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1948-12-27 第4回国会 参議院 法務委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十三年十二月二十七日(月曜 日)   —————————————   本日の会議に付した事件檢察及び裁判運営等に関する調査  の件(本庄事件に関する件)   —————————————    午前十一時三分開会
  2. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それでは法務委員会を開会いたします。檢察及び裁判運営に関する調査会を開きます。本日は本庄事件について証人を取調べることにいたします。   (証人荒井八郎着席
  3. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 荒井さんですね。御署名を願う前に宣誓書を一読をお願いいたします。    〔総員起立証人は次のように宣誓行つた〕     宣 誓 書  良心從つて眞実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。         証人 荒井 八郎
  4. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 荒井さんはお家の方で何をおやりになつていらつしやいますか。
  5. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 被服足袋です。
  6. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 埼玉縣終戰当時衣料沢山軍から流れ出たということは御存じですか。
  7. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 流れたということはまあしつかりは知りませんが……。
  8. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 何か日本衣料へ軍から拂い下げして、その日本衣料から埼玉被服協同組合へ又依託加工をしたのか、或いは拂い下げをしたのか。
  9. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) そんなことは聞いておりますが、私はその被服の方は伜がやつておるのでよく知らんですよ。
  10. 伊藤修

    委員長伊藤修君) すると、あなたの方のお宅の方の御商賣は埼玉被服工業協同組合にお入りになつていらつしやいますか。
  11. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 協同組合の麾下ですね。
  12. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 入つていらつしやいますか。
  13. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 入つております。
  14. 伊藤修

    委員長伊藤修君) すると、そういう依託加工や何かするということは御存じないのですか。
  15. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 依託加工はやつておるらしうございます。
  16. 伊藤修

    委員長伊藤修君) あなたはお仕事に携わつておりませんか。
  17. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 携わつておりません。
  18. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 伜さんが……。
  19. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 伜の方が被服をやつております。
  20. 伊藤修

    委員長伊藤修君) なんとおつしやいますか。
  21. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 栄一郎です。
  22. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 年額どのくらいお取扱いになつておるんですか。
  23. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) さあ私知らないのですが……
  24. 伊藤修

    委員長伊藤修君) その埼玉被服工業協同組合依託加工品か或いはあなたの方で御取得になつていらつしやるか、とにかく繊維品を多量にお宅の方へ保存しておるとかということは御存じないですか。
  25. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) さあ、保存されたかされないか知りませんが……。
  26. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 本年の何月頃か分りませんが、そのあなたの方に保管されておつたものが、いわゆる隠退藏物資として摘発に係官が出張されたことがありますですか。
  27. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) あります。
  28. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それは何時頃ですか。
  29. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 何月だつた記憶ありません。七、八月頃だつたじやないかと思います。
  30. 伊藤修

    委員長伊藤修君) そのときの模様を仰しやつて頂きたい。
  31. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) それは七、八月だつたと思います。行田という町全体に隠退藏があるとして歩いて、それで私の家にも檢事が一人おいでになつたと思います。それは何時頃でしたか忘れましたが、盡頃だと思いますが、私共に來まして、被服足袋は別になつておりますから、被服の方の会社に來まして、私に立会つて呉れ、こういう申出があつたのです。それで、それは困る。何故なれば伜がいないから、私がやつておるのでないから困る。あなたが何方ですかと私がこう聞くと、檢事だという。檢事さんなら何か証明書がありましようというと、何か証明書を出しました。ようでござんすか、それが田上という檢事なのです。そこで私はちつとも分らないから、一つ伜がおる時に來て貰いたいと断つたところ、それにはたた帰れないからというので、何所かに何所まで封印して引上げて貰つて明日來て貰うことにした。そのとき見えたのが田上檢事です。
  32. 伊藤修

    委員長伊藤修君) そのとき、あなたの所用でお出掛けになるときだつたでしよう。
  33. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) そうでした。
  34. 伊藤修

    委員長伊藤修君) あなたは引返されて人のような應答の結果、差押を許されたわけですか。
  35. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) そうです。
  36. 伊藤修

    委員長伊藤修君) そのときは封印だけして行つたのですか。
  37. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 倉庫から倉庫まで全部封印して行きました。すぐそれで私は外に行つてしまつたのです。
  38. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 幾人來ましたか。
  39. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) そうですね、その檢事事務官の二人だつたかと思います。
  40. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 何か新聞社の人とかなんとか來ましたか。
  41. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) それは知りません。
  42. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 表に沢山來ておりませんでしたか。
  43. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 來ておりませんでした。
  44. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 二人きりでしたか。
  45. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 二人きりだつたと思います。人数は忘れましたが、二人か三人だつたと思います。
  46. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 二人か三人でしたか。
  47. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) そうです。
  48. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それ以上は來ておりませんでしたか。
  49. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 來ておりません。
  50. 伊藤修

