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2010-03-19 第174回国会 参議院 財政金融委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十二年三月十九日(金曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  三月十八日     辞任         補欠選任      川崎  稔君     田村耕太郎君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         大石 正光君     理 事                 大久保 勉君                 藤田 幸久君                 円 より子君                 愛知 治郎君                 林  芳正君     委 員                 尾立 源幸君                 風間 直樹君                 川合 孝典君                 川上 義博君                 自見庄三郎君                 田村耕太郎君                 前田 武志君                 水戸 将史君                 峰崎 直樹君                 鴻池 祥肇君                 鶴保 庸介君                 中川 雅治君                 牧野たかお君                 若林 正俊君                 荒木 清寛君                 白浜 一良君                 大門実紀史君    国務大臣        財務大臣     菅  直人君        国務大臣        (内閣特命担        当大臣金融)        )        亀井 静香君    副大臣        内閣府副大臣   大塚 耕平君        財務大臣    峰崎 直樹君    大臣政務官        厚生労働大臣政        務官       足立 信也君    事務局側        常任委員会専門        員        大嶋 健一君    参考人        株式会社日本政        策金融公庫代表        取締役総裁    安居 祥策君        日本銀行調査統        計局長      門間 一夫君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○平成二十二年度一般会計予算内閣提出、衆議  院送付)、平成二十二年度特別会計予算内閣  提出衆議院送付)、平成二十二年度政府関係  機関予算内閣提出衆議院送付)について  (内閣府所管金融庁)、財務省所管及び株式  会社日本政策金融公庫)     ─────────────
  2. 大石正光

    委員長大石正光君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。  委員異動について御報告申し上げます。  昨日、川崎稔君が委員を辞任され、その補欠として田村耕太郎君が選任されました。     ─────────────
  3. 大石正光

    委員長大石正光君) 去る十七日、予算委員会から、三月十九日本会議散会後の一日間、平成二十二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち金融庁財務省所管及び株式会社日本政策金融公庫について審査委嘱がありました。     ─────────────
  4. 大石正光

    委員長大石正光君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  委嘱審査のため、本日の委員会参考人として株式会社日本政策金融公庫代表取締役総裁安居祥策君及び日本銀行調査統計局長門間一夫君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 大石正光

    委員長大石正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  6. 大石正光

    委員長大石正光君) 平成二十二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち金融庁財務省所管及び株式会社日本政策金融公庫を議題といたします。  委嘱されました予算について順次政府から説明を聴取します。菅財務大臣
  7. 菅直人

    国務大臣菅直人君) 平成二十二年度一般会計歳入予算並びに財務省所管一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算並びに政府関係機関収入支出予算について御説明申し上げます。  まず、一般会計歳入予算額は九十二兆二千九百九十一億円余となっております。  この内訳について申し上げますと、租税及び印紙収入は三十七兆三千九百六十億円、その他収入は十兆六千一億円余、公債金は四十四兆三千三十億円となっております。  次に、当省所管一般会計歳出予算額は二十四兆百億円余となっております。  このうち主な事項について申し上げますと、国債費は二十兆六千四百九十億円余、経済協力費は千三百二十九億円余、経済危機対応地域活性化予備費は一兆円、予備費は三千五百億円、決算調整資金へ繰入れは七千百八十一億円余となっております。  次に、当省所管の各特別会計歳入歳出予算について申し上げます。  国債整理基金特別会計におきましては、歳入百八十九兆五千二百八十一億円余、歳出百七十七兆五千二百八十一億円余となっております。  このほか、地震再保険等の各特別会計歳入歳出予算につきましては予算書等を御覧いただきたいと存じます。  なお、特別会計に関する法律に基づき、特定国有財産整備特別会計一般会計に統合されることに伴い、平成二十一年度末までに完了していない事業の経理を行うため、当該事業が完了するまでの間、経過措置として財政投融資特別会計特定国有財産整備勘定を設けることとしております。  最後に、当省関係政府関係機関収入支出予算について申し上げます。  株式会社日本政策金融公庫国民一般向け業務におきましては、収入二千三百五十一億円余、支出千五百五十六億円余となっております。  このほか、同公庫農林水産業者向け業務等の各業務収入支出予算につきましては予算書等を御覧いただきたいと存じます。  以上、財務省関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。  なお、時間の関係もございまして、既に配付しております印刷物をもちまして詳細な説明に代えさせていただきますので、記録にとどめてくださるようお願いいたします。  よろしく御審議のほどお願い申し上げます。  以上です。
  8. 大石正光

  9. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) 平成二十二年度における内閣府所管金融庁歳出予算要求額について、その概要について御説明いたします。  金融庁平成二十二年度における歳出予算要求額は二百十九億円余となっております。  このうち主な事項について申し上げますと、金融庁一般行政に必要な経費としまして百八十九億円余、投資者等の保護に必要な経費としまして十八億円余、金融機能安定確保に必要な経費としまして七億円余を計上いたしております。  以上をもちまして、平成二十二年度内閣府所管金融庁歳出予算要求額概要説明を終わります。  よろしく御審議、お願いをいたします。
  10. 大石正光

    委員長大石正光君) 以上で説明の聴取は終わりました。  なお、財務省所管予算説明については、お手元に配付しております詳細な説明書を本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 大石正光

    委員長大石正光君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  12. 川合孝典

    川合孝典君 民主党・新緑風会・国民新日本川合孝典でございます。  菅大臣亀井大臣におかれましては、大変厳しい財政金融状況の下、困難なかじ取りを日々精力的にこなしていらっしゃいますことに、私ども、心よりの敬意を表したいと思います。誠に御苦労さまでございます。  また、菅大臣には、私、こうした立場で御質問をさせていただくのは、考えてみましたら初めての機会でございますので、ちょっと勝手が違いまして緊張をいたしておりますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。  まず、菅大臣に最初にお伺いいたしたいのは、鳩山政権が発足しまして半年余りがたちました。大臣財務相に御就任されて、率直なところの現在の御感想というものをちょっと私どもに聞かせていただければと思います。よろしくお願いします。
  13. 菅直人

    国務大臣菅直人君) この鳩山内閣が誕生したときにまずやらなければと考えたのは、いわゆる政治主導といいましょうか、そういう内閣にするということで、それは事務次官会議の廃止とかあるいは政務三役という形が動き出したことである程度スタートし、そしてもう一つは、年内に予算編成をしなきゃいけない、これも何とか達成し、そして今、年度内のこの予算成立を目前にいたしております。そういった意味では、政権スタートから半年間、少なくともやらなければならない、特に経済財政の分野については一つ一つ積み上げてきたつもりであります。  しかし、一方では、確かに日本の置かれた状況というのが大変厳しい中にあるということは野党時代からは分かっているつもりでありましたけれども、逆に政権を担当する立場になり、特に財務大臣という立場になって、その重さをひしひしと感じているところであります。  そういう意味では、ある意味でこの二十二年度の予算成立をさせていただいてからが本当鳩山政権としての勝負のときだと、このように考えて頑張っていきたいと思っておりますので、川合さんにも是非いろんな意味で御支援いただきたいと思います。
  14. 川合孝典

    川合孝典君 どうもありがとうございます。本当の御苦労、我々、外から見ておりましても本当に痛々しいような思いで見ている部分もございます。是非とも健康に気を付けて頑張っていただければというふうに思っております。  質問なんですが、この厳しい財政運営を行わなければいけない一つ理由が、過去から引き継いできた巨額累積負債というものが大きくその障害になっているというふうに思っております。巷間では八百数十兆円の負債残高があるというふうにも言われておりまして、このことを様々なところで様々な方々問題視をした発言をしておられるという状況でございます。  この八百数十兆円という、これが一般的な国の負債についての残高認識なわけでありますけれども、実際にこの数字をよくよく見ておりますと、この中にはいわゆる国の資産部分というものが含まれていないんですね。  今さらここで申し上げるまでもないことなんですが、国の持っている金融資産がまず引かれていないということ、また、それ以外にも国が保有している様々な公共財ですとか資産というものが当然たくさんあります。一般的に百八十数%の対GDP比負債があると言われている一方で、こうした国の持っている資産というものをきちんと織り込みますと、対GDP比で一〇〇%を割り込んで、いろいろなことをおっしゃる方がおられますが、欧米の先進国と比べても決して遜色のない財務状況であるというような御指摘があるわけでありますが、こうした指摘に対してどのような御認識をお持ちなのかということをお聞かせいただきたいと思います。
  15. 峰崎直樹

    ○副大臣峰崎直樹君) 川合委員にお答えしたいと思うんですが、確かに政府の抱えている借金といいますか負債の規模というのは、負債だけを見ると一八〇%、正確に言いますと、大体、二〇一〇年度末の国の債務残高はおよそ九百七十三兆円ぐらいだというふうに見込んでおりますし、今、先ほど議員おっしゃったように、二〇一〇年度末の国の長期債務残高は六百六十三で、地方も大体二百兆ぐらいありますので、国と地方を合わせると八百六十二兆円と。これが恐らく今お話しされた。  問題は、それ以外にも、GDP統計債務残高OECDの横並びでやるときにはもっと、その比較をしていくわけでありますけれども、その場合に総債務残高だけでなくて純債務残高比較も行っているんです。先ほど一〇〇%切っているじゃないかというんですが、いや、これ、資産負債を引いたものを見ると日本は一〇四・六%。これ、一〇年度末ですから、来年の三月三十一日ぐらいにはこのいわゆる負債資産を相殺すると一〇四・六%ぐらいになるだろうと。今までイタリアが一番悪くて一〇〇・八%だから、それを抜いて、OECDで一番最悪の状態に先進国の中ではなるというふうに見ておりまして、我々としても非常に問題意識をしっかり持っているんですけれども。  ただ、この資産という場合に、行政資産とか金融資産とかいろいろあるわけですけれども、売るに売れない資産ももちろんあると同時に、実はかなりの金融資産持っているじゃないかと。例えばこれ、よく我々が言うところの年金のいわゆるこれまでの貯蓄分といいますか、これ、昨日もちょっと予算委員会修正賦課方式というふうに正確にいうんだというふうにおっしゃっていましたけれども、これも百三十兆円ぐらい今残っているんじゃないでしょうか。  それらを含めてそういった実は借金と相殺できるかどうかとなると、これは実は政府金融資産の、今お話し申し上げた社会保障基金なんですけれども、これは債務の償還や利払いというものに充てることはできないわけでありまして、これは、将来見込んでこれが、たしかいろんな財政計算の中で、例えば年金でいえば百年後に一年分、一か月分でしたかね、一年分ぐらいは残しておこうとか、そういう前提で、高齢化のピーク時にも対応できるようにそれをうまく運用していこうという、そういうものにもう既に入っちゃっていますから。もちろん、それがどういうことで運用されているのか別にしても、ある意味では我々としては、そういう意味では、それは簡単には使えないんですよと。  ただ、私たちは、これは九五%近くは内国債つまり国の、日本国の中だけでこのいわゆる借金を、国債その他をきちんとファイナンスできているということは間違いないわけでありまして、これを諸外国に半分以上依存しているようなアメリカとかその他の国とは、私はそこがちょっと違うというふうに見ておりますが。  いずれにしても、大変な負債を抱えていることは間違いありませんので、この点はしっかりと認識しながらこれからの財政運営考えていかなきゃいかぬなと思っています。
  16. 川合孝典

