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2015-09-09 第189回国会 参議院 本会議 第39号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十七年九月九日(水曜日) 午前十時一分
開議
━━━━━━━━━━━━━
○
議事日程
第四十号
平成
二十七年九月九日 午前十時
開議
第一
公認心理師法案
(
衆議院提出
) 第二
労働者派遣事業
の適正な
運営
の
確保
及び
派遣労働者
の
保護等
に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) 第三
労働者
の
職務
に応じた
待遇
の
確保等
のた めの
施策
の
推進
に関する
法律案
(
衆議院提出
)
━━━━━━━━━━━━━
○本日の
会議
に付した案件
議事日程
のとおり ─────・─────
山崎正昭
1
○
議長
(
山崎正昭
君) これより
会議
を開きます。
日程
第一
公認心理師法案
(
衆議院提出
)を
議題
といたします。 まず、
委員長
の
報告
を求めます。
文教科学委員長水落敏栄
君。 ───────────── 〔
審査報告書
及び
議案
は
本号末尾
に
掲載
〕 ───────────── 〔
水落敏栄
君
登壇
、
拍手
〕
水落敏栄
2
○
水落敏栄
君 ただいま
議題
となりました
法律案
につきまして、
文教科学委員会
における
審査
の
経過
と結果を御
報告
申し上げます。 本
法律案
は、
衆議院文部科学委員長提出
によるものであり、近時の
国民
が抱える心の健康の
問題等
をめぐる
状況
に鑑み、
心理
に関する支援を要する
者等
の
心理
に関する相談、
援助等
の
業務
に従事する者の資質の
向上
及びその
業務
の適正を図るため、
公認心理師
の
資格
を定めようとするものであります。
委員会
におきましては、
趣旨説明
を聴取した後、
心理専門職
の
国家資格化
の
意義等
について
質疑
が行われましたが、その詳細は
会議録
によって御承知願いたいと存じます。
質疑
を終局し、
採決
の結果、本
法律案
は
全会一致
をもって
原案
どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本
法律案
に対して
附帯決議
が付されております。 以上、御
報告
申し上げます。(
拍手
) ─────────────
山崎正昭
3
○
議長
(
山崎正昭
君) これより
採決
をいたします。
本案
の賛否について、
投票ボタン
をお押し願います。 〔
投票開始
〕
山崎正昭
4
○
議長
(
山崎正昭
君) 間もなく
投票
を終了いたします。──これにて
投票
を終了いたします。 〔
投票終了
〕
山崎正昭
5
○
議長
(
山崎正昭
君)
投票
の結果を
報告
いたします。
投票総数
二百三十六
賛成
二百三十六
反対
〇 よって、
本案
は
全会一致
をもって可決されました。(
拍手
) ───────────── 〔
投票者氏名
は
本号末尾
に
掲載
〕 ─────・─────
山崎正昭
6
○
議長
(
山崎正昭
君)
日程
第二
労働者派遣事業
の適正な
運営
の
確保
及び
派遣労働者
の
保護等
に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
)
日程
第三
労働者
の
職務
に応じた
待遇
の
確保等
のための
施策
の
推進
に関する
法律案
(
衆議院提出
) 以上両案を一括して
議題
といたします。 まず、
委員長
の
報告
を求めます。
厚生労働委員長丸川珠代
君。 ───────────── 〔
審査報告書
及び
議案
は
本号末尾
に
掲載
〕 ───────────── 〔
丸川珠代
君
登壇
、
拍手
〕
丸川珠代
7
○
丸川珠代
君 ただいま
議題
となりました両
法律案
につきまして、
厚生労働委員会
における
審査
の
経過
と結果を御
報告
申し上げます。 まず、
労働者派遣事業
の適正な
運営
の
確保
及び
派遣労働者
の
保護等
に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
について申し上げます。 本
法律案
は、
派遣労働者
の一層の
雇用
の安定、
保護等
を図るため、
特定労働者派遣事業
の
制度
を廃止するとともに、
労働者派遣
の役務の
提供
を受ける者の
事業所
その他
派遣就業
の
場所ごと
に
派遣可能期間
を設ける等の所要の
措置
を講じようとするものであります。
委員会
におきましては、
参考人
から
意見
を聴取するとともに、愛知県に
委員
を
派遣
し、
地方公聴会
及び
現地調査
を実施したほか、全ての
労働者派遣事業
を
許可制
にする
意義
、
派遣労働者
の
正社員化
に向けた取組、新たな
期間制限
の
在り方
と
過半数労働組合等
からの
意見聴取
の
実効性
、
派遣労働者
の
雇用安定措置
の
在り方
、
派遣労働者
の
育児休業取得
の
促進策等
について、
安倍内閣総理大臣
にも出席を求め
質疑
を行いましたが、その詳細は
会議録
によって御承知願います。 次に、
労働者
の
職務
に応じた
待遇
の
確保等
のための
施策
の
推進
に関する
法律案
について申し上げます。 本
法律案
は、
労働者
の
職務
に応じた
待遇
の
確保等