    委員長伊藤修君) そのときに何か外に話がありましたか。
  51. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 少しもありません。一分か二分ですから。
  52. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 勿論差押え調書作つて行つたんですね。
  53. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 差押え調書は、誰か店の者から調書なり作つたと思います。
  54. 伊藤修

    委員長伊藤修君) そうすると、その翌日又事務官が出張して來たんじやないですか。
  55. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) それは知りません。
  56. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 後でお聞きになりませんか。
  57. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 聞きません。來たような様子がないか。
  58. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それ以後そのことについてどうなりましたか。
  59. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) そのことは、そのうち何日くらい経ちましたか、差押えは解いて貰つたと思いますね。うちは何もないのですから、解いて貰つたと思いますね。私の家は始終いませんから知りません。
  60. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 最初差押えにお立会になつたのですから、あれはどうなつたとお聞きにならなかつたですか。
  61. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) それは聞きましたら、解いて貰つたと言いました。解いて貰うべく何か裁判所へ嘆願に行つたと言いました。製作上職工が縫うので困るからといつて嘆願したと言いました。
  62. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それで解除されたというのは、その解除された理由御存じありませんか。
  63. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 解除されたのは伜がやつたんですから知りません。
  64. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 御子息に、どういうふうに片付いたのだということをお聞きにならなかつたのですか。
  65. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 聞かなかつたですね。
  66. 伊藤修

    委員長伊藤修君) そうすると、その隠退藏物資かどうか存じませんが、その品物会社の物ですか、あなたさんの物ですか。
  67. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) それはよく分りませんが、委託加工ですから、組合のものだと思います。
  68. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 組合のものを、あなたが保管されたのですか、会社が保管されたのですか。
  69. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 会社が保管したと思います。
  70. 伊藤修

    委員長伊藤修君) その会社は何というのですか。
  71. 荒井八郎

  72. 伊藤修

    委員長伊藤修君) その会社として保管されておつたのですね。
  73. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 保管したんですね、一時。
  74. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 差押えは、会社に対する差押ですか。
  75. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 会社に対する差押えですね。
  76. 伊藤修

    委員長伊藤修君) あなた個人若しくは御子息じやないのですね。
  77. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) そうではありません。それもよく知らないのですが、誤つていたら直さなければなりませんが、私はよく知りませんから。
  78. 伊藤修

    委員長伊藤修君) いずれにしても三つの中ですね。
  79. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) はい。
  80. 伊藤修

    委員長伊藤修君) その品物はどうなつたんですか。
  81. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) その品物は、別に隠退藏でないということが明らかになつたと思います。別に何でもないのだということを言つておりました。とにかく行田は全部押えたのですから。
  82. 伊藤修

    委員長伊藤修君) そうすると、その品物会社のものであるかどうか分らないのですか。
  83. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) それは委託加工だから、会社のものじやないでしよう。工賃を貰うのですから。
  84. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 全部ですね。
  85. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) ええ。
  86. 伊藤修

    委員長伊藤修君) そういうふうに各業者の人が、いわゆる繊維品をお扱いになつておる各業者の方が五十何軒あつて日本衣料からそれを全部そういうふうに分割して委託加工しておつたんじやないですか。
  87. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) それは私は知らないですね。被服のことは詳しいことは知らないのです。一つ伜に聞いて下さい。私は分らないのです。
  88. 伊藤修

    委員長伊藤修君) その後、その事件のあつた後、あなたのお宅へ田上檢事が外の人を同道してか、お宅へお伺いしたことはありませんか。
  89. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) そういうことは全然ありません。
  90. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 外の証人の人の言葉によりますと、お宅へお伺いして、一泊されたというようなことを言つておりますが。
  91. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) それは、でたらめ言つておるんでしよう。そういうことは迷惑千万ですよ。泊るか何かしたら、うちの家内が何か言いますから、又來たことも言いますよ。そういう方が來れで言いますから、そういうことは知らないですよ。
  92. 伊藤修

