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2006-06-15 第164回国会 参議院 厚生労働委員会 第28号
公式Web版
会議録情報
0
平成
十八年六月十五日(木曜日) 午前十時一分開会 ─────────────
出席者
は左のとおり。
委員長
山下
英利
君 理 事 岸 宏一君 中村 博彦君
津田弥太郎
君 円 より子君 渡辺 孝男君 委 員 阿部 正俊君 岡田 広君
坂本由紀子
君 清水嘉与子君 武見 敬三君 中原 爽君
西島
英利
君 藤井 基之君 水落 敏栄君 足立 信也君 朝日 俊弘君 家西 悟君
島田智哉子君
下田 敦子君 辻 泰弘君 森 ゆうこ君 山本 保君 小池 晃君
福島みずほ
君
衆議院議員
厚生労働委員長
岸田
文雄
君
国務大臣
厚生労働大臣
川崎
二郎
君 副
大臣
厚生労働
副
大臣
中野 清君
厚生労働
副
大臣
赤松 正雄君
事務局側
常任委員会専門
員 江口 勤君 ───────────── 本日の
会議
に付した案件 ○
社会保障
及び
労働問題等
に関する
調査
(
精神病院
の
用語
の
整理等
のための
関係法律
の 一部を
改正
する
法律案
に関する件) ○
戦傷病者等
の妻に対する
特別給付金支給法
及び
戦没者等
の妻に対する
特別給付金支給法
の一部 を
改正
する
法律案
(
内閣提出
、
衆議院送付
) ○
がん対策基本法案
(
衆議院提出
) ○
進行性化骨筋炎
の
難病指定
に関する
請願
(第一 三
号外
一〇件) ○高校・大学生、
青年
の
雇用
と働くルールに関す る
請願
(第三〇
号外
一七件) ○
患者負担増
の
反対
、
保険
で
安心
してかかれる医 療に関する
請願
(第三九
号外
二二件) ○
憲法
第二十五条を守り、
国民
の命と
暮らし
を保 障することに関する
請願
(第四〇
号外
四件) ○
青年
の
雇用確保
に関する
請願
(第八〇
号外
一件 ) ○安全で行き届いた
医療
・
介護
の
保障
に関する請 願(第一七六
号外
八件) ○老後を支える
最低保障年金制度
の
実現
に関する
請願
(第二〇六
号外
一七件) ○
憲法
第二十五条を守り、
国民
の命と
暮らし
の保 障に関する
請願
(第二七〇
号外
一六件) ○
業者婦人
の健康を守る
施策等
に関する
請願
(第 二七九
号外
三件) ○
安心
できる
介護制度
など
社会保障
の
拡充
に関す る
請願
(第二八二号) ○
年金
・
医療等
の
制度改革
に関する
請願
(第二九 一号) ○
じん肺根絶
に関する
請願
(第三四四
号外
一五件 ) ○
患者
・
国民負担増計画
の
中止
と
保険
で
安心
して かかれる
医療
に関する
請願
(第三六四
号外
二四 件) ○三
障害統合
の美名の下に
精神
を含むすべての障
害者
に対する
人権侵害
の
反対
に関する
請願
(第 四〇二
号外
一件) ○
保育
・
学童保育
・
子育て支援施策
の
拡充
と
予算
の
大幅増額
に関する
請願
(第四一〇
号外
三七件 ) ○
安心
で行き届いた
医療
・
介護
に関する
請願
(第 四四六
号外
九件) ○
患者負担増計画
の
中止
と
保険
で
安心
してかかれ る
医療
に関する
請願
(第四六〇
号外
九三件) ○
患者負担増
への
反対
、
保険
で
安心
してかかれる
医療
に関する
請願
(第四八一
号外
二件) ○命と健康を奪う
医療制度改革関連法案
、
患者負
担増の
反対
に関する
請願
(第四九一
号外
四件) ○
患者負担増
の
中止
に関する
請願
(第五〇三号) ○
保育
を必要とする
子供たち
への国からの補助に 関する
請願
(第五二一
号外
一三件) ○
パーキンソン病患者
の
療養生活
上の諸
問題救済
策に関する
請願
(第五六八
号外
一七件) ○
患者
・
国民負担増計画中止
と
保険
で
安心
してか かれる
医療
に関する
請願
(第六一一
号外
三五件 ) ○
安心
して透析を受けられる
医療制度改革
に関す る
請願
(第六四四
号外
四七件) ○
遺族年金
の併給に関する
請願
(第七四七号) ○
