○
岡原政府委員 簡單に御
説明申し上げます。
最初の三八でございますが、そのうち第一の
松山地方法務局の
登録税の
賦課当を得ないという点でございます。
本件の
対象物件は、元
敷島紡績株式会社の
施設が、
海軍に買上げになりまして、
終戰後戰時
補償特別措置法に基きまして、元の
使用者に返されることにな
つたのでございます。ところが
海軍省に買收される当時の四百九十万余りの
買收金は、
特別預金として一時たな上げされておりましたが、そのまま
戰時補償特別税として全額徴收されましたので、結局
会社には
売却代金は一銭も入らないという結果にな
つた次第でございます。しかるにこの
会社にもどしました当時の
会社の
状態を見ますと、
ちようど戰争のごたごたの際に直面いたしましたために、たいへん所内が荒れておりまして、非常に甚大な損害を受けてお
つたのでございます。これを
金額に見積りましても、実に復旧には巨額の
修復費を必要とするというような
荒廃ぶりであ
つたのでございます。さような状況でありましたので、何とか
登録税の減免の
規定がないものかと、
大蔵省当局に懇請をして直接交渉せしめましたところ、
現地の
大蔵当局も、こういう場合に免税の
規定がないのは、法文の
不備ではあるけれ
ども、何ともしようがないということでありましたので、
松山地方法務局の
宇和島支局においても、
松山財務局の
宇和島支所の
財産台帳登録価額の百七十万七千八十七円という点、並びに
登記嘱託及び譲渡の
契約書の
金額をそのまま一応認めまして、これを適当な額として課税した次第でございます。この点につきましては、
現地におきましては、ほかによりどころがないので、かような
方法によ
つたということを申しておりますので、一応うなずけるのでございますが、まああるいは再評価をすれば、また何とかな
つたものじやないかというふうに、これはあとからの話であ
つたのでございますが、遺憾の点がないでもございませんが、さような次第でございます。
次は三九と四〇をまとめて申し上げますが、
最初は
府中刑務所の
收納遅延のものでございます。御
承知の
通り、
刑務所の作業によります
收益は、
金額としては年間十数億という程度でございますけれ
ども、
国家財政に一部寄與しおるという面から、われわれは常にやかましいほどこの
收納の
促進方について言
つておるのでございます。しかるに
刑務所におきましても、種々手不足、あるいはその他の
事情によりまして、なかなか思うように行かない。結局
本件につきましても、あるいは
職員が直接出向き、あるいは呼び出して催促する等、重ねがさねの
措置をと
つたそうでありますが、
一般経済界の不振並びに
金融逼迫等に災いされまして、
回收意のごとくならず、いついかようなことにな
つた次第でございます。もつとも、これは今日におきましては全部
收納済みで解決しております。
その次は、
高知刑務所の
関係でございます。これは
高知市外の大津村というところの風害及び
津波防止のための
堤防工事でございます。
刑務所におきましては、囚人の
出役によりまして過剩拘禁を緩和し、同時に
堤防をしつかりでかすことによりまして、
農業生産の復興という大きな
目的に寄與するために、村の方並びに県の方のあつせんもありまして、協力
出役したものでございます。ところが実際問題といたしまして、
工事をや
つて参りましたところが、村の
財政関係並びにちよつとしたごたごたがありまして、結局村の方から十分な金が入らず、
保証金も結局何にもならないというふうな
事情に立ち至
つたのでございます。ところがその
工事たるや、先ほ
ども申した
通り、国家的に非常に重要でございますので、ここでやめますと、今までや
つた工事が全部むだになる。で、
刑務所といたしましては、涙をのんでその
工事が一応完成に至るまで損得を度外視する
——度外視するというと少し語弊がございますけれ
ども、一応の形をつけるまで進行をするというのでや
つておりまして、結局このような結果にな
つたのでございます。その後その点につきましては、
法務府の担当の
主計の方からも、あるいは
総務の方からも
地元に出かけまして、いろいろ県、村その他と交渉いたしました結果、先般和解ができまして、少しずつでございますが
收納することに
なつております。しかしまだ百万円ほど残
つておるようでございまして、たいへん遺憾に存ずる次第でございます。
次は四一ないし四七を一括して申し上げます。
法務府所管の
会計職員は、実は
法務府は、御