    委員長伊藤修君) そうしてお宅で酒食の饗應を受けて、藝者も二、三人呼ばれた、こういうことを言つておりますが。
  93. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) それは毛頭ないですよ、委員長。それは何かの誤解でしよう。全く迷惑千万ですね。誰がそういうでたらめを言うのですかね。
  94. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それでは、お宅ではないとしても、例えば料理屋とか、公にはありませんけれども、宿屋とか、そういう所でお呼びになつたことはありませんか
  95. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 大体田上檢事とか何とかいう者は知らないのですから、知らない者を呼んで私が饗應するとか何とかいうことをすべき道理がないじやありませんか。
  96. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 外の業者か、或いはお宅の社員の人ですね。息子さんか、そういう方がお呼びになつたことはありませんか
  97. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) うち社員うちの伜は絶対にありません。よそは存じません。
  98. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 他の業者がやつたかどうかは御存じない。
  99. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) そういうことは存じません。
  100. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 少くともあなたの御子息、或いはあなたの会社関係者としてお呼びしたことはないのですか。
  101. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 毛頭ないです。
  102. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 関口という経済防犯課の警部ですか、警部補ですか、それがそういうことを言うておるのです。
  103. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) それでは奴ら何か言うたのでしよう。
  104. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それを又聞いた人というのが、そういうことをはつきり言うたと言つておりますがね。
  105. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) そういうことは、誰が何と言つたか知りませんが、それはありませんよ。
  106. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それでは諄いようですが、外でどこかでお目にかかつたことはありませんね。
  107. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) ありませんよ。てんで知らないのですから。
  108. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それでは何かお尋ねの件がありますか。
  109. 岡部常

    岡部常君 ちよつと伺いますが、あなたの会社で、御令息は全部責任を負つておるわけですか。
  110. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 責任は、社長ですから全部負つております。
  111. 岡部常

    岡部常君 そうすると、あなたは何も……。
  112. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 私は足袋の方の関係を一部やつておるのです。それで、こつちの参議院に來ておりますからね。
  113. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それであなたは社長でなくどういう関係ですか。
  114. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 誰ですか。
  115. 岡部常

    岡部常君 あなたが。
  116. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 足袋会社被服の方の会社と両方あるので、被服の方は伜がやつており、足袋の方は私がやつておるということになつておるのです。
  117. 岡部常

    岡部常君 足袋の方はあなたが社長被服の方は御令息社長というわけですね。
  118. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) そうです。
  119. 岡部常

    岡部常君 それで今の問題は被服の方だけですね。
  120. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 被服の方だけです。
  121. 岡部常

    岡部常君 分りました。
  122. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 足袋会社としてもありませんね。
  123. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 勿論そんなことはありませんよ。そんなことはでたらめですよ。
  124. 伊藤修

    委員長伊藤修君) そうすると、足袋会社も、被服会社も、御子息も、あなたとしてもないと。
  125. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) ございません。
  126. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それでは関口重大郎という人を御存じですか。
  127. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 知つております。
  128. 伊藤修

    委員長伊藤修君) その人にお目にかかられたことは。
  129. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 関口という人は、家に來たことがあります。それは伜と知つておるので、何か大阪に旅行するとかで、鞄を貸してくれと言つて來ておりました。その外のことは存じません。
  130. 伊藤修

    委員長伊藤修君) あなたも御存じですね。
  131. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 私も知つておりますよ、その男は。
  132. 伊藤修

    委員長伊藤修君) その人が泊つたことはありませんか。
  133. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) その人が鞄を借りに來たときに、伜と泊つたらしいです。
  134. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 御子息の家に。
  135. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) そうです。
  136. 伊藤修

    委員長伊藤修君) お宅と御子息の家とは別々ですね。
  137. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 一緒ですけれども、部屋は別々ですから。
  138. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 御子息部屋泊つた。そのとき藝者は呼びませんか。
  139. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) そんなことがあるものですか。遅く來たのです。九時頃來て、大阪証人の出るのだか、鞄を忘れたので貸してくれと、遅く來たので汽車がないというから泊つて行けと言つたのでしよう。
  140. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それはいつ頃のことですか。
  141. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) それは覚えていないな。
  142. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 少くとも今の差押え事件のあつた……。
  143. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) それは全然違いますよ。
  144. 伊藤修

    委員長伊藤修君) その後ですか、前ですか。
  145. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 覚えていないな。
  146. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 鞄を借りに來たのは。
  147. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 覚えておりませんな。
  148. 伊藤修

    委員長伊藤修君) およそ前か後か分るでしよう。
  149. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) さあ、うつかり言つてでたらめ言つてしまつては困るから。
  150. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 今年のことは今年のことですね。
  151. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 今年のことですな。
  152. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 暑いときですか。
  153. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 暑いときじやなかつたな。ちよつと記憶がないですな。何しろ私は余り関知していないのだから。
  154. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 今鞄を借りに來たということを御記憶になつておるから……。
  155. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 鞄を借りに來たけれども、後で聞いたのだから、知らないですわ。
  156. 伊藤修

