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2006-04-27 第164回国会 参議院 外交防衛委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十八年四月二十七日(木曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  四月二十五日     辞任         補欠選任      藤末 健三君     白  眞勲君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         舛添 要一君     理 事                 浅野 勝人君                 山本 一太君                 榛葉賀津也君                 柳田  稔君                 高野 博師君     委 員                 愛知 治郎君                 岡田 直樹君                 金田 勝年君                 川口 順子君                 小泉 昭男君                 浅尾慶一郎君                 犬塚 直史君                 今泉  昭君                 佐藤 道夫君                 白  眞勲君                 遠山 清彦君                 緒方 靖夫君                 大田 昌秀君    国務大臣        外務大臣     麻生 太郎君        国務大臣        (防衛庁長官)  額賀福志郎君    副大臣        防衛庁長官   木村 太郎君        外務大臣    金田 勝年君    大臣政務官        防衛庁長官政務        官        愛知 治郎君        外務大臣政務官  遠山 清彦君    事務局側        常任委員会専門        員        泊  秀行君    政府参考人        内閣官房内閣審        議官       鈴木 敏郎君        内閣官房内閣審        議官       樽井 澄夫君        内閣官房内閣参        事官       中島 明彦君        防衛庁防衛局長  大古 和雄君        防衛庁運用局長  山崎信之郎君        外務大臣官房審        議官       遠藤 善久君        外務大臣官房参        事官       梅田 邦夫君        外務大臣官房参        事官       伊藤 秀樹君        外務省北米局長  河相 周夫君        外務省国際情報        統括官      中村  滋君        財務省主計局次        長        鈴木 正規君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○外交防衛等に関する調査  (テロ対策特措法に基づく対応措置に関する基  本計画変更に関する件) ○国際民間航空条約第五十六条の改正に関する千  九百八十九年十月六日にモントリオールで署名  された議定書締結について承認を求めるの件  (内閣提出衆議院送付) ○国際水路機関条約改正議定書締結について  承認を求めるの件(内閣提出衆議院送付) ○国際海事機関条約改正簡易化委員会の設置  )の受諾について承認を求めるの件(内閣提出  、衆議院送付)     ─────────────
  2. 舛添要一

    委員長舛添要一君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る二十五日、藤末健三君が委員を辞任され、その補欠として白眞勲君が選任されました。     ─────────────
  3. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  外交防衛等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官鈴木敏郎君外十名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  5. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 外交防衛等に関する調査のうち、テロ対策特措法に基づく対応措置に関する基本計画変更に関する件を議題といたします。  まず、本件について政府から報告を聴取いたします。額賀防衛庁長官
  6. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは座っていいんですか。
  7. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 着席のままお願いいたします。
  8. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) テロ対策特措法に基づく対応措置に関する基本計画変更について御報告を申し上げます。  テロ対策特措法基本計画変更が四月二十日の安全保障会議を経た後、四月二十一日の閣議で決定されました。具体的には、協力支援活動等外国の領域で実施する自衛隊部隊等派遣期間を六か月間延長し、平成十八年十一月一日までとすることといたしました。  次に、今回の基本計画変更に係る背景について御説明をいたします。  テロとの闘いに対する国際社会取組は依然として継続しており、アフガニスタンにおいては、不朽自由作戦の一環としてのアルカイダ等掃討作戦等継続しております。  また、インド洋上においては、テロリスト等海上移動を阻止するための海上阻止活動米軍等継続しており、これまでにアルカイダ関連の疑いがある乗組員の拘束、武器麻薬等の押収などの成果を上げるとともに、海上におけるテロリスト等活動を未然に防止する抑止効果を発揮しております。  その一方で、昨年のロンドンやエジプトでのテロ等アルカイダ関与が疑われるテロ世界各地で引き続き引き起こされております。アルカイダは、今後もテロ計画し、実施する能力を有していると考えられ、国際社会によるテロとの闘いは今後も継続する見通しであると考えられます。  このように、アルカイダ等によってもたらされている国際テロ脅威が現在も継続していること、また国際社会テロとの闘いへの取組継続していることなどから、我が国としても、テロとの闘いを自らの安全保障の問題と認識し、国際社会と協調しつつふさわしい責任を果たすため、引き続き、テロ対策特措法に基づく活動継続することといたしたものであります。  次に、国際社会テロとの闘いへの取組を支援するために、これまで自衛隊が実施した補給輸送実績について申し上げます。  海上自衛隊については、現在、補給艦おうみ」及び護衛艦「いなづま」がインド洋北部において活動中であり、これらを含めこれまでに派遣された艦艇は延べ五十一隻に上ります。特に、平成十六年度末に就役した最新の補給艦である「おうみ」には、女性自衛官居住施設が整備されており、現在インド洋においては、テロ対策特措法に基づく活動開始以来初の参加となる女性自衛官十六名が活動しております。  これらの艦艇により、平成十三年十二月二日以降本年四月十八日までの間に、米、英、仏、パキスタン等艦艇艦船用燃料を六百十五回、約四十三万キロリットルを提供し、その総額は概算値にして約百七十九億円となっております。また、平成十六年十一月以降、艦艇搭載ヘリコプター用燃料を三十三回、水を五十九回補給しております。  また、航空自衛隊については、C1輸送機等により、平成十三年十一月二十九日以降本年四月十八日までの間に、計三百九回の国内及び国外輸送を行っております。  このような我が国活動は、諸外国が行っている海上阻止活動等の効率的な実施に寄与するなど重要な意義を有し、給油先である米、英、仏、パキスタン等のみならず、アフガニスタンなどの関係国からも高い評価を得ているところであります。  最後に、防衛庁といたしましては、テロ対策特措法に基づく基本計画が今般変更されたことを受け、更に一層、国際テロ根絶のために国際社会一員として責任を果たし得るよう、また国民の期待にもこたえることができるよう、全力を尽くしてまいりたいと考えておりますので、委員各位におかれましては、御理解、御協力お願い申し上げる次第であります。  以上です。
  9. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 以上で報告の聴取は終わりました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  10. 小泉昭男

    小泉昭男君 ただいまテロ特措法変更に関する御説明をいただきました。  まず冒頭に、先般、基地再編の問題で御質問申し上げたことがございましたが、大変に前向きに各自治体との、地域との話合いを進めていただきまして、神奈川県の相模原補給廠跡地の返還につきましては、先般ここで御質問申し上げました中で、大変ポイントをしっかりと確認をいただいて実行していただきましたことに改めて敬意を表したいと思います。  相模原補給廠のことでございますけれども、あの鉄道と道路部分、大変な御苦労の中で調整いただいたと思いますので、心から感謝を申し上げたいと思いますが、なお一層お願いしておきたいことがございまして御発言をお許しいただきたいと思います。  それは、当然これは無償譲与ということでございましょうし、財政優遇措置、こういうものについてもこれから鋭意御協力方お願いをしたいと、こういうふうに思います。それとあと相模原補給廠の、今回前向きに御協力、御理解をいただいた部分のほかに、JR横浜線と平行した道路用地延長で約一千四百メートル、この部分についても大変地元では重要な位置付けになっておりまして、ここについてもできれば前向きな御検討をいただきたい、私の方からもそういうふうにお願いをしておきたいなと、こういうふうに思います。  それと、最近の状況でございますが、以前も御質問申し上げましたが、横須賀の原子力空母の件につきまして、大変に地域方々も、市議会議員方々が現地に赴き視察をいただいたり、そういう方向の中で一定安全性確認が図られているということをつぶさに見られたようでありまして、自民党市議団一定方向理解をしていこうという、こういう見解をまとめたやにも伺っております。これも、私もいい方向であるなと、こういうふうに思いますので、これからあとキャンプ座間の問題もございますから。  キャンプ座間については、地域自治体の御関係皆さん方もかたくなに姿勢を崩しておりません。そういう中で、何か歩み寄る部分、そしてまた国を守るということには理解をいただいているようでありますから、また真摯な御努力をいただければなと、こういうふうに思います。  冒頭にそのことを申し上げて、それではテロ特措法、これについての御質問に入らせていただきたいと思いますが、これは半年間延長していくということでございますけれども、これ、テロ特措法継続必要性、これはもうあえて言うまでもない部分がございますが、まだまだ国民の間には理解をされていないような部分もあるんじゃないかな、こういうふうに思いまして、この継続必要性と撤収できる部分があるのかどうか、その時期、それとテロ掃討作戦現状、これについて御見解をお示しいただきたいと思います。
  11. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) まず、基本計画必要性なんでありますけれども、これは依然として、昨年もロンドンの地下鉄の爆破テロ事件がありまして、アルカイダ及びその関連組織等関与が行われているテロ事件が引き続いて世界発生をしていると。そういう中で、国際社会我が国も含めてテロとの戦いというものは継続されていると。そのために、我々も国際社会一員として、引き続いてこのテロ撲滅作戦には我々も一定の貢献をしていくことが必要ではないかというふうに思っておるわけであります。  不朽自由作戦については、現在、多くの国がアフガニスタン本土部隊将校等派遣しておりまして、またインド洋上においてテロリスト等海上を通じた拡散を阻止するための海上阻止活動が行われているわけでございます。  我が国は、このテロ対策特措法に基づきまして、海上自衛隊艦艇が、艦船海上阻止行動に従事する米軍等艦船燃料等補給しておりまして、これが各国から評価をされていると同時に、これまでにもいろんな武器とか麻薬とかそういうものを押収すると同時に、ある意味ではテロ行動に対する抑止力的な効果を与えているものと思っているわけであります。そういう関係で、今回、基本計画変更し、十一月一日まで半年間延長したわけであります。  今後のことについてでございますけれども、これもやっぱりテロ戦いが続行されている途中であるし、そういう国際的な社会の中で各国対応がどうなっていくのか、あるいはテロとの戦いがどういうふうになっていくのか、そういうことをよくよく見極めて、我が国もきっちりと、一人だけ抜け出すというわけにはいかない、これはまたテロの問題の発生のときに我々自らの問題として主体的に参加した経緯もありますし、総合的に考えていかなければならないというふうに思っているわけでございます。  それから、どの程度実績があるのかということでございますけれども、これには、インド洋においては約十か国が艦艇派遣をしておりまして、先ほども言いましたけれども、武器弾薬等関連物資海上を移動することを阻止するために活動が行われておりまして、最近の一年間だけでも約一万四千回の不審船に対する無線の照会及び一千回の乗船検査を行っているということでございます。  特に、一昨年五月、乗船検査を行った船舶から約五百五十丁の銃器、機関銃等及び弾薬が発見されております。また、昨年三月、乗船検査を行った船舶から約六千ポンド、約三トンの麻薬が発見されております。また、昨年五月、乗船検査を行った船舶から約四千二百ポンド、約二トンの麻薬が発見されているわけでございます。  また、テロとの戦いによりまして多数のアルカイダ構成員指導者等が死亡又は拘束されているというのが我々が聞いている、言ってみれば実績とも言えるものではないかというふうに思っているところであります。
  12. 小泉昭男

