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2004-04-20 第159回国会 参議院 経済産業委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十六年四月二十日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  四月十五日     辞任         補欠選任         平田 健二君     柳田  稔君  四月十六日     辞任         補欠選任      柳田  稔君     平田 健二君      風間  昶君     浜四津敏子君      池田 幹幸君     西山登紀子君  四月十九日     辞任         補欠選任      直嶋 正行君     谷林 正昭君      本田 良一君     高橋 千秋君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         谷川 秀善君     理 事                 魚住 汎英君                 加納 時男君                 松田 岩夫君                 広野ただし君                 藤原 正司君     委 員                 小林  温君                 関谷 勝嗣君                 福島啓史郎君                 保坂 三蔵君                 山下 善彦君                 勝木 健司君                 高橋 千秋君                 谷林 正昭君                 平田 健二君                 藁科 滿治君                 浜四津敏子君                 松 あきら君                 緒方 靖夫君                 西山登紀子君    国務大臣        経済産業大臣   中川 昭一君    副大臣        経済産業大臣  坂本 剛二君    大臣政務官        経済産業大臣政        務官       江田 康幸君    事務局側        常任委員会専門        員        世木 義之君    政府参考人        警察庁刑事局長  栗本 英雄君        経済産業大臣官        房審議官     齋藤  浩君        経済産業省貿易        経済協力局貿易        管理部長     柴生田敦夫君        中小企業庁長官  望月 晴文君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○商工会議所法及び商工会法の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付)     ─────────────
  2. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) ただいまから経済産業委員会開会をいたします。  委員異動について御報告いたします。  去る十六日、風間昶君及び池田幹幸君が委員辞任され、その補欠として浜四津敏子君及び西山登紀子君が選任されました。  また、昨日、直嶋正行君及び本田良一君が委員辞任され、その補欠として谷林正昭君及び高橋千秋君が選任されました。     ─────────────
  3. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  商工会議所法及び商工会法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会警察庁刑事局長栗本英雄君、経済産業大臣官房審議官齋藤浩君、経済産業省貿易経済協力局貿易管理部長柴生田敦夫君及び中小企業庁長官望月晴文君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────
  5. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) 商工会議所法及び商工会法の一部を改正する法律案議題といたします。  本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  6. 魚住汎英

    魚住汎英君 自由民主党、魚住汎英であります。  今日は、中川大臣始め坂本大臣、また江田政務官大変御苦労さんであります。日ごろ、皆さん方の御努力で少しは景気が良くなったのかなと、こういう御報告を実は昨日いただきました。そういう報告を見ておりまして、ああ、うれしいなと思う反面、これは何に基づいたものであるかなという懐疑的なものもあるわけであります。  と申しますのは、もう御承知のとおり、その中でワーストワンは北海道であります。そのワーストツーが我が地元九州であります。そういうようなことからいたしますと、これはもう地方中央格差がますます広がってきておると、こういうようなことがもうその数字において表れておるわけであります。また業種においては、いわゆる製造業、とりわけ先端技術中心としたものはどんどんどんどん技術革新、また組織の言うならばリストラとでもいいましょうか、リスケジュールとでもいいましょうか、いろんな形での自己改革がなされて、非常に伸びてきておることはもう御承知のとおりであります。  そういう中において、今回、商工会議所法商工会法の改正が議題として上程されておるわけでありますが、このことについて、二十分という時間でありますから、是非ひとつ現状を御認識をいただいて、将来あるべき姿をお示しをいただきたい、そういう思いで質問をさせていただくわけであります。  まず第一点は、商工会商工会議所のいわゆる位置付けでありますけれども、これは御承知のとおり、それぞれの、商工会議所法にいたしましては、これはもう明治の時代にできて、戦後新たに昭和二十八年から施行された会議所法であります。商工会法は、昭和三十五年、いわゆる国と県で、市町村を抜きにして、国と県で中小企業政策というのは面倒を見ます。とりわけ、いわゆる業者として、また事業者として、また一人の生活者として、言うならばなりわいとして物事をやっておる人たちを、人手が足りない、例えばいわゆる記帳代行でありますとか、また税の指導でありますとか、またそのほか労務関係指導でありますとかという、いろんなことで、普通の会社であれば当然そういうスタッフというのをそろえておかなきゃならぬわけでありますけれども、残念ながらそこまで手の届かない極めて小規模零細な人たちに対して、ちゃんとしてそれらのものをしてあげることができる。  言うならば、国のいわゆる商工政策の中で設置をされた経営改善普及事業というのはあるわけでありますけれども、その経営改善普及事業ということについての今日ではだんだんだんだんその認識も、そしてまたその必要性も薄くなってきておるということは、取りも直さず効果が出てきたのかなと、こういう反面もなきにしもあらずでありますけれども、基本的に、この商工会商工会議所法というものに基づいたそのそれぞれの組織活動というものを国においてどういうような評価をされておるかということをまず最初にお伺いをいたしたいと思います。
  7. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) おはようございます。  今、魚住委員から御指摘のように、日本は、九州、沖縄から北海道まで、それぞれの地域で頑張っている、経済体が頑張ることによって日本という国が成り立っているわけでございまして、そういう中で、商工会議所商工会が果たしてきた役割というものは極めて大きいものがございますし、また、今後ますます大きいという認識を私自身強く持っております。  魚住委員の御地元の熊本にしても、また私の北海道にしても、町村に行けば行くほど商工会役割というものは非常に大きいわけで、単に自主的な団体であるだけではなくて、今後、街づくり、TMOでありますとか、あるいはまた新しい事業を起こす創業塾等につきましても、商工会議所役割あるいはまた商工会中心市街地というか、街の中心空洞化とかいった問題、あるいは地域地域特性がございますから、その特性をどういうふうに伸ばしていくかということについても、国あるいは県全体で見るんではなくて、下の、下といいましょうか、それぞれの会議所商工会自分たち地域特性を一番分かっていらっしゃるわけでございますから、そういうところの問題を克服し、そして目標を実現していくために、商工会議所商工会は極めて今後ますます重要になっていくと。  正に、大都市と市町村と、地方市町村との格差が広がるということがあってはならない。そのためにも、商工会議所商工会の今後の役割はますます大きくなっていくというふうに理解をしております。
  8. 魚住汎英

    魚住汎英君 ありがとうございます。  本当に大臣はよく勉強をされておりまして、先般も質問いたしましたときにその造詣の深さを心から感じたところでありまして、そういう認識に立っていただいて、是非ひとつ、中小企業庁始め経済産業省、この商工会議所商工会に代わる組織が何かほかにあるかということを、どうぞひとつそれを原点にしてお考えをいただきたいと思うんです。  もしこれがなかりせばと、この組織がなくなったらどうなるかということを考えた場合に、だれも、皆さん方がそれぞれのお立場で、今日、朝から夜遅くまで皆さん方それぞれ議論をして、地域の発展のために、活性化のために、そこで住む人たちの幸せのために、いろんな目的のために努力をしておられる。ところが、残念ながら、それが上意下達になっていない。どこかで情報が途切れてしまって、それで、ましてその実施する、またその恩恵に浴する会員、地域住民、国民、そういう人たちは、非常に今政府に対しても、またそれぞれ努力をいただいている人たちに対してもいわゆる不信感も持っておられる。こういうようなことからすれば、やはり今の在り方全般をこれは見直していかなきゃならぬと。これは我々もまた大いにその責任の一端も担っておるわけでありますけれども、そういう気持ちでおりますことを申し上げておきたいと思います。  そして次に、三位一体改革が今進められておりますけれども、国は商工会商工会議所に対する補助金位置付けをどう考えておられるかというのをお尋ねをいたしたいと思います。
  9. 望月晴文

    政府参考人望月晴文君) 商工会商工会議所におきましては、先生お話しになりましたように、小規模事業者支援ということに国としても大変重要な位置付けを行っているところでございます。  中小企業基本法八条で「小規模企業への配慮」というのが規定されているとおりでございますけれども小規模事業者中小企業の中でも経営資源の確保が特に困難であることが多く、その経営改善発達支援するためには一般中小企業施策から更に踏み込んだ措置を展開する必要があるというふうに考えております。これまでも、したがいまして、商工会商工会議所を活用して、都道府県とともに、商工会商工会議所に対する補助を行っているところでございます。  現在、中小企業対策予算につきましては、三位一体改革の中で、全国的規模、視点で行うべき施策重点化を図っているところでございますが、その観点からも、引き続き、小規模事業者に対する支援一般中小企業施策から更に踏み込んで措置していくことは重要と考えております。  こういった認識の下で、この商工会商工会議所に対する補助金につきましては、財政事情等は勘案しつつも、小規模事業者基礎的条件整備観点から、必要なものについて引き続き措置していくというとともに、地域中小企業ニーズを踏まえて、現下中小企業が抱える課題でございます創業とか経営革新、新事業展開などに一層重点化していくことが必要だというふうに考えているところでございます。
  10. 魚住汎英

