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1950-05-01 第7回国会 参議院 運輸委員会 第16号
公式Web版
会議録情報
0
昭和二十五年五月一日(月曜日) 午前十一時二十九分開会
—————————————
委員
の異動 四月二十六日
委員藤枝昭信
君
辞任
に つき、その
補欠
として
中村正雄
君を議 長において指名した。 四月二十八日
委員植竹春彦
君
辞任
に つき、その
補欠
として
佐々木鹿藏
君を 議長において指名した。 四月二十九日
委員中山壽彦君辞任
に つき、その
補欠
として
植竹春彦
君を議 長において指名した。
—————————————
本日の会議に付した事件 ○
運輸省設置法
及び
日本国有鉄道法
の 一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
地方自治法
第百五十六條第四項の規 定に基き、
海上保安監部及び海上保
安部の
設置
に関し
承認
を求めるの件 (
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
港湾法案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
観光事業
に関する
調査
及び
税制改革
の
交通事業
並びに
関連産業
に及ぼす
影響
に関する
調査
の件
—————————————
佐々木鹿藏
1
○
委員長
(
佐々木鹿藏
君)
只今
より開会いたします。
運輸省設置法
及び
日本国有鉄道法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
といたします。先ず
政府
の
提案理由
の御
説明
を願います。
大屋晋三
2
○
国務大臣
(
大屋晋
三君)
運輸省設置法
及び
日本国有鉄道法
の一部を
改正
する
理由
について御
説明
申上げます。
運輸審議会
及び
日本国有鉄道
の
監理委員会
の
委員
の
任命
については、
運輸省設置法
及び
日本国有鉄道法
の
規定
により、それぞれ両議院の同意を得ることにな
つて
いるのでありますが、
国会閉会
中又は欠員を生じて、その
後任者
を
任命
する必要がある場合において、
任命権者
が
便宜任命
を行い、その後最初に招集される
国会
において
承認
を求め、
承認
が得られなかつたときは、
任命権者
は、
当該委員
を遅滞なく罷免することを
規定
するため、両
法律
に
所要
の
改正
をするものであります。 尚
運輸審議会
及び
監理委員会
の
委員
は、いわゆる
任期
を異にする
段階任用制
により
任命
されているため、
運輸審議会
は二名の
委員
が又
監理委員会
は一名の
委員
が、それぞれ来る六月に
任期
を満了するので、その
後任者
を
任命
する必要があるのであります。 以上この
法律案
の
提案理由
について申述べましたが、何とぞ慎重御
審議
の上、速かに御可決あらんことをお願い申上げます。
佐々木鹿藏
3
○
委員長
(
佐々木鹿藏
君) 御
質疑
のおありの方は御
質疑
をお願いいたします。
丹羽五郎
4
○
丹羽五郎
君
只今
の
説明
の
法案
は、極く簡単なものであ
つて
、且つ又当然
任期
がこの
法律
によ
つて
、
国会
が開会されておらなかつたときに
任命
した
委員
は、その次の
国会
が召集された折に
国会
の
承認
を求めるという当然な
単行法
ですから、
質疑
を省略して
討論
に入
つて
行つたらどうかと思います。
佐々木鹿藏
5
○
委員長
(
佐々木鹿藏
君)
只今
の
丹羽
君の御
意見
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
佐々木鹿藏
6
○
委員長
(
佐々木鹿藏
君) 御
異議
ないようでございますから、直ちに
討論
に入りたいと思います。
丹羽五郎
7
○
丹羽五郎
君 先程申上げたことく、本
法案
は極めて簡単な
単行法
でありまして、当然やらなければならんことでありますから、私はその
意味
において
本案
に
賛成
いたします。
佐々木鹿藏
8
○
委員長
(
佐々木鹿藏
君) 他に御
意見
ございませんか……それでは
丹羽
君の御
意見