承知の
通り最初司法省から
裁判所が分離し、
司法省の中でも新しい部局を加えまして
法務庁、次いで
法務府と
機構が急速に改革になりました
関係上、また
現地の実際の
会計を担当する
職員といたしましても、従来の
検察庁職員というものが、
裁判所から分離して初めて
会計を握るというふうな
事態も生じ
——御
承知の
通り少年院が急速にふえまして、あるいは
保護観察所とか、あるいは
鑑別所とい
つたふうな、いろいろな
地方官庁もできまして、そつちこつち有能な
会計職員を配置いたしました
関係上、たいへんそれ自体が弱くな
つたのでございます。その弱いところにつけ込みまして、私の部の方としては常に
会計監査というものについて
相当目を見
張つて、絶えず出張もし、
講習、
会同もいたしておるのでありますが、
何分にもそういうふうな
事情がありましたために、
検査院から御
指摘のような、たいへん困
つた事態を頻発した次第でございます。これは
昭和二十四
年度におきましても続いておりますので、私
ども心痛にたえない次第でございます。何とかして素質の改善に
努力を拂いたいと思いまして、
目下会計職員の
講習あるいは
会同等におきまして、機会あるごとに
犯罪防止の
具体的方法について、あるいは協議し、あるいは指示いたしまして、今後はなるべくこういう
事態の起らぬように
努力をいたしておる次第でございます。かような
事件が頻発いたしましたので、その
所属長官等は、それぞれ軽重に応じまして行政上の
処分もいたしましたし、本人に対してはもちろん刑事上の
処分を加えてございます。なおそれらの実際の賠償の完全に
行つた、あるいは行かない等の
一覧表を別につく
つてございますので、当
委員会に後日差上げることにいたします。
次は四八、
予算の
使用当を得ないもの
——これは実は
法務府におきましては、一昨年の暮でございますが、
解散団体財産売却理事会の新設を見まして、全然新しいなれない仕事に突入したのでございます。これが
予備費支出で始ま
つたのでございますが、当時の
会計課というのが
経理部になりまして、
機構の大改革をいたしたのでございます。
従つて人員の
配置等も、それに伴いましてたいへん異動がございましたので、その間実は帳簿の
やりとりとか、
事務の
やりとりにたいへん
連絡不行届きの点がございまして、
予備費であるにかかわらず、
目的外の
目的に流用したということにな
つたのでございます。たいへんうかつな話でございますが、
会計検査院から御
指摘のあるまで気がつかなか
つた。これは悪意のなか
つたということになりましようか、あるいはあまりルーズ過ぎたということになりましようか、とにかく深くおわびをいたす次第でございます。但し変なものは買
つておりません、みな有用には使
つております。
それから四九の
工事費の
部分拂に当り、
処置当を得ないもの
——これは
岩国少年刑務所柳井支所の新営
工事に関するものでありますが、これは大体において
昭和二十三
年度末におきまして、
工事のでき高と、それから
工事場に搬入した
材料の
金額と両方合算いたしまして、それを
部分拂いいだしたような次第でございます。実はこの点につきましては、若干
会計検査院の方と
意見を異にしておるのでございます。
会計検査院の方では現に建物が組み立てられてあるものでなければいかぬという御
意見でありました。そういうことになりますと、大体
会計検査院の御
指摘の
通りになります。しかし私
どもの方といたしましては、当時
ちようど金融の逼迫してお
つたころでございましたので、ともかく業者の方から誠実に
工事の現場まで
材料を全部運んであるのだから、これをいまさら持ち出しもしないから、これを評価してひとつ金を拂
つてくれという切なる懇望がありました。それをいたしませんと、次の
工事がどんどんと進んで行けないというふうなことがございましたので、そういうふうな見解のもとに
部分拂いをいたした次第でございます。
五〇ないし五二でございますが、これは本来
年度繰越しの
手続を正式にいたして、そうして次
年度に繰越した分は二十四
年度に支拂わなければいかぬということは、ごもつともでありまして、御
指摘の
通りでございます。ただ
事情といたしましては、当時資金繰りの
関係とか、あるいは
工事の進行状況等を十分に検討いたしました結果、どうしてもこれをこの場でぷつつりと打切
つて、次の
予算の正式
配賦の翌年七、八月まで待たせるということになますと、その間
