○
参考人(
マルク・ベリボー君)(
通訳) まず、
石井会長及びこの
調査会のメンバーの方々に、今日
お話しさせていただきます機会をいただきましたことを感謝申し上げたいと思います。
まず、
プレゼンテーションを始めるに当たりまして、セリーヌ・ディオンの発した
言葉について申し上げたいと思います。
ケベックの
国際的なアーティストでありますけれ
ども、
東京ドームで数週間前、
コンサートがありました。
コンサートで、
フランス語の歌を歌う前に彼女はこういうふうに言いました。
ケベック出身者なんですけれ
ども、私と
日本の
人たちは
共通点がありますよ、私
たちは両方とも
英語は
母国語ではありませんというふうに彼女は言ったんです。つまり、多くの私
たちにとって
英語でしゃべるということは大変なことであります。この問題については後で申し上げます。といいますのも、
言語を選択をするということは、これは
広報外交を成功させるために非常に重要なかぎを握るからです。
今日、私は
東京・
国際メディアフォーラムを代表して話をさせていただきます。二〇〇二年につくられた
団体なんですけれ
ども、
メディア関係者、
ジャーナリスト、
日本及びそのほかの国々の
人たちからつくられた
団体であります。現在は、私は
ケベック州
政府在日事務所の
広報担当なんですけれ
ども、今日この場で
お話しする
内容というのは、
ケベック政府を代表してという
立場ではございませんし、私のコメントの
内容というのは
ケベック政府の
立場を反映するものではございません。
ケベックの
在日事務所に入る前に私は、ほとんどの
仕事、生活は
テレビプロデューサーとして、及び
テレビレポーターとして
仕事をしておりました。
カナダ放送協会の
フランス語サービスで
仕事をしておりました。
今日、
二つの点について
お話をしたいと思います。
まず、
日本は
外国でどのような
イメージでとらえられているか、そして、
日本の
認知度を高めるためにはどんなことをすればいいのかということです。それも、
広報外交の
イニシアチブを通してどうやったら
日本の
認知度を高めることができるかという
お話をしたいと思います。
私の
プレゼンテーションの
内容ですけれ
ども、七つのトピックに分けてみました。これは、私
自身の感想をまとめたものでありますし、また私の
同僚が
アイデアをくれたものもあります。
まず、この
パブリックディプロマシー、
広報外交というのを戦略的な意味でとらえるのであれば、こういうふうに申し上げたいと思います。つまり、文化それから
言語と
価値観を通しての国のアイデンティティー、そして
国際問題、こういった
分野が
介入分野の対象になると思います。いわゆる
外交と違いまして、まあ
外交となりますと、しばしば国と国の間の
力関係が反映されるものでありますけれ
ども、
パブリックディプロマシー、
広報外交というのは、これは人を引き付ける、魅了するということであります。つまり、心の
言葉を使うということが非常に重要になります。
まず第一点目なんですけれ
ども、国を超えた
情報の流れ、
アイデアの流れについてです。
まず、この
広報外交を始める前に理解しなければいけないことがあります。それは、その国が
海外でどのような
イメージでとらえられているかを理解する必要があるわけです。
コミュニケーションにおきましては、まず
メッセージを、何を伝えるか、そしてだれに伝えるかをはっきりさせなければいけません。しかし、今、非常に複雑で変化を遂げている
世界に住んでおります。ですから、
コミュニケーションの
方法によってはその
メッセージ自身も大きく変わってくる
可能性があるわけなんです。
それでは、次の
二つの例で御説明させてください。
まず
一つ目の例なんですけれ
ども、前回の
メディアフォーラムの
会議のときに、主要なドイツの
新聞社の
編集長がこんなことを言いました。彼は
アジアのツアーを終えたばかりなんですけれ
ども、驚いたというふうに言ったんです。
アジアの
マスコミが出していますヨーロッパに関する
記事のほとんどは
ロンドン発のものだというふうに彼は言ったんです。つまり、懸念を催す
状況だと。なぜならば、主要な
イギリスの
新聞のオーナーは、例えばルパート・マードックとか、こういう
人間でありまして、
欧州派ではない人が多いというんです。ですから、心配をしていたわけですね。つまり、
欧州に関しての
情報の質とそれから
多様性が狭められてしまうんじゃないかということを心配したわけです。
二つ目の事例です。
カナダにおきまして、
日本に関する
ニュースが
カナダの
新聞に掲載されるときは、それはほとんどがアメリカの
通信社発の
情報なんです。その理由は簡単です。これが一番経済的だからです。コンテンツをマス
メディアに提供する一番経済的な
方法だということです。つまり、
カナダの
特派員は
東京にはもう十五年も存在していないからなんです。同じことが
