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2010-03-30 第174回国会 参議院 国土交通委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十二年三月三十日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  三月十九日     辞任         補欠選任      植松恵美子君     水戸 将史君      大河原雅子君     羽田雄一郎君      米長 晴信君     辻  泰弘君  三月二十三日     辞任         補欠選任      川崎  稔君     高嶋 良充君      辻  泰弘君     米長 晴信君      水戸 将史君     植松恵美子君      渕上 貞雄君     近藤 正道君  三月二十四日     辞任         補欠選任      高嶋 良充君     川崎  稔君      近藤 正道君     渕上 貞雄君  三月二十五日     辞任         補欠選任      川崎  稔君     尾立 源幸君  三月二十六日     辞任         補欠選任      尾立 源幸君     川崎  稔君  三月三十日     辞任         補欠選任      山下八洲夫君     大河原雅子君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         椎名 一保君     理 事                 広田  一君                 室井 邦彦君                 佐藤 信秋君                 吉田 博美君                 草川 昭三君     委 員                 植松恵美子君                 大河原雅子君                 金子 洋一君                 川崎  稔君                 輿石  東君                 田名部匡省君                 羽田雄一郎君                 平山 幸司君                 藤本 祐司君                 米長 晴信君                 大江 康弘君                 荻原 健司君                 加治屋義人君                 小池 正勝君                 山内 俊夫君                 脇  雅史君                 西田 実仁君                 長谷川大紋君    国務大臣        国土交通大臣   前原 誠司君    副大臣        国土交通大臣  馬淵 澄夫君    大臣政務官        総務大臣政務官  小川 淳也君        農林水産大臣政        務官       舟山 康江君        国土交通大臣政        務官       長安  豊君        国土交通大臣政        務官       藤本 祐司君    事務局側        常任委員会専門        員        畠山  肇君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○国の直轄事業に係る都道府県等維持管理負担  金の廃止等のための関係法律整備に関する法  律案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 椎名一保

    委員長椎名一保君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る十九日、大河原雅子君が委員辞任され、その補欠として羽田雄一郎君が選任されました。     ─────────────
  3. 椎名一保

    委員長椎名一保君) 国の直轄事業に係る都道府県等維持管理負担金廃止等のための関係法律整備に関する法律案議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。前原国土交通大臣
  4. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) おはようございます。  ただいま議題となりました国の直轄事業に係る都道府県等維持管理負担金廃止等のための関係法律整備に関する法律案提案理由につきまして御説明申し上げます。  国が管理する道路河川等維持管理に要する費用に係る都道府県等負担金については、平成二十二年度から廃止し、その費用管理主体である国の負担とする等の措置を講ずる必要があります。  このような趣旨から、この度この法律案を提出することとした次第であります。  次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。  この法律案では、国が管理する道路河川等維持管理に要する費用に係る都道府県等負担金廃止するため、関係法律整備を行うとともに、平成二十二年度に限った特例措置を定めることとしております。  その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。  以上がこの法律案を提案する理由であります。  この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。
  5. 椎名一保

    委員長椎名一保君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  6. 平山幸司

    平山幸司君 おはようございます。民主党平山幸司です。  ただいま大臣から御説明がございました国の直轄事業維持管理負担金廃止法案について質問をいたします。与党での質問は初めての機会となりますので、まず簡単な答えやすい質問を五、六問させていただきたいと思いますので、大臣始め政務官の皆さん、よろしくお願いいたします。  それでは、冒頭、本法律案の位置付けと評価についてお伺いしたいと思います。  国会に提出するすべての法案は各々重要だと認識いたしておりますけれども、国交省関連法案も今回十本以上ですか、提出される予定となっております。しかしながら、この法律案歴史的観点から見た場合の意義について、大臣に少し御所見をお願いしたいと思います。
  7. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 平山委員にお答えをいたします。  我が党を含めた連立三党は、選挙前に、衆議院選挙の前に地方分権を具体的に進めていくんだといったことを公約に掲げて、そして政権交代を実現をいたしました。できるだけ地域のことは地域で決めていただく。財源、権限というものを我々はできるだけ地域にお渡しをして、そして地域主権という名に恥じない体制を進めていこうということで着実にその制度なり法律案というものを出させていただいているわけであります。その一環といたしまして、今回この国の直轄事業負担金廃止法案というものを出させていただいた次第でございます。  ただ、今回の中身につきましては、いわゆる税金使い道を変えるということで、公共投資額も減らして、社会保障やあるいは教育、農業あるいは地方交付税、こういったものにより充実をさせるということで税金使い道を変えさせていただきました。  したがいまして、余り急激に事業費が減るということはいかがなものかという観点も含めて特定事業というものについては残したわけでございますけれども、新設、改築については直轄事業負担金はいただきますけれども、特定事業を除いた維持管理につきましては、これは負担金廃止をし、そして今、この政府の中で関連する省庁の政務官で構成する負担金廃止ワーキングチームの中で二十五年までにこの直轄事業廃止というものを含めての考え方をまとめていただいているところでございまして、今御議論をいただいている法律案はその第一歩であると、こういう認識をしていただければ有り難いと考えております。
  8. 平山幸司

    平山幸司君 ありがとうございます。  まさしく今大臣がおっしゃったように、私は歴史的な観点から見た場合に、これは大きな第一歩だというふうに強く感じております。といいますのも、たしかあれは平成九年度でありましたけれども、地方分権推進委員会の第二次勧告にて、直轄事業にて段階的縮減を含め見直しを行うというふうに言っていたわけです。十年以上前のことでありますけれども、それから一切このことに関しては手を付けられなかったわけであります、先送りをされてきた。それが民主党政権下においてたった六か月で、今それが第一歩を踏み出すということは極めて大きな成果であると、このように私は認識しております。  そういった意味で、大臣からお話があった子ども手当農業者戸別所得補償、さらには高校の無償化等々、個人に直接給付するというような制度とは別に、こういった自治体に配慮するという、自主性を持って自治体にも配慮するという民主党政権考え方ももう一方でやっているんだというふうに強くアピールできるものであるというふうに私は大変評価をいたしておりますので、是非力強く進めていただければと思います。  そこで、具体的な質問に入らせていただきたいと思います。  今大臣から、特定事業に関しては維持管理負担金分も、特定事業、二十二年度のみ少し地方負担をいただくというふうにお話しになっておりますけれども、この特定事業といったものは一体どういったものなのか、簡潔に、これは副大臣でも政務官の方でも、お答え願います。
  9. 長安豊

    大臣政務官長安豊君) 今回、特定事業に関しては直轄事業地方負担金を残させていただきました。これはあくまでも本年限りの措置ということで考えております。中身についての今御質問でございますので、お答え申し上げます。  道路に関しましては、これは安全かつ円滑な道路交通に支障を生ずることを防止するため速やかに行う必要がある工事、さらには河川につきましても同様の趣旨でございますけれども、災害の発生を防止し、又は流水の正常な機能を維持するために速やかに行う必要がある河川管理施設に係る工事河川管理のための設備の更新といったものを想定をしております。もちろん、道路河川災害復旧に関してもこれは負担金を残すという形、特定事業の中に含まれておるわけでございます。  以上でございます。
  10. 平山幸司

    平山幸司君 ありがとうございます。  そこで、ちょっと雪寒法、いわゆる除雪に関連する質問をさせていただきたいと思います。  私の地元青森県でありまして、この除雪に関して、今年も大雪であったわけですから大変なお金が掛かってきたわけでございますけれども、たくさんの地域がこの雪に関連しておりますので、私の青森県を例にして少しお話しさせていただきたいと思うんですが。  県の大動脈である国道四号と七号といった二つ国道がありまして、これは東北地方整備局管理をいたしております。冬季におきましては、この二つ国道除雪にかかわる工事関係費平成二十一年度で三億六千万、業務取扱費が二千三百万円の合計三億九千万円程度ということになっております。地元負担金が三分の一ということでありますので、およそ一億三千万程度になるわけですけれども、これらは、この除雪に関しては特定事業に入るんでしょうか。その部分に関してお答え願います。
  11. 長安豊

    大臣政務官長安豊君) お答え申し上げます。  私のつかんでおる数字でございます。平成二十一年度は除雪費、約五億円掛かっております。そのうち、この雪寒法で国の負担分をかさ上げしておりますので、三分の二を国負担、三分の一を地方負担という形になっております、通常の場合ですと十分の五・五が負担ということになるわけですけれども。  今申し上げましたように、五億の除雪費の中の三分の一、約一億七千万、これを青森県に御負担をいただいてきたわけでございますけれども、これに関しましても、今回の法改正によりまして都道府県負担金廃止されることとなります。つまり、特定事業には入っていないということでございます。
  12. 平山幸司

    平山幸司君 ありがとうございます。  今年大雪でありましたので、試算よりも更に五億円ということで地元負担が軽減されるということを確約いただきましたので、大変うれしく思います。ありがとうございます。  といいますのも、県の方と少しお話をさせていただいたときに、この直轄事業負担金がなくなりますよということをお話ししたらば、この除雪負担金はどうなるのか、まだちょっと明確じゃないというお話をいただいておりますので、今この委員会にて確約をいただきましたから、これは地元でも大変喜ぶことと思います。ありがとうございます。  もう一方で、一つ懸念点があるわけでございますが、維持管理負担分、この一億九千万ですか、先ほど言われました、その分を今度は国が負担をしていくというような形になると思うんですね。そのときに、国が負担をするということは、維持管理費をなるべく縮減していこうと、国の方で、そういった考えになっていくのかなというふうに思います。いわゆる縮減をしていくということは、仮に除雪考えた場合は、国道には商店街もあればいろいろな地域の方が住んで、横に三メーター除雪した後積もっちゃうわけですので、しっかりと除雪をしていただかないと非常に地域住民に影響が出るということでありますが、国がそれをすべて負担して、そのお金縮減するということで除雪維持管理費水準が低下するんではないかと、こういった懸念点があるんですが、その点についてはいかがですか。
  13. 長安豊

    大臣政務官長安豊君) 今御指摘ございましたように、単純に比較を申し上げますと、当然、直轄事業負担金廃止を行えば事業料自体費用が、財源が減ってしまうわけであります。そういう意味では維持管理についても質が落ちるんじゃないかという御懸念だと思います。  常々、前原大臣、申し上げておりますように、日本は人口減少社会少子高齢化、さらには約GDP比一・八倍にも及ぶ長期債務を抱えているという現状にあります。そういう中でいかに効率よく予算を使っていくかということが重要になってまいるわけであります。  そういう意味では、維持管理について、金額下げ要因があるわけでありますけれども、中身をしっかりと見直しながら、例えば頻度を減らしても今までの水準を保てるもの、それについては頻度を減らすというようなことも知恵を絞りながら維持管理水準を守っていきたいと思っております。
  14. 平山幸司

