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水岡俊一君
立憲民主・社民の
水岡俊一です。
会派を代表して、政府四演説に対し、質問をいたします。
まず、総理、そして大臣の方々にお願いがございます。
今日は、是非、建前論や
御飯論法、あるいははぐらかし、ごまかしを一切やめ、私
たち議員の
向こう側にいる国民の皆様に向かって自らの言葉で本音を答えていただきたい。総理始め大臣の理念や政策を切々とお話しいただければ、テレビや
ラジオ等でお聞きになっている国民の皆様の理解も深まると考えます。
一月前、暮れも押し迫った十二月二十七日夜、私たちは一つの
ニュース速報に愕然としました。
羽田雄一郎参院幹事長死去との知らせに、誰もが耳を疑い、それが間違いであることを祈るばかり。しかし、二度と彼の肉声を聞くことはかないませんでした。
死因は
新型コロナ感染症によるものであり、
PCR検査をするため病院に向かう途中で息を引き取ったという続報に私たちは更なるショックを受けました。今となっては、彼の死を通して私たちが何を学ぶのか、何をしなければいけないのか、しっかりと考えていきたい、そう思います。
十四日の
内閣委員会において
杉尾秀哉議員が、
羽田議員のように迅速に
PCR検査を受けられない方々がいるという現実をどう考えているのかという質問をしています。それに対し、
厚生労働省は、検査がある意味では回るようになってきた、検査をめぐる状況は初期の事態よりはかなり改善をしてきたとの答弁をしました。十二月、一番多かった時期で
週当たり三十六万件できていると胸を張る厚労省ですが、週三十六万件は、一日約五万件、これを一
都道府県当たりにすると余りに僅かな数ではないでしょうか。これで回るようになったと言える神経が私たちには分かりません。
そこで、総理に最初の質問です。
菅総理は、
感染症対策の有効な手段として、国民の不安を少しでも和らげるためにも、
PCR検査を拡充すべきだとお考えなのか。それとも、
医療逼迫を防ぐためとして、
PCR検査はこの程度にとどめておく方がよいとお考えなのか。さらに、そのお答えを基に、菅総理の
新型コロナ感染症対策が他の国とどう違うのか、
科学的根拠を交えて御説明ください。
二〇二〇年がマスクの年だとしたら、二〇二一年は
ワクチンの年になるかもしれないと書いた論説がありました。言い得て妙だと思います。現在、
緊急事態宣言真っただ中であり、
感染者数の増加、宣言による対策、特措法の改正が議論の中心となっていますが、間もなく
ワクチンの
早期接種が国民の注目の的になってくると思われます。
そこで、二つ目の質問です。
全国民分の
ワクチンが確保できるのか、接種の
優先順位はどのように付け、どこで誰が打つのかについて改めて明確に御説明ください。また、
ワクチンについて、副反応や変異株への効果の
最新情報やデータを公開するなど、透明性を確保する手だてと
説明責任をどう考えているのか、総理の決意を含めてお答えください。
次は、
税制改正についてお尋ねします。
コロナ禍によって、
貧困世帯の増加や高所得層と低所得層の二極化など、日本が抱えていた様々な問題や格差などが顕在化、深刻化しています。この原因は今に始まったことではなく、サッチャー・
イギリス首相、レーガン・
アメリカ大統領の時代に始まった新
自由主義や
規制緩和政策を源に、およそ四十年掛けて形成されたものです。それがこの
コロナ禍で一挙に噴出したのです。しかし、政府の令和三年度
税制改正大綱でも
格差是正のための根本的な改革はありませんでした。
税の一番大きな役割は、所得の再分配をして格差を是正することです。本来、所得が高い人がそれに応じた負担をするというのは、社会において当然の構造です。
日本の
申告納税者の
所得税負担率の実態を見ると、所得一億円までは負担率が徐々に上がり、一億円を頂点に一番高い三割弱の負担率となっています。しかし、そこを超えると、なぜか負担率は下がっていくのです。つまり、超富裕層になればなるほど所得税の
負担割合は低くなっていきます。日本の税制は株の譲渡益などの
金融所得課税の在り方に問題があり、このような富裕層への優遇が続いているのは国際的に見て時代遅れの税制です。
