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1950-04-28 第7回国会 参議院 厚生委員会 第35号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年四月二十八日(金曜日)   —————————————   本日の会議に付した事件生活保護法案内閣提出・衆議院送  付) ○兒童福祉法の一部を改正する法立案  (内閣提出衆議院送付)   —————————————    午前十時三十六分開会
  2. 山下義信

    委員長山下義信君) これより開会いたします。  生活保護法の審議を続行いたします。
  3. 谷口弥三郎

    谷口弥三郎君 この生活保護法医療扶助の問題でございますが、これによりますというと、国民健康保險のあるところは国民健康保險を利用させよう。そうして若しないような場合には健康保險を利用するというようなことが出ておりますが、実際におきまして国民健康保險は御承知のようにないところも沢山ございますし、それからありましてもその治療の方法が非常に違いまして、或る場合には国民健康保險組合自身がいろいろまちまちな状況になつておりますので、これはどうしても健康保險によるべきものである。健康保險ならば国家がおやりになつているので全国同一ですからして、これが最もいいのであつて、何のために国民健康保險をここに利用するというようなことをお出しになつておるかがちよつと分りにくいのですが、その点について一つ説明を願いたいと思います。
  4. 木村忠二郎

    政府委員木村忠二郎君) 一般健康保險は、これは雇用労働者の一部に対する医療保險でございまして、国民一般に通じますところの医療保險国民健康保險の方が建前に相成つておるのであります。従いまして厚生省といたしましてはやはり国民健康保險の方を本筋といやしまして、健康保險は従たる立場に立つということにいたさなければならんじやないかというふうに考えております。実際の実情から考えますると、現在の国民健康保險実施いたしておりまするところも全国全部にいつておるわけではございませんし、又国民健康保險自身市町村運営いたしておる関係から、市町村当局熱意とか或いはその土地経済状態とかいうことによりまして、それの非常によく行われてないところもあるということも御指摘のように国民健康保險そのものにつきましては非常にでこぼこがあるということも御指摘通りであります。從いましてそれらの実情から考えますれば御指摘のように考えられないこともないというふうに考えておりますが、制度建前から申しますと、先程申し上げましたように国民健康保險の方はその土地におります住民全般対象にいたしておる。健康保險の方はそのうちの雇用労務者という全体の数からいたしますと、僅かな部分に相当するものを対象としておるというような関係から、生活保護法として考えます場合におきましては、やはり国民全般、そこの土地住民全般対象といたしておる、そのものを先ず取上げてやるのが至当ではないかと考えております。ただ御指摘通り国民健康保險の方は、そういうでこぼこもございまするので、実際の運営といたしましては、勿論国民健康保險医の方で健全に運営されております場合にはこれによる、併しそれが財政上に非常に支障がありまして、その財政的の面から保險給付に対して制限を加えるといつたような面につきましては、これを最低量を確保するという面からいたしまして適当でありませんので、第二項を活用いたしまして厚生大臣におきまして必要なる指示をするということにいたしました方によらせる、大体健康保險の線によらせることになると思います。併しながら実際問題といたしましては健康保險の線にできるだけ合せて貰うようにいたしたいと思つております。特に現在いたしておりますところの医療内容を低下させるというようなことは絶対いたさないようにするつもりであります。ただ法制の建前といたしましては、先程も申しましたような理由によりまして、これは厚生省として考えますれば、国民健康保險建前とするという以外にいたしようがないのであります。むしろ国民健康保險の方を育成いたしまして、それが妙なことにならないように努力しなければならんというふうに考えておる次第であります。
  5. 谷口弥三郎

    谷口弥三郎君 只今の御趣旨はよく分るのでございますが、ただ国民健康保險はいわゆるその地方の全体を対象としておる関係上、生活保險法の方はそれを取入れるべきものであるという趣旨は分るのでありますが、実際におきまして御承知のように次々と或いは解散、或いはいわゆる開店休業というふうな状況に次々なつてつておるわけであります。従つてそういう不安定なものよりか、無論将来社会保障制度ができるとか、或いは社会保障が完備した場合には国民健康保險を標本にしてやるべきものであるけれども、今現在の状況ではやはり健康保險の方が、そういうわけで止まるかという不安もなくなりますので非常によいと思うのでありますが、何故それをやはりお取りになることができなかつたのでありましようか。
  6. 木村忠二郎