に御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
佐々木鹿藏
9
○
委員長
(
佐々木鹿藏
君) 御
異議
ないと認めます。 それでは
採決
に入ります。
本案
に御
賛成
の方の
挙手
を願います。 〔
総員挙手
〕
佐々木鹿藏
10
○
委員長
(
佐々木鹿藏
君)
満場一致賛成
でございます。よ
つて本案
は可決、
決定
いたしました。 尚、
委員長報告
の
内容
、
諸般
の
手続き等
につきましては、
委員長
に御
一任
願いたいと思いますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
佐々木鹿藏
11
○
委員長
(
佐々木鹿藏
君) 御
異議
ないと認めます。 多数
意見者
の御
署名
を順次お願いいたします。 多数
意見者署名
小泉
秀吉
飯田精太郎
丹羽
五郎
入交
太藏
内村
清次
高田
寛
前之園喜一郎
早川
愼一
村上
義一
安達
良助
中村
正雄
—————————————
佐々木鹿藏
12
○
委員長
(
佐々木鹿藏
君) 次に、本
委員会
に付託されました
地方自治
第百五十六條第四項の
規定
に基き、
海上保安監部及び海上保安部
の
設置
に関し
承認
をもとめるの件を
議題
といたします。先ず
政府
の
説明
を願います。
大屋晋三
13
○
国務大臣
(
大屋晋
三君)
只今
提案
されました
海上保安監部及び海上保安部
の
設置
に関し
承認
を求めるの件につきまして、
提案
の
理由
を御
説明
いたしたいと存じます。
海上保安庁法
の一部を
改正
する
法立案
の
施行
に伴いまして、
海上保安庁法
第十三條の
規定
に基いて、
管区海上保安本部
の
事務
の一部を分掌させるため、
海上保安監部
その他の
事務
を
設置
する必要があるのであります。
海上保安庁
は急速に発足した
関係
もありまして、
地方機関
の
設置
におきまして、又
業務
の
運営
上におきましても種々不便がありましたので、この機会に、
海上保安署
とか
船舶検査分室
とかの
事務
所を発展的に解消させ、その実質的な
内容
を
盛つた実施機関
として比較的広い
管轄区域
をもち
業務量
の多い
海上保安監部
を
大阪
に置く外、
所要
と認められる地三十九ヶ所に
海上保安部
を
設置
して、
業務
の
運営
に遺憾なきを期する必要があるのであります。 以上簡単でありますが、この
承認
を求めるの件の
提案理由
の御
説明
を終ります。何とぞ慎重御
審議
あらんことを希望いたします。
佐々木鹿藏
14
○
委員長
(
佐々木鹿藏
君) 御
質疑
のおありの方は順次御
質疑
をお願いいたします。
丹羽五郎
15
○
丹羽五郎
君 これはただ
名称
を
変更
しただけであ
つて
、
大阪
に
海上保安監部
を置くということが新らしく
提案
されたものでありますが、これによ
つて
の
予算的処置
は何か
変更
があるのですか。その点を伺います。
大久保武雄
16
○
政府委員
(
大久保武雄
君) お答えいたします。今回の
海上保安庁法
の
改正
並びに
保安監部
の
設置
の御
承認
を頂きます両
案共
、
海上保安庁
の
予算
並びに
定員
とは
関係
はございません。
国会
の御
承認
を得ております
予算
或いは御
承認
頂きます
定員法
の範囲内において実施するものであります。
丹羽五郎
17
○
丹羽五郎
君
予算処置
にも
変更
がないし、
人員
においても
変り
がない。ただ
一つ
の
名称
を
変更
しただけである。
大阪
に
本部
を置いても、何ら
予算的処置
においても、
人員
においても
変り
がないというのでありますから、私はこれも
質疑
を省略して
討論
に入
つて
頂きたいと思います。
佐々木鹿藏
18
○
委員長
(
佐々木鹿藏
君) 外に別に御発言がなければ、
討論
に入ることに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
佐々木鹿藏
19
○
委員長
(
佐々木鹿藏
君) 御
異議
ないと認めます。御
意見
のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
村上義一
20
○
村上義一
君
海上保安
の
業務