日本の
メディアにも言えます。
日本の
メディアは
カナダのオフィスをもうずっと前に閉鎖してしまっています。当時は読売もありました。時事通信も日経もあったんですけれ
ども、それ以来、
日本及び
カナダの
相互の理解若しくは
相互の
イメージというのは、これはもう
英米の
マスコミに大きく影響されてしまっているというふうに言えるのではないでしょうか。つまり、お互いを知るときはいつも
仲介者を通してしか知ることができないという
状況であるわけです。
もちろん、これは
英米メディアの
取材の質がどうであるということを私が申し上げるつもりは全くございません。ただ、その
英米メディアというのは
世界中に普遍的に存在しているわけであるわけですから、理解しなければいけないのは、
英米メディアの有能な
ジャーナリストたちは、その
取材をして
記事を書くときには、国内の
聴衆や
読者向けに書いているということを忘れてはならないということです。
日本の
メディアというのは非常に重要な
役割を演じられると思います。つまり、
日本の
認知度と
影響力を高める
役割があると思います。これは
政府発の
イニシアチブもあるでしょう。例えばNHKを通して、若しくはそのほかの主要な
日本の
全国ニュースメディアを通しての
イニシアチブ、これはやはり
広報外交、広い意味での
広報外交に非常に重要な
役割だと考えることができるでしょう。
二番目の話です。
日本の
価値観を理解するという点なんですけれ
ども、
海外から見たときに
日本の社会というのは非常に興味深いものがあります。私
たちは余りよくは知らないんですけれ
ども、いつも感銘を受けております。つまり、製品は質が高い、それから
日本食はとても洗練されている、それから美的感覚に優れている、
日本のデザインはすばらしい、こういうふうな
イメージを持つわけですけれ
ども、そこで
日本の
人たちの
価値観というのはどういうものなのかなというふうに思うわけです。どうやったらこれだけの洗練度を達することができるのか、どうやってこれだけ高いレベルのイノベーションを維持することができるのか、そしてまた、労働者の専門性のレベルも、どうしてこれほど完璧に近いほど高いところにあるのかというふうに不思議に思うわけです。
日本はしばしば、近代的な国でもあるけれ
ども伝統を大切にする国というような形で理解されています。また同時に、ある意味内向きだというふうにも見られています。英国と同じですね。
日本というのは、いろんな意味で
日本自身がユニークだというふうに感じています。
日本の
人たちというのは、しばしば
外国でどのように見られているのか非常に
関心を持っています。例えば、時に、
外国人と話をしている
日本人はこんなことを言うわけです。ちょっと恥じながら、ちょっと心配そうにこういうふうに聞きます。
東京というのはニューヨークほどコスモポリタンな都市じゃないんじゃないですかというふうなことを言います。それを言った後、外人がどういう反応をするか聞きたがるわけです。
日本を
外国に紹介する際に、そして
東京をプロモートする際には、やはり自信を持って何を伝えたいかということをはっきりさせなければいけません。
外国では、
日本というのはなかなか積極的にプロモーションをしないととらえられがちです。若しくは、積極的にプロモーションをやるすべを知らないんではないかととらえられがちです。といいますのも、しばしばためらいがちだからです。そして、間違いを犯したくないと思っているようです。
日本人というのは、やはり自分
たちの伝統的な文化の中に閉じこもっていた方が安心と感じるようであります。一方、
外国の
人たちというのは、
日本についてもっと知りたい、
日本のポップ
カルチャーについて知りたいし、革新的な技術についても知りたいと思っているわけです。こういうことによって、やはり
日本人というのはとても保守的な
人たちだというふうに
外国では見られがちであります。
ちょっと驚くかもしれませんけれ
ども、
日本の
人たちというのは、実は自分
たちが思っているよりも
外国に対して開かれている
人たちだと思います。何百万人が毎年
外国旅行をしていますし、何十万人が
外国で勉強をしたことがある若しくは
仕事をしたことがある、そして
一つや
二つ外国語が話せる人もたくさんいるわけです。この現実にもかかわらず、多くの
日本人たちは、一回もう
日本に帰ったら、
外国で積み重ねてきた経験はもう関係ないかごとくに振る舞うわけです。これは
日本だけではなく、
外国でもそうであるのです。
東京の
イメージについてですけれ
ども、多くの
外国人はこういうふうに言うでしょう、
東京というのはニューヨークよりももっとコスモポリタンだと。大量の西洋人が
東京の町を歩いていないとしても、もっとコスモポリタンだというふうに言うでしょう。
確かに、
日本におきましては、個人が
外国で得た経験とか
知識とか、こういったものの価値が十分に認識されていないと思うんです。