    政府委員木村忠二郎君) 国民健康保險の中で運営のよくないものがありますること、そうして現在実際には開店休業のような状態にありますことは御指摘通りでございまして、これらにつきましてはわれわれといたしましてはやはり筋は筋で通しておきまして、国民健康保險が尽きるだけ健全に伸びて行きますことを期待いたします。その問題につきましてはこの方の担当当局におきまして十分指導いたしましてやつて行きたいというふうに考えております。やはり筋といたしましては、先程申しましたような筋でございますので、われわれといたしましては一応の筋は通じた方がよいのではなかろうか。ただ実際問題といたしましては、開店休業になつておりますどころとか、或いは特別に医療内容を惡くしておりますようなところには、われわれといたしましては第二項を是非とも活用いたしまして間違いないようにいたして御趣旨に副うようにいたしたい、かように考えております。
  7. 谷口弥三郎

    谷口弥三郎君 只今のは先に意見に旦りますから質問国民健康保險医療問題についてはその辺で打切りたいと思います。  次にもう一つお伺いいたしたいのは、これは指定の場合でございますが、医療機関指定するというのではなしに、やはり医師、薬剤師を指定するという方がいろいろの点において殊は指定医を監査指導するとかいう面になりますというと、機関ではどうも都合が惡いし、又同様に機関にいたしますと指定医師とする場合に比べて非常にやりにくいと思いますが、これはどういうわけでございますか。
  8. 木村忠二郎

    政府委員木村忠二郎君) 機関指定につきましては、これは昨日も藤森議員の御質問がございましてお答えいたした次第でございますが、機関指定するのがいいか、或いは個人医者指定するのがよいかという問題でございますが、これにつきましては健康保險の方におきましては一応医療を担当するものを指定することになつております。大体個人々の医者指定するごとに相成つております。併し医療法ができました後の運営方針といたしましてはやはり医療機関病院等であります場合は、病院を一括して指定する方が適当であるというのが医療担当の方の当局の御意見でございましてわれわれといたしましても実際に、費用を請求いたしますものは当然個々医者でなくして、そういう場合には医療担当機関が請求する場合が普通でございます。そういうような関係からいたしましてやはり医療担当機関として一本で見る方が普通ではなからうかというふうに考えております。併しながらそういう病院等におきましても、その病院におきまして個々医者が独立に指定を受けた方が適当であるという場合もないことはないと思いまして、そういう場合におきましては必要に応じまして個々医者指定することができるということにいたしたいというふうに考えております。現在の法の書き方によりますればどちらも指定ができることになつております。それに、つきましては一応原則といたしましては、やはり病院診療所というものを多数の医者がおります場合はその方を指定することにいたしまして、そうでない場合にその中におります個々医者指定するのがよいのでありまして、その中に特別に技能を持つている医者がおりましてその個々医者指定するがよいという場合も実情によつてあるだろうと思います。これについては病院指定すると同時に病院の中の特別の医者指定すみということも、あり得るのではないか。又病院の実際の実情等によりましても病院よりは個人医者指定する方がよいという場合もあるかも知れません。そういう実情に応じまして適宜やつた方がよいのではないか、かように考えております。
  9. 山下義信

