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1951-02-02 第10回国会 衆議院 決算委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年二月二日(金曜日)     午後一時三十五分開議  出席委員    委員長 菅家 喜六君    理事 金光 義邦君 理事 渕  通義君    理事 三宅 則義君 理事 八百板 正君       高塩 三郎君    田中 角榮君       田中不破三君    山口六郎次君       畠山 重勇君  出席国務大臣         法 務 総 裁 大橋 武夫君         大 蔵 大 臣 池田 勇人君  出席政府委員         国家地方警察本         部長官     斎藤  昇君         大蔵事務官         (大臣官房会計         課長)     小川 潤一君  委員外出席者         検  査  官 下岡 忠一君         会計検査院事務         官         (検査第一局         長)      小林 義男君         專  門  員 大久保忠文君         專  門  員 岡林 清英君     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十三年度一般会計歳入歳出決算昭和二  十三年度特別会計歳入歳出決算     —————————————
  2. 菅家喜六

    菅家委員長 これより決算委員会を開会いたします。  昭和二十三年度一般会計歳入歳出決算昭和二十三年度特別会計歳入歳出決算議題として、審議を進めます。一昨日審議に入つた批難番号一、制規によらない給與支給したもの、すなわち裁判所外二府九省、閣議決定に基き、昭和二十三年度北海道並び寒冷積雪地職員に対し、特別俸勤務地手当九億四千五百余万円を支給した件につき、大蔵大臣説明を聽取いたします。池田大蔵大臣
  3. 池田勇人

    池田国務大臣 御承知通り昭和二十二年度には、石炭手当單行法律の制定によりまして、また寒冷積雪地手当予算措置によりまして、それぞれ支給をいたしたのであります。しかして、二十三年度におきましても、引続き石炭手当及び寒冷積雪地手当支給するため、政府関係方面了解を得るべく努力したのでありまするが、遂に最終了解を得ることができないで、年末を迎えたのであります。よつて政府は当時の労働情勢を考慮いたしまして、みずからの責任支給することとし、同年十二月十九日、北海道在勤者に対する特別俸及び寒冷積雪地に対する勤務地手当増額に関する件という閣議決定をいたしました。石炭手当特別俸とし、寒冷地手当勤務地手当増額の形で支給いたしました。  右の措置に対しまして会計検査院は、法律根拠なく、また予算に計上なき給與支給したものであつて、不当であるというのでありますが、政府法律上及び予算適法支出であると考えております。まず法律的には、当時における給與一般法でありまする政府職員の新給與実施に関する法律運用として実施したもので、適法であると考えます。すなわち特別俸は、政府職員俸給決定に関する新給與実施本部長総合調整権限に基き、勤務地手当増額は、生計費の高い地域あるいは支給割当を決定する大蔵大臣権限に基き、それぞれ支給したものであります。また予算上から考えましても、既定予算範囲内で、財政法に規定する成規手続によつて流用措置を講じて、支給したものでありまして、何ら不当ではないと考えるのであります。  要しますのに、石炭手当及び寒冷地手当は、本来ならば成規立法手続により、また予算に計上して支出するのが、最も望ましいのでありまして、政府といたしましても、そのために万全の努力をしたのでありますが、当時の客観情勢労働情勢等にかんがみまして、やむを得ず右のような便宜の措置を講じたのであります。措置としては若干穏当を欠くうらみもないことはないのでありますが、法律上または予算適法措置であるということにつきましては、右に述べた通りであります。
  4. 菅家喜六

    菅家委員長 次に閣議決定に基く支給措置について、内閣の立場を御説明を求めたいと思います。菅野内閣長官——それではお見えになつておらないようでありますから、ただいま大蔵大臣説明を聽取した次第でありますが、これに対する会計検査院当局意見を伺いたいと思います。下岡検査官
  5. 下岡忠一

    下岡会計検査院検査官 ただいまの大蔵大臣の御説明にお答えいたします。この石炭手当並びに寒冷地手当支給が不当であるということは、前回に私どもの方の事務総局の第三局長から詳しく御説明申し上げまして、それで盡きておると思います。私どもの方としては、予算手続が明確になされていなかつた、つまり不備であつたということに遺憾の意を表している次第なのでございまして、その当時、政府職員生計事情等を考慮してのやむを得ざる御処置であるということは、検査院としては十分了承している次第なのであります。やはり法律根拠、今大蔵大臣のおつしやつたような法律根拠並びに予算上の組織という点について、私どもは決して正当だとは申し上げかねるのであります。
  6. 菅家喜六