    川合孝典君 ありがとうございます。  私自身も、今の債務残高、今の国の状況というものを決して楽観視するものではありませんし、だからどんどんいこうという話では決してないわけなんですけれども、一般的に私どもがいわゆる御支援いただいている市井の皆様お話をする中で、今、峰崎財務大臣から御説明があったようなことをきちんと説明しますと、ああ、そうなのかということで、ある意味、安心というか安堵していただける部分が少なからずというか、ほとんどの方がやっぱりそういう反応をお示しになります。  私自身がちょっと問題視しているのは、本当意味できちんと状況が理解できた上で物を考えていかないといけないんですが、ちまたの、巷間のうわさというか、お持ちになられている情報が、八百何十兆とか九百何がしという巨額負債という、その数字だけが先走りしているという事実があるということを御指摘させていただきたいという、そういう御理解をいただければと思います。  その上で、そういう巨額負債があるがゆえに、政府がこれから様々行おうとしている財政運営金融等運営を行っていく上で、国民の不信とか心配というものがより一層高まってしまっているのではないかというふうに思いますし、ひいてはそのことが企業経済活動消費マインドにも悪影響をちょっと及ぼしているんじゃないのかなというふうに思っておりまして、実際、財務省はもう両方出していますという説明はされるんですけれども財務省のホームページ見ておりますと、やはりグラフとして出てくるのは総債務残高グラフが出てきているわけでございます。  そういう意味では、客観的にきちんとした情報を発信するということをすることこそが今後の財政運営を行う上で必要なスタンスなのではないかということをちょっと御指摘させていただいたんですが、その点についていかがでしょうか。
  17. 峰崎直樹

    ○副大臣峰崎直樹君) 御指摘の点、全く私も異存はありません。  これだけ負債抱えて、ちょっと私自身問題意識を持っているのは、やっぱりデフレという問題がありますよね。これ、名目が実は伸びていかない、むしろ名目額が減っていく。負債は、じゃ名目額は減っていくかとなると、負債は残るんです、そのまま。その意味で、デフレからの脱却、あるいは経済成長成長戦略菅大臣もおっしゃいますように、この六月めどにしっかりとしたものを作っていこうと。  やはりその二つをしっかり押さえた上で、そして、昨日、財政再建化に向けて自民党の方も案を作られて法案を作られたということで、やはりああいう考え方を、やっぱり我々も本当に将来の財政在り方についてのメルクマールみたいなものをしっかり設けて、そしてそこに向けて我々も努力をしていくというようなことを進めていくことによって、市場に対するメッセージと、国民皆さん方に対するメッセージもそうなんですが、私たちは、やっぱりもう一つ、マーケットの人たちというのはやはり非常に、全世界の人たち日本のボンドを見ていますから、やはりそれがどのように運営されていくのか、本当に将来の租税返済能力を持っているのかということはよく見ていますので、そういったことを我々しっかり踏まえてやらなきゃいかぬなと思っております。
  18. 川合孝典

    川合孝典君 ありがとうございます。  ともかく、国民皆様はある意味変化を求めていらっしゃる、変わるのではないかという期待感があるということも事実でございます。プロのいわゆる政務三役としてのお立場だとか財務省のもろもろのスタンスだとかということもおありになろうかと思いますが、やはり時機を逸せずに、この時機にしかできないことが何なのかということを見極めていただいていろいろと政策の御判断をしていただきたいなというふうに思っております。  二十分しかいただいていなくて、もう時間がちょっとなくなってきましたので、もう幾つか質問を飛ばさせていただいて、今日、実は足立政務官厚生労働省の方から来ていただいております。  実は、今回、民主党税制改革考え方がいわゆる控除から手当へという考え方動き始めているということ、このことについては、言葉はかなり多くの方々が御認識いただけるようになってきていると思います。その動き一つ子ども手当といったものにも表れているわけでありますが。その中で、今回、ちょっと直接この課題からは外れるんですが、いわゆる控除から手当へという動き方向性の中で、私、一点ちょっとこの機会に御認識を確認させていただきたいこととして、実は、いわゆる百三万円の壁、百三十万円の壁と言われるいわゆる税制上の扶養から外れる金額、また社会保険扶養から外れる金額という、この部分についてちょっとお考えをお聞かせいただきたいと思います。  と申しますのが、この百三万円の壁、百三十万円の壁というものの存在が実際にパート、いわゆるパート労働者、非正規と呼ばれる方々がこの金額の枠の中で働いておられる方々の多くを占めているわけなんですが、この壁があるがゆえに、そこを超えない働き方というものをせざるを得ない方々が少なからずおられる。超えてしまうと、どうやら可処分所得が百三十万円以内に抑えていたときよりも三十万円以上働かないと可処分所得がキャッチアップしてこないという、こういう非常に逆転する現象というのが生じてしまっているという、この現状について、まず厚生労働省としてこの点についてどういうふうに御認識なさっているのかということをお聞かせいただきたいと思います。
  19. 足立信也

    大臣政務官足立信也君) 百三万、百三十万の壁があるかという、その実際のデータをお示しいたします。  平成十八年のパートタイム労働者総合実態調査というものがございまして、その中、これ複数回答なんですが、先ほど委員が御説明ありました就業調整、この理由としてどういうものがあるかという調査があります。その上位四つを申し上げますと、トップが自分所得税非課税限度額百三万を超えると税金を支払わなければならないから、二番目が配偶者控除がなくなり配偶者特別控除が少なくなるから、三番目が百三十万円を超えると配偶者健康保険厚生年金等の被扶養者から外れて自分で加入しなければならなくなるから、そして四番目が配偶者会社配偶者手当がもらえなくなるからというのが上位四つで、つまり、百三万と百三十万の壁は確かに存在するということでございます。  じゃ今後どうするかということなんですが、我々は、年金制度改革の中で、所得が同じなら同じ保険料ということをうたっております。ということはこの壁がなくなるかという話なんですが、これは世帯単位なのかあるいは個人単位なのか、じゃ最低保障年金給付額と課税あるいは保険料を払う額、所得収入の額がどれぐらいが釣り合うのか等々といった問題がありますので、その壁を十分意識しながら前向きに検討していかなければならないと思っています。
  20. 川合孝典

    川合孝典君 ありがとうございます。  私も、そのパート労働者労働実態調査というものは目を通させていただきました。認識足立政務官と同じくしているところであります。  私がここでこの問題をあえて提起させていただいた理由というのは、景気対策これから行っていかなければいけないという状況の中で、その景気底上げしていくための一つの大きな要素としては、個々人、家計の所得をいかに伸ばしていくのかということが一つの大きなテーマになってくると思うんです。私自身が実際にパートで働いておられる多くの方々お話をさせていただく中でも、この壁があるがゆえにそこで調整せざるを得なくなっているという実態、それともう一つは、そこに壁があるということを口実にして、むしろ雇用主の方がそこで働く時間、労働時間というものを要は調整している実態というのがある、要するに就業を抑制する作用がここで大きく働いているということであります。  そういう意味では、低賃金で働かれている方々賃金をいかに増やしていくのかという底上げを図るこの部分は、ダイレクトに労働者賃金底上げにつながってくる効果があるということなんですね。  ところが、これを実際にやろうと思いますと、厚生労働省だけではなくて、実際には財務省財務当局との話合いだとか様々な連携が必要になってくるということになりますので、今ここで結論を出せとかどうしてほしいとかという話にはなかなかならないのはよく分かっているんですが、今後、控除から手当へという流れの中で必ずこの問題というのも大きな課題として出てくるというふうに私自身認識しておりましたので、この際ですから、今こういう状況があるということを踏まえて、財務省としてのお考えというものを、今後の方向性についての見通しでも結構でございますので、御所見をお伺いできればというふうに思います。
  21. 菅直人

    国務大臣菅直人君) 従来から二分二乗方式とかいろんな形でこの問題をクリアできないかという議論があったわけですけれども、今、厚労政務官の方からもお話がありましたように、こういう状況にあることの認識はありますけれども、現時点でどういう方向性でこれを改革していくかということまで具体的な案を得ているわけではありません。できるだけ就業意欲を阻害しないような制度的な環境を整備することが重要だと考えておりまして、新しい年金制度の創設へ向けた議論も始まっておりますし、また医療保険における適用範囲についてもこの年金制度と関連した議論が必要になると思いますし、今、税調でも改めて所得税在り方等議論が始まっておりますので、そういう中で今の御指摘を何とかクリアできる方向性を見出すよう努力してまいりたいと、このように思っております。
  22. 川合孝典

    川合孝典君 是非とも、働くことにインセンティブがきちんと働く制度というものを構築、そして、制度があることによってそれが抑制作用が働かないような、そういう公平性、公正性のある制度の構築をお願い申し上げたいと思います。  私の質問はこれで終わります。
  23. 牧野たかお

    牧野たかお君 自民党・改革クラブの牧野たかおでございます。  私は、まずは国家公務員の総人件費の削減についてお尋ねをしたいと思います。  民主党のマニフェストでは、平成二十二年度から四年間で国家公務員の総人件費を二割削減するというふうに書いてあります。具体的な数字でいいますと、人件費の平成二十一年度の予算額が五・三兆円、五兆三千億円ですので、これを一兆一千億円削減するというものでありますけれども、これは今も方針としては変わってないということでよろしいでしょうか。菅財務大臣、よろしくお願いします。
  24. 菅直人

    国務大臣菅直人君) この人件費の問題は主に公務員制度との関連で議論をされることになっておりまして、この担当は現在は、仙谷大臣がこの内閣ができてからずっと公務員制度の担当大臣ということであります。そういった意味で私の分かる範囲では答弁をさせていただこうと思っておりますが、これからの取組は主にそちらの方で行われるということを是非あらかじめ御理解をいただいておきたいと思います。  民主党のマニフェストに示されました総人件費二割削減という目標については四年間掛けて平成二十五年度までに実現したいということで、一つ地方分権推進に伴う仕事、あるいは場合によっては人員も含めて移管するという、こういう大きな動き、さらには、公務員制度改革の後に労使交渉を通じた給与改定など様々な手法を講じて実現を目指してまいりたいと、このように考えております。
  25. 牧野たかお

