○森ゆうこ君
国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の森ゆうこです。私は、
国会改革連絡会を代表し、武部勤農林水産
大臣問責決議案に
賛成の立場から
討論いたします。(
拍手)
昨年九月、
BSE感染牛の発見以来、毎日これだけ批判され続けているのに、そして今回、
BSE問題に関する
調査検討委員会報告書で重大な
失政と
指摘されたにもかかわらず、どうして
武部大臣、あなたは辞めないのですか。私には理解できません。ひょっとしたら、小泉
内閣の一
内閣一閣僚という公約を守らなければならないと必死に耐えていらっしゃるのでしょうか。気付いていないとしたらお気の毒ですので、念のために申し上げますが、田中眞紀子外相更迭の時点でこの公約はとっくにほごにされているのです。公約にこだわることなく、どうぞ安心して辞めてください。眞紀子
大臣が辞めて、なぜ
武部大臣は辞めないのか、これが一般人の感覚です。
四月二日に
最終報告が出された
BSE問題に関する
調査検討委員会報告書では、
危機管理の
欠如、
政策判断の間違い、
行政の不作為などが数多く
指摘されています。
国民の食の安全に対する
信頼を損ない、
我が国の食肉関連産業を危機的状況に陥れた
行政の
責任が厳しく追及されました。
その中で特に
失政と
指摘されたのは、まず、
農林水産省が九六年に
WHO勧告を受けても何ら
輸入禁止
措置を取ることもなく、
我が国への
BSE上陸を防がなかった点です。
食料の六〇%を
輸入に頼る
日本の
食料事情を考えれば、
農林水産省は、
国内の一部の利益代表の御機嫌を伺うだけでなく、ほかのどんな国よりもグローバルな視野での
食料危機管理を意識すべきで、その時点での楽観的
対応は、
危機意識の
欠如、職務怠慢としか言いようがありません。
BSE問題
発生後の
対応にも重大な
失政があります。九月に千葉県で
感染牛が発見され
BSE問題が起きてからも、
農林水産省は、
感染源、
肉骨粉の
流通過程などを隠し、何を信じたらいいか分からないという恐怖感を
国民の間に生じさせ、
BSE問題を拡大させました。
このように、
国民の食の安全への
信頼が失われた
責任は、
農林水産省、その長たる
武部大臣、あなたの
失政にあるのです。
BSE問題を
解決し、食の安全への
信頼を取り戻すには、
責任の所在を明らかにし、けじめを付ける、
責任を取ることが不可欠です。
しかしながら、今回の
BSE問題については、まだだれも
国民の納得できる
責任を取っていません。今回、
大臣以下数名の給与返納
処分が
発表されましたが、こんなことで、回復不能に近い
行政不信を招いた
農林水産省がけじめを付けたと言えるのでしょうか。だれも
国民の納得できる
責任を取らない、これがいまだに
国民が食の安全への
信頼を回復できず、相変わらず善良な
生産者や食肉
関連業者だけが窮地に立たされている最大の
原因です。
武部大臣はとにかく一生懸命やっていると言ってきましたが、でも、
大臣が一生懸命やるなんて当たり前のことじゃないですか。政治は結果
責任です。
BSE問題が起きて以来、自称一生懸命な
武部大臣の下で、一体何がどう良くなったんでしょうか、何が
解決されたんでしょうか。
昨日、野党四党共同で
提出している
BSE緊急
措置法案早期成立を求める
国民集会が開かれました。畜産・
酪農家では廃業を余儀なくされる方、食肉関連業では倒産が相次ぎ、いまだ食肉需要は半減したまま、永田町の論理では
解決できないリアルな惨状が訴えられました。そんな逆境の中でも、安全で良い牛を育てようと頑張る
生産者、半額キャンペーンでお客を呼び戻そうとする外食産業、みんな精一杯
自分のできる範囲で全力を尽くしています。
まじめに一生懸命暮らしている人々が
自分には
責任のないことで不幸になるこの不条理を
解決するのが、政治の本来の役目ではないでしょうか。その不条理を政治が、不条理そのものを政治が生み出しているというこの現実を
武部大臣、あなたは謙虚に
認識すべきです。
また、
BSE問題を拡大させた
武部大臣の無
責任な
発言も
失政です。
政治主導で
BSE問題の
対策に当たると言いながら、
国会での
武部大臣の答弁は、難しい局面になるとひたすら官僚が作ったメモを読むことに徹し、
武部大臣自身のリーダーシップ、主体性を感じることは一度もありませんでした。たまに
自分の言葉でお話しになったと思えば、それは
たちまち失言となり、
生産者や
消費者の
行政不信を拡大し、その怒りを増大させ、
BSE問題を大きくしただけでした。
私は先日、偶然にも予算
委員会終了後の廊下で、
武部大臣と農水官僚
たちの会話を聞いてしまいました。
大臣、今日はいつになく落ち着いて説得力のある御答弁でございましたねと官僚に持ち上げられ、そうかなあとうれしそうにうなずくあなたには、
政治主導を感じることはできませんでした。
調査報告書にも、農村を地盤に選出された多くの
議員が
生産者優先の政策を求めてきたとあるように、
農林水産省は、
専門家の意見ではなく、
族議員の不当な圧力により
生産者の一部のみを利する政策を取り、
消費者の立場を軽視した政策を実行してきました。
このように
族議員の言いなりになることが、
武部大臣、あなたの言う
政治主導ですか。これは単なる利益誘導ではありませんか。
武部大臣、あなたは今、辞職を決断すべきです。あなたが辞めなければ、
族議員による不正な政策決定により
国民に
被害が生じてもだれも
責任を取らなくていいということになるんですよ。今までと何ら変わらない自民党的無
責任な政治手法、ムネオモデルとでもいいましょうか、不正の温床がそのままになってしまいます。
自分自身や
自分の属する組織の利益のためではなく、
国民の幸福のために
責任を持って決断し行動する、こんな当たり前の、ごく当たり前のことがこの永田町ではできないのでしょうか。
BSE問題がきっかけになり、食肉加工会社の産地偽装問題、JAS法違反の不当表示が次々に発覚し、
消費者は食の安全への
不信を深めています。この国のモラルは一体どこへ行ってしまったんだろうなどと他人事のように批判する資格は、
武部大臣、そしてもちろん小泉
内閣にはありません。スローガンだけの
改革のラベルを張り、偽物の構造
改革を店頭に並べる小泉
内閣こそが不当表示です。
国民に痛みだけを押し付けながら、
改革は進んでいる、よくやっていると偽装する小泉
内閣。本物の構造
改革を主張する自由党の私としては、JAS法違反で告発したいぐらいです。
消費期限の切れた商品は、
消費者の安全のためにすぐに売場から撤去されなくてはなりません。とっくの昔に
消費期限の切れた
武部大臣、あなたは今すぐ
国民の健康のために辞職すべきです。
最後に、良識ある与党の皆さん、今からでも間に合います。
BSE問題の
責任者、
武部大臣問責決議に対し、個人の良心と自主的
判断で
投票されることを心から希望し、私の
賛成討論を終わります。(
拍手)