保育
・
学童保育
・
子育て支援施策拡充
と
予算
の
大幅増額
に関する
請願
(第七七〇号) ○新しい
高齢者医療制度
の
創設
に関する
請願
(第 八五九号) ○無
免許マッサージ
から
国民
を守る
法改正
に関す る
請願
(第八六一
号外
一四八件) ○
パートタイム労働者
の
均等待遇実現
に関する請 願(第八八四
号外
九件) ○
男女
が共に
仕事
と家庭を両立させ人間らしく働 けるための
男女雇用機会均等法
の
抜本改正
に関 する
請願
(第九三四
号外
九件) ○
腎疾患総合対策
の
早期確立
に関する
請願
(第九 六九
号外
八六件) ○
小規模作業所等成人期障害者施策
に関する
請願
(第一〇八九号) ○
男女雇用機会均等法等
の
改正
に関する
請願
(第 一一五七
号外
一七件) ○
患者負担増計画中止
と
保険
で
安心
してかかれる
医療
に関する
請願
(第一一七三
号外
三三件) ○
男女雇用機会均等法等
の
抜本改正
に関する
請願
(第一一九四
号外
八件) ○
カネミ油症被害者
の抜本的な
恒久救済対策
の完 全実施に関する
請願
(第一三二九
号外
二二件) ○
障害者
の
福祉
・
医療サービス
の
利用
に対する応
益負担
の
中止
に関する
請願
(第一三三九
号外
二 〇件) ○
難病
、
長期慢性疾患
、
小児慢性疾患
に対する総
合的対策
に関する
請願
(第一三六一
号外
八〇件 ) ○
患者
・
国民負担増計画
の
中止
、
保険
で
安心
して かかれる
医療
に関する
請願
(第一三八二
号外
一 件) ○
介護療養病床
の全廃、
医療療養病床
の
大幅削減
に
反対
し、
療養
・
介護
の
環境
及び
サービス
の整 備・
拡充
を行うことに関する
請願
(第一三九九
号外
三三件) ○だれもが
安心
して良い
医療
を受けられるよう国 民皆
保険制度
を守ることに関する
請願
(第一四 〇一
号外
三件) ○
医療改悪
や庶民大増税をやめ
最低保障年金制度
を
実現
することに関する
請願
(第一四二五
号外
一〇件) ○
助産所
と自宅における出産の
安全性
の
確保
と支 援に関する
請願
(第一四六八
号外
四件) ○
はり灸治療
の
健康保険適用
の
拡大
に関する
請願
(第一四九四
号外
九件) ○
患者負担増中止
に関する
請願
(第一四九七
号外
三件) ○命の不平等を
拡大
する
混合診療
の
解禁反対
、特 定
療養費制度
の
拡大反対
に関する
請願
(第一五 一六号) ○
患者負担増反対
、
保険
で
安心
してかかれる
医療
に関する
請願
(第一五九六
号外
四件) ○
医療費窓口負担
の
軽減
、
介護保険
の
改善
に関す る
請願
(第一六一五号) ○
介護保険
・
障害者福祉
の
利用制限
や
負担増
など の
改悪
に
反対
し、
制度
の
改善
を行うことに関す る
請願
(第一六一六
号外
一件) ○ゆうメイトの
雇用
を守り、
労働条件
の
改善
を行 うことに関する
請願
(第一七〇七
号外
九件) ○
医療改革法案
の
撤回
と
医療
の
充実
に関する
請願
(第一七二〇
号外
一四件) ○総合的な肝
疾患対策
の
拡充
に関する
請願
(第一 七八二
号外
二二件) ○
季節労働者対策
に関する
請願
(第一八一〇
号外
二件) ○
患者
・
国民負担増計画
の
中止
及び
保険
で
安心
し てかかれる
医療
に関する
請願
(第一八九〇
号外
三件) ○
患者
・
国民
の願いである
安心
で行き届いた
医療
の
確立
に関する
請願
(第一九三九
号外
一五件) ○無
年金
の
在日外国人障害者
・
高齢者
の
救済
に関 する
請願
(第二一五六
号外
三二件) ○
障害者自立支援法
の撤廃に関する
請願
(第二一 七五号) ○
患者
の
負担増反対
、
保険
で
安心
してかかれる医 療に関する
請願
(第二一七七
号外
一件) ○
医療費負担増反対
、
患者負担
の
軽減
に関する請 願(第二一九三
号外
二件) ○
療養病床
の廃止・
削減
及び
患者負担増
の
反対
に 関する
請願
(第二二六〇
号外
一二件) ○
