて不安定でありますことは、折角百万頭に達しました
緬羊の将来に対しまして重要な問題でありますので、我々としてはこの対策についていろいろ苦慮しておるのであります。昨年は
一つの
方法といたしまして
緬羊の無
条件委託加工に対しまして
資金の
融通をするというような処置もとりまして、相当の成果を挙げたと
考えておるのであります。本
年度は更にそのシステムを整備してやりたいというふうに
考えております。今お話の中にありました警察予備隊との
関係につきましては、これは実は結論を得ておりませんので、こういう機会に私申上げるのは甚だどうかと思うのでありますが、お言葉にありましたから申上げてみますると、実は私は是非
一つ警察予備隊が拡充せられるこの機会にこそ、国内の
緬羊を警察予備隊において買上げるというような
一つの
制度をとることが必要なんではないかというように
考えまして、警察予備隊の係りの連中とは一、二度話を進めたこともあるのであります。
趣旨においては、警察予備隊員は主として農村の子弟であります
関係もありまして、皆、無
条件に賛成をするのであります。ただ現在の警察予備隊の物品の購入規則が、
法律によ
つて競争入札によ
つて買うと、而もそれは原料でなしに製品を買う、こういう規定に相成
つておりますので、直接
農家との結び付を
考えることは非常にまあ困難でございます。従いまして、その点を是非
法律改正をする必要があると同時に、その納入いたしまする場合の
農家のほうの組織を如何に
考えるか。北海道は御
承知のように北紡が中心に
なつてお
つておられまするから割り方簡単でありますが、これを全国的な組織としてどういう組織がいいであろうかというような点にも
一つの問題がありますので、今
経済課を中心に、その納入機構と申しますか、そういう方面の改正を研究をし、それに対する
見通しがつきましたならば、
先ほど申上げました
法律改正なり適当の処置をとりまして、警察予備隊との密接な結び付き、これによる
緬羊の
価格の安定というようなものを具体的に解決をしたいというふうに、これはただ
考えておることを申上げて、甚だ恐縮でありますが、そういうことで
努力をいたしたいと思
つております。なお肉の処理につきましても誠に同感であるのでありまして、
先ほど申上げましたような簡易屠場というようなものと
関連をして、その加工施設の充実を更に強化するようにいたしたいというふうに思う次第でございます。