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衆議院議員(谷津義男君) 今
先生御指摘のありましたように、私が
大臣のときに第三者
委員会、これはノリの問題に関しての件ですけれ
ども、設置をさせていただきました。
実はその前に、これは諫早湾の干拓
事業は影響はないんだという学者の
先生もいます。また、これは一番影響を受けているんだという
先生もいます。そういう方たちはいずれも、個々ではあそこで調査をしていたという事実があるわけでありますから、私はむしろその第三者
委員会を立ち上げることによってそこできちっと
議論をしていただきたい。そして、そこで決められたものは、これは
農水省として
実施をしていかなければならぬということなんで、ただ、これは多数決で決めるものではないというふうに私は思っておりましたものですから、一人でも開門をして調査したいという方がいれば私は開門をして調査すべきであるというふうな
認識の下でこのことに当たっておったわけであります。
そこで、調査
委員会が出された案は、今、
先生がおっしゃっておられるように短期、中期、長期というふうに三
段階で調査すべきであるというふうな、そういう結論が出ました。私は、当然これに基づいて
農水省はすぐに
実施をすべきであるというふうに思っておるわけであります。これは実はいろんな問題がありまして、長崎県は一切開門することには反対であるというようなことで、それは
それなりの理由があって言っているわけなんですが、そういう
意見もありました。
しかし、私は、この開門については、
農水省の技術屋の方から言わせると、これは外へ出す水門であって海から中へ入れる水門ではないと、もしそれを開門するとそれが破壊されるというふうな、こういう
意見もありましたものですから、それならばシミュレーションを作れということで、この開門のシミュレーションを作らせました。その結果、これは開けられるという自信を私は持ったわけでありますし、また技術の担当の人たちもこれは開けられるというふうな
認識を持ったものと
理解をしているわけであります。
そこで、第三者
委員会で出されたいわゆる短期、これは
実施したわけでありますが、実際にこれは中長期の調査をしてみないと私は分からない。なぜかといいますと、この諫早だけがすべてであろうかと。あるいはほかにも相当大きな原因があるんではなかろうか。
これは皆さんも御案内かと思いますけれ
ども、海の恋人は森である、森は海の恋人という言葉がありますように、そういったことで漁業者の皆さん方が実際、山に行って植林をしているという、東北の方のそういう事例もあるわけでありますが、そういうふうなこともありはしないか。あるいはまた、そこの熊本の新港の問題もありはしないか、あるいは池田炭坑の海底の中の陥没もあるぞと、あるいはまたノリ業者の人たちが散剤をまきますから、これを捨てるんですね、あそこに、そういう影響もありはしないか。
そういうことから、すべてを総合的に調査をしてその原因を突き止めなければこの対策は打てないよというふうな
考え方があったものですから、これは中長期も調査すべきであるというふうに私は
考えたわけであります。
そういう中で、この工事を進めるということがありましたものですから、私は武部
大臣に引き継ぐときに、この工事は中止しろというふうに私は引き継ぎをやったわけであります。そして東工区の工事はもう中止ということを決めたわけでありますが、その後、西工区、既にもう埋立てが済んでいるところに堤防を造りたいというふうな話がありまして、これは少し待ったらどうかと、調査が終わってからでも十分に間に合うんじゃないかというようなことを私は何回も申入れをしておったわけでありますけれ
ども、どうしても長崎県の方でこれを
実施をしろということで今いろいろ工事に着手をしたということでありますが、その前にやっぱりせめて中期の調査だけはやらないと原因が分からないぞというようなことで、場合によっては諫早湾ではないという結論が出るかもしれない、それならば堂々と工事をしたらいいではないかというようなことを私は申し上げているわけでありまして、その辺のところは早期にこれは調査をする必要がある。そして、その結論によって工事を進めるなり、やめるなり、そういう結論を出すべきだというふうに私は思っております。