    委員長山下義信君) この際私から政府に対しまして本法運用上に関するお考えを各委員の御意見等を斟酌いたしまして伺つて置きたいと思います。  第一は政府本法周知徹底につきまして一段努力をお計らいになり、国民の権利を保護し、遺漏なきを期せられるお考えがありますかどうか。  第二点は報酬の基準につきまして真に健康にして文化的なる最低生活の実に副うよう定めるように努力せられるお考えがありますか。  第三といたしまして未亡人母子遺族等のこれからの世帯に対しまして多年の要望に副うような本法運用につきまして十分に努力せられるお考えがおりますかどうか。  第四点といたしましては医療扶助につきまして診療内容が低下しないように、少くとも健康保險程度を維持するように十分御指導、御盡力せられますお考えがありますかどうか。  第五点といたしましては民生委員の多年の功績を認められ、又その長所をお認めになりまして、十分協力熱意を高めるよう適切なる指導方針を以つて臨まれるお考えがありますかどうか。  第六点といたしましては保護施設整備強化を図り、特に宗教法人経営施設一段積極化を促すよう、旦つ收容保護内容向上を図られるお考えでありますかどうか。  最後に第七点といたしましては失業者にきましては労働者と緊密に連繋をされまして、本法運用が機宜を失せざるよう留意せられるお考えがありますかどうか。  以上の諸点は場合によりましては本案附帯決議といたしたい考えであつたのでございますが、併しながら附帯決議はいたさない慣例になつておりますので、特に質疑の形式を以ちまして政府当局の責任ある御答弁をこの機会に得て置きたいと存ずるのでございます。尚討論に入りました後に或いは各党の代表者からこれらの点につきまして重ねて御意見があるかとも存じます。けれども、一応簡單に当局の御答弁を得て置きたいと存じます。
  10. 林讓治

    國務大臣林讓治君) 只今委員長お話のありました法を周知徹底することにつきましては、私共も十分に考慮いたさなければならんと考えております。それはいろいろな各地を廻りましたときに、悲惨な実情があるということを伺いました。そのときは生活保護法というものが不徹底のために、そういうような問題がきたのではなかろうかと思われる筋が多数あるものですから、この点につきましては、政府といたしましては全力を挙げまして、その生活保護法というものの存在と、決して今日においては生活保護法を受けるということは恥ずかしいと問題ではない、これは当然の、今度新しい憲法に基きまして当然のことであるとい心持を持つて、悲惨なことのないような工合に徹底をせしめたいと考えておるわけであります  その第二点の基準の引上げの問題につきましては、私共も現在におきましてこれは十分だとは考えておりません。従いまして、今後適当な方法を採つて、決してこの基準を下げるようなことはございません。次に物価その他の増嵩がございましても、現在よりも下がるということはなしに、むしろその予算その他に許しが得られる、ならば、これを向上せしめるように努めて参りたいと考えております。  それから第三の未亡人保護の問題は、従来からもできるだけ保護をしなければならんということでやつておりますが、今後ともこれにつきましては一段努力をいたしたいと考えております。  それから生活保護法に対しまするところの内容におきましても、今後におきまして決して下げるようなことはございませんので、完全な医療の治療し得られるような方向に努力いたしたいと考えております。  第五番の民生委員協力確保の問題でございますが、これは多年の民生委員の御功績は私共も十分に認めておるわけであります。今後幾らか事務的の面について民生委員性質は決してこれは失わないように、一段の御努力を願いますと共に、御協力をお願いいたしまして、生活保護法の完全を期して行きたいと考えるわけであります。  それから第六の宗教法人保護施設経営の問題につきましては、社会事業効果を挙げまするがためには、宗教の面によつての御援助を頂くということによつて全きを期するような問題が種種多いと考えますので、この点につきましては特に今後におきましても経営の上において助長いたして行きたいと考えております。尚これは宗教方面によりましては、別途又法人のようなものを組織せられまして、その方面に対してはできるわけ助長、御援助申上げるようにいたしたいと考えます。  尚七点の失業者保護の問題につきましては、昨今の実情からも考えましで、労働省等とも緊密なる打合せをいたしまして万遺漏なきを期したいと考えておるわけであります。
  11. 中平常太郎

    中平常太郎君 本員はこれを以て質疑打切つて討論に入るという動議を提出いたします。
  12. 山下義信

    委員長山下義信君) 只今中平委員の、質疑を打切りまして直ちに討論に入ることの動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 山下義信

    委員長山下義信君) 御異議ないと認めます、それではこれより質疑を打切りまして、本案討論に入ることにいたします。ちよつと申添えて置きますが、御意見のおありの方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べ願いたいと思います。尚修正意見のおありの方は討論中にお述べを願いたいと思います。
  14. 中平常太郎