    平山幸司君 少し厳しい言い方になるかもしれませんが、これ、雪はいつ降るか分かりませんし、今年のような大雪であれば、頻度を減らすと本当にすごい雪の塊なんですよ。これ、地元の人から考えると、雪が降らない地域の方はなかなかイメージできないかもしれませんけれども、私の事務所も国道のところにありまして、その前を自分でやろうとしてもスコップが折れるぐらいの勢いの硬さの雪なわけですね。  ですから、頻度を減らしたり水準が低下するということは絶対にあってはならない。特に地域は、地方経済、疲弊しておりますので、絶対にその水準はしっかりとこれまでと同じように守っていただきたいので、その点につきましてもう一度お願いいたしたいと思います。
  15. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 平山委員懸念のように、この直轄事業負担金をなくしますと、受益者負担原則というものが今まで前提になっていたのがなくなるんではないかと、こういった御懸念があります。それは両方懸念がありまして、いわゆる地方負担がなくなるので、地方からは陳情合戦になるのではないかと、こういう懸念と、あとは地方が望まないことを国が押し付けるのではないかと、両方懸念というのが存在をしているわけでありますけれども、我々は、この受益者負担原則は、金額の上ではなくなりますけれども、国の事業としてはやるわけでありますけれども、地方にかかわる事業を国の直轄事業としてやる場合は地方との協議が何よりも大事だと思っております。負担しないんだから勝手に国はやるよということには、これは絶対なりません。  したがって、地方話合いをしながら、今、平山委員懸念をされているような除雪、これは降る年もあれば降らない年もあるかもしれませんし、そういったものはやはり平山委員の御地元青森県ともしっかり話をさせていただきながら、必要な事業はちゃんとやっていくということで御理解をいただければ結構かと思っております。
  16. 長安豊

    大臣政務官長安豊君) ちょっと除雪費お話、もう少し踏み込んで御説明申し上げます。  今我々、今大臣が申し上げましたように、金額の総枠としては当然減っていくわけです。しかしながら、それをいかに効率的に除雪作業もしていくかということを考えております。  現在の除雪基準でいきますと、五センチから十センチ積もった段階除雪をするということになっておりますけれども、そこに関しては今までどおりやらせていただこうと考えております。  一方で、凍結防止剤散布につきましては、今まで当然必要な箇所、それは当然必要な箇所としてやらせていただきますけれども、例えば三・五メーター幅道路に対しては、三・五メーターをまくんじゃなくて三メーター程度まくことによって散布量自体を減らしていけるんじゃないか、さらには、今まで連続散布散布区間で行っておりましたけれども、断続的に散布することによって今までと同水準の効果が生めるのではないかと考えているところでございます。
  17. 平山幸司

    平山幸司君 ありがとうございます。  実はこの後に質問をしようと思ったことがすべて今大臣からお話がありましたので、もうこれで終わりかなというぐらいのところでありますが、そうもいきませんので、次に行きたいと思います。  除雪に関してはしっかりとしたお話をいただきまして、ありがとうございました。是非よろしくお願いいたします。  続きまして、地方交付税の取扱いについて地方の視点から質問をしたいと思います。  まず、維持管理費地方負担分、これまた試算が少し違うかもしれませんが、私の試算では千五百六十九億円ということになっておりますけれども、維持管理費負担金廃止によってその分は国費から充当されるということでよろしいでしょうか。これ、総務省の方。
  18. 小川淳也

    大臣政務官小川淳也君) 地方交付税の積算でございますが、直轄負担金維持管理費分がなくなることで、その分減算になります。一方、地方単独事業にかかわる費用をその分積み増してやることで、トータルとしては減らないように、そこは配慮をいたしております。
  19. 平山幸司

    平山幸司君 ここ、いろいろ勉強させていただいたんですが、少し理解しづらいところがありますのでもう少し御説明をいただきたいんですけれども、地方経済が疲弊している中で財政も大変厳しい状況であると認識しておりますけれども、直轄事業負担金に関しては地方交付税で穴埋めをしてきたというのがこれまでの現状だと思います。  それに対して、維持管理費負担金がなくなることでその地方管理費地方交付税のその分はなくならないという認識でよろしいんでしょうか。
  20. 小川淳也

    大臣政務官小川淳也君) 若干これ全体の制度設計とかかわる部分なんですが、地方交付税は確かに各費目ごと必要経費算定しまして、一方、標準的に得られる収入を差し引く形でその差額を各自治体に配分する仕組みになります。この総額算定上、旧来ですと直轄事業負担金としてこのぐらい必要だろうというのを見込んでいたものが必要なくなります。必要なくなりますから、その限りにおいては減るわけです。  一方で、単独事業として自治体が独自にやりたい事業財源確保に同額を積み増すことによって総額を減らさない工夫をしているということでありまして、これが党として政権公約の中で掲げてきた、直轄負担金廃止をしますがその分の地方交付税は減らさないということの具体化の道筋として努力してきた部分であります。
  21. 平山幸司

    平山幸司君 そうすると、地方自主性を持って、自分たちの独自の財源が生まれるという考えでよろしいですか。
  22. 小川淳也

    大臣政務官小川淳也君) 総体として申し上げますと、御指摘のとおりであります。
  23. 平山幸司

    平山幸司君 例えば、これいろいろ算定基準があるんだと思いますけれども、基準財政需要額に算入されることによりということになっておりますが、これ、例えば、全体としてはそういう形になると思いますけれども、各地方自治体一つ一つを見た場合、例外なく減額はされないですか。
  24. 小川淳也

    大臣政務官小川淳也君) まさにそこが制度上はある種限界がある部分でありまして、地方財政対策として総額は確保しますが、配分方法は、それぞれ道路の延長とかあるいは河川であれば河川の長さとかいうものに応じて配分することになりますので、これ、ミクロで個々の団体を見ますと若干の増減はあり得るというふうに認識しております。
  25. 平山幸司

    平山幸司君 与党ですのでこれ以上は質問しません。  しかしながら、全体としては増えると。それもミクロで見た場合はあるごく一部であると思いますから、全体的には自主性を持って活用できる財源が増えるということだと私は認識しておりますので、地域主権に向けた思い切った政策転換ということで、大いにこれも評価できるものだと私は感じておりますので、是非力強く進めていただきたいと、そのように思います。  次に行きたいと思います。  こういった意味で、大枠方向性は歴史的に見ても改革を進めるという意味大変評価できる大きな第一歩を踏み出したというのが本法律案であります。一方で、方向性を変えるというときには、必ずある一面において不都合な点、先ほど大臣からもお話ございましたもろもろの懸念点が生ずるとも思います。その部分に関しましては、できるだけ情報を開示して、そして地方の不安を取り除く、若しくは丁寧にやっていくということが必要だと思いますし、そういうふうにすることで更に政策への評価も大変大きなものになると確信いたします。  よって、もう一度大臣の方に、いろいろ難題や問題点、これまであったと思いますが、その点について少し簡潔にもう一度お話しいただければと思います。
  26. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 済みません。質問を先に答弁をしまして申し訳ありませんでした。  直轄事業負担金廃止をするということで、これからまた段階的にやっていくわけでありますけれども、今までは、国の事業であろうが地方主体となる事業であろうが国と地方が折半をして、比率は別にいたしまして、そしてやってきたわけですね。そのメカニズムの中でお互いが協力をし合う、そして話をし合うというメカニズムがあったわけですが、直轄事業負担金をなくすということになりますと、地方受益を受ける事業でも地方負担はなく、国の一〇〇%国費でやるということも出てくるわけであります。  そうなりますと、先ほどお話をしたように、自分たち負担がなくなるんだからとにかくやってもらいがちだということで陳情合戦が激しくなったり、あるいは、国の思いの中で地域が望んでいないことを国のお金で全部でやるんだからということで無理に押し付けると、こういった両面の懸念というものが出てくるわけでありまして、そういったことは厳に慎まなければなりませんし、それこそ、まさに地方主権ということを我々名実共に行っていくためには、国と地方がしっかり話合いをしながらその事業採択についてのお互いの納得というものが必要だと思います。  また他方で、いろんな地域から望まれて、どの地域採択されるかという透明度を上げていくということもこれまた大事なことでございますし、我々、今回の公共事業の問題におきましては、事業計画を十一月に発表し、そして二月の頭には個別の事業評価についても開示をしたところでございますので、そういった透明度を上げる中で、国として、なぜそれが選ばれたのか、選ばれなかったのかといったことの説明責任をしっかり果たしていくような仕組みもつくっていきたいと、このように考えております。
  27. 平山幸司

    平山幸司君 ありがとうございます。  大枠で三点あったと思いますね。国と地方の在り方、そしてまた陳情合戦になるんじゃないか、若しくはその採択透明度ですかね、透明性をどうするかというところだと思いますが、そこについて二、三点質問をしたいと思います。  あくまでもこの法案には私は大いに賛同するという立場でありながら、実は先日、地元の首長さんと話をする機会がございまして、その際に、直轄事業負担金がなくなりますよと、喜んでいただけるなと思ってちょっと話をしたんですよ。そうしたら、こういうことを言われました。平山さん、多少地方負担があってもいいから直轄事業を持ってくるように国交大臣に言ってよと。これは陳情じゃありませんけれども、この場で、地方は産業がないから大変な状況なんだと、こういうふうに話すわけであります。要するに、陳情合戦じゃありませんけれども、地方は非常に大変な状況になって、ある意味公共事業に依存しているという部分もある。  しかし一方で、大臣がいつもおっしゃるように、三つの要素、少子高齢化、それから財政が非常に厳しいというようなもろもろの話の中でどういう予算配分をしていくかということが重要であると思うんですけれども、そういった陳情合戦に対して今後どのような対応を取っていく考えをお持ちか、お伺いいたします。
  28. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 先ほど若干触れましたように、やっぱり事業採択透明度、客観性を上げるということが何よりも重要なことではないかと思っております。  その意味では、事業計画というものをしっかりと予算編成の段階でお示しをして、そしていわゆる事業評価というものもお示しをする中で、どういった事業が必要だから国としてやるのかと、予算を付けたのかといったことの説明がしっかりできるような仕組みというものが必要ではないかというふうに思っております。  いずれにしても、我々、今目指しておりますのは、透明性、客観性の高い公共事業というものでありますし、また、なぜ自分たちが選ばれなかったのかというようなこともしっかりと説明できるような仕組みというものをしっかりつくっていかなくてはいけないと、このように考えております。
  29. 平山幸司

    平山幸司君 ちょっとこれは提案ですけれども、例えば地域に配慮した直轄事業採択するために、国民の代表たる議員が、今ちょっとお声がありましたけれども、国民の代表者たる議員が例えばこういった場を通じて、若しくはいろんな場所において議論をして客観的な資料を基に決めていくと、そういうようなやり方も、地域の代表者である皆さん国会議員なわけでありますから、そういうやり方も一つあるのではないかなと思いますけれども、その辺に関してはいかがでしょう。
  30. 馬淵澄夫

    ○副大臣(馬淵澄夫君) お答えさせていただきます。  先ほど大臣からも御説明ありましたように、透明性、客観性を高めてまいると、こういったことを一つの方針として掲げておりまして、本当に必要な事業かどうかということに関しては、今後も地方の声をどのように承るかということについて、関係各省の政務官によるワーキングチームを設置しておりまして、そこで改めて社会資本整備の在り方そのものについても議論をさせていただきたいというふうに思っております。  そして、今御指摘の様々な声を、それこそ代表者たる国会議員、それぞれ代表者としての声を審議の中で付しながら議論をすべきではないかという御意見に関しては、例えば我々は、事業評価というものにつきまして国会の審議に資するような形で御提示をさせていただく、その中からあるべき社会資本整備、必要なものというものについての議論を闊達にしていただけるような仕組み事業評価の方法も併せて平成二十三年度の予算編成までにしっかりとつくってまいりたいというふうに考えております。  委員の御指摘のことを十分踏まえながら、国会審議に資するような形の制度設計をつくってまいりたいというふうに存じます。
  31. 平山幸司