    委員長伊藤修君) そこを御記憶になつておるから、暑い寒いぐらいのことはどうでしよう。
  157. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) よく覚えていないですな。関口という男は私どもの近所ですから、北埼玉の新郷村ですか、それで、きつと伜が知つておるのですから。
  158. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 近所であつて、どうして泊るのです。
  159. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 近所でも不便ですから、羽生まで電車がないんですから……どうして泊るかということは分らないですね。
  160. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 関口は一回きりですか。
  161. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 私の聞いたところでは一回ですな。
  162. 伊藤修

    委員長伊藤修君) その他泊らんときで、お宅を訪問したことがあるんですか。
  163. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) いや、そういうことは知りませんな。私は会つたのは一回だということです。
  164. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 関口御存じ理由はどういう理由でございますか。
  165. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 伜が知つているんですから……伜が何かきつと何でしよう。兵隊友達か何かじやないんですか。
  166. 伊藤修

    委員長伊藤修君) ああそうですか。御子息は何か航空隊にいらしやつたのですか。
  167. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) いや航空隊じやありません。
  168. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 話は前に戻りますが、関口が泊られたときにお酒でもお飲みになつたんですか。
  169. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 私はそれは知りませんな。それは飯を食つて來たのじやないですか。
  170. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 泊れば夕飯ぐらいは食うでしよう。
  171. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) いや泊ればと言つても、遅く來たんだから、食つて鞄を借りに來たんだから……飯は食いません。
  172. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 飯も食わない……。
  173. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 飯は食わなかつたんですな。飯は食いません。ちよつと記憶がありませんが……。
  174. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それは夜遅く來たんですか。
  175. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 夜余り早くなかつたですな。
  176. 伊藤修

    委員長伊藤修君) いつ頃か御記憶ないですか。
  177. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 記憶はないですな。三月か四月頃だつたか、寒い時分だつたかな。覚えないですな。
  178. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 余程親しく出入しているわけですね。
  179. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) いいえ、していません。
  180. 岡部常

    岡部常君 何かあなたは御商賣の関係、或いはその外の政治的な関係とかいうことで中傷されるような心当りはありませんか。
  181. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 中傷されるような心当りはありませんな。だが、どうもその、とかくその、まあ何だかんだと言いますよ、世間では……。
  182. 岡部常

    岡部常君 何か新聞関係とか、そういうふうな方面でケチをつけられるというようなことはありませんか。
  183. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) そういうことは私ありません。
  184. 岡部常

    岡部常君 ございませんか。今委員長との問答で、いろいろなことを言われているわけですね、それについて、ああそうだなと思うような、思い当るところがありませんか。
  185. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 本庄事件ということは大体私はちつとも知らないのですから、本庄事件に私を何するということはどうも私解せない。どうして私の名が出たか、関口でたらめ言つたのじやないかと思うのです。あの新聞を見ますと……私は何でもないのですから、ちつとも関係ないのですから……。
  186. 岡部常

    岡部常君 いや尢も本庄事件関係でなしに、これは必ずしも本庄事件関係があるかどうか分りませんが、本庄事件と切離して何か思い当ることはありませんか。
  187. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) ちつともありませんな。
  188. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 他にお尋ねになることは……。
  189. 大野幸一

    大野幸一君 業者協同組合であなた何か役を勤めていらしつたのですか。
  190. 荒井八郎

    証人荒井八郎君) 私は役をしていません。協同組合の顧問をしておりますが、殆んど会議に出たことはないですから……。
  191. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 他にお尋ねはありませんか。それではどうもお忙しいところ御苦労樣でした。    〔証人小泉忠孝着席
  192. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 小泉忠孝さんとおつしやるのですね。
  193. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) はい。
  194. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 本日証人として証言をお願いいたしますから、先ず宣誓をお願いいたします。又誓書を朗読して頂きます。    〔総員起立証人は次のように宣誓を行なつた〕    宣 誓 書  良心從つて眞実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。         証人 小泉 忠孝
  195. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 埼玉縣衣料隠退藏物資の問題がありましたですね。それの最初からのいきさつをお述べ願いたいのですが……。
  196. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 摘発が始まつたのが忍の警察におきまして駅の取締に行つておりました。名前は忘れましたが、巡査が、綿コードという木綿の織物があるのですが、それを五十反ばかり駅へ背負い出すところを捕まえまして、これが本年の一月十九日頃と思います。それで忍の署におきましてどこから持つて來たのだということになりまして、捜査を進めて行きましたところが、埼玉布帛製品株式会社というのがあります。そこから出たのだということが分りまして、これは闇である、では相当そこには闇物資があるのではないかというので、在庫の調べに著手したのであります。檢察廳へその報告が参りましたのが、大体相当数量隠退藏品があるという報告が参りましたのが、一月二十九日か三十日頃でした。それで三十一日頃から数名行つてつたようです。私が行つたのは二月の一日に始めて参りました。それから約十日くらいに亘りまして。片つ端から埼玉布帛関係の在庫しておるところを調査して行つたのです。帳簿と対照しまして……で本当数の無籍ものを出したわけです。それに引続きまして、これは忍町に相当あるのだという目鼻がついたので、本格的に全般的にやつてみようじやないかという計画を立てまして進んだのであります。本格的に忍町へ着手したのは三月三日頃じやないかと思います。正確な日は忘れました。それから引続いて四月一杯ぐらいまでやりまして、相当な隠退藏を供出させるまでに至つたのであります。
  197. 伊藤修

