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金森国会図書館長 先ほどの百四十九部とかの謄写版を
印刷いたしましたのは、これは経費の問題もありますので、そうたくさんの謄写版も刷れませんで、大体
一つの謄写版で、
はつきりしたものができる部数というものは限度がございます。そういうことを考え、そして
通常書類を配
つておる
範囲をも念頭に入れるといたしますと、当初の計画は、私実は詳しいことは存じませんが、
通常館内の係長のようなものに配布するという一定の数が必要にな
つて参ります。それから
部外の、
国会側の方々のある部分にまわすということを予想いたしますと、こういうものについては二百部
相当が予想せられるわけであります、これもただそういう見地から、一応百五十部刷り上げたものが、百四十九部という結果にな
つたのでありまして、多少の出入りは別として、百五十部をねらいとして刷
つたわけでありまして、これが特殊の人々の間に、特に考慮せられるという
趣旨は毛頭含んではおりません。それにこれが宣伝文書のような感じを与えておりますが、中をお読みになるとわかりますように、これ自身が多少の色彩を帯びておりますけれ
ども、何も思想を述べておるのではないのでありまして、ただ歴史的な変化を
向うの人の見方で集めただけでありまして、宣伝価値としてはほとんどないものであります。もし宣伝しようと思えば、いろいろ理論的なものもありましようし、かつまた毛沢東の気勢張
つた記録な
ども、もう少し自分の方でできる。ことにこれを選びました
趣旨からしても、ごくじみちな——もう今とな
つては何だかかえ
つて妙な結果になりましたが、
関係した人は、支那の学問の
研究をしておる人であ
つて、これをごく冷静に活用しよう、世間で出ておりまするほかの材料とも合せ、
外務省その他で出しておる材料とも合せて、冷静に活用しようというわけで、
通常の配布をねら
つて謄写
印刷したわけであります。それを私が横から口を出して——
意思は別問題でありますが、これを出してはいけない。二十四部と限定したものでありますが、出してはいけない。中において見る必要のある人がこれを保持すべきであるというので、こういうふうに限定した。これが実情でありまして、それには何らの記述的な
説明を加えておりません。批評はこれをもとにして生れて来るものと存じております。それから先に
お話になりました全日本
図書館員組合と申しまするものは、全国の
図書館員のつく
つておるものでありまして、官立と限らず、公立もあり私立もあるのでありまして、大体の勢力は関西側の方でこれができてお
つたものであります。それが本年の六月十日に大阪府立
図書館におきまして全国大会が開催されたものであります。それができ上ります道におきましては、本年の三月十二日に東京科学博物館において、CTR
図書館主任のバーネット氏らも臨席のもとに、組合結成大会が開催されたということにな
つております。私の話の順序がちよつと混乱いたしましたが、事実は昭和二十三年ごろから関西方面に発達いたしまして、それが漸次完備いたし、遂に全国的なものが出来上が
つた。これが全日図の性格であります。そして結成の
趣旨等は、組合が宣言をし、綱領を示しておりますが、大体表囲的に申しますれば、普通のありふれた形のものであります。それからその法律上の性質は、一種の組合ではありまするが、国家公務員のみの組織する組合ではございませんから、人事宛に登録するというような性質を持
つておるものではございません。労働組合法によるところの組合であ
つて、それに必要な届出をしておるということであります。組合員の数は、私
どもこれを直接に、正確に探知する
方法は持
つておりませんけれ
ども、一応探知いたしましたところば、昭和二十四年の十月に七百名の組合員を持
つておる。それは全国のおもなる
図書館の
職員で持
つて出来ておるというふうにな
つております。
それから先に仰せになりました機関紙は、今のところ一千部配布しておるということでありまして、その配布先等は大体全国にいきわた
つております。そのうち東京が二百五十部配布されておるというふうに
調査の結果はな
つております。組合の財政などは全然組合費でや
つておりまして、外から支弁を受けていないというもので、こういうものに対しまして——今日は別でありまするが、これが働いておりました本年の七、八月ごろにおきましては、これは一種の労働組合でありまするために、これをどうするとい
つて、もし
図書館に力をも
つてこれを抑制するということになりますれば、そのやりようによりましては、むしろ抑制する方に
責任が発生するということにもなろうと思
つております。そこで私
どもは、かような組合
活動の
内容を知り得る直接の
方法をも
つておりません。ところが今お示しになりました
新聞紙の第二号が出まして、私が偶然これを目に入れましたところ、赤い字で、一見いたしますればはげしい
言葉が現われておる。なお見ますと、その
事務所が
国立国会図書館の中にある。こういうことにな
つておりましたから、私は中の人に調べさせまして、どうして
国立国会図書館にこんな
事務所があるのか、われわれはそういうもりを許容した覚えがひ
とつもないということを申して、調べてもらいましたら、たまたまこれの名義者にな
つております者がわれわれの
図書館の敷地の中にありまする一種の寄宿舎といいますか、自費寮とい
つておりまするその宿舎に寝とまりをしている。そこでその自分のおりまするところを
新聞の
事務所にしておる。その結果
言葉に表わしますると、
図書館の中にこの
新聞の発行所があるというような形にな
つたわけであります。そこで私
どもこれに気づきましたから、さつそくその不適当なるところを補正させることにいたしまして、第三号は別のところで発行するというふうに
はつきり書き入れてあります。それから第四号は、もう出ないことにな
つたらしいのであります。そんなようなふうでありまして、この団体は直接には
図書館と
関係はございません。ただ
図書館の
職員が、この全日図の組合員であるということであります。それがいかなる性質をも
つて活動をしておるかということは、私
ども直接感知いたしませんが、実情はそのようなふうであります。でありますから、
図書館としてこれに働きかけまする方面といたしましては、
事務所を
図書館にあるがごとき誤解を生ぜしめた、この点は補正せしめなければならぬというので、これは補正せしめました。なお中にある人に、この組合を脱退せよというさしずをいたしますことは、諸般の
法規の制限のもとにおいてのみ話し得ることだろうと思
つております。そのうちにこの人事院規則が出まして、この中にありまするある内閣を打倒せよというな言説をすることは、法律上の問題にな
つて来るわけでありますが、これはそれより以前に行われた問題であります。そこで今度これに
関係をした人々で、
図書館の議員であるような人々に対してどういう
態度をとるべきか、こういうことになるわけであります。私
ども個人としては、こういう
記事を書くことにつきましては、非常に不愉快でよろしくないと思
つておりますけれ
ども、しかし各人の自由がありますので、これに対してわれわれがいかなる手段を持つかということは、一概に決定することができません。今日の公務員の規則が出ました後においては、これは十分その
責任を問うことができますけれ
ども、その前でありますから、法律的にはみだりにこれに手をつけることはできないものであろうと考えております。