○
委員外議員(
星野芳樹君) 大分沢山出ましたから弁明さして頂きます。
先ず第一に
紅露委員長が、
婦人委員長であ
つたがために、いろいろ先程申された附き纒うとか、執拗に言われたとか言いましたが、私は
紅露委員長が
婦人であるが故に非常に遠慮していたのであ
つて、若し男子の
委員長であ
つたらもつと強硬に要求すべきことは要求する人間であり、曾て矢野氏が
委員長であ
つたときも、非常に不公平な
言動があ
つたときは常に抗議して、このときは、もう雷の割れるような大喝をされましたが、それでも屈しなか
つたので、こういう、
婦人だから、おとなしいから、弱いからということは全然ないので、これは、
紅露委員長の惡く申しますならば、ひがみだと思います。そうしてそのうちですね、私が
委員長に特にお責めいたしたのは、舞鶴、これは私としては甚だ不満なんであります。
吉村隊事件を取上げられて、そのまま舞鶴へ行かれてしま
つた、それから御
病氣であ
つたかも知れませんが、お國に帰られてしまい、ずつとおいでにならなか
つた。
委員長という人が、こういう重大なニユースにな
つておるものを取上げられて、いなか
つたということは非常に不満でありましたが、特に舞鶴港においての言葉が、これは新聞の記事ですから、本当に言われたのかどうか分らないけれども、
吉村隊事件は檢査廳の問題にはなるまいということが新聞に出ていたのであります。これは
委員会といたしましては、檢察廳の問題になるかならないか、これを断定するのは司法権の問題であ
つて、
委員会の権限ではないので、これは重大で、抗議する必要があるとそれから留守中、又お帰りに
なつたときも一言申上げた。これも、確かにお氣に触
つたかも知れません。
それからもう一つ私
法務委員会など見ておりますと、伊藤
委員長など甚だ御熱心で、我々
議員が遅れても必ず
委員長席に先に着いておられる、外の
委員も定刻に
出席すべき筈ですが、
委員が遅れても伊藤
委員長などは先に
出席して坐
つておられる、ところが
引揚委員会は、
紅露さんは割合に纒
つていたようにいわれますが、実は外の
委員達は非常に熱心であるのに拘らず
余り出席しなか
つた、そういうのはなぜかというと、
出席している岡元、淺岡、矢野三
議員ばかりで喋
つていて、外の人は喋らないので、面白くないというので、出られないというのが多いのであります。これは外の
委員の
証人として呼ばれれば明らかであります。國協党の鈴木憲一氏、社会党の天田氏、木下氏、こうした人にお聞きにな
つても、それから緑風会の人として北條氏にお聞きにな
つても明らかだと思うのであります。こういうので、なかなか
出席が惡い、その際でありますから、
委員長は特に先に
出席して頂かなければならん。ところが定刻
相当過ぎた時間に、
委員長が
廊下で以て外の人と話をして、なかなか行かれそうもない、そこでまあ私は、
委員長が行かないなら私も行きませんよということを言うて、
委員長は早く行きなさいと……、そうしてやつと部屋に入
つたけれども、又外に出てから話されるので、それは
委員長は席に坐
つていなければと、こういうことは言
つております。こういうことが失礼であ
つたらいたし方ありませんが、これは
委員会をまじめに運営する上から、これは
発言せざるを得ないと思うのであります。
それから私共の
発言に対して、私共から見れば甚だ不公平な
態度があ
つたと思うのであります。
岡元委員が
ちよつと手を挙げると直ぐ
岡元委員を指名されますが、私共は声をからすまで
委員長と言わないと指名されない、そういう事情にありましたので、これについては私も
委員の席から立
つて紅露さんの席に行
つて、
委員長余りひどいじやないかということを幾らか申上げた、こういうことは、これは何も
婦人委員長だから特にということではなく、
委員として当然のことをなしたのだと思います。それから附纒
つて意見を述べたと言いますが、引揚は重大なる國際的、外交的問題でありまして、私も
相当の、身を犠牲にしてもこれを解決しようと思
つただけに、いろいろ
考えたのでございます。
委員長ともなられた方は、これをじつくりとお聞きになる
機会を與えられたいと思
つて、時々伺
つたことは止を得ないと思うのであります。
それから私が
審議の妨害をしたということを断定されておりますが、このことについても
紅露委員長の
考え方が、こうでありますね、
引揚委員会だから、議論をしないで