    魚住汎英君 もう御承知のとおりでありますが、予算執行残が出ている、不用額が出ている、そういうことの中において、財務省からの見方では、この予算執行残が出るということは事業ができていないんじゃないかと。これはもう正にその部分だけ見ればそうでしょうけれども、なぜそういう具合になっているかという解析をしっかりして、それは取りも直さず、一言で申せば、国が予算組んでも、いわゆるそれを受ける側の都道府県がそれに対応することができないということが大きな原因であるということを明確にしておいていただいて、予算が、不用額が出ればそれだけ、中小企業庁何にもやっていないんじゃないかと、こういう団体はお金やったって予算付けたってやらないんじゃないかと、こういうようなことではないんだということをきちんとやっぱり公表しておいてもらいたいと思うんです。  そのためには、今の、いわゆる原点に返って今の組織在り方、またそして今のいわゆる政策の実行の在り方、果たしてそれでいいのかということをもう一度やっぱり検証して見直して、これもやっぱりリスケしなきゃならぬと、そういう時代に来ておるんだという認識を是非持っていただきたいと思います。  三番目に、これは一部の県でありますが、一行政区域内に一経済団体ということがいわゆる極めて強引なやり方で、強引なやり方というのが適当かどうかというのは別問題と、私に言わせれば不認識だと、勉強不足だという私は認識を持っておりますが、そういうことに基づいて一経済団体地域内のということを盛んに言っているところがあります。もう具体的にはここでは申しませんが、大体都道府県知事の中で少し認識が足りない人がおるわけでありまして、そういうような人からすれば、この団体が何であるかというその本質を御存じない。これは先ほど大臣がお答えになったように、自主的な団体でありますから、何も国が、また地方自治体が強制的にするような団体じゃないんですよ。  ですから、その辺のところをしっかり考えながら、単純に合併されればいいのかということをしっかり考えた上で、国はどのように今後この合併問題と、市町村合併問題といわゆる商工会商工会議所合併問題等についてお考えであるかということをお聞きしたいと思います。
  11. 望月晴文

    政府参考人望月晴文君) 今先生おっしゃいましたように、商工会商工会議所地域商工業者が自主的に自主性に基づき設立する組織でございます。商工会同士商工会議所同士合併はもとより、県や市などの他から強制されるべきものではございません。あくまでも地域商工業者自主的判断で行われるべきものであります。  他方、現下の厳しい情勢の中で、より効率的な組織運営等々を考える上で合併考えておられる商工会商工会議所も多々あるわけでございまして、そういった、正に自ら合併をして効率化をしていきたいという人たちがおられれば、それについて私どもとしてはその環境整備をしていくということも大事なことだと思っております。  したがいまして、本日お諮りいたしております法案につきましても、そういった背景を基にして、国として商工会商工会議所の自主的な活動をより柔軟にできるようにということを支援する環境整備をしたいという趣旨でやっているものでございます。
  12. 魚住汎英

    魚住汎英君 組織率という言葉がありますが、その組織率の中で、商工会議所地域組織率商工会地域組織率、これは会議所地域は大体三〇%程度ですよ。だから、商工会はちなみに六〇%超しておるんです。ということは、取りも直さずもう商工会議所地域では、小規模事業者のために商工会を今作っちゃどうかと、こういう議論もあるということをどうぞひとつ御認識をいただきたいと、こう思うんです。  ですから、いわゆる小規模事業者が、じゃいわゆる納税のときや、確定申告を始めとする納税の時期になるとどこへ行くかと、よく考え物事に対処し、これもまた今までの組織であっていいのかと、こういうこともリスケをする時代に来ておるんだという認識を持っていただきたいと思います。  次に、商工会会議所では八千六百人の経営指導員がいます。この経営指導員という制度自体は、先ほど来申し上げたとおりでありますけれども時代ニーズに適応できないで、先般、松先生からも御指摘がありましたように、この資質向上を図っていくために何かやらなきゃならぬ時代に来ているんじゃないかと。まして、今、彼らのその中央研修中小企業大学校における研修制度をずっと見ておりますと、もう時代に適合した形になっていないんじゃないかと。まして、講師陣教授陣人選等まで踏み込んで考えていくと、従来どおりの在り方であって、果たして地域ニーズ時代ニーズに適応するような形になっておるかと、こういうふうなことから考えていけば、決してなっていっているとは思えませんし、在り方自体にしても、せっかく各地域に、ブロックごと中小企業大学校というのができたわけですから、こういうブロック校の活用を考えていけばもっともっといろんな意味での展開ができるんではないかと、こういう考え方を持っておりますんですが、御意見いかがでしょうか。
  13. 望月晴文

    政府参考人望月晴文君) 御指摘のとおり、経営指導員資質向上というのは大変重要な課題であると私ども認識いたしております。  今お話ございました中小企業大学校における経営支援能力養成研修などなど、県の、都道府県単位連合会における金融、税務等基本能力研修等々の研修をやっておりますが、必ずしもこれが十分であるというふうには思っておりません。したがいまして、今年度予算におきましても、経営指導員資質向上を図るための抜本的な対策として、全国統一カリキュラムによるコンピューターを活用した経営指導員の自主的な能力開発システムなどを構築する等々の努力をしているところでございます。  お話のございました中小企業大学校につきましても、経営指導員研修といたしましては、量的には年間約二千名強の受講を得ている、延べで二千名強の受講を得ているわけでございますけれども、この中身については、研修の質を一層充実させるために不断の見直しを行う必要があるというふうに考えております。平成十五年度の実施に当たっても、全七十六コース中三十七コース企業再生やITに係る新規コースでございます。残りのコースについても研修カリキュラム講師についての刷新を行わなければいけないという、その認識の下に努力をしているところでございます。  いずれにいたしましても、中小企業大学校研修につきましては、本年七月にその組織でございます、所属している組織でございます中小企業事業団が独立行政法人に、基盤整備機構になるわけでございまして、そういったこともきっかけといたしまして、現下状況に即応した機能が果たせるように抜本的な見直しが行われて、例えば中小企業施策との一層の連携や、あるいは出張型の研修などの積極的導入などなどの改革をしていきたいというふうに考えているところでございます。
  14. 魚住汎英

    魚住汎英君 今お話があった出張型の研修なんかも是非やってください。  それで、今、中小企業診断士をやるために一年間、中央の学校でスクーリングやりますね。この制度も、これはもうなじまないんですよ。実態はもう、ただ中小企業診断士資格を受けるためのいわゆる受講と。それもそこまではいい。じゃ、その実施状況どうかということで見てみると、中央へ呼び寄せて一年間びっちりですから、家族と別れ、なおかつ通常のいわゆる経営指導員としての地元の業務を放置して、それで自分研修行くんですから、これはちょっと考え方実態というのが遊離してしまっている。これは是非是正して、先ほど申し上げたように分校があるわけですから、分校に、しかもあれですよね、公認会計士とか税理士とか弁護士とか、いろんな制度と同じように、教科ごとに何年間か掛けてその部分を修得していけば、一年で一発で終わる人も、また五年で、五年掛かってその資格を取得する人もいるわけですね。そういうことができるように制度自体を是非改めていただきたいなと、こう思うわけであります。  これはもう大臣ひとつ、是非ひとつこれはお考えいただきたいと思います。今みたいにべったり一年間研修しなきゃいわゆるその間に受講できる資格がないよというのじゃなくて、試験をだれでも受けられるようにして、そしてその中で成績、その基準をクリアした者はその講義については合格点資格を受けられる一つ要素にしていくと、こういう形になれば、これはもう簡単な話でありますから、物事考え方でありますから。いかがでしょうか。
  15. 望月晴文

    政府参考人望月晴文君) 診断士試験制度につきましては、先生おっしゃるように正に改革すべきときだというふうに考えております。  ちょうど中政審、中小企業政策審議会経営支援部会の下にこの診断士試験制度見直しのための研究会を今設けておりまして、そこで今先生おっしゃいましたような課題も含めまして幅広く検討をして、これからもう少し持続的な診断士制度在り方というものを、結論をこれは是非早期に付けたいということで検討している最中でございます。拳々服膺していきたいと思います。
  16. 魚住汎英

    魚住汎英君 時間が来ましたので終わりますが、中川大臣を始め皆さん方、更にひとつ御奮闘をいただきまして、地域経済が良くなりますようによろしくお願いを申し上げたいと思います。  ありがとうございました。
  17. 平田健二

    平田健二君 おはようございます。民主党・新緑風会の平田健二でございます。  まず、商工会議所法並び商工会法の改正する法律案議論する前にお伺いをしたいんですけれども、先日この委員会繊維振興協会の廃止についての議論がなされました。その中で若干気になることがございますので、先にその部分についてお伺いをしたいと思います。  日本繊維産業が今日壊滅的な打撃を受けておりますけれども、その原因はいろいろあると思います。その中で主な原因というのは何なのか一度大臣にお伺いをしたいなと思いまして、是非お教えをいただきたいと思います。
  18. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 日本産業の中には、先ほどの魚住委員の御指摘にもありますように、いわゆる二極化というのが一層拍車が掛かっているんじゃないかというふうに思っております。  トータルのマクロ数字としては、確かに日本経済が良くなっているということはいろんなデータが最近出てきておりまして、もちろんよく言われる二〇〇二年の二月ぐらいが底だったという状況に比べますと随分とマクロ数字としては良くなってきているのが日本経済だと思いますけれども、そういう中で、二極化の厳しい、依然として厳しい、あるいは更に厳しくなっている分野というのが業種的にも、あるいはまた地域的にも、あるいはまた規模的にもあるわけでございまして、一つは、消費者なりお客さんが買ってくれるかくれないかと。これは単に、お客さんというか消費者の方も、いろいろな将来に対する不安とか給与が減ってきているとかいうことによる買い控えもあるでしょうし、去年の場合には、例えば医療費とかあるいはたばこの値上げとか、米が少し上がったとかいうこともあるでしょうし、消費者の将来に対する不安、あるいはまた冷夏、暖冬といったものも影響しているんだろうというふうに思います。  それからもう一つは、国際的な競争力といいましょうか、が相対的に、今まで強かった部門が中国を始めいろんな国が急速にキャッチアップしてきていると。もちろん価格的に言えば、同じものであれば向こうの方が安くできるという状況もあって、そういう面が、これは先進国日本がかつてそうやって追い付いてきたということもあったわけでございますけれども日本が今度は逆に、特にアジアの場合には日本に追い付き追い越せということで彼らなりにいろいろと努力をされて、あるいはまた豊富な安い優秀な人材とか、いろんな要素もあって、そういうもので非常に影響を受けている産業が、二極化ということはかなり部分、いい方もかなり部分というふうになってきたと思いますけれども、厳しくなっている方もかなり部分あるというふうに認識をしておりまして、経済産業省といたしましても政府といたしましても、もちろんいい方は更に頑張ってもらいたいと思いますし、その厳しい分野についてどういうふうにしていったらいいのかということについて非常に我々としても強い関心と、行政上何ができるかということについて大きな問題意識を持っているところでございます。
  19. 平田健二