    牧野たかお君 制度のことについてはまた別のところで質問したいと思いますけれども予算の中でいうとやっぱり人件費というのが非常に大きいウエートを占めていますので、これから二十三年度、二十四年度というふうに予算を編成するときには、その人件費をどうするかというのが私は予算編成の中でのやっぱり大きな仕事だと思っておりますので今日聞いたわけでありますけれども。  そうすると、一兆一千億円を平成二十一年度の五兆三千億円から削減していくといいますと、それを四年で割ると一年当たり二千八百億円になります。二十二年度の予算案を見ますと、国家公務員の人件費、給与費プラス退職金プラス国の共済年金の負担金等でいいますと五兆千七百九十五億円となります。  総人件費という言葉がどうも役所の扱いと民主党さんが作ったマニフェストの総人件費とちょっと違うみたいで、資料でいうと真ん中ぐらいに書いてある国家公務員の人件費というやつがそれに当たると思いますけれども、今申し上げたみたいに、二十二年度は五兆千七百九十五億円ということで、二十一年度に比べますと二・六%、そして千四百億円減少しております。  この何年かの中で見ると減少している率が二十二年度は非常に高いわけでありますけれども、この減少の理由は何でしょうか。
  26. 菅直人

    国務大臣菅直人君) 今、牧野議員がおっしゃるように、二十二年度予算における国家公務員の人件費は、前年度より千四百億円減少して五兆一千七百九十五億円となっております。  この減少要因は、定数の削減による効果が七百二十億円、また人事院勧告を受けた給与の減額による効果が八百五十億円、合わせて約千四百億円と理解しております。
  27. 牧野たかお

    牧野たかお君 今のお答えのとおりだと思います。  やっぱり二十二年度というのは、その前にやった給与改定、人事院勧告による給与改定の影響が大きかったと思います。それでも削減率というのは二・六%で、額では千四百億円ということでございます。ですので、さっき申し上げたみたいに、四年間で割ると二千八百億円ですので、一年間当たり減らしていくとすると。なかなか残りの、二十三年度から二十五年度までの三年間で残った一兆円近くを削減をしなければならないというか、その目標が本当に実現するためにはそういう計算になりますけれども。  これはさっき大臣おっしゃったみたいに、制度を変えた後に最終的な削減策を出すという話でありますけれども、物理的なその制度ということをちょっとおいておいて、計算上でいくと、私はかなり難しいと思うんですが、具体的にというか、方向性とすると人数を何割ぐらい減らして、また給与を何割ぐらい減らしてその目標を達成するという、そこら辺の一つの大まかな方向性というのがないとなかなかこの先この目標が達成するのは難しいと思うんですが、その点はいかがですか。
  28. 菅直人

    国務大臣菅直人君) まさに制度そのものを、先ほども申し上げたように、地方分権の推進ということで、仕事、場合によっては財源、更には人も、本当に必要な仕事が地方の責任で行われるときには、場合によっては、今、国の機関のいろいろな出先機関のような形でやっているものを人も含めて地方に移っていただくことも十分考えられるわけです。  一方で、御承知のように、公務員という立場ということで、いろいろILOの考え方等もあって、やはりそうした制度改革を行った中で労使の交渉等ということもやれるようにしていかなきゃいけないと、こういうふうに考えております。  具体的なこととは言われますけれども、まさにこれからそういう制度的な問題に踏み込んだ議論が必要になる、先ほど申し上げたように、公務員制度の担当大臣を中心にしてそういう議論にいよいよ入っていくことになると、このように理解しております。
  29. 牧野たかお

    牧野たかお君 さっき申し上げたみたいに、ここで制度の、これからやっていかれようとしている労使協約の問題とかスト権の問題ですか、そういう話はここでしてもしようがないものですからしませんけれども。  一つ私が思うことを申し上げると、これは今の政権から言っているだけじゃなくてその前の政権からも言っていたかもしれませんけれども地方への国家公務員の転籍というのは、国から見るとそういうことをおっしゃったり考えたりしているんでしょうけど、私も十二年間、県の方の議員をやっていて、その前、その県の担当の記者もやっていたんですが、地方自治体からすると、国の公務員を押し付けられても非常に困るというのが私は実情だと思います。権限は国から地方に渡していくのは受け入れるでしょうけれども、人まで受け入れるという地方自治体というのは私は余りないんじゃないかなと思っておりますし、それが地方自治体の本音だと思います。ですので、それは今ちょっと私の感想として述べさせていただきました。  それで、なかなかこのやり取り難しいと思うんですが、一応昨日、急に計算をしてくれといっても多分できないと思って、あらかじめ財務省の方に伝えてありますけれども、給与費を削減していくといっても、仮の話でありますけれども、国家公務員の人件費には国の公務員の基礎年金の国庫負担分が入っておりますが、それがやっぱり基礎年金部分でありますので、三分の一の国庫負担から二分の一にやっぱり変わっていったわけですよね。それで計算していくと、これから三年間給与費を仮に二割下げても、全体の人件費というのは二割下がらないんですよね。要するに、ほかの部分があるから、今までの皆さんにその年金部分を払っていかなきゃいけないとかそういうのがあるから、そういう人たち年金部分もカット、削減しちゃえば、それは同じように全体を下げる、削減することができるかもしれませんけれども、給与費だけで総人件費を下げるというのは、要するに今の制度だと私はできないと思うんですが。  仮に定数、今度の二十二年度の五十八万二千人の国家公務員の数がそのままだとすると、あくまでも仮定の話ですけれども、残った、マニフェストの目標である一・一兆円を削減するとするならば、現給与をどのぐらい下げなければ、まあ人数がそのままということで計算すると、どのぐらい下げないとその目標には達しないんでしょうか。  一応、昨日、急に計算してくれと言っても多分分からないと思ったから、昨日お伝えしておきましたけれども
  30. 菅直人

    国務大臣菅直人君) 先ほども申し上げたように、余り仮定の話をベースに、まだそこまで議論政府内でしていないことを余り申し上げて、何かそれが今の財務省なりあるいは内閣なりの方針だというふうに思われても若干困るわけですけれども平成二十二年度予算案における国家公務員の人件費五兆一千七百九十五億のうち、国家公務員に定期的に支給される経費である国家公務員の給与費は三兆八千四十八億円となっております。  仮に、この国家公務員の給与費だけで一・一兆円の削減を行うとした場合という仮定のお話ですけれども、それは三兆八千億から一兆一千億を単純に引くということで何%かという、そういう計算をした結果です、決してこういうことを考え考えないでなくて、計算した結果は約二九%、大きく言えば約三割ということになります。
  31. 牧野たかお

    牧野たかお君 今の段階で言うことは確かにおっしゃりにくいことだと思いますけれども本当にその目標を実現するというならばやっぱり、くどいですけれども数字的な一つの、何というんでしょう、それこそ工程表みたいのを作っていかないと、多分なかなかこれは実現しないんじゃないかというふうに思っております。  これはお答えしにくいでしょうから、ここら辺で人件費の話は終わります。  次に、今後の財政確保ということについて質問をしたいと思います。  今月の日経新聞に出ておりましたけれども菅大臣は、外為特会の積立金を財源の一つとして活用するよう、まあ新聞の記事ですので本当かどうかちょっと分かりませんけれども財務省の方に指示をしたというふうに書いてありますけれども、それについてお答えをしていただきたいと思いますけれども。  外為特会の積立金という一応資料をもらって見ましたけれども、二十二年度の特別会計予算書ですと、二十二年度末で二十兆六千億円の積立金がこれは見込まれるんですが、一方で、最近の円高ドル安による為替の差損によって二十七兆五千億円の評価損が出ております。これで単純にこうやって引けばいいのかなと思ったんですが、そうすると七兆円の積立不足ということになるんでしょうけれども。  これも前の藤井財務大臣がおっしゃったことだと思いますが、外為の特会の基金を取り崩すと健全性を失うことになりますと。ですので、外為特会については埋蔵金として考えていないような御答弁があったと思いましたけれども菅大臣は、前の藤井大臣と違って、これは外為特会の基金も聖域ではないというふうにお考えなんでしょうか。
  32. 菅直人

    国務大臣菅直人君) まず、お示しいただいていますが、日経新聞のたしか三月十六日にそういう記事が出たことは私も承知しておりますが、直後の記者会見で、少なくとも私がここに書いてあるような記事の中身のような意味での指示をしたことはありませんということは申し上げました。  私が役所の中あるいは閣議等で言っているのは、いわゆる特別会計全般をそれぞれの役所について見直していこうと。そういう中では、財務省自身の問題としては、この外為も特別会計ですし、ほかにも幾つかの特別会計がありますから、それの在り方を徹底的に見直していこうという、そこは指示をいたしております。  その上で、外為特会というものの性格を私もいろいろこの間の議論の中である程度理解した形で言えば、やはりこれだけの規模の外為、いわゆるドルを持っておくことが適切かどうかとかいった、そういう議論議論として当然ありますけれども、この特会にある二十・六兆円というものが自由に動かせる金ということになるのかどうか。先ほど言われたように、為替差損は私どもの資料では二十五・七兆円あって、積立金が二十兆六千ですから、約五兆円余りの為替差損があるという中において、果たしてどう考えればいいのか。  もちろん、一時的にはこの部分から出すということも制度上できないことではないと思いますが、今言ったような為替の評価損がある中でそういうことが適当であるかどうか。このことは十分そういう問題があるということも念頭に入れながら、これからの見直しの中で結論を得ていきたいと、こう思っております。
  33. 牧野たかお

    牧野たかお君 今の答弁でお考えはある程度分かりましたけれども、これも余計なことかもしれませんけれども、外為特会の積立金というのは財投で、財政投融資で地方の自治体に貸付けされておりまして、埋蔵金としてそういうのを、積立金を使っちゃうと地方は困っちゃうものですから、そこら辺はよく地方自治体のことも御考慮の上、お考えをしていただきたいというふうに思っております。  それでは次に、先ほど川合議員からの質問があったのと関係をしておりますけれども関係しているというか似ておりますけれども金融資産の話が日本財政危機とか、そういう話になってくると必ず出てくる数字なんですけれども、国内の個人金融資産についてよく総額千五百兆というその数字がよく使われるんですけれども負債を引いて、純粋なその資産というのは、千兆という数字が使われたり千二百兆という数字が使われたりいろいろ使われるものですから、どれが正しいのか分からないというか、何かで引用するときにどれを使っていいのかなっていつも困っちゃうんですけれども本当のところは一体個人の金融資産の純粋な資産というのは幾らあるというふうに把握されているんですか。
  34. 門間一夫