    小泉昭男君 インド洋給油活動、これはもう大変高く評価をされているということは伺っておりますけれども、聞くところによると、補給艦を三隻から五隻にされて、ローテーションも大分以前に増してうまく組み合わせてこられているということも聞いておりまして、この場合に一番私どもが心配するのは、そういう危険な任務でありますから、自衛隊員方々の処遇、これが一番大変なことではないかなと、こういうふうに思います。そういう意味で、これから自衛隊員乗組員、隊員の緩和を図っていくとか安全上の問題、このことについては鋭意また御努力、御尽力いただきたい、こういうふうに申し上げておきます。  次に、外務大臣にお伺い申し上げたいと思いますが、ただいま長官の方からのお話もございましたけれども、テロというのはもうどこで起こるか分からない。一時はミサイルを撃ち合いするのが戦いだと思っていましたけれども、もう最近はポケットに忍ばせるだけで何万人も殺りくしてしまうという、こういう恐ろしい時代が来ました。  そういう中で、テロに対する各国取組状況と、それからまたアジアにおけるテロ活動、どのくらいその実態把握されているのか、この二点、大臣にお伺いします。
  13. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 国境を越えたいわゆる世界的、全世界的に活動しておりますテロというものに対しましては、基本的に三つ重要であります。第一番目がテロリストには安住の地を与えない。二番目は、テロ組織に対してテロを行うための手段、すなわち武器とか等々の手段を与えない。その中には連絡網も入ります。三番目、テロに対する我々普通のこちら側の脆弱性、弱さを克服する。この三点が基本です。  このような観点から、いわゆる二国間の取組もありますけれども、国連とかG8とかAPECなどなど、いろいろ地域的な枠組みを通じましてテロを防止するための政治的意思の形成というものがいろいろなところで取組が行われております。テロ防止条約締結とかG8サミットにおけるいわゆるテロに対する宣言等々、皆この中の範疇に入ります。  東南アジアにおいて、今御質問がありましたけれども、これはフィリピン、インドネシアジャマ・イスラミーアとかいろいろ結構名の通った国際テロ組織というのが存在します。こういったのが地元地域テロ組織とつながって、いろいろ活動を続けております。  昨年十月、インドネシアのバリ島の爆弾テロというのが十月、起きておりますけれども、これもジャマ・イスラミーア関与したと言われております。この頭というか、その首謀者と言われております男がヌルディン・トップという男と思われておりますが、いまだ逃走中ということで、引き続きこの地域テロ脅威は高いと認識をされております。  また、いわゆる南西、南アジアにおきましては、パキスタンアフガニスタン国境沿い、いわゆるアフガニスタンの東側から南東部にかけましていわゆるアルカイーダの残党が潜伏と思われております。  また、インドそれからパキスタン、中国に接しますカシミールのところには、これは独立を、カシミール独立を主張しておりますイスラム過激派部分が活躍をしておりますので、いろんな意味でその地域ごとにかなり違っておりますが、テロ組織の意識は高い。  このほかにもスリランカの中にもございますし、いろいろな地域に、その地域地域の事情は異なっておりますけれども、テロという形になっての反政府行動等々が散見される、散見というより、もっと頻繁に見られるという表現の方が正しいかと思います。いろいろな形でそういったテロ活動が頻繁に続いております。
  14. 小泉昭男

    小泉昭男君 この状況現状を把握するというのはほとんど不可能な状況じゃないかなと、こういうふうに思いますけれども、私の友達友達なんですけれども、名古屋に住んでおりますけれども、自転車で五大陸四十二か国、大変な年月を掛けて旅行したのがいまして、日本の安全がいかに大きなものかということを実感したと言うんです。時計は持たない、カメラは持たない。時計を持っているだけで腕を切られちゃう、カメラを持っているだけで殺されちゃうという、これが現実だということを私に本当に熱心に話してくれました。ただ、日本で一番すばらしいことは、今まで安全と水というのはただだと思われていましたけれども、これは少し認識が変わってきたことじゃないかってその彼は言っていました。  私も、そういう意味で、政治がしっかりと主導権を持って、今大臣がお話しになられましたようなことが現実に起こっているんだということをやはり私たち国民もしっかりと認識していかなくちゃいけないんじゃないかな、こういうふうに思っております。  こういう中で、これから大事になってくるのが法整備じゃないかなと思うんですが、これはなかなか簡単に議論できない部分もございますけれども、今、日本PRT地方復興チーム、これは今入っておりませんが、これはある意味これから要求されてくることではないかなと、こういうふうに思います。こういうものについても、法整備も含めてこれから鋭意努力をいただく必要が出てくるんじゃないかなと、こういうふうに思います。  それと、あと国際平和協力に係る一般法検討進捗でございますけれども、検討が始まってからこれがなかなか形になっていかない、二年経過しているということも聞いておりますけれども、この進まない部分について原因、まあ原因についてもしこういう部分じゃないかということがあればお示しいただきたいと思いますし、現在時限立法でありますけれども、常時対応可能な法整備が必要じゃないかな、こういうふうに思います。これ、内閣官房の方でちょっと見解をお示しください。
  15. 樽井澄夫

    政府参考人樽井澄夫君) お答え申し上げます。  御質問一般法でございますけれども、現在、内閣官房を中心にいたしまして、これまで各種懇談会報告、それから国会での度々の御議論等々を踏まえまして、幅広く事務的な検討を行っているというのが現状でございます。  御指摘のとおり、大変冷戦以降地域紛争が複雑かつ多様化しておりますし、それから国際テロ等の新たな脅威というのが出現しております。これに対して国際社会が非常に多様な対応をしておりますので、そういうものに対して我が国がどういうふうにかかわっていくのか、どういうふうに協力していくのか、これはかなり広範にわたる検討でございまして、引き続き国民の御理解が得られるような形で事務的な分析を行っているということでございます。  それから、時限立法ではなくて一般法にすべきではないかという御指摘でございます。その点につきましても重々私ども御意見承知しておりますし、そこも含めて鋭意検討をさしていただいております。  以上でございます。
  16. 小泉昭男

    小泉昭男君 この法整備については状況を見ながら必要に応じてしっかりと進めていただきたいなと、こういうふうに思っておりますし、これはお願いしておきたいと思います。  それと、今のテロに対する取組については、もうこれはアメリカ主導でずっとやってきました。そういう中で、また防衛庁長官お伺いしたいと思うんですが、テロというのはこれいつ終わるか分からない大変な問題でありますけれども、私、世界の中でアジアに住んでいる人口は六〇%を軽く超えていると聞いておりますし、アジアとの信頼関係もしっかりつくっていかなきゃいけない、こういう状況の中で、そのほかにもこういうテロの問題だとかいろんなことをやっていかなくちゃいけないんです。拉致も、北朝鮮による拉致も、あれ、ある意味政治が絡んだテロだと私は思っておりますので、こういうふうな部分も含めて、これからテロ対策、いつまでお続けになっていかれるのか、難しい質問でございますが、お答えいただければなと、こういうふうに思います。
  17. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これはもう九・一一テロ以来、いつどこで何がどこで起こるか分からない、そういう新たな脅威にさらされているという実態は今でも継続をしているものと思います。さらに、我々の電子社会の中ではサイバー的なものもあるし、あるいはまた我々みたいな海洋国家で資源を他国に依存している国にとっては、やっぱりそういうシーレーン、海上の安定を、安全をどうやって図っていくか、それをテロからどうやって守っていくのか、様々な課題がある。しかも、なおかつ、自分一国ではとてもこれは統治ができないし除外ができないわけでありますから、国際社会一員としてしっかりと我々も参加する中でテロ対策を行使していかなければならないということだと思います。  その意味におきましては、テロリスト掃討作戦進捗状況あるいは国際社会取組状況、そういうことを見ながら我々も国際社会一員としてしっかりと主体的に積極的に取り組んでいくことが望ましい。一概に、だから何月何日、何年までというわけにはいかない、その国際状況をにらみながら考えていくのが適切ではないかというふうに思っております。
  18. 小泉昭男

    小泉昭男君 ありがとうございました。終わります。
  19. 犬塚直史

    犬塚直史君 テロ特措法半年延長の本題に入ります前に、まず、先般の当委員会において額賀防衛庁長官報告をされました、ラムズフェルド長官合意に至った、合計で百二・七億ドル、そして日本側の負担が六十・九億ドル、円にすると約七千億円、我が長崎県の一年間の予算に当たる、そして外務省の一年間の予算にも匹敵するような、この大変な金額合意をされて帰国されてきたわけなんですけれども、まずこの件について質問さしていただきます。  まず第一点なんですが、この合意に当たって、一体防衛庁長官は、これだけの金額合意をするに当たって、どれだけ総理大臣あるいは関係閣僚の了承を得てから、どういう権限を持ってアメリカに渡っていかれたんでしょうか。
  20. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) この米軍再編の問題については、昨年秋のいわゆる中間報告が出た後、当然そのグアムに対して沖縄海兵隊が八千人移転するという項目も含まれておりました。さらには、普天間飛行場の代替施設を造ること、あるいは厚木の空母艦載機を岩国に移転すること、そういうもろもろのことを、抑止力の維持、負担の軽減という考え方の下に合意を形成していく、地元理解を得るということに全力を注いできたわけであります。  しかも、なおかつ、政府としては、防衛庁だけではなくて、外務省、財務省、そういう関係閣僚会議も設立、スタートさしておりまして、折に触れてそういう相談をしながら今日の最終合意に向けての大詰めの協議をしているというのが現状でございます。  今後とも、このグアムの移転経費の取扱いについては、先般、今、犬塚委員がおっしゃるように、総額百二・七億ドル、そしてその中で日本側の分担として六十・九億ドル、米国側の分担が四十一・八億ドルという形で一定合意をしたわけでありますけれども、我が国にとっては、一番私にとって大事なことというか、留意をいたしましたことは、ストレートの財政支出をアメリカの負担よりも少なくするのは当然のことであるということを考えておりました。
  21. 犬塚直史

    犬塚直史君 権限移譲を聞いているんです。権限移譲を聞いているんです。
  22. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) その点については、だから関係閣僚ともよく相談をし、日本の言ってみれば負担をできるだけ、アメリカの言うように七五%という線はのめない、そういう考え方の下でできるだけ負担を制限する、縮小していく形で、私に関係閣僚及び総理も交渉の責任を与えていただいたというふうに思っております。
  23. 犬塚直史

    犬塚直史君 今の質問の趣旨は、防衛庁長官合意の後にアメリカで記者会見をされた、ここにも書いてあるんですが、最終的にこういうふうに合意ができることを当初から予想をしていたわけでありませんと、三時間にわたる積み上げのしっかりした議論の下でこの合意がなされたということでありますので、そしてこの合意の内訳を見ますと、財政支出、現金で出すもの二十八億ドル、あるいは出資が十五億ドル、そして融資等、これが十七・九億ドルと非常に細かくきっちりとした枠組みが既にできているわけですね。  私の質問は、一体、渡米をする前にこういうことについて関係閣僚、財務相あるいは総理からどの程度まで権限を移譲されて、ここからこの範囲だったらいいよというようなことをどの程度まで権限移譲されて向こうに渡ったのかということをお聞きしているんです。
  24. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 基本的には、海兵隊がグアムに移転をしていくことは沖縄県の負担の軽減になる、それはまた日米同盟の信頼関係にもつながる。したがって、これは一定の応分の負担をして実現をしていくことは、それは政府としては賛成であると、やっていこうということで、その具体的な財政負担をどうするかということを考えたときに、財政負担については、アメリカの総枠を考える中でアメリカの負担よりも少なくしなければならないということ、それから全体的に、これは私としては、融資とかそういうものはいずれ返還されてくることでありますから、全体的に、最終的にアメリカの負担よりも少なくなければならない、そういう考え方の下でアメリカと交渉をしてきたということでございます。
  25. 犬塚直史