につきましては、種々の原因が競合しておることは認めるのでありますが、とにかく現状は完璧を期せられておるとは到底考えられないのでありまして、従いまして、今回の
処置
を講じて
海上保安業務
の完璧に資するということは極めて必要であると考えますので、私は
本案
に
賛成
いたします。
佐々木鹿藏
21
○
委員長
(
佐々木鹿藏
君) 別に御
意見
がなければ、
採決
に入りたいと思いますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
佐々木鹿藏
22
○
委員長
(
佐々木鹿藏
君)
異議
なしと認めます。 それでは
採決
に入ります。本件に
賛成
の方は御
挙手
を願います。 〔
総員挙手
〕
佐々木鹿藏
23
○
委員長
(
佐々木鹿藏
君)
満場一致決定
をいたしました。 尚、
委員長
の
報告
の
内容等諸般
の手続は、
委員長
に御
一任
をお願いいたしたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
佐々木鹿藏
24
○
委員長
(
佐々木鹿藏
君)
異議
ないと認めます。 順次多数
意見者
の御
署名
をお願いいたします。 多数
意見者署名
小泉
秀吉
飯田精太郎
丹羽
五郎
内村
清次
入交
太藏
前之園喜一郎
高田
寛
村上
義一
早川
愼一
中村
正雄
安達
良助
—————————————
佐々木鹿藏
25
○
委員長
(
佐々木鹿藏
君) この際、先に
調査承認
を取りました
観光事業
に関する
調査
及び
税制改革
の
交通事業
並びに
関連産業
に及ぼす
影響
に関する
調査
について、
調査報告
を提出したいと存じます。
調査報告
につきましては、
委員長
に御
一任
をお願いしたいと思いますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
佐々木鹿藏
26
○
委員長
(
佐々木鹿藏
君) 御
異議
ないと認めます。
—————————————
佐々木鹿藏
27
○
委員長
(
佐々木鹿藏
君) 次に、
港湾法案
を
議題
に供します。前回の
委員会
におきまして
提案理由
の御
説明
は了したのでございますが、この際
大臣
も見えておりますので、重ねて御
説明
をお願いしたいと思います。
後藤憲一
28
○
政府委員
(
後藤憲一
君)
港湾法案
の
大臣
の
説明
は一応いたしたことにさして頂いておりますので、やや詳しく
内容
につきまして御
説明
申上げたいと存じます。
丹羽五郎
29
○
丹羽五郎
君 ちよつと
速記
を止めて……
佐々木鹿藏
30
○
委員長
(
佐々木鹿藏
君)
速記
を止めて…… 〔
速記中止
〕
佐々木鹿藏
31
○
委員長
(
佐々木鹿藏
君)
速記
を始めて……
後藤憲一
32
○
政府委員
(
後藤憲一
君)
只今
申上げましたのは訂正いたします。
大臣
の
説明
は済んでおりますから、
内容
をもう少し詳しく御
説明
申上げたいと存じます。
港湾
の
関係法令
というものは従来甚だ不備でございまして、最も重要な
港湾そのもの
の性質に関する
法律
、即ち
港湾
の修築、
管理
、経営に関する
法律
というものは、
明治
初年
太政官布告
その他二、三の
断片的法令
が存するのみで、
道路法
、
河川法
のごとき統一的な
基本法
がございませんので、従来こうした
法律
の不備を
行政
上の
規則
又は慣例によ
つて
補いつつ
処置
して参
つたの
であります。ところが新憲法の
施行
によりまして、例えば
府県令
によ
つて
制定されました
土木工事取締規則
というものが失効いたしました現在、
公共物
である
港湾
なり、
公有水面
が公益上全く無統制に放任せられておりまして、又
地方財政法
によりまして、重要な
港湾工事
の
費用
に関する国と
地方公共団体
の
負担
の割合を
法律
又は政令で定めることが要求されておるのでありますが、それらに関する
立法措置
をどうしてもいたさなければならないという問題が生じて参
つて
おるのであります。特に最も重要な問題は、個々の
港湾
において何人がその
港湾
の
開発発展
の中心となるか、即ちいわゆる
港湾管理者
は誰であるか、又この
港湾
の
管理者
はどういうことをするのかという点なのでありますが、こういう重大問題はどうしても
国会
の協賛を得ました