    平山幸司君 ありがとうございます。極めて明確な非常にすばらしい御答弁をいただきまして、ありがとうございました。  一応、要望ですけれども、先ほども申し上げましたように、都会ではPPP、PFIといったような、そういった民間の力を通じて社会資本整備を行っていくということも可能かなと思うんですけれども、やはり地方の場合は極めて、これまでのずっと続いたやり方があるわけですから、やはり公共事業に依存している、若しくは財政状況が非常に厳しいというところもあるわけでありますので、そういった部分を十分配慮しながら今後しっかりと行っていただければと思います。  最後になります。時間になりましたので最後の質問ですけれども、今回は維持管理費に関しての廃止ということでありますけれども、今後、新築や改築に対して今直轄事業負担金制度改革というものを進めていると思います。各省庁の政務官長安政務官ワーキングチームに入られて熱心な検討を重ね、その結果、先般、工程表素案が作られる運びとなり、これに沿って検討が進められると承知しておりますし、今、馬淵副大臣からもお話がございました。そういった意味で、今後の展望も含めて、最後に大臣に、この改革進めていくんだという展望と決意をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
  32. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 今、平山委員からお話のありました直轄事業負担金の問題というのは、国と地方の役割分担、これからどうしていくのかということと、あとは社会資本整備の在り方、地方主権の実現という大きなポイントをどううまく地方にも御協力いただきながら混乱なく進めていくかという、まさに大改革を毎年毎年のスケジュールを決めてやっていかなくてはいけないテーマだと思っております。  そういう意味では、先ほどお話のありました新設、改築につきましても、今後、長安政務官あるいは小川政務官などが入っておられるワーキングチームというのがございますので、平成二十五年度までにその制度設計をこれからしていくということで、関連をする役所の各政務官で熱心に議論していただき取りまとめをしていき、またその都度国会に御報告をさせていただいて議論をしていただくという形にさせていただきたいと、このように考えております。
  33. 平山幸司

    平山幸司君 ありがとうございました。     ─────────────
  34. 椎名一保

    委員長椎名一保君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、山下八洲夫君委員辞任され、その補欠として大河原雅子君が選任されました。     ─────────────
  35. 草川昭三

    ○草川昭三君 公明党の草川でございます。  お許しを得て、少し順番が違うわけでございますが、私が質問さしていただくことになりました。  まず最初に、今回のこの直轄事業負担金について我々公明党は昨年の衆議院議員選挙において、維持管理に係る直轄事業負担金廃止と国と地方の役割分担を明確化すること、そして最終的には廃止をするということを公約としておりますので、この法案方向性については我々は異論がないわけでございます。今日はそういう意味で、それを補強する意味で若干の質問をさしていただきたいと思います。  まず、公共事業の削減問題でございますが、鳩山政権は、コンクリートから人へという方針の下に、二十二年度予算において公共事業費をマイナス一八%、社会保障費をプラス一〇%増やしたとしておられます。社会保障に重点的に取り組むという考え方は我々も賛成ですけれども、経済という意味から考えてみるとどのような影響があるのか、やはり公共投資マイナス一八%というものをどのように受け止めるのかということになってくるわけでございまして、そこが問題だと思うんですね。  すべてバラ色の政策というのはないわけでございますから、率直にそれは国民に訴えながら、経済にマイナスの影響があるとするならばそれを補うだけの成長戦略を打ち出す、こういうことが行政として、あるいは政治として当然だと思うのでございますが、まず大臣の基本的な見解をお伺いしたいと思います。
  36. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 草川委員にお答えをいたします。  今御指摘がございましたように、鳩山政権におきましては、公共事業を大幅に削減をし、そして社会保障、医療、介護、そしてまた子育て支援、子ども手当、そして高校の無償化、また農業の所得補償、さらには地方交付税の増額といった税金使い道を大きく変えていったところでございます。  これは、私がよく申し上げておりますように、少子高齢化社会、また人口減少、また莫大な財政赤字の中で、何を優先順位にして物事を考えていくのかということと、将来的にやはり財政再建をしっかりやっていかなくてはいけないという道筋の一つとしてこういった方向性を打ち出させていただいているところでございます。  他方で、委員が御指摘のように、公共事業を減らした分、その分建設業界に与えるマイナスの影響、あるいは地方経済に対する懸念、特に雇用の懸念があるというのは事実でございます。  この委員会でも何度か御答弁をしておりますように、地域に落ちるお金としては、公共事業費は減りましても、直接家計に行くものも含めて考えればプラスマイナスはプラスだと、このように考えております。  要は、問題は建設業で働いておられる方々の雇用、そして職種転換をどうやっていくのかということと、あと、これも草川委員が先ほどおっしゃったように、成長戦略という観点から建設業も大変重要でございますので、民間の資本、民間の知恵を活用した取組というものをどのように進めていくのかといった複合的な取組というのが大事だと思っております。  先ほど平山委員の御質問に、青森地方については余り民間資本はというお話がありましたけれども、私どもは決して必ずしもそうではないと思っております。例えば、青森県がどのぐらいの下水の整備率か分かりませんけれども、全国一律やはり下水道の整備というものをこれから民間の知恵や資本に頼っていくというやり方も私どもは考えていかなくてはいけないと思っておりますし、そういう意味では、地方においてもやり得る民間の知恵、資本の活用というのはあり得ると思っております。  したがいまして、パイが減った中でどれだけ民間の活力を入れていけるのか、またそれに補ってもマイナスの部分については職種転換もしていただかなきゃいけませんので、農業、林業、漁業、あるいは社会保障、そういったものへの転職支援をどのようにやっていくのか、そういったことを複合的にやりながら地方の皆さん方にできるだけ御迷惑の掛けないような施策をトータルでやっていくということが重要だと認識をしております。
  37. 草川昭三

    ○草川昭三君 下水道についても新しい方針が必要だという答弁ですが、大変興味のある答弁でございますから、また今後是非勉強させていただきたいと思います。  そこで、次は受益者負担のことについてお伺いをします。  大臣は、去る三月二十三日の衆議院国土交通委員会で、自民党さんの岸田委員質問に対し、ワーキングチームによって受益者負担原則というものがどう取り込めるのか取り込めないのかということを含めて、制度設計についてしっかりと議論をさせていただきたいと答えられております。その一方で、同じく三ッ矢委員の答弁では、受益者負担原則よりも自由度を高めてやった方がより使い勝手がいいものになっていくのではないだろうかという答弁をされております。  どちらかというと、私は大臣お話ししたことはありませんが、そちらの方にウエートを置いてみえるのかなという感じをしながら議事録を拝見させていただいたわけでございますが、大臣としては、地方には受益者負担を求めない方向でこれからいきたいというように理解していいのかどうか、お答え願いたいと思います。
  38. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 草川委員に答弁をいたします。  今おっしゃったように、国の直轄事業において負担金がなくなれば形の上では受益者負担というものがなくなる形になるわけでありますが、しかし、事業においてはやはり国が地方と相談せずに勝手にやるということもまいりませんし、また地域から御要望のあったことは地域負担なくともやっぱりやっていくということも必要になってまいります。  他方、なぜこういう仕組みをつくったのかといいますと、やはり地域事業を決めて、財源も権限もできるだけ地域に任していくということで、こういった今制度改革をやらせていただいているわけでございます。  したがって、先ほど衆議院での国土交通委員会でのやり取りについて御紹介がございましたけれども、両方やはりそれはしっかりと考えていかなくてはなりません。自由度を高める財源地域に渡していって、地域がやりたいようにできるだけそういった環境を整えるということと、しかし受益者負担原則を全くなくしていいのかということになれば、形の上では地方負担がなくなるわけでございまして、しかし国と地方のコミュニケーションというのは極めて重要であります。そういう意味で、このワーキングチームにおいては、受益者負担考え方をどのように取り込めるのか取り込めないのか、そういったことも含めて議論をしていただくということを御答弁をさせていただいたわけでございます。
  39. 草川昭三

    ○草川昭三君 先ほども御質問がございましたが、受益者負担を求めないという方向になるとすると、資金面で国への依存度というのは当然高まることになります。そういうことは地方自治体陳情合戦が高まるのではないだろうかという懸念があり、これは衆議院でも質問が出ておるわけです。大臣も、欲しい欲しいということで分捕り合いになるのではないだろうか、モラルハザードになりますねとおっしゃっておられます。  では、事業をどのように採択をしていくかということについては、透明度のある仕組みの中で事業を決めていくということを言っておみえになるんですが、透明度のある仕組みというのは大臣の頭の中にどういうことを念頭にあるのか、お答え願いたいと思います。
  40. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 透明度を高める、客観性を高めるということは、私は、まずは事業計画というものをしっかりと予算編成のときにお示しをして、そしてその事業ごとの事業評価というものもお示しをし、そして、それは何のためにお示しをするかというと、最終的に国会の議論で、先ほど平山委員の御提案にもありましたけれども、国会の議論の中で、何人も、国民から選ばれた代弁者たる国会議員がそういった客観的な資料に基づいてその予算の在り方についてしっかりと議論をし、そして国会の責任の中で予算を決めていただくということが最も透明性、客観性が高まるやり方ではないかと思っておりますし、その質疑に資する形でできるだけ資料を提供させていただくということが我々国土交通省の責務ではないか、そう考えております。
  41. 草川昭三

    ○草川昭三君 そこからちょっと私は心配なんですが、実は、今、国会の議論というのは非常に重要だとおっしゃったわけですが、本当にそれは大切に守っていただきたいと思うんですが、民主党さんは、昨年、党や所属議員に対する自治体や各種団体の陳情は幹事長室で一元的に取りまとめ、優先順位を付した上で各省庁の政務三役に取り次ぐ新しいルールを決めたと我々は聞いておるわけです。しかし、どのように幹事長室で優先順位を決められているのか、あるいは決めていくのか、そういう内容については公表されておりません。  大臣透明度のある仕組みの中で事業を決めていくとおっしゃっておられるわけですが、幹事長室で優先順位を決めることになるんじゃないですか。ないんですか。そこはちょっとお答え願いたいと思います。
  42. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) それはございません。  これは、衆参の予算委員会で鳩山総理御自身も、また私も答弁をさせていただいておりますけれども、要は、千八百余りある市町村の首長さんあるいはその議長さんたちがばらばらに陳情に来られると、これはもう我々、仕事が政務三役なかなかできにくい、やりにくいというのがございます。また、各種団体が予算編成、概算要求のときに御要望に来られるということについて、これもばらばら五月雨的に来ていただくということになると我々なかなか業務がしにくいということで、党としてその窓口をしていただくということでありますが、これは別に民主党や社民党、国民新党という与党だけではなくて、公明党さんでもそれをおまとめいただいて、そしてお連れいただく、御要望していただくということは、他の党を通じてもそれは是非やらせていただきたいと思っておりますし、現に、予算編成の段階で御党が取りまとめをされたある業界団体の代表の方に国土交通大臣室に来ていただいて御要望を承ったということもございますし、あるいは自民党のある議員の方が首長さんをお連れいただいて、そしてお話を伺ったということもございます。  我々がやはり困るのは、千八百余りある自治体の首長さん、議長さん、業界団体の方々がそれぞれわっと各省庁に陳情に来られるということが、これは御勘弁をいただきたいということでありまして、各党においてそういう窓口を設けていただいて、そしてそれぞれから御要望を伺うということでございまして、何も民主党だけで要望を聞くということではございませんし、また、先ほど御懸念のありました優先順位につきましては、党からそれは要望で重点要望が来るかもしれませんが、あくまでも我々が、先ほど申し上げました事業計画、そして事業評価、この事業評価につきましても、今我々は新たな基軸というものを設けて、客観性を高めるような事業評価というものの指針も今検討している段階でございまして、そういった間尺に合わせてしっかりとやらせていただく。  そして、なぜ事業評価されたのかということについては、例えば用地取得が進んだとか、そういったことについてもできるだけ情報公開させていただいて、疑念の持たれないような形で是非事業採択し進めていきたいと、このように考えております。
  43. 草川昭三