    参考人門間一夫君) お答え申し上げます。  私ども日本銀行が作成しております資金循環統計によりますと、最新の平成二十一年九月末時点の速報調査でございますけれども、家計の金融資産の総額は一千四百三十九兆円となっております。ここから家計の金融負債を差し引きました純金融資産は一千六十五兆円という計算になります。
  35. 牧野たかお

    牧野たかお君 ありがとうございました。  それと、これも去年ちょっと財務省からもらった資料で勉強会をしたんですけれども、その資料によりますと、日本国内の、先ほどお話出たみたいに、政府そして地方自治体の、要は国債地方債の残高金融資産、その要するにプラスマイナスを計算した上で、同じように民間企業、個人、そういったものを全部合わせて日本国内の富としての金融資産というのは一体幾らあるかというのが出ていたんですが、それによると、全部相殺するとちょうど日本の国内の総金融資産はゼロだという数字が出ていたんですが、ちょうどゼロになっているというような数字が出ていたんですが、その点はいかがですか。
  36. 門間一夫

    参考人門間一夫君) これは、だれかの資産は必ずだれかの負債になっているという関係になっておりますので、すべての部門の純金融資産をプラスマイナスいたしますと、これは定義によってゼロになってしまうということでございます。  具体的に先ほどの資金循環統計、平成二十一年九月末時点の数字に即して申し上げます。  家計、企業、政府金融機関など国内部門の純金融資産をすべてプラスマイナスしますと、実はそこだけではプラスの二百四十八兆円となります。ゼロになりませんのは、今申し上げた家計、企業、政府金融機関以外に、海外との間での資産負債というのがございます。この二百四十八兆円というのは、海外部門が日本に対して有している純金融負債、逆に言いますと日本が海外に対して持っております純金融資産に対応しているということですので、それもネットアウトしますとちょうどゼロになるということでございます。
  37. 牧野たかお

    牧野たかお君 それで、これは乱暴な話かもしれませんが、人によっては、今までゼロだからまあ何とか日本全体の財政もってきたけれども、これから更に債務が増えていくとこれは財政破綻が始まるという、まあ乱暴な意見というか乱暴な考え方かもしれませんけれども、そういうことをおっしゃる方もいらっしゃるんですが、そういう考え方というのは余りまともな考え方ではないんでしょうか。
  38. 門間一夫

    参考人門間一夫君) ただいま申し上げましたように、資金循環統計というのは、これ定義によりまして、各部門全部ネットアウトしますと純金融資産というのはゼロになってしまいます。したがって、この数字は、国債の発行環境が良かろうが悪かろうが常にゼロであるわけですね。したがいまして、この数字をもって何か財政について強いインプリケーションを引き出すということは大変難しいように思います。  やはり国債の円滑な発行にとりましてより重要なことは、国債発行の残高が野方図に拡大していくわけではないという、中長期の財政運営に対する市場とか国民の信任であるというふうに理解をしております。
  39. 牧野たかお

    牧野たかお君 私もまだ今勉強している最中なものですから、今のお話はすべて理解したわけじゃございませんが、また後日教えてもらいたいと思います。  それで、国債の発行額の論議というのがこの財金の委員会でもほかの委員会でもやっぱり大きな論議を呼んでおりますけれども、私自身、今まで余り財金の方の仕事をしてなかったものですから全くの素人的発想なんですけれども国債という国の借金が、先ほどのお話にありましたように、地方債合わせれば八百六十兆になっていくんですが、これどこまでずっと増えていっても大丈夫かというのが、私も分からないし、だれに聞いても分からないし、前に財務省人たちに何回か勉強会で聞いても、それはだれにも分かりませんと言われたんですけれども。  あくまでも感覚的な問題ですけど、積み木ってありますよね、積み木。積み木をこうやって積んでいって、永久にその積み木が高さが続いていくわけじゃないんですが、今まではなるべく横にはみ出ないように、はみ出ないように、なるべくほぼ垂直に立っていくことを考えながら、多少緊張しながら、そしてまた倒れないだろうなと心配しながら、こうやって積み木が積み上げてきたと思うんですが、その積み木の上に突然今までの同じ面積、同じ大きさのものじゃなくて大きいやつをぽんと乗せちゃうと、一挙にこうやって崩れちゃうんじゃないかなというような気がするんですが。  今年、二十二年度、約四十四兆円の国債を発行されましたけれども、これやっぱりこの先、四十四兆円が五十兆とか六十兆とか増えていっていくと、要するに上に乗せていくのが大きくなっていくからどたっと倒れるというような、そんなことを考えたんですが、だれに聞いていいか分かりませんが、通告していませんけど、峰崎大臣、よろしいですか。
  40. 峰崎直樹

    ○副大臣峰崎直樹君) これはむしろ、私が答えるのがいいかどうか分かりませんけれども、そういう累積した場合にファイナンスできている要因というのはどこにあるかということを考えたらいいと思っているんですね。  対外的に今は、もちろん五%ぐらいまでは海外との借金の取引があるんですけれども、やはり私はずっと見ていて、国内の民間部門が非常に私、弱いと見ているんですよね。これは実はかつて我々が学んだとき、黒字部門というのは家計、そして民間の企業部門というのは大抵設備投資をするときに借金してこれでやっていくんだと。ところが、バブルが終わってこの民間部門の設備投資というのが非常に弱くて、むしろいわゆる内部留保を高めてきて、それで自らの、自分のお金でファイナンスできちゃうという、マクロでいえばそういう構造になっちゃうと。そうするとどういうことになるかというと、お金のいわゆる資金勘定から見ると、どうしても政府部門がそれを使わざるを得ないというところに今、私、日本経済の実体があるんじゃないかなと思っているんですよね。  ですから、どこまで、じゃそれがファイナンスできるのかということについては、これはなかなか私も軽々しいことは言えないんですが、そういう今の民間の皆さん方の設備投資意欲の減退というのをどう高めていくのかと。これが起き始めると、多分一千兆近くあるこの国債というのはクラウディングアウトしてくると思いますので、そうなってくるときっといい意味での金利上昇が起きてくるんじゃないかなというふうに思っているんです。  ただ、非常に我々が心配している、私自身が心配しているというふうに申し上げていいんですけど、このままずっとどんどん積み上がっていくと、いつになったら危ないなということを警戒する方々が出始めて、それで警鐘を乱打し始めると。それが非常に投機に渡ったりするような、そういう危険性というのは僕はあると思っているんですが、そういう意味で非常に財政問題というのは、国債の発行というのは我々非常に警戒をしなきゃいけない点ではあるんだけれども。  今のところそういう一つの、マクロ的に見ると、今のような状況で実は国債発行してもいまだに一・三%台の長期金利の金利になっているというのは、どうもそこが民間の需要が非常に、あるいは設備投資が非常に余り活発になっていないと。何とかここを刺激して、より経済を成長させていかなきゃいかぬというのが大きい課題だと思うんですが、私は、当面やはりそういう意味政府部門がある程度引き受けざるを得ないという、そういう経済になっているんじゃないかなと思っているんです。
  41. 牧野たかお

    牧野たかお君 余り不安をあおるようなことを私もしたくないんですけれども国債の格付で今年の一月にアメリカの格付会社のスタンダード・アンド・プアーズ、有名な、私でさえ名前を知っているくらいですから有名ですけれども国債の格付の、まだ見通しでありますけれども日本国債の格付の見通しを安定的というのからネガティブに変更したという記事がありました。実際に、新聞記事で読んだことでありますけれども、格下げが実施されると日本国債についての格下げというのは八年ぶりだそうですが、要するにこういうのが出てくるとなかなか、世界的に見て要するに日本財政運営が、危機と言っていいのかどうか分かりませんが、非常に悪化しているというふうに取られると思うんですけれども、この問題について菅財務大臣はどのような御見解でしょうか。
  42. 菅直人

    国務大臣菅直人君) 今おっしゃったように、本年の一月二十六日に米国の格付会社でありますスタンダード・アンド・プアーズが、日本国債の格付の、これ将来の見通しを安定的からネガティブに変更したと、格付そのものは変わっておりませんが、見通しを変更したということは承知をいたしております。また、今日もいろいろな報道があって、将来の見通しについて他の格付会社も何か言っているようであります。  また、この一月二十六日のIMFより公表された国際金融安定性報告書、マーケットアップデートにおいて、金融市場において先進国財政の持続可能性に対する注目が増していることが指摘されており、その中で英国とともに日本のいわゆるクレジット・デフォルト・スワップ、CDSのスプレッドが拡大しているということも言及されているということも承知をいたしております。  こうした中で国際的な市場からの信認を維持するためには、財政規律を維持し、財政健全化を進めていくことが極めて重要な課題であると認識をしております。  私も、率直に言って、こういう議論をこの半年余りずっといろいろな方としているわけですが、やはり先日も衆議院の方で、例えば景気が立て直ってきたときに、税収が増えるのと、逆に金利が上がることによって国債費が増えるのと、どちらが効いてくるんだと。そのときは自民党の中川秀直議員の主張は、成長率が名目で四%を超えていればいわゆる金利よりも上を行けるというのが経験則的に言えるので、やはり何としてもその四%を超える成長率に持っていかなければならないというようなことを主張されておりまして、それはそれで一つの見方としてはあるわけですけれども。  つまり、ワニの口と言われるこの問題は、先ほどの峰崎さんの言われたマクロ的なお金の、どこかがどこかのお金を使わなきゃいけないということもありますが、やはり国の借金ということでいえば、いかにすればこれを、まずは残高GDP比を安定的なところまで、どんどん増えるんじゃなくて、安定的なところまで持っていって、そして将来はそれを下げていく。その場合にいわゆるプライマリーバランスという考え方もあるかもしれません。  そういう意味で、やはり成長ということも含めて、それを実現をすることも含めてやっていかないとなかなか大変な、いわゆる規模が、国債費の比率がなかなか大変な比率にあるということは十分に私は私なりに認識をいたしております。
  43. 牧野たかお