のための
施策
に関し、
基本理念
を定め、国の
責務等
を明らかにすること等により、
労働者
の
職務
に応じた
待遇
の
確保等
のための
施策
を重点的に
推進
しようとするものであります。 なお、
衆議院
において、
派遣労働者
について、
派遣先
に
雇用
される
労働者
との間において均等な
待遇
及び
均衡
の取れた
待遇
の
実現
を図るものとし、三年以内に法制上の
措置
を含む必要な
措置
を講ずるものとすること等の
修正
が行われております。
委員会
におきましては、
発議者
及び
修正案提出者
を代表して
衆議院議員井坂信彦
君より
趣旨説明
及び
衆議院
における
修正部分
の
説明
を聴取した後、
雇用形態
の相違による
待遇格差
の
現状
、
労働者
の
職務
に応じた
待遇
の
確保
のための具体的な方策、
衆議院
における
修正
の
趣旨等
について
質疑
を行うとともに、
参考人
より
意見
を聴取いたしましたが、その詳細は
会議録
によって御承知願います。 両
法律案
について
質疑
を終局しましたところ、
自由民主党
及び
公明党
を代表して
大沼みずほ理事
より、
労働者派遣事業
の適正な
運営
の
確保
及び
派遣労働者
の
保護等
に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
について、
施行期日
を
平成
二十七年九月一日から
平成
二十七年九月三十日に改める等の
修正案
が提出されました。 次いで、
討論
に入りましたところ、
民主党
・
新緑風会
を代表して
白眞勲委員
より、両
法律案
及び
修正案
に
反対
、
維新
の党を代表して
川田龍平委員
より、
労働者派遣事業
の適正な
運営
の
確保
及び
派遣労働者
の
保護等
に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
の
原案
及び
修正案
に
反対
、
労働者
の
職務
に応じた
待遇
の
確保等
のための
施策
の
推進
に関する
法律案
に
賛成
、
日本共産党
を代表して
小池晃委員
より、
労働者派遣事業
の適正な
運営
の
確保
及び
派遣労働者
の
保護等
に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
の
原案
に
反対
、
社会
民主党
・
護憲連合
を代表して
福島みずほ委員
より、両
法律案
及び
修正案
に
反対
の旨の
意見
がそれぞれ述べられました。
討論
を終局し、
労働者派遣事業
の適正な
運営
の
確保
及び
派遣労働者
の
保護等
に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
について
採決
の結果、本
法律案
は多数をもって
修正
議決すべきものと決定いたしました。 次いで、
労働者
の
職務
に応じた
待遇
の
確保等
のための
施策
の
推進
に関する
法律案
について
採決
の結果、本
法律案
は多数をもって
原案
どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、両
法律案
に対しそれぞれ
附帯決議
が付されております。 以上、御
報告
申し上げます。(
拍手
) ─────────────
山崎正昭
8
○
議長
(
山崎正昭
君)
討論
の通告がございます。順次発言を許します。
石橋通宏
君。 〔
石橋通宏
君
登壇
、
拍手
〕
石橋通宏
9
○
石橋通宏
君
民主党
・
新緑風会
の
石橋通宏
です。 私は、会派を代表し、ただいま
議題
となりました
労働者派遣法
一部
改正案原案
並びに
修正案
及び
同一労働
同一
賃金法案
に対し、いずれも断固
反対
の
立場
で
討論
を行います。 今回の
労働者派遣法改正案
は、そもそも異常な
法案
です。
前回
の
改正
は、たった三年前の
平成
二十四年。初めて
派遣労働者
の
保護
を前面に打ち出して、当時野党の自民党、
公明党
も
賛成
して成立し、まだその
運用
は始まったばかりです。しかも、その最も重要な改定である
労働
契約申込みみなし
制度
は、長い
準備期間
を経て、この十月一日からようやく
施行
されるところでした。 ところが、
安倍政権
は、あろうことか、
業界団体
の
規制緩和
の要望に応え、昨年、
法案
を
国会
に出してきました。二度にわたって
廃案
になったにもかかわらず、
政府
は今
国会
に、ほぼ同じ
内容
の
法案
を、しかも
施行日
を九月一日に設定して出してきました。何が何でもみなし
制度
の根幹である
期間制限違反
をなきものにしたいという決意の表れであり、そのことは、九月一日を過ぎた今、
施行日
を何と九月三十日に
修正
してきたことからも明らかであります。
労政審
で審議すべき
政省令事項
が四十一
項目
もあること、さらには、
準備
と周知のために相当な時間が必要なことを考えれば、円滑な
施行
は不可能です。現場は大
混乱
に陥ります。それでも数の力で押し切ろうとしているのです。かつてここまで露骨に、
労働者
を
救済直前
に裏切って切り捨てて、
違法派遣
を使って
利益
を上げてきた
ブラック企業
を救済する悪法があったでしょうか。
委員会質疑
で、
塩崎大臣
は何十回も答弁不能に陥り、審議をストップさせました。
与党
自らが
修正案
を出さざるを得ず、三十九
項目
にも及ぶ
附帯決議
が採択されたことからも、本
法案
がいかに
欠陥だらけ
で
廃案