    委員長伊藤修君) その繊釈品は、もと軍の物であつて、それが日本衣料に拂下げられたのですか。
  198. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) はあ、そうです。
  199. 伊藤修

    委員長伊藤修君) そうして日本衣料から埼玉被服工業協同組合ですか、そこへ委託加工したのですか、賣つたのですか。
  200. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) それは埼玉各地……私は外地から引揚げたので、はつきりその状態は知らないのですが、埼玉各地相当終戰時衣料品が置かれておつたらしいのです。その実態は知りません。それをこの日本衣料が軍から引継ぎまして、それを代行として当時あつた埼玉縣被服工業協同組合が引取つておるのです。それは被服連合会というのがありましたですが、それにチケットが行つてつたのですが、その連合会から指図書が來まして、加工、それから販賣というようなことをやつてつたらしいのです。ところがそのリストの間違いか故意か存じませんが、余分なものがいつの間にかできてしまつたのです。そのものが隠されて隠匿のような恰好になつたわけなんです。これを摘発したわけです。
  201. 伊藤修

    委員長伊藤修君) すると、日本衣料が先程申した埼玉被服工業協同組合代行せしめたということは、その品物は委託しておるわけですか、品物関係から言うと……。
  202. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) ええ、そうです。代行して、とにかくそういつた在庫して置く場所もありませんし、結局加工するのは行田でやるというようなことから、あそこで全部やつたらしいのです。
  203. 伊藤修

    委員長伊藤修君) すると品物所有権は……
  204. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 日本衣料のものです。
  205. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 日本衣料のものを將來加工するために一應保管しておるわけですか。
  206. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) そうです。
  207. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 預つておるわけですか。
  208. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) そうです。併しそのうち日本衣料閉鎖命令が出まして、閉鎖命令と同時にこれを被服連合会へ肩替りした……。
  209. 伊藤修

    委員長伊藤修君) そうして連合会品物になつたのですか。
  210. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) ええ、連合法品物になつたわけです。
  211. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 被服連合会というのはどういうものですか。
  212. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) それは全國の被服業者組合の連合したものじやないかと思うのですが……。
  213. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 全國的なものですね。
  214. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 全國的なものです。
  215. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 日本衣料変形ですね。
  216. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 変形……。そうですね、その点はつきり知りません。
  217. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 少なくとも全國の連合会ですね。それへ肩替りした。連合会所有物になつたのですか。
  218. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) そうです。
  219. 伊藤修

    委員長伊藤修君) その数量御存じですか。
  220. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 知りません。
  221. 伊藤修

    委員長伊藤修君) そのいわゆる代行という、保管しておる協同組合は五十何名というのですか、協同組合員は……。
  222. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 協同組合員は五十何名になつてると思います。
  223. 伊藤修

    委員長伊藤修君) そこへ悉く配布しちやつたのですね。分配したわけでありますね。
  224. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) それは分配してなかつたと思います。初めは……。私達が摘発する頃は分配されておりました。
  225. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 最初は誰かが引取つたわけですね、組合として……。
  226. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) ええ、そうです。組合として在庫して組合の方へ……。
  227. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 全部保管替いたわけですか。
  228. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 保管ではなく、むしろ賣渡しのような形式になつたのじやないかと思います。実際は……。組合員に渡しませんと加工できませんので、それは連合会の方へ金を拂込んで、協同組合が……、それで更に協議同組合業者からその金を取る、そうして原反を渡していた。
  229. 伊藤修

    委員長伊藤修君) そこから委託加工でなくて、連合会の肩替りになつたものは、協同組合が今度買受けて、そうして各組合員に分配したわけですね。
  230. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) そうです。
  231. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 自分のものを今度制品にするわけですね。
  232. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 併しそれについては裁継加工とか、出荷の指図とかいうものがいろいろあつたらしいです。詳しいことは存じません。
  233. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 生産に対する商工省の指図はありましようが、所有権関係は……。
  234. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 所有権関係は、連合会から組合に移りまして、組合から工場主というように行つております。
  235. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 結局、終局の問題としては、摘発当時は各個人のものであつた……。
  236. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 個人のものに移つておりました。
  237. 伊藤修