    犬塚直史君 もう一度繰り返します。  私の質問の趣旨は、どういう形で意思決定が行われたかということなんです。つまり、防衛庁長官が渡米をされる前に、関係閣僚そして総理から、どこからどこまでの範囲内で交渉をしてきていいという権限移譲を受けたのか、いつ、どこで、どういう形でこういう権限移譲を受けて交渉に当たったのかということを伺っているんです。
  26. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは先ほども言いましたように、関係閣僚と折に触れて相談をし、その中で、交渉の窓口である私に、先ほど言ったような考え方の下で一任を受け、総理の了承も得て交渉に当たってきたということでございます。
  27. 犬塚直史

    犬塚直史君 その総理の方針というのは、いつ、どのような形で示されたんでしょうか。特に、この金額についてはある程度のボックスがあったと思うんですけど、幾らから幾らまでというような、総理の方針というのはいつ示されたんでしょうか。
  28. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 具体的に幾ら幾らということではなくて、この米国との関係で我々の真水的な財政支出は米国より少なくなければならない、総額の算定に当たってどういうやり方をしていくのか、そういうことを、一定の考え方を持って交渉に当たらしていただいたわけでございますけれども。  我々は、海兵隊がグアムに移転をする場合にできるだけ早く移転をしていただく、そして海兵隊の皆さん方が移転するためには何が整備されていけば早く移転できるのか、そういうことの積み上げをしていく中で、アメリカの提案する、言ってみれば総枠の中で何ができるかということを積算していったと、その中で直接的な負担をアメリカよりは少なくするということが前提でありました。
  29. 犬塚直史

    犬塚直史君 長官、七千億の交渉をするに当たって、アメリカよりも日本が負担が少ないと、そのぐらいの認識でそもそも交渉できるわけはありません。その上、これだけ細かい経費の内訳が出ていると。特に、融資やあるいは出資などということについては、財務相と相当細かい打合せがあって、そしてその上で権限移譲がされた、そういう立場でなければ交渉などとてもできないというふうに私は理解しているんですが、その点はいかがでしょうか。
  30. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) ですから、アメリカ側からアメリカ側の積算に基づいて一定の数字が示されたりしているわけでありますから、その中で、あるいはまたアメリカ側で何を造っていくのかということも提示されているわけでありますから、その中で日本としては何ができるのか、何をすれば海兵隊の移転がスムーズに展開できるのか、そういうことを考えながら積算をし、外務大臣とも財務大臣とも、あるいは官房長官とも相談をし、総理の一定理解を得て交渉に臨んだということでございます。
  31. 犬塚直史

    犬塚直史君 この移転経費の負担については、新聞報道で七千億とか八千億だとかいう話も以前にありました。それをいろいろなところで確認をすると、いや、そんなことは決まってないという我々は返答を受けてきたわけであります。にもかかわらず、いざ決まってみれば、何のことはない、七千億というレベルは確かにあの新聞報道どおりであったということなんですね。国民も、有権者も、この間の事情はよく新聞等を通じて見ているわけですよ。  我が国が積算をしたわけでもない、米国の積算に基づいて、しかも総額のうちの七五%、七、八千億という数字も大して変わっていない、こういうやり方で有権者はとても納得できない。しかも、透明性という意味でも、今朝も民主党の部門会議防衛庁の人に話を聞いたんですけど、いろいろ聞けば聞くほどこれは正式なものではないというような答弁になるんですよ。こういう不透明なやり方で七千億からの出資、我が国が決めてしまうということについて、防衛庁長官、これで本当に、こういう交渉のやり方でいいと思っておられるんですか。
  32. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) この総枠自体が最初から百二億、百二・七億ドルということで、アメリカ側から確定された数字で提示されていたわけではありませんで、それは九十億ドル台のこともあったわけだし、そういう中で我々が考えた考え方というものは、総額の何%を日本が負担をするという考え方は取らないと、そこは最後までアメリカと対立していたことでございます。  我々はきちっと、グアムに海兵隊を移転する際に何を優先的に行うことによって海兵隊の移転がスムーズに展開できるのか、そのためにはどういうことをやっていけばいいのか、どういう積算をやっていけばいいのかということを我々の考え方で積算をさせていただいて、結果的に、この財政支出二十八億ドル、それから家族住宅等を中心として十五億ドルの出資、そういうことを積み上げていってこういう形になったということでございます。
  33. 犬塚直史

    犬塚直史君 ということは、法律的な裏付けのない財政支出、じゃ、この現金のところから行きますけど、二十八億ドルというのは、この支出は防衛庁長官が決定したんでしょうか。
  34. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは、財務大臣、官房長官、総理等々と相談する中で、一定の財政支出負担というものはやむを得ないという中で、私が最終的に合意をまとめるために判断をさせていただいたということでございます。
  35. 犬塚直史

    犬塚直史君 先ほどからそれを伺っているんですよ。いつ、どこで関係閣僚、総理と相談をされて二十八億ドル決めて渡米されたんですか。
  36. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) それは、断続的に関係閣僚会議を開いたり、そしてまた総理と相談をしたりしていく中で、お互いに共通の認識を持っていったということでございます。
  37. 犬塚直史

    犬塚直史君 これだけの支出をするに当たって、もう少し透明性、あるいは国民に対する説明責任というものを果たさなければいけないと思うんです。特にこの米軍基地の移転に関しては大体、新聞記事が優先をしていく。で、それを問い合わせをしてもそうじゃないと言われる。  例えば、今度のローレス長官が発言をした二百六十億ドル日本負担、この米軍再編についての。これなんか、これは三兆円という大変な規模の数字なんですけれども、これについては、まず、こういう発言があったということは了解しておられるんでしょうか。
  38. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) ローレス副次官がインタビューか記者会見かで話されたということは承知をしております。  二百六十億ドルのうちの、そのうちグアム移転経費の六十・九億ドルは日本の分担として、そして、あと四十一・八億ドル余りを米側が負担しているということの話だと思います。二百六十のうちの六十億ドル余りは日本の負担、先ほどお話が出ているようなことであります。  あとの二百億ドルについては、これはローレス副次官の言ってみれば大ざっぱな考え方を示されたと思いますが、それは日本の国内における、例えば普天間飛行場のキャンプ・シュワブへの移転とか、あるいは厚木から艦載機の岩国への移転とか、あるいはまた嘉手納飛行場の訓練を百里だとか小松だとかそういう空港に移転をするときの日本側の負担を想定したことの金額を言われたと思っておりますけれども、それらについては、これは日本が地位協定に基づいて負担をしていくことでございますけれども、きちっとまだこれらについての日本における精細な積算というものがなされているわけではありません。これからきっちりと、最終合意ができた後に我々はきちっと積算を作って国民皆さん方にお示しをしていかなければならないというふうに思っております。
  39. 犬塚直史

    犬塚直史君 いや、その日本側の積算がどういう形でされるかということを私は非常に疑問に思っております。  今回の沖縄の移転についても、今長官おっしゃったように、積算は米軍の積算に基づいていると今おっしゃいましたけれども、日本側が一体どういう根拠に基づいて、我が国の専守防衛を考えてそれに対して一体米軍とどういう協力をしていく、そして、それをやるためには一体どれぐらいの金が掛かるんだということを自主的にやっていくということが全く私はないと思うんです。  今も、これもローレス発言が二百六十億ドルだと言ったと。これは結局、今までの経緯を見ると結局はこのとおりになっていくんじゃないかなというふうに国民は思ってしまうんですよ。これに対して、違うんであれば日本は、いやいや、こんなあいまいなことではないんだと、日本はこういうふうにやっていくんだというような立場が今までただの一度も出されたことないじゃないですか。結局はこういうふうになるんじゃないんですか。いかがですか。
  40. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 例えば、この枠組みの百二・七億ドルの枠組みは確かに米国側の示した枠組みではありますけれども、我々が、六十・九億ドルの負担については我々のこれは、グアム移転をどうやってスピーディーにやっていく、そして、どういう形でお金を出させていただくか、何を造っていけばいいのか、そういうことは自らの日本の積算によってこれから考えていくということでございます。  それの中で、一応上限として財政支出は二十八億ドル、それから住宅等の建設については、これは何世帯ぐらいの住宅を造るのか、どれくらいのその、まあ言ってみれば資材の値段がするのか、そういうことは我が国が試算をしていって、そして十五億ドルの出資あるいは融資の中でこれは展開させていく、その中で我々はできるだけ経費を節減をしていく、そういう中で決められていくことになるわけでございます。  もちろん、そのほかの国内の米軍施設の建設についても我々が従来どおり施設庁がちゃんと試算をし、積算をし考えてきたように、きっちりと自らの主体性を持ってこの仕事を完成さしていくというようなことは当然のことであります。
  41. 犬塚直史

    犬塚直史君 ということは、例えば二十八億ドル、十七億ドル、十五億ドル、足して六十億ドルが上限であると。これは例えば入札のようにこれを上限として九割九分とか九割八分という話ではないと。これから日本が試算をして、例えばこれが半分になることだってあり得ると、そういう理解でよろしいんですか。
  42. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 例えば、この家族住宅については二十五・五億ドルというふうになっておりますけれども、これはPFI方式等々の手段を取っていくことによって効率化が図られていくという計算は成り立っていくものと思っております。
  43. 犬塚直史

    犬塚直史君 ですから、私は、先ほど来そういうその意思決定の仕方についてお話を伺っているわけでございます。  つまり、こういう七千億からの合意をするに当たって、日本がどういう積算根拠をしっかりと持って、そもそも我が国の防衛に資する形なのか、あるいは移転に関係する費用なのか、あるいは単なるアメリカ世界規模の米軍再編のグアムの基地の補強のために使われる費用なのか、その辺のところをきっちり精査をして、その上で日本案を持って、その日本案をひっ提げて向こうで交渉に当たって、その結果としてこうなったということだったらよく分かるんですけれども、今何度お伺いしても、どうしても、どういう形で権限の移譲があって、ついてはどういう積算があったというお話をいただけないんですけれども、こういう形で私はとてもではないけど、交渉ができるとは思えないんですよ。  アメリカの中の連邦と州政府でさえもこれよりもましな交渉をしていると私は理解をしております。日本アメリカの一つの州だとしても、これは一つの州よりももっとひどい交渉の仕方だと思うんですね。  今、愛国心の話なんか出ておりますけれども、国民はこれ見ております。我が国我が国の立場を持ってしっかり堂々と大人同士の交渉をするという立場が見えない以上は、どんなにいろんなところに書き込んでも、私は愛国心なんて出てこないと思うんですよ。やっぱりしっかりと日本の立場を、大人としてアメリカと堂々と交渉するような形に、特にこの二百六十億ドルなんというものは今後の意思決定をしっかりとやっていただきたいと思うんですけど、何かコメントありましたら、どうぞ。
  44. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) もちろん日本の国家として、独立国家として、そして日本の安全を守っていく、そして日米同盟の信頼関係をきちっと堅持をしていく、そして沖縄県の負担を少なくしていく、日本全体としての基地の負担を軽減をしていく、そのために応分の負担をしていくということについては大方の当初から考え方を共有していたわけでありまして、そのために海兵隊をグアムに移転させていくためにはどういう環境づくりをすればいいのか、海兵隊が行くためにはまず生活ができなければならない、住宅が要る、電力も要る、仕事場の庁舎も要る、そういうところに日本の財政的な支出はできるのか、できないのか、その方法はどういうことがあるのか、そしてそれはどのくらいの量、どのくらいの規模をやればいいのか、そういうことについて、それは米側とも激論をしたし、あるいはまた国内においてもしっかりと、住宅は何世帯なんだと、じゃどれくらいの規模なんだと、庁舎はどうなんだということについて、これから精査をし、詳細を決めていくことになるわけであります。そして、上限として財政支出は二十八億ドルであると、あとの融資、出資等についてはこれはいずれ日本に返還されるお金であると、そういう中での六十・九億ドルであるということを是非国民皆さん方理解をしていただきたい。  沖縄県の負担を軽減すること、沖縄県の海兵隊の半分近くをグアムに移転させること、それは沖縄県民の悲願であったということ、日米同盟の信頼関係を堅持していくということ、そのために応分の負担をすることは国民の多くの人、皆さん方理解してくれるのではないか、そのために合理的な積算は責任持ってやらしていただきたいというふうに思っております。
  45. 犬塚直史