    中平常太郎君 本案政府が相当愼重に立案をせられておりまして、多分に新しい意味のものを盛り込んでおる。中に私共の最も感心に堪えないのは、憲法二十五條を基礎とする健康にして文化的な最小限度生活を保障する建前といたしまして、将来起こるべき社会保障法の根幹をなすところのこの改正でございまして、その点は条文の上からいたしましたならば実に立派なものであると思うのでありますが、この文化的なという文字解釈は今日まで質疑の間に本員からも申しますし、他の委員からもおつしやつたのでございましたが、文化的なという文字は、これはまあ抽象的でありまして、今後の運営がどの程度の文化的なものを加味して行くか、誠に惠まれんところの階級が、敗戰によつて吐き出されておる失業者と相共に、実に困難な世相をなしておるのに、それに対してこの文化的なる最低限度を維持せんとするところの生活保護法の発動というものがどんなに大切なものであり、人の生命を與るかを考えて見ますというと、これは実にこの運用に対しましては、只今委員長から七つの條項を御質疑になりまして、大臣から明確なる御答弁があつたので、大変将来に対して明るい感じを持つのでありますが、ややともすると吏員、或いは官吏など末端に行きますどいうとその親心を割引して、遂に市町村のごとき自治体の方に参りますというと、ただ一割の負担を嫌つてややともしますというとこの法が潰されてしまう。私はその点に実際の経験を持つておるために痛切に感ずるのでございますが、これに対しましては只今大臣から十分な弁明がありましたのでそれは先ず安心いたしておりますが、それでこの本案につきましてもいろいろまだ意見の存するところもございまするが、ここに要約いたしまして、一つ修正意見を実は動議といたしまして修正意見を提出いたしたいのでございます。本員から修正意見只今朗読いたします。    生活保護法案に対する修正案   生活保護法案の一部を次のように修正する。   第十八條第一項第一号を第二号とし、以下順次一号ずつ繰り下げ、同項に次の一号を加える。   一 検案   第三十八條第二項中「日常生活の用を弁ずることのできない要保護者」を「日常生活を営むことのできない要保護者害」に改める。  第四十五條中第三項を次のように改める。  3 都道府県知事は、前項規定より、事業停止を命じ、又は認可を取り消す場合には、当該保護施設設置者又はその代理人の出頭を求めて、公開による聽聞を行わなければならない。この場合においては、聽聞をしようとする期日の十四日前までに当該処分をすべき理由聽聞日時及び場所当該保護施設設置者に通告し、且つ、聽聞期日及び場所を公示しなければならない。  4 聽聞においては、当該保護施設設置者又はその代理人は、自己又は本人のために釈明し、又、有利な証拠を提出することができる。  5 都道府県知事は、当該保護施設設置者又はその代理人が正当な理由がなくて聽聞に応じなかつたときは、聽聞を行わないで第二項の規定による処分をすることができる。   第六十二條に次の一項を加える。  4 市町村長は、前項規定により保護の変更、停止又は廃止の処分をする場合には、当該保護者に対して弁明機会を與えなければならない。この場合においては、あらかじめ、当該処分をしまうとする理由弁明をすべき日時及び場所を通知しなければならない。第六十四條に次の一項を加える。  3 都道府県知事は、特にやむを得ない理由があると認めたときは、第一項の不服申立期限を経過した後においてもその申立を受理することができる。   第六十六條に次の一項を加える。  3 厚生大臣は、特にやむを得ない理由があると認めたときは、第一項の不服申立期限を経過した後においてもその申立を受理することができる。   第六十九條中「決定」を「決定又は裁決」に改め、「裁判所」の上に「行政事件訴訟特例法昭和二十三年法律第八十一号)の定めるところにまり、」を加える。   第八十一條中「被保護者に」を「被保護者未成年者又は禁治産者である場合において」に改める。   第八十四條第一項中「第二十八條第一項」を「第二十八條第一項(要保護者が違反した場合を除く。)」に改める。   附則第一項を次のように改める。  1 この法律は、公布の日から施行し、昭和二十五年五月一日以降の給付について適用する。  只今読上げました修正意見を提出いたします。只今申上げました第八十一條中の禁治産者は準禁治産者と申しましたが、あれは禁治産者の誤りであります。
  15. 山下義信

    委員長山下義信君) 中平委員から只今修正案動議が出たのでございますが、若し御賛成の方がありましたならば、賛否をおつしやつて頂きたいと思います。修正案の成立についての……。
  16. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 只今中平委員より提案されました動議賛成いたします。
  17. 山下義信

