○
逢坂委員 民主党の
逢坂誠二でございます。
福田委員に引き続きまして、私からも今回の法案について
幾つかお
伺いいたします。
電子投票に関しては、
皆様方御
承知のとおり、随分メリットもあるというふうに言われております。例えば、開票作業が
迅速化されるとか、開票作業に伴う人件費が削減されるとか、疑問票がほぼなくなるとか、あるいは人口が例えば六億とかいるような国なんかの場合だと
投票用紙を使わないわけだから省資源であるとか、あるいは自書が困難な方に対しては、そういう方の
投票が容易になるとか、あるいはまた、これも海外のことをちょっと頭に置きますと、他言語への対応なども容易になるというようなことで、
電子投票にはいろいろとメリットも多いというふうに言われています。
もう
一つのメリットとして不正行為の排除が可能だというようなことがかつて随分言われていたようですが、最近は紙は紙なりの不正行為があるけれども
電子投票には
電子投票なりの不正行為があるというふうに言われていますので、これはどうも必ずしもメリットではないようであります。
いずれにしても、今私が述べたようなメリットがこの
電子投票にはあると言われているんですが、このメリットの一方で、これから
幾つか列挙させていただきますが、デメリットも多いというふうに言われています。
一つは、まず、
機器の
導入コストが極めて高いということですね。それから次に、
機器を使っている時間、期間というのは極めて限られている、それ以外の期間は保管しておかなければならないということで、この保管の間に
機器の劣化というものが心配されるわけですね。それからもう
一つ、
機器の進歩というかこの分野の技術の進歩が極めて速いわけですから、一度
機器を買っても、年限を経てしまうと、あっという間にそれが旧式のものになる可能性もあるということですね。
それからもう
一つが、
電子投票機をちゃんと機能するように保管しておく場所をどう確保するかというのも相当大きな問題だろう。例えば、現状の
自治体の
選挙用の道具の保管場所などをさまざま見てみますと、記載台だとか
投票函なんというのは、いわゆる倉庫のようなところに入っているわけですね。ところが、この
電子投票の
機器になると、そういうところではきっとまずいのだろうというふうに思うわけです。特に私が住んでおります北海道などでは、倉庫なんかに入れておきますと、寒い時期、暑い時期、結露なんかがよく起きますので、これは電子
機器にとっては最悪の状態になるわけですね。では、
レンタルでやればいいだろうということになるわけですが、
レンタルの
事業者にしたって、保管という点では同じ問題を抱えるわけですね。
それから、今度、
電子投票機器の
トラブルが結構多い。
一つは物理的な
トラブル。可児市の例のように過熱をするというような
トラブルが多い。あるいは、もう
一つは、物理的な
トラブルが発生したことによって、今度は操作する人間の方が焦ってしまうとか、うろたえてしまって
トラブルにつながったという
ケースもあるというふうに聞いております。
それからもう
一つは、
電子投票をやった結果、結果に対する信頼性をどう担保するんだ。
有権者にしてみると、やはり
電子投票というのはブラックボックスだということがあって、紙の
投票のような信頼性というのは必ずしも置けないのではないかというようなことですね。
それから、先ほど
福田委員も
指摘をしておりましたが、画面設計が極めて難しい。公平に画面設計をしていくためにはどうすればいいのだということについては、必ずしも十分な議論がされているわけではない。その代表例として、多人数を一画面に
表示するのは困難であるというようなこと。先ほど五十音を選んでからという話がありましたが、それで本当に
公平性が担保されるのかどうかは疑問だということですね。
それからもう
一つですが、
投票機器にかかわる利権というものが発生しないかということも随分懸念をされております。
それから、今回の当法案では、記憶媒体というもの、記録媒体というものを外して、開票作業のときにまたそれを持ち込むことになっているわけですが、この記憶媒体の原本性というものをどう担保するのか。仮にバックアップをとったとしたって、どれが原本なんだということが必ずしもわかりにくいわけですね。
それから、
電子投票では、電磁記録でありますから、紙に比べると、記憶媒体に対する物理的刺激などで
投票結果が一瞬にして喪失するおそれがあるんですね。紙の場合は、ぬれても一部読めるとか、燃えても、ああ、九割方読めましたねなどということはあるわけですが、電子記録の場合はそうはいかないということですね。あと、簡単なことですが、停電をしたらどうするかというようなことですね。
それから、
最後に、
トラブルがもし
電子投票であったときに、紙の
投票もできますよということに今回の法案はなっていますけれども、
電子投票と紙の
投票を両方用意するんだったら、かえってコストがかかるんじゃないかというような心配もあるわけです。
今ざっと述べましたとおり、実は、
電子投票というのは、非常によいように見えるのですけれども、どうもデメリットもあるんじゃないか。これらの克服がなければ、広範かつ安定的にこの
電子投票というものが広がっていくことは難しいと思うわけでありまして、今私が述べました点について、法案の
提出者はどう対処しようとしているのか、お
伺いしたいと思います。