法律
によ
つて
その
方針
を定める必要があるのであります。そこで
明治
以来多年懸案でありました
港湾法
を制定いたしまして、
港湾
の
開発
、使用及び
管理
の大
方針
を確定いたしたく、二ヶ年余りも
政府
におきましては研究に努めて参りました。 この間たまたま
連合軍
が接收いたしました重要な
港湾施設
を
日本側
へ返還するという問題をその前提といたしまして、昨年十二月十六日に指示が参りまして、
立法
上の
措置
によ
つて港湾管理者
という
組織
を確立せよ、その
港湾管理者
の
内容
といたしましては、
地方自治
体を最大限に尊重し、国家的な
利益
を確保するために必要な
最小限度
の国の
監督
を
規定
するという
管理者
ができれば返還する、こういう指令が発せらされておるのであります。そこで、私
共立案
に当りましては、この点を十分に考慮いたして参つたわけであります。つきましては、以下
法案
の
内容
、大体章を
単位
といたしまして、問題になりました点を併せて御
説明
申上げたいと存じます。尚この
法案
の
立案
中におきまして、横浜市、神戸市、東京都、
大阪
市、それから名古屋市という
関係
の大きな
港湾
の所在地の
公共団体
からいろいろと
意見
が出て参
つたの
であります。私共も虚心坦懐にこの
意見
を承わりまして、いろい
話合
をいたしまして、一応
意見
の
合致点
を見出しておりますので、それらも、そのうちの特に主な点を併せて申上げまして、御
説明
にいたしたいと存じます。 第一章は総則でありまして、その第一條はこの
法律
の
目的
を書いてあるのでありますが、この
法律
は
港湾管理者
の
設立
による
港湾
の
開発
、
利用
及び
管理
の方法を決める、これにつきまして、この
法案
の各所に
運営
という
言葉
、
管理運営
という
言葉
が出ておりますが、
地方
からの
要望
では、この
運営
という
意味
を入れたらどうかという
要望
があ
つたの
でありますが
運営
という
言葉自身
をよく考えて見ますと、非常に
内容
が判然としないので省いておりますので、
運営管理
という
言葉
の
意味
のうちに
運営
というニユアンスを含んでおると
解釈
いたしたわけであります。この三條に、「この
法律
は、もつ
ぱら漁業
の用に供する
港湾
として他の
法律
によ
つて
指定された
港湾
には適用しない。」、この他の
法律
と申しますのは、先般
議会
を通過いたしました
漁業法
のことでございます。
漁業法
につきましては、この
法律
を適用しないということを
規定
いたしておるのであります。この
漁港法
につきましては、
運輸省
、農林省両
大臣
の
協議
によりまして
漁港
を指定いたします。そうしてその指定いたしました以外の
港湾
はこの
法律
を適用いたすことになります。 第二章に
港務局
ということを
規定
してありますが、この
港務局
と第三章の第三十三條にありますところの
港湾管理者
としての
地方公共団体
の
決定
という、これを併せてお話申上げたいと思います。港の
管理者
に大体において
三つ
の
形態
があるのであります。一は、この二章に詳しく
規定
いたしておりますところの
委員会制度
を持ちました、そうして独立の公
法人
でありますところの
港務局
でございます。第二は、
地方公共団体
を直ちに
港湾管理者
といたす場合でございます。それから
地方自治法
によりますところのいわゆる組合によ
つて
設立
しましたところの
法人
を
管理者
とするという、こういう
三つ
の
形態
があるわけであります。この
法律
によりましては、この点特に申上げて置きたいのは、このいずれの
形態
をとるかということは
関係
の
公共団体
の全く自由に存する、国といたしましては何ら関与いたさない、こういうことでございます。併しまあ通念的の点を考えますれば、
港務局
は大きな
港湾
又は
関係
の
地方公共団体
が数か多くて複雑なる場合に取るべき
形態
だというように私共は
解釈
いたしておりますが、
地方公共団体
が直ちに
管理者
になります場合は、数多く又中小以下の諸
港湾
において適当ではなかろかとういうような感じを持
つて
おります。併しそのいずれをとるかは、おのおのの場合につきましては、
関係公共団体
が十分に
協議
した上で以てそれを
決定