    ○草川昭三君 今の答弁を素直に聞いておれば随分納得できる点もあるんですが、少なくとも私どもは、地元の知事だとかあるいは市町村だとか、様々な方々の意見を聞くと、もう積極的に与党の方々が、私を通じないと駄目ですよと、知事さん、切り替えてくださいよというような発言を堂々としておるという例をたくさん聞いておるわけですよ。それで、我々は、それは選挙に負けたんだからしようがないねと、我々は今度選挙で勝ってもっとというような、そういうことを実は言っておるわけですが、それでは私は日本の将来というのはあり得ないと。  だから、これは、せっかく皆さん政権を取られたんだから、そこは謙虚にやってもらいたいと、謙虚に。そして、謙虚にいろんな現場の実情というものを正しく反映をさせていただかないと、私は余り政権政党がおごり高ぶると反動が大きいと思うんです。そこだけはちょっと、言わずもがなな話ですが、申し上げておきたいと思うんです。  そこで、鳩山内閣の意思決定の手順についてちょっと私気になるものですからお伺いをしたいんですが、今、郵便貯金の限度額の引上げがもうテレビでも最大の話題になっております。国民新党の亀井さんは、民主党の原口総務大臣なりいろんな方々が参加をしているから民主党はもう亀井案を了承したと思ってみえるような発言なんですね。だから、亀井さんは国会でもそういうような答弁までしておみえになるわけですよ。だから、我々は亀井さんの考え方がもう政府で合意されたものと思っておるわけですが、どうも話を聞いているとそうでもなさそうなんですね。だから、政府民主党との政策合意の手続は、順番はどうなっているんですかということを聞きたいんですよ。  それで、全くそれこそ不透明だと思うんですね。だから、第一段階目はここです、第一動作は。あるいは第二動作はこうなりますよと、第三動作についてはこれこれしかじか、そして政府与党連絡会議に持ち込む、最後は閣議で決定するというような順番があるはずなので、それをひとつ明確にしておいていただいて整理をしていただかないと、私はこれからの将来の直轄事業の選定にこの問題は関係をしてくると思うんです。直轄事業というのは膨大な予算があり、国土計画にも反映するわけですから、それを余り恣意的にあっちだこっちだというようなことでやられるとするならば、大混乱をするし、国の将来を私は過つのではないかと思うんですが、どうでしょう。
  44. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 先ほど委員のおっしゃったことは極めて私大事なことだと思っています。  戦前でも二大政党の時期というのはございました。政友会、民政党という時期がありましたけれども、歴史を勉強される方の話を伺いますと、この政友会、民政党が大衆迎合合戦に終始をして、そして、結果的には政党政治に対する信頼性が低くなって、最後は軍部に対する期待が高まって、軍部の独走、暴走を許したと、こういう分析をする歴史学者の方もおられるわけでございまして、そういう意味では、どちらが与党になろうが、やはりおごりとか、あるいはそれを利益誘導に使うとか、そういったことはやっぱり厳に慎まなきゃいけないというのは私は草川先生のおっしゃるとおりだと、そのように思います。  そして、今お話をいただいた政策決定の在り方でございますが、政務二役が中心に開催をしております各省庁別の政策会議というものがございます。そして、この政策会議の中で、政府与党一体と今我々言っておりますので、そこで議論がなされて、この郵政問題でも九回程度の議論が行われたと聞いておりまして、そこで政府与党政策会議における合意はなされたと聞いております。  しかし、最終的には、これは政府全体として責任を持たなきゃいけないことでございますので、閣議あるいは閣僚懇談会でそれぞれが出してきたものについて、閣議決定するとサインしなきゃいけないわけですね。では、それについてサインをするのかどうなのかというところまでは、それぞれのその政策会議で合意をしたとしても、最終は政府全体でどう判断をするかということはまた別の話でありますし、また、現在の鳩山政権というのは民主、社民、国民新党の三党連立内閣でございますので、三党の連絡の会議とか、あるいは三党党首が参加しての意思会議とか、こういったものを経ながら最終的に政府与党案として合意をしていくということでございますので、今のこの郵政の上限額の問題というのは、あくまでもこの政策会議において合意をしているということで、政府全体として合意に至ったものでは現段階ではないと、こういう御理解をいただければ結構かと思います。
  45. 草川昭三

    ○草川昭三君 では、ワーキングチームのことについて少し立ち入った質問をします。  このワーキングチームというのは、先ほども副大臣を始めとして数人でやるということを言っておりますが、この役割は一体何ですか。また、どのような権限を持つ組織なんですか。そして、責任者はだれなのか。そしてまた、その議論の結果、透明性と言っておりますが、議論の結果を公表をするんですか。例えば、議事録というものを取っておいて議事録を公表するというようなことはあり得るのかどうか、お伺いをしたいと思います。
  46. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 今お尋ねのありましたことについては、ワーキングチームの座長が長安大臣政務官でございますので、私の答弁の後に長安政務官から補足をさせていただきたいと思います。  この直轄事業負担金制度等に関するワーキングチームは、道路河川、ダム等のすべての直轄事業における負担金制度廃止するとのマニフェストの実施に向けて、直轄事業負担金制度等の課題を整理、検討し、工程表素案の作成等の役割を担うものとして昨年の十一月に設置されたものでございます。今回の維持管理に係る負担金制度廃止等については、このワーキングチームでの検討を踏まえ、予算編成過程において政府として決定したものでございます。  なお、このワーキングチームは、総務省、財務省、農林水産省及び国土交通省、四省の大臣政務官から構成されておりまして、直轄事業負担金の大半は国土交通省の所管に関するものでありますことから長安大臣政務官がこのワーキングチームの座長を務めているということでございます。
  47. 長安豊

    大臣政務官長安豊君) 草川委員にお答え申し上げます。  今大臣が御説明申し上げましたとおりの役割、権限でございます。  委員から御指摘ございました、どのような情報公開をしているのか、議事録等についての御質問でございます。これは、私どもこの間、地方の知事さん方からも知事会としての御意見も賜りましたし、各省からの御意見を賜っております。やはり、率直な御意見をいただきたいという思いで、この会議自体は公開にしておりません。しかしながら、やはり地方の今後の負担にかかわる大きな問題であるという認識から、私も毎回、このワーキングチーム開催のたびに記者に対してブリーフィングをしてまいりました。内容についてはそのブリーフィングで御説明をするということで、情報の公開ということに資してきたと考えているところでございます。
  48. 草川昭三

    ○草川昭三君 せっかくそこまで答弁をされるとするならば、せめて議事録の公開はされた方が私はいいと思うんですよ、それは全面公開というのはまた別の場だと思いますから。ということを私は特に強く要望しておきたいと思うんですが、その点、どうでしょう。
  49. 長安豊

    大臣政務官長安豊君) 今委員指摘のように、議事概要程度の公開はできるのではないかという御要望だと思いますので、それについては検討させていただきたいと考えております。
  50. 草川昭三

    ○草川昭三君 では、先に行きます。  淀川水系流域委員会というのがかつてありました。これは大臣の昔大変活躍をされた委員会でございますが、この淀川水系流域委員会に関する評価を改めてお伺いしたいと思うんです、大臣から。  この委員会は、改正河川法に基づいて、平成十三年の二月に近畿地方整備局によって、住民参加の組織として一般市民も参加をし、徹底的に議論をし、事業の合理性を追求していく場として設置をされました。大臣地元大臣御自身が関心を持ってこられたことでございますから、御存じのとおりであります。  この委員会は、後にまとめられました意見書の取扱いの問題など、いろいろと実は学者先生の間にも意見があったようでございますが、淀川水系の整備、活用、保全などに公募した、公に募集をした一般市民も参加しました。で、一定のルールの下ですが、傍聴者にも意見を述べられるという画期的なものであったと思うんですが、大臣は現在どのようにお考えか、お伺いします。
  51. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 今、草川委員が御紹介をしていただきましたように、私もこの淀川水系流域委員会というものに対して大変高い評価と関心を持っておりました。  平成九年に河川法が改正されまして、そのポイントは二つありまして、環境配慮、そして地域住民の話をよく聞こうと、この二つが改正河川法の趣旨であったわけでございますけれども、その趣旨を踏まえてこの淀川水系流域委員会というものがつくられまして、小さな部会、下部組織の部会含めますと何と六百三十九回にわたって議論が行われてきて、学識経験者あるいは流域の関係住民、そして自治体の意見聴取を行ってきたということでございます。  私も野党のときには、委員会でこういったものを活用すべきだとか、また質問主意書でもこの点については主張してきたところでございまして、その考え方はいささかも変わっておりませんし、今、できるだけダムに頼らない、ダムによらない治水をということで有識者会議をつくって、そして、新たな治水の評価軸、利水の評価軸というものを御検討いただいているわけでございますけれども、そういった評価軸が定まった段階で各河川流域における、どういった形にするかはそれぞれの地域にまた御相談をしていきたいと思います。例えば、淀川水系流域委員会と今熊本県の川辺川で行っていただいているいわゆる協議体というのは形態が違います。それぞれ流域に合った在り方、議論の在り方があってもいいんではないかと思っておりますので、いずれにしても、関係住民あるいは学識経験者あるいは関係自治体というものがかかわる中で治水を考えていくということが大変重要なことではないかと考えております。
  52. 草川昭三

    ○草川昭三君 今も変わらないというお考えのようでございますが、今後、直轄事業の選定に当たっては、せめてこの大規模な事業だけでも、淀川水系流域委員会のような、住民を含めた関係者により事業の合理性を徹底的に追求していくという検討委員会というような場をつくっていくべきではないだろうかと思うんですが、その点の見解をお伺いしたいと思います。
  53. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 河川あるいはそれ以外の公共事業についても、地域の様々な意見を聞いた上で実施することが重要ではないかという先生の御意見だと思っております。基本的に、私はその御意見は大変重要だと思っております。  国土交通省では、平成二十年の四月、これは自公政権のときでございますけれども、公共事業の構想段階における計画策定プロセスガイドラインというものを作成をしておりまして、このガイドラインには、評価項目の設定や案の比較評価といった計画検討手順、適切な意見把握手法による住民参加促進などの考え方を位置付けているわけでございます。  特に、このガイドラインの対象を見ますと、第一種事業というのは必ず環境アセスメントを行う事業ということで、例えば、道路でありますと高速自動車国道はすべてとか、首都高速道路などは四車線以上のものはすべてとか、河川でありますとダム、堰などは湛水面積百ヘクタール以上とか、あるいは鉄道であると長さ十キロメートル以上はすべてとか、飛行場であると滑走路の長さが二千五百メートル以上であればすべてであるとか、そういった第一種事業、これはすべてやる、第二種事業については個別に判断するというこの計画策定プロセスのガイドラインを設けておりまして、これを厳格に運用して、今委員のおっしゃったいわゆる様々な観点からの評価を行って事業を行っていくと。  こういった観点が大事だと思っておりますので、これをしっかりと履行していく中で、今委員がおっしゃったことを踏まえた事業の選定というものが行っていけるように努力していきたいと考えております。
  54. 草川昭三