    牧野たかお君 何となく先行きが暗い話ばかりになっておりますので、亀井大臣に反対のお考えを伺いたいと思いますけれども。  亀井大臣は、国の財政危機というのはあんなものは作り物だとか、緊縮財政を取ったら国は滅ぶとか、そういう勇ましい発言いろいろなところでされておって、ある意味私は、いろんな国民の皆さんにも安心感を与えているところもあるのかなというふうに思うんですけれども。  日本の今の財政状態、危機的状態というふうにテレビなんか使っているところもありますし、今度どこかで討論番組をやるみたいですけれども、そういうタイトルですらもう日本財政破綻とかいう言葉を使っている状況になっているんですが、その今の財政危機の状況ってどんなものとお考えになっているのかというと、国債の今格下げの話、見通しでありますけれども、そういう話を今質問しましたけれども亀井大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
  44. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) 私は別に、何というんですかね、むちゃなことを言っているつもりでもありませんし、ごく当たり前なことを言っておるつもりであります。  委員御承知と思いますが、この十数年間、申し訳ないけれども財務省というオオカミ少年におびえながら、それによってちゃんと子供が育たなかったんですよ。これが残念ながら、いや、財務省の役人も一生懸命やっているんですけれども、それが残念ながら、もう入るをもって出るを制すということが、もうこれは体質になり切ってしまっている。いわゆる中長期的に日本経済財政面でどうやったらこれがきっちりしていけるかという、そういう視点ではなくて、予算単年度主義の下でそういう弊に陥って、常に緊縮財政、縮小均衡の道を政府に選ばせようとするのが、これが大体財務省。三十年来、私はこの今やくざな仕事をやっていますけれども、私はそのように実感をし、ある意味では確信をしております。優秀ですよ、財務省の役人は。ただ、これは性癖なんです、これは。なかなか直らないということ。  私は、経済というのはそんなに難しい話じゃないんだ。経済学者やエコノミストが難しいことを言っているのは、それを言わぬと偉そうに見えないから言っているだけの話なので、これなぞ解きをすると。経済というのは人間の営みそのものでしょう。これは太古の昔から、原始の時代からあったんですよ、日本でも奈良時代、平安時代、戦国、江戸時代から。何もそんな精緻な数字をもてあそんでの経済財政政策やっておったわけではないんですよ。  要は、国民の生活がどうなっておるかという実態を見て、それをちゃんとするにはどうしたらいいかという、指導者がそういう眼力を持っておるかどうかに懸かっているんですよ、基本的には。そういう意味では経済が縮小、そうでしょう、十年間縮んじゃったんですよ。私が政調会長しておったときにはGDP五百五十兆近くあったんです。今四百七十兆ぐらいでしょう。国が縮んじゃったんですよ。縮む中で財政経済構造改革といって、ちっちゃくなったパイを力が強い者がわしづかみで取って食っちまった。残ったものを国民全体が分けて食うから所得は上がらない。当たり前の現象が起きているんですよ。私は頭が悪いから精緻な数字を私は使いませんが、これが現実なんですよ。  そのことを、この鳩山内閣がその愚を繰り返していったら、私はこのデフレから脱却するなんていうことは到底不可能です。やはり経済を活性化して、経済が成長しないで財政再建なんて、そんな手品なんというのはだれもできないんです。  そういう、私が基本をしっかり踏まえて、私は菅大臣、大変評価しているんです。本当に彼は能力もありますしね、決断力もあるし。予算が上がったら、私は、今後そういう観点からちゃんとした財政経済運営の旗を振ってくれるだろうと私は信じております。  さっきの格付の話。格付会社は、私の金融庁、私のごときアバウトな人間が監督しているんです。これ委員御承知のように、格付会社が格付したら、あたかも権威があるように思っているでしょう。実態は、いいですか、お金をもらって、お金を出した会社の商品を格付しているんですよ。だから、格付会社の格付が公正中立なものであるという担保はどこにもないんですよ、基本的に。お金をもらって、そこの出している金融商品、いろんな商品の格付しちゃっている。  国債については、これは日本から金をもらってやっているわけじゃない。私は、だから、菅大臣財務省が不当な格付をしておると考えた場合は、私は何とかというその格付会社を呼んで、何でこんなことをやっているんだ、根拠を示せと。日本財政状況日本経済状況をしかと説明せにゃ駄目ですよ。あんなことにおびえて市場が反応するのしないのと、私はそれは間違っていると。そういうものに対して、財務省として、国債についてそういう評価をして、これは正しくないと思うのであれば適切な処置をとることを金融庁として強くお願いしますよ。  そういう意味で、我々はもっとそういうことに踊らされないでしっかりと経済の実体を見ながら、私は今打つべき経済、あなた方聞いていないんだろうと思うんだけれども。先ほど川合議員が極めて私は適切な視点からの質問をしておられるなというふうに聞いておったんだけれども、もっと我々は、ちまちました数字だけ見ないで、国全体の経済が今どうなっていっているか、国民生活の実態はどうなっているかということを見ながら、大胆な、そうでしょう、アメリカなんていうのは日本から二百兆円も金借りて、中国から百兆円も借りて借金まみれの国が、オバマ大統領、七十兆円の大胆な緊急対策やって、七十兆円は公共事業ですよ、日本で悪の権化と言われる。中国だって六十兆、緊急対策やる、胡錦濤。これも六十兆、公共事業ですよ。そういうことをやって百年に一度の経済危機を脱しようとしているとき、日本だけがエコノミストやマスコミの経済面、いいかげんだ、本当日本経済面、新聞の経済面って。それに影響されて打つべき手を打たない、財政規律という、だれが考えたって当たり前の話だけれども、それを非常に矮小化されてやっていくのは間違いだ。  長々とお話ししましたけれども、つい、あなたの質問を聞いておってね。
  45. 牧野たかお

    牧野たかお君 お気持ちは私も、今日は質問者ですから、済みません、分かる気が一部いたしますが。  とにかく財務大臣金融担当大臣、しっかりいつも話をしていただかないと、どっちの言っていることが正しいというか、方向が分からなくなってまいりますので、そういうことはちゃんとそれぞれお話をした上で方向を一致していただきたいなというふうに思います。  最後に、新成長戦略について伺いたいと思いますけれども、その中で、これは菅財務大臣予算委員会とかいろいろなところでお答えになっているときに必ず使うフレーズが、これからの森林・林業の新たな雇用を生み出すというお話の中でよくお使いになるのが直接雇用十万人、川下を入れると百万人という、そのフレーズも本当に何回も伺って、私も今まで農林水産委員会でずっといたということと、私、自分自身がそういう環境の中で育ってきたものですから、そのお考えはというか、その意気込みは非常に期待をしているんですけれども、二十二年度の予算、資料付けましたけれども、これは藤井前財務大臣のときの予算編成ですので、菅大臣が直接予算編成をされたわけじゃないんですが、再生をするというふうに、森林・林業を再生するというふうにおっしゃっていらっしゃるにもかかわらず、この二十二年度予算を見ますと、実に、森林整備事業というのは六三%、対前年比、要は四割近く予算をカットされていると思うんですが、そうすると、財務大臣がおっしゃっている思いと今度の予算の中身についてちょっと余りにも懸け離れているような気がするんですが、いかがでしょう。
  46. 菅直人

    国務大臣菅直人君) 大変私が話したいところのテーマを御質問いただいて、大変ありがとうございます。  数年前、私は、民主党の中で林業再生本部というのをつくりまして本部長を務めさせていただき、かなり国内を見てまいりました。それから、三年ほど前、ちょうど連休のときに、今農水の副大臣やっている山田さんと、それから長野選出の篠原さんと三人でドイツの黒い森を一週間ほど視察をしてまいりました。  一つだけ特徴的なエピソードを申し上げると、あるドイツの林家で、うちから切り出した材木は日本に輸出しているんですと言われて、びっくりしました。あんな重いものをそんなに給料も違わないドイツからなぜ日本が輸入しているんだと、よほど特殊なものかと思ったら、日本にはかまぼこというものがあるそうですねと、かまぼこ板とか卒塔婆とか、トウヒという木でしたが、白くてにおいのない木でした。  それが象徴的ですが、なぜ日本の林業が自給率二割、逆に言うと八割の外材を買ってこなければいけない状況にあるのか。木がないんなら、砂漠なら仕方ありません。木はあるわけです。  じゃ、なぜ木が出せないか。今までの林業の予算、歴代かなり付いています。多くの場合、例えば間伐のために臨時的に補助金を出すわけですね。じゃ、どういう間伐をやっているか。いろんな林業組合にそのお金を配分して、その林業組合が事務経費をかなり取った後、あとは日雇の労務者を雇って、背中にチェーンソーしょって山に入って切るわけです、これとこれとこれって。切った材木はどうするか。そのままです。出さないんです。出そうにも道がない、路網がない。  ですから、私たちは、林業再生プランを立てたときに、やはりちゃんと路網を造らなきゃいけないと。つまり、スーパー林道のようなバスが通るような道じゃありません。せいぜい三・五メートルぐらいの土で、木か何かを入れて、そういう路網を造って、そこにハーベスター、多少大きめのブルドーザーみたいなものを入れて、それで切っていくと。これがドイツなどでもやられている、ごく普通にやられているやり方ですが、それによって十倍ぐらい実は効率が違います。  実は、それをやるためのもう一つの条件は、これは御存じだと思いますが、今、日本の林地を持っている人はそんなに千ヘクタールも持っている人は本当にもう数少なくて、十ヘクタールとか二十ヘクタールとか、それをいかに集団化するか、団地化するかと。これで比較的うまくいっているのは、京都にある日吉林業組合というところですが、そういう形で百ヘクタールぐらいの単位で道を入れていく、さらに地主さんに了解を取っていく、そういうことをやらなきゃいけません。  そこで、実はこの二次補正の段階からそういうことをやるために、林野庁あるいは農水省とも話をかなりして、今おっしゃった来年度予算はかなり削減されたというふうに見ておられますが、実は、まず二十一年度の二次補正の中に、地域活性化・きめ細かな臨時交付金というのが五千億入っておりますが、これもそういうものに振り向けられますし、また、これは一次補正ですから麻生政権時代ですが、同じく二十一年度の補正予算に林業整備加速化ということで千二百億あります。それから、二十二年度予算においても、農山漁村地域整備交付金というのが千五百億あります。  実は、余り裏話をしても恐縮ですが、二次補正のころに、もう少しその予算を付けることも検討したんですけれども、結局のところは従来型しか使うノウハウがないんですね。付ければ、さっき言ったように各林業組合に配って、半分ぐらいは事務経費で取って、あとは一時的な切捨て間伐、これじゃほとんど意味がない。もっと言えば、つまりは林業になっていないわけです。つまり、間伐という作業のための補助金であって、林業になってないんですね。  今回、二次補正でドイツからそういう、フォレスターと呼ばれるあそこには制度があるんですけれども、森林管理官、学校もありますけれども、そういう人を招いて、いろいろなところで地域でモデル実験をやると。そういう中から、今林野庁もやっと、林野庁も腰が重いんです、というよりも、林野庁自身が、補助金があってだれかにその補助金をばらまいてやるのが仕事だと思って、林業を何とかしようなんということをここから先考えてない役所でしたから、それを大分しりをたたいて、いや林業は今こそチャンスなんだと、今こそ林業が業として成り立つチャンスなんだということを言って、そういう前向きの計画をやっと立ててくれまして、いよいよ具体的に作業に入ることになっております。  ですから、関心を持っていただくのは有り難いんですが、金額の多寡だけではなくて、そういう構造的な、まずは集団化して路網を造って、そしてハーベスターといったような機械を入れて、計画的に、いろいろ間伐をしたり、場合によったら植林をしたりということにつなげていく予算になっているということを是非御理解をいただきたいと思います。
  47. 牧野たかお

