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千葉信君 今
加藤君の言われた点ですが、第二の、
議院運営
委員会でできればこういう形でやることが望ましいというお考え、これは私は一応妥当だと思うのです。理窟にも合
つている話ですが、併しその
議院運営
委員会の考えというものは、必ずしもこれを拘束するものではないし、私
どもの場合にはそれを参考としながら問題を考えるという程度で差支えないと思うのです。それから第一の問題ですが、これは全く
加藤君の言う通り片方では一方二千円にできずと決定しておきながら、片一方のほうでは一方二千円にできるという
結論を出して、あなたの
請願は全会一致を以て通過したということの通知を出したら、これは変な気持になることは当然だと思う。
併し一方から言うと、これはもつと根本の問題に
関係があると思うのです。それはどういうことかというと、例えばこれはさつきもアメリカなんかでもそうだというお話がありましたが、そういう
請願なんかが出た場合に、この
請願は正しいということになるとすぐ立法化されて決定される場合がある、日本の場合もそう行くべきなんです。それが慣行上、そういう
やり方を今のところと
つていない。これは
法律上からい
つても憲法上からい
つてもそういうふうに行くべき筋合いにな
つておるし、又行くべきなんです。それが慣行上行われておらない。そうして大体
請願の取扱いについては、
国会は願意妥当と認められた場合にそれを
採択して、そうして最高機関でない、行
政府のほうに改めてこれを送り込んで、願意妥当と認められるから適当に考慮しろという
やり方をしておるが
從來の
請願の取扱いなんです。これは慣行でや
つておるわけですが、私はこの
やり方は少くとも現在の憲法の建前から言うと、
国会の権威に関する問題であるし、又
やり方自身にも疑義を生ずるのが当然だと思う。そういう点から、理詰めから行きますと、実際の
請願の取扱いについて、本当に憲法の精神通り、又その他の
法律通りに行われないという現状がはつきりある。こういう点から考えますと、一応
加藤君の言われるように、
請願者に対して非常に珍妙な感じを与えるということはわかるにはわかるのですが、そういう点は
請願の取扱いが
從來こういう慣行で取扱われておるという、そういう
一つの弁解と言うか、申し開きでもすれば、これは立つと思うのです。そんなことを一々書いてあるわけではありませんけれ
ども、私
どもの立場からそういう理窟が一応成立つのじやないか、こういうふうに私は思うわけです。
それからもう
一つの問題については、これは
加藤君の言われた問題以外の問題ですけれ
ども、大体意見としてはこれは皆さんも同様だろうと思うのですが、事実上予算等の問題のために
給与改訂が行われなかつたという
條件、それも
政府の予算上の理由もありましたろうけれ
ども、大体において一番根本の原因というのは、やはり日本は現在占領下にあるからというその理由が適正な
結論を出せなかつた点だろうと思うのです。そういう点が一方にあるということと、現在の段階では、例えば
人事院の勧告にしましても、これは今年の五月の物価の
状態或いは又標準生計費の
状態、こういうものを
基礎にして勧告されているという点から言いますと一応国全般の問題の決定と言いますとしては、その五月の
條件を
基礎にして
国会で十月一日からやるということに決定したけれ
ども、御承知の通り絶えず変動し、絶えず現在どしどし物価が上
つて來ておるという
條件から言うと、
国会で少くともそういう
條件がどんどん変動しているのだから、やはり適正な
給与を決定するためには
人事院の勧告した一万一千二百六十三円という数字を現在では当然やらなければならないし、更にはその後の通信料金、運輸料金、ガス、水道の値上りというような、又それに伴
つての物価の上昇ということが現実にな
つて出て來ておりますから、そういう点から大いに
国会としてできるだけ早く情勢に対応するような
措置が必要だという
意味でこれは出ている、全部じやなく、そのうちの三件程度……、私は大体
国会としてこの程度に
給与を決定すべきだという
結論を出しても、あえてそれほど矛盾した
やり方にはならないのじやないか。それは突き詰めて現在の憲法なり若しくはその他の
法律が、適正に
国会の中で
国会の自主的な
状態において
結論を出せるような国の
状態なら別ですけれ
ども慣行上行かんから、そういう
状態にな
つていないという現状であるということを考え合せて、
人事院勧告程度の数字を要望しているこの
請願に対しては
採択するという態度が、
国会としてもより問題の積極的な解決を図るという立場から私は却
つて好ましいのじやないか、こういうふうに考える。この三件だけ一応この際
採択する
動議を提出いたします。