公共事業
における
労働者
と
中小業者
の
仕事
と適 正な収入の
確保等
に関する
請願
(第二三二四号 外四二件) ○
サービス利用
の
制限
や
負担増
など
介護保険
の改 悪に
反対
し、
改善
を行うことに関する
請願
(第 二三三二
号外
四件) ○FOP(
進行性骨化性線維
異
形成症
)の
特定疾
患治療研究事業
の
対象疾患
への
指定
(
難病指定
)に関する
請願
(第二三四三
号外
一件) ○てんかんを持つ人の
医療
と
福祉
の
向上
に関する
請願
(第二三六八
号外
一二件) ○いつでもどこでもだれでも
医療
にかかれる優れ た
医療制度
を守り
拡充
することに関する
請願
( 第二五一八
号外
四件) ○
患者
・
国民負担増計画中止
、
保険
で
安心
してか かれる
医療
に関する
請願
(第二五四一
号外
五件 ) ○国の
乳幼児医療費無料制度創設
に関する
請願
( 第二五四五
号外
四件) ○
小規模作業所等
の
成人期障害者施策
に関する請 願(第二五七七
号外
一八一件) ○すべての
リハビリテーション対象者
へのリハビ リテーションの
継続
と
機会
に関する
請願
(第二 八一九号) ○いつでもどこでもだれでも
医療
にかかれる
日本
の優れた
医療制度
を守り
拡充
することに関する
請願
(第二八八〇号) ○安全・
安心
の
医療
と
看護
の
実現
に関する
請願
( 第二九〇二号) ○
患者負担増
への
反対
と
保険
で
安心
してかかれる
医療
に関する
請願
(第二九七一
号外
三件) ○
公的医療保険
での十分な
医療保障
に関する
請願
(第二九七三号) ○
最低賃金
の時間額千円以上への
引上げ
と全国一
律最低賃金
の
法制化
に関する
請願
(第三〇七二
号外
一件) ○
医療改革法案
の
撤回
と
窓口負担
の引下げに関す る
請願
(第三〇七五号) ○
医療改革法案
の
撤回
と
医療制度改善
に関する請 願(第三一六四号) ○空前の
患者負担
の
引上げ
をやめ、
保険証
一枚で
安心
してかかれる
医療保険制度
を守ることに関 する
請願
(第三二〇四号) ○だれでも
保険
で
安心
してかかれる
医療
に関する
請願
(第三三九二号) ○
医療費負担増反対
、
患者負担軽減
に関する
請願
(第三四〇六号) ○
継続調査要求
に関する件 ○
委員派遣
に関する件 ─────────────
山下英利
1
○
委員長
(
山下英利
君) ただいまから
厚生労働委員会
を開会いたします。
社会保障
及び
労働問題等
に関する
調査
のうち、
精神病院
の
用語
の
整理等
のための
関係法律
の一部を
改正
する
法律案
に関する件を
議題
といたします。 本件につきましては、
西島英利
君から
委員長
の
手元
に
精神病院
の
用語
の
整理等
のための
関係法律
の一部を
改正
する
法律案
の
草案
が
提出
をされております。
内容
はお
手元
に配付のとおりでございます。 この際、まず
提案者
から
草案
の
趣旨
について
説明
を
聴取
いたします。
西島英利
君。
西島英利
2
○
西島英利
君 ありがとうございます。 ただいま
議題
となりました
精神病院
の
用語
の
整理等
のための
関係法律
の一部を
改正
する
法律案
の
草案
につきまして、その
内容
を御
説明
申し上げます。
我が国
の
精神障害者施策
は、明治三十三年の
精神病者監護法
に始まり、
昭和
二十五年の
精神衛生法制定
後も、
精神病院
への
収容主義
の下で行われてきました。このような
歴史的経緯
から、
精神病院
という
用語
には、
医療
を行う
施設
ではなく
精神病者
を収容する
施設
という
イメージ
が残っております。そのことが、
精神科医療機関
に対する
国民
の正しい
理解
の深化や
患者
の自発的な受診の妨げとなっております。
精神障害者施策
については、
昭和
四十年以後、
入院医療中心
の
治療体制
から
地域
におけるケアを
中心
とする
体制
へという流れの中で、
精神医療
における
人権
の
確保
、
社会復帰
の
促進
や
精神障害者
の
自立
と
社会参加
の