にすべき
法案
であるかは明らかであります。
問題点
を挙げれば切りがありませんが、以下、五点に絞り、
反対
の
理由
を申し述べます。 第一に、本
法案
は、
派遣
の
期間制限
を事実上撤廃し、これまで
基本原則
であった
常用代替防止原則
を
有名無実
化して、
派遣
の
自由化
に道を開き、
正社員
から
派遣
への置き換え及び
固定化
を招くもので、断じて容認できません。 歯止めなどありません。
過半数労組代表等
が
反対
しても、聞く必要はなく、
受入れ開始
時には
意見聴取
の必要すらないのです。そもそも、期間延長しなければ
例外業務
以外の一切の
派遣労働者
を受け入れることができなくなるために、事実上、延長しないという
判断
は困難なのです。 つまり、
事業所単位
への
改悪
によって
期間制限
は実質的になきものとなり、
企業
は、
経営判断
で好きなように
正社員
を
派遣労働者
に置き換え、三年
ごと
に
労働者
を入れ替えながら永久に
派遣
を使い続けることが可能になってしまいます。まさにこれは、
業界
による
業界
の
利益
のための
法案
なのです。 第二に、
雇用安定化措置義務
は、
抜け穴だらけ
で
実効性
がなく、
派遣労働者
の
雇用
が今まで以上に安定化することは到底期待できません。
政府
は、
安倍総理
を先頭に、繰り返し、
正社員化
を
実現
する
法案
だと宣伝してきました。しかし、これは全くのうそです。
法案
には、
正社員化
などどこにも書いてありません。
意味
のない直接
雇用
の申入れが
雇用安定化措置
の選択肢にあるだけで、それすらやる
義務
はないのです。
派遣
元
事業主
は、そもそも本来
業務
である新たな
派遣先
の
機会提供
さえしていればよく、しかも、
義務規定
の
対象者
は限定的で、大半は
努力規定
のみ。かつ、
義務規定逃れ
も簡単にできてしまいます。そんな
穴だらけ
の
雇用安定化措置
に何の
意味
があるのでしょうか。 第三に、
教育訓練提供義務
も、
キャリアアップ
や
処遇改善
を保障する
規定
になっておらず、かつ
派遣労働者
の
権利
として
確保
されていないため、
実効性
がありません。
条文
には御丁寧に、
派遣就業
に必要な技能及び知識を身に付けることと
規定
されていて、何を
提供
するかの
判断
は
派遣
元
事業主
に委ねられています。
派遣労働者本人
の
希望
や選択を尊重する
義務
などどこにもありませんし、
塩崎大臣
も、何をするかは
経営者
の
判断
と答弁で認めてしまっているのです。
派遣労働者
の
皆さん
が全く期待できないと訴えておられるのも当然のことです。 第四に、この
法案
では、
派遣労働者
の
賃金アップ
も
処遇改善
も
実現
されず、不合理な
労働条件格差
も
職場差別
も野放しのままで放置されるため、
労働者
に何の
メリット
もなく、
派遣
への
固定化
だけが進んでしまいます。 なぜなら、
均衡
ある
待遇
への
配慮
のみを
規定
した
条文
は
現行法
から全く変更されておらず、
派遣労働者
の
権利
を強化する
改正
などどこにもないからであります。
派遣
元
事業主
は今、
正社員
よりずっと安くて便利で楽ですなどと
宣伝広告
を打って競争していますが、
塩崎大臣
は、そんなふざけた
広告
を禁止すべきという
政治的意思
さえ示しませんでした。つまり、
政府
は最初から、
派遣労働者
の
処遇改善
も
権利
や尊厳の
保護
も本気で
実現
するつもりなどなかったのです。 第五に、本
法案
によって、
専門
二十六
業務
が一律に廃止され、これまで
派遣
の中では比較的
雇用
が安定し、かつ
処遇
も良かった
専門業務
の
皆さん
が、かえって
雇用
の危機に瀕してしまいます。 既に多くの
専門業務
の
方々
が、三年後の
契約打切り
の通知を受け、衝撃を受けておられます。そもそも
労働者派遣制度
は、
専門職
や真に臨時的、一時的な
業務
に限って例外的に認められるべきものなのです。それを今回、
専門業務
という
区分
を撤廃してしまうことは、
派遣制度
のあるべき姿を根底から覆す大
改悪
であり、絶対に
廃案
にすべきです。 以上、
労働者派遣法改正案原案
に対する
反対理由
を申し上げました。 なお、
修正案
についても、
施行日
を九月三十日に設定した暴挙も含め、諸問題の根本的な解決にはなっていないため、
反対
です。 また、
同一労働
同一
賃金法案
についても、
衆議院
での
修正
の結果、
派遣労働者
への適用に関する
規定
が、均等ではなく
均衡待遇
でもよしとされたこと、立法による
措置
が担保されなくなったこと、かつ、一年以内ではなく三年以内の
措置
と大きく後退してしまったことなどから、
法案
の実質的な
意義
が失われてしまったため、
反対
です。
同志議員
の
皆さん
、圧倒的多数の当事者の
方々
が本
法案
に
反対
しています。それは、将来を見通せない
雇用
の不安定さと、頑張っても報われない低
賃金
と不合理な
処遇格差
と全く理不尽な
職場差別
の中で苦しい毎日を過ごし、それでも一生懸命に働いておられる
派遣労働者
の
皆さん
です。
反対
しているのは決して
法案
の中身を理解していないからではありません。この
法案
がいかに
欠陥だらけ
で、
派遣労働者
の
権利
、地位の
向上
や
雇用
の安定にはつながらず、むしろ
企業
が今まで以上に
派遣労働者
を
雇用
の
調整弁
として自由に使い、
正規雇用
を減らし、
労働コスト
の削減で
利益