    犬塚直史君 基地負担の軽減と、そして抑止力の維持というところはもちろん理解するところであります。しかしながら、これは外務省に伺いたいんですが、米軍再編の中で、海外における米軍基地の建設にある国が財政支出をしたという今までの例はあるんでしょうか。
  46. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 日本としてこれはアメリカの自衛について申し上げる立場にはありません。まず最初にお断りをしておきます。  その上であえて申し上げさせていただければ、私どもの知っている範囲で、米国が他の同盟国との間で今犬塚先生が御指摘されたような例があったという事例を私どもとしては知っておりません。しているのかもしれませんけれども、知っておりません。  ただ、私の記憶ですけれども、一九八九年がベルリンか、だから九〇年以降だと思いますが、東ドイツからソ連が撤退していくときにソ連に対して、旧ドイツというか新ドイツというのがたしか約一兆円、百十億マルク、百二十億マルクの資金援助を実施したというのは当時新聞に随分載った記憶がありますんで、そういう例があったと記憶します。
  47. 犬塚直史

    犬塚直史君 テロ特措法の半年延長に移りたいと思います。  まず、半年延長をして、まあ法律の期限ですので、半年延長をする、そこまでは分かるんですが、じゃ半年延長をして撤退するか継続するかということを我が国がどういう形で主体的な指標をもって判断するんでしょうか。外務大臣、お尋ねします。
  48. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 基本的にはそのときにおきます状況にもよろうと存じます。  今の状況で、アフガニスタン関係におきますいわゆるインド洋における支援というものは各国から極めて感謝の高いところではありますけれども、今から六か月後にこのインド洋において年間何百隻といろいろ検査をしたりいろいろ調査をできるという状況をバックアップして、先ほど防衛庁長官のところから御指摘のありましたように、麻薬が何トンと、これは麻薬アフガニスタンのかなり大きな、というより最も大きな資金源でもありますんで、そこらのところが確実に拿捕をされているというようなところは確実に効果が上げていると思いますけれども。  これがいつの段階でどうなるかというのは、まあアルカイダ、オサマ・ビンラディンがそこの場で逮捕される等々の事態でもあれば一つの区切りとは存じますけれども、なかなか今の状況で、どういう状況になればといえば、基本的にはテロというものが鎮圧される、撲滅される、壊滅的になるというのが最も望ましい状況とは存じますけれども、どの段階でというのを今の段階で申し上げるような立場にございません。
  49. 犬塚直史

    犬塚直史君 大変難しい判断だと思うんですけれども、この間からこれを聞きますと、総合的な判断だというふうに防衛庁の方はおっしゃっていると。総合的な判断ということは、やみくもに判断するんじゃない、やっぱり指標があると思うんですね。私は、その総合的な判断でアメリカの意思で撤退を決めたり決めなかったりということがないようにしていかなきゃいけないというふうに思うんです。  つきましては、外務大臣がオーストラリアに行かれたときに、今のこうした軍事とそれから民間のいわゆる中間的な役割を果たそうとしている地方復興チームPRT、プロビンシャル・リコンストラクション・チームですか、PRT、これに対する参加を米側から強く要請されたというふうに新聞記事で見ているんですが、これはこのとおりでよろしいんでしょうか。
  50. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) このプロビンシャル・リコンストラクション・チームというものに関して、これはいろいろイラクに関しても言われたと記憶をいたしますけれども、イラクのところの方が大きかったと記憶をいたしますが、これはいわゆる軍事的なプレゼンスというものを確保するということによって簡単には治安を維持する、そこがちゃんといろんな新しい仕事をしているのが、治安を維持するというのがかなり大きな目的であって、この中央政府のいわゆる治安維持というものに関する権威というものを全土に広めるというようなところを目的として派遣される軍と民との共同チームというような理解を私はしましたもんですから、そういう状況で、今二十二か国だか三か国だかが参加しておるという話でしたんですが、私どもとしては、これはODAにある復興支援というものとは少し内容が違うと、治安維持というのが入ってきますんで、そういった意味からいくと、このPRTに参加を今の段階でするということは日本としては考えにくいというように答弁したと思います。
  51. 犬塚直史

    犬塚直史君 これについて、官房の方で検討をしていると、法的な枠組みで日本がこのPRTに参加できるか否か検討をしているというふうに聞いているんですが、どういう検討をしているのか報告してください。
  52. 鈴木敏郎

    政府参考人鈴木敏郎君) お答えいたします。  テロ対策テロ特措法上の考え方ということで申し上げますと、PRTというのは、今外務大臣の方からも御答弁があったところですけども、アフガニスタン中央政府の地方への影響力の拡大とか国際援助活動の実施のために、治安、環境の改善などを目的として、アフガンの地方に数十から数百名単位の部隊と文民を一つのユニットとして展開すると。これによって地方における治安活動と復興支援活動をするということが大まかな姿ではないかというふうに承知しております。  こういったものがテロ特措法上できるかどうかということで申し上げれば、自衛隊がこういったPRTに直接参加してこうした活動に従事するということは、現在の特措法上の協力支援活動ということに当たらないというふうに解釈されますので、それは直接の活動には参加できない、実施できないというふうに解しております。  他方、自衛隊テロ特措法に基づいて協力支援活動としてPRTへの後方支援を実施するということにつきましては、これはPRTの目的であるとか具体的な活動というものを詳細に調査しまして、そうした上でテロ特措法上の目的に照らして慎重に判断する必要がある、そういった余地はあるということでございます。
  53. 犬塚直史

    犬塚直史君 法的には直接の参加は難しいと、しかしPRTに対する後方支援は検討中であるというふうに理解をいたしましたが、しかし、その法的な側面と、もう一つは先ほど来申し上げている撤退の時期あるいは何を目標にするのかということにこれは密接に関係をしてくると。  一応アフガニスタン政府、民主主義に基づいた投票が行われて、そして大統領も選ばれたというようなところにあるけれども、実際の現地の状況は、社会制度構築等々全く通常の普通の民主国家の状態とは懸け離れていると。衛生にしてもあるいは治安にしても、そして医療にしても、全く現地では手が届いていないと。  そういった中にあって、今NGOを始めとしていろんな文民の人たちが一生懸命活動をされていると。しかし、その人たちの治安の問題はどうするんだと。一方では、軍閥がばっこしている中で、そういう治安を確保しながら国づくりをどうやってサポートしていくんだと。日本としては、一刻も早く安全でしっかりとした国づくりに貢献しなきゃいけないという辺りが指標として持つところだと思うんですけど、ここで一つこの参考になる資料を今お配りしましたんで、お手元をごらんになってください。  これは、二〇〇四年四月十二日、カンダハール県で米軍が飛行機からまいたビラであります。これ、私アラビア語は読めないので、どういうふうにしっかりと書いてあるのかちょっと分からないんですが、英語の方から見ますと、この日本語で書いてある「引き続いて支援が欲しければタリバンやアルカイダの情報が必要」と。こんな優しい書き方ではないようになっているんですけどね、もっと支援が欲しければ情報を出せということをこの絵入りで上空からばらまいたということなんですね。    〔委員長退席、理事浅野勝人君着席〕  その下のところを見ていただきますと、その二か月弱後、現地でしっかりと医療活動を一九八〇年以来二十四年間にわたってやってきた国境なき医師団、このスタッフが五名殺害をされて、これに対して撤退を、国境なき医師団がアフガニスタンからの撤退を余儀なくされたというこれは資料なんですけどね。  ちょっと一部読ましていただきますので、二番目の段落から読ましていただきます。例えば、二〇〇三年十月にバダギ県においてマラリアが流行したとき、MSFは一か月で一千三百人の患者を治療し、抜本的なマラリア対策を行ったと。バーミヤン地方の五つの地域では六か月から十二歳の子供を対象とした医療活動を行ったと。二〇〇四年にはパンジャブ地域において妊産婦を対象とした医療支援を開始したと。難民対策としては国内各地のキャンプはもとより、パキスタンやイランに逃れたアフガン難民の支援も行ってきたと。こういう活動を二十四年間やってきたわけですね。  国境なき医師団は、国際スタッフが六十七名、そして現地スタッフ六百五十八名、これだけの陣容で二十五年間やってきたわけなんですね。それが、このビラがまかれた後、二〇〇四年六月二日、この国境なき医師団のスタッフ五名が殺害されると。もちろんのこと、訴追は十分に行われていないと。さらには、タリバンのスポークスマンが、国境なき医師団等の人道組織は米国のために働いており将来の攻撃対象だと発表したというんですね。  これを受けて、国境なき医師団は、これ以上スタッフの命を危険にさらし続ける活動はどうしてもできないと。痛恨の思いで、二十四年やった後、アフガニスタンから撤退を決意したという声明をこの事務局長の名前で十二月十六日に出しているわけですね。  これ、JICAがやっている現地のいろいろな活動、あるいは世界じゅうのこうしたNGOの活動というのは、正に国づくりの一つの最も現場に近いところの活動なわけですけれども、それに対して、今度のPRTのように、一方ではドンパチやっていると。全く目的が違うものを融合させるPRTというものは、よっぽど、法的な枠組みだけではなくて、気を付けて参加をしないと、これは大変な間違いをするぞという理解をこれを見て私はしたんですが、外務大臣の御感想をお願いいたします。
  54. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) これ見てPRTとの関係を直接感じることはありませんでした。ただ、今おっしゃいますように、このアフガニスタンというところにおいて、今、日本のいろんな形で、いわゆるNGO等々のあれもありますけれども、少なくともこのアフガニスタンというところの資料を見てみると、少なくとも昨年の十二月の国会の開会というのをもって統治機構の整備のプロセスとしては完了しておるということだと思うんですね。少なくともイラクのようにまだ統治機構が、選挙が昨年十二月終わっても統治機構がまだスタートはできたということにはなっておりませんから、その意味で、アフガニスタンの方が一応機構としてはできたということが言えると思うんです、アフガニスタンの方が。  そして、事実、日本との関係でいけば、これは、武装解除の件につきましては、旧アフガニスタン国軍兵士約六万三千人の武装解除は完了。そして、そのうち六万二千人が動員が解除。そのうち六万人の社会復帰というのの過程に入っているということでもありますし、武装集団が解体されて、法の支配がある程度強化されて、そして薬、麻薬依存体質経済、ちょっと言い過ぎかも知らぬけども、現実予算の七〇%が麻薬に頼っておるという報告がありますんで、そういう体質からの脱却等々、地方開発促進などと、これは建設とか復興とかいうのの道はまだ半ば、まあ半ばもいっておるかどうか分からぬぐらい、何合目かというところだと思っております。  したがって、引き続き幅広い分野でこれは支援をしていかなくちゃしようがないんだというような感じがするんですけれども、いずれにいたしましても、そういったものをやるときに政府のやれる範疇などというものは限られている部分なんであって、まず何といっても、その地元にいる人のやる気、自助の精神がまずなきゃ話になりませんし、その意味で、何をしたら一番うまく復興ができるのかといえば、麻薬の代わりにソバを植えたりなんかしているNGOがあるのは御存じのとおりですが、そのソバの利益率と麻薬の利益率じゃけたが違いますんで、そういった意味では足りない。そういうものを一体どういった形で支援していくといわゆる貧困というものから脱却して麻薬の栽培に手を染めたりすることはしなくて済むか等々は、これは真剣に考えにゃいかぬところなんだと思って、そういうところが果たして政府の得意とするところかと言われれば、むしろ民間の人たち、NGOの人たちの出てくる出番の方で多いのではないかと。  ただ、一番問題は、そのとき、人たちが二の足を踏むところは治安ということになるんだろうなと思っておりますんで、やっぱり治安の回復というのは最も優先順位の高いマター、その優先順位の高い部分なんだと存じます。
  55. 犬塚直史