工事がおのずからとだえてしまうというふうな懸念がございましたので、大体
現地におきまして間違いがないと見たものを、繰越しの
手続をせずにや
つたものでございます。これは監督者である私
どもといたしましても、たいへん遺憾に存じておる次第でございます。実際問題として、瀬戸と宇都宮の栃木は、六月に完成いたしました。多摩少年院の分は、茨城農芸学院でございますが、七月にはそれぞれ完成して実害はなく
行つております。
次は五三でございます。これは大体において、先ほど「
職員の犯罪に因り国に損害を與えたもの」という、四一ないし四七について御
説明申し上げたのと、ま
つたく同様でありまして、
本件もなるべく実損を少くするために、数回にわたり
嚴重に督促を加えたのでありますけれ
ども、本人が無資力のために、この損害がそのまま残
つたということに相な
つた次第でございまして、たいへん申訳ないと思
つております。
次は五四ないし五八の收入印紙の
関係でございます。このうち御
指摘の五四、東京司法
事務局日本橋出張所、五五、本所出張所、五六、中野出張所、この三件は、それぞれ関連して発覚した犯罪でございますが、実はこの種の犯罪形態は、大分古くからあ
つたのでございまして、
司法省当時からこの種の犯罪の防止につきましては、絶えずいろいろなくふうを凝らしてお
つたのでございます。
何分にも司法
事務局の末端に相なりますと
——これは都内でございますので、あるいは末端とは言い得ないかもしれませんが、
事務面といたしますと末端になるのでございます。
——本局の監督がどうしても不行届きになるということがございますので、つい二十三年二月から二十四年三月までというふうな、一年にも及ぶ犯罪を未然に防止し得なか
つたという結果に立ち至
つたのでございます。最近この種事犯の防止のために、印紙を消します消印機を新たにくふういたしまして、何年何月何日消印いたしますと
——三つの輪をぐるぐる、回転率を違えて押して行く。
従つて同じような穴が絶対に二度あかない、こういう機械を今つく
つております。これをつくりますと、今後はこういう犯罪を防止するのにたいへん役立つのではないかというふうに考えております。従来でございますと、ポンと穴をあけます。その穴のあいたものと同じ種類の印紙をもう
一つ持
つて来まして、同じ箇所に穴をあけて二枚の印紙を重ねる。それをうまくのりづけすると一枚のものに復元する、こういうふうな
方法だ
つたのが多いのでございます。そういうのがなくな
つたわけであります。いろいろくふうはいたしております。
なおこれらの
責任者、直接の犯罪者につきましては、もちろん刑事訴追中でございます。また監督
責任者につきましては、それぞれ行政上の
処分をしてございます。なお検察庁において捜査いたして、なおかつ若干わからない面があ
つたのでありますが、これも極力捜査中でございます。
その次の五七及び五八も、
金額は先ほどよりは落ちますけれ
ども、似たような犯罪でございます。右の外云々、疑いのあるもの約二百万円という御
指摘でございますが、これも先ほど申した
通りでございます。事実判明次第、刑事責任並びに行政責任を追究する考えでおります。
五九の国有
財産使用料の徴收
決定をしていないもの
——これは先ほど申し上げました
解散団体財産売却理事会において
所管いたしております解散団体、国に帰属しました解散団体の
財産でありますところの、元大阪府の産業
報告会の支部の建物を、使用料を徴收せずに貸してお
つたという件でございます。この点につきましては、
調査をいたしましたところが、
地元のCPC
——これは御
承知の
通り、民間
財産管理局とかいう役所でございまして、その方におきまして当分この使用料の徴收についての
決定を見合せておけという指令があ
つたのだそうでございます。ところが、さらによく調べてみますと、その指令は大阪の八尾一箇所の支部についての指令だ
つたそうでありますけれ
ども、大阪の
理事会関係の出先の機関におきましては、同じような指令がほかにも同時に来たものと
——あの当時CPCの勢いが非常に強く
理事会にも反映しておりましたので、そういうふうに理解いたしまして、ほかの十二支部につきましても使用料の徴收
決定をしていなか
つたのだそうでございます。その後二十四年の七月、CPCからあれは使用料をと
つてもよろしいという指令が参りまして、爾後遡及して徴收するという運びにな
つたのであります。結局実損はなきに帰したのでございますけれ
ども、さような
事情があ
つたのでございます。