纒める、併しこの引揚の問題は、実に深刻な問題であ
つて、一歩誤れば在外同胞を見殺しにする結果になる問題でありますから、これは正しいと思う
意見を伏せて置くべきでなく、一方で先へ原案が出されても、これに対して間違
つているなら、これは正しいと思う
所信を述べなければならない、これをどうも御
婦人といつちや失礼ですが、
紅露夫人が、何でも
纒めよう、
纒めようという御意思が強過ぎて、一方的に出たものが、それが正当であるか正当でないかより、ともかく先へ出たものに
纒めようとされる点で、ここにいろいろな議論が出たんだと思うので、これに対しては愼重な議論をしたことはちつとも妨害では私はないと思
つておるのであります。而も具体的の事実として、それは、その派生する議論の、両方
意見の相違から、やや感情に走
つたような無駄もや
つております。併しそれは決して私共だけではないのであります。その証拠には、これは
紅露委員長に後程
委員の方から伺
つて頂きたいと思いますが、例の岡元案なるものができまして、それに四十七ケ條の疑点がある、そうしてこれを一つ
審議することに
なつた席上、二十四だけ
審議したところが、
岡元委員と天田
委員が、何だか分らない感情の対立によ
つて、天田君も俺はそれじや立つ、岡元君も俺はそれじや立つと言
つて、立
つて行
つた、要するに私は北條君、細川君、その外
紅露委員長もいられたと思いますが、これが夜遅くまで
審議して四十七ケ條を
纒めたという事実がございます。
それからその次には今度は結論についての問題が出ました。これが北條私案と岡元私案が出まして、岡元私案が撤回されて北條私案を本として
審議することになりました。これに対しては
理事と
細川委員と
北條委員も参加して
決定するということにな
つたのであります。ところがその日はどうしたことか岡元
議員はラジオの放送か何かあ
つたので全然
出席せず、出ましたのは
紅露委員長と私と
北條委員とであります。そして
北條委員の案に対して私も随分異論がございました。北條
議員との
思想の差も
相当ございます。併しながらこれは実に談笑のうちに手つ取り早く解決して、結論をあの日のうちに出したということも御記憶だと思うのであります。このことも
委員の方から確かめて頂きたいと思うのであります。こういうことを見ましても、私が
審議を妨害したというのは実に一方的であると思うのであります。例えば岡元君の案の中で「推定される」というのを北條君が「
考えられる」に直したらどうかということで、三十分も
討論をして固執をしている。こういうことが
議事妨害でなくて、私が正当な理論を
言つたのが
議事妨害だということは、これは
余りにも一方的であると思うのであります。
それから矢野、淺岡、岡元三
議員が、
委員会において非民主的であ
つたかどうかということに対して、
紅露委員長は非民主的なところは聊かもないと言われましたが、この点については先程言
つたように、鈴木憲一
議員、或いは木下
議員、天田
議員に証言を求められてお聞きになれば、これが如何なるものであるから明らかであると思うのであります。而も席上
矢野委員のごときは割れるような勢いで以て卓を叩いて私に詰め寄
つたことも数回ございました。
それから
法務委員会との比較でございますが、
法務委員会で
出席している樣子は遠山
委員からお話がございましたが、なぜ私がこういう非難を受けるに至
つたか、それは
余りにも
委員会が非民主的に運営された、而も重要な問題に拘わらず非民主的に運営されたからであ
つて、このことは私が先程指摘した数人の
議員にお伺いになれば明らかであろうと思うのであります。
それから
少数意見を
速記録に留める
意見があ
つたのではないかという遠山さんの
意見がございましたが、その
少数意見を
速記録に留めることさえもいろいろの事情を申しまして、これを喰い止めようとしたのであります。私は初め岡元私案に対して、四十七ケ條の疑点がございました。これを除こう、これがいかんという疑点であります。更にこれには加えなければならん、一方のことを書いて一方のことを書かなければいかんから、加えなければいかんという
意見をまだ
保留されていたのであります。そしてそれを討議した上に決するというのに、その加える方も段々時間がなく
なつたということで決められて行
つて、そして
最後にこれは当然
速記を取
つて討論すべきものと初めは決ま
つていたのが、時間がないからこれは