外国だったら認識できるのに、認識されていないと思います。ということは、
外国から持ち帰ったもの、これによりまして
日本人の考え方が変わってしまう、暮らし方が変わってしまうという
可能性があるからなんでしょうか。そういう意味では、
日本人が
東京がコスモポリタンの都市なのかどうか心配しているということは、もしかしたら、
東京がもうコスモポリタンになってしまって
日本的でなくなってしまうことを心配しているのでしょうか。
日本を
外国でプロモーションする
方法の
一つというのは、もっと
日本の国民が
外国で暮らす経験を積むチャンスを与えればいいんではないでしょうか。また、その得た
知識を大切にする文化というのがあっていいんではないでしょうか、特に若い
人たちにとって。ESL、つまり
外国語語学留学若しくは交換留学、こういったプログラムを通していろんな経験を積ませるというのがいいんではないでしょうか。
この交換留学に加えまして、
日本はもっと
日本人を
国際機関の高い地位に就けるということを進めてもよろしいんではないでしょうか。
日本人というのは、そうすればきっと、あこがれる、模範となる
日本人というのを見付けることができるようになると思うんです。そしてまた、
日本に対しての
認知度を
外国で高めることにもつながることになるでしょう。つまり、これだけたくさんの
日本人がいるのだと、
日本の
政治家も含めて。こういった
人たちが
国際的な舞台で活躍をしている、そして
外国語も話すことができる、こんな
人たちがいるという、その存在感を高めることができると思うんです。
それでは、三つ目ですけれ
ども、環境とODA、これは
広報外交を高めるためのチャンスであるということです。今日の
国際的な環境というのは、
日本の
認知度を高める非常に有利なチャンスが訪れていると思います。環境問題というのは
国際的にも非常に重要性を増してまいりました。すべての国々は、今どうやったら温室効果ガスの排出を削減することができるか考えているわけです。そして、温暖化を緩和させる方策を模索しているわけです。
今度のG8のサミットのミーティングですけれ
ども、
日本は環境問題で
リーダーシップを
発揮をする予定であります。重要な
イニシアチブを発表して、そして二酸化炭素の排出を減らし、エネルギーの効率性を高めようとしているわけですけれ
ども、技術という意味では
日本は
国際的な行動をリードすることができると思います。ほかの国々からの重要な
イニシアチブをサポートしてベストプラクティスを共有し、今まで学習したことを共有し、そして環境の劣化を防ぐことができるんではないかと思います。これは
日本にとって
広報外交のチャンスであると思います。
日本の
認知度を高める非常にいいチャンスだと思います。
しかしながら、もっと能動的な
コミュニケーションのアプローチを取っていかなければいけません。それもODAとは違ったアプローチを取る必要があるでしょう。今まで
日本のODAのプログラムというのは
外国ではほとんど知られてこなかったのです。ですから、
日本は幾つかの
会議を幾つかの国々で開いてはどうでしょうか。そうすることによって、
日本がこの
分野でどんなことをやってきたかという
認知度を高めることができるんではないかと思います。
世界の中では、学生も含めて多くの
人たちが、
日本が開発援助の
分野でどんなことをやってきたのか知りたいと思っている人がたくさんいるはずです。この点におきましては、
日本は当然受けるべき認知、存在感を受けるべきであります。ですから、キャンペーンを幾つかの
言語で行うべきでしょう。そのときには、視聴覚の素材を使って、新しい
メディアを使って、
世界に
日本がこの開発援助の
分野でどんなことをやってきたかということを伝えるべきです。中国も含めてどんなことをやってきたかです。
まとめますけれ
ども、環境問題とODAのプログラム、この
分野というのは
パブリックディプロマシー、
広報外交が介入できる
分野であります。こうすることによって、
日本の
外国におきます
イメージ、そして評判を高めることができるでしょう。
四番目です。
日本の文化を
外国でプロモートするという点ですけれ
ども、
日本の文化というのは
国際的にとっても人気があります。例えば、
日本は
ケベックの
人たちも非常によく理解をしています。つまり、
日本の製品を理解しているんですね、例えばビデオゲームであるとか電子機器であるとか自動車であるとか。また、
日本の伝統的な文化にも
ケベックの
人たちは
関心を持っています、非常に洗練された文化があると。例えば禅とかデザイン、
日本食、
漫画、
アニメ、これは
外国でもとても人気があります。
この
日本の
認知度、これはやはり何によってもたらされたかと考えた場合には、
日本の大手企業がすばらしいマーケティング戦略を取ったということです。つまり、具体的な特定のオーディエンスに向かって