するということであります。いずれにいたしましても、それでは
港湾管理者
を
設立
いたしますについて参加いたします
資格
のあるものは何かという点が、第四條の第一項に詳しく出ております。で同じことは三十三條の場合にも適用することになります。それは、「現に
当該港湾
において
港湾
の
施設
を
管理
する
地方公共団体
、従来
当該港湾
において
港湾
の
施設
の
設置
若しくは
維持管理
の
費用
を
負担
した
地方公共団体
又は
予定港湾区域
を
地先水面
とする
地域
を
区域
とする
地方公共団体
」、この三者を以下
関係地方公共団体
として、この
三つ
のいずれかの
資格
を持ちますものが
設立
に参加することになりますので、それらは
協議
いたしまして、単独で又は共同して
港務局
なり、
港湾管理者
なり、いずれかの
形態
をとるということになるのであります。この際申上げて置きたいのは、この第三番目の、「又は
予定港湾区域
を
地先水面
とする
地域
を
区域
とする
地方公共団体
」、この
解釈
につきまして、いろいろと先般申上げました
五大都市
の
関係
の
方々
からの御
意見
が出ております。これにつきましては、「
地先水面
とする
地域
を
区域
とする」という点を考えますれば、この場合の
地方公共団体
という
意味
は
市町村
を重点的に考える、この中には当然
都道府県
が入るわけですけれども、そのウエイトを若し考えるとすれば、
市町村
を重点的に考えるべきであるという
解釈
を私共はと
つて
おります。それから第六項に、問題になります
港湾区域
というのは
水面
を言うのでございます。その
水面
をどういうように決めるかという点につきましては、
関係地方公共団体
から
運輸大臣
又は
都道府県知事
に申請いたしまして、その許可を得るのでありますが、その
区域
の
単位
というもの、
一つ
の港としての
単位
というものはここにありますように、「
予定港湾区域
が、
当該水域
を経済的に一体の
港湾
として
管理運営
するために必要な
最小限度
の
区域
、」と同時に、
当該予定港湾区域
に隣接する
水域
を
地先水面
とする
地方公共団体
の
利益
を害してはいけない。こういう点で認可をいたすことになります。特に第一項の必要な
最小限度
という
意味
を加えましたのは、この
港湾区域
の中では
各種
の公権力を
管理者
が持つことになり、又私権をも制限することになりますので、必要なる
最小限度
に止めるべきであるという制限を加えてあります。同時にその港に
関係
しないすぐ隣接の
公共団体
の
利益
を害してはいけない。こういう考えの下にこの
区域
を
運輸大臣
又は
都道府県知事
において認可いたすようになりました。その次に、第七項にいろいろと
地方公共団体
の
関係者
が
協議
をして決めることにな
つて
おりますが、この
協議
が整わぬ場合がある。その際には
運輸大臣
又は
都道府県知事
に対しては
調停
を求める、で
運輸大臣
に
調停
を求めますのは
重要港湾
の場合でありますが、その際は
運輸大臣
は
内閣総理大臣
と相談してその
調停
に応ずることになります。併しこの
調停
には裁定するという
意味
の
強制
はないのであります。どこまでも善意の
仲介者
の
立場
に立ちました
調停
だけでございまして、
強制権
を
規定
いたしてはおりません。それから
港務局
は
営利
を
目的
としない
公法
上の
法人
であるということを第五條に決めてございます。第六條は極く
事務
的のことをそこにいたしてございます。 次に、第二節に移ります。
港務局
の
業務
をここで
規定
してございます。
港務局
の
業務
は第一号から第十四号までそこに
規定
してありますと同時に、その十三條には、この
港務局
は
只今
申上げました
通り
に
営利
を
目的
としない
公法
上の
法人
でありますが故に、「
港務局
は、
港湾運送業
、
倉庫業
その他輸送及び保管に関連する私企業の公正な
活動
を妨げ、その
活動
に干渉し、又はこれらの者と競争して
事業
を営んではならない。」又「
施設
の
利用
その他
港湾
の
管理運営
に関し不平等な取扱をしてはならない。」、そうしてこれに対して四十
七條
に、これに違反した場合を
規定
してございます。この十二條の
業務
について一応申加えたいと存じますが、これにつきまして、最前申上げました