    菅家委員長 本件に関する質疑を許します。
  7. 三宅則義

    三宅(則)委員 ただいま大蔵大臣の御説明がありまして、また政府から出ております二十三年度歳入歳出決算検査報告に関し、国会に対する説明書の中にもあることでありますが、この「正規によらない給與支給したもの」に対しましては、法律上は特別俸及び勤務地手当増額は、政府職員の新給與実施に関する法律運用として実施したものであるというふうになつております。運用ということを強弁せられるのでありますが、客観情勢もあつたことでありましようが、手早く国会審議を経るようにした方がよかつたと思います。当時の内閣官房長官なり、その他におきましては、多少そうしたうらみがなかつたかということを質問いたしたいと思います。
  8. 池田勇人

    池田国務大臣 先ほど申し上げましたように、二十二年度におきましては、法律を制定して石炭手当を出し、寒冷地の方は予算措置関係方面了解を得てやつたのであります。われわれといたしましては、二十三年度におきましても同じ事情でございますので、了解を得るべく努力はしたのでありますが、二十三年度におきましては、二十二年度では了解を得たのでありまするけれども、どうしてもできない。そこで年末は迫りますし、また組合の方も前貸しをするという制度をやりたがつてつたのでありまして、これは私も、法律運用としてできることならやつた方がいい、こういうので閣議決定をいたしまして、運用としてこの程度のことはやり得るという考えのもとにやつたのであります。御承知通り、まだ昭和二十三年末は、相当労働攻勢も強うございましたし、また石炭手当寒冷地手当につきましては、政府関係方面も、まだ十分になれていなかつたような状態で、日を過したと記憶いたしておるのであります。こういうとつさの場合におきましては、実態に沿うように、やはり法の運用考えて行つたらいいじやないかというので、閣議決定いたしましてやつたのであります。もちろん理想的には法律を制定し、予算にはつきり組むことが望ましいのでありますが、そういう客観情勢のもとにおきましては、通用として出し、また予算上の措置既定予算範囲内におきまして、また財政法の規定によりまして流用することも、これまたやむを得ないのではないかと考えたのであります。
  9. 三宅則義

    三宅(則)委員 今の大蔵大臣の御説明によりまして、大体その当時の情勢はわかつたのであります。大蔵大臣はあくまでも運用として実施したのだから適法であるということを、強く主張せられておるようでありますが、やはり遺憾であるけれどもやむなくやつたというふうに了解してよろしゆうございますか。
  10. 池田勇人

    池田国務大臣 私は、法の運用として違法ではないと思つております。これは望ましいことではざざいませんが、やむを得ないことであると思うのであります。その後におきましては、われわれはもちろん法律を制定し、予算に組んでやつておるのでありますが、当時はこの程度のものは法の運用としてできたという考えを持つておるのであります。繰返して申し上げますが、これがよいという意味ではございません。不当であるとも私は考えておりません。
  11. 菅家喜六

    菅家委員長 何か他に質疑はありませんか。  次に法務総裁が御出席されましたので、一昨日審議いたしました法務府所管批難事項三八ないし五九に関して、この際法務総裁意見を聽取いたしたいと思います。大橋法務総裁
  12. 大橋武夫

    大橋国務大臣 法務府所管昭和二十三年度決算に関しまして、会計検査院検査報告にあげられました批難事項につきましては、一昨日政府委員岡原経理部長から御説明申し上げた通りでありますが、当法務府管下にかような会計経理上の非違を生じましたことはまことに遺憾に存じておる次第であります。ことに職員犯罪によりまして、国に損害を與えた案件が相当多数に上つておりますることは、私の遺憾にたえないところであります。この種の事犯の発生原因につきましては、いろいろな理由を御説明いたしておるのでございますが、これらの点につきましては、それぞれ対策を樹立いたしまして、爾後会同、講習会その他あらゆる機会に、これが防止について研究し、指示し、指導を行つておる次第であります。また万一事件が発生いたしました節は、当該責任者に対しまして嚴重な譴責を加えまするとともに、監督責任者に対しましては、行政上の処分を加えております。詳細は印刷物として御配付申し上げた通りでございます。  次に、登録税賦課当を得ないもの、あるいは作業賃金等收納を遅延いたしておりまするもの等が、昨年に引続き批難されておりまするが、これまた当法務府といたしましては、あらゆる機会に、かようなものの今後起らぬよう、そういう趣旨の徹底をはかりつつあるのでありまして、漸次改善を見ているものと思つております。  その他の各種会計法規違反につきましても、これを機会種々改善をはかり、せつかくの国民の血税が、浪費されることなく、また国会で認められましたる予算趣旨に合致して使用されまするよう、一層監督指導を強化いたしたいと存じております。どうぞこの点御了承をお願いいたします。
  13. 菅家喜六