促進
という
理念
の下に、順次、
改善
・
向上
が図られてきたところであります。 しかしながら、
精神病院
という
法令用語
については、
精神病者
の
収容施設
であるとの
イメージ
が残ったまま、その後も変更されることなく今日に至っている
状況
にあります。 そこで、
精神病者
を収容する
施設
という
イメージ
を払拭するため、
精神病院
という
用語
を、
患者
や
患者
の家族が
心理的抵抗
を感じることが少なく、かつ、
専門的医療
を
提供
する
施設
であることが明らかな
精神科
という
診療科名
を用いて、
精神科病院
という
用語
に改めることにより、
精神科医療機関
に対する
国民
の正しい
理解
を深めるとともに、
患者
が受診しやすい
環境
を醸成することが必要となっています。
本案
は、こうした
状況
にかんがみ、
精神保健
及び
精神障害者福祉
に関する
法律等
における
精神病院
という
用語
を
精神科病院
という
用語
に改めるものであります。 この
用語
の
改正
によって、うつ病などの
患者
が
精神科
を受診しやすい
環境
が醸成されることは、近年、大きな社会問題となっている
自殺者
の増加に対する
対策
としても重要であると考えられます。 そのほか、
警察官職務執行法
には
精神病者収容施設
という
用語
が用いられておりますが、以上のような
趣旨
にかんがみると、
法律
で用いられる
用語
として不適当であると考えられますので、あわせて、この
用語
を削除することとしております。 なお、この
法律
は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行することとしております。 以上が、この
法律案
の
草案
の
趣旨
及びその
内容
の
概要
であります。 何とぞ
委員各位
の御賛同をお願い申し上げます。
山下英利
3
○
委員長
(
山下英利
君) 本
草案
に対し、
質疑
、御
意見等
がございましたら御
発言
願います。──別に御
発言
もないようですから、本
草案
を
精神病院
の
用語
の
整理等
のための
関係法律
の一部を
改正
する
法律案
として本
委員会
から
提出
することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
山下英利
4
○
委員長
(
山下英利
君) 御
異議
ないと認めます。よって、さよう決定いたします。 なお、本
会議
における
趣旨説明
の
内容
につきましては
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
山下英利
5
○
委員長
(
山下英利
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
山下英利
6
○
委員長
(
山下英利
君) 次に、
戦傷病者等
の妻に対する
特別給付金支給法
及び
戦没者等
の妻に対する
特別給付金支給法
の一部を
改正
する
法律案
を
議題
とし、
政府
から
趣旨説明
を
聴取
いたします。
川崎厚生労働大臣
。
川崎二郎
7
○
国務大臣
(
川崎二郎
君) ただいま
議題
となりました
戦傷病者等
の妻に対する
特別給付金支給法
及び
戦没者等
の妻に対する
特別給付金支給法
の一部を
改正
する
法律案
について、その
提案
の
理由
及び
内容
の
概要
を御
説明
申し上げます。
戦傷病者等
の
妻等
に対しましては、その置かれた
状況
にかんがみ、これまで
特別給付金
として
国債
を
支給
してきたところでありますが、今回、これらの方々に改めて
特別給付金
を
支給
すること等とし、
関係
の
法律
を
改正
しようとするものであります。 以下、この
法律案
の
概要
について御
説明
申し上げます。 第一は、
戦傷病者等
の妻に対する
特別給付金支給法
の一部
改正
であります。これは、
特別給付金国債
の
償還
を終えた
戦傷病者等
の妻に対して、改めて
特別給付金
として
額面
百万円、十年
償還
の
国債
を
支給
すること等とするものであります。また、
特別給付金国債
の
償還