    ○草川昭三君 せっかくそこまでお答えになったわけでございますから、もう一歩進んで、平成二十年の六月六日、ちょっと時間がたっておりますが、前原大臣は、当時もちろん野党でございますが、淀川水系流域委員会に関する質問主意書を提出をされております。今も御答弁があったとおりです。この中で、平成二十年四月二十五日に淀川水系流域委員会が近畿地方整備局に対し原案の見直しを求めた意見を提出したにもかかわらず、近畿地方整備局が事実上これを拒否したことに抗議をされておみえになるわけです。  当局の認識をその当時そのようにただしておみえになりますが、今は国土交通省のそれこそトップに立たれたわけでございますが、現在どのような御心境になるのか、何か新しい対応を立てられるのか、お伺いをしたいと思います。
  55. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) まさに今御披瀝をいただいた問題意識を持って大臣にならせていただいて、そして治水の在り方を根本的に変えていくということで今有識者会議をつくって治水の新たな評価軸というものをまとめている段階でございます。その新たな評価軸が作れましたら、当然ながら淀川水系においても、地域の方々、学識経験者、そういった方々、あるいは自治体の皆さん方に御意見をいただきながら、新たな治水、利水の評価軸に基づいて淀川の整備を行っていくということを考えているところでございます。
  56. 草川昭三

    ○草川昭三君 大変失礼ですけれども、有識者会議の答弁があったわけですが、その当時の学者先生の方々は差別をされているんですか。差別をすると言うと言葉が悪いんですが、こぼれた方もおみえになるんですか、この有識者会議の中には。それは率直に御意見を賜っておきたいと思います。
  57. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 差別をしているわけではありません。有識者会議でしっかりとした座標軸を決めていただくということで様々な意見もいただいておりますし、また、この有識者会議におきましては、例えば情報公開というものが前提で、いまだおみえをいただいておりませんが、是非私の方から意見陳述をしていただきたいと申し上げたのは、淀川水系流域委員会の元の委員長の宮本博司さん、この方は河川局におられた方、(発言する者あり)はい、OBでありますけれども、是非、この宮本さんにも来ていただいてお話是非していただきたいというお願いをしているところでありますし、引き続きお願いをしていきたいというふうに思っております。  また、様々なところで、例えば八ツ場ダムについてはずっと否定的なことをおっしゃって、利根川水系の在り方について、ダムによらない、八ツ場ダムによらないということをおっしゃっておりました嶋津さんなども来ていただいてお話を伺っております。  したがって、委員の方々の選定は私が中川座長と御相談をしてさせていただきましたけれども、多様な方の御意見をいただく中で新たな座標軸を決めていくということで今議論をさせていただいているところでございます。
  58. 草川昭三

    ○草川昭三君 率直な経緯を述べていただいて感謝をします。  この同じく大臣の当時の質問主意書で、この淀川水系流域委員会が最終意見を出す以前に近畿地方整備局が整備計画案を作成をして関係自治体に提示をしないように強く求めていることを取り上げて、非常に強い非難をされました。そのことについて今はどう思うかという私の質問に対して明確な御答弁がなかったわけでございますが、ここで改めて、見切り発車、当時の国交省はいわゆる見切り発車を行ったわけでございますが、せめて今後はその見切り発車をしないようにということを明言すべきではないかということを言ってみえるわけですから、大臣は、私はそれを今こそ実現できるわけですから、やられたらどうでしょうかと。  平成二十年の六月二十日に、質問主意書を出された二週間後でございますが、大臣の意図に反して、近畿地方整備局は計画案を関係府庁に提示をしておるわけです。だから、現在として、それは私生きておるのではないかと思いますけれども、整備局によって見切り発車を行われたというその認識を、今日改めて、もう半年たたれたわけでございますが、どうされるのか、率直な見解をお伺いしたいと思います。
  59. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) ダイレクトにお答えをしておりませんでしたが、先ほど私が申し上げたのは、政権交代を行った中で、すべての今のダム事業について、本体工事に掛かっていないものについてはいったん凍結をして、そして治水の評価軸、利水の評価軸を新たに今やり直しているわけですね。ということは、その近畿地方整備局が行おうとしたことについてはリセットをしているというふうに御理解をいただいたら結構です。  大戸川ダムにしても川上ダムにしても、あるいは、本体工事に掛かっているものについては進めておりますけれども、そういう意味では、前政権でやられようとしていたことについては、いったん立ち止まって新たな評価軸の中でやり直すという作業にもう具体的に入っていると御理解をいただければ結構かと思います。
  60. 草川昭三

    ○草川昭三君 じゃ、もう一回念を押しますが、その見切り発車後の平成二十年の九月の二十七日に淀川水系流域委員会は最終意見書を取りまとめておりますが、国交省としては、この意見書は今言われたようにリセットという立場で臨むというように確認してよろしゅうございますか。
  61. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) ですから、流域委員会の議論そのものも、前政権下に行われていた淀川水系の治水計画、河川整備計画などに基づいて議論がなされていたと思いますが、これそのものも新たな評価軸でどうしていくかということを今根本的に議論しているわけです。その議論が、評価軸が定まった段階で、今の淀川水系の河川整備計画、基本方針、こういったものをどう扱うのかというところを我々としてはまた議論をし、そしてそういった考え方を基に、じゃ今の河川整備計画をどう変更していくのか変更していかないのか、変更していくとすれば、それを前提に、また地域の方々、有識者の方々、関係自治体お話をいただくということでございますので、前政権での淀川水系の計画に基づく報告書というものについては、我々はそれも含めてリセットをしているという認識でございます。
  62. 草川昭三

    ○草川昭三君 もう時間が来ましたので、二問続けて質問をして、お答え願いたいと思うんですが。  一つは、橋梁、橋ですね、橋梁の補修。高度成長期に随分たくさんの建設をしたわけでございますが、五十年を経過する橋梁が現在八%、二十年後にはこれが五一%に急増すると言われております。今後補修がかなり増加をすると衆議院では答弁をされておられますが、地方自治体は本当にこれに対応できるのかどうか、これが一つの質問です。  もう一つは、長寿命化修繕計画。長寿命化修繕計画の策定率は都道府県では八三%と大臣答えておみえになります。問題は市町村だと。市町村は千七百六十九市町村があるけれども、策定されているのはわずか五%だと。ですから、国も関与しながらやらさせていただくという答弁をされておりますが、これは非常に将来、重要な話だと思うので、この質問を行いまして、私の質問を終わりたいと思います。  どうもありがとうございました。
  63. 長安豊

    大臣政務官長安豊君) 今、草川委員から御指摘ございましたように、築五十年を過ぎております橋梁というのは全体で八%でございます。しかしながら、高度経済成長に多くの橋梁が造られたという意味では、今後二十年後には五一%にも急増してまいります。そういう意味で、具体的にやはり橋梁ごとに点検を実施する、点検を実施して健全度を把握するということがまず重要であります。で、健全度に応じて当然修繕も行っていかなければならないと考えております。国といたしましては、この点検に対して、また長寿命化事業に対してそれぞれ国費として補助をしておるところでございます。  いずれにいたしましても、今、全国の橋梁数でいきますと二四%しか長寿命化計画というものが作られていないという現実がございます。これに関しましては、やはり国民の安心、安全という観点からも、国がしっかりと支援をする形で地方がそういった点検をできるように促進をしてまいりたいと考えております。
  64. 草川昭三

    ○草川昭三君 以上です。
  65. 小池正勝

    ○小池正勝君 おはようございます。  それでは、直轄負担金の、維持管理負担金についての質問をさせていただきます。  まず初めに、これは草川先生も今おっしゃられましたが、直轄負担金を取る根拠、理念的なお話でありますが、受益者負担ということで、これはどんな解説書を読んでも書いてあるわけです。事業の遂行の結果が地方公共団体の利益の増進につながる、だから受益者負担だと。地方財政法を読んでも、受益の限度においてという書き方をしておりますから、まさに受益者負担というのは法律上もまさに明定されておるわけであります。    〔委員長退席、理事吉田博美君着席〕  しかし、今回、この維持管理については受益者負担を取らないと、こういうことになるわけであります。これについて、今の財政、特に地方財政の状況というのを考えますと、大変厳しい、悪化しているというのは事実でございますから、そしてまた地方分権とか地域主権とかというのはこれに異論のある人はいないわけでありまして、そういう流れからすれば、まさにこれは私自身も、この維持管理費をゼロにする、負担金を取らないというのは私も賛成でありますけれども、ただ、そこで気になることが幾つかございますので、御質問をさせていただければと思っております。  まずは、この受益者負担原則というのを地方財政法でも明定されておるし、一貫してこれは政府もそういう答弁はしてきておるわけでありまして、今回、受益者負担原則を捨てるということになるわけですが、少なくとも維持管理については捨てるということになるわけですが。先ほど草川先生への御答弁では、いや、そうではないんだと、受益者負担原則とそれからお金の自由度と両方追求するんだというお話でありました。  その両方追求するというのは、少なくともこれをゼロにするということの説明については、あるいは私の理解では、維持管理はゼロにするけれども、両方追求するというのは事業の方はそうではないと、つまり自由度ではなくて受益者負担原則でいくんだと、こういう趣旨でおっしゃったんでしょうか。その両方取る、そこのところの説明をもう一つお願いいたします。
  66. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 小池委員にお答えをいたします。  小池委員は、建設省の御出身で国のお立場もよく分かっておられると思いますし、また徳島市の助役から市長を三期十二年やられたということで地方のお立場も、両方お分かりをいただいた上でお話をしていただいているものだと思っております。  したがって、先ほどおっしゃったように、地域の自由度を高めるということについては反対をされていないんだと思います。我々もそれをできるだけ権限、財源地域にということで、この分権の一つのステップとして直轄事業負担金廃止というものを取り入れさせていただいたところでございます。    〔理事吉田博美君退席、委員長着席〕  しかし他方で、これも委員が御指摘をされていたように、今までは国の直轄事業だろうが地方がやる事業だろうが、お互いが出し合って、そして受益者負担原則という形で、お互いがパーセンテージは別にして、事業を共同してやってきたという受益者負担原則というのがあったわけであります。じゃ、国が全く直轄事業負担金地方からいただかないということになった場合に、受益者負担原則が崩れるんではないかと、こういう話もあるわけでありますが、事業の面でそれを残すのかということについて言えば、そういう意味で申し上げたわけではありません。  つまりは、国の財政も含めてでありますけれども、地方財政も含めてでありますけれども、いろんな税金で、国民から広くあまねく税金をいただいて、そしてそれをどのように国、地方に分配をしてやっていくのかということでございまして、様々な意味からすると、地方負担がなくなったからこれは国で勝手にやっていいんだということにはなかなかならないし、あるいはやっぱり地方の御意見も伺わなければ国の押し付けになったり、あるいは地方負担がないからといっていろんな地域から要望をいただくことについて選んだときに、そのある地域が外れた場合に説明もしっかりやらなくてはなりません。  そういう意味では、地方と国の緊密な協議というものをしっかりやらせていただく中で、この地域の自由度を高める分権の第一歩というものをどのような形でこれから具体的に実現をしていくかということをしっかり我々として決めていかなくてはならないと思っております。  そういうものを長安政務官を座長にするワーキングチームで議論をしていただくということで、その議論の中で最終的にこの受益者負担原則というものもどのように考えるのかといったことをこのワーキングチームの中で結論を出していただくことになろうかと思っております。
  67. 小池正勝