    委員長山下義信君) 中平委員修正案動議が成立いたしました。従いまして中里委員修正案をこめ、本案全体につきまして御討論を願います。
  18. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 私も今回提案になつておりまする生活保護法案に対しましては心から賛意を表しておるのでありまして、尚只今中平委員より提案になりました修正案についても賛成をいたすのであります。で、ここでこの際私は今後の本法実施、その他等につきまして二、三の希望を申添えまして、賛成の意を表したいと思うのであります。  先程委員長から大臣に対して数項目に亘る質疑がありまして大体はよく分つたのでありますけれども、第一は私は全国民に対しまして一日も早く社会保障制度が完全に実施されることを望むのでありますが、殊に医療中心とする社会保險制度が一日も早く普及いたしまして、全国民社会保険制度が及びまして、この医療扶助、こういう問題がむしろなくなることを希望するものであります。すべてが社会保險で解決する時代が来ることを希望しておるものでありますが、それに至つていない、現在におきましても、この社会保險とこの保護法医療扶助、その他が競合するような場合も考えられます。これは先般私この委員会質疑いたしました際に、大体その場合は社会保險の方でやるのだという御答弁がありましたので大体は納得いたしておるのでありますが、今後こういう場合等におきましてもできるだけ広くこの社会保険精神を取入れて貰いまして、この扶助の観念でなく、社会保險給付として医療対象になりますように、今後そういう場合にはできるだけ広くこの社会保險の方の解釈をとつて頂いて、今後の運営に万全の措置をとつて貰いたい。これが第一点であります。  それから第二は、これは先程の質疑応答によつてよく分つたのでありますが、保護は申請によることを原則としておりまするので、本法実施に当りましてはその趣旨普及に遺憾なきを期して貰いたい。先程大臣からもお話がございましたが、新聞等を賑わしております幾多の悲惨な事例もこの保護法存在並びに精神が十分普及徹底いたしましたならば、相当こういうものが救われるのではないかと思うのであります。極端な言分でありまするが、この保護法、従来の扶助法、こういうもの等についてもその存在すらも知らない者が現在においてまだ相当多いのではないかと思います。この趣旨普及と関連いたしまして濫給を防止すると共に漏給、漏れないようにこれ又十分心掛けて頂きたいと思います。  第三はこれも先程の質疑応答によつてつたのでありますが、法の建前如何ようでありましようとも、本法の円滑なる運営を期しまするには民生委員協力に俟つところも極めて私は大きいと思うのであります。従いまして今後の民生委員の在り方につきましては十分なる研究政府当局におかれましても、又民間においても互いに遂げて行かなければならんと思うのでありまして、今後民生委員中心本法運営に遺憾なきを期して頂きたいとかように考えるものであります。  最後に如何に立派な法律ができましても、こういう法律はその性質予算を伴わなければ十分なる効果を発揮することは私はできないと思うのでありまして、将来とも予算の裏付け或いは今後これらの額面における増額等につきまして政府は万全の努力を期して頂きたい。以上を希望として申し上げまして、本法に対しまして全面的に賛意を表したいと思うのであります。
  19. 小林勝馬

    小林勝馬君 この法律案につきましていろいろと質疑その他におきまして、政府当局の御答弁その他によりまして大体私共も了承いたすのでございます。併しこれは只今石原委員からの御説明通り社会保障制度を一日も早く実施して頂いて、そういうものに包含して頂くことが全面的にこの運営をさして行くことになるのじやないか。尚又先程質疑のうちに委員長から質問されました点につきましても、私共としまして、今後厚生当局運用如何にかかつて来るのじやないかということも、特にこの運用に当つては御留意を願いたい、かように考えます。私はこの法案のうちに意見として提出いたしたいのでございますが……。
  20. 山下義信