    平田健二君 東南アジアを中心とした中国から洪水的な繊維製品の輸入によって我が国の繊維産業が壊滅的な打撃を受けたということは否定できない事実だと私は思っております。本来なら、我が国の繊維産業を守るために中国からの輸入に対して制限をするといいますか、強い態度で臨むべきではなかったのかなというふうに思っております。  しかしながら、これまで政府のやってきたことは、むしろ中国に強大なODAを供与して、例えばポリエステルについて、ポリエステルについて昨年既に日本の十倍に達する生産能力を中国は持っておるわけですね、にもかかわらず、アンタイドローンでポリエステルの生産設備を供与する。しかも、この政策については当時、経済産業省は知らなかった。事後になって国際協力銀行から通告があった。どう見てもこの繊維のことを心配をしていたとは到底思えないんですね、経済産業省が。この件については、二〇〇二年の五月に私はこの委員会で質問をさせていただきました。非常にあいまいな答弁でございました。  今回、繊維産業振興基金が解散をする。これからの五年間、繊維産業にとりまして国による最後の改革期間であるということを認識しておりますけれども、この間の改革に取り組む大臣の決意を是非お伺いしたいというふうに思っております。
  20. 坂本剛二

    ○副大臣坂本剛二君) 繊維産業は、先生承知のように、なお雇用が六十八万人を擁する一大産業でありまして、これを維持することは当然のことかなと、こう思っておるわけでございます。  国際競争力がない、その原因の最たるところは国内における生産と流通の非効率化ということは言われておりまして、ただいま大臣からもお話ありましたが、国内の流通の中で中間プレーヤーというか、卸売業者が何層にも重なっているんですね、それで非常に単価が高くなってしまうという問題。あるいはまたデザイン、これはイタリーの繊維が急激に輸出伸ばしているのはデザイン面で非常に世界の人々に求められたという、このデザインの問題も若干あると。こういったようなことを構造改革を進めていくならば、私は、我が国の繊維産業は国際競争力を持った立派な産業に成長していくものと思っております。  経済産業省といたしましては、川中の中小繊維製造事業者の自立支援や輸出振興等の施策を積極的に推進し、繊維産業の国際競争力を強化してまいりたいと、このように考えております。
  21. 平田健二

    平田健二君 私は、平成七年に参議院議員に当選をさせていただいてから今日までずっと繊維のことについて携わってまいりましたし、質問もしてまいりました。そのたびに中国からの輸入の問題について取り上げてまいりました。  平成十二年に、それまでにも大変な輸入がありましたけれども平成十二年になりまして、正に洪水のように中国から二次製品が日本へ輸入されてまいりました。当時、自民党の繊維対策特別委員会も、もちろん我々野党の繊維対策委員会も慌てて対策委員会を設置をし、協議をした経過があります。そのことは多分御存じのはずです。  今おっしゃられましたように、確かに構造改革をする必要がある。当然です。だけれども、構造改革する前に余りにも急激に輸入品が入ってくるから間に合わないんですよ。構造改革が間に合わなかったんです。何度やりましたか、構造改革だ、クイックレスポンスだということを、経済産業省は。今日までずっとそのことだけじゃないですか。要は、洪水のように東南アジアから繊維製品が入ってくるから間に合わないんです。構造改革が間に合わなくて廃業に追い込まれていく、これが実態ですよ。  今回の繊維ビジョンも、これが最終の五年間だという認識で書かれておりますけれども、まだ、いまだ構造改革が必要だ、国内の流通の改革が必要だ。そんなことじゃないんですよ。いかに中国や東南アジアから入ってくる輸入品を制限するかということだと思っております。これがなければ、こういった構造改革できるわけがないんです、日本の国の繊維産業は。私はそういう認識でおります。是非ひとつ、この五年間、そういった見方で、日本繊維産業をどう再構築できるのか、真剣に考えていただきたいというふうに思っております。  次に、ついでにということじゃありませんが、タオルのTSGの問題についてお伺いをしたいと思います。  タオルのTSG、調査期間を五回延長して、三年にわたって調査を続けてまいりました。四月二日に調査を終了するという決定をなされました。この間のいきさつについて御説明をいただきたいと思います。
  22. 柴生田敦夫

    政府参考人柴生田敦夫君) お答え申し上げます。  タオルに係る繊維セーフガードにつきましては、平成十三年二月に日本タオル工業組合連合会からの要請を受けまして、繊維及び繊維製品に関する協定及び国内法令に基づき慎重に調査を行ってきたところでございます。  このような中、今般、平成十三年から十五年まで及び直近一年間、これは平成十五年三月から平成十六年二月まででございますが、この過去計三年程度のタオルの輸入動向を見ますと、繊維セーフガードの発動水準には達していないものと判断され、また、直近六か月の輸入の伸び率も安定的に推移しているというふうに認められました。この結果、本件調査につきましては本年四月十五日をもって終了することといたした次第でございます。
  23. 平田健二

    平田健二君 ここに経済産業省からいただいた資料があります。輸入の伸び率が大きく増加している状況にないと書かれてあります。中国からのタオルの全体の輸入量は、対前年比を見ますと、昨年十二月は一四・二%の増、本年一月は一三・五%の増加、年平均でも六・二%の増加と報告をいただいております。  とてもこれ、安定しているとは言えない状況だと思います。しかも、タオル工連がTSGの発動要請を出す前年、急激に輸入が膨らんだ年です。それから見ますと、約三万トン、トン数にして六三%の増加、しかもまだ輸入は拡大し続けております。このような状況で調査を打ち切るということについては、私は納得できません。もう一度説明をいただきたいと思います。
  24. 柴生田敦夫

    政府参考人柴生田敦夫君) お答え申し上げます。  具体的な輸入の伸び率でございますけれども平成十三年から十五年にかけまして、全体としての輸入は、六・三%、四・七%、八%とございましたが、直近一年間も約六・六%ということで安定的に推移してございます。また、直近六か月の輸入の伸び率も、今御指摘のございましたように、月に変動ございますが、全体としての輸入から見ますと、全体として、十二月が九・七%増、一月が一三・四%増、そして二月がマイナスの七・二ということで減少している月もあります。  こういうことで、直近六か月の輸入の伸び率も安定的に推移していると認められ、この結果、四月十五日をもって終了することとした次第でございます。
  25. 平田健二

    平田健二君 私は以前にもお話し申し上げました。ここに面白い議事録があるんですが、これは二〇〇一年の質問のときに、質疑のときに、こういう発言をされておるんですね。これは、当時の江崎通産大臣です。  繊維のセーフガードについての問題で、いろいろと技術的な問題もあるけれども、要は政策的な判断なんだ、特に東南アジアを中心とした国々との貿易関係、当時は貿易黒字が大変多くて問題があったというふうに言っておりまして、技術的な問題よりも、むしろそういった政策的な判断が優先してセーフガードは見送るんだ、こう言っておるんですよ。  このことは、実は二〇〇二年のセーフガードの発言でも、当時、平沼大臣は、政策的な判断も必要だけれども数字的に技術的な問題できちっと発動できるような状況であれば発動すると、するべきだと、こういうふうな発言もされております。  その時々の政府の判断によってといいますよりも、むしろ、経済産業省、通産省当時から、やはり技術的な問題よりも、対中国、対東南アジアとの政治的な判断で、日本はセーフガード、特に繊維についてのセーフガードは発動しない、できない、こう言って、ずっと態度を取り続けてまいりました。結果として、今日、繊維産業がこういう実態だ。確かに、セーフガードをすることによって繊維産業が立ち直るとは、即立ち直るとは思いませんが、一つの要因であることは間違いないだろうというふうに私は思っております。したがって、うるさく繊維のセーフガードについては事あるごとに質問をしてまいりました。  いよいよWTOのルールも少し中国が入って変わるようでございますので、それらについて若干お伺いをしてまいりたいと思います。  九五年から始まったTSGに対して、合計三回、四件の発動要請をしました。しかし政府は、MFAの時代も含めて、一度も繊維のセーフガードを発動することはなく、この十二月で期限切れになります。  そこで、これからのこともございますのでお伺いいたしますけれども、来年の一月からは一般セーフガードでの対応ということになりますが、TSGとの制度との違い、発動の要請を行う場合にはどのような手続になるのか、教えていただきたいと思います。
  26. 柴生田敦夫

    政府参考人柴生田敦夫君) お答え申し上げます。  いわゆる一般セーフガードにおきましては、まず第一に、特定の国に対して発動することとされております繊維セーフガードと異なりまして、全世界に対して無差別的に発動するということになってございます。それから第二に、輸入数量制限のみが認められております繊維セーフガードと異なりまして、輸入数量制限と関税引上げの双方が認められる形となってございます。これが繊維セーフガードとの主な相違点でございます。  それから、発動の要請手続でございますが、繊維セーフガードにおきましては生産者等が経済産業大臣に対して行うということになってございますけれども一般セーフガードにおきましては、生産者等が産業所管大臣に対しましてまず発動要請を行いまして、これを受けた産業所管大臣が財務大臣及び経済産業大臣に対して調査の開始に係る協議を行うということになってございます。繊維製品について言えば、経済産業大臣が要請を受け、財務大臣と調査の開始に係る協議を行うということになるわけでございます。  以上でございます。
  27. 平田健二

    平田健二君 ちょっとお尋ねするのを忘れておりましたので、大臣にちょっとお伺いしますが、今年の十二月に中国の湖北省に、国際協力銀行がアンタイドローンで供与をした約八十億円程度のポリエステルの生産工場がこの十二月に完成して操業すると、こういうことなんですけれども、このことについては御存じだったでしょうか。
  28. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 資料として手元にございまして、今御質問いただいて、JBICが湖北省の化学繊維プラントに対してアンタイドローンを設定をしたということを、率直に申し上げて、今御質問をいただいて、資料を読んでびっくりしているところでございます。
  29. 平田健二