    委員長伊藤修君) そういうことになるのですね。各組合員のものに移つてつた、それは間違いないわけですね。
  238. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 間違いありません。
  239. 伊藤修

    委員長伊藤修君) その品物は……。
  240. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 実際は書類なんかでは委託保管とか、物品を委託するような形式になつておるのです、書類面は……。ところが実際面を調査しますと、実際には買受けて金を拂込んでおる。こういうように書類が出て來たので、それから突いて行つたわけであります。
  241. 伊藤修

    委員長伊藤修君) お調べの結果、結局最後は、協議組合個人の所有物に移轉しておつたということですね。
  242. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) そうです。
  243. 伊藤修

    委員長伊藤修君) その品物はお調べの結果お分りになつたかどうか存じませんが、最初或る大かな数字があつて、それが帳簿上例えば十反というものを五反として最初日本衣料が買受けて、それが順次來ておるものだから、だから商工省面では千反なら千反となつておるのですけれども、実際は二千反あるわけですね。
  244. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) そうです。多かつたわけです。
  245. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それから指定生産とか委託加工とかいう命令が出て生産されるものは帳簿上の数字だけで出て來て、その余分のものは依然として隠退藏されておつたわけですね。
  246. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) そうです。
  247. 伊藤修

    委員長伊藤修君) そういう結果であつたのですね。それが隠退藏物資になつてつた……。
  248. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) そうです。
  249. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それはどのくらいあつたのですか。
  250. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) はつきりした数字は記憶ないのですが……。
  251. 伊藤修

    委員長伊藤修君) あなたのお調べで凡そどのくらいあつたとか……。
  252. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 種目も多いし、どうもはつきりし記憶が……。
  253. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 種目別でなくて、全体を通じて何万ヤールとか……。
  254. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 若し正確なことでしたら、記録が取つてありますので、それによつてお答えしたいと思います。
  255. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 正確なことでなくても、何十万ヤールとか何万ヤールとか、概念はお分りにならんですか。
  256. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 四、五万ヤールくらいじやなかつたかと思います。
  257. 伊藤修

    委員長伊藤修君) その價額は最初非常に安いものだつたそうですね。
  258. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) そうです。安いものでした。
  259. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 政府から拂下げたものは……。
  260. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) そうです。
  261. 伊藤修

    委員長伊藤修君) どのくらいであつたのですか。
  262. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) その点もはつきりいたしません。その点は調べておらなかつたでしよう。
  263. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 一円以下のようですね、勿論……。
  264. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 大分安いのじやないかと思います。
  265. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 四、五十銭ですか。
  266. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 價額の点についてはどうも実際に調べませんでしたから……。
  267. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それで悉く隠退藏物次は、大体最初の見込み数だけは挙つたわけですか。
  268. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 挙りました。
  269. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それで隠退藏物資摘発して差押えられたわけですね。
  270. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) そうです、差押えました。
  271. 伊藤修

    委員長伊藤修君) その後どうなりましたか。
  272. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) それは供出手続を取りまして、私の方は地方支図になつておりますので、地方檢察廳に送りまして、それから更に高等檢察廳の隠退藏係に行きまして、隠退藏係の方から安本の方に廻つて、それが処理され收買されるという形式になつております。全部恐らく買上げておると思います。
  273. 伊藤修

    委員長伊藤修君) そうやつて買上げ手続きを取つて、その結果又所有者に拂下げたのですか。
  274. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) そうではないと思います。これは恐らく買上げるのは復興公團でしようが、あそこでトラックで持つて行つておるのじやないかと思います。
  275. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 皆集めましたか。集荷したのですか。
  276. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) そうです。埼玉布帛についても、はつきりしておりますが、自動車で運んでおります。
  277. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 埼玉布帛以外の差押えた分は……。
  278. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) それもたしか、あそこにないと思います。運んでおると思います。
  279. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 差押えられたものは、悉く皆そういう手続を取つておりますか。
  280. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) そうです。
  281. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 一件も余さず。
  282. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) いいえ、差押えた全部というわけではありません。これは正規のものは還付したしますから。
  283. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 解除したのですか。
  284. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 正規のものは解除いたします。怪しいと思うものは全部押えました。一時は。
  285. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 一時ですね。
  286. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 一應押えても調査の結果、闇の物である。或いは正規の保有物資であるというふうに区分して、正規のものは返しております。
  287. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 返したのは、どのくらいありますか。
  288. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 返したものも僅かだと思います。
  289. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 何件ぐらいあつたのですか。件数にして。
  290. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 押えたものの半分ぐらいじやないかと思います。
  291. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 半数ですね。
  292. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) そうです。
  293. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 五十何件押えて、半数は還付したわけですね。
  294. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) そうです。
  295. 伊藤修