    菅家委員長 これに対して、会計検査院側に何か御意見があれば、この際お伺いいたしたいと思います。
  14. 下岡忠一

    下岡会計検査院検査官 別にございません。
  15. 菅家喜六

    菅家委員長 ただいまの件に対して、何か質疑があればこれを許します。
  16. 三宅則義

    三宅(則)委員 今大橋総裁からお話がありましたが、工事の施工につき当を得なかつたものというような事柄は、いやしくも法律を中心に考えておりまする法務府等におきましては、今後ないように監督をしていただきたいと思うのであります。もちろん改正をする直前直後でありましたので、多少手続上の齟齬もあつたと思いますが、いやしくも法務府といたしましては、その改善については最も適法にやつてもらうことが望ましいのでありまして、特に後段で仰せになりました司法事務局、いわゆる登記所等におきまして、印紙の流用等がありましたが、ああいうことは、末端の官庁とは申しながら、非常に遺憾に感ずるのであります。これに対して総裁は、下の方の監督に全力を盡されることと思いますが、もう少し末端に浸透するように、監督嚴重にやつていただきたいと思うのであります。これに対して総裁の御意見を承りたい。
  17. 大橋武夫

    大橋国務大臣 ただいま三宅君のお述べになりました点は、一々まことにごもつともと存じまして、その線に沿うて善処させていただきたいと存じます。
  18. 菅家喜六

    菅家委員長 次に、国家地方警察関係批難事項、十三号以下に、不急物品購入に関する件、地方警察費国庫負担金交付超過に関する件、寄付により警察費予算外経理したる件等について指摘されておるのでありますが、この際国警長官責任ある説明を求めます。斎藤国警本部長官
  19. 斎藤昇

    斎藤政府委員 会計検査院から注意を受けました、ただいまの委員長からの仰せの件につきましては、国警本部におきましても詳細に取調べをいたしたのでありますが、不急の品物を購入しました件につきまして、これらは当時統制物資でありましたために、必要に応じまして所要の数量を確保するということが、きわめて困難な状態でありましたことと、製品の配給時期や、非常災害等に備えまして、相当数の在庫が必要であるというような事柄が痛感されましたので、購入いたしたものでありますが、七月の物価改訂のために当初計画をいたしました予算不足を来しまして、流用するのやむを得ない事情に立ち至りましたことは、まことに遺憾な次第であります。将来かようなことのないように、十分に注意をいたしたいと存じております。  次の、経費年度区分をみだしました件につきましては、これはいずれも年度内に完成あるいは完納を確信して準備を進めたのでありますけれども、資材の入手が遅れましたのと、その他諸般の事情からいたしまして、工事の竣工あるいは被服類等の納入に意外の齟齬を来しまして、御指摘のような結果となつたことは、非常に遺憾にたえない次第であります。この点につきましても、将来かようなことのないように、十分注意をいたしたいと考えております。  次は、地方警察費国庫負担金交付にあたりまして処置に当を得なかつたという問題でありますが、これは警察法並びに地方財政法公布等によりまして、従来都道府県知事責任において行われておりました事務が、新しく都道府県警察隊長事務となりましたので、その間組織機構等に、御承知通り一大変革がございました。このために、その処理方法におきまして、円滑を欠きましたことは事実でありまして御指摘通り国庫負担交付超過なつた次第であります。従いまして、精算期間中に十分な調査を行いまして、超過分につきましては、国庫に返納させるような処置をいたしておる次第であります。  次は、寄付によりまして警察費予算外経理をしたという問題でございますが、予算を越えまして寄付によつて庁舎の修繕その他を行いましたことは、妥当でないという御指摘につきましては、検査報告通りでありますが、警察制度改正がきわめて短時日の間に行われましたので、国警の初年度の予算は、当時の地方費予算一つを基準としてつくり出されまして、今まで長年にわたつておりまする慣習により、地方費以外の費用でまかなわれて来ましたものにつきましては、その実体が当時判明いたしておりませなかつた関係から、これらを考慮外に置きまして予算編成が行われましたために、予算が非常にきゆうくつでありました関係から、従前のように寄付受納のやむない事態に立ち至つた次第であります。しかしながら、地方財政の確立しました七月まで、従来の例によつて行われて来たのでありまして、この寄附金等は主としてそれまでの分であります。七月以降の分につきましては、たまたま手持ちの財源から関係経費支出が行われた次第であります。国警府県本部といたしましても、当時国警としての将来の見通しが判明しなかつた関係から、警察の業務の特殊性から来ますいろいろな将来のことをおもんばかりまして、府県当局連絡をいたしまして、警察後援会等組織いたしまして、地方費支出してもらつて、その財源とした事例が生じたわけであります。その後、次第にそういつた公式の予算以外に、今まで受けておりました寄付の額というようなものも判明いたしまして、これを逐次予算化をいたして参りますと同時に、寄付受納は、いろいろ弊害を伴う次第もありますので、嚴重に抑制いたすように注意いたしておるような次第であります。二十三年度の事項につきましてはまことに遺憾にたえない次第であります。
  20. 菅家喜六