    牧野たかお君 私じゃなくて、隣の若林前農林大臣質問した方がよかったかもしれませんけれども。  ちょっとさっき申し上げましたけど、私も、うちが、今、菅大臣がおっしゃったみたいに、今はそんな何百ヘクタールも持っておりませんが、一応林業家の端くれなんですが、現実の話をしますと、作業道はもちろん大切なんでありまして、また林道も大切で、搬出する経費を下げるということ大事なんですけれども、ただ林道や作業道を整備すれば、じゃ林業として生計立てられるかというと、今の国内材の要は需要の部分考えないと、なかなか生計を立てるまでに行くというのは非常に難しいという現実があります。  それで、私は、自分も実際数年前に間伐、六十五年生のヒノキを切って全部出そうと思ったんですが、間伐をすると大体三分の一ぐらいにしますので、四ヘクタールをしましたんで、まあ丸々でいうと一・数ヘクタールのヒノキ、六十五年のヒノキを伐採をしたわけですけれども、二十年前、そのぐらいだと千五百万円ぐらいで出ました。ところが今回は、三分の一だけ、その道路の横の方の木だけを出して、ケーブルを張ってその奥の方まで出すというと赤字になるからやめた方がいいよというふうに業者に言われて、私も三分の二は抜き切りでその山に置きましたけれども、それが今の現実でありまして、私のところは、実は昔でいう等級でいうと、税務署が、JRの、国鉄の駅からの距離でその森林の、山の要は価値を、立木の方の価値を決めて課税標準を決めたんですが、そういう課税標準でいうと一番いい方なんですけれども、それでも、やはり出して、道路が近くてそういう貨物として運べるところにもかかわらずそういう状況で、なかなか作業道や林道だけ整備すれば何とかなるかというそういう話じゃなくて、むしろ私は国産材を国内で消費してもらう、使ってもらうという、まずはユーザーの方から攻めていかないと、一番上の方から攻めていってもなかなか難しいというふうに思っております。  それと、これまでは、若林大臣のときもそうでございますけれども、CO2削減の京都議定書を守るために間伐等の森林整備の予算を大幅に積み上げましてやってきました。さっきおっしゃった、もちろん二次補正にしても、そういう中でお金は行くんでしょうけれども、多分今までの林野庁の配分からすると、恐らくそんなに多い額ではないというふうに思います。  ですので、実際にもう各地で今森林を整備する担い手というのは正直申し上げまして森林組合しかないような状態で、ところが、森林組合も新たな人たちを雇うために、今までのCO2削減対策で来ているお金を活用して若い人たちを今雇って、民間からの仕事も請け負ってこの何年かやってきた中で、予算的にここまで削減されてしまうとまた元のもくあみになってしまうというおそれを私は抱いております。  是非、菅大臣の、これは多分所管とは別でありますけれども自分のライフワーク的なところであるでしょうから、是非その点についてはこれからも積極的に取り組んでいただきたいというふうに──お答えになりますか。じゃ、どうぞ。
  48. 菅直人

    国務大臣菅直人君) 牧野さんのお宅はそんなに数百ヘクタールで、私は岡山に十ヘクタールほど雑木があるんですが、ほとんど何もしませんでしたが。  二、三だけちょっと私の、別に論争というよりも、見方なり、ある意味でいいますと、一つは国産材なんですが、私もなぜ国産材が使われないのかということで一度木材のプレハブメーカーを呼んだことがあります、もう数年前ですが。そうすると、値段が高いからとかと言わないんですね。一番最大の理由は、安定供給ができないと言うんです。つまり、何万立米かを毎年、十年間これだけの質のものを出したいといっても、それが出せる山がないと言うんですね。  ですから、国産材を使わないんではなくて、国産材を安定的に供給できる山がほとんど日本には存在してないというのが実態で、私は、先日、といっても数か月前ですが、今、国交省に二重の意味でいろいろとやってくれと。国交大臣も意欲的なんです。それ一つは、今公共事業が減る中で、転業支援をしようと。転業する一つの候補としては、やはり農業、林業。特に作業道の建設には私は公費をかなり入れてもいいと思っているんですが、そういうのは道路を造るノウハウとは若干違うにしても、基本的には共通の部分がありますから、そういう形で転業をしてくれと。  それから、木材を使ったまさに住宅なりオフィスなりを造ろうじゃないかと。これはCO2のことで、京都議定書で言うCO2、森林の六・何%というのは、私は実は全く科学的根拠はゼロだと思っておりますが、今、日本はどういう状況になっているか御存じかもしれませんが、外国から買った木を最終的には燃やしているわけですが、これはCO2にカウントしていません、排出には。本来なら日本で育った木を使って、そして最終的には燃やすことになりますけれども、その分だけ木を植えて育っていれば、まさに行ってこいでゼロですから、国産材を使っている限りは言ってみればCO2排出はゼロなんですね。ですから、そういうことを考えれば、私は、今まさに林業は再生するチャンスだと。  先ほど、最後に言われましたように、確かに若い人はおりません。ほとんど日雇です。数少ない常雇いをしている林業組合が今言いました京都の日吉というところにありまして、二十人弱の若い人が、なぜ常雇いができるかといったときに、もちろん補助金とかもうまく使っているんですが、やはり計画的な作業をしていることによって、そういう機械が稼働率が全く違うんですね。つまりは、補助金か何かで買った機械というのは年に十回も使っていりゃいいわけですが、そういうところで営業的にやっていますと、やっぱり二百五十日とか三百日間使っている。まさに業としてやっているわけです。  是非私もずっと見守っていきたいと思っていますし、是非、牧野さんにも日本が林業の大国となるように御協力をお願いしたいと思います。
  49. 牧野たかお

    牧野たかお君 終わります。
  50. 白浜一良

    ○白浜一良君 まず、亀井大臣にお聞きしたいと思います。  昨日いろいろ統計が発表されまして、もう御存じのとおり、一—三月期の景気予測調査ですか、昨日発表されて、景況感で言いますと大企業はマイナス二・四、中堅企業はマイナス一三・三、中小企業はマイナス三一・八と、大変、当然ですがデータが悪い。特に中小企業は大変厳しい状況。  亀井大臣はもう現場主義ですから、もうどんだけ苦しんでお仕事されているか、仕事がないんだと、もうかる仕事をといつもおっしゃる、非常に私も大事なことだと思うんですね。しかし実態は大変悪いということは間違いございません。  それから、土地のいわゆる公示価格ですね、公示地価といいますか、昨日これも発表されて、全国平均しますとマイナス四・六下がったと。私はもっとひどいなと思いますのは、商業地がそれ以上のマイナス六・一なんですね。土地担保主義という面からいいますと、それだけいわゆる借入れという面でいいますと信用収縮なんですね。企業の経営もやっぱりダメージ食らうわけでございます。  そういう中で、現況の中で、過日大臣が鳩山総理に、新年度になりましたら新しい経済対策だと申し入れされたと、こういうふうに伺っているわけでございます。私、これは大変いいことだと思うんです。五五年型の政治で言いましたら、本予算審議しておるときにそんな追加的な対策を議論するようじゃもう本予算出し直しと、これだけで国会は空転したもんでございます。昔はそうでしたもんね。  だけれども実際、今二十二年度の本予算審議しておりますけれども、言うたら十二月につくり上げた予算で、三か月たっているわけでございます。経済は、大臣もよくおっしゃるように生き物ですから変わっていくわけで、適切なやっぱり対応をするということがこれは大事で、私、財務大臣とか総理は立場上これは決して言えない、これはよく分かります。だけれども、閣僚の一人であるのに、そういう年度が替わったら新しい経済対策をとおっしゃったことは大変勇気ある決断だと私は評価している、個人的には評価しているんですが、そういう行動をされた動機というか、大臣の思いというものをまず御説明いただきたいと思います。
  51. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) 私は、今の経済状況、私は精緻な数字を分析してなんということをやっておるわけではございませんけれども、先ほどもちょっと私申し上げたんですけれども、我々政治家は経済実態をやはり、私は見抜く力があると言っておるわけじゃございませんが、数字の奥をやはり見ながら適時適切な対策を実施をしていかなければならない。  私は、総理におとといですが会ったときに、政府統計というのを私も三十年来ずっと見ておるけれども、必ず政府が喜びそうな数字を出すというわけじゃないけれども、結局、悲観的な数字を出さないという政策というのも私大事だと思いますよ、国民に対してメッセージという面で。そういう面もありますから、常にこういう見通し出すんですよ。だから私は昨日言ったんです、おとといだ、こうこうこうなっていくんだと、こうこうこうなっていかないかぬのだけど、総理も私のまねをしてこうやって、ああそうか、こうだなといって言っておられましたけれども。  当面のそうしたいろんな指標にとらわれて当面の政策を私はやはりやってはならないと。やはり中長期をにらみながら大胆な、経済の底流を動かしていくという政策を実施しなければ、とてもじゃありませんけれども百年に一度襲ったこの経済状況から脱するわけがない。異常事態だというまず認識を私はせにゃいかぬと。普通の状態で景気、不景気の波が交代に、こういうふうにあるという認識で私は経済財政運営をやっていってはならないというのが私の考え方です。  そういう意味で、総理に今いろいろ私なりの御意見を申し上げましたが、総理も非常に今の状況、やはりきっちりと直視しながら、適時適切な手を打っていかなければならないと、そういう強い私は決意を感じ取りました。
  52. 白浜一良