    委員長伊藤修君) その頃荒井八郎宅の品物をお押えになつたことはありますか。
  296. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 押えました。
  297. 伊藤修

    委員長伊藤修君) そのときの模樣をおつしやつて頂きたいと思います。
  298. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 私は、荒井八郎の工場に行つておりません。これは、浦和の事務官が二人ぐらい行つておると思います。私共の熊谷としては、とても手が足りませんので、当時の警察部それから浦和の本廳から來まして、相当事務官が増員になつておりますから、荒井八郎の工場に行つておるのは、浦和の事務官だと思います。それも記録を見れば、当時の押收調書が付いております。
  299. 伊藤修

    委員長伊藤修君) その隱退藏物資の摘発に関與された人は、どういう人ですか。
  300. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 関係した人は……。
  301. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 檢察官、事務官とか。
  302. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 檢事の名前……。
  303. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 名前をおつしやつて頂きます。
  304. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 檢事は、大体指揮をしておつたものが、田上檢事です。
  305. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 総指揮ですね。
  306. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) そうです、それから齋藤檢事行つておりました。
  307. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それは熊谷ですか。
  308. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) そうです。熊谷です。
  309. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それから。
  310. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) それから後は事務官です。
  311. 伊藤修

    委員長伊藤修君) どなたとどなたですか。
  312. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 熊谷は私、それから土田事務官、小林事務官つたと思います。後は浦和の事務官になると思いますが。現在なつております戸山副檢事、小沢事務官、橋本事務官、その他何名かおつたのですが。
  313. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 大体そういうものですか。
  314. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) もつとおりましたが、私、浦和の事務官の名前はよく存じませんので、その外、縣から藤井という警部補、それから関口警部補、こう聞いております。
  315. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 警察関係では二人ですか。
  316. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 二人の外、地元の署員が何名か手を出しておると思います。
  317. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 警察関係の重だつた人は関口と藤井、関口というのは関口重太郎ですね。
  318. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) そうです。
  319. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 警察関係の主任ですね。
  320. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) そうです。
  321. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 荒井八郎氏のところの事件を取扱つた人はどなたですか。
  322. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 浦和の事務官だと思いますが。
  323. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 最初差押え行つたの田上檢事とどなたですか。浦和の事務官ですか。
  324. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 浦和の事務官です。
  325. 伊藤修

    委員長伊藤修君) その翌日又事務官の人が出張せられましたね。
  326. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 二人くらい行つておると思います。
  327. 伊藤修

    委員長伊藤修君) あなたは行かなかつた……。
  328. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 私行きません。
  329. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 荒井氏のところの差押え物件はどうなつた御存じですか。
  330. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 還付されておるでしよう。
  331. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それは適正品だということになつた……。
  332. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) ええ、そうです。幾らもなかつたと思います。すでに私たちが或る資料を入れておつた、情報が入りましてこういう書類が作つてある、それから物件は大体これと、こういうものだというふうな情報を入れておつた、それを中心にやりました。
  333. 伊藤修

    委員長伊藤修君) どのくらいの数量であつた御存じありませんか。
  334. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 忘れました。これも記録を見ればはつきりいたします。
  335. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 只今その記録は何処にあるのですか。
  336. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 熊谷にあります。これは起訴いたしましたから……。
  337. 伊藤修

    委員長伊藤修君) あのどの部分を……。
  338. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 組合と、それから組合の理事三名を起訴いたした。
  339. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それは目下事件が進行中ですか。
  340. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 確定しておると思います。
  341. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 何時頃確定したのですか。
  342. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 十一月と思います。
  343. 伊藤修

    委員長伊藤修君) そうすると、一括して全部関係の書類が入つておりますか。
  344. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 入つております。
  345. 伊藤修

    委員長伊藤修君) その一件の中に……。
  346. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) ええ、入つております。
  347. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 関口重太郎という人を、あなたはよく御存じですか。
  348. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) よくは知つておりません。初めて会つたの摘発のときですから……。その後半月くらい一緒に仕事をしておりました。
  349. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 摘発には常に付いて容くのですか。
  350. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) ええ、そうです。
  351. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 一緒に……。
  352. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) ええ、縣の方に報告があるからというので、來ておりまして一諸に仕事をしておつた
  353. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 現場に皆立会う……。
  354. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 立会つております。
  355. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 取調べに当るのですか。
  356. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 取調べも幾らかやつておると思います。
  357. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 差押えには、何件くらい立会つたのですか。
  358. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 十五、六件行つておると思います。
  359. 伊藤修