を出すことを可能にする
法案
だということを理解されているからこそ
反対
されているのです。 この
法案
は、今の
派遣労働者
の
皆さん
の
希望
を奪うだけではなく、これから
社会
に出る若者や
企業
で活躍したいと願う
女性たち
の
正社員
への
希望
をも奪い、一生
派遣
で不安定かつ低
賃金
の
労働
に押し込み、一部
企業
のもうけのために彼らの将来を
犠牲
にしてしまう大
改悪
です。 それだけではありません。今後、
正規雇用
が減り、不安定かつ低
賃金
の
派遣労働
が増大すれば、
個人消費
は一層減退し、貧困と
格差
が拡大して
社会
が不安定になり、貴重な
人材
まで失われ、少子化が加速し、
地方経済
は更に疲弊します。それがなぜ
与党
の
皆さん
に分からないのでしょうか。
労働
は商品ではありません。
労働者
は物ではないのです。
労働者
の
犠牲
の上に
我が国
の発展などありません。
派遣労働者
を
犠牲
にした
企業
の成長などあってはならないのです。世界一
労働者
が安心して働いて安心して暮らしていける国をつくることこそ私
たち政治家
の責任であり、私
たち民主党
は、
派遣労働者
の
皆さん
を含む全ての
勤労者
の
皆さん
とともに、その
実現
に向けて全力を尽くしていくことをここに改めてお約束をし、私の
反対討論
といたします。 ありがとうございました。(
拍手
)
山崎正昭
10
○
議長
(
山崎正昭
君)
福岡資麿
君。 〔
福岡資麿
君
登壇
、
拍手
〕
福岡資麿
11
○
福岡資麿
君
自由民主党
の
福岡資麿
です。 私は、
自由民主党
、
公明党
を代表して、ただいま
議題
となりました
労働者派遣事業
の適正な
運営
の
確保
及び
派遣労働者
の
保護等
に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
について、
賛成
の
立場
から
討論
いたします。
労働者派遣制度
は、働く人にとっては
自由度
が高く柔軟な
働き方
を可能とする
制度
であるとともに、
派遣先企業
にとっては
専門性
のある
労働者
を臨機応変に活用できるという長所があります。そのため、
労働力
の
需給調整
に大きな役割を果たしており、もはや
我が国
の
産業界
で欠くことのできない
制度
となっております。 しかしながら、
制度
の詳細が分かりにくいという
批判
もあり、解釈の
混乱
も見られるのが
現状
です。こうした
状況
を是正し、
労働者
にとっても
企業
にとってもより分かりやすい
制度
にするとともに、
派遣労働者
の
保護
と
雇用
の安定を強化しようとするのが本
法案
の
趣旨
であります。 私が本
法案
に
賛成
すべきと考える主な三つの
理由
を申し上げます。 第一の
理由
は、今回の
改正
が
派遣
で働く人の
待遇改善
に資するためであります。 本
法案
では、
個人単位
で三年という
派遣期間
の
制限
を設けた上で、上限に達する
派遣社員
が
希望
した場合には、
派遣先企業
への直接
雇用
の依頼、新たな
就業機会
の
提供
、
派遣会社自身
での
無期雇用
の
機会
の
提供
など、
雇用
を
継続
するための
措置
が
派遣会社
に対して
義務
付けられます。 これまで、
派遣期間終了
後の
雇用継続
を図る
義務
がなく、
派遣
で働く人の
雇用
が不安定となる原因となっていました。本
法案
はこの点を改善するものであり、
義務
に違反する
派遣会社
に対しては、
許可
の取消しも含む厳しい
措置
がなされます。 また、
派遣会社
には、
派遣先企業
で
同種
の
業務
に従事する
労働者
との
均衡
を考慮しつつ、
賃金
を決定し、
教育訓練
、
福利厚生
を実施する
配慮義務
が既に課されていますが、今回の
法案
では、
均衡
を考慮した
待遇
の
確保
の際に考慮した
内容
を
派遣社員
の求めに応じて
説明
する
義務
が課されます。これによって、
均衡
を考慮するという
配慮義務
がこれまで以上にしっかりと履行されるようになることが期待できます。 さらに、
派遣社員
の
キャリアアップ推進
のため、
派遣会社
に対して、計画的な
教育訓練
や
希望者
に対する
キャリアコンサルティング
を行う
義務
が課されます。
厚生労働省
の
調査
では、
派遣
で働く人には、将来的に
正社員
となることを
希望
する人と
派遣
のまま働き続けたいという人がそれぞれ約四割います。それぞれの人が自らの
希望
に応じた
キャリアアップ
ができるように支援するのがこの
改正
です。
派遣先企業
に対しては、自社の
社員
に対する
教育訓練
を実施する場合に、
同種
の
業務
に従事する
派遣社員
にも
教育訓練
を実施する
配慮義務
が課されます。あわせて、
社員食堂
、
更衣室
、
休憩室
などの
福利厚生施設
を
派遣社員
にも利用できるようにする
配慮義務
も課されます。
派遣先企業
が
正社員
を募集する場合には、一年以上受け入れている
派遣社員
に周知する
義務
も課されます。 このように、本
法案
は、様々な観点から
派遣社員
の
待遇
を改善するとともに、
雇用
の
継続
を支援しようとするものであり、
派遣
で働く人にとって大きな
メリット
があると考えます。 本
法案
に
賛成
する第二の
理由
は、本
法案
が
派遣先企業
にとっても
メリット
があるためであります。 本
法案
では、これまで分かりにくいとか
実態
に合っていないと指摘されていた二十六
業務
の
区分