を終えたときに、夫たる
戦傷病者等
が平病死している場合、その妻に
特別給付金
として
額面
五万円、五年
償還
の
国債
を
支給
することとしております。 第二は、
戦没者等
の妻に対する
特別給付金支給法
の一部
改正
であります。これは、
戦傷病者等
の妻として
支給
を受けた
特別給付金国債
の
償還
を終えたときに、夫たる
戦傷病者等
の
死亡
により
戦没者等
の妻となっている方に対して
特別給付金
を
支給
するものであります。 以上が、この
法律案
の
提案理由
及び
内容
の
概要
であります。 何とぞ、御
審議
の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
山下英利
8
○
委員長
(
山下英利
君) 以上で
趣旨説明
の
聴取
は終わりました。 これより
質疑
に入ります。──別に御
発言
もないようですから、これより
討論
に入ります。──別に御
意見
もないようですから、これより直ちに
採決
に入ります。
戦傷病者等
の妻に対する
特別給付金支給法
及び
戦没者等
の妻に対する
特別給付金支給法
の一部を
改正
する
法律案
に
賛成
の方の
挙手
を願います。 〔
賛成者挙手
〕
山下英利
9
○
委員長
(
山下英利
君)
全会一致
と認めます。よって、
本案
は
全会一致
をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、
審査報告書
の
作成
につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
山下英利
10
○
委員長
(
山下英利
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
山下英利
11
○
委員長
(
山下英利
君) 次に、
がん対策基本法案
を
議題
とし、
提出者衆議院厚生労働委員長岸田文雄
君から
趣旨説明
を
聴取
いたします。
岸田文雄
君。
岸田文雄
12
○
衆議院議員
(
岸田文雄
君) ただいま
議題
となりました
がん対策基本法案
について、その
提案理由
及び
内容
を御
説明
申し上げます。
本案
は、
我が国
の
がん対策
がこれまでの取組により進展し、
成果
を収めてきたものの、なお、
がん
が
国民
の生命及び健康にとって重大な問題となっている
現状
にかんがみ、
がん対策
の一層の
充実
を図るため、
がん対策
に関し、
基本理念
を定め、国、
地方公共団体等
の責務を明らかにし、
がん対策
を総合的かつ計画的に
推進
しようとするもので、その主な
内容
は次のとおりであります。 第一に、
がん
の克服を目指し
研究
を
推進
するとともに、その
成果
を普及・活用し発展させること、
がん患者
がその居住する
地域
にかかわらず、
科学的知見
に基づく適切な
がん医療
を受けることができるようにすること等を
がん対策
の
基本理念
として定めること。 第二に、
政府
は、
がん対策
の総合的かつ計画的な
推進
を図るため、
がん対策推進基本計画
を策定することとし、
厚生労働大臣
は、
基本計画
の案の
作成
に当たり、
関係行政機関
の長と協議するとともに、
がん対策推進協議会
の
意見
を聴くものとすること。 また、
都道府県
は、
がん対策推進基本計画
を
基本
とするとともに、
都道府県
における
がん患者
に対する
がん医療
の
提供
の
状況等
を踏まえ、
都道府県がん対策推進計画
を策定するものとすること。 第三に、
基本的施策
として、
がん
の予防の
推進
、
がん検診
の質の
向上等
のために必要な
施策
を講ずること、
がん
の
専門医等
の
育成
、拠点となる
病院
や
連携協力体制
の
整備
、
がん患者
の
療養生活
の質の
維持向上
及び
がん医療
に関する
情報
の
収集提供体制
の
整備等
のために必要な
施策
を講ずること、並びに、
がん研究
の
促進
、
がん医療
を行う上で特に
必要性
が高い医薬品・
医療機器
の
早期
の承認に資する
環境整備
のために必要な
施策
を講ずることを定めること。 第四に、
厚生労働省
に、