    委員長伊藤修君) その事件後、関口さんにお会いになつたことがありますか。
  360. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) ありません。
  361. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 事件中、仕事の関係上お附合いになつただけ……。
  362. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) そうです。
  363. 伊藤修

    委員長伊藤修君) その関口という人は……。
  364. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 事件後も一度会つておりますが、朝、熊谷檢察廳へ出て來て、田上檢事に面会したということで、会つておりますが、それ以外私としては会つていない。
  365. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それは何時頃ですか。
  366. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) これは本庄問題が起つて來た後であつた
  367. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 起つて後のことですね。
  368. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 起つた最中です。
  369. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 九月頃ですか。
  370. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) そうだつたと思います。
  371. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 関口氏は、その差押え業者の人を十五、六件扱つたというのですがね。そういう関係上、業者の人達とは非常に接近しておるのじやないですか。
  372. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) そうですね。その点は分りませんが、仕事の面では私は一緒に行動しましたが、それ以外では一緒に行動しておりません。
  373. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 差押えた後、差押えられた地方へ、私用か公用か知らんが出張しておることはあるのぢやないですか。
  374. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) さあ、その点は分りませんが。
  375. 伊藤修

    委員長伊藤修君) そういうような風評などお聞きになりませんか。
  376. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 家があの近くなんです。行田の実家が。その関係で或いは行つておるかも知れません。親戚もあるとかいう話でした。
  377. 伊藤修

    委員長伊藤修君) そうすると結局事件に対しては関係が深いわけですね。
  378. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 深いんです。
  379. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 自分の規戚知己というところへ事件がおつ始まつた、こういう関係にあるわけですね
  380. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) え、そうです。
  381. 伊藤修

    委員長伊藤修君) いろいろ何か頼まれて相談に乘つておるようなことはお聞きにならなかつたですか。
  382. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 聞いておりません。
  383. 伊藤修

    委員長伊藤修君) あちらへ出張して酒食に呼ばれたとかそういうことはお聞きになりまんか。
  384. 小泉忠孝

    証人小泉忠孝君) 聞いておりません。
  385. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 他に宜しいですか……。ではお忙しいところどうも……。田上輝彦檢事は診断書が出ておりまして、不参届も出ております。ちよつと休憩いたします。    午前十一時五十三分休憩    —————・—————    午後零時六分開会
  386. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 休憩前に引続きまして開会したします。  証人の取調べは、本日はこの程度にいたしまして、來年は一月七日から十一日まで御足労を願いたいと思います。七日の日に山梨の甲府事件証人を取調べたいと存じます。証人檢事正の池田九郎、檢事の池田貞二、檢事の鈴木壽一、オリオンパレス映画館の社長上村文一、縫製業の淺川隆治郎、山梨農民道場主の丸山幸右衞門、以上六名を七日に取調べたいと思います。それから八日、九日を仙台事件に充てたいと存じます。
  387. 岡部常

    岡部常君 九日は日曜日ですが。
  388. 伊藤修

    委員長伊藤修君) 途中を休まずにやつた方が日にちの経済になると思いますから御迷惑でしようが……。八日の日は、松浦正隆、荻原富雄、岡崎栄松、浦山きえ子、中沢しげ子、新井田喜佐久、西條芳次郎、梅原順治、澁谷順誠、松尾啓三、以上十名を一月八日に取調べることにいたします。一月九日は、南出一雄、一木ゆう太郎、岡琢郎、清水直、尚これは檢事正です。管原弘毅、宮城竹三郎、以上六名を一月九日に取調べることにいたします。  一月十日、十一日を昭和電工事件証人取調べに充てたいと存じます。尚一月十日喚問する証人といたしまして、石井春朗、中島忠之、水池亮、入江誠一郎、太田耐造、砂原季也以上六名を一月十日に取調べることにいたしたいと存じます。  一月十一日には、重政誠之、松岡松平、松下権八、日野原節三、以上四名を一月十一日に取調べることにいたします。  以上一月七日から十一日までの証人の取調べをいたすことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  389. 伊藤修

    委員長伊藤修君) それではそれを決定いたします。  尚本庄事件の大体結論が出ておりますが、どういたしましようか。午後に御協議願いますか。お差支えなければ本日はこれにて散会いたします。    午後零時十二分散会  出席者は左の通り。    委員長     伊藤  修君    理事            岡部  常君    委員            大野 幸一君            齋  武雄君           大野木秀次郎君            深川タマヱ君            松井 道夫君            松村眞一郎君   証人    参議院議員   荒井 八郎君    檢察事務官   小泉 忠孝