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福田(昭)
委員 それは、私が想像するにですけれども、多分、文科省の考えとしては、
教育基本法を変えなくても、
教育振興基本計画をしっかりつくれば
日本の
教育の立て直しは可能だ、そう考えたんだと私は思うんです。ところが、学者ばかり集めた中央
教育審議会ですから、学者の人たちは机上の空論で、まずは
教育基本法から、こういう考え方が圧倒的だったんだと私は思います。ですから、午前中に我が党の
委員が、現場の校長
先生の考えとか教員の考えがちょっとわからないんじゃないかという、
大臣にそういう質問もありましたけれども、まさに中央
教育審議会のメンバーもそうだと私は思います。
したがって、中央
教育審議会で出た
意見は、まず
教育基本法から。これは学者としては当然の話だと思います。
教育基本法を変えて、それに附属する三十一本の
法律ですか、これを続いて
改正する、これがまず基本、順番だと思いますけれども、しかし、もともとの文部省の考え方とすれば、その前に急いで対応しなくちゃならない、いじめを初めいろいろな問題がある、これをしっかりと立て直すためには、まず
教育振興基本計画をつくる、これをつくれば
教育基本法をいじらなくてもやれるということで諮問したんだと私は思うんです、これは。
ですから、そんなことを考えれば、そんなことが実はいろいろな調査にも如実にあらわれているんです。実は私、文科省に、
中教審の
答申が出た後、文科省がいろいろなところで地方公聴会をやったりあるいはメールで
意見を求めたりしたんですが、その結果について、
教育基本法の
改正について賛成が何割ぐらいあるんだ、反対が何割ぐらいあるんだ、
内容を理解している人がどれぐらいあるんだ、理解していない人がどれぐらいいるんだということの資料をぜひ出してほしいと言いましたら、そういう資料はないと言うんです、これは。多分都合が悪くて出せないんだと思うんです。七千件ぐらい総数はあったそうです。その割合が実は発表されておりません。
そうした中で、この分厚い資料を見ますと、ここに文科省が発表した資料が載っております。これの三百八十七ページでありますが、「
平成十六年度学校
教育改革についての保護者の意識調査結果」というのがあります。これは
文部科学省がやりました。これはPTAの会員六千名です。小学一年生から中学三年生の保護者でございます。校長
先生じゃありません。
この方たちのアンケートを見ますと、「
教育基本法の見直しについて中央
教育審議会からの
答申内容の認知状況」、
平成十六年度でありますが、
答申の
内容をよく知っているのはわずか〇・九%です。さらに、おおよそ知っているという方は七・〇%。合わせても七・九%しかおりません。さらに、「
教育基本法改正への考え」でありますが、早期に
改正した方がよいという方は四・九%であります。さらに、
答申を踏まえてさらに
議論した上で
改正した方がよい、これが二六%であります。合わせても三〇・九%、三割でございます。
注目すべきは、
平成十五年度と十六年度と調査をしているんですが、十五年度より十六年度の方が、実は反対がふえたり、理解が減っているんです。ということは、
教育基本法の
改正は慎重にというのが私は
国民の
意見じゃないかと思っております、基本的に。多分、都合が悪くて文科省は今までやってきたことを公表できないのかもしれません。都合が悪くなかったらちゃんと発表していただきたい、こう思っております。
そこで、お尋ねを申し上げますが、今回
教育基本法を見直す理由でございますが、国立大学財務・経営センターの市川昭午名誉教授の分類によりますと、
教育基本法を見直した方がいいという理由が五つあると言われております。
一つは、主権を制限された占領下に立法された
法律で、
日本人による見直しが必要とする押しつけ論が一つですね。それから二つ目が、
現行法には紛らわしい表現があるという
規定不備論。それから
三つ目が、一連の
教育荒廃現象が生じるようになったのは、
教育勅語にあった愛国心や規範意識が
現行法には
規定されていないという規範欠落論が
三つ目でございます。それから四つ目が、時代対応論でございます。これは先ほど
伊吹大臣からも話があったかと思いますが、時代対応論。そして五つ目が、憲法
改正を前提にした歴史的見直し論。
この、押しつけ論、
規定不備論、規範欠落論、時代対応論、歴史的見直し論、五つ、見直すべきだという理由があるようでございますが、文科省としてはどういう立場に立たれるんでしょうか。