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千葉信君
只今の総裁の御答弁の中にありましたできるだけ正確な
結論の上に立
つて、十分
調査して正確な
結論の上に立
つてこれを
決定したい、そういう
理由のために遅れているということは私はその気持は十分了解いたします。勿論当然我々としてはそういう正確な正しい
基礎に基いて
決定されることを望むために、我々もこの
問題に対しては慎重な態度をと
つているわけでございまして、この点については私は決して
人事院を非難する気持も何も持
つておりません。併し一方から
考えてみますと、今総裁が言われたように、できるだけこれらの
問題についてあらゆる部門に亘
つて調査研究し、或いは又あらゆる
地方について実情を把握してこれを
決定するということになりますと、一体いつになればそういう
最後の
結論というものが出されるか、非常にこれは不安にな
つて来る。という意味はです、現在の
状態というものが一応経済的にも
変動しているのであり、
変動しておらない安定しているという
状態であればそれに対する
結論というものはおのずからはつきりと出て来る。併し現在のような例えば朝鮮事変というようなああいう動乱が起
つていて、絶えず各
地方において経済的な
変動が起
つて来ている。こういう
状態だといたしますと、
人事院当局が正しい
結論を出すためだ、出すためだとい
つて藉口して、そうして若し仮にこの
問題の最終
結論をいつまでも延ばすという気持を持
つておれば、これは
人事院としてははつきりとした
理由を立てて、そうしてこの
問題を還延せしめることができる。私がこの
問題を指摘したい意味はです、この
問題に関して相当各
地方からいろいろな
請願陳情があるばかりじやなく、自由党自体においても、或いは又
政府自体においてもこの
地域給の
問題に関しては少くとも態度が一致しておらない。各
議員諸君がその地元の
請願陳情のために身動きができないという形が明確に出て来ている。そうしてこれらの諸君がもうこういうふうに
問題が紛争するならこれはもう元に還してしまえ、或いは又
政府の暫定措置をそのまま継続したらいいじやないか、こういう
考えの上に立
つて人事院当局に対してもこれらの
考えかたを以て圧力をかけているという
状況さえも生じて来ているのではないかと、これは私の心配する点でございまして、
人事院当局として絶対そんなことはない、我々は絶対そういう圧力に屈しないという強い態度を持つならば私は何も心配いたしませんけれ
ども、恐らく従来のいろいろな経験からいうとそういう圧力というものが案外有効に働く虞れが十分ある。そういうことになりますと、
只今淺井総裁が、十分慎重な態度を以て正しい
結論を出すために我々は少し遅れているのだ、
従つて遅れていることはそういう
理由だからこれは了解してもらわなければならんというお
考えのようでございますが、私はそういう淺井総裁がおつしやるところに対して今申上げたような杞憂を十分感じている。それから又一方から言いますと、こういう
問題について絶えず
変動している
状態の中では、
地域給の
問題に関してこれがもう絶対不動の
最後の
結論だというものはいつまでかかつた
つて出やしない。やはり或る
程度の
一つの区切り点をおいてこの段階まではこういう
地域給を支給する
理由があつた。或いは又各地における消費者価格というものはこのときまでは一応こうだつた。そうしてそういう
状態に対して一応
地域給の支給を
決定する、そうしてそれから起るところの
変動に対しては又それに対処する方法を取る、対処する方法をとるというのは一応例えば一年後には経済の
変動等を十分加味して、参考にして、更に新らしい
地域給の
決定をし、或いは変更する、こういう態度を以て
地域給を
決定して行かなかつたならば、いつまでも正確な
結論を得るのだと
言つて延ばしている、これはいつまで経
つてもできやしない。こういう点に対して一体
人事院はどういうふうに
考えておるかこれが第一点。
それから先ほど淺井総裁のおいでになる前私
ども今日は
請願陳情七十件以上のものを
審議いたしましたが、私はこの
審議をしておる
状態を淺井総裁にお目にかければ必ず淺井総裁はさつきの
お話があつたように、
国会自身もこういうものが出て困
つておるじやないか、
国会自身も簡単には
結論が出ないじやないか、そういうふうなことを
理由とされるということは私も十分心配しておりました。
従つて実はこれは成るべく淺井総裁のいないところで私は
審議したかつたんですが、今日は珍らしく淺井総裁がおいでになられましたので、一応総裁の前でこの
問題を
審議せざるを得なかつた形でございますが、私
どもはこの
請願陳情で出ておりまするから、これらに対してはできるだけ十分に慎重な考慮を加えて
結論を出さなければならないということを
考えておりまするけれ
ども、併しながらこれらの
請願陳情を出されておらない、
地方にも必ずあると思うのです。或いは又
請願したいと思いながらも遅れたとか或いは気付かないでぼやぼやしていたためにまだ
請願陳情も出されておらない、こういう
地方が可なりあると思うのです。併し私
どもはそういう
地方に対しては、又適当な機会に考慮するという
考えかたを以
つて、一応それを待
つていられない段階であるから、そろそろ
地域給の
問題はここらで最終
結論を一応出さなければならない。そうしなければますますこの混乱の度合が激しくなるということについては、それはもう我々ばかりでなく、
人事院当局としても連日つめかけて来るところの
請願陳状団の応接にいとまない
状況からしても、いつまでもそういう
請願陳情を取上げて際限なくこの
問題を
検討していたら一体
地域給は今年どころか来年にな
つても再来年にな
つても片付かない。こういう形が出て来ると思うのですが、
人事院当局としては私が今申上げたような
考えかたに立
つて一応どの点かでピリオドを打
つて、そうして又次に起
つて来る
変動や、次に十分
検討洩れに
なつたところに対しては又それを
検討する方法を講ずる、こういうふうにお
考えになることができないかどうか、その点について総裁から御答弁を伺いたい。