    ○小池正勝君 これから検討されるというお話ですから、その検討の経過を見守りたいと思うんですが。  この理念的というか、お話はもちろんそういうこと、これから検討されるでも結構なんでありますが、今回のこの受益者負担原則を外すということからすると、これはどなたもおっしゃいますが、当然直轄事業負担金が減る分だけ事業量が減るんではないかと、これはどなたもおっしゃる話、だれでも分かる話なんでありますが、しかし一方で必要な事業は確保しなければいけないと、これも恐らくどなたも異論がないお話なんだろうと思うんです。  問題は、その必要な事業が何で、必要な事業量をどう確保するかと、この点にもう尽きると、こういう話になるんだと思いますが、そこでまず、具体の例を幾つかお話、お聞かせ願いたいと思うんですが。とりわけ、この直轄事業負担金の約半分、四九%は道路ですから、道路お話を少し例に取って御質問させていただきたいんですが、道路と安全ということで、特に安全というのは極めて大切だと、これはどなたも異論がないわけですから。  大臣、潜水橋というのを御存じですか。潜水橋の潜水というのは潜水艦の潜水です。御存じですか。
  68. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 存じません。
  69. 小池正勝

    ○小池正勝君 潜水橋といいますのは、普通、川の橋といいますのは堤防から堤防に架かっているわけですね。ところが、そういう立派な橋ではなくて、低水の部分だけに架かっている橋、したがって、大水が出れば渡れないと、こういう橋であります。  私、徳島県でございますが、徳島県に吉野川という川があります。これはもう日本でも有数の大河川であるわけですが、この大河川にある橋というのは三十本あります。そのうち八本はこの潜水橋なんです。つまり、大水が出たら渡れないんです。救急車通れないんです。ぐるっと回らなければいけない。  こういう状況をどうお考えになりますか。
  70. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 吉野川というのは、四国三郎と言われるぐらい非常に洪水の多い川であるということは認識をしておりますし、そういう意味においては治水対策をしっかりやっていかなくてはいけない重要な河川の一つであると思っております。不勉強で誠に申し訳ございませんが、三十の橋のうち八つが潜水橋であるというのは初めて伺いました。また、潜水橋そのものも教えていただきまして、ありがとうございます。  今お話しいただいたことについては、少しどういう、問題だと思います、それは。雨が降ったら通れないという橋がそれだけあるということになると、今委員が御指摘のような救急搬送などに支障が生じるということは当然なことでございますので、こういった問題をどのようにとらえていったらいいのかということは、少し、今即答しかねますので、勉強させていただいて委員にまた後日お答えをさせていただきたいと、このように思います。
  71. 小池正勝

    ○小池正勝君 この潜水橋というのは、今申し上げたように、雨が降ったら、とりわけ洪水の多いところについては渡れなくなってしまうわけですから、一日も早く抜水橋にしてもらいたい、普通の橋です、抜水橋にしてもらいたいと思っておりますし、私どもはまさにそれは必要な橋なんだろうと思っておるわけです。  数年前も徳島県では、この潜水橋を、もう雨が降って潜水橋に水がつかりつつある、つかってしまったら通行できませんが、つかりつつある段階で無理やり、急ぐために無理やり通ろうとして川に流されて二人の方が亡くなったという不幸な事例も出ましたので、これはまさに安全ということから考えれば一日も早く抜水橋にしてもらわなければならない、まさに必要な事業なんだろうと思うんです。  もう一つ、開かずの踏切というのがありますね。これは何も徳島だけではない、日本全国至るところにあるわけでありますが。二、三年前に東武線でこれも不幸な事故があって、これは御存じですね。
  72. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 女性の方だったと思いますけれども、亡くなられるという痛ましい事故があったのは存じております。
  73. 小池正勝

    ○小池正勝君 このまさに安全ということからしても、この開かずの踏切を一日も早く解消しなければいけない。連続立体になるのか単独立体になるのかはともかくとして、一日も早く解決しなければならない必要な事業であると、そういう御認識はお持ちでしょうか。
  74. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 極めて重要な事業だという認識は持っております。
  75. 小池正勝

    ○小池正勝君 そういたしますと、これは一つの例を出しただけでありますけれども、まさに必要な事業ということであるわけですが、しかしその必要な事業をやろうとしましても、今年の新年度予算では二割公共事業予算が減っているということになってきて、なかなか新規にこういうものをやろうとしても自由度がなくなってきているというのが実態だろうと思うんですね。  まさに安全との関係で、こういう必要な事業量の確保というのをどうお考えになりますか。
  76. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) 今回は、新規事業は凍結をして、そして継続事業を中心にやらせていただいている予算になっております。当然ながら、新規でも、今委員のおっしゃった安全にかかわる問題とか、地域から極めて要望が高く、また事業評価、BバイCも高い事業については今後もやっていくということは重要かと思います。要は、この選択と集中の中でどういった事業を選択をしやっていくのかということが大事なポイントだと認識をしております。
  77. 小池正勝

    ○小池正勝君 今回のこの法案が新聞に載ったときに、ある県知事さんがこういうことを言っておられました。これは率直な思いだと思うんですが、負担金廃止してほしいと、しかしながら、その結果、総事業量が減りインフラ整備が遅れている地域事業が減るようなことは絶対にしてほしくないと。まさにこれは、特に地方の首長をやる者として、恐らくみんなこういう思いなんだろうと思うんですね。だから、そこでまさにこの必要な事業、とりわけ、まあ安全だけが必要な事業ではありませんけれども、必要な事業の確保と。  一方で、今も大臣おっしゃられましたように、二割公共事業予算が減っているという中で、しかし必要な事業は何としても確保していただかなければならないので、ここは予算ということの増も含めまして是非考えいただかなければならない。とりわけ、今回二割も減って負担金でまた減るという格好になるわけですから、ダブルパンチみたいな話になるわけですから、是非この点をお考えいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  78. 馬淵澄夫

    ○副大臣(馬淵澄夫君) お答えさせていただきます。  必要な事業ということでの御意見でございます。  私ども今回の直轄事業負担金廃止に関しましては、維持管理については、このことについては十分な配慮が必要だということで事業量の確保、これは様々な方面からもいただいております。とりわけ安全性の確保、委員の御指摘部分につきましては、これも十分に考慮しながら、特定維持管理というものについては負担をいただくということにしております。  さらに、本来必要とされるあるべき社会資本整備の在り方につきましては、私どもは、透明性、客観性を担保しながら国会審議に資するような形で事業評価の方法、また仕組みも改めて御提示をさせていただくところでございます。  いずれにしましても、私ども今回、この二十二年度予算、大臣が先ほど来申し上げておりますように、大変厳しい財政制約の中で、いったんは公共事業に対して厳しい見直しをしながらも、改めて透明性、客観性、公平性の上で本来地方の裁量によって必要とされるもの、それを更に私どもが事業評価という仕組みを提示しながら、国民的な監視の下、不断の監視の下で御提示をしてまいる所存でございます。
  79. 小池正勝

    ○小池正勝君 もう一つ気になる点といたしまして、先ほども草川先生が御質問されておられましたけれども、負担金廃止すると陳情合戦になると。自腹切らなくていいんですから、これはもうやってください、やってくださいと皆さんおっしゃる。したがって、陳情合戦になってモラルハザードになると、これも大臣もお認めになっているわけですが、したがって、そうさせてはならないと、これもどなたも異論がないわけですけれども。  そのためにどうするか。当然透明度の高い採択をしていくんだと、こういうお話になるんだろうと思いますし、草川先生への御答弁でもそうだったわけですが、そのときに、陳情合戦になればなるほど逆に、地方分権のために負担金をやっているんだけれども、採択するのは国ですから、陳情合戦がなればなるほど逆に国の支配が高まる、強まると、そういうおそれはないんでしょうか。
  80. 馬淵澄夫

    ○副大臣(馬淵澄夫君) 委員指摘のように、繰り返し地域の要望が、この負担金廃止という流れの中で地域の要望が強まるのではないか、またその強まった要望に対して判断をするのが国であれば、国のいわゆる権限が強化をされるのではないかということでございます。  そういった懸念を我々はできる限り払拭していくために、だれが見ても明らかな透明性を持った客観的指標というものをつくってまいりたい。その一つが、繰り返しになりますが、先ほど申し上げているように、事業計画そのものをしっかりと十一月の段階、概算要求段階でもしっかりと御提示をしながら、かつ事業評価、これも改めてつくっていく方法、その仕組みを御提示しながら、事業評価そのものも国会審議に資するように、この予算審議の前に御提示をしていくと。この中で、国民の代表たる国会議員の皆さん方、まさにこうした国土交通委員会あるいは予算委員会の中で議論をしていただく。  陳情合戦は当然繰り返されるかもしれませんが、私どもとしては、国会による不断の監視の中で事業を選定していただく、あるいは事業に対する評価をいただくことによって、陳情合戦ではなく、国民の合意の下に進められていくという形を担保してまいりたいと、このように考えております。
  81. 小池正勝

    ○小池正勝君 順番を少し逆にしまして、農水省の政務官さんがお忙しいそうですから、先に御質問をさせていただきます。  今回の直轄事業負担金の関係で、負担金ゼロとの関係で、法律には入っていないんですが、土地改良事業負担金はゼロにすると、これはそういう理解でよろしいんですか。
  82. 舟山康江

    大臣政務官(舟山康江君) 土地改良事業につきましては、他の公共事業と違う特性を持っていると思っています。と申しますのは、事業受益者たる農業者が特定されています。そして、その特定された農業者、受益者の同意と申請に基づいて実施されるということでありまして、そういう中で、この維持管理に係る直轄事業負担金については、都道府県負担分につきましてはこれは廃止をすると。そういう中で、特定された受益者の負担については引き続き県を通じて求めると、そういった仕組みになっています。
  83. 小池正勝

    ○小池正勝君 その受益者負担は、おっしゃるように、いわゆる一般の土地改良区の受益、それは当然残ると。これはもうよく分かる話なんですが、都道府県廃止する、法律には書いてないですけど廃止すると。それは間違いないんですね。
  84. 舟山康江

    大臣政務官(舟山康江君) そのとおりでございます。
  85. 小池正勝

    ○小池正勝君 そうした場合、まず今年の新年度予算を見ますと、今年というか新年度予算ですね、新年度予算を見ますと、土地改良事業というのは対前年三六・九%だと、三分の一に減ってしまったと。これはそういうことですか。
  86. 舟山康江