速記ができないというような事情に段々追い詰められて、而も
最後の日に私が
議事妨害をしたということと、この
発言とが何か
関係があるようでございますが、私の
発言は最も終りで、
議事が終りまして、何らの時間も要せず十分間に冷靜に述べた言葉であります。
それから
委員長代理のことでございますが、
委員長代理を
委員長が任命することは御自由でありますが、私は
理事の一人とな
つておりますが、この
委員長代理の任命について何らの御相談にあずか
つておりません。
それから引揚促進に岡元、淺岡両氏が熱心が、このことについて松井
議員から疑義がございましたが、私もこの
人達が主観的には熱心だと
考えております。併しその熱心なるものがまじめであるかどうかということに対しては私は大いに疑いを持
つております。その例を申上げますれば、淺岡信夫氏は曾て辻嘉六氏から引揚促進費用に使うと言
つて三十万円の金を貰
つております。そうして私は引揚促進運動に関する限り大抵報告を聞いておりますが、あの不当財産取引
調査委員会に届いておると思うのですが、各引揚促進團体から
淺岡委員からも一銭も金を貰
つていないということを言
つている筈であります。この辻嘉六さんから貰
つたのは確か昭和二十二年の春だ
つたと思いますが、春から以後淺岡氏が引揚促進の大会を開かれたか、或いは引揚促進團体に寄附されたということを知らないのであります。こういうことが主観的に熱心なのと、本当に民主的に熱心なのとを私は疑わざるを得ない点であります。
又岡元義人氏に対しては、引揚促進についても、亦厚生についても主観的にも甚だ熱心であり、よく動く方であります。併しながら
引揚者に対する一口五十万円の復金融資というのがありました際、九州でこれが正式の機関によ
つてどの團体にこれを貸出すかということが一應
決定された後に至
つて、岡元君が集めました二十七ケ件を持込んで、この二十七ケ件をなぜよこさないかということをあとから捩じ込みまして、そのために九州の厚生課長が東京までや
つて來て、遂にそれを格外として入れたというようなことがあり、後にこれが
引揚者全体の枠についていろいろの疑義が生じて、
引揚者團体全國連合会において
相当問題にな
つているという事実も聞いております。こういうような事実がございますので、私は主観的に熱心だと言
つても、それが本当にまじめなものだとは受取れないのであります。
そういうこともありますし、それから引揚促進問題に対しては
紅露委員長は三人の方と殆んど
意見が一致されておると言うのですが、実際
審議の過程を見ますと、
紅露委員長とこの三人だけは一致されていたようであり、更に民自党からときどき
出席される方は必ず淺岡氏に同調されておりましたけれども、これは甚だ私にと
つては奇異なのであります。なぜかと申しますと、民主党の伊東隆治氏、この方は前に外務政務次官もされた方であり、外交的に識見の深い方で、民主党でも尊敬されている方と思いますが、この方の
考え方では
吉村隊事件を取上げることにも
反対されておりますし、私がこの引揚促対についてはともかくソヴイエトを動かさなければならないのであり、ソヴイエト当局が最も神経を尖らしているのは國際情勢、もつとざつくばらんに言えば米ソ
関係であり、これに対して日本國民の
態度は特に一方的にしないこと、そうして平和國家として民主國家として立つことを
はつきりと示して行くことであるということを語り合
つておりまして、この点は伊東隆治氏もよくお分りにな
つて同意を述べておられるので、民主党におられる
紅露先生が淺岡君や岡元君のごとく敵本的な
考え方の方と同
意見だというのは、甚だ私共には不可能な点であ
つたのであります。
こういう
意味で私がどうも一方的で
議事を妨害したもののようになりますが、その多数
意見というのは決して絶対多数の
意見ではなく、岡元、淺岡、矢野君等の
意見に対しては社会党の天田君、木下君も重大なる
意見の差があり、國協党の鈴木憲一君も
意見の差があり、緑風会におきましても穗積眞六郎氏、北條秀一氏も重大なる
意見の差がある。この
人達が殆んど熱心に
委員会に出て來ている人であります。こういう
意味でこの
委員会において私の
意見も
少数ではありました。併しこの
人達の、淺岡君や矢野君の
意見が絶対多数であ
つたということは絶対ないのであります。而もこういう重大な問題に対しては、よく
審議して行こうじやないかということが、
北條委員から幾度も言われているのであります。