    犬塚直史君 おっしゃるように、統治機構ができたと。で、DDRにすれば、武装解除と動員解除ができたと。そこから先、どういう形で我が国が支援をしていって、どの辺りでそれでは一応帰ってこようという判断基準になるのかというところが今正に問われているんだと思うんです。    〔理事浅野勝人君退席、委員長着席〕  先ほど来PRTと、今現実の話として、具体的にPRT我が国が参加するか否かということについて、私は、このPRTでもいろいろあると。全部参加していいっていう話でもないし参加しちゃいかぬという話でもないと。内容によると。その内容が、今アメリカが主導になってやってきた形もあればEUが受け継いだものもあるけれども、私、一番大きな違いは、一方ではドンパチやっている主体と、片方では人道復興支援している主体がどういう形で結び付くのか。ドンパチやっている方がこのPRTにおいてはISAFであると。国連の安保理決議には基づいているけれども、いわゆるPKOではないと。ISAFとPKOというのはこれは違うと。ここのところはちょっと説明していただけますか。PKOとISAFというのはどう違うんですか。
  56. 伊藤秀樹

    政府参考人(伊藤秀樹君) お答えを申し上げます。  ISAFにつきましては、これは国連決議に基づきまして、カブールを中心とした地域の治安に当たるということで各国が軍隊を派遣して治安維持に当たっておるものでございます。  これにつきましては、PKOにつきましては、伝統的なPKOにつきましては、御案内のとおり、いろいろな派遣に際しまして、当事国の同意であるとか、そういったことがございますけれども、このISAFにつきましては、国連決議に基づいて、そういったことで治安維持に当たるということで派遣されているものというふうに認識をいたしております。
  57. 犬塚直史

    犬塚直史君 今、ISAFとPKOの違いが余りはっきりおっしゃってもらえなかったんですけど、伝統的なPKOというのは、当事国はもとより、関係しているアクターすべての同意原則に基づいて中に入っていくと。敵のない軍隊と言われている形で、治安維持をその存在において抑止していくというのが伝統的なPKOであります。しかし、ISAFというのはそれとはちょっと性格が違うと。一方では、確かに軍事的ないろいろな行動をやっているというのがISAFなんですね。  私の個人的な意見ですけれども、PKOプラスこのPRTはいいだろうと。しかし、ISAFプラスPRTというのは、決してこれはそのままオーケーするような話ではないと。法的にも問題あると言いましたので、是非その辺はきちんと精査していただいて、ISAFプラスPRTには参加しないような形にしていただきたいと私は要望をしたいと思います。  先ほどの話に戻りますが、国境なき医師団とこのPRTが直接関係するようには印象として持たれないとおっしゃいましたので、もう一つ例を挙げさせていただきます。  これは、日本のNGOで日本国際ボランティアセンターというのがあります。ここが今現実的にアフガニスタンの医療現場を幾つか仕切っているわけですけど、ここで、去年の五月三十、ごめんなさい、二十六日に起こった事件、ちょっと読ませていただきます。  二月二十六日土曜日、ほかのクリニックスタッフと昼食に呼ばれて戻ってみると、米軍がクリニックに来ていたと。米軍ジープと装甲車六台でやってきていた。アメリカ人の戦闘部隊十五人、アフガン人が五人いたと。米兵はクリニックスタッフに、明日クリニックで薬剤配布をするのでだれも立ち入ってはいけないと告げたと。翌日、クリニックのホールに机を並べ、五人のアフガン人が、薬、石けん、シャンプー、歯磨き粉などを村人に配っているのを見たと。そして、この配り方なんですが、彼らはまるで配給品を配るように配っていたと。それは軍人さんですからね。それも五パッケージ、十パッケージ量で、症状を聞かずにどんどん配っていたと。たまりかねて、いろんな説明をしたと。ある程度聞いてくれたと。そして、彼らは自分たちが何者でだれの許可を得て来ているのかもだれも説明してくれなかったと。それでも、彼らがクナール県の米軍基地から来ていること、そしてクナール県保健所の許可を得ていないことだけは分かったと。実はこのJVCのスタッフがその後、四日後、ジャララバードのPRTのミーティングというのがあるそうなんですけど、ここでこのことを報告したところ、その米軍の、米兵の担当者はそんなことないと言ったらしいんですが、上官は、これはよく精査して調べると。その後、改善措置がとられたらしいんですね。  私が申し上げたいのは、こういう言わば全く役割の違う軍隊組織のトレーニングを受けた人たちと、そして一方では言わば身の危険を感じながら毎日やっている人たちを両方合わせていくということは、相当これは緻密な連携あるいは考え方を持って進まないといけないということだと思うんです。  是非、このPRT派遣要請については、是非慎重な御審議というか、考えをお願いしたいと思うんですけど、御感想をお願いします。
  58. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) このPRTの点につきましては、今、犬塚先生おっしゃるとおりなんで、そもそも治安という話は軍隊とは違うんです。治安は警察の話であって軍の話じゃありませんから、少なくとも、お巡りの経験をある程度訓練を受けてアフガニスタンに行ったイギリス兵と、そうじゃないのとは決定的に違ったのはもう御存じのとおりですから、だからそういった意味では、今言われたように、訓練の内容、また対応の仕方も、またそもそも完結型の軍隊と地元へ入り込む警察とは全然違いますし、治安といわゆる戦争とはまた全然違いますので、そういった意味では、私どもとしては、今言われましたことも含めましてこのPRTの参加につきましては簡単な話ではないということを申し上げております。
  59. 犬塚直史

    犬塚直史君 もう皆さんよく御存じのように、十三億人の人たちが一日一ドル以下で暮らしておると、全世界十億人が安全な水飲めないと、そして八億人、これが飢えておると。そういう中にあって、我が国がどういう形で国際貢献をしていくんだろうかと。本当に我が国なりの方針を持っていくんだろうかということをやっぱり有権者はみんな見ておると思います。  今回の米軍再編にまつわるこうした交渉の仕方等々を見て、やっぱり私は一つには、日本人は我慢に我慢を重ねて、あるところで、どこかで爆発しちゃうというようなことがないように、ふだんからしっかりとした交渉をしていくことをお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
  60. 高野博師

    ○高野博師君 最初に、テロ特措法基本計画変更について幾つか質問をしたいと思います。その後、在日米軍の再編の問題についても質問させていただきます。  まず最初に、今のアフガン、アフガニスタン現状というのはどうなっているのか。政治、経済、社会状況、これについて簡単にお伺いいたします。
  61. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 御存じのように、アフガニスタンでこれまでに、一昨年の二〇〇四年に新憲法が制定、大統領の選挙が行われて、そして昨年に国会と県議会というのが行われて、そして、先ほど犬塚先生の方に申し上げましたように、十二月に国会の開会ということをもって統治機能の整備のプロセスとしては完了したという具合に理解をしております。  経済の分野を見ましてもかなり偏っておるとはいえ、偏った経済とはいえ、少なくとも、統計数字でいきますと一〇%ぐらいの経済成長率を実現しておりますし、教育とか医療とかそこそこ改善をして、まあ比較対照の問題ですから、以前に比べて教育とか医療とか改善も見られますし、幹線道路等々も、少なくともスピード上げてはとても走れないというような状況ではなくなりつつありますし、また、難民としてイランやらパキスタン側に避難しておりました約四百万、四百二十万人ぐらいが帰国をしたということは、状況としては進歩と言えると思っております。  他方、治安状態は依然として不安定と存じます。少なくとも国軍とかいわゆる警察の訓練が進んできたとは思いますし、また、先ほど申し上げましたように、武装解除として火器の回収というものも結構しておりますし、旧アフガニスタン国軍兵士のうち六万三千人のほぼ、ほとんどが武装解除というのを終了が終わっていますんで、そういった意味では治安が良くなったんじゃないかと、その数字だけ見りゃそうですけれども、いわゆるパキスタン国境沿いのいわゆる南部、東部というところにはいまだ武装勢力によります攻撃というのは続いておりますし、その武器もかなり前に比べて高度化しておると思っております。  また、自爆攻撃というのの急増もこのところのCNN等で見られるとおりであろうと思いますんで、いろんな意味で、改善しているところもありますが、改善していないところもありますという状況にありますんで、これ引き続きいろんな方面から、改善終わった部分から改善していない部分へ主力を移していくというような途中経過にあるというように理解をいたしております。
  62. 高野博師

    ○高野博師君 タリバン政権時代とその後で民生が安定しているのかどうか、国民生活は向上しているのかどうかと。治安はそれほど良くなっているとは言えないということかと思いますが、アフガニスタンでタリバン政権後に麻薬の生産というのが非常に多くなっていると。一番簡単に換金できる作物として麻薬がある。山岳地帯ももう農業に従事できるような状況ではないと。掃討作戦も相当やっているものですから、水も食料も不足していると。こういう中で麻薬の生産に従事する人間が多くなっている。麻薬を生産すると当然、麻薬組織というのが出てくるわけでありまして、その麻薬組織が犯罪あるいはテロ集団化するということも当然のことだと思うんですが、軍閥も大きくなっていると、麻薬関係しているのかどうか分かりませんが。  そういう意味からすると、なかなか今アフガニスタンというのは難しい状況にあるのかなと思いますが、対テロ作戦の中でアルカイダのメンバーがどのぐらい逮捕されて、あるいはどのぐらい人間が死亡しているのか、数字はほとんど出てきていないんですが、この辺でも、アルカイダ世界各地のいろんなテロの事件に関係しているとも言われておりますし、国際テロという点からいうと、九・一一以降、テロの危険というのはより高まっているのか、そうでないのか、あるいはよく分からないのか、この辺はどういう認識をされておりますか。
  63. 中村滋

    政府参考人(中村滋君) 御指摘のいわゆる九・一一同時多発テロ以降におきまして、アルカイダに対する国際社会におけるテロとの戦い継続してきているということがございます。その結果、これまで多数のアルカイダ首謀者あるいは関係者が死亡、拘束されているという事実がございます。そのため、この組織自体が大きなダメージ、損害を受けているということは我々の認識でございます。  ただ一方、アルカイダの思想や手法の影響を受けたと見られる各地のテロ組織活動あるいはそれが活発化する傾向というものが見られていると思います。これは単に中東のみならず、東南アジアにおいてはジェマ・イスラミアのような集団が引き続き行動を起こしているということにも注視していかなきゃいかぬと思っております。
  64. 高野博師