    委員長山下義信君) 修正の御意見ですか、……どうぞお述べ下さい。
  21. 小林勝馬

    小林勝馬君 第三十四條第三項、及び第五十五條の中に、「あん摩、はり、きゆう、柔道整復等」の法案あん摩師の下にはり師、きゆう師を加えることが至当であると考えますので、今申上げた條項のうちのあん摩師の下にはり師、きゆう師を加えることを提案下るものであります。それは質疑、その他の中に御説明もありましたが、あん摩師は許され、尚又柔道整復師も許されて、この法案において許されておるにも拘わらず、はり師、きゆう師が除外されておる、現実に申上げますならば、むしろはり師、きゆう師も当然ここに加えて行くべきであると思うのでありますが、政府の御説明によりますと、まだ研究がそこまで到達しておらない、乃至ははり、きゆうに対してのいろんな研究の不足から、まだその域に達しておらないというような御説明を承つたのでございますけれども、昭和二十三年一月一日から実施されておるこの一連の法案の中にある、はり師、きゆう師に対しての政府当局が現在までとつた態度は殆んど立ち枯れで、そのまま放任しておるような状態でありまして、この研究、その他も何ら現在までしておらない実情であります。そうしておきながらこの法案にもそれを除外するということは不適当ではないか。当然これは加盟さして行くべきであるという見地から、この提案をいたす次第でございます。
  22. 山下義信

    委員長山下義信君) 速記止めて……。    〔速記中止〕
  23. 山下義信

    委員長山下義信君) 速記をとつて……、それじや小林委員御発言下さい。
  24. 小林勝馬

    小林勝馬君 それじや先程から申上げました第三十四條第三項及び第五十五條あん摩師の下にはり師、きゆう師を加えることを希望いたしまして、本原案に賛成するものでございます。
  25. 山下義信

    委員長山下義信君) 外に御意見はございませんですか。……別に御発言もないようでございますから、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  26. 山下義信

    委員長山下義信君) 御異議ないと認めます。それではこれより採決に入ります。「生活保護法案」について採決いたします。先ず討論中にありました中平君の修正案を議題に供します。中平君提出の修正案賛成の方の御起立を願います。    〔総員起立〕
  27. 山下義信

    委員長山下義信君) 全会一致でございます。よつて中平君提出の修正案は可決されました。  次に只今採決されました中平君の修正にかかる部分を除きまして、内閣提出衆議院送付にかかる「生活保護法案」全部を問題に供します。修正の部分を除きまして衆議院送付案に賛成の方は御起立を願います。    〔総員起立〕
  28. 山下義信

    委員長山下義信君) 全会一致でございます。よつて生活保護法案」は全会一致を以て修正可決すべきものと決定いたしました。  尚本会議における委員長の口頭報告の内容は、本院規則第百四條によりまして、予め多数意見者の承認を経なければならないことになつております。これは委員長において本案内容、本委員会における質疑応答の要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することとし、御承認願うことに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者有り〕
  29. 山下義信

    委員長山下義信君) 御異議ないと認めます。  それから本院規則第七十二條によりまして、委員長の議院に提出する報告書につきまして多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とせられた方は順次御署名を願います。    多数意見者署名    石原幹市郎  小林 勝馬    谷口弥三郎  中平常太郎    姫井 伊介  藤森 眞治    岡元 義人  小杉 イ子
  30. 山下義信

    委員長山下義信君) 御署名漏れはございませんか。……御署名漏れはないと認めます。速記止めて……。    〔速記中止〕
  31. 山下義信

    委員長山下義信君) 速記を起して……。それでは暫く休憩いたします。    午前十一時二十一分休憩    —————・—————    午前十一時四十分開会
  32. 山下義信

    委員長山下義信君) 休憩前に引続いて再開いたします。  兒童福祉法の一部を改正する法律案を議題といたします。  速記を止めて……。    午前十一時四十一分速記中止    —————・—————    午後零時十四分速記開始
  33. 山下義信

    委員長山下義信君) 速記を起して……。それでは本日は、これで散会いたします。    午後零時十五分散会  出席者は左の通り。    委員長     山下 義信君    理事            藤森 眞治君            岡元 義人君    委員            中平常太郎君            姫井 伊介君            石原幹市郎君            小林 勝馬君            谷口弥三郎君            小杉 イ子君   国務大臣    厚 生 大 臣 林  讓治君   政府委員    厚生事務官    (社会局長)  木村忠二郎君    厚生事務官    (児童局長)  高田 正己君