○大石尚子君
民主党の大石尚子でございます。
私は、
民主党・
新緑風会・
国民新・
日本を代表して、ただいま議題となりました
平成二十一年度
補正予算三案に対して反対の
立場から討論を行います。
この十数兆円という前代未聞の
補正予算は、今日の経済
危機や国民生活の落ち込みを救おうとするには余りにもずさんで無駄が多く、国債に頼り過ぎ、赤字国債総額は当初
予算と合わせて二十九兆円となり、借金で国民の首がなお回らなくなるのです。
この
補正予算は、言うならば「政権交代前夜の火事場を利用した世に言う火事場ナントカ」です。
四十六もの基金へ四兆三千七百億円をばらまき、積み上げるということは、まさにこの例に当たります。しかも、その四十六のうち三十基金は新規に創設したものなのです。
事業の中身は後追いで、取りあえず目の届きにくい独立行政法人など都合の良い団体にばらまく、その中には高級官僚の天下り先も多く含まれています。
取りあえず基金として積んでおけば数年間は続けて使える、たとえ政権が交代してもしばらくの間は息がつける、この
考え方は国家
予算に関する憲法の趣旨にも反するではありませんか。
定額給付金や基金のばらまきなど、このばらまき思想は国民の品格と団体の向上力をおとしめるものと私は
考えます。この意味は、あのとき「さもしい」と発言された
総理にはよくお分かりいただけるのではないでしょうか。
ピントのぼけた不必要な
補正予算のもう
一つの象徴的な例は、あのいわゆるアニメの殿堂です。まだ何の青写真もないまま百十七億を計上して、その中の三十億円は土地の購入費ですよ。どこにどんな緊急性があるのですか。
財政法二十九条にあるように、
補正予算は緊要となった経費の支出でなくてはならないのです。しかも、新規の事業でいきなり
補正で土地購入費まで出してきた例は、ここ十年間を調べても、文部科学省でゼロ、施設を多く持つ厚生労働省でも一例もありません。
百歩譲ってどうしても必要なものであるなら、火事場のどさくさ紛れでなく、堂々と当初
予算に計上すべきです。
要するに、この
補正予算はまず十四兆円の
予算枠ありきで、総選挙を前に大型
補正を国民にアピールしたい
政府・与党と、保身のために善からぬ知恵を働かせた官僚との同床異夢相まってでき上がった不毛の産物と言えるでしょう。
毎日の暮らしに、多くの困難と不安を抱えて生きておられる一人一人の国民の思いを共感できていないこの
補正予算を、私たちは絶対に容認することはできません。
討論を終わります。(拍手)