    ○高野博師君 それでは、今、国際社会として不朽自由作戦というのを進めているわけですが、これについて各国はあるいはヨーロッパの先進国はどういう評価をしているのか、これについてお伺いしたいと思います。
  65. 金田勝年

    ○副大臣金田勝年君) ただいまの御指摘につきましては、九・一一のテロ攻撃以来、アルカイーダ及びタリバーンについてはイギリス、フランス、ドイツ、イタリアといった欧州の主要国が米軍とともに不朽自由作戦による軍事掃討作戦を実施しているわけであります。また、アフガニスタンを再びテロの温床にしないという観点から、国際治安支援部隊によるその首都カブール及びその周辺の治安維持活動、そして地方復興チームによります地方都市における治安維持及び復興支援を実施しております。  こういう形で各国が一致してテロとの戦いアフガニスタンの復興に取り組んでいるわけでありますが、あと欧州主要国について申し上げますと、ドイツが警察再建を、そしてまたイギリスが麻薬対策を中心に支援をするということで、アフガニスタン政府によるその治安分野での改革努力協力をしてきているという状況が言えると思います。
  66. 高野博師

    ○高野博師君 各国継続的に今の作戦をする必要があるというふうに思っているんだと思いますが、これはいつまでこの対テロ作戦を継続しなくてはいけないのか。そういう見通しについては、我が国自衛隊派遣して給油活動等いろいろやっているんですが、そのほかにもODAというような形でのテロ対策やっていると思いますが、ちょっと見通しがなかなか立たないと、一体いつまでこのテロ特措法に基づいての協力を進めるのかということについてはどういう認識をされているんでしょうか。
  67. 金田勝年

    ○副大臣金田勝年君) 国際社会は、テロとの戦いは長い、長く困難な戦いとなるという認識で一致しているものと考えておるわけであります。したがいまして、現時点ではテロとの戦いの終了時期については一概に申し上げることは困難であるというふうに考えます。また、諸活動の終了時期につきましては、各国がそれぞれの立場で主体的に判断する問題でもあるというふうに考えております。  その上で申し上げますと、いずれの国も、今後のアフガニスタン内外の情勢、そしてテロとの戦いへの国際社会関与の在り方、そういったものがどういうふうに変化をしていくかといった諸般の状況等を総合的に考慮して判断をしていくこととなるものと思っております。
  68. 高野博師

    ○高野博師君 先ほど額賀長官テロに対しての抑止力ということを言われまして、僕はしょっちゅう抑止力について質問しているんですが、やはり新しい脅威ということでの抑止力は、先ほどアフガニスタンでいろんな形での先進国を含めて国際的な協力をやっているというのがテロリストに対する抑止になっているというのは、そこはなかなか私は余り抑止力というのは利いてはいないんじゃないかという、ある程度はあるかもしれませんが、冷戦時代のような抑止力というのは恐らく当てはまらないだろうと思っておりますが。  もう一つ、先ほど大臣テロ対策というか、テロリストに対して三つポイントを挙げられました。一つはテロリストに安住の地を与えない、二つは彼らに手段を与えない、三つはこちら側の弱さを克服すると、こう言われたんですが、テロリストは安住の地なんというのは要らないんじゃないでしょうか。そんなことは求めてないと思うんですね。そこの認識は僕は非常に甘いんじゃないかと。安住したら彼らは危なくなるわけですから、身を隠せるだけのスペースがあればいいぐらいのことではないかと思うんですね。むしろ、手段を与えないということ。彼らにはやっぱり武器弾薬、そして資金があるわけですね。その武器そして資金源、これをどうやって断つのかということじゃないかと思うんですね。三番目のこちら側の弱さを克服すると。しかし、これもなかなか難しい問題で、どこが弱いのかもよく分からないし、いったんターゲットになったときはなかなか防ぐのは難しい。  そういう意味では、この二番目の資金源、依然としてやっぱり資金があるんだろうと思うんですね、依然として武器弾薬を供給しているところがあると。これはテロ支援国家なのか、ある組織なのか、あるいは世界的なネットワークがあってそうなっているのか。いろんなマネーロンダリング対策とか、いろんな国際的には協力をやっているんですが、しかしテロが依然としてこれを持っているということは、この辺はどういう認識をされているんでしょうか。
  69. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 安住の地の定義だと思いますけれども、何も、安住の地というのはかくまってくれれば安住の地だと思います、彼らにとっては。自分たちがテロリストだということを隣にいて知らないはずはありませんからというんであれば、基本的にはそれに場所を提供してくれればそれは安住の地ということになろうと思います。  また、今のお金の話、武器の話等々ございましたけれども、日本もオウム真理教というテロという多分最大のテロを食った経験が、我々はついそこの霞ケ関の駅で食らったということをほとんどの人が忘れられておりますけれども、我々は少なくとも五千人単位でサリンというのをばらまかれたテロリストの被害者という国でもありますので、これはいわゆる道具としては非常に大きなものであって、私どもは爆弾テロとはもっと全然別の意味での恐怖感をこれによって与えられたという経験者でもありますので、被害者としてこれ以後やっぱり脆弱であるということで、あれ以後随分のもので国民の意識も変わった。また、こういったものに対して冗談かと思っていたら本当だったというような話で、やっと意識が少しきちんとしてきたというようなのは、三番目の我々の対応が少しは良くなってきたんだとは思っております。  いずれにしても、こういったようなものが今起きております現状というものは、宗教を理由に限るんではなくて、むしろ貧困が生んでいる部分というのはかなりの要素の大きな部分だと思いますので、日本としてやれるべきところとして、今後貧困とか麻薬にしか頼れない経済状況とか、いろいろなものから生み出される、派生的に生み出すテロというものに対して、日本としてはこれは気長くかなり根気よくやらないとなかなか事は解決しない問題なんだと、私としては基本的にそう思っております。
  70. 高野博師

    ○高野博師君 テロ対策が相当長期間に及ぶというか、やらなくちゃいけないということは分かりますが、必ずしも貧困というのがその温床になっているとは言えないと思うんですね。テロリストがあれほどまでに絶望的な、自分の命を懸けてまでテロを実行すると。その憎悪とかあるいは怨念とか怒りとかというのがあるわけですから、それはどこから来るかというと、貧困というよりも、むしろ排除されたり、差別されたり、抑圧されたり、そういう社会構造に問題があると思うんですね。  それは、民族的な、宗教的な、あるいは文明的な対立というのがやっぱりそこもあるだろうと。また一方で、グローバル化、あるいは市場原理による競争社会、その中での差別が出てくる、こういういろんな要素があると思うんですが、そこをきちんと踏まえた上でのテロ対策をやらないと、軍事的な面だけでこの問題は解決できるとはだれも思ってないと思うんですが、そういう、これはもう大変息の長い、正に世界的な社会構造にどう対処していくかという大変難しい問題だと思うんですね。ですから、私は必ずしも貧困という問題だけではないというふうに思っております。  先ほど言いましたように、世界各地でいろんなテロ組織が活発になっているということは、これは懸念すべきではないかと思っておりまして、先ほど言ったような資金源と、武器と、こういうところについて相当厳しく対処する必要があるんではないかと思っております。  額賀長官、眠そうでありますが、一言、感想があったらお伺いしたいと思います。
  71. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 先ほども言いましたように、テロテロリスト集団、テロの攻撃というのは、いつ、どこで、だれが、どういうふうにやるか分からない、不確定なものである。その中で国民を守り、国家の安定、地域の安定を図っていくことでありますから、これは自分一国ではできない。やっぱり国際的な協調の枠組みの中でしっかりと対応していくことが最も大事であるというふうに思っておりまして、その掃討作戦を今展開中でありますから、我々もそういう、この海上自衛隊補給作戦もそれに対して一定の貢献をしているというふうに思っておりますので、我々も自らの問題としてしっかりとやって、高野委員がおっしゃるように、そういう武器弾薬、資金、そういうものを排除する、供給ができない、そういう形をどうやってつくっていくか、我々は真剣に今後考えていかなければならないというふうに思います。
  72. 高野博師

    ○高野博師君 時間がないので、在日米軍の再編の問題について簡単にお伺いしたいと思います。  グアムの移転経費については、これはもう皆さん御承知のとおりなので触れませんが、そもそも在日米軍も含めて、アメリカ世界戦略として再編をやっていくということの中での在日米軍の再編だと思うんですが、沖縄の負担を軽減するというのは、先ほど長官がおっしゃったように、沖縄県民のこれは悲願でもあると。したがって、日本側の要望でもありますし、日本側が応分の負担をするというのは当然だろうと思いますが、費用総額の算定の根拠もよく分からない。なぜ五九%なのかということもなかなかよくは分からない。  国民が納得するような合理的な理由、説明というのはできるのかどうか、財源はどうするのか、ここはちょっとお伺いしませんが、その後の、先ほども質問がありましたように、ローレス国防副次官が記者会見の中で、在日米軍再編全体に係る日本側の負担が、グアム移転も含めて二百六十億ドルだと、全体としては三百億ドルだと、これも控え目な試算だと、こういうことを言っておりますが、なぜ日本側が二百六十億ドルなのか、アメリカは四十億ドルなのかということもなかなか分からない。  問題は、この副次官が発言しているのは、同盟に対する日本側の投資というのは膨大になるよと、こういうことを言っているわけですね。この三兆円という数字は、額賀長官がラムズフェルド国防大臣との折衝の中で出てきた数字なのかどうかは分かりませんが、まとめて答えていただきたいと思うんですが、このローレス副次官の発言をどういうふうにとらえているのか。新聞報道では、日本は現金自動支払機かと、こういうことも言っておりますが、日米同盟は金次第とか、日本の安全は金次第というようなとらえ方をされやすいような無神経な発言をしては困るなと、こういうふうに思っておりますが。  そもそも同盟というのは、両国の共通の利害、目的があるわけで、相互の義務を負うというのは当然でありますから、何よりも信頼関係が重要であります。  したがって、いきなり三兆円なんという数字が出てくるのも、これも考え物だと思いますが、二十四日の日本で行われたシンポジウムの中で、米側の有識者が、米軍再編の進展によって日米同盟はこれまでになく良好だという、そういう認識を、これはジョセフ・ナイさんなんかも示しているわけでありますから、経費の問題で日本国内世論が批判的になるのは余り好ましくないなというふうに思っておりまして、政府はきちんとこれは説明をする責任があると思います。  僕は、日米同盟というのは日本にとっては死活的な重要性を持っている関係でありますから、これが揺らぐようなことがあってはならないと思いますので、そこの基本的な認識を踏まえた上で、今回のこの三兆円という数字も含めて米側の発言についてどうとらえておられるのか、お伺いしたいと思います。
  73. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 時間が過ぎておりますので、簡潔な答弁をお願いします。額賀防衛庁長官
  74. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) ラムズフェルド長官との三時間余りの会談で共通しておったものは、日米同盟の重要性については共通の認識を持っておりました。したがって、最終的には大局的な考え方でこれを合意形成をしていくことが我が国にとってもアメリカにとってもこの地域にとってもプラスであるということを前提に話し合ったということははっきりと言えるものと思っております。  三兆円的な数字が出たことはありません。米国側の枠組み、百二・七億ドル、その中で、我が国は、海兵隊の移転をどうすればスムーズに展開できるのかということで我が国の考え方に基づいて積算をしていき、直接的な財政支出をし、融資を行いということが六十・九億ドルであり、そのうちの融資、出資というものは最終的には返ってくることであります。そして、これ以外のことについては我が国の内部の米軍施設の建設とか移転の問題でありまして、これは我が国の中できちっとどういうふうに建設していくかをこれから考えることでございます。  したがって、ローレス副次官が言ったのは、まあその真意をよくよく考えると、米国内で、米国の負担が日本の負担と比べると、まあそんなに多くないんですよというような意味のことを強調したかったんではないのかというふうに解釈できます。
  75. 高野博師