メッセージを送ってきた成果であるわけです。
そしてまた、
国際交流基金というのも我々、認識しておりますけれ
ども、
外国で二十ほどオフィスを持っておりますけれ
ども、そのうちの
一つが
カナダのトロントにあります。
フランス語を話す
人たちにとりましては、このパリ
日本文化センターを訪れることは非常にすばらしい意味深い経験であります。モントリオールというのは、パリの次に
フランス語をしゃべる人の多い都市であるわけなんですけれ
ども、
日本の文化の展示というのを本当に好んでおります。それぞれの文化で何が固有で何がユニークであるか、それをプロモートするのは
日本であろうと
ケベックであろうと非常に重要なことです。
つまり、文化の
外交を行うためにはこれが非常にかぎとなります。
ケベックにおいては、七百万人が人口ですけれ
ども、八〇%の
人たちが
フランス語を話します。ということは、三億人も
英語をしゃべる
人たちの海の中で我々だけが
フランス語をしゃべっているということなんですけれ
ども、北米におきまして。
これによりまして我々は文化的なクリエーティビティーも高めることができました。
言葉を使わない文化です。例えば、モダンダンスとか音楽とかパフォーミングアーツ、ここではマルチ
メディアを使っています。もちろん、
ケベックのすばらしい文化大使の
一つというのがシルク・ドゥ・ソレイユです。これは本当にサーカスの文化を革命的に変えたと言えるでしょう。
文化に関して申し上げますと、
ケベックというのは、やはり
外国におきます文化の影響の重要性をよく理解しています。
ケベックのアーティストが
国際的に成功してきた。これによりまして
ケベックは非常に重要な
影響力というのを享受することができたわけです、人口は少ないにもかかわらず。
パブリックディプロマシー、
広報外交に関して申し上げますと、
ケベックは、
カナダとフランスの
協力を得まして、ユネスコの文化的表現の
多様性の保護と促進に関する条約の採択にこぎ着けることができました。これが二〇〇七年三月十八日に発効しています。
文化の
多様性というのは、やはりいろいろな
人たちが自分
たちの
国際的な環境の中で様々な文化を発展させようと、そして本当の文化間の対話を進めようという意思なんです。ですから、文化の
多様性の原則というのは今日の近代的な
世界観から発しています。お互いの違いを認め合おうという考え方です。つまり、文化が果たす非常に重要な
役割というのを認知しているわけです。社会の結束及びアイデンティティーに非常に重要だということです。
これは、社会の考え方や
価値観を表現するということに結び付いています。だからこそ、それぞれの文化がその自分
たちの領土、テリトリーの中で、そしてまた
国際的な舞台の上できちっとした
立場を確立するということが大事なんです。そのためには、多くの
政府というのは、自分
たちの文化を守るために、そして文化の作品を守るためにそれぞれのプログラムを持っています。今日、七十五か国がこの条約を批准しておりますけれ
ども、
日本はその中に含まれていないのです。
五番目のトピックですが、バーチャル
世界における
日本のプレゼンスであります。
インターネットの完全なポテンシャルはどんなものであるか、どんな働きかけの能力があるかということはまだだれも知りません。そのほかの新しい
メディアについてもそうです。こういう
コミュニケーションツールはもはや無視できないわけでありまして、インターネットは非常に
広報外交で有効なツールであり得るのです。
三つ例を差し上げましょう。
十二年前、私は
テレビリポーターであったんですが、
日本の
漫画についてのドキュメンタリーを制作しました。そのときに、インターネットを使ってDenjiroとつぐみというのを
アクセスして調べました。
漫画ストーリーは
カナダの
フランス語圏でも読まれるようになったために、
ウエブサイトに
フランス語が加わりました。この週末、私はこのDenjiroとつぐみの
ウエブサイトをチェックしたんですが、
英語と
フランス語ばかりでなく、ドイツ語、スペイン語、スウェーデン語、オランダ語、ロシア語、中国語まで加わっていました。
日本のポップ
カルチャーを促進していく上でインターネットはどんな潜在的な
可能性があるかといういい例です。
そして、もう
一つの例ですが、二〇〇一年、GLOCOMの
コミュニケーションプラットフォームが作られたわけですが、これは
国際大学・
情報発信機構が作ったものでありますが、学者、
ジャーナリストが
日本の
ニュース、
意見、議論などについて知る非常にいいフォーラムなのです。
日本の国内外のいろいろな問題に関するフォーラムの
アクセスを提供するものでありまして、
日本の現在の議論、いろんな問題が何であるかということを
日本のビジネスあるいはオピニオンリーダーの貢献を得ながら理解することが可能なのであります。
英語が使われているということが主要な要素でありまして、この