アメリカでは、ウォルト・ディズニー・
カンパニー創業者の孫やウォーレン・バフェット氏などの裕福な人々が
自分たち富裕層、
資産家階層への増税を求めて動き始めています。
アメリカの格差が拡大し、不平等になっていることを解消するためです。残念ながら、日本ではこのような動きはまだ見えません。
そこで、三つ目の質問です。
コロナ禍の
問題解決を考えるとき、税制が果たすべき役割は大きいと思います。
コロナ禍に苦しむ今日、そして流行が収まった後の新しい時代に、
格差是正のための所得再
分配機能を発揮できる抜本的な
税制改正を行う考えはありませんか。もし、あるとするなら、その内容を可能な限り明らかにしていただきたい。
財務大臣、お答えください。
十七日で阪神・
淡路大震災から二十六年の時が過ぎました。総理は、翌日十八日の
施政方針演説で阪神・
淡路大震災については一言も触れることはありませんでした。一九九五年一月十七日、神戸で被災した者の一人として私は憤りを覚えます。阪神・
淡路大震災から教訓として学ぶことはもうないということでしょうか。震災で救えるはずの命を救えなかった行政の責任は、なかったことにしてしまったのでしょうか。
阪神・
淡路大震災は真冬に起こったため、避難所でインフルエンザの大流行が起こり、肺炎などの
呼吸器疾患による
災害関連死の犠牲者が増えたと言われています。まさに今、同じ季節の日本で
新型コロナウイルスによる感染症が流行しています。
今、再び大きな災害が起きると想定した場合、避難所では
クラスターの発生を防ぐことが果たしてできるのでしょうか。避難所の運営などは様々な面で今まで以上に、また、今までにはなかった対策が必要となります。
そこで、質問四です。
内閣府などが
避難所開設・
運営訓練ガイドラインを発表していますが、政府として
感染症拡大下の避難所では従来とどのような部分を変更する必要があるのか、総理から説明してください。また、総理が阪神・
淡路大震災から教訓として学んだ今日的な課題をお話しください。
先週十五日、
吉川貴盛元
農水大臣が在宅起訴されました。またもや
安倍政権下の
閣僚経験者が起訴される事態が起こったのです。この事件が発覚したきっかけは、
河井克行元法務大臣と
河井あんり
参院議員による
買収事件の捜査でした。
河井夫妻の裁判では、現金を受け取った
当事者たちの非常に生々しい証言が多数明らかにされています。ある
市議会議員は、それが汚れた金という認識を持ちながら、受け取ったお金で孫に
プレゼントを買ったといいます。また、別の人は、そのお金を七人の孫へのお年玉として使ったということです。おじいちゃんからもらった
プレゼントやお小遣いがそのようなお金が元手だと知ったとき、家族はどんな気持ちになったでしょうか。
今回の
河井夫妻の
選挙買収では、政治家だけでなく多くの一般の人にもそのお金が渡り、この事件に巻き込まれているのです。政治と金の問題は、政治家だけにとどまらず、市井に生きる普通の人たちの生活まで壊してしまいます。
河井あんり
参院議員の裁判は、まさに今日判決が下されます。容疑が事実であれば当選無効となって当然と考えますが、多くの国民に影響を及ぼした政治家として国会での
説明責任があるはずです。
そこで、質問五です。
総理は、二〇一九年の参院選で
河井あんり議員の
応援演説にも入っており、無関係ではないはずです。桜を見る
会前夜祭に関する問題では、総理も国会で
虚偽答弁を行いました。
施政方針演説の中で御自身の答弁について謝罪しておられましたが、行政府の長として、立法府に対してたった一言のおわびで済む問題ではありません。一連の政治と金の問題について、
再発防止策も含めた総理のお考えをお伺いします。
菅総理のお膝元である横浜市が、IR、いわゆるカジノの誘致を進めています。
横浜市議会に提出されたその賛否を問うための
住民投票を実施する条例案が一月八日の市議会本会議で否決されました。議席の過半数を占める自民、公明両党の議員の反対により、
カジノ誘致の是非を問う
住民投票は行われないことになってしまいました。今後、横浜市は事業者の公募など手続を本格化させるということです。