    菅家委員長 本件に関しまして会計検査院当局意見を求めます。
  21. 下岡忠一

    下岡会計検査院検査官 検査報告でごらんの通りで、特に申し上げることはございません。
  22. 菅家喜六

    菅家委員長 本件に関して質疑はございませんか。
  23. 三宅則義

    三宅(則)委員 ただいま齋藤国警本部長官から御説明がありましたが、幸い法務総裁齋藤長官がおられますから、一応お耳に入れたいと思うのであります。いろいろなことがありますが、特に地方におきましては、警察寄付の、半ば強要というようなことがあるのでありまして、はなはだおもしろくないのであります。私ども考えますと、国家警察といたしましては、特に予算上に現われた範囲内において運行してもらうのがよろしゆうございますけれども、この報告書にありました通り、四千何百万円というような多額なる受入れをいたしておるわけでありまして、そのうち三千六百万円の支出をいたしたものであります。この中には、御承知通り交際費の一部分がありましたり、自動車の購入費があつたり、会議費の一部分とか、あるいは接待費の一部分とか、種々万般に使われておるように考えるのであります。こういうようなことがありますと、かえつて地方のボスその他に左右せられることがありまして、穏健にして確実なる捜査とか、あるいは指導ということができない、かように考えますから、今後は絶対にしないという気持をもつて、下々の官僚諸君監督せられたい、かように思うのであります。国といたしましても、むだな経費を使いたくない、まな民衆にも負担をかけたくない、こういうのが一般空気でありますから、よく国会空気を反映せられまして、官僚各位監督するには、最も穏健にして妥当なる予算的措置を講じた後においてやるという方向を示されたい、かように思いますが、法務総裁並びに長官から覚悟のほどを承りたい、かように思うのであります。
  24. 大橋武夫

    大橋国務大臣 ただいま三宅君のお述べになりましたことにつきましては、私どもといたしましても、その趣旨はまつた同感でございます。今後必要なる費用は国の予算によつて経理をする、こういうふうにいたしたい。またそういうふうに予算増額をいたし、かつまたこれが経理にあたりましても、それ以外に冗費を要求するというごときことのないように、今後できるだけこの線に沿うて指導して参りたいと考えます。
  25. 斎藤昇

    斎藤政府委員 私どもといたしましては、ただいま三宅委員のおつしやつた事柄につきましては、全面的に同感でございます。前々からさような趣意で監督をいたしておつたわけでありますが、先ほど申し上げましたように、予算関係等、いろいろな事情から、ことに二十三年度にはさような特殊の事情もありまして、不始末な次第で、まことに申訳ないと考えておるのであります。今後はさらに一層この方針を嚴重に堅持いたしまして、予算の適当な増加をお願いいたしますと同時に、不要の寄付を受ける、ことにまた御指摘いたされましたような、警察の執行に悪影響を受けることのないように、寄付金の抑制につきましては、最善の努力をいたしたいと思います。
  26. 三宅則義