    大臣政務官(舟山康江君) お話のとおり、対前年度比三六・九%の二千百二十九億円で予算成立しております。
  87. 小池正勝

    ○小池正勝君 事業費が三分の一に減って、負担金もまたゼロにして、その分また事業が減ると。まさにダブルパンチどころの騒ぎでないんですが、どうされるんですか。
  88. 舟山康江

    大臣政務官(舟山康江君) 土地改良施設にかかわる直轄管理事業というのは、農林水産省の中で全国で六地区に限定して実施しております。これは、水利権が複数の府県にまたがったりとか、あとはかなり高度な管理を要する地域とか、そういったところに限定して六地区で実施されておりまして、この見直しに伴いまして国の負担増は四・六億円程度ということであります。  そういう中で、御指摘のとおり、かなり大きな減少という事業費なわけですけれども、やはり選択と集中というんでしょうか、そういう中で、食料の安定供給に不可欠な農業水利施設の更新、それから農地の排水対策に重点化をするとともに、予算の執行に当たりましては早期発現が見込まれる箇所に予算を重点配分すると。やはり今までのように新規に農業農村整備事業をするというよりは、今ある施設をいかに長寿命化するのか、ストックマネジメントをしっかりやっていくのか、そういったところへ重点を移してやはり限られた予算を有効に使っていくと、そういう手法の中で対応していきたいと思っております。  そして、もう一点、これに加えまして、地域の創意工夫を生かした農山漁村地域の総合的な整備を支援します交付金制度、農山漁村地域整備交付金、これ一千五百億円の枠を用意しておりまして、これは地方の裁量で緊急性などを考慮して自由に使っていただけると、そんな枠組みを用意しておりますので、これも併せて活用していただいた上で必要な整備を行っていただくと、そういう仕組みにしております。
  89. 小池正勝

    ○小池正勝君 今のお話は、土地改良の負担金は、維持管理負担金は数億円ぐらいしかないんだから大した影響ないわと、こういうお話をされているんだろうと思うんですが、しかし、我々、地方におって、土地改良事業負担金一千万円もらうんだって大変なんですよ。そのときに、数億だから大した影響はないわと、これはおかしいんじゃないんですか。
  90. 舟山康江

    大臣政務官(舟山康江君) 私は、数億だから大して影響がないと、そんなニュアンスで言ったわけではなくて、かなり限定的に特定の地区においてこういった直轄事業が行われているという、その現実をお話しさせていただきました。  そういう中で、本当にそれこそ一円たりとも税金ですから大したことないと言うつもりも全くありませんけれども、今、やはり一方で地域の自由度を高めるという中で、国の事業なのに地方負担を求めるのはおかしいではないかと、そういった声に対応してこういった国全体として直轄事業負担金の在り方を見直すと。そういう中で、やはり都道府県負担については見直しをしていこうということでこの農業農村整備事業も対応しているということであります。  そういう中で、やはり限られた予算の中で、確かにそこの部分はプラスの支出というんでしょうか、国にとれば負担になるわけでありますけれども、その中でやはり重点的に必要なところをしっかりと、先ほど馬淵副大臣からもありましたけれども、透明性、客観性、公平性、これは農業農村整備事業につきましても全く同じであると思っておりますので、そういう観点の中でしっかりと重点化をして対応していくと、そういうことだと思っております。
  91. 小池正勝

    ○小池正勝君 お忙しい中、どうもありがとうございました。どうぞ。  それでは、総務省さんにお伺いしたいと思うんですが、直轄負担金がなくなるという件でございますけれども、これは、私は不勉強ですが、地方交付税で面倒を見られていたんではないだろうか。つまり、基準財政需要額の中にこれが算入されておったんだと記憶をいたしておるんですが、そうすると、まさに基準財政需要額がその分減ってしまうわけですから、当然、収入額と需要額の差額が交付税なわけですから、そうすると交付税も減ってしまうと、こう単純に理解しているんですが、それでよろしいんでしょうか。
  92. 小川淳也

    大臣政務官小川淳也君) 先ほど平山委員の御質疑にもお答えを申し上げたとおりなんですが、確かに御指摘のように直轄負担金に係る需要はその分減っております。その分を減らさないというのが政権公約の内容でございまして、そのために今度は地方単独事業の方に相当額を積み増す形で全体として目減りしないように努力をいたしております。
  93. 小池正勝

    ○小池正勝君 今のお話は、需要額と収入額の差額が交付税なんだけれども、そこは連動させないんだと。地方財政計画上は、地方単独ですか、一般単独に積み増しをするんだと。地方はそれを聞いたとき喜んだんですね。自由度が、使えるお金がどんと増えるんだと、大変喜びました。ところが、地方財政計画を読ませてもらったら、対前年マイナス一五%なんですよ。八五%しかないんですよ。ぬか喜びに終わってしまったんですが、どうでしょうか。
  94. 小川淳也

    大臣政務官小川淳也君) この点は、総務委員会の方でも非常に専門的な議論が行われた点でございます。  確かに、御指摘のように、補助事業の分について一五%強の減、おっしゃるとおり、単独事業についても一五%の減であります。これは、直轄負担金の振替分以外に総体としてこれだけ減らしているということでありまして、その趣旨は、大きな理念としてはやはりコンクリートへの投資から人への投資に変えていこうという政権全体の方針もございますし、また前原大臣のリーダーシップの下で国の補助事業についてもこれだけの減があったと。あわせて、この間の地方財政なんですが、どうもこの投資事業については当初の見積りより決算の方が非常に実績が低いと、決算乖離と言われる問題もございました。これらを総合して、今回補助事業とほぼ同様に、見合いで一五%の減を単独事業でもさせていただきました。  しかし一方で、これに十分上回る、これを補って余りある需要はほかに積んでおりまして、これら総じて地方財政対策については万全を期しておるところでございます。
  95. 小池正勝

    ○小池正勝君 地方分権という流れで、先ほど大臣さんも御説明がございましたが、自由度を増すというのは極めて大切だとおっしゃった。まさにそのとおりだろうと思うんですね。それで、まさに今回は直轄負担金廃止して、その自由度の方にシフトしたと。それは交付税でも当然反映されると思ってみんな喜んだんですね。地方財政計画では増える増えると、一般単独増えるんだと、こう思いました。ところが、マイナス対前年一五%だということでぬか喜びに終わってしまった。大変残念であります。  したがって、私ども、地方分権地方分権という、まさにこの事業地方自分たちで決めるんだと、そのために単独事業を増やした方がいいんだとずっと一貫して言っておられて、にもかかわらず、しかも、地方財政計画上は積んでいるんだよと、こうおっしゃるけれども、結果として対前年マイナス一五%になっているというのは非常に残念だなと、少し違うんではないかなというのが正直なところであります。そこは感想というか、もう時間もありませんから、そういう御指摘をさせていただきたいと思います。  それから、これは先ほど草川先生の御質問にもありましたが、今回は維持管理というお話でありました。  維持管理は、先ほど草川先生が橋のお話をされて、五十年経過した橋が今は八%だと、たしかそういう御答弁だったと思いますね、二十年もしたら五〇%超えるんですか、そんな御答弁だったと思うんですが。まさにこれからは、大体ほとんどのこういった大型の公共事業というのは高度経済成長期にやっているのが多いわけですから、当然、維持管理段階になってくるので、維持管理費がどんどんどんどん増えていくと、これはもうどなたもおっしゃるお話で、まさに維持管理こそが大事な部分になっていくんだろうと思うんですね。  そうすると、維持管理というのは公共事業予算の中でも元々少ない部分でしかない。そこへもってきて、直轄事業負担金で更にこれが減るということになると、まさに維持管理というのは大変な現象が起こっていくんだろうと思うんですよ。  私ども徳島県の例を出して恐縮ですが、もう現在既に五十年を経過した橋というのは一六%もあります。昭和二年の橋とか昭和三年の橋とか、まだそんなのが残っておりまして、それを大事に大事にまさに長寿命化で使っているというのが今の状況でございまして、一日も早くやりたいんですけれども、これなかなか難しい。公共事業削減で厳しい。一方で、維持管理を一生懸命充実して長寿命化しようとしても、その事業量が減っていく。元々維持管理費というのは少ないですから、そこへ持ってきて負担金減でまた減っていくと。もう大変なことになるんですね。  この維持管理費についての事業減をどうするか、これはどうお考えになりますか。
  96. 長安豊

    大臣政務官長安豊君) 今回、私どもの直轄事業負担金維持管理部分地方負担廃止をすることによって、平成二十二年度については当然ながら大幅に予算が減るという形になります。さらには、先ほど大臣からもお話しさせていただきましたけれども、昨年来、この二十二年度予算について、コンクリートから人への予算編成ということで公共事業全体として見直しをしてきたわけです。マイナス一八%という中にあります。そういった大幅な減少があるという中で、地方からも一方でやはり公共事業をしっかりと予算を確保してほしいという声もございました。  そういう中で、すべての維持管理直轄事業負担金廃止してということではなくて、二十二年度に限ってのみ特定事業というものを設けて事業量の確保を図ったわけでございます。
  97. 小池正勝

    ○小池正勝君 今政務官さんから二十二年度の特例のお話が出ましたので、その御質問をさせていただきますが、これは、今の御説明は、この二十二年度の特例というのは、この法案に規定された趣旨事業量の確保ということを目的に規定されたと、こういうことをおっしゃったんでしょうか。
  98. 長安豊

    大臣政務官長安豊君) 地方からの要望を受けて、地方の声を踏まえて事業量を確保したいという思いで設けさせていただきました。
  99. 小池正勝

    ○小池正勝君 衆議院委員会では、大臣さんは、これについての御答弁は、事業量の確保と事業の性格の両方だという御答弁を岸田委員にしておられたんですが、少しそごはございませんか。
  100. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) いや、両方でございますので、先ほど長安政務官がお答えをした事業量の確保という面もあるということであります。
  101. 小池正勝

    ○小池正勝君 そうしますと、事業の性格という話になりますと、これ中身見てみますと、安全とか災害とか、そういうことが規定されている法律なんですね、条文なんですね。そうすると、安全とか災害とかというのは一年でなくなるわけないわけですから、そうすると、これ一年度限りの特例というのとはどういう関係になるんでしょうか。
  102. 長安豊

    大臣政務官長安豊君) 私どもは、そもそも直轄事業負担金というものを全面的に廃止をするということをマニフェストでうたわさせていただきました。そういう意味では、平成二十五年までに廃止の方向に向けて取組をしていくということでございます。  先ほど来お話の出ております、私が座長を務めておりますワーキングチームが年末に発表させていただきました直轄事業負担金制度廃止に向けた工程表がございます。この中にも、二十五年に直轄事業負担金廃止とその後の在り方について結論を得るということを明記させていただきました。平成二十二年度はそのまだ一年目ということで、ある意味過渡期にあるということで御理解をいただければと思います。
  103. 小池正勝

    ○小池正勝君 過渡期にあるというお話ですが、まず、それでは具体の条文を見させてもらいますと、例えば河川法の関係でいくと、災害の発生を防止し、又は流水の正常な機能を維持するために速やかに行う必要がある河川管理施設に係る工事なんて書いてありますね。道路の方は、安全かつ円滑な道路交通に支障云々と、こう書いてあるわけですが、これは具体的にどんなことを指しておられるんですか。
  104. 長安豊