カジノが横浜の町に必要かどうかを
住民投票によって決めようと、市民が中心となり僅か二か月で約十九万三千筆の署名を集めました。
住民による
条例制定の直接請求は、
地方自治法に定められたものであり、必要な署名数を設けた上で認められた市民の権利です。その必要数の三倍を超える市民の声が寄せられたことを尊重すべきではないですか。しかし、
横浜市長は、
住民投票の意義を見出し難いと一蹴し、全く聞く耳を持とうとしませんでした。
そこで、質問六です。
住民による直接請求は、一定の要件が課されている以上、その要件を満たしていれば基本的に尊重されるべきだと考えますが、
地元選出の菅総理としてはどうお考えですか。
続いての質問七は、
赤羽国務大臣の見解を問います。
IR実施法では、第九条七項で住民の意見を反映するための必要な措置を講ずるよう求めています。
住民投票の実施を拒むのは、
IR実施法の趣旨に反するのではないですか。
住民投票を住民の意見を反映させるために必要な措置としないのであれば、何を対象としているのでしょうか。
加えて、住民と議会との意見が異なる場合、どのように意見を調整することを想定しているのでしょうか。その際、国はどのような役割を担うのですか。
核兵器の使用を全面的に禁止する
核兵器禁止条約が明日二十二日に発効します。この条約の発効により、核兵器は
国際規範上認めることができないとする国が多数となります。
日本は、本来ならば唯一の
戦争被爆国として、
核兵器保有国に対して
条約批准を働きかける大きな役割を果たせるはずです。しかし、菅総理は
核兵器禁止条約に署名する考えはないと言い切り、
締約国会議への
オブザーバー参加についても慎重に見極める必要があると述べるなど、非常に消極的な姿勢を世界に向けて発信しています。十八日の演説においても、菅総理は
おろか茂木外務大臣ですら
核兵器禁止条約について言及をしませんでした。大変残念なことです。
質問八は、総理にお伺いします。
この
核兵器禁止条約を始めとする核廃絶に向けた
国際社会の取組に対し、菅政権は今後、どのように関わることによって日本の責務を果たそうとしているのでしょうか。
我が国の防衛の在り方に関し、
施政方針演説にある
イージス・アショアの代替案について質問します。
政府は、二〇一七年二月の
日米首脳会談後、突如始まった
地上配備型ミサイル迎撃システム、
イージス・アショアの導入について、
日本全国を二十四時間三百六十五日防護可能と説明してきました。しかし、その
配備計画を撤回して代替案として建造することが決まった二隻の
イージスシステム搭載艦は、二十四時間三百六十五日の
防護態勢を取るのは困難と
岸防衛大臣が認めています。
地上配備型と異なり、艦艇は定期的にドックに入ってメンテナンスを受ける必要があるためです。また、建造費だけで五千億円は下らないという費用に関する指摘なども多くあります。さらに、政府は、この二隻の搭載艦をフルスペックの
イージス艦として整備することも検討するというのです。当初以上の機能を期待され、その
運用目的が不明確です。
そこで、質問九です。
この代替案の決定はこれまでの説明と大きく矛盾するのではありませんか。総理の見解をお聞きします。
総理は、いわゆる
敵基地攻撃能力の保有に関し、抑止力の強化について、引き続き、政府内で検討を行うと明言する一方、昨年の
閣議決定では、敵の
射程圏外から攻撃できる長射程のスタンドオフミサイルの
国産開発を決定しました。これは、
敵基地攻撃に事実上転用可能な装備品の開発を先取りして行うとともに、更なる
敵基地攻撃能力の保有をも目指すものではありませんか。
質問十です。
敵基地攻撃能力の保有は、防衛の在り方を大きく変えることになります。このようななし崩しの新たな装備の増強は、憲法に基づく専守防衛に整合するものなのか、総理の説明を求めます。
一九八〇年、私は大学を卒業して初めて
公立中学校に赴任しました。その年は、
学級編制基準を四十人とする
義務標準法改正が行われた年でもありました。
あれから四十年ぶりに小学校だけでも三十五人学級へと改革が進んでいることは、極めて大きな意義があると考えます。二十五人学級が