    三宅(則)委員 今総裁並びに長官お話がありまして、大体了承いたしましたが、もう一つ関連いたしまして質問したいと思います。地方へ参りますと、自治警察がありますが、自治警察はまことに困る、ことに寄付の対象になるおそれがあるから、この際国警に合流してもらいたいというような意見もあるのです。これに対しまして、総裁なり、長官なりの御意見がありましたら、参考に承りたい、かように思います。
  27. 大橋武夫

    大橋国務大臣 ただいま三宅君の御指摘になりました点は、主として小さい町村等自治警察の場合におきまして、さような点が多かろうと存ずるのでございます。政府といたしましては、警察制度の全面的な改正につきまして目下研究を進めておるのでございまするが、この小さな自治警察というものは、人員の能率的な活用という面から申しましても、きわめて不経済な点もありまするし、また現在能率においても、きわめて不十分であるという点もありまするし、また地元民の負担としても、相当大きな問題になつておりまするので、それらの点から考えまして、警察法改正の際におきまして、これらを何とか処置すべきものであるという考えのもとに、ただいま愼重に研究をいたしておる次第でございます。でき得る限り弱小自治警察というものは、これを国警に移管して行くというような方向に進めたい、かように存じておりますが、いまだ具体的な方策につきまして、結論を得るまでには至つておりません。
  28. 斎藤昇

    斎藤政府委員 ただいま大橋法務総裁のお答えになりました通りでありまして、私からつけ加える点はございません。御趣旨のような点も考えまして、政府と一体になつて研究立案をいたしたいと思つております。
  29. 三宅則義

    三宅(則)委員 今総裁の話によりまして、大体了承したわけでありますが、どうか末端のいわゆる弱小自治警察につきましては、予算上におきまして非常に負担が過重になる、また能率が悪いということになつておりますから、一刻もすみやかに政府におきましても善処せられまして、早く国会に提出せられるように要望いたしたい、かように考えます。
  30. 菅家喜六

    菅家委員長 次に、検査報告書五十ページ、大蔵省所管一般会計歳入批難番号六〇ないし二三五、取扱の過誤に因り租税徴收過不足をきたしたもの——事項に関し、当局より一括して説明を求めます。
  31. 小川潤一

    小川政府委員 実は税の方は忠課長がやつておるのですが、今ちよつとおられませんけれども、一昨日、忠課長とこの問題について話しましたら、検査院の御指摘通りで、これは全部御指摘通り徴收漏れのものは徴收し、後刻納めるようにしなければならない。説明書に申し上げております通りに、着々実行いたしておるというお話でございますので、簡單ではございますが、私かわつて説明いたした次第であります。
  32. 菅家喜六

    菅家委員長 本事項に関する検査院側意見を求めます。
  33. 小林義男

    小林会計検査院説明員 六〇号からの租税関係について御説明申し上げます。昭和二十三年度におきまする一般会計決算額のうち、租税收入は、三千四百億円、財産税等收入金特別会計のうち租税は七十八億円ということになつております。そのうち五十ページ以下に示してありますところの事案でございますが——既往年度分昭和二十四年度分も入つておるのでありますが、それを合せまして徴收不足を来したものが六千三百万円、徴收過となりましたものが十万円、それから源泉徴收所得の未拂込みに関して、徴收当を得ないというものが二億四千百万円、それから税務署員によつて租税その他の歳入金を横領されたものが七件、六百余万円、これらの計が三億五千百万円ということになつております。この犯罪の分を除きましては、いずれも会計検査院注意によりまして、爾後において是正済みとなつております。  なおそのほか会計検査院検査の結果是正させたもので、徴收過不足一件五万円未満のもの——今までは五万円以上のものでしたが、五万円未満のものについて申しますと、徴收過であつて滞納中のまま是正させたものも相当多額に上つております。徴收不足を来したものは、いずれも所得調査または資料整備の不十分、法規の適用上の過誤等によるものでございまして、その件数、金額は前年度の検査報告記載の分に比して著しく増加いたしております。  個々の案件についての説明は複雑になりますので省略いたしたいと思いますが、こういう結果になつたのは、要するに各税間の連絡調査税務署間の資料通報各種課税資料活用等について、なお改善の余地があると考えられる次第でございます。  以上御報告申し上げます。
  34. 菅家喜六