がん対策推進基本計画
の案の
作成
に際し
意見
を聴くため、
がん患者等
を代表する者、
がん医療
に従事する者及び
学識経験者
から構成される
がん対策推進協議会
を設置すること。 なお、この
法律
は、
平成
十九年四月一日から施行すること。 以上が、
本案
の
提案理由
及びその
内容
であります。 何とぞ、御
審議
の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
山下英利
13
○
委員長
(
山下英利
君) 以上で
趣旨説明
の
聴取
は終わりました。 これより
質疑
に入ります。──別に御
発言
もないようですから、これより
討論
に入ります。──別に御
意見
もないようですから、これより直ちに
採決
に入ります。
がん対策基本法案
に
賛成
の方の
挙手
を願います。 〔
賛成者挙手
〕
山下英利
14
○
委員長
(
山下英利
君)
全会一致
と認めます。よって、
本案
は
全会一致
をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、
津田
君から
発言
を求められておりますので、これを許します。
津田弥太郎
君。
津田弥太郎
15
○
津田弥太郎
君 私は、ただいま可決されました
がん対策基本法案
に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、
日本共産党
及び社会民主党・
護憲連合
の各
会派共同提案
による
附帯決議案
を
提出
いたします。 案文を朗読いたします。
がん対策基本法案
に対する
附帯決議
(案)
がん
が
日本
人の
死亡原因
の三十一パーセントに上り、年間三十万人以上もの
患者
が命を失っている
現状
にかんがみ、国を挙げて「
がん
との闘い」に取り組むとの意志を明確にするとともに、
がん対策基本法
の
制定
をもって、
我が国
の
がん医療
を
改善
する契機とするため、
政府
は、次の事項について、適切な
措置
を講ずるべきである。 一、本法により
創設
される「
がん対策推進協議会
」については、
政府
の策定する「
がん対策推進基本計画
」の
立案
に積極的に関与する
機関
であるとの位置づけにのっとり、その
機能
が十分に発揮できるよう配慮すること。その際、
がん医療
に関連する他の
検討会等
との
役割分担
や
連携
の強化にも努めること。 二、「
がん対策推進基本計画
」については、「
健康フロンティア戦略
」及び「
がん対策推進アクションプラン
二〇〇五」において、
平成
二十六年までの十年間に「五年
生存率
を二十パーセント
改善
する」との目標が確認されていることを踏まえ、
関係
府省との
連携
の下、速やかに策定すること。 三、「
がん対策推進協議会
」の
委員構成
については、
がん患者
が初めて
がん医療
の
政策立案過程
に参画できるようになったことの意義を重く受け止め、
がん患者
の意向が十分に反映されるよう配慮すること。 四、
がん医療
に関する
情報提供
については、
がん患者
が
医療機関
を選択する際に役立つよう、各
がん専門医療機関
の
専門分野
、専門的な
知識
及び技能を有する
医師
その他の
医療従事者
の数や設備の
状況
などの
医療機能情報
が、
患者
の視点に立って適切に
提供
される
体制
を整えること。 五、
がん
の
治療法
に関する
情報
については、
手術療法
、
放射線療法
、
化学療法
その他の
がん
の
治療法
についての最新の
情報
を、できる限り平易な言葉で
国民
に
提供
する
体制
を整えること。 六、病状、
治療方法等
について、
患者
が
医師等
の
説明
を
理解
し、納得した上で
治療法
の選択ができるよう、正確かつ適切な
情報提供
の
推進
、
セカンドオピニオン外来
・
医療相談室
の
拡充
に努めること。あわせて、
セカンドオピニオン
を受けるために必要な
診療状況
を示す文書や
データ等
の
提供
について、
患者
の求めに応じて迅速かつ適切に対応するよう、
医療機関
に
周知徹底
を図ること。 七、
がん専門医等
の
養成
と
配置
については、
がん治療
の