を撤廃し、全ての
業務
に対して同じ
派遣期間
の
制限
が設けられます。 これまで、二十六
業務
は無
制限
、その他の
業務
は
原則
一年で三年まで延長可能というアンバランスな
制度
でしたが、これが是正されて、より使いやすい
制度
になります。また、本
法案
では、
事業所単位
で三年の
期間制限
が設けられ、
過半数労働組合等
からの
意見聴取
の手続を経て、三年
ごと
の更新が可能となります。こうした
制度改正
によって、
業務
の
実態
に合わせた、より効率的な
派遣制度
の活用が可能となります。 今回の
改正
で、全ての
社員
が
派遣
に切り替わるのではないかという
批判
をする人もいますが、そのようなことはありません。
企業
にとって
派遣社員
というのは一般の非
正規雇用
より割高であり、あえて
派遣
を使う
意味
のある
業務
にしか使いません。実際、
我が国
の
雇用者数
は、
正規
が三千三百万人、非
正規
が二千万人でありますが、そのうち
派遣
は百万人で、全
雇用者
の約二%です。このような
派遣
が全
雇用
に占める割合からすると、全て
派遣
になるということは想定できません。 今回の
改正
は、
派遣
で働く人の
待遇
を改善しつつ、
企業
にとっても使いやすい
制度
にするという、非常にバランスの取れたものであると考えます。 私が本
法案
に
賛成
する第三の
理由
は、本
法案
が
人材派遣業界
の
適正化
に資するためであります。 本
法案
では、これまで
届出制
と
許可制
とに分かれていた
労働者派遣事業
が全て
許可制
となります。
平成
二十五年の集計では、
届出
だけで開業できる
特定労働者派遣事業者
は全国で約五万七千ありましたが、そのうち実際に
人材派遣
を行った実績があったのは約二万七千と、半数に満たない数でした。このように
有名無実
の業者が多数乱立する
状況
では、
事業者
の質の
確保
や
派遣労働者
の
待遇
の
確保
が十分とは言えません。本
法案
では、
人材派遣事業
を全て
許可制
とし、
派遣会社
が
雇用管理
を適切に行う
能力
があるかどうかをチェックします。こうすることで
有名無実
の
派遣会社
が乱立する事態が改善されると考えます。 また、本
法案
では、
人材派遣会社
を構成する
業界団体
に対して、
派遣事業
の適正な
運営
の
確保
や
派遣労働者
の
保護等
が図られるよう、
構成員
に対する助言、協力その他の
援助
を行う
努力義務
を課します。これによって、
業界団体
を通じても
派遣会社
の
業務
の
適正化
が図られるものと考えます。 このように、本
法案
は、
派遣社員
として働く人、
派遣先企業
、
人材派遣業界
の三者にとって
メリット
のある
改正
であり、分かりにくいと言われる
制度
の
明確化
、
運用
の
適正化
に大きく資するものとなっています。 以上が、私が本
法案
に
賛成
すべきと考える
理由
であります。 今回の
改正案
をめぐっては、
派遣労働イコール悪
といった感情的な
意見
であったり、一生
派遣
といったレッテルにより議論されることがあるのは大変残念でありますが、御参会の皆様におかれては、冷静かつ責任ある御
判断
をお願いして、私の
討論
を終わります。 ありがとうございました。(
拍手
)
山崎正昭
12
○
議長
(
山崎正昭
君)
川田龍平
君。 〔
川田龍平
君
登壇
、
拍手
〕
川田龍平
13
○
川田龍平
君
維新
の党の
川田龍平
です。 私は、
維新
の党を代表し、
政府提出
の
労働者派遣事業
の適正な
運営
の
確保
及び
派遣労働者
の
保護等
に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
に
反対
、
労働者
の
職務
に応じた
待遇
の
確保等
のための
施策
の
推進
に関する
法律案
、いわゆる
同一労働
同一
賃金法案
に
賛成
の
立場
から
討論
を行います。 二〇一二年三月、
前回
の
労働者派遣法改正
の際、私はこの
場所
に
登壇
をし、
質疑
をさせていただきました。その際、私は、
労働者
の
同一労働
同一
賃金
を
実現
し、
派遣労働者
が
正社員
と同等に評価される
社会
をつくるべきであると申し上げました。また、
賃金
だけではなく、
派遣労働者
の
健康管理面
でも十分な
保護
が図られるべきだと申し上げました。 あれから三年半、
派遣労働者
の
待遇
は一向に改善されず、一時的、臨時的な
働き方
として
正社員
への移行が進んだことを示すデータはありません。十分な
能力
、意欲を持っており、
派遣先
の
正社員
と同じ
仕事
をしていながら、
派遣労働者
であるということだけに起因して、低
賃金
、
通勤手当
がない、さらには忌引さえももらえないなどの劣悪な
待遇
に置かれ、差別されている
派遣労働者
がいます。また、
派遣先
でセクハラ、パワハラの被害に遭っても、
間接雇用
のために声を上げられない
派遣労働者
も依然として存在をしています。
我が国
の
経済
が成熟する中、
労働市場
の
実態
も
国民
の意識も大きく変わってきました。
労働者派遣法
は、
国民
がライフスタイルに合わせた
働き方
を選択でき、しかも
派遣労働者
と
正社員
との間で均等な
待遇
がなされる
方向
に
改正
するべきです。そして、
同一労働
に同一
賃金
が支払われるためには、国による一定の
方向付け
が必要です。 そこで、私
たち維新
の党は、
派遣労働者
も
正社員
と同じ