五大都市
の
方々
の
要望
に、もう少し
監督権
を賦与すべきではないかという
要望
があ
つたの
でありますけれども、
港湾
における
諸業
の国としての
監督権
の点につきましては、
運輸行政
というものが
一貫性
を持たなければならないという点がございますから、直ちにその主張を入れるわけには参りませんけれども、併し
施設
を
管理
するという点から、おのずから実際的の
各種
の
監督
的な作用というものは行われることはなかろうとも思います。尚又実際のこの
法案
によ
つて
運用いたしました結果において、将来適当なるべきものは
改正
しても差支えないものではなかろうかと思
つて
おります。 第三節は、
港務局
の
組織
でございますが、これは七名の
委員
からできております
委員会組織
でございます。その
委員
の
欠格條件
についてでありますが、十
七條
に
規定
しておりますが、そのうちの第一号の「
国会議員
又は
地方公共団体
の
議会
の
議員
」は
欠格
になお
つて
りますが、これについて最前申上げました
五大都市
の
方々
から
要望
がありまして、このうち
公共団体
の
議員
の一名を入れてはどうかというお話もございましたけれども、この
港務局
はどこまでも
経済行為
をするものでありまして、
議会
はどこまでも
立法者
でありますから、その間の截然とした区別を付けて置かなければならない。そうして又この
港務局
というものは、どこまでも
地方政治
から完全に独立せねばならないという点から、この
欠格條項
を
政府
といたしましては主張いたしておるわけでございます。あとのその他につきましては、極く通常のことをここに書いたようなわけでございます。 第四節に
港務局財務
がございますが、
港務局
を
組織
いたします
港務局
の
出資者
は、どこまでも
港務局
を
組織
する
地方公共団体
でございます。それから普通経常的に扱いますところの
費用
はできるだけ独立採算的にその
收入
によ
つて
賄う、その足りないところはこれを裏付けしておりますところの
公共団体
が
負担
する。又第三十條には債券の発行を
規定
いたしております。 第三章の
地方公共団体
としての
港湾管理者
の点は、最前四條の場合と同様に申上げまして、大部分その中の
内容
は
港務局
に
規定
しておりましたことを準用いたすことになります。ただこの場合におきましては、
地方公共団体
の
一つ
の
機関
としての
港湾管理者
ではありますが、
委員会
を置きまして、
港務局
に類似した
組織
をとり得るということを
規定
いたしてございます。 第四章は、
港湾区域
と
臨港地区
におきまするところの
各種工事
のいろいな
港湾管理者
の行います規制をいたしてあるわけでございます。 それから第五章、これは
港湾工事
の
費用
の点でございますが、
工事
の
費用
につきましては、従来と少しも
変り
のない国の
負担
なり或いは補助などによりまして助成をいたすことを
規定
してございます。 第六章につきましては、
各種
の雑則を並列してございますが、その中で
港湾
の
計画
につきましては、
運輸大臣
といたしましては、国の
立場
におきましてその
計画
の当否というものを審査する
審査権
を
規定
いたしてございます。 大体極く重要なところで、これまで議論いたされましたるところの主なる点を併せて申上げまして、本
法案
の
説明
といたしたいと存じます。
佐々木鹿藏
33
○
委員長
(
佐々木鹿藏
君)
速記
を止めて下さい。 午後零時六分
速記中止
—————
・
—————
午後零時二十三分
速記開始
佐々木鹿藏
34
○
委員長
(
佐々木鹿藏
君)
速記
を始めて下さい。それではこれで散会いたします。 午後零時二十四分散会
出席者
は左の
通り
。
委員長
佐々木鹿藏
君 理事
小泉
秀吉
君
飯田精太郎
君
丹羽
五郎
君
委員
内村
清次
君
中村
正雄
君
入交
太藏君 横尾 龍君
安達
良助
君
前之園喜一郎
君
高田
寛君
村上
義一
君
早川
愼一
君
国務大臣
運 輸 大 臣
大屋
晋三君
政府委員
運輸事務官
(
大臣官房長
)
荒木茂久
二君
運輸事務官
(
海運局長
) 岡田 修一君 運 輸 技 官 (
港湾局長
)
後藤
憲一
君
海上保安庁長官
大久保武雄
君