    ○白浜一良君 適時適切と、これは大変大事でございまして、対応をお願いしておきたいと思いますが。  そこで、金融庁担当されておるので、一つ具体的なことをお願いしたいわけでございますが、私、心配していますのは、民間銀行の預貸率が低下しているんですよ、ずっとですね。私、今主に関西地域で党務をやっておりますけれども、例えば京都銀行、預貸率は五九・三%、全銀行の平均が七五・六%、減っているんですね。一方で国債の保有が増えている。国債を安定消化する、これは別の角度で大事な話でございます。しかし、本来民間銀行は、特に今地方銀行はそうでございますが、地元のやっぱり地場産業を育てるという視点を持たなければいけないと思うんですね。そういう面で、どう育てるかということが大事であって、何かみんな守りになって、もう危ない融資はしないとなってしまって、それが私、今この預貸率の低下と、こういうことになっていると思うんですが。  そういう面で、私は民間銀行に対して、金融庁として、もっとしっかり産業を育てろと、そういう視点で融資をしていけと、こういう具体的な私は指導をされるべきだと、こういうふうに思うんですが、いかがでしょう。
  53. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) 委員指摘の私はとおりだと思います。  私、先日も広島に参りまして、広島の金融機関の代表者とお話をしましたら、今や深刻なのは金を貸してもらいたいというところが本当になくなったと言うんですね。そういう状況で、我々の商売の相手がだんだんなくなっているという。だから、大臣金融に対する対策も大事だけれども、とにかく仕事を出すということを担当を離れて真剣に考えていただかなければ、我々金融機関だってやっていけなくなりますよということを異口同音に言っておりました。預貸率だって信金、信組だと四〇%ぐらいのところがもうざらになっていると言うんですね。  そういう意味では、私は総理に申し上げたんですけれども、地域によって違うんです、内需といいましても。北海道にはどういう内需、京都は、四国は、沖縄と。そこの内需を引っ張り出すについて、もうその地域から自力で民間で内需が出ていかないような状況の場合には、呼び水じゃないにしても、具体的に、じゃそこの産業がまた活気を取り戻すためにはどういうやり方があるのかと。政府が呼び水としても内需を直接創出をしてやる、グライダーでいうと引っ張るということをやらないと、そういうことを地域ごとに検討されたらどうか。財務省ののっぺらぼうの金太郎あめ的なそういう対策を打ったって、何か財務省の悪口ばっかり言っているみたいだけれども、言ったって私は駄目じゃないですかと。地域をどうする、特性について具体的にどう対応するかということ、その対策をおやりになられたらということを私申し上げたんですけれども。  私は、ある意味では正念場に掛かってきていると思います。もう地方のそんなのはなくなってしまう。大企業はまだ、輸出がまた好調になれば復活するだろう。一たびなくなってしまった、地方の中小零細企業を再び戻すことはできません。もう地方の雇用の問題、深刻な事態に今後の日本がなっていく危険性に今立ち至っていると、このように思っています。
  54. 白浜一良

    ○白浜一良君 おっしゃるとおりで、できたら政府がおっしゃっているように、呼び水的な、後押しするような、そういう経済対策を打たれることは私も望ましいと思いますが、いずれにしても、私は、民間銀行だけではできないんですけれども、各地域に応じた産業というのはあるわけですから、そういう民間銀行もそういう地場産業を何とかして育てようという、仕事がないからできまへんというんじゃ僕は話にならないわけで、金融庁としても努力をしていただきたいと、このことをお願いしておきたいと思います。  それともう一つ。この予算審議の中で鳩山総理が、中小企業支援会議、省庁横断的な、やりたいと、こういうことを実は答弁されているんです。答弁されているんですが、中身が見えないんです。どういうことになっているのかよく知りませんけれども、もしかかわっておられたら、菅大臣もそうでございますが、分かる範囲でちょっとお教えいただきたいと思いますが。
  55. 菅直人

    国務大臣菅直人君) 先日、参議院の予算委員会において鳩山総理が中小企業支援会議のようなものをつくらせていただきたいという、そういう発言をされたということは承知をいたしております。ただ、この中身については、特にまだ総理からの指示が例えば私に対してあるということにはなっておりませんで、余り詳しいことは私にも現時点では分かりません。  いずれにしても、中小企業が我が国のまさに産業を支えている最も大きな要素でありますので、成長戦略の中で、どのような形かで中小企業の実態を把握し、まさに支援をしていく、そのことを内閣として取り組まなきゃいけないという、その認識は私も持っておりますが、具体的にこの支援会議というものがどのような形かというのは、まだ特に指示をいただいていません。
  56. 白浜一良

    ○白浜一良君 亀井大臣にも。
  57. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) 私は、菅大臣は副総理でもありますから、私は、総理のお気持ちをきっちりと、財政的な裏付けもできる方でありますから、私はそういうお立場で中小企業対策、喫緊に衆知を集めてやるということをおやりになるだろうと。まあ非常に謙虚な方ですから、そういう今は控えめなことを言われましたけれども、そのように期待しています。
  58. 白浜一良

    ○白浜一良君 これ私、雑誌で見たんですが、首相補佐官の中山さんですかがコメントを書いていらっしゃるんですね。二月にも準備会を開く予定ですと明確におっしゃって、それで、支援会議の大きな柱は三つおっしゃっていて、一つ金融円滑化支援、二つ目が国際化支援、三つ目が新分野開拓支援、こう三つ挙げられているわけなんです。言えばもっともな話なんでございますが。  菅大臣、もうそれは慎重なことは私もよく分かるんですね、責任あるお立場ですから。ただ、総理が直接おっしゃっていることでもございますし、内閣挙げて、私どもも中小企業を、私、党内の中小企業活性化対策本部長もしていまして、いろいろ直にいろんな声を聞くんですが、日本経済を支えているのも中小企業でございますし、ここにやっぱり活力がなければ日本経済の発展も考えられないわけでございますから、是非とも、菅大臣は副総理でもあるわけで、総理の意向を受けてしっかりこれ推進を、中身のあるもの、実効性のあるものをつくっていただきたいと、このように思いますが、簡潔に御答弁をお願いしたいと思います。
  59. 菅直人

    国務大臣菅直人君) 今の名前の出ました中山首相補佐官は、同時に中小企業対策の担当をしている補佐官でもあります。そういったことで、今、亀井先生からもお話がありましたが、予算ができれば来週中にでも成立させていただければ、それから先のことをまさに考え行動しなきゃいけないと思いますので、その中では早速にも総理によくどういう趣旨かをお聞きして、協力できるというか、やらなければいけないことは指示を受けながらしっかりやっていきたいと思っております。
  60. 白浜一良

    ○白浜一良君 よろしくお願いしたいと思います。  それから、これを亀井大臣にお伺いしたいんですが、日本企業の経営の透明性ということは大変大事でございます。また、その企業のガバナンスという面から見て、これだけの時代、世界で商売しているそういう企業も多いわけでございますから。  そういう意味で、金融庁としてこの三月、年度末の決算の企業から、要するに役員報酬一億円以上の方は開示させるんだ、大臣は強い意思で持っていらっしゃると、こう伺っているわけでございます。当然、先ほど言いましたように、企業のガバナンスという意味からも私は透明性という感じで大事じゃないかと。やっぱり国民の信頼感がなければ企業といえども生きていけないわけでございまして、そういう趣旨で大きな決断で是非ともやろうというふうに決意されていると思うんですが、いかがですか。
  61. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) これは、来週中には内閣府令をこれは施行するという方向で現在固めておる最中でございます。企業経営者のまさに社会的責任をきっちり果たされている一つの結果として報酬を得ておられるわけでもありますから、その辺りを明らかにするということは私は必要であると、このように考えております。
  62. 白浜一良

    ○白浜一良君 最後に、菅大臣にお伺いしたいと思います。  先日、いわゆる需要創出という面で、内需も大事だが外需も大事だというお話を申し上げましたですね。やっぱり政府がサポートすべきだというお話をしたわけでございます。  私、もう不思議でならなかったことがございまして、原子力発電所をUAEが韓国が取ったんですね。それで、ああいう原発のメーカーというか、そういう設置能力というか建設能力という面で言うならば、それは当然フランス、アメリカ、日本と、こういうところだろうと、こういうふうに思うわけでございますが、韓国が取ったと。それは詳しい事情、私よく分かりませんが、いろいろ雑誌等に書かれている内容を見ますと、確かにコストも少し安いということもあるんですが、パックなんですね。要するに、廃棄物の処理まで含めたパックで売り込んでいるんですよね。日本は建設するだけで交渉している。どうしても単体売りでやっていますから。  そういう面で、これからやっぱり世界で日本の優秀な技術を生かしていこうと、どんどん買ってもらおうということであれば、政府が支援するというのは当然なんですけれども、ひとつそういう資金という面で見れば国際協力銀行ですね、やっぱりJBICの働きが私は大事じゃないかと、こう思うわけです。  確かに、役人が天下り先をたくさんつくるんでということで、政府系の金融機関をどんどんどんどん統合してきたのは事実です。意味があったから統合されてきた、たくさんありましたから。ただし、政府系の金融機関といいましても、JBICの持っている機能というのは少し違うんじゃないかと。そういう面で、少し日本航空から切り離して、もっと使いやすい、そういう戦略を持って使えるような形にされたらどうかと、私は個人的にはそう思っているんですが、最後にこの点のお考えをお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
  63. 菅直人

    国務大臣菅直人君) おっしゃるように、私も十数年前、役所ごとに政府金融機関があったものを統廃合していく、その方向性はその時点では必要だったと思いますが、JBICの現状を見ていますと、本当にもう余りにも多くのものを一緒にしたために、やや性格もはっきりしませんし、また政府金融をどんどん民営化するという方向も出ていますが、先ほど来の御議論のように、民間銀行そのものが特に海外のリスクのある意味ではある程度予想されるものに投資をするという一つの意欲、能力が必ずしも十分でない中では、そういうことを受け持ち得る政府のある程度意思が伝わる金融機関というのは必要ではないかという、そういう観点も含めて、今国家戦略室の方もタスクフォースをつくってJBICの分離のことも検討を始めてくれておりますので、そういうところとも連携をして、しっかり議論をして、何らかの形で対応できるような、そういう体制をつくり上げたいと、このように思っております。
  64. 白浜一良