仕事
をしたら同じ
賃金
が得られるという
同一労働
同一
賃金
を
実現
すべきと考え、昨年来、
衆議院
においていわゆる
同一労働
同一
賃金法案
を提案してきました。しかし、これに対し
政府
は、
日本
の
労働慣行
との違いを
理由
に、一貫してこの考え方に慎重な姿勢を崩しませんでした。
パートタイム労働者
や
契約社員
については、
正社員
との均等・
均衡待遇
が
法律
に
規定
されていますが、
派遣労働者
については、今般の
政府提出
の
改正案
をもっても
均衡
の
配慮義務
という不十分な
内容
にとどまっています。また、
パートタイム労働者
や
契約社員
についても、近年、
法律
の
規定
が整備されたとはいえ、なお
実態
上の
格差
が残っており、これを埋める必要があります。
同一労働
同一
賃金法案
は、これらの非
正規雇用
労働者
の
待遇
面での課題に対し、
労働者
の
職務
に応じた
待遇
の
確保等
のための
施策
を
推進
しようとするものであります。
衆議院
における表現の一部
修正
については、完全に納得できる
内容
ではありませんが、それでもなお
法案
の
趣旨
は変わるものではありません。
派遣労働者
の
待遇
について、均等の文言が初めて入ることで改革が一歩でも前に進むことを心から期待するものです。
派遣労働者
の
同一労働
同一
賃金
が
実現
すれば、
企業
は必ずしも安くない
派遣
を濫用的に利用できなくなり、
正社員
で働きたい
方々
にとってはその選択肢が増えることにつながります。また、自ら望んで
派遣労働者
として働く
方々
にとっても、その
待遇
が
確保
されることにより安心して働くことができるようになります。
日本
の
雇用
慣行に一定の課題があることは多くの
国民
が実感し、
政府
もこれを認めています。ワーク・ライフ・バランスを取りつつ
労働
生産性を上げることが
我が国
に求められている今日、
日本
型
雇用
慣行の利点を維持しつつも、
職務
で
賃金
が決まるジョブ型
雇用
を広め、多様な
働き方
を認めるべきと考えます。 一方、
政府提出
の
労働者派遣法
の
改正案
については、
厚生労働委員会
で九回にわたり審議を行いましたが、法の本来の
趣旨
である常用代替の防止とならないばかりか、
派遣労働
の濫用につながりかねないなど、本
改正案
が抱える
問題点
や矛盾が次々と明らかになりました。 まず、
改正案
の基となった規制改革
会議
の提言ですら、
個人単位
の
期間制限
では人を交代させることにより永続的に
派遣
を使い続けることができるという問題があり、これに対処するため、EU諸国のような
均衡
処遇
の
原則
を導入することや、有期
雇用
派遣労働者
に係る
雇用
保険料の使用者負担を引き上げることで
派遣労働
の濫用防止を図ることを併せて検討すべきとしていました。しかし、
改正案
においてはこのような
派遣労働
の濫用防止策が取られていません。その
理由
について
委員会
で
質疑
を行いましたが、大臣からは納得のいく
説明
は得られませんでした。 ほかにも、例えば
派遣先
への直接
雇用
の依頼については、
派遣
元への
メリット
に乏しく、
派遣先
も簡単に受け入れず、
実効性
が疑問です。また、新たな
派遣先
の
提供
という
措置
は、元々
派遣
元業の本来
業務
であり、新たな
措置
と呼べない、言わば当たり前の行為であって、
雇用安定措置
の
実効性
は極めて疑わしいものです。また、
正社員化
ではなく、
派遣就業
に必要な技能及び知識を得ることだけを
派遣
元に求めている
教育訓練
にしても、さらには
派遣
元での
無期雇用
にしても、
実効性
が低く、長期
雇用
につながるものとは決して考えられません。さらには、優良な
特定労働者派遣事業
の
許可制
への移行に当たって十分な
配慮
が担保されていないことも問題の一つと考えます。 そして、
改正案
の最大の
問題点
は、現在、二十六
業務
として働いている
派遣労働者
を雇い止めの危機にさらしてしまうことです。新たな
個人単位
の
期間制限
を一律に適用することで、二十六
業務
として長期間安定して働いてきた
方々
の
雇用
の場を失わせることは大問題です。
派遣労働者
の
方々
からも非常に多くの不安の声が届いています。このことを
制度
の見直しに伴う痛みとして看過することはできません。現在、二十六
業務
として働いている
方々
の
雇用
の安定のための特例を求める必要性について、
委員会
で私は大臣に提案しましたが、受け入れられませんでした。 さらに、添乗員など、独自の
労働市場
を形成しており、
派遣
法制定当時から、三十年前、
期間制限
は必要ないとされてきた
業界
にも大きな影響を生じさせるなど、極めて乱暴かつ強引な
改正
です。
専門
二十六
業務
一つ一つの多様な
実態
を十分に把握せず、
派遣労働者
の声をしっかりと聞いていません。 そして、厚労省が行った
専門
二十六
業務
派遣
適正化
プランについて、どういう効果があって、どういった問題があったか、十分に分析評価ができていないうちにもう別の仕組みに切り替える、朝令暮改の
労働
行政、これでは、現場で働く
方々
に対して
改正
の
趣旨
について理解を得ることができるとは到底思えません。
日本
経済
新聞社が八月に行った
調査
で、
派遣社員
の七割が
反対
という結果も出ていることからも、
改正案
の
内容
が
労働
行政が
保護
するべき現場の当事者のニーズとそごを来していることは明らかです。今回の