    菅家委員長 本事項に対して質疑を許します。
  35. 三宅則義

    三宅(則)委員 ただいま議題となつておりまする大蔵省関係歳入に関しまする過不足徴收ができなかつたものという点につきましては、先ほど大蔵省小川会計課長からごもつともであるというふうに御答弁があつたわけでありまするが、私はこういうことをひとつお伺いいたしたいと思うのであります。税制の專門家の政府委員が来ていませんから、小川課長に代理で聞いていただくことになるのですが、二十三年度もしくは二十二年度というような年は、終戰直後の年でありまして、非常に人心も安定いたしておりません。また市中におきましても、やみというものが盛んに行われておりました。またはなはだ失礼な話でありまするが、税務官吏も非常に年齢がお若く、経験年数もきわめて、短かく、たとえば二十二、三歳の青年であつて経験も二年か二年弱という者が中心になつてきめたことでありまするから、場合によりますと、所得税等におきましては、これは税務官吏の方がむしろ能力が足らなくて、実情を把握しないで高くきめて来たような場合も、中にはあるかと思うのであります。こういう点については、ひとつ税制を取扱つておりまする主税局の方の責任者が来て、こういう点は実はこういう事情つたということを、この委員会に報告せられたいと思うのです。私どもは、大蔵委員会で常にそういうことを聞いて承知しておりまするが、他の委員諸公は、直接政府当局からその弁明なり、あるいは実情なりをお聞きにならぬ方もあるかと思いまするから、こういう場合にはぜひ来て実情を委員に知らせて、国のあり方、過去の実績等は十分に披瀝せられるべきものと思う。遺憾ながら会計課長でありまするから、的をはずれたようで、はなはだ自分も不満足でありますが、これについては、政府といたしましてどういう考えを持つてこれを処理しつつあるか、今後処理せられるか。私の承るところによりますと、過年度分でありまするから、二十三年度に限つたわけでございませんが、一千数百億というような滞納があるということを聞いておるわけでありますが、こういうものは一体どういうような気持で処分しておるか、大蔵省の心構えを聞いておくことは、議員としてきわめて適切妥当な質問であると思うのであります。これに対する政府委員の答弁を承りたい。
  36. 小川潤一

    小川政府委員 ただいまの三宅先生のお話はさつそく主税局へ取次ぎまして、御説明申し上げるように措置いたします。なおただいま主税局の直接担当者を呼びに行つておりますので、はなはだ遅れまして申訳ありまんが、後ほど今の御質問に対する御回答を申し上げたいと思います。
  37. 菅家喜六

    菅家委員長 報告書六十三ページ、批難番号二三六ないし二七四、源泉徴收所得税等の未拂込に対する徴收処置当を得ないもの——事項に関し、当局から一括して説明を求めます。  説明政府委員が来ておりませんから、これはあとまわしにいたします。次も同じですか。
  38. 小川潤一

    小川政府委員 税の次には国有財産もありますが、大体決算の一応の所管は、会計課長大蔵省の分に関してはやつておりますので、前もつて管財局とも連絡いたしておりますので、もし国有財産の方で私でようございましたら進行していただきたいと思います。
  39. 菅家喜六

    菅家委員長 委員会の進行のことは、理事会で決定して、それぞれ委員部から当局に通達してあるのですから、それまでに来てもらわなければ、委員会の進行は、あなたの方でかつてにこれを先にやつてくれと言われても、委員会としては進行上困ります。  ではちよつと速記をとめて。     〔速記中止〕
  40. 菅家喜六

    菅家委員長 この際委員諸君に御協議申し上げますが、先ほど申し上げました通り、本委員会の議事の進行、運営に関しては、理事会において決定をいたしまして、大体審議方針をきめて、各省にそれぞれの通達をいたしておいたのであります。今日は大蔵省関係一般会計租税、歳出、国有財産等に関する審議をするということでありましたが、大蔵当局責任あるそれぞれの説明員が、本委員会に出席をいたしておりません。これ以上今日審議を進めることができないのでありまして、この委員会は、本日はこれにて散会をいたしたいと思いますが、そこで、大蔵当局に対しまして、国会法、議事規則等の示すところにより、本委員会から議長を通じて強く要求をいたしたいと思うのであります。何かそれに対して御意見があれば、御意見を承りたい。
  41. 三宅則義