水準向上
のために
確保
すべき
外科医
、
放射線腫瘍医
、
腫瘍内科医
、
病理医
、
麻酔医
などの
医師
その他の
医療従事者
の
養成
や常勤での
配置
、並びに新たな
診断機器
や
治療機器等
の開発、
配備等
の諸課題を検討するため、
厚生労働省
、
文部科学省等
の
関係
府省による
連絡調整
を随時行い、その
協議内容
を「
がん対策推進協議会
」に報告すること。 八、
放射線療法
及び
化学療法
については、
がん医療
における
重要性
が高まってきていることを踏まえ、卒前
教育
、卒後の
臨床研修
の各段階において、適切な
教育
、
研修
が行われるよう、必要な
措置
を講ずるとともに、これらの
分野
に関する
人材
の
育成
と専門的な
教育研究体制
の
充実
を図ること。また、
放射線療法
の
品質管理
が十分に行われるよう、適切な
措置
を講ずるとともに、あわせて、専門的な
人材
の
育成
に努めること。 九、
がん専門医
の
研修
については、
国立がんセンター等
における
がん専門医育成
のための
研修コース
を
拡充
するとともに、効果的な
研修
を可能とするための方策を検討し、必要な
措置
を講ずること。 十、
がん医療
においても
チーム医療
による対応の
必要性
が増していることにかんがみ、
看護師
、薬剤師、
診療放射線技師等
のコメディカル・スタッフの
専門的知識
、技術の習得が
促進
されるよう、必要な
措置
を講ずること。 十一、
地域
における
がん医療
の
充実
については、
医療計画
における
がん診療体制
の
整備
に関して、
地域
の
医療機関
が、それぞれの
診療レベル
に応じて
機能
分担し、
連携
を強化することによって、質の高い
がん医療
を適切に
提供
できる
体制
を整えること。 十二、緩和ケアについては、
がん患者
の生活の質を
確保
するため、緩和ケアに関する専門的な
知識
及び技能を有する
医療従事者
の
育成
に努めるとともに、自宅や
施設
においても、適切な
医療
や緩和ケアを受けることができる
体制
の
整備
を進めること。 十三、
がん治療
に係る新薬及び新規
医療機器
の承認については、海外で使用されながら
日本
国内では未承認のために使用できない抗
がん
剤等の医薬品及び
医療機器
について、
早期
に使用できるよう、多
施設
共同
研究
の
推進
や、有効性・
安全性
に関する審査の迅速化など、なお一層の
促進
策を講ずること。 十四、抗
がん
剤の
保険
適用について、認められている効能以外の
がん
にも有用性が認められ、薬事法上の承認を得た場合は直ちに
保険
適用とすること。 十五、DPC(診断群分類別包括評価)対象
病院
の
拡大
に伴って、最善の
医療
を
提供
できなくなることがないよう、診療
内容
を検証するとともに、適正な診療報酬の設定に努めること。 十六、
がん
登録については、
がん
罹
患者
数・罹患率などの疫学的
研究
、
がん検診
の評価、
がん医療
の評価に不可欠の
制度
であり、院内
がん
登録
制度
、
地域
がん
登録
制度
の更なる
推進
と登録精度の
向上
並びに個人
情報
の保護を徹底するための
措置
について、本法成立後、検討を行い、所要の
措置
を講ずること。 十七、予防・
早期
発見
体制
の
充実
については、
がん
の
早期
発見のための
知識
や予防法の普及を図ること。また、最新の知見に基づき有効性が高いと認められる
がん検診
を
地域
における検診の項目に位置づけること。 十八、
がん検診
については、最新の
診断機器
の効率的
利用
や撮影技師の技能
向上等
により、
早期
発見率を
向上
させるとともに、
がん検診
の事後評価を
推進
すること。 十九、
がん
をはじめとする生活習慣病の予防を
推進
するため、革新的な
がん
の予防についての
研究
の
促進
及びその
成果
の活用、喫煙が健康に及ぼす影響に関する啓発及び
知識
の普及を図るほか、喫煙者数の減少に向け、たばこに関するあらゆる健康増進策を総合的に実施すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ、
委員各位