    ○高野博師君 終わります。
  76. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 テロ特措法による自衛隊の支援活動は区間を区切った措置とされておりましたけれども、撤退に関する明確なめども示されないまま活動延長してまいりました。計画変更し、活動延長することには強く反対であることをまず申し上げておきたいと思います。  今日は、米海兵隊グアム移転に対する日本の財政支援合意について、直接交渉された額賀長官にお伺いしたいと思います。  まず、グアムに移転する海兵隊の数なんですけれども、これまで総数で約八千人とされておりました。沖縄のどの部隊が移転するのか。長官は積み上げ方式を取ったということですから、司令部、隊舎など、日本側負担によるものを詰める際に移転部隊や兵員を想定されたと思いますけれども、その点をまずお伺いいたします。
  77. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) おっしゃるように、八千人の海兵隊員、司令部機能の八千人の海兵隊員、それから家族合わせて一万七千人と、こう言われているわけでございますけれども、じゃどの部隊が移転をしていくのかということについて、どこのところの部隊がどうだということがはっきり今の時点でなっているわけではありませんで、第三海兵機動展開部隊が今度は海兵機動展開旅団に縮小されていくわけでありますけれども、具体的に詳細なことについて今の時点で我々がはっきり把握しているわけではありません。ただ八千人ということがはっきりしているということであります。
  78. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 長官、おかしいですよ。だって、交渉して、積み上げ方式によって、それでこう決めてきたわけですよね。ですから、ですから、やっぱり移転ということ以上、その点はうやむやにできないはずなんですよ。  やっぱり、その点について、はっきりなっていないとか、具体的に詳細分からないとかいう答弁はこの際やめていただきたい。もう一度。
  79. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 海兵隊の一万八千人のうち八千人がグアムに移転されるということを明言しております。  どの部隊がどういうふうにそれが構成されているかについては、我々に対して、まだ米国が決定されることであって、我々にそれが知らされているわけではありません。ただ、全体として八千人が移転をするということがはっきりしておりますので、それは沖縄県民にとっては大きな軽減、負担の軽減につながるということで、我々は協議をしてきているということでございます。
  80. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 今の答弁聞いてあきれましたね。積み上げたと言うんだけれども、そういうことも詰めてないんですか、アメリカ側と。
  81. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 経費について積み上げをしてきたということであります。
  82. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 経費の積み上げというのは、そういう部隊の移動等々が明確にならない限り積み上がんないじゃないですか。ですから、本当に大変な約束をしてきたということを改めて痛感いたします。  そうしたら、もう一つ伺いますけれども、司令部や隊舎など日本側の真水で造るものは国内の提供施設整備のように日本が造って米側に渡すことになるのか、あるいは資金を米側に渡した上で米側が造るのか、どちらですか。
  83. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは基本的には第三セクターというか、特殊会社みたいなものをつくってやっていく考え方を取っております。それは融資をしたりすることにつながっていくからでありますが、具体的に現時点でどういうスキームということが明らかに詳細にわたって決められているわけで、決定されているわけではありません。
  84. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 長官は二十三日の会見の際に、応分の負担をしなければならないという考え方の下で、国民説明できる形をどうやって作っていくかということでまあ腐心したと、そうおっしゃられております。  合意された日本側の負担について、これが応分の負担だと評価される論拠は何ですか。
  85. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは先ほども言いましたように、我々はアメリカ側の提示した百二・七億ドルの枠組みの中で米海兵隊のグアム移転ができるだけスムーズに展開していくためにはどうしたらいいのかということで、住宅とか庁舎とかそういうことについて、財政支出あるいは融資等々で我々ができる積算の根拠に基づいて直接的な財政支出が上限として二十八億ドル、あとは融資、出資の形で行い、少なくとも財政支出はアメリカよりは少なくしなければならない、そういう形で応分の負担を我々は作り上げつつあるということでございます。
  86. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 移転総経費の総額の中の日本側の負担割合は五九%になります。米国内の基地にかかわる経費であるにもかかわらず、日本の負担を米側よりも重くすることになったわけですけれども、米側よりも大きい負担になっているのに、なぜ応分と言えるんですか。
  87. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは、出融資はいずれ日本に返ってくることになります。したがって、これを総合的に考えると、実質的な負担というものは私はアメリカより少ないというふうに思っております。
  88. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 アメリカより少ないというのは、これは私は詭弁だと思いますよ。だって、その真水部分だけで比べてそういう話は成り立たないと思います。  私は、一つお聞きしたいのは、交渉の際に日米のアプローチが違っているということだということを長官述べられました。アメリカ側は総額を決めて、その七五%について日本に負担を求めたと言います。しかも、そういう基本的な姿勢を変えることはなかったと、最後まで、そうおっしゃられています。アメリカ側は、それらも含め全体についての割合を決めて日本側の負担を主張した、それはどういう論理からですか、アメリカの。どういう論理を主張しましたか、アメリカは。
  89. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) アメリカは、ですから、アメリカはグアム移転に伴う経費はこれくらいの枠組みになるであろう、こういう枠組みになりました、その中で日本は七五%を負担してくれと、そしてアメリカは二五%を負担するという論理展開でありました。  しかし、我々は、海兵隊をグアム移転にできるだけスピーディーにやるためには、じゃ海兵隊の皆さん方がグアムで生活できる環境をできるだけ早くつくり上げることであると。そのためには、住宅を造ることである、仕事の場である庁舎を造ることである、その規模はどれくらいなのであるか、そのためにはどれくらいお金が掛かるのか。それは総枠組みの何割ということではなくて、我々は、そういう住居だとか庁舎に幾ら金が掛かるのかということを積み上げる中で、我々の負担を、財政支出、融資という形で負担を、分担を作ったということでございます。
  90. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 ちょっと角度を変えてお伺いしますけれども、グアムへの基地の再編、これは当然機能強化を図るためのものだと思いますけれども、この機能強化は、昨年、日米が発表しました共通の戦略目標の実施という点でどういう意味を持っているのか、お伺いいたします。
  91. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) いずれにしたって、共通の戦略目標というのは日米安保条約の共通の戦略目標ということでございます。  今度、グアム移転というものは、一つは日本における抑止力を維持する。この北東アジア地域の不安定な状況、不確定な状況の中で、きっちりと従来どおりの抑止力を維持しながら、なおかつ軽減、負担を軽減をするという方策を考えた結果のグアム移転であるというふうに認識をしているわけであります。
  92. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 それではお伺いしますけれども、長官は、共通の戦略目標を持っているということが米軍に対して日本一定の財政支援をすべき根拠になるとお考えですか。
  93. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 日米安保条約というものは日本にとって必要不可欠な同盟関係であると、これは一つの戦略目標であります。  そして、日本の安全とこの地域の安定をつくり出していくために、我々は、今度の米軍再編に伴う基地の在り方を考えた場合に、ここの抑止力を維持し、一方で負担を軽減を図ろうということを考えたわけでありまして、そのために沖縄の悲願である、海兵隊の一万八千人のうちの半分近い海兵隊の司令部をグアムに移転するということは、我が国にとって決して従来の戦略性を失うものではない。その中で一定の応分の負担をしていくことは沖縄県民の負担の軽減につながるので、この交渉の中で我々は財政支出とか融資という形でこの分担をさせていただいたということでございます。
  94. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 今大臣がおっしゃられたように、日米同盟というのが日本の防衛だけではなくて共通の戦略目標の実効あらしめるためのそういうものだということで、そういう認識の上でやはり今回、やはり負担をしなきゃならないということを決められた。これは長官が会見でも述べられたことにも通じると思いますけれども、そういう答弁だったと思います。私は、これが実はアメリカがそういう大きな枠組みの中で考えて、それならば七五%と二五%ということを提案し、それを譲らなかった、そういう背景だと思うんですね。  ですから、やはり結局、積み上げ方式というふうに言われましたけれども、その積み上げ方式も、先ほど八千人の内訳を詰めていないところでもはっきりした、そして同時に、実態分かんないんだから、そういう状況の中で、結局はアメリカのそういう大きな戦略の話の中で同意したという、そういうことになるんだろうということを改めて話を聞きながら痛感いたしました。  この米軍駐留経費の負担原則というのはこれまで非常に明確でした。安保条約に基づく地位協定二十四条だとされてきました。もうこれが一貫した政府の答弁でした。私、以前にも質問をして、そのことが確認されております。  そうすると、今度のグアムの支援というのは一体どうなるのか。これまでの原則から外れる巨額な支援を予算措置として実施するんですか。あるいは、共通の戦略目標の実効のためということで国外の負担を説明する根拠を新たにつくるのか、どちらなんですか。
  95. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 先ほど委員は七五%、二五%の話をしましたけれども、この表面上の枠組みでもこれは日本が五九%であり、アメリカが四一%で、七五%、二五%ではありません。しかも、なおかつ直接財政支出は日本の方がずっと少ないわけであります。その上、出融資については返還されてくるわけでありますから、二五、七五%のパーセンテージは全く違うわけでございます。それが、我々の積み上げ方式によって日本の実質的な負担を軽減したということでございますので、それは国民皆さん方にもよく説明をして御理解を得るように努力をしていきたいと私は思っております。  今後の財政支出、それから出資、融資といった具体的なスキームについては、これから政府部内でしっかりと形作っていくわけでございますので、どういう法的な措置が必要かについてはこれからそんなに時間を掛けないで決めていくことになると思います。
  96. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 私が述べたのは、アメリカが七五%、二五%を主張してきたということを述べてきたわけです、その数字というのは。  それでは、大臣、回収できると、住宅建設等々は回収できると言われますけれども、家賃収入で資金を回収するというのは大体どのぐらい掛かるんですか。何年で結構です。
  97. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) これは今から具体的なスキームについては考えるわけでありまして、そのために我々は積み上げ方式というものを取っているわけでありまして、全体の何割を負担するという考え方は取らなかったのはそういうことでございます。
  98. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 やはり私は、今回、共通の戦略目標の実効を上げて米軍への新たな支援を合理化するということは非常に重大な問題だと。これまでのアメリカに対する支援あるいは基地のいろいろ様々な必要経費の負担、それを枠を大幅にはみ出す重大な問題であることを指摘して、時間ですので質問を終わります。
  99. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 これは質問通告はしてございませんが、今の同僚議員の質問関連して極めて私は重大な御答弁だと思いますので、防衛庁長官にお伺いします。  今長官は、在沖米軍の削減に関連して、経費以外についてはまだ決まっていないと。つまり、どこの部隊を移していくのかということについては決まっていないということをおっしゃったわけですが、これは現地にとっては非常に困る問題なんですね。どうしてかといいますと、そのいついつまでに移るということが決まらないと、跡地利用計画なんかも十分にやれないし、基地で働いている従業員の雇用の問題も起こってくるわけなんですね。ですから、その点が明確に示されないと作業が進まないわけです。  その辺は、五月に予定されています最終報告までには大体決定するのでございますか。
  100. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 五月の初めに予定されている最終合意に向けて今、大詰めの調整をしているわけでございますけれども、それに基づいて、具体的なそれぞれのマスタープランというか実施計画というのが作られていくというふうに御理解をしていただきたいと思います。  ですから、海兵隊のグアム移転ができるだけ早く展開をし、地元皆さん方にとってもいろんな、土地の返還がなされたりして地域のためになされていくためには、我々が一定の負担をして環境づくりをしていくことが県民のためになるというふうに言っているわけであります。それはもう、大田先生、地元なんですから、よく考えていただきたいと思います。
  101. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 先日、私が、キャンプ・キンザーがグアムに移った後どうするかという御質問に対して長官は、新たにできるキャンプ・シュワブ基地に代替施設は造らないとはっきりおっしゃったわけですが、キャンプ・キンザーのその兵たん施設というのは、私が理解するところでは在沖米軍の大部分の軍需物資を賄っているところであって、いつか四軍司令官がキャンプ・キンザーを移すとき、撤退するときはもうアジアから米軍が手を引くときだと。つまり、それほど重要な基地だと言われたわけです。それをグアムに移されるわけですが、もう決定しているわけですが、それを新たに造らないとすると、残りの在沖米軍の兵たん物資というのは一体どこからどういうふうに支給するとお考えですか。
  102. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) それは、今海兵隊員がグアムに移転される話をどういうふうにスムーズに話をしているかでございまして、あとは牧港とかいろんな土地の返還がありますけれども、それはアメリカが今後考えてどういうふうに我々に提案をしてくるのかということだろうと思います。
  103. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 実は、なぜこういう御質問をするかというと、キャンプ・シュワブというものは沖縄の方では極めて基地の恒久化に結び付くおそれがあって、それで当初の予定よりも滑走路が、千八百メートルの滑走路が二本もできるだけに、より基地の大きさが拡大されていくと。そうすると、今おっしゃるキャンプ・キンザーなんかの施設というものもそこに移されるのではないかと。また、一九六〇年代のアメリカ計画にはそれがはっきり打ち出されていたわけですよ、そのキャンプ・キンザーなんかをキャンプ・シュワブ地域に移すということが。  ですから、その点を非常に懸念しているわけなんですが、今の長官のおっしゃるとおりだとすれば、アメリカ側の決めることだとおっしゃるんですが、それではアメリカ側がキャンプ・シュワブにその代替施設を造りたいということをおっしゃった場合に、アメリカ側から言われた場合には明確にお断りすることができますか。
  104. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) この前も大田委員に申し上げましたように、そういう計画はないというふうに言いました。それから、滑走路を二本造ったのは、基本的には着陸するとき、離陸するときに地域の人たちは上空を飛ばないでくれと、これが最低の条件だということで、住民の安全に最大の配慮をしたということが本当でございまして、それはもう素直にちょっと考えていただくことが住民の皆さん方のことであるということを是非理解をしていただきたいと思いますね。
  105. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 先ほど外務大臣から御答弁いただいたわけですが、防衛庁長官にも、私が大事だと思いますので確認させていただきたいと思います。  アフガニスタンやイラクで、戦後復興の新たなモデルとして、戦闘地域や戦闘終結後の不安定な地域に米軍やNATO軍と民間団体とが合同で編成した戦闘と復興を同時に進める地域復興チーム、すなわちPRT活動を展開しています。アメリカ政府は、このPRTを来春までにイラク全土十六か所に配置すると報じられていますが、このPRTへの自衛隊の参加について、アメリカ政府からこれまで何らかの要請がありましたでしょうか。もしあったとしたら、長官はどのように対応なさるおつもりですか。
  106. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) アフガンですか、イラクですか。どっちですか。
  107. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 アフガニスタンとイラクのPRTです。
  108. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 自衛隊について正式にそういう要請があっているわけではありません。
  109. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 もしあるとすれば、どのように対応なさるおつもりですか。
  110. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) そのPRTの概念、どういう仕事をしていくのか、そういうこともまだ分かりませんので、答える段階ではないと思います。
  111. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 先ほど法的にはできないという御答弁がありましたですよ。それでもまだ検討中でございますか。法律を変えてでも参加するという可能性があるんですか。
  112. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) イラクにおいては人道復興支援法、それからアフガンについてはテロ特措法、その法律の範囲内で考えます。
  113. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 外務大臣にお伺いします。  先ほど大臣からアフガニスタンの実情についての御認識が示されまして、重複するかもしれませんが、お許しいただきたいと思います。  あるジャーナリストのアフガニスタンの実情についての現地ルポによりますと、二〇〇五年度のアフガニスタンの国家予算は四十七億五千万ドルで、そのうち九三%が国際援助金で、国際援助金の四分の三は援助国が直接管理するためカルザイ政権に自由になる資金がわずかだとのことであります。  また、カブール以外の地域は地方軍閥が支配し、中央政府の財源の乏しさとは対照的に確実な財源を持っていると。先ほど大臣からも御指摘がありましたが、それはケシの栽培とその密輸であり、ケシの生産量は年間四千トンに達し、世界の生産量の七五%を占めており、その密輸の収益は年間十三億ドル、つまり国家予算の半分に達するとのことであります。  これが事実だとすれば、アフガニスタン中央政府の財政力は極めて脆弱で、地方は事実上軍閥が支配する二重構造的な政治体制にあることになりますが、このような状況下で我が国は今後どのような最善な方法を支援策として実施なさるおつもりでしょうか。
  114. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) 今の言われたところの治安がほぼというところは首都カブール、その他は軍閥。その軍閥という定義は、大田先生、これ我々の知っている軍閥の定義とほかの若い人の定義と意味が違いますので、ちょっとこれなかなか、議事録に残ると、軍閥という話になりますので、いわゆるお互いの認識で知っている上での軍閥という話にさせていただいた上で答弁をさせていただきます。  地方のところにおきましては、いわゆる今、大田先生と我々の認識している軍閥によって抑えられている地域が幾つかあることは確かだと思います。  その上で、今、経済力という点に関しましては、御存じのように、地域におきます経済というところでは農業分野等々いろいろあるんですけれども、基本的には甚だ脆弱であることははっきりしておると思います。今一応、統計上は経済成長率一〇%ぐらいの数字が出てきていますが、果たしてこの統計がそれほど信頼できるほど地方の行政機構がしっかりしているかと言われたら、それは日本の会計検査院が入ったらとてもじゃないけれどももたぬぐらいのところだと。あらかじめそう思ってこういうところを理解していただかないといかぬところだと思っております。  ただ、いろんな意味で、日本のあれだけではありませんけれども、いろんなところからの支援が入ったおかげさまをもって難民約四百二十万人がイラン国境パキスタン国境から戻っておりますので、一応、復興の方向に向かって動き始めているという事実は確かだと存じます。  ただ、これから先、この国が外国からの支援じゃなくて自立していくためにはどうするかといったときには、やっぱりケシの実の販売だけでやっていくというのは、これはどう考えても通る話ではありません。したがって、その部分は、自立するということをさせるためにどうすればいいかというのは、これこそ日本が考える、むしろほかの国に比べて日本の得意とする分野かなという感じがしないわけでもありませんので、まだ治安が何とも安定しているとも言えない段階から、これといって日本から大量の人を送り込むというのもいかがなものかと思いますので、いろんな意味で、地方経済の安定等々、いろいろ我々復興に今後とも努力をしていかねばならぬ、かつ研究もしていかなきゃいかぬところだと思っております。
  115. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 最後に、防衛庁長官あと一問だけお伺いしたいと思います。  先日の本委員会で同僚議員が、アメリカが、米側が提示したという総額百二億ドルの、グアム移転費問題に関連して、百二億ドルというのは高過ぎるのではないかという質問に対して長官は、グアムは高コスト構造であるとお答えになりました。グアムが高コスト構造であるということについて、もう少し御認識をお聞かせいただきたいと思いますが、いかがですか。
  116. 額賀福志郎