    平田健二君 実は、このことは別に通告しておりませんので、ですけれども政策がやっぱり統一されていないという言い方はおかしいんですけれども、ちょっと、先ほども言いましたように、中国は日本の十倍から成るポリエステルの生産設備を持っておきながら、約八百万トン、年間、日本が八十五万トンぐらいですから。それに更に、経済産業省、担当の経済産業省との政策的なすり合わせもなく、相当大きなプラントを中国へ造ると。後で業界の、北陸の業界の皆さんがそれを知って慌てて財務省へ押し掛けてきて、それで状況をつかんだと。この程度なんですよね。  この十二月から稼働するそうなんで、私も行ってみたいと思っておるんです、この工場には。これはもう最初から国際協力銀行にも言っておりました。これは平成十三年の四月に分かったんですけれども、是非行かしてくれというふうに言っておりました。  TSGも含めてですね、ことごとく繊維の政策については、中国については非常に及び腰という感が否めません。是非、もう済んだことですからということじゃなくて、やはりこれからも繊維産業に働く人たち、七十万とか百八十万とか、いろんなデータの取り方によってはそこに働いている人数も違いますし、それなりの産業でございますので、是非ひとつお忘れなく政策を実行していただきたいなと思っております。  それから、中国に対して現在発効しておる経過的セーフガード、それから繊維特別措置、それについて説明をいただいたんですけれども一般セーフガードとこの三つの選択。繊維の場合にはこの三つのうちどれを選択してもいいということなのか、それぞれ、選択をすることにおいてそれぞれの違いはどういうことなのか、教えていただきたいと思います。
  30. 柴生田敦夫

    政府参考人柴生田敦夫君) お答え申し上げます。  まず、対中国の経過的セーフガード及び対中国の繊維特別措置についてでございますが、これらは中国のWTO加盟に際して中国のみを発動対象国として設けられた制度でございまして、それぞれ、経過的セーフガードが二〇一三年、対中国繊維特別措置が二〇〇八年までの時限的な措置となってございます。  これらの措置を一般セーフガードと比較しますと、まず第一に、対中経過的セーフガードにおきましては、輸入数量制限措置の内容やまたこれを含めた発動措置等の期間に定量的な制限が設けられておりません。それから第二に、対中繊維特別措置においては、措置の内容が輸入数量制限に限定されていること、発動の期間が最長でも一年以内とされていることございまして、これらが制度間の主な相違点となっているわけでございます。
  31. 平田健二

    平田健二君 いろいろ申し上げましたけれども大臣、最後に、このセーフガードについて、私は、国際ルールに従って、やはり国内の占有率、販売、生産、生産性、操業度、損益、雇用の水準の変化、いわゆる数値化されたものが発動の基準であって、あいまいな政策的な判断はやめて、客観的な数値に基づいたルールで発動すべきだというふうに思いますけれども、改めて大臣考え方をお聞きしたいと思います。
  32. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 実は私、三年前に中国のシイタケとそれから畳表とネギ、三品目、三品目の輸入の急増のときに自民党の責任者をやっておりまして、そのときにタオルのセーフガードの調査中ということで少し勉強した記憶がございますが、あのときに、我々はきちっとした数字に基づいて予備措置、そしてWTO提訴に向かって準備をしていたわけでございますが、これに対して、ある日突然、中国が自動車とたしかカーエアコンに対していきなりあしたから一〇〇%報復関税を適用すると。まあ何とめちゃくちゃなことをやるんだろうなと率直に福島委員なんかと議論をした記憶がありますが、当時はWTOに入っていなかった、入る直前であったということがありますけれども、さっき平田委員もおっしゃられたように、MFN、最恵国待遇、日中投資協定第一条にその最恵国待遇の扱いをするということがたしか明記されておるということで、こういう報復的な、差別的な関税措置というのは違反ではないかということを随分議論をした記憶がございます。  ですから、我々はあくまでも日本のルールとWTOルール、もちろん整合性があるわけでございますけれども、これに基づいてきちっとやっていくということがもう当然WTOの加盟国としての義務で、権利であると同時に義務だろうというふうに思っております。  もちろん、中国はあれだけの大きな国で、国内的な法制度も非常にまだ未整備の状況の中でWTOに入っていったという、大変な作業を中国国内でやられたということも多分事実だろうと思いますから、そういう中できちっとしたWTO体制に一刻も早くなってもらいたいということで、新規加盟国扱いというのを中国自身主張しているようでございますけれども、早くきちっとしたメンバー国としてのルールを遵守してもらいたいという気持ちはもう私も当然持っているわけでありまして、そこに政治的なのか何なのかよく分かりませんけれども、特別の配慮があったのではないかというような御指摘を受けるようなことを政府としてはしてはならないと。きちっとした条約あるいはまた法制度に基づいて適切な対応を取っていくべきだろうと思います。  一言、平田委員にはもう御専門の話で大変恐縮ですけれども、この繊維というのは、一つ難しい問題としては、アメリカにも繊維産業がある、それからカンボジアのような、もう本当に今経済を何とかスタートさせようというような国にとっても重要な品目である。もう世界じゅう、農業と並んで繊維というのはあらゆる国で産業としてあるわけでございますから、そういう中で、日本の伝統的かつすそ野の広い、大きな日本経済のウエートを占める、そして今後も大事な産業でありますから、何としても守り育てていかなければならないということで、冒頭、坂本大臣の方から高付加価値化、ブランド化とか、またいろいろな構造改革というものが必要であり、それはもう業界の皆さん御自身がよくお考えになっていることだろうと思いますから、そういう趣旨でいろいろと御支援をしていかなければならないというふうに考えておるところでございます。
  33. 平田健二

    平田健二君 アメリカもヨーロッパも、確かに繊維というのはその国の伝統的な産業といいますか、むしろあらゆる産業の中でも先頭を走っているグループだと思いますね。ですから、どうしても開発途上国からの追い上げ、特に人件費だとか、特に縫製というのは労働集約型の産業ですから、どうしてもそういう開発途上国からの追い上げがあることはもう当然です。ですけれども、アメリカにしてもやっぱりヨーロッパにしても、繊維産業だけとは言いませんが、やはり開発途上国から追い上げられてきている産業について、やっぱり、手厚いとは言いませんけれども、相当の保護をしてきておるわけですよね。そして、今日、アメリカでもヨーロッパでも、繊維産業はまあそれなりに活力ある産業として地位を占めておるわけですね。  私は、日本経済を担当する経済産業省、通産省の姿勢が、私は今日までどうだったのかということを問うておるわけですよ。変な話ですけれども、二〇〇一年の四月十八日のマスコミの報道によりますと、アメリカが鉄鋼のセーフガードを発動したという記事が報道されております。そこで、当然、日本やEU、あるいは韓国を含めて抗議をする、している。そのときにアメリカが大統領選挙だったかどうか知りませんが、実はアメリカも分かっておるんですね、日本や韓国やEUがアメリカのこの鉄鋼製品のセーフガード発動について相当抗議をするということは分かっておるんです。分かっておきながらやるんです。なぜですか。よその国よりも自分の国の産業の方が大事なんですよということなんですよ、ということだと私は思っております。よその国の繊維産業よりも日本の国の繊維産業の方が大切なんですよという姿勢がないじゃなかったですかと、そのことを私は言っているつもりです。  毎回毎回こういうことを言いますので、またかということを思っている方もいらっしゃいますけれども、いらっしゃると思いますが、私は、やっぱり日本国の繊維、経済産業省ですから、日本国の産業をまず第一義に考えるというのが一番大切。対政策的なことは当然各省庁すべて取り掛からなきゃいけませんが、取り組まねばいけないと思いますけれども、第一義的には外務省がやればいいんですよ、外国との関係についてね。経済産業省は自国の経済産業産業界をどう守っていくのか、保護育成していくのか、あるいはWTOのルールに従って自由貿易体制になるのに対してどうやってこの産業を守っていくのか、自由に競争する中で耐え得るような産業にするのか、これが私は経済産業省の第一義の仕事と思っていますので。よその国の産業を守るんじゃないんです。このことだけ強く言っておきます。  さて、本論に入らせていただきます。  私は岐阜県が選挙区でございまして、平成のこの大合併で初めて県境を越えた合併が実現しようとしております。御承知のように、岐阜県の中津川市と長野県の山口村ですね。大変事務のいろんな手続で苦労したと思います。  お尋ねしたいのは、このような県をまたぐ商工会議所商工会合併は具体的にどのような手法で行うのか、補助金問題等も含めて御説明をいただきたいと思います。
  34. 望月晴文

    政府参考人望月晴文君) 都道府県をまたぐ商工会合併につきましても、手続的には新商工会の主たる事務所が存在する都道府県知事に対して合併の認可申請を行うことになります。また、商工会議所の場合についても、主たる事務所の存在する地域を管轄する経済産業局長に対して合併の認可申請を行うことになります。  これまでの商工会合併のケースにおきましては、実態として商工会合併協議会の委員として都道府県が参加しているなど、都道府県を含めた議論が行われているのが実態でございます。都道府県をまたぐ合併につきましては、市町村合併が先行する場合には、県境自身もその合併後移動されるので、合併後においても違った都道府県に存在するということは余り想定をいたしておりませんが、仮にその合併後、商工会合併が先行をするなど、その合併後も都道府県をまたぐ合併になってしまったというようなケースにおいても、両関係都道府県を含めて十分な協議が従来の先例から見れば行われていくのではないかというふうに考えているところでございます。  補助金につきましても同様の考え方でございまして、関係都道府県において十分に調整をし、判断されるべきものと考えております。国として、万が一そのような形の合併が行われるような場合には、関係都道府県に対し地域商工業者に対する支援が引き続き適正に、適切に行われるよう求めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
  35. 平田健二