    ○白浜一良君 終わります。
  65. 大門実紀史

    大門実紀史君 大門でございます。  今日は、貸金業法全面施行に向けた質問をと思っておりますけれども、ちょっと本題に入る前に、通告していなくて申し訳ないんですけど、ちょっと確認したいことがありますので、資料をお配りした二枚目の方なんですが、金融庁には様々な苦情相談とか情報とか通報が寄せられるわけですけれども、これはこの資料にも、これは公益通報の情報なんですが、これでいえば、公益通報ならば通報窓口、あるいは普通の相談ならば左下にありますけど金融サービス利用者相談室ですか、こういうところに寄せられるということになっております。公益通報の方は、企業の内部で働いている方々からの、労働者からの通報、内部告発ということで、これは本人の身分を守るために公益通報者保護法ですね、それに基づいてやられているという、こういうスキームがあるわけなんですけれども。  最近、今日もそうだったんですけど、私のところに、こういう窓口で相手にしてもらえなかった、あるいは聞きおくだけで改善されなかったというふうなのが私のところに回ってきて、私が直接金融庁に連絡をして改善をしてもらったり、あるいは国会の場で質問で取り上げて改善してもらったりというのがどういうわけかこのところ大変増えております。金融庁の窓口で真剣に対応してもらっていれば何もわざわざ私が動く必要もなかったというふうに思うので、そういうきちっと対応してくれれば私の部屋の仕事も減りますので、きちっと対応してほしいなと思うんです。  この間ちょっと事例が増えているので、ちょっと大臣の方から、しっかりこういう相談窓口ですね、苦情の窓口とかしっかり対応するようにちょっと活を入れてほしいなと思うんですけれども、一言いかがですか。
  66. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) 金融庁の職員は懸命にそういうことに対して対応する努力を現在やっておりますけれども、更に頑張るように私の方から強くまた指示をいたします。
  67. 大門実紀史

    大門実紀史君 せっかく資料をお配りしたので、もう一つ二つだけ、これについて触れさせてもらいたいんですけれども。この公益通報の方のことで、この間も二つ三つ今申し上げたように私の方に来ていることがございます。  ちょっと基本的な話なんですけれども、この真ん中にあります金融庁外部労働者通報保護委員会委員長は総括審議官ですね、ここがあるわけですね。下から行きますと、労働者から通報があって、通報窓口を通って、金融庁のコンプライアンス室でその事実関係を調べて、それが必要があればこの保護委員会に回ると、そこで審査といいますか検討して、各部局に回すものがあれば回すと、回さないで本人にこれは公益通報に当たらないとか、返すものもあると、こういう仕組みですけれども、この外部労働者通報保護委員会委員長は総括審議官ですけれども、ここで取り上げられた重大情報といいますか、そういうものは大臣なり副大臣にきちんと報告があるんでしょうか。
  68. 大塚耕平

    ○副大臣(大塚耕平君) 重大情報であればあってしかるべきと思いますが、私ども着任して以来、まだこの委員会を通じての報告というのは、率直に申し上げて、記憶にはございません。
  69. 大門実紀史

    大門実紀史君 そうすると、昨年、第一生命、今度四月一日に株式上場するという大変今注目のところでございますが、第一生命に関する公益通報については、大臣も副大臣も今のところ何も御承知ないということでしょうか。
  70. 大塚耕平

    ○副大臣(大塚耕平君) 万が一私が記憶が薄れているということであれば事務方に迷惑を掛けますが、今、突然の御下問でありますが、私の記憶の範囲ではその件に関して報告を受けたことはございません。
  71. 大門実紀史

    大門実紀史君 ちょっとこの問題は大変大きな問題でございまして、もう今日この時間でやる余裕はございませんし、来週じっくり、四月一日から株式上場ということで、重大問題でございますので改めてやりたいと思いますが。それまでに是非、大臣と副大臣、この第一生命に関する公益通報について、どんなことがあって、昨年何が行われてどういう結果になっているかということを是非把握をしておいていただきたいと、今日はもうそれにとどめておくことにいたします。  本題の方に入りますけれども、貸金業法全面施行の関係でいきますと、これ当初、私何回か質問させていただいて、当初は政務官のいろんなことがあって懸念をしておりましたけれども、さすが亀井大臣と大塚副大臣で、私に対する御答弁どおり、借り手の立場でずっと進めてきていただいていることに本当に心から敬意を表します。  それで、PTを設置されたということで、これも資料を用意いたしましたけど、これ大塚さんが座長ということで、これも全面信頼をしているところでございます。この資料はそのPTで検討すべき十項目ということなのかなというふうに思いますが、これ、もう既に議論があったこともありますけど、少し分からない点だけ教えてもらいたいと思いますが。  一番目の総量規制を超過した者の借入残高の段階的な減少に向けた対応と、これはどういうことなのか、分かりやすく説明をお願いできますか。
  72. 大塚耕平

    ○副大臣(大塚耕平君) 御下問の件にお答えをさせていただく前に、先ほどの第一生命の件ですが、今事務方から報告がありまして、口頭ベースでの報告を私が受けたわけではないんですが、紙ベースではそういう通報があったという回覧が回ったという事実はあったようでございますので、私が十分にそれを承知していなかったという面もありますので、今日はしっかり御指導いただいたと思っておりますので、また次回までに精査をしてお答えを申し上げたいと思います。  その上で、御下問の件でございますが、改正貸金業法を完全施行するに当たって、この改正貸金業法の内容が具体的にどういうことかということが必ずしも周知をされていないことがいろんな不安を呼んでいる面もありますので、御指摘の第一点は、収入の三分の一までの総量規制のこの規制が、六月の十八日の施行以降どのように適用されるのかということを明確にするという意味であります。  具体的には、収入が三百万円の方が、三分の一であれば百万円までしか借りられないということでありますが、仮に二百万円借りておられた方が、六月の十九日になったらいきなり百万円返済せよということなのかということでありますが、それは現実的に困難な話でございますので、その方が二百万円借りている状態から、できるだけ早い段階で三分の一の総量規制の枠内に収まるように、徐々に返済の条件変更等を駆使しながら、またカウンセリングも受けながら、その規制のあるべき姿に到達できるように段階的に対応をさせていただくという意味でございます。
  73. 大門実紀史

    大門実紀史君 そのメモが回ったということなんで、ちょっとまた戻って第一生命の件、一言触れたいんですけれども。  つまらないメモを回す必要はないんです。通報があったかどうかなんということを確認しているわけじゃなくて、中身を今の大臣や副大臣は御承知なのかということを、御承知だったら当然忘れるわけはないんです、こんな重大な中身。事務方だけが知っている話なんですよ、私と事務方だけしか知らないんですよ。そんな通報がありましたとかそんなメモを何のために回すんだ。(発言する者あり)いやいや、私が言っているのは、中身の重大性を言っているわけです。重大性を報告受けておられれば、定かじゃないなんて話、そんなレベルの話じゃないんですから。それをちょろちょろそういうメモを回して伝えたとか何だとか、そんなレベルでやっちゃ駄目だよ、本当に、こんな重大な問題で。  それじゃ戻ります。それで、この部分はおっしゃるような懸念も分かります。ただ、いろんなシミュレーションを是非この部分はお願いしたいなと思っているところでございます。  それと、もう細かくは触れませんけど、これはあれですかね、府令にかかわる部分は四番目ぐらいまでですかね。府令を変えなきゃいけない部分というのはどの辺までがそうなるのか、ちょっと実務的ですけど、教えてもらえますか。
  74. 大塚耕平

    ○副大臣(大塚耕平君) 現在、詳細を検討しておりますが、御指摘のとおり、四番目ないしは五番目まではかかわってくると思います。  また、府令だけではありませんで、例えば規則でございますね。結構これは重要な規則だというふうに思っているんですが、貸金業法施行規則の中に、例えば、特によく皆さんが御懸念になる、個人事業者の皆さんが事業計画とか収支計画とか資金計画をきちっと出せば、これは総量規制の範囲外として借りられるということになっている、その事業計画、収支計画、資金計画とは何であるかというようなことが現在は施行規則に決められておりますので、こういうものも含めて、府令にとどまらず、一から五辺りは様々関係してくるものと思っております。
  75. 大門実紀史

    大門実紀史君 それで、これがこれからいろいろ、今後のスケジュールをちょっと教えてもらえますか。これがいつごろまとまって、パブコメをやられるのか、そういうスケジュールをちょっと教えてもらえますか。
  76. 大塚耕平

    ○副大臣(大塚耕平君) 昨年の秋から政務官を中心にヒアリングを十五回近く行わさせていただきまして、その結果をこのPTの中で座長である私が報告を受けました。そして、親会合のPTを先々週からスタートいたしまして、来週には、この親会合における、今お配りいただきました十の施策についての大体の方向性を固めたいと思っております。その固めた内容に従って、府令等については四月の早い段階にはパブリックコメントにかけられるものというふうに想定しております。
  77. 大門実紀史

    大門実紀史君 じゃ、またその煮詰まったものを含めて、必要があればまた御質問していきたいと思いますけど。  一つ是非指導してもらいたいんですけど、これもうちの方に相談が来たんですけど、これ名前言いますけど、アコムなんですけど、こんなことをやっているんですね。ある借りた人がアコムに行ったら、借入残高が九十二万円あったんですけれども、なかなかすぐアコムに返せないと相談したら、もう返さなくていいと言われたんですよ、もういいですと、返さなくていいと。変だなと思って、借金返さなくていいと言われるのが、サラ金からですね、変だなと思って司法書士さんに相談したら、で、司法書士さんがおかしいと思ってアコムに取引履歴を出させたら、逆に過払いで本人に返さなきゃいけなかったと、七十九万円もですね。それを残高いいよと言って帰しちゃったんですね。本来払わなきゃいけないんです、御本人にね。  こんなことが平気で大手のサラ金でまだ行われておりますので、こういうことがないように是非ちょっと徹底してほしいと思いますが、大塚さん、ちょっと一言。
  78. 大塚耕平

    ○副大臣(大塚耕平君) 御指摘の事例も踏まえて、しっかり対応させていただきます。
  79. 大門実紀史

    大門実紀史君 もう大詰めの貸金業法の全面施行に向けた取組でございます。借り手の立場で、借り手が困らないような、何といいますか、運用上の見直しならそれは必要なことだと思っておりますので、最後に亀井大臣の最後の大詰めのところの御決意をお聞きして、終わりたいと思います。
  80. 亀井静香

    国務大臣亀井静香君) 今までも申し上げておりましたけれども、借り手にとって重要なニーズがあったことは事実でございますから、こういう方々が今後健全な御生活をされていかれる方向の中でこれが事実上施行されていくように、我々としても全力を挙げて頑張りたいと思っています。
  81. 大門実紀史

    大門実紀史君 終わります。
  82. 大石正光

    委員長大石正光君) 以上をもちまして、平成二十二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、内閣府所管のうち金融庁財務省所管及び株式会社日本政策金融公庫についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 大石正光

    委員長大石正光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時散会