世界標準とも言われる中、周回遅れの感は否めないのですが、ここに至るには多くの関係者の御努力があったものと敬意を表するものです。是非とも中学校や高校まで改革を進めていただきたいと考えます。
しかし、問題はこれからです。
質問十一も総理にお尋ねします。
近年、新学期が始まっても
学級担任がいないという学校が出てくるような状況で、
教員不足が深刻化していますが、これにどう対処するお考えですか。教員を確保するために退職後の教員を
臨時採用にしたり、
非常勤講師などに頼るのはもう限界です。また、本来は
子供たちのために担任とは別に配置されている
加配教員を削減し、
学級担任に充てるといいます。
学校現場での
指導工夫改善ができなくなり、
教育活動に支障が生じかねないという心配にはどう応えますか。
総理は、教育の
デジタル化を一挙に進めるとおっしゃいました。
コロナ禍の中、
オンライン授業などICTを活用した教育の必要性が高まっていることは確かです。一方、子供の
デジタル端末への依存症を懸念する声も大きくなっています。
そのような中、今の
子供たちの視力が昔の子供に比べて極端に悪くなっていることに総理は御関心をお持ちでしょうか。
文科省が毎年行っている
学校保健統計、昨年三月に公表された二〇一九年度分の調査で、小学校、中学校、
高等学校で
裸眼視力が一・〇未満の
児童生徒の割合が過去最高となりました。しかも、視力一・〇未満のパーセンテージは、小学校で三割強、中学校が六割弱、高校においては何と七割弱という驚きの調査結果でした。一九七九年、昭和五十四年の同じ調査では、それぞれ小学校は二割弱、中学校は三割半ば、高校が五割強程度であったことを考えると、この四十年で大幅に視力が悪化していることが分かります。
今の
子供たちは、家庭でのテレビだけでなくゲームや動画の視聴など、日頃から
デジタル端末に触れる機会が増えています。さらに、子供の場合は体格的に
デジタル端末との距離が近くなってしまうという問題があります。目から三十センチ以内のものを三十分以上見続けると近視は進行しますから、PCやタブレットを使った授業ではよほど注意しなくては近視を増やすことにつながってしまいます。
文科省は、
児童生徒の健康に留意してICTを活用するためのガイドブックを発行していますが、その中で近視の予防や対策などについてほとんど言及されていません。一人一台の端末、電子黒板や
デジタル教科書など、
教育現場で子供が触れる
デジタル端末は増えるばかりです。
そこで、質問十二です。
子供の
視力悪化について総理はどのような
問題意識をお持ちですか。
デジタル端末への依存症について、また子供の
視力悪化について、科学的なエビデンスに基づいた対応や対策が必要だと考えますが、
GIGAスクール構想を含めてお考えを示してください。
国連は、二〇三〇年までに誰一人取り残さない持続可能で多様性と包摂性のある社会を実現するため、十七の
国際目標、
SDGsを掲げています。例えば、一、貧困をなくそう、四、質の高い教育をみんなに、七、
エネルギーをみんなにそしてクリーンになど、日本は達成に向けてまだまだ課題が山積みです。
この貧困や教育の目標にも関連したある小冊子があります。タイトルは「子どもの夢をかなえる「お金」の準備方法」。
教育資金の工面の仕方をまとめたもので、
コロナ禍による経済的な理由で進学を諦めたりすることのないよう、
NPO法人キッズドアによって急遽作成されました。導入部分では、
高等教育を受けることで子供にとってどれだけメリットがあるのか、選ぶ進路によりどのような道が開けるのか、そして生活費などを含めると在学中どれだけのお金が掛かるのかなどを丁寧に説明しています。そして、その費用を準備するための奨学金や貸付けなどの制度を解説するページがあります。
そもそも金銭的に余裕のない家庭はパソコンや通信回線を持っていないこともあり、このような情報はインターネットに公開しているだけでは必要な人に届かない可能性があります。この冊子は、ホームページでの公開に加え、一万部印刷して全国の高校などへ届けたといいます。
このようなことは本来、政治が行うべき仕事ではないでしょうか。民間の一団体がここまでしていることに、私は政治家として大変申し訳なく思います。