    平田健二君 現実に県をまたぐ、またいだ合併というのは今までないんですか。
  36. 望月晴文

    政府参考人望月晴文君) ないと承知しておりますけれども。過去の例はないと承知しておりますけれども
  37. 平田健二

    平田健二君 そうすると、補助金等についてはどうなるんでしょうか、補助金。いわゆる──そうか、分かりました、分かりました、いいです。それじゃ、次、行きましょう。合併しないと補助金は、もう合併しないんだわね、分かりました。失礼しました。  次、これも言いたくないんですが、評判良くないですね、三位一体改革。交付税が削減されてそのあおりを受けているところも大変多くあって評判悪いんですが、合併の要件として「著しく効率的なもの」というのがあります。六十条の第三項の二です。具体的にはどのような効率化を求めていらっしゃるんでしょうか。
  38. 望月晴文

    政府参考人望月晴文君) 合併によりまして事業が著しく効率的になる場合というふうに書いていることにつきまして、具体的な判断基準といたしましては、地域の個別の事情、いずれにしても地域の個別の状況を踏まえて個々に判断をするというのが原則であろうかと思いますけれども、例えば、共通する組織事業を統合することによって運営が効率化される、あるいは職員の柔軟な配置や能力向上により事業の質的向上が図られる、それから、経費削減で生まれた財源的余裕により専門相談など新しいニーズへの対応を図ることなどによりまして、組織、財政運営基盤が強化され、従来に比べて事業活動が著しく効率的になるという場合を考えております。  このような趣旨につきましては、商工会議所商工会あるいは都道府県等に周知をしてまいるつもりでございます。
  39. 平田健二

    平田健二君 地区規定の見直しについてお伺いをいたします。  改正案によりますと、行政区域の違う合併や飛び地での合併も可能になると、こうなっておるわけですけれども、距離的な条件ではありませんので、六十条の三の要件を満たせばかなり離れたところでも合併ができると、こういうふうに解釈していいかどうか、お尋ねをいたします。
  40. 江田康幸

    大臣政務官江田康幸君) 従来の商工会議所商工会の地区につきましては、一つ行政区域を原則としまして、複数の行政区域をまたがる場合には隣接する場合に限って合併ができるということでございましたが、今回の法改正によりまして、隣接していない場合でも認められるようにすることとしておるところでございます。  これは、従来、商工会議所商工会はその地区内における商工業の総合的な改善発達を図ることを目的としておりますので、通常、行政区域地域経済圏の間には一体性が見られましたけれども、近年、交通通信手段の高度化等を背景に、こういう地域における経済や生活範囲の広域化が進んでいることや市町村合併の進展等に伴いまして、地域経済圏が行政区域と一致しない場合も生じてきていることにかんがみたものでございます。  しかしながら、地域の総合経済団体として、経済圏としての一体性が基礎となっていることには全く変わりませんので、例えば東京と名古屋のように遠く離れた合併を想定しているわけではございません。実態としても、余りにも遠距離であって経済圏の異なる、例えば東京と名古屋の商工団体合併するような場合は考えにくく、そのような場合は基本的には法律で求められる要件を満たすことは困難であると考えております。  以上。
  41. 平田健二

    平田健二君 それは分かるんですけれども、言わんとすることは分かりますが、どういうふうに判断をするんでしょう。  この法律でいきますと、これを満たしておれば合併してもいいよと、ただし今おっしゃられたようなことの判断がありますよと。それは、どこでどなたがどういうふうに判断するんですか。
  42. 望月晴文

    政府参考人望月晴文君) 判断は、認可申請を受けた都道府県あるいは経済産業局長が判断することになると思いますけれども、判断要件といたしましては、今、政務官からも御答弁申し上げましたように、経済圏の一体性等々につきまして実態があるかどうかということが一つの大きな判断要素になろうかというふうに考えてございます。
  43. 平田健二

    平田健二君 逆を言えば、距離的にそんな差がある、離れておるところは、元々そういう合併をするなんということはあり得ないことですから、むしろ丁寧にやっておった方がいいんじゃないですかということを言いたかったんです。丁寧にね、はい。  それでは、ちょっと別な観点からお尋ねします。  商工会議所商工会に対して補助金、委託金など、国、地方自治体を含めて全体でどの程度税金が投入されておるかということについて報告をお願いしたいと思います。
  44. 望月晴文

    政府参考人望月晴文君) 御質問の商工会議所あるいは商工会に対して、税金ということでございますれば、国、地方公共団体からの補助金等の額だろうと思います。  都道府県分や市町村分を含めた商工会議所に対する補助金の総額につきましては、国として全体を必ずしも正確に把握しているわけではございませんけれども日本商工会議所が各商工会議所から聴取して集計したところによりますと、平成十二年度実績で補助金、委託金、助成金の合計額が四百五十五億円と聞いております。  また、商工会に対する補助金の総額についても同様でございますけれども、全国商工会連合会が各商工会から聴取して集計したところによりますと、平成、これは十五年度予算として八百六十九億と聞いております。ちょっと統計数字、統計というか、数字が集計上ばらついておりますけれども、おおむねそのぐらいの数字で推移しているというふうに理解しております。
  45. 平田健二

    平田健二君 もっと細かくなります。例えば、商工会議所商工会が、例えば容器包装リサイクル業者から委託手数料を徴収をしておる、それから雇用保険等の保険料徴収の代行業務も行っておる。これらの手数料収入について、どの程度になるかお尋ねいたしたいと思います。
  46. 江田康幸

    大臣政務官江田康幸君) 手数料に関しての御質問でございます。  商工会議所における手数料収入は、日本商工会議所の調査によりますと、総額は把握されておりませんが、平成十四年度実績としまして、例えば労働保険事務組合手数料収入額として二十五億円、容器包装リサイクル委託費手数料収入額として一億三千八百万円、記帳事務代行手数料等収入額として十九億円と聞いておるところでございます。  また、各地の商工会における手数料収入につきましては、全国商工会連合会の調査によりますと、個別事業ごとの手数料収入額は把握されておりませんけれども平成十五年予算としまして総額百十八億七千万円と聞いております。
  47. 平田健二

    平田健二君 今、商工会議所商工会に対しての補助金、委託金など、国、自治体を含めた補助金、委託金の額、それから委託手数料等の収入、そういった報告をいただきましたけれども、日商や商工会連合会はともかくとして、各商工会議所商工会の財務諸表などの公開はどの程度進んでいるのか、御報告をいただきたいと思います。
  48. 江田康幸

    大臣政務官江田康幸君) 商工会議所の財務諸表の公開につきましては、全国団体である日本商工会議所については、平成十四年四月に閣議決定されました特別の法律により設立される民間法人に関する指導監督基準に基づきまして、主たる事務所内に情報公開コーナーを設置し、書類を備え付け、広く一般に公開するとともに、官報に掲載して、ホームページにおいても公開しておりまして、また各地の商工会議所につきましては、商工会議所法に基づいて、主たる事務所に書類を備え付け、会員、特定商工業者に公開しており、加えて地域一般の方々に対しても、日本商工会議所に準じて情報公開コーナーを設置して公開する傾向にあります。  商工会の財務諸表等の公開につきましては、全国団体である全国商工会連合会については、商工会法や閣議決定に基づきまして、官報に掲載し、かつ主たる事務所に書類を備え付け、広く一般に公開するとともに、ホームページにおいても公開をしております。また、都道府県商工会連合会、各地の商工会におきましては、商工会法に基づきまして、主たる事務所に書類を備え付け、会員に公開しておりまして、さらに一般の方々に対しても公開しているところでございます。
  49. 平田健二

    平田健二君 今、情報公開についてお尋ねいたしました。  先ほどから御報告いただいておりますように、補助金、委託金、それから委託手数料、そういったもの、相当な額に上っておると思います。やっぱり私は、もうこの時代ですから、ホームページですべて公開するというシステムにしたらどうかと。今、一部そうやっておるということでしたけれども大臣、いかがでしょう。全部やるということをお決めいただいたらどうでしょうか。
  50. 坂本剛二

    ○副大臣坂本剛二君) 商工会議所とか商工会は公的性格を有する団体でございますから、財務諸表の会員以外への公開を含め、これから運営の透明性の一層の向上に向けて全国団体を通じるなどにより指導してまいりたいと、このように考えております。
  51. 平田健二

    平田健二君 それから、各自治体から経営指導員の人件費の補助が行われておりますけれども、これはどのぐらいの額になるんでしょうか。
  52. 望月晴文

    政府参考人望月晴文君) 経営指導員への補助金につきましては、先生おっしゃいましたように、都道府県が交付をいたしております。その総額については国として必ずしも把握をしておりませんけれども、全国商工会連合会が各商工会から聴取して集計したところによりますと、商工会については平成十四年度で二百七十四億七千万円と聞いております。  また、日本商工会議所が各商工会議所から聴取し集計したところによりますと、商工会議所については、経営指導員補助金の額としては必ずしも明確ではありませんけれども経営指導員等、つまり経営指導員のほか、補助員及び経営指導研修生を含めまして、そういった経営指導員等についての補助金と、商工会議所の実は自己負担分というのがございますけれども、合計額について、平成十三年度で三百六十五億円と聞いております。今の自己負担分は、おおむね全体の二割強ということでございます。
  53. 平田健二

    平田健二君 先ほども同僚議員からの、同僚議員と言うのは失礼、魚住先生からの質問にもありましたように、経営指導員になるための統一した資格や要件はございますでしょうか。
  54. 望月晴文

    政府参考人望月晴文君) 経営指導員資格につきましては、商工会及び商工会議所による小規模事業者支援に関する法律の施行令というところの規定に基づきまして、経済産業大臣が定めるということになってございます。  具体的には、詳細ございますけれども、大事なところは、経営指導員研修生としての研修課程を修了した者、商工鉱業の指導経営実務に一定期間以上従事した者、あるいは公認会計士等の資格を有するなどの経営指導を行うに当たって必要となる指導能力を有する者であることなどが要件となってございます。
  55. 平田健二