改正案
は
廃案
とし、現場の
実態
を踏まえた
労働者派遣制度
の
改正
について再度検討をするべきです。 なお、
自由民主党
及び
公明党
によって
修正
された部分についても、議論で明らかとなった
改正案
の多くの
問題点
や矛盾点を解消するものではなく、
賛成
できません。とりわけ、
修正
された
施行日
までの日数が極めて短いことは、周知徹底が間に合わず、現場の
混乱
が予想されます。そもそも、
施行日
が過ぎても
修正
しないまま審議打切りの動議で
委員会
採決
に持ち込むなど、
修正案
は
委員長
にも提案が遅れ、
内容
もひどいですが、
委員会
運営
も目に余るものがありました。 以上、
政府提出
の
労働者派遣
改正案
にどうしても
賛成
できない
理由
を申し上げました。
国民
のためにならない
労働者派遣法
の
改正案
に正義はありません。義を見てせざるは勇なきなり、
与党
の
皆さん
も、自らの信念を曲げることなく
労働者派遣法
と安保
法案
に対して
反対
の意思を示していただきたいと思います。 私の
討論
を終わります。ありがとうございました。(
拍手
)
山崎正昭
14
○
議長
(
山崎正昭
君) 小池晃君。 〔小池晃君
登壇
、
拍手
〕
小池晃
15
○小池晃君
日本共産党
の小池晃です。 私は、会派を代表して、
労働者派遣法
の一部を
改正
する
法律案
について、
反対討論
を行います。 本
法案
は、昨年二度も
廃案
となった上に、
衆議院
では自公両党が
採決
を強行して参議院に送付してきたものです。本院の審議でも次々に
法案
の矛盾と
問題点
が指摘され、しばしば審議が中断し、九月一日の
施行日
を過ぎて会期末が迫った昨日の審議でも、新たな疑問と
問題点
が噴出していました。この審議
経過
一つを取ってみても、本
法案
には重大な問題があり、
廃案
にすべきものだと言わねばなりません。
反対
する最大の
理由
は、一九八五年の
労働者派遣法
成立以来三十年間、職業安定法第四十四条で禁止された労務供給事業の例外として、臨時的、一時的
業務
に限る、常用
雇用
の代替とはしないとしてきた
派遣労働
の大
原則
を投げ捨て、その
制度
的保障だった
業務
ごと
の
期間制限
をなくし、
派遣労働者
を切れ目なく受入れ可能としたことであります。 今までの
労働者派遣法
では、同一の職場で働く
派遣労働者
のうち、
原則
一年、最長三年の
期間制限
を一人でも超えたら、その職場では
派遣労働者
の受入れはできず、
派遣先企業
が
業務
を続けようとすれば、直接
雇用
労働者
を雇い入れなければなりませんでした。 ところが、本
法案
では、
派遣
元で無期の
雇用
契約を結んだ
派遣労働者
を
期間制限
の対象から外してしまいました。有期契約の
派遣労働者
についても、
事業所単位
の受入れ期間を三年としてはいますが、
過半数労働組合等
からの
意見聴取
さえすれば際限なく延長できる仕組みとなっています。
個人単位
で見ても、有期
雇用
の
派遣労働者
は三年を上限としつつ、課を変えれば使い続けられるため、いつでも、どこでも、いつまでも
派遣先企業
が
派遣労働者
を使い続けることを可能にしています。 一方で、曲がりなりにも
派遣先
に課せられていた直接
雇用
義務
はほとんど消滅します。
派遣期間
抵触日を超えた場合の
労働
契約申込
義務
を削除するなど、
派遣先
を縛る
規定
はこと
ごと
く撤廃され、
派遣先企業
の
雇用
責任を免罪するものとなっています。形の上ではみなし
雇用
制度
を残してはいますが、本改定によって
実態
としてはほとんど適用されなくなります。
政府
は
雇用安定措置
が
正社員
への道を開くと繰り返しますが、実際には
派遣
元から
派遣先
にお願いするだけであり、
派遣労働者
が直接
雇用
される保証などどこにもありません。塩崎恭久厚生
労働
大臣も、
雇用
されるかどうかは
経営判断
だと認めざるを得ませんでした。
政府
は
キャリアアップ
措置
があるとも言いますが、
派遣社員
が
正社員
になれないのはキャリアがないからではありません。
正社員
よりも優秀な
派遣労働者
が物のように使い捨てにされているのが
実態
です。
派遣
を安上がりな
雇用
の
調整弁
とすることを許す法
制度
にこそその原因があるのであり、
実効性
のない
キャリアアップ
措置
などは慰めにすらなりません。本
法案
が常用代替を劇的に拡大する大
改悪
であることに疑問の余地はなく、断じて認めることはできません。
反対理由
の第二は、
派遣労働者
の
待遇
を改善するものでもなければ、
正社員
との均等
待遇
を
実現
するものでもないことです。
法案
の
均衡
処遇
確保
措置
には何の
実効性
もありません。なぜなら、
派遣
元
企業
は
均衡
処遇
を考慮した
内容
を
労働者
に
説明
さえすればよく、
派遣先企業
は、
同種
の
業務
に従事する
派遣先
の
労働者
の
賃金
の情報
提供
、
教育訓練
、
福利厚生施設
の利用に関して
配慮
さえすれば、それが必ずしも
実現
しなくてもよいという代物だからであります。これでは、
派遣労働者
の八六%が年収三百万円という低
賃金
の是正も、
正社員
との
賃金
格差
解消も、世界では当たり前の均等
待遇
原則
の
実現
にも程遠いものだと言わざるを得ません。
日本
経済
新聞社などの
調査
では、
派遣労働者
の六八%が、
派遣社員
の根本的な地位
向上
にならない、
派遣社員
が
固定化