    大臣政務官長安豊君) 具体的な事業の内容でございますけれども、文章のとおりなんですけれども、例えば災害の防止のために、機能が低下した河川の堤防、護岸の延命、機能増加といった工事であります。また、道路の橋梁に関しましては、例えば道路構造物等の安全確保のための工事等を想定しております。
  105. 小池正勝

    ○小池正勝君 護岸の延命、河川堤防の延命というのがとても一年で終わると思えないんですが。
  106. 長安豊

    大臣政務官長安豊君) もちろん、先ほど御答弁申し上げましたように、これは一年で終わるもの、終わらないものが当然あるわけです。とりわけ、護岸の延命などは長期の時間が掛かるというのも私ども理解しております。  今、この直轄事業負担金自体の見直しを二十五年までにやっていこうという過渡期でありますから、まずは今年一年に関しましては、継続事業があるという中ではありますけれども、特例措置を設けたということで御理解をいただきたいと思っております。
  107. 小池正勝

    ○小池正勝君 今のお話は、そうすると、一年は取りあえず一年だという、こういう御説明をされたんですか。
  108. 長安豊

    大臣政務官長安豊君) 維持管理直轄事業負担金につきましては廃止ということでございます、この法律は。基本的に、そういう中でありますけれども、二十二年度においては、二十二年度のみですね、特定事業を設けて地方負担を残すということでございますので、二十三年度にはすべて廃止ということでございます。
  109. 小池正勝

    ○小池正勝君 今のお話は、しかし護岸の延命、河川堤防の延命というのはずっと続きますよということはお認めになったわけですよね。まさに必要な事業とおっしゃったわけでしょう。にもかかわらず、先ほどは、だから取りあえずの過渡的措置として一年だけだと、こういう御答弁されたわけでしょう。  そうすると、二年目以降、つまり二十三年度以降については、もう一回これは検討されるということもあり得るということをおっしゃっているんですか。
  110. 長安豊

    大臣政務官長安豊君) いえいえ、私が申し上げているのは、この特定事業部分に対する地方負担というのは二十三年度からすべて廃止ということでございます。これはワーキングチームの中で、総務省、財務省、さらには農水省、地方の意見を賜る中で、二十二年度に関してはやはり大幅に公共事業が減ってしまうじゃないか、その中で地方の声を踏まえて残していくべきじゃないかという結論に至ったわけでございます。
  111. 小池正勝

    ○小池正勝君 今のお話は、二十二年度が大幅に公共事業が減るから二十二年度だけは何とかしようとおっしゃった。二十三年度は増えるんですか、公共事業は。
  112. 長安豊

    大臣政務官長安豊君) 委員はよくお分かりの中で御質問をされているんだと思います。これは、二十二年度に関しましては激変緩和という意味で設けたということでございます。
  113. 小池正勝

    ○小池正勝君 今のお話は、二十二年度がどおんと減って激変だと、二十三年度は少し減るからと、こういうことをおっしゃっているわけですか。それもよく分からない理屈でありますが、これ以上議論してもしようがありませんから、この辺でやめておきますが。  そこで、もう一つ御質問したいのは、今回、直轄事業負担金業務取扱費というのを全廃すると、こういうお話になっていますね。それと見合いで公共事業の補助金の事務費も全廃すると、こういうお話になっておりますね。これはなぜですか。
  114. 長安豊

    大臣政務官長安豊君) 今委員が見合いで補助金の事務費の方も廃止にするという御指摘でございますけれども、これ、それぞれ理由がございます。  業務取扱費につきましては、これは全国的に構築された国の実施体制に要する経費を都道府県ごとに案分するということでございまして、計算方法自体が複雑である、またその金額を精査するのに地方負担が多大であるということを踏まえ、またさらにはこの業務取扱費廃止してほしいという地方の声もございました。そういったすべてのことを勘案した中で廃止を決めさせていただいたわけです。  一方で、補助事業の事務費につきましては、これは、この間、地方公共団体が不適正経理を行っているという会計検査院の検査結果もございまして、そういったことを踏まえて、こちらも廃止をさせていただいたということでございます。
  115. 小池正勝

    ○小池正勝君 今の御説明は、見合いではないと、こういうお話でございました。  まず、金額をお伺いしますが、業務取扱費は幾らで、この事務費の方はお幾らになるんですか。
  116. 長安豊

    大臣政務官長安豊君) 業務取扱費は七百八十八億円でございます。事務費の方は、ちょっとこれ通告いただいておりませんので具体的な数字はここで持っておりませんけれども、業務取扱費も事務費も共におおむね約七百億から八百億程度とお考えいただければと思います。
  117. 小池正勝

    ○小池正勝君 今のお話で、八百億程度、つまり八百億は出さなくなるしもらえなくなると、大体相殺されるというか、になっていくんだろうと思うんですね。それは確かに地方にとりましては、相殺されるんであればプラスマイナスはゼロと、こういう話になるわけですから、持ち出しになるわけではないんでありますが。  そこで考えなければならないのは、この直轄負担金というのは都道府県なんですね。市町村は直轄事業負担金はないんですよね。ごく特殊なのはありますけど、一般原則としてはないんですね。ところが、公共事業の事務費というのは都道府県も市町村もあるわけです。そうなってくると、大体同じ額で相殺されるからプラスマイナスないというのは、都道府県ベースではそうだけれども、市町村になると逆に言うと事務費がなくなるだけと、持っていかれるだけと。市町村財政、県よりも特に市町村の方が財政は厳しいわけですけれども、更にこれでもってマイナスに拍車が掛かると、そうなりませんか。
  118. 長安豊

    大臣政務官長安豊君) 委員指摘のとおり、市町村の負担が増えるということは、これはまさに事実であります。  しかしながら、今回、この事務費の補助金の廃止ということに伴っては、地方財政上の措置として、当該補助事業の実施に直接必要な事務費を対象に地方債の対象にすることとされております。ここに総務省大臣政務官もいらっしゃっておりますけれども、総務省において必要な財源措置を講じられることとなっていると私ども承知をしております。
  119. 小池正勝

    ○小池正勝君 地方債というのは借金ですからね、借金が残るだけなんですよ、それは。今までもらえたお金が、先ほどの都道府県であればプラスマイナス同じだから我慢しなさいと、これも理屈として分からないことはありませんが、市町村は取られるだけなんですね、なくなるだけなんです。あとは借金でやれといっても、借金が残るだけなんですね、今度は。どうですか。
  120. 小川淳也

    大臣政務官小川淳也君) この事務費分についての地方債の手当てについては長安政務官お答えになられたとおりでありますが、一部その返済については地方交付税の方に算入をするなど、必要な手だては講じておるつもりでございます。
  121. 小池正勝

    ○小池正勝君 これももうこれ以上議論してもしようがありませんから、ここでおかせてもらいますが。  もう一つ、これは衆議院でも余り大きな議論にもなってないし、今まで御質問をされた方もいないようですが、新河川法を作るとき、直轄事業負担金地方負担させるんだから、流水占用料は本来国の収入であるにもかかわらず都道府県に入るようにするんだと、そういう説明がなされて流水占用料は都道府県の収入になったと、こう理解しておりますが、その理解でよろしいでしょうか。
  122. 馬淵澄夫

    ○副大臣(馬淵澄夫君) そのとおりでございます。
  123. 小池正勝

    ○小池正勝君 であれば、直轄事業負担金を今回廃止するわけですけれども、そして、まさに維持管理負担金廃止するわけですけれども、流水占用料というのはまさに管理なわけですが、これは復活しないんですか。
  124. 馬淵澄夫

    ○副大臣(馬淵澄夫君) お答えさせていただきます。  この流水占用料、これは等でございまして、流水占用料合わせまして、流水占用料と、これは発電や水道用水等の取水、また土地占用料、土石採取料その他の河川産出物採取料、これらを合わせまして流水占用料等として都道府県に帰属するという形で、委員指摘のように、河川法三十二条二項の規定に基づいて、国が管理する一級河川であっても、一級水系であっても都道府県とされたわけであります。  今回、この負担金廃止という中で、一般論としまして、この管理に要する経費に充てるための財源として管理者に帰属すべきものであるということは承知をしております。しかし一方で、直轄事業負担金の改革、この制度設計に関して様々な議論をされております。この帰属についても議論をされております中で、都道府県知事会から、全国の知事会からの御要望といたしましては、地方財政への位置付けなどをしんしゃくすべきであるということを併せて、拙速に維持管理費負担金廃止と結び付けて議論すべき問題ではないとの御意見を賜っております。  こういう状況の中で、私どもとしては、今後の直轄事業負担金制度の全体の見直しの中でこれは引き続き検討をさせていただくということにしております。
  125. 小池正勝

    ○小池正勝君 今のお話国土交通省の副大臣さんにお伺いしたんですけれども、国土交通省の副大臣さんのお考えも、流水占用料は都道府県の収入にすべきのままで、このままでいいと、直轄負担金が、維持管理負担金がなくなったのにいいと、こういうことをおっしゃっておられるんですね。
  126. 馬淵澄夫

    ○副大臣(馬淵澄夫君) お答えさせていただきます。  元々経緯ございました。河川法の改正、三十九年のときに最終的には総理裁定ということで都道府県の収入となりました。しかし一義的には、先ほど私は答弁させていただいたつもりでございますが、公物に係る占用料、これは当然ながら、一般的に管理に要する経費に充てるための財源として管理者に帰属すべきものであるという認識は、私どもは持っております。  しかしながら、今回この直轄事業負担金廃止ということで、制度全体、それこそ自治体の皆様方の声もちょうだいしながら、今政府の中で政務官を中心とするワーキングチームの中でも議論をさせていただいています。そこでの要望として、このいわゆる流水占用料等については、これを即座に拙速に廃止と結び付けて議論すべき問題ではないという強い御要望をいただいております。これは政府全体として検討対象としているということでございます。
  127. 小池正勝

    ○小池正勝君 もう時間もなくなってまいりましたので、大臣に。  維持管理負担金は今回この法律が出たわけでございますが、建設、改良にどう取り組まれるのか、そのお考えとスケジュールをお教え願いたいと存じます。
  128. 前原誠司

    国務大臣前原誠司君) この直轄事業負担金につきましては、今回、維持管理特定事業を除いた維持管理そして業務取扱費、こういったものを廃止をするということでありまして、今委員おっしゃったように建築そして改築、こういったものについては負担金をいただくということに今はなっているわけでありますが、これを我々、マニフェストでは四年間でどう進めていくのかということで、四年後にはこの新築、改築も含めての直轄事業負担金廃止ということを目指しているわけでありますが、今日、いろんな委員、小池委員も含めて議論された様々な移行期の問題点というのもございます。  そういったことと、そして地方の御意見というのを伺いながら、長安政務官が座長を務めるこのワーキングチームで今後のこの新築、改築についてもどういう工程でやっていくのかということは議論をさせていただきたいと考えております。
  129. 小池正勝

    ○小池正勝君 終わります。
  130. 椎名一保

    委員長椎名一保君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  国の直轄事業に係る都道府県等維持管理負担金廃止等のための関係法律整備に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  131. 椎名一保

    委員長椎名一保君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  132. 椎名一保

    委員長椎名一保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十八分散会