    平田健二君 そうすると、幾つかの資格要件といいますか、があると。それだけですか。  例えば、統一した、先ほど、中小企業大学校のこの課程を、このコースを卒業した者じゃないと駄目だとか、何かそういった一定の資格要件というのはないんでしょうか。
  56. 望月晴文

    政府参考人望月晴文君) 中小企業診断士の場合には、国家試験としての診断士の試験を受けるか、あるいは中小企業大学校で一定の研修を修了するという大きく二つの流れがその資格要件としてはございます。  それから、今私が申し上げました経営指導員につきましては、八つぐらいのルートというか資格経営指導員になるための資格要件がございまして、それを二、三、例示を申し上げましたのが先ほどの答弁でございまして、ちょっと重複いたしますけれども申し上げますと、経営指導員研修生としての研修課程を修了した者というのが一つでございますし、それから、例えば大学を卒業した、学校教育法に基づく大学を卒業した者であって商工鉱業の指導又は経営実務に最近五年のうち二年以上従事した経験を持つ者であるとかいう、あるいは、そうでございますね、公認会計士法の規定による公認会計士あるいは会計士補、又は計理士法の規定による計理士の資格を有する者、あるいは税理士法の規定による税理士の資格を有する者、それから先ほどちょっと申し上げました中小企業診断士の登録を受けている者などなどでございまして、八つばかりの資格要件がございます。  これは、経営指導員が、幅広いバックグラウンドを持った方々が数多く参入していただきまして、中小企業の、小規模企業経営指導をやっていただきたいという趣旨からそういうルートを作ったということになっていると思います。
  57. 平田健二

    平田健二君 これに書いてあると思うんですけれども指導員というのは、商工会議所は別として、商工会では全国で何人いらっしゃるんでしょうか。
  58. 望月晴文

    政府参考人望月晴文君) 全体で八千人ぐらいでございますけれども、全体で八千人ぐらいでございますけれども商工会にはそのうち五千人ぐらい配置されております。
  59. 平田健二

    平田健二君 最後になりますけれども、先ほどの御質問にもありましたように、やはり中小企業、特に私の地元は零細な繊維産業の、特に撚糸をやっておる正にその中心地のど真ん中に住んでおるわけでして、もう毎日顔を会わせるたびにいろいろと言われるんです。やはり経営指導員商工会経営指導員の方等にやっぱりよく相談しておるようです。ですから、やはりこの資質を高めていただいて、ここらが頼りだという状況ですので、是非ひとつ充実をさせていただきたいということをお願いして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  60. 松あきら

    ○松あきら君 松あきらでございます。よろしくお願い申し上げます。  先ほどから種々質問が出ておりますけれども商工会あるいは商工会議所地域の総合経済団体といたしまして、中小企業地域経済社会にしっかりと根を下ろした様々な活動を行ってきていることは周知のとおりでございます。現在、全国に商工会議所は五百二十七か所、会員は百三十七万人、商工会は二千七百七十六か所、会員は百三万人で、両組織に加盟しております商工業者は合わせますと二百四十万人ということになります。中小企業事業所ベースで見ますと約四割を占めておりまして、中小企業にとって欠かせない存在になっていることが分かるわけでございます。その意味で、商工会議所あるいは商工会活性化ということは中小企業地域経済にとりましても大きな課題と言えるというふうに思います。  そこで、まず商工会の問題についてお尋ねをいたします。  全国二千七百七十六か所の商工会には約五千人の、先ほど御答弁ありましたが、五千人の経営指導員おりますけれども、一商工会にしますと、これ、約、割りますと一・八人ということで、一人か二人ということなんですね、そうなりますと。その経営指導員は、先ほど魚住先生あるいは平田先生からもお話出まして、私なども指摘をさせていただいておりますけれども、その経営指導員は非常に大事であるけれども、いろいろ今、資質の問題があるというふうに言われております。先ほど長官の御答弁で、やはり幅広いバックグラウンドを持った人になっていただいているということでありますけれども、やはり小規模企業経営相談やあるいは経営指導などに当たっておりまして、極めて重要な役割を担っているわけでございます。  しかし、経営指導員は、商工会に一度採用されますと、ずっと同じ商工会に在籍しているケースが多いというふうに私は伺っているんですね。やはり、今日IT社会になっておりまして、これはもう皆さんよくお分かりですけれども北海道業者が瞬時に沖縄と結ばれるなんということは当然のことでございます。情報がそれだけ広域的になっているのに対しまして、商工会は相変わらず町村の小さい地域団体にとどまっていたのでは、情報が地域情報に限られてしまうんじゃないかなと。やはり、加盟している企業にとって、商工会はそういった意味では魅力を失ってしまうのではないかというふうに思うんですね。経営指導員資質向上というのは大変な問題で、これは是非お願いをしたいというふうに思っておりますけれども、やはり広い範囲の情報の取得もその資質向上ということに欠かせないというふうに私は思っている次第でございます。  人事交流ということを少なくとも県単位くらいで行っていただきたいと考えておりますけれども、そうした人事交流の在り方について御所見をお伺いいたします。
  61. 坂本剛二

    ○副大臣坂本剛二君) 経営指導員資質向上、それから合併に伴いまして、広域化に対応した人材の育成、これを目的に、都道府県商工会連合会において、都道府県内の商工会経営指導員の人事の一元化と各商工会同士の積極的な人事交流を進めることとしており、実際に、平成十六年四月一日現在で、既に十三の県において県連による人事権の一元化が行われております。それから、四十五の都道府県において、都道府県単位での人事交流が実施されているところでございます。  経済産業省といたしましても、多様化する中小企業ニーズにこたえるために、各種の研修等を通じて経営指導員資質向上を図ってきているところでありますが、商工会において資質向上を図るために人事交流等を始めとする様々な取組が進められていることは望ましいことと考えております。
  62. 松あきら

    ○松あきら君 今伺いましたら、十三の県で一元化が行われ、また四十五の県で人事交流が行われていると。私は、是非これは必要であると。やはり広域商工連合制度、これ設けることも一案であるというふうに書かれておりますし、是非こういった視点でより良い改革を行っていただきたいというふうに思います。  ちょっと質問を飛ばさせていただきます。  商工会議所商工会事業はそれぞれの地域活性への役割が求められておりまして、残念ながら、全国で商店街がシャッター通り化する、これも現実こういうことがあるわけでございます。ですから、やはり商工会商工会議所の使命は殊に重くなってきているというふうに思うわけでございます。  そして、その街づくりのためにタウンマネジメントの事業が取組なされております。これもかなり、いろいろな本など見せていただきますと、かなりうまくいっている、ああ面白いなという、かなりうまくいっているところもあるというふうに思っておりますけれども、なかなかしかし、全国的に見ますと、地元の人材だけでは効果を現すまでにはいかないというところも多いんですね。  中小企業庁平成十五年中小企業の動向に関する年次報告案の概要を見ますと、イベント等ソフト事業実施による取組の重要性というものが報告されております。街づくりのためのタウンマネジメント事業にはイベント等ソフト事業実施による取組、魅力ある商業地域への取組等、ソフト事業が重要と、こういうふうに書いてあるんですね。  二〇〇二年度には文化芸術振興基本法が成立をいたしました。私は、もちろんタウンマネジャーは中小企業診断士とかあるいは公認会計士、弁護士等がタウンマネジャーになっていらっしゃるんですけれども、例えばその町の歴史ですとか、お祭りだったり文化だったり、そういうものが非常に地域活性化に必要じゃないか。ですから、全国で活性化のためのソフトということを考えますと、こういう堅いお仕事の方だけじゃない、こうした正に文化、芸術にかかわる人たちがこうしたタウンマネジャーとして派遣されるシステムも検討すべきではないかと。  文化服装学院の学生のすごくいい取組を伺いましたので、それも含めて、是非、私、すばらしいと思って、これも検討していただきたいと思っておりますけれども、いかがでございましょうか。
  63. 江田康幸

    大臣政務官江田康幸君) 委員指摘のとおり、商店街、街の活性化、非常に重要でございます。そのためにも、地域特性や実情に応じたイベント実施などのソフト事業が非常に重要と考えておりまして、このためにも、専門的な知識、経験を持つ、そういう専門人材の活用が有効であると考えております。  このため、経済産業省としましては、TMOや商店街へ専門家、プロ中のプロと言われるような方々を派遣して行うアドバイザー派遣制度に基づきまして、地域の要請に応じまして各分野の専門家を派遣しているところでございます。  これらの専門家の中には、今、松先生が御指摘になられましたように、文化、芸能に明るい人材も登録されておりまして、歴史や祭り、食などの地域特性を生かした各種イベントの実施等による商店街や街の活性化街づくりについて具体的な指導、助言を行っておるところでございまして、このような人材を増やすことが重要だと考えております。例えば、岐阜県の瑞浪市におきましては、大正ロマンをコンセプトとする商店街におきまして童謡を楽しむ会など市民が集まる場を設置するというような助言を行ったり、そういうものが文化、芸能に関する専門家の間でやられているところでございます。  この専門家派遣事業のほかにも、文化服装学院、松先生から私もお聞きして知り得たのでございますが、この文化服装学院の協力をいただきまして、ファッション等の専門分野を専攻する学生が商店街に赴いてウインドーディスプレーの協力やファッションショーの開催を行うことによって商店街の魅力アップを図るという事業にも取り組んでいるところでございます。昨年度から全国十二地域実施しておりますけれども、非常に好評であるというところでございます。  今後とも、この各種ソフト事業への支援や専門人材の派遣、地域の実情に応じた支援を積極的に行ってまいるつもりでございます。
  64. 松あきら