    国務大臣額賀福志郎君) 高コスト構造というか、要するに、グアムにいろいろ建物を造ったり道路を造ったりするときに、そういう建築資材だとか鉄だとか、そういうものはみんな遠路運んでくるわけですよね。どうしてもアメリカ国内、日本の国内なんかと比べると高く付きます。日本だって島で仕事をすればそれは何%かは高くなるのと同じ理屈でございまして、それは一般的に比較すれば高い値段が付きますよという意味であります。
  117. 大田昌秀

    ○大田昌秀君 先日の二十四日夜のテレビ番組の中で、グアムの最大手のゼネコンで、グアムの米軍基地施設の建設等を引き受けているブラック社のマムザー副社長がインタビューに答えて、米海兵隊のグアム移転に伴う経費が百億ドルというのは高過ぎると、せいぜい七十億ドルではないかということを言っているわけなんですね。そこの現地の担当者がそういう見積りをしているわけですから、その辺は若干疑問が残りますので、御検討いただきたいと思います。  終わります。ありがとうございました。
  118. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。     ─────────────
  119. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 国際民間航空条約第五十六条の改正に関する千九百八十九年十月六日にモントリオールで署名された議定書締結について承認を求めるの件、国際水路機関条約改正議定書締結について承認を求めるの件及び国際海事機関条約改正簡易化委員会の設置)の受諾について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。  政府から順次趣旨説明を聴取いたします。麻生外務大臣
  120. 麻生太郎

    国務大臣麻生太郎君) ただいま議題となりました国際民間航空条約第五十六条の改正に関する千九百八十九年十月六日にモントリオールで署名された議定書締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明させていただきます。  この議定書は、平成元年十月にモントリオールで開催された国際民間航空機関の第二十七回総会において作成されたものであります。  この議定書は、国際民間航空機関の航空委員会委員の数を増加するため、国際民間航空条約の該当規定を改正することを内容とするものであります。  我が国がこの議定書締結することは、国際民間航空機関における国際協力を増進する見地から有意義であると認められます。  よって、ここに、この議定書締結について御承認を求める次第であります。  次に、国際水路機関条約改正議定書締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明させていただきます。  この議定書は、平成十七年四月十四日にモナコで開催された第三回臨時国際水路会議において採択されたものであります。  この改正議定書は、国際水路機関に総会、理事会等を設置することにより、同機関の組織を全面的に改正することを内容とするものであります。  我が国がこの改正議定書締結することは、水路業務における国際協力を増進するとの見地から有意義であると認められます。  よって、ここに、この改正議定書締結について御承認を求める次第であります。  次に、国際海事機関条約改正簡易化委員会の設置)の受諾について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  この改正は、平成三年十一月にロンドンで開催された国際海事機関の総会において採択されたものであります。  この改正は、国際海上交通の簡易化に関する事項を審議する簡易化委員会を国際海事機関の正式な委員会として設置することを目的とするものであります。  我が国がこの改正を受諾してその早期発効に寄与することは、国際海上交通の一層の簡易化及び海運業の安定的な発展に貢献するとの見地から有意義であると認められます。  よって、ここに、この改正の受諾について御承認を求める次第であります。  以上三件につき、何とぞ、御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いを申し上げる次第です。
  121. 舛添要一

    委員長舛添要一君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  三件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時九分散会