そこで、質問十三です。
総理、教育は最高の投資です。この考えには総理も御賛同いただけることでしょう。質の高い教育をみんなにという
SDGsの目標を達成するためにも、
コロナ禍の中、
教育支援をより一層手厚く、そして支援の情報は周知徹底を図るべきかと考えます。総理のお考えをお聞かせください。
また、このような
教育資金に関する情報の提供について、国としての事業を今後行うつもりはございますか。併せてお答えください。
次は、
気候変動についてお尋ねします。
政府は、さきの
臨時国会以来、二〇五〇年までに
温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする目標を示し、その実現に向けた決意を表明しました。これに対し内外の反応は様々でしたが、昨年十二月に
国連事務総長のアントニオ・グテーレス氏が異例とも言える強い言葉で世界に訴えた内容に私たちは注目すべきです。彼は、簡単に言えば地球は壊れている、人類は自然に対して戦争を仕掛けて、自然は常に反撃してきている、これは自殺行為ですと述べ、
温暖化対策にはもはや一刻の猶予もないことを強く訴えました。
また、
海外メディアからは、日本の二〇五〇年ゼロ宣言に対し、明確な計画が示されなかった、本当に実現する覚悟なら二〇三〇年を目標にすべきだと批判の声も上がっています。
二〇一九年の台風十九号による
経済損失はその年の
世界最高額を記録し、台風十五号の
経済損失と合わせて二兆七千五百億円に達しました。世界的に見ても、ここ三十年で
気象関連の
自然災害による
経済損失額は約三倍に増加しています。
気温が上がると大気中の
水蒸気量が増えます。台風は発達する
エネルギーを得やすくなり、一たび強い台風が発達すると更に強まる可能性があるということです。台風が大型化するという推定結果もあります。
スウェーデンのグレタ・トゥーンベリさんが
気候変動対策を求めてたった一人で始めた
スクールストライキは、
世界各国の若者に共感を広げ、未来のための金曜日、フライデーズ・フォー・フューチャーと呼ばれる取組に発展しました。二〇一九年九月の
国連気候行動サミットを前に、世界中で行われたデモには約四百万人が参加したと言われています。将来を担う若者や
国際社会は、
気候変動による温暖化を食い止めるため、声を上げ始めています。
そこで、質問十四です。
日本は、後れを取ってきた省エネや
再生可能エネルギーの普及について、二〇三〇年までにどのような指標を持って進めていくべきだと考えますか。総理のお考えをお伺いします。
国連の
専門機関、
世界気象機関によると、産業革命以前の基準とされる一八五〇年から一九〇〇年の平均と比べて、二〇二〇年の地球の平均気温は一・二度上昇しています。
気候変動の研究者は、一・五度の上昇が限界であるとし、それ以上になると二酸化炭素の排出を全てやめても地球の暴走を止めることはできないと警告しています。
EUは、既にグリーンディールを発表し、二〇三〇年までに官民合わせて約百二十兆円の投資を決めました。
経済成長と
温暖化政策を両立させる政策です。二兆円の基金で胸を張る日本とは大違いです。
プラス一・五度を超えないためには、今すぐ
温室効果ガスの排出を減らし、二〇三〇年に半減、二〇五〇年までには実質ゼロとすることが必要であると思われます。
最後は、質問十五です。
総理は、
施政方針演説でCOP26までに意欲的な二〇三〇年目標を表明すると述べられていますが、意欲的ということは、二〇三〇年に
温室効果ガスの排出について半減以上の目標を掲げるという認識でよいでしょうか。また、その実現に向けての具体策と決意をお答えください。
悪い行いをする者が世界を滅ぼすのではない、それを見ながら何もしない者たちが滅ぼすのだ。アインシュタインのこの言葉を全ての政治家が肝に銘ずるべきではないでしょうか。
結びに。
議場の皆様、お許しいただけるならば、今は亡き
羽田雄一郎議員が安らかに眠りにつかれることを共にお祈りしていただきますよう、心よりお願い申し上げます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔
内閣総理大臣菅義偉君登壇、拍手〕