    ○松あきら君 ありがとうございます。  今の文化服装学院の生徒たちはそれが正に単位になるそうでございまして、生徒にとっても地域の方たちにとっても喜ばしいことであるというふうに思いますし、やはり多様な人材が登用されることが必要であり大事であるというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。  それでは、最後にいたします。  商工会議所活動は、国内の小規模事業者に対する経営支援などにとどまらないで、海外に進出した中小企業支援するなど、内外ともに幅広い活動をされていることに特徴があるというふうに私は思っております。  ところで、中小総合事業団の海外展開中小企業実態調査報告書によりますと、我が国中小企業の海外進出先といたしましては、ASEANが全体の二五・五%、四分の一以上を占めておりまして、特にその中でタイは日系企業の進出が最大であるなど、我が国との結び付きが極めて強い国でございます。  我が国とタイとの経済連携につきましては、昨年の六月、日タイ首脳会議での合意を受けまして、日タイ経済連携協定、EPAですね、この締結に向けて現在両国間で交渉が行われているわけでございます。この交渉の対象には、中小企業に関する協力あるいは投資ルール等、我が国の中小企業にとっても関心の強い項目が含まれていると伺っております。したがいまして、我が国といたしましてもこの日タイ経済連携を是非成功させる必要があるというふうに思っております。  二回目の会合は四月七日から九日まで東京で開かれたようでございますけれども、これまでの交渉の進捗状況、また、中川大臣は去る二月十七日にタイのソムキット副首相とお会いになったようでございますけれども、今後の日タイ経済連携の行方についてどのような感触を持たれたのでしょうか、御所見をお伺いして、質問を終わらせていただきます。
  65. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 今、松委員からもお話ありましたように、現在、日本はタイあるいはまたASEANその他の、マレーシア、フィリピン、韓国とEPAの交渉、政府間交渉をやっているところでございます。  その中でも特にタイということでございますが、一見、この商工会議所商工会法と関係ないような御質問のように見えますけれども、実は松先生の御質問というのは非常に関係があると私は思いながらお聞きをしておりました。  というのは、タイと日本というのは歴史的にも非常に関係が深いわけでございますし、それから、いわゆる先進的な例えば自動車とか電機だとか、そういうところだけではなく、タイで一村一品運動というのを日本がお手本といいましょうか、大分県の前の知事さんなんかはしょっちゅう行って、私も偶然、何回もバンコクでたまたまお会いして、何で来ているんですかと言ったら、一村一品をアドバイスしに来ているんだということが二回ぐらい、偶然バンコクのホテルでばったり顔を合わせてお会いしたこともございます。  そういうことで、正に一村一品の中核になるのは私は商工会議所商工会だと思っておりますので、そういう意味でも、このタイとのパートナーシップ協定というものは非常に大事なものだろうと思っております。  これは単に二国間の経済的なプラスというだけではなく、年末にASEANと日本との特別会合を東京で開きましたが、タクシン首相の認識としては、自分たちはASEAN十か国のリーダー的な存在という認識を持っているんだと、したがって日本とタイの関係がパートナーシップが深まるということはASEAN十か国にとってもプラスになる、もちろん日本とASEANとの二〇一二年をめどにしたEPAのスケジュールもあるわけでありますけれども、その先駆的な役割として日本とタイとが是非結んでいきたい。  もちろん両国にとって欲しいというか、プラスになる部分と守りたい部分とがあるわけでもございますし、今度は単なる物品あるいはサービスといっても、非常に広範囲のサービスも議題になって交渉が始まったわけでございますから、なかなか交渉は、これは多岐にわたり複雑、かつ、そう簡単に結ぶという段階に、今のところまだ始まったばかりであるわけでございますけれども、先ほど申し上げたように、ASEANの中心的な国の一つであるタイと日本がお互いのメリットを更に発展をさせていくということは、二国間のみならずASEAN全体あるいはまた東アジア全体にとっても非常にプラスになることでございますので、もちろん守るべきところはきちっと守りながらでございますけれども、できるだけ早くこれをまとめて成果を上げたいというふうに思っておりますので、また引き続き御指導をお願いいたします。
  66. 松あきら

    ○松あきら君 ありがとうございました。
  67. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 日本共産党の緒方靖夫です。  法案の質問に入る前に、先週末に摘発されました国のBSE対策の国産牛肉買上げ事業をめぐる偽装事件について質問をしたいと思います。  BSE対策は当委員会でも繰り返し取り上げられてきたところであります。大阪府警捜査二課は、十七日、大手食肉販売会社ハンナングループの実質的経営者で、大阪府食肉事業協同組合連合会、府肉連と言いますけれども、その浅田満副会長ら十一名を詐欺容疑で逮捕したと発表いたしました。  この事件の概要について説明していただきたいと思います。
  68. 栗本英雄

    政府参考人栗本英雄君) 今、委員御質問の件につきましては、大阪府食肉事業協同組合連合会幹部らが国内でのBSE発生に伴い実施されました牛肉在庫緊急保管対策事業を悪用いたしまして売買代金をだまし取った事案でございます。  具体的な容疑の内容は、平成十三年末ごろから、全国食肉事業協同組合連合会に対しまして、真実は輸入牛肉の加工品を含んでいたにもかかわらず、すべてが国産牛肉であるかのように装って五百数十トンの牛肉を買い上げさせ、代金として六億数千万円をだまし取ったという詐欺の容疑でございます。  本年四月十七日までに大阪府警におきまして関係被疑者十一名を逮捕しているところでございまして、現在、この事件の全容解明に向け捜査を行っておるところでございます。
  69. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 国産牛肉買上げ事業をめぐるハンナングループの動きは、我が党はこれまで再三追及してきたように、正に疑惑まみれのものだったと思います。  偽装を主導したとされる府肉連副会長の浅田容疑者は、大阪府同和食肉事業協会組合連合会、府同食と言いますけれども、その会長を務めておりまして、府肉連と府同食の二団体を通じて買上げ申請された牛肉は計千七百十八トンにも上っております。これらの牛肉は、同じく浅田容疑者が役員を兼ねる大阪食肉流通センターに一時保管された後、農水省の全箱検査が二〇〇二年四月に始まる以前に焼却処分されていたことも明らかになっていると思います。  また、同グループのハンナン食肉がBSE検査済みの証明書を悪用し、産地不明の箱に高級牛肉の証明書を張り付ける手口で産地偽装を、偽っていた事実も浮上してまいりました。正に今回の事件は我が党が追及してきた疑惑に捜査のメスが入った、そう言えると思うんですね。  そこで、大臣にお伺いしたいと思うんですけれども、国産牛肉買上げ事業をめぐっては、これまで雪印食品、日本食品、日本ハムなどによる偽装事件が相次いで発覚してまいりました。事件の温床と化している、そういう実態があると思います。BSE関連の中小企業対策を講じてきた経済産業省としても今回の事件は看過できない、そういう問題だと認識されているのかどうか、その点について端的にお伺いしたいと思います。
  70. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) 二〇〇一年の九月十日に公表された、この日本でBSEが発生したということは、生産者、消費者始め関係者の皆さんに非常に大きなショックを与えたわけでございます。  そういう中で、早く生産者、消費者始め関係者の皆さんに万全の対策を取らなければいけないと。スピードも要求されていたことも事実でございますし、また万全ということも要求されていたわけでございまして、そういう中で、国産牛から発生したということでございますから、国産牛を市場から隔離をしなければいけないということで、取った対策が国産牛を政府が買上げし処分をすると。そのために対価としてお金を、買上げの対価をお支払するという制度ができたわけでございます。  それに乗じて、今御指摘のように日本を代表するような大手を含めた何社かが、そしてまた、今回また今捜査当局からもお話がありましたような事件が発生をしたということは、日本消費者の食品、食肉メーカー、関係業界に対する信頼性を損なうものでありますし、もちろん刑事事件になったわけでありますけれども、誠に遺憾だと思います。捜査当局において厳正に対応されるものというふうに考えております。
  71. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 今回の偽装事件を主導されたとされる浅田容疑者は、国内外に約七十の系列会社を擁して食肉業界のドンと呼ばれ、政財界に太いパイプを持ち、暴力団組織につながりがあるとされる、そういう人物だと言われております。  今回の事件の入口に、ハンナングループのやみの部分の捜査にもメスを入れ、全容を解明する必要があると思いますけれども、その点、刑事局長にお伺いしたいと思います。
  72. 栗本英雄

    政府参考人栗本英雄君) 先ほども申し上げましたように、現在この事件に捜査を行いまして、私どもとすれば、この事件の全容の解明に努めていかなければいけないと思いますし、この過程で刑罰法令に触れるようなものがあれば法と証拠に基づいて厳正に対処するつもりでございます。
  73. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 私自身もハンナングループと暴力団の関係について調べてみました。そのつながりの深さを示す一つの事実が浮かび上がったという感じがしております。  それは、今回の事件で偽装申請を行った大阪府肉連の理事を務め、浅田容疑者とはいとこ関係にあり、また浅田容疑者の率いるハンナングループ企業の浅田建設や株式会社マックの代表取締を歴任した人物と、もう一人、浅田容疑者の実弟で、元暴力団会長の経歴を持ち、ハンナングループ企業の複数の役員を兼務する人物の計二名が、神戸市中央区の指定暴力団山口組の山健組本部事務所の周辺土地、約二百六十六平米を所有し、同暴力団に対して便宜供与を図っていたという事実であります。  登記簿によると、この土地は神戸市中央区花隈町二十六の一及び七番地に所在しておりまして、山健組本部事務所と隣接した場所にあります。現地の状況を調べたところ、この土地は現在、ここに写真を持ってまいりましたけれども、駐車場として使われているわけですね。そして、その敷地内には山健組本部の名前の看板がこうやって何枚も立てられているという、そういう状況にあるわけですね。こういうことからも、この土地が山健組に便宜供与されていることは明らかだと思います。  警察庁はこうしたハンナングループと山口組との密接な関係について把握されているんでしょうか。
  74. 栗本英雄