広報外交はそのために成功しています。
それから、観光も
日本のフィージビリティーを高める非常に効果的な
方法です。問題はどうやって
外国人の
観光客を引き付けるかということなんですが、
日本の
政府は今、観光省をつくりつつあります。これは
日本の
イメージを
海外で促進する上で大いに役立つでしょう。
一方、
広報外交の一環としてバーチャル
観光客を
日本に集めるというのはどうでしょうか。インターネットプロバイダーの
協力を得ながら、数百万のバーチャルな
観光客を
日本に一度に誘致するというものです。
漫画クリエーターの場合と同様、このプロジェクトは人口を動員して
日本に関する
ウエブサイトの作成をするということがかかわってきます。いろんな
外国語がこの
ウエブサイトを作成する上で使われるべきです。このクリエーティブなポテンシャルは非常にすばらしいものになり得るというふうに思うのです。
さて、
日本の
コミュニケーション能力という問題でありますが、
国際コミュニケーションの上で
英語は非常に重要であります。
日本は
一つの
言語しか話されておりませんから、第二
言語の重要性を促進すると理解していただくのは難しいかもしれませんが、
日本の方々が
英語を学ぶならば、
国際問題により一層
日本が参加することが可能になるのであります。若い
人たちをバイリンガルにするというためのステップを取ることによって、
日本を大いに利するでありましょう。
第二
言語を学ぶという上では、非常に成功を見たプログラムが
世界にはあります。本
調査会様も是非、
カナダの
言語の教育法、イマージョンプログラムについて研究なさってはいかがでありましょうか。一九七〇年代、
カナダをバイリンガルにしようということで
カナダの学校に導入された教育法であります。多くの親御さん
たちは、導入された当時は非常に懐疑的でありました。ただ、その後の
調査などでも判明したこととしては、第二
言語を話すと認知力も高まるということであります。問題解決能力が高まるということであります。重要な
情報、重要でない
情報を見分けることができるようになるということが示されております。そういう意味で、
日本の
広報外交プログラムの中に、長期の目標としてバイリンガリズム、バイリンガル促進ということを導入したらどうでしょう。
七番目のトピックなんですが、パートナーシップと
広報外交という問題でありますが、強調したいのは、成功する
広報外交というのは、たくさんのパートナーがゴールを、目標を共有することによってそれが実現するのです。
日本のフォーリンプレスセンターは非常に重要な
役割を果たしてきてくださっております。
日本の
外国ジャーナリストに対して
日本のより良い理解を促進してくださっております。毎年プログラムがあって、
ジャーナリストが
日本に十日間滞在をしてフォーリンプレスセンターがいろいろなインタビューなどを設定してくださるというものであります。
また、
ケベックのプロの
ジャーナリストの連盟の一千二百名の中でよく知られているのはその奨励金プログラムでありまして、毎年十二人以上の申請者が、
日本に関してこういう
ストーリーをしようという、そういう申請をするわけです。去年選ばれたのはモントリオールの
テレビホストでありまして、名古屋に関する
報告、
報道をしました。名古屋は
日本のエコロジー首都になろうとしている都市であります。彼女は三十分のラジオプログラムをつくり、そして非常に評判の高いラクチュアリテという雑誌にその
報告を掲載しております。このラクチュアリテという雑誌は購
読者数が百万を超えております。偶然かもしれませんが、この六月、モントリオールの首都圏コミュニティーの市長
たちが
日本に参りましてごみ処理プラントなどを訪れるんですが、そのときに名古屋も二日間滞在するというものであります。
これは小さな例ではありますが、成功した
広報外交プログラムがどんなことができるかということの例でありましょう。
結論として申し上げたいのですが、
広報外交というのは、国の目的意識、その文化、
価値観を促進するものでありまして、単に外向き、外をターゲットとするだけでは不十分なのであります。
日本の国民の中での意識を高めなければならない。市民を取り込んで
日本という国をより
世界に知らしめるということをしなければならないのであります。
日本は、ポピュラーな
漫画カルチャーを促進するという意味で
国際的な
漫画のコンペを行われました。多くの国から百五十人の参加者があったわけであります。これは大変成功いたしました。
もう
一つ日本にとって重要なステップとしては、文化的表現の
多様性保護に関する条約を批准なさることでありましょう。全体的に申しまして、
日本のポピュラリティーを
世界で促進していくとするならば、
広報外交としては、よりポップ
カルチャー、そしてその技術の創造力、クリエーティビティーを促進なさるものが適切であろうかと思います。
ありがとうございました。