    三宅(則)委員 ただいま委員長の言われました事柄は一々もつともです。われわれ国会議員といたしましては、いかにしてこれを監督し、もしくは監督いたしまして、二十三年度決算報告に対しまする結末をつけるかというその熱意に燃えてやつておるのでありまして、この前の理事会において、大体の根本方針はきめて日程等も通知してあるわけであります。なお委員部等も督励いたしまして、事務的にも折衝せられまして、こういう点については、大臣、次官が忙しいときには、これにかわりまする局長、これが中心になつて答弁するということは当然のことであります。つきましては、合後決算委員会というものは、予算委員会と同様に、国の財政経済の締めくくりをいたすところであります。私経済、特に会社等におきましては、決算が第一に任ぜられておるのであります。たまたま国会になりますと、ややともいたしますると、これを軽視するおそれがありまするが、私どもは承服しかねるところでありまして、決算というものは、予算と対照いたしましてきわめて重要なものでありまするから、各大臣も都合をつけ合せまして御出席願うことはもちろんのこと、政府当局といたしましては、責任ある地位にありますところの局長等が中心に出席せられることを、特に強く要望いたします。そういう方の出席がないときには決議をしない、あるいは審議を進めない、こういうことをひとつ委員長からも嚴重に、議長を通じまして当局に申し入れられんことを、特に懇望する次第であります。
  42. 菅家喜六

    菅家委員長 ただいま三宅委員より御発言もありましたので、これは国会法と衆議院規則に基いて、正式に議長を通じて、それぞれの処置をとることにいたします。
  43. 田中角榮

    田中(角)委員 私は決算の問題に対しては、過去二、三年関係をしておるのでありますが、最も根本的な問題として、決算を憲法上の疑義ありという人もありますが、私は新憲法の建前上、当然これを議決案件として衆参国会に提出すべきものであるというくらいに強い信念を持つておるのであります。申すまでもなく主権在民という現在であつて決算の最終確定は国会においてなさるべきである。もちろん講和会議が行われ、われわれの自主独立が許された場合、当然そのような結果になることは火を見るよりも明かであります。その意味におきまして、かつての帝国議会当時の決算委員会は、私が言うまでもなく、予算委員会に対立する決算委員会として最も重要視せられた委員会でもあり、かつ当時の政府攻撃という、まつたくはなばなしい委員会であつたのであります。しかるに現在の状態といたしましては、当時の決算の状況と違いまして、終戰後非常に複雑なる会計の状態下でありますので、決算も自然厖大になり、特に特殊な案件を含んでおりますので、昭和二十一年度、二十二年度、二十三年度、三箇年間を通じて、国有財産の認定ができないというような厖大なる国費の支出も現在あるのであります。そのような状態にある決算委員会としましては、本委員会の重要性を、われわれ自身も十分認識いたし、特に国の支出の適正を期するために必要なる事項があつた場合、必要なる事項と認めた場合、もしくはこれを調査することにおいて、将来かかる過誤を再び繰返さないようにしようと考えるならば、適宜適切に当時の事情を本委員会において十分調査する必要があると考えるのであります。いわゆるこれだけ厖大なものを短時日において、しかも経済的に非常に大きなずれのある現在において、三年昔、二年昔を顧みて、あらゆるものを十分に審議し盡すということは、むずかしいのでありまするが、少くとも国の決算を行うという立場から、将来の戒めとなし、再びかかる過誤を繰返さないということを、本委員会の責任において国民の前に明らかにするためにも、かかる処置をとらるることが妥当であると考えまするので、当委員会としても理事会を開かれて十分研究をせられて、決算委員会の業績をはえあらしめるように処置を願いたいと思います。
  44. 菅家喜六

    菅家委員長 ただいまの田中委員の御発言ごもつともでございまして、委員長において適当に御趣意に沿うようにいたしたいと思います。  本日はこれにて散会いたします。     午後二時三十五分散会