    政府参考人栗本英雄君) 先ほども申し上げましたように、既に捜査に着手しておるところでございまして、その事件の解明に努めたいということで御理解を賜りたいと思います。
  75. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 さらに、政治家と深い関係がある、そういう問題もあると思います。政治家との関係といえば、鈴木宗男被告とのかかわりは大変有名です。同時に、新たな事実として、鈴木被告の政治団体、大阪食品流通研究会とハンナングループとの関係についても指摘しておきたいと思うんですね。  ここに、その大阪食品流通研究会の政治団体の届出と趣意書があります。そして、これによると、同研究会は一九八五年七月に結成され、住所は千代田区永田町の鈴木被告の事務所にあり、会計責任者は鈴木被告の共犯として逮捕された元政策秘書の多田淳被告が務めていたことが分かります。ここにこう書いてあります。これもその証明書ですね。  しかし、この団体設立届出に添付された設立趣意書を見ますと、同研究会には千代田区の事務所のほかに大阪にも連絡事務所なるものが存在していることが書かれております。この大阪連絡事務所があるとされる羽曳野市の所在地を調べたところ、そこには浅田容疑者が代表取締役を務めるハンナングループの企業、グループ企業の一つ、南大阪食肉畜産荷受という会社があることも判明いたしました。つまりは、同研究会の大阪連絡事務所というのは、実はハンナングループの企業だったということですね。  政治資金収支報告書によると、この大阪食品流通研究会は一九八五年に結成され、二〇〇一年一月に解散するまでの十七年間に約二億円もの資金を鈴木被告のために集めております。そればかりか、松岡利勝元農水副大臣に対しても、彼が初当選した一九九〇年に同議員の政治団体に約五百万円を献金しております。今回の事件で悪用された国産牛肉買上げの事業をめぐっては、二〇〇一年、鈴木被告と松岡元農水副大臣が農水省に実施を強く迫ったことはマスコミでも繰り返し報道されてきたことです。  こうしたハンナングループと政治家との不透明な関係についても警察庁は捜査を進めていくおつもりなのかどうか、お伺いいたします。
  76. 栗本英雄

    政府参考人栗本英雄君) 先ほども御答弁をさせていただきましたように、この事件の現在捜査中でございますから、その全容の解明の中で刑罰法令に触れる行為が仮にもあれば、法と証拠に基づいて厳正に対処してまいりたいと考えております。
  77. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 事は国民の税金の使途にかかわる重大問題であります。捜査当局として、ハンナングループと暴力団、そして政財界との関係についても徹底的にメスを入れることをこの機会に要望しておきたいと思います。  刑事局長、結構でございます。  さて次に、今回の法案に関連してお伺いしたいと思います。小企業等経営改善資金融資制度、いわゆるマル経制度についてお伺いしたいと思います。  中小企業のうち、特に小規模な企業、例えば常時使用する従業員が商業などで二名以下、製造業などで五名以下の企業の場合、経営内容が不安定なのに加えて担保や信用力が大変乏しく、記帳整備が不十分であることなどの理由から、事業の生命線とも言うべき金融確保の面で極めて困難な立場に置かれております。マル経制度は、こうした状況を踏まえて三十年前の一九七三年に制定されたものです。商工会商工会議所都道府県商工会連合会経営委員会経営指導員小規模事業者に対して経営指導を行い、商工会商工会議所が融資の推薦に当たることによって、国民生活金融公庫から無担保無保証人で最大一千万円まで借りることができる制度であります。この制度の過去三年間の貸付実績、貸付件数と金額はどうなっているのか、お伺いいたします。
  78. 望月晴文

    政府参考人望月晴文君) お答えを申し上げます。  二〇〇〇年度におきましては貸付件数が八万九千件、約、貸付総額三千七十四億円、二〇〇一年度におきましては貸付件数が約八万六千件、貸付総額三千十八億円、二〇〇二年度におきましては貸付件数が七万四千件、貸付総額二千五百八十億円でございます。
  79. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 毎年五千五百億円の貸付予算枠が付いているわけですけれども、それにもかかわらず実績は、今お答えいただきましたようにその半分以下まで下がっている、これがその特徴だと思います。その主な原因、それは国民生活金融公庫の貸付時の指導が厳しくなったことが挙げられると思うんですね。また、中小企業庁も、これまで取扱期間のなかった同制度に二〇一二年三月末までの期間を限り、それまでに制度見直しを行うことを決定いたしました。  こうした背景には、この間のマル経制度をめぐる融資の事故発生率の増加、そのことがあることは確かだろうと思います。しかし、融資事故率の急増は、あくまでも中小企業における政策不況、業状悪化の深刻化が原因であって、マル経制度の廃止や縮小、融資条件の厳格化があってはならないと、そう思うわけですね。  求められているのは、マル経制度の内容の充実と運用の適正化にある、そう思います。低利、長期、迅速、簡便、公正の原則に沿った運用のために制度の一層の充実、これが検討されるべきだと思いますけれども、その点、大臣の御見解をお伺いいたします。
  80. 坂本剛二

    ○副大臣坂本剛二君) 小規模企業者のマル経制度の減少というのは、ただいまお話があったとおりでございます。これは小規模事業者にとりましては、なお引き続く厳しい経済状況の下で借入れを増やそうという意欲が、これがなくなってきているという、そういうのが大いに原因として考えられるんじゃないかと思います。例えば、国民生活金融公庫が平成十五年十二月に行ったアンケート調査においても、今後一年間に借入金残高を減らす方針の企業は約六五%となっております。借入金を減らそうとする意識の強いことがこれでうかがえるわけであります。  本制度は、御承知のように、担保力や信用力に乏しい小規模事業者に対する無担保無保証の融資制度でございまして、非常に小規模事業者にとっては重要な制度であると認識しております。先生おっしゃいましたように、平成十六年度においても、本枠の五百五十万に加えて別枠四百五十万、計一千万の貸付限度額とする補充措置を引き続き実施しているところであります。  また、創業者の資金需要に適切にこたえるために新創業融資制度平成十四年一月に創設したところ、約二年間で貸付件数約一万件、貸付総額約三百億円と、従前の制度に比べて非常に好評をいただいております。  経済産業省としましては、資金需要のある小規模企業者のニーズに十分にこたえられますように、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
  81. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 今、副大臣からお答えいただきましたけれども、本当に業者はわらをもつかむ気持ち、そういう気持ちでいるわけですね。そして、今おっしゃられたように、ニーズに従ってと答弁されましたが、それは大変大事なことだと私は思っております。ですから、その点でやはりマル経制度の運用面についての実態をよく踏まえた上で、今の答弁はそれに沿っていると思いますけれども、更にその実態をきちっとつかんだ上での経済産業省としての仕事を進めていただきたい、このことを要望しておきたいと思います。  最後に、私は、今回の商工会議所商工会のこうした、いろいろ合併に伴うこうした法改正、これに対して一つ懸念がございます。それは、合併によって少し会員数が希薄になる、そういうところにきめ細かいサービス、これが低下するおそれがあるのではないかということについての懸念なわけですけれども、行政としてこうした懸念についてどう対処されるのか、その点について最後にお伺いして、質問を終わりたいと思います。
  82. 望月晴文

    政府参考人望月晴文君) お答えいたします。  商工団体合併の目的は、合併によりまして組織効率化を図ることでございます。経営指導などの事業やサービスの充実を図ることにございまして、御指摘のように、合併によってサービスが低下するような本末転倒の事態は避けなければいけないというふうに考えております。  ちなみに、平成十三年の商工会法改正後の商工会合併におきましては、きめ細やかな支援実施するため、それまで商工会があった場所を支所として活用をするとか、あるいは各商工会当たりの経営指導員の増加に伴いまして、個別企業に対する巡回指導の件数が増加する、あるいは合併によって財源的な余裕ができたことから、弁護士等による専門相談事業を新たに実施し、中小企業の多様なニーズに対応するなどの取組が行われるなど、合併後も一層充実した小規模事業者支援が図られている実績がございます。  経済産業省といたしましても、商工団体合併に当たっては、小規模事業対策を始め、各種事業やサービスの一層の充実が図られるよう、商工会議所商工会に求めてまいる所存でございます。
  83. 緒方靖夫

    ○緒方靖夫君 終わります。
  84. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) 他に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  商工会議所法及び商工会法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  85. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。  この際、藤原正司君から発言を求められておりますので、これを許します。藤原正司君。
  86. 藤原正司

    ○藤原正司君 私は、ただいま可決されました商工会議所法及び商工会法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党及び日本共産党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     商工会議所法及び商工会法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一 商工会議所及び商工会(以下「商工団体」という。)が地域の実状に応じて合併を行った結果、行政の区域と商工団体の地区が異なった場合には、行政と商工団体との一体的な活動に支障が生ずることのないよう十分配慮するとともに、行政と商工団体との一層の連携が図られるよう努めること。  二 市町村合併の進展に伴い、同一市町村内に商工会議所商工会が併存する事例の増加が予想されることから、商工団体組織の今後の在り方については、当事者間の自主的な議論地域商工業者ニーズを踏まえ、組織強化に配意しつつ、早期に所要の検討を行うこと。  三 多様化する中小企業支援ニーズに適切に対応するため、商工団体がこれまで以上に中小企業者に対する総合アドバイザーとしての役割を果たすことのできるよう、経営指導員等の資質向上に向けた施策を充実させること。  四 現下中小企業を取り巻く厳しい経済状況にかんがみ、多様化・複雑化した中小企業支援施策が有効に活用されるよう、その内容を小規模事業者にまで浸透させるように努めること。    右決議する。  以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
  87. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) ただいま藤原君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  88. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) 全会一致と認めます。よって、藤原君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。  ただいまの決議に対し、中川経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。中川経済産業大臣
  89. 中川昭一

    国務大臣中川昭一君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、本法律案実施に努めてまいりたいと考えております。  ありがとうございました。
  90. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  91. 谷川秀善

    委員長谷川秀善君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十四分散会