の御賛同をお願い申し上げます。
山下英利
16
○
委員長
(
山下英利
君) ただいま
津田
君から
提出
されました
附帯決議案
を
議題
とし、
採決
を行います。 本
附帯決議案
に
賛成
の方の
挙手
を願います。 〔
賛成者挙手
〕
山下英利
17
○
委員長
(
山下英利
君)
全会一致
と認めます。よって、
津田
君
提出
の
附帯決議案
は
全会一致
をもって本
委員会
の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、
川崎厚生労働大臣
から
発言
を求められておりますので、この際、これを許します。
川崎厚生労働大臣
。
川崎二郎
18
○
国務大臣
(
川崎二郎
君) ただいま御決議のありました本法案に対する
附帯決議
につきましては、その
趣旨
を十分尊重し、努力してまいる所存でございます。
山下英利
19
○
委員長
(
山下英利
君) なお、
審査報告書
の
作成
につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
山下英利
20
○
委員長
(
山下英利
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
山下英利
21
○
委員長
(
山下英利
君) 次に、
請願
の審査を行います。 第一三号
進行性化骨筋炎
の
難病指定
に関する
請願
外千三百四十二件を
議題
といたします。 これらの
請願
につきましては、理事会において協議の結果、第九六九号
腎疾患総合対策
の
早期確立
に関する
請願
外八十六件及び第一三六一号
難病
、
長期慢性疾患
、
小児慢性疾患
に対する総
合的対策
に関する
請願
外八十件はいずれも採択すべきものにして内閣に送付するを要するものとし、その他の
請願
はいずれも保留とすることになりました。 以上のとおり決定することに御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
山下英利
22
○
委員長
(
山下英利
君) 御
異議
ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。 なお、
審査報告書
の
作成
につきましては、これを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
山下英利
23
○
委員長
(
山下英利
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
山下英利
24
○
委員長
(
山下英利
君) 次に、
継続調査要求
に関する件についてお諮りいたします。
社会保障
及び
労働問題等
に関する
調査
につきましては、閉会中もなお
調査
を
継続
することとし、本件の
継続調査要求
書を議長に
提出
したいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
山下英利
25
○
委員長
(
山下英利
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の
作成
につきましては
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
山下英利
26
○
委員長
(
山下英利
君) 御
異議
ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
山下英利
27
○
委員長
(
山下英利
君) 次に、
委員派遣
に関する件についてお諮りいたします。 閉会中の
委員派遣
につきましては、その取扱いを
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ございませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
山下英利
28
○
委員長
(
山下英利
君) 御
異議
ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時二十五分散会