するという
理由
で本
法案
に
反対
しています。
正社員
になりたい、
労働
条件改善と安定
雇用
をと望む
派遣労働者
の切実な声を踏みにじる本
法案
は、断固として
廃案
にすべきものであります。
反対理由
の第三は、十月一日から始まるみなし
雇用
制度
を骨抜きにするため、その直前に、なりふり構わず駆け込みで
施行
させようとしていることであります。
塩崎大臣
がみなし
雇用
は直接
雇用
に結び付くと認めたように、
期間制限違反
の
労働者
が
正社員
になる道が開かれます。だからこそ、自民党も
公明党
も、三年前、この
制度
の創設に
賛成
したのでしょう。それを今になってやめてしまうのは、
労働者
と
国民
への背信行為ではありませんか。この
法案
が
派遣労働者
保護
法ではなく、
派遣
企業
保護
法であることをこれほど露骨に示すものはないではありませんか。
法案
の附則九条の
経過
措置
の「従前の例による。」の解釈をねじ曲げ、本
法案
施行
前に
派遣
契約を結んだ
労働者
に、みなし
雇用
制度
の対象となるべき
専門業務
偽装などの
期間制限違反
があっても適用しないとされたことも重大であります。三年前に成立した法令を前提として契約した
派遣労働者
には、既にみなし
雇用
の
権利
が発生しています。本
法案
は、
実現
まであと一歩まで近づいた
労働者
の
権利
を新法
施行
によって奪うという、過去に例を見ない悪辣非道なものだと言わねばなりません。
与党
が強行した九月三十日への
施行日
修正
では、到底円滑な
施行
などできません。仮に成立しても、
労働者派遣
の仕組みを大転換するため、四十一
項目
以上の省令、指針を
労働
政策審議会で検討しなければならず、それを
労働者
や
事業者
に周知徹底する期間は僅かしかありません。大
混乱
を招くことは必至であります。立法府として極めて無責任であり、重大な禍根を残すものであります。 また、
与党
は、
採決
直前になって、
施行日
のみならず
内容
の
修正
まで提案し、審議もせずに強行しました。こんなやり方で
衆議院
に回付することが、仮にも良識の府のやることでしょうか。
法案
への賛否を超えて、立法府としての責任放棄のそしりを免れない暴挙を認めてよいのでしょうか。そもそも、
与党
が
内容
上の
修正
を求めるという異例な事態は、本
法案
が欠陥
法案
であることを自ら示すものにほかならないではありませんか。 以上述べてきたように、本
法案
は、
法案
自体も、またその審議
経過
も理不尽の極みと言うべきものであります。これほどあからさまに、これほど
労働者
の
権利
を踏みにじり、これほど骨の髄まで
企業
側の要求に応える
法案
を私はかつて見たことがありません。
労働者派遣法
を強行し、憲法違反の戦争
法案
の強行までたくらむ、そのような政治が、今、
国民
の大きな不安と怒りを呼び起こしています。
国会
を取り巻く人々の波は日増しに広がり、安倍政治を許さないというデモや集会が連日のように全国各地で行われています。こうした声に耳を傾けようともせず暴走を重ねる政治は、必ずや主権者
国民
から厳しい審判を受けることになるでありましょう。
日本共産党
は、
安倍政権
を打倒し、
国民
とともに新しい政治を築き、人間らしい
雇用
をこの国で
実現
するため、全力を挙げる決意です。 生涯
派遣
、
正社員
ゼロ
社会
に道を開く
改悪
派遣
法案
は、改めて断固
廃案
にすることを強く強く求めて、
反対討論
を終わります。(
拍手
)
山崎正昭
16
○
議長
(
山崎正昭
君) これにて
討論
は終局いたしました。 ─────────────
山崎正昭
17
○
議長
(
山崎正昭
君) これより
採決
をいたします。 まず、
労働者派遣事業
の適正な
運営
の
確保
及び
派遣労働者
の
保護等
に関する
法律等
の一部を
改正
する
法律案
の
採決
をいたします。
本案
の
委員長
報告
は
修正
議決
報告
でございます。
本案
を
委員長
報告
のとおり
修正
議決することの賛否について、
投票ボタン
をお押し願います。 〔
投票開始
〕
山崎正昭
18
○
議長
(
山崎正昭
君) 間もなく
投票
を終了いたします。──これにて
投票
を終了いたします。 〔
投票終了
〕
山崎正昭
19
○
議長
(
山崎正昭
君)
投票
の結果を
報告
いたします。
投票総数
二百三十六
賛成
百四十三
反対
九十三 よって、
本案
は
委員長
報告
のとおり
修正
議決されました。(
拍手
) ───────────── 〔
投票者氏名
は
本号末尾
に
掲載
〕 ─────────────
山崎正昭
20
○
議長
(
山崎正昭
君) 次に、
労働者
の
職務
に応じた
待遇
の
確保等
のための
施策
の
推進
に関する
法律案
の
採決
をいたします。
本案
の賛否について、
投票ボタン
をお押し願います。 〔
投票開始
〕
山崎正昭
21
○
議長
(
山崎正昭
君) 間もなく
投票
を終了いたします。──これにて
投票
を終了いたします。 〔
投票終了
〕
山崎正昭
22
○
議長
(
山崎正昭
君)
投票
の結果を
報告
いたします。
投票総数
二百三十五
賛成
百六十
反対
七十五 よって、
本案
は可決されました。(
拍手
) ───────────── 〔
投票者氏名
は
本号末尾
に
掲載
〕 ─────────────
山崎正昭
23
○
議長
(
山崎正昭
君) 本日はこれにて散会いたします。 午前十時四十九分散会