○中川智子君 私は、社会
民主党・
市民連合を代表して、
武部農水大臣に対する
不信任案に
賛成の
討論をいたします。(
拍手)
昨年十二月一日、社民党は、北海道猿払村に現地
調査に行ってまいりました。天北原野とオホーツク海に寄り添うようにある北の村は、既に深い雪の下にありました。米も野菜も育たない猿払は、漁業と酪農の村です。
苦労の多い酪農の仕事を受け継ぎ頑張ってきた青年は言いました。苦悩した末に親の後を継ぎ、一頭また一頭とふやしてきた、家族で一生懸命働いて、やっと去年ぐらいから生活が安定して、さあこれからだというや
さきに
狂牛病の騒ぎが起こった、
農水省が引き起こしたことをはっきりさせ、
責任をとってもらいたいと言いました。また、ある青年は、いつ自分の牛舎から
狂牛病が出るかもしれない、そう思うと心配で心配でたまらない、国が悪いのに本当に悔しいと、涙ながらに訴えました。
もとはといえば、一九九六年、なぜ
WHOの
勧告を受けとめて
肉骨粉を法によって全面
禁止にしなかったのか、そこに、まず
政府の
危機管理の甘さが如実にあらわれています。
国民の命を守るより業界を守ることを優先する体質が、
狂牛病発生の大きな
原因となりました。
一九九六年、
厚生労働省の行った
狂牛病緊急
調査班によって確認された患者は、すべて、ヤコブ病に汚染された脳硬膜を外科手術で移植された二十三人でした。この薬害ヤコブ病も、
もとはといえば、一九七三年の
輸入承認が極めてずさんでした。
日本で初めての、人の死体からとった組織を使った医療用具なのに、治験はされず、たった九枚のペーパーだけで許可、言語道断です。
政府の不作為で人の命がこれほどまでにないがしろにされるこの国のやり方に、
信頼してくれと言う言葉は全く空虚です。(
拍手)
また、一刻の猶予もならないがけっ縁にあるのは、第一に
生産者です。さらに、
牛肉の
流通、
加工、
小売業者、そして飲食店の
皆さんです。売り上げは前年比五割減、緊急
調査では約二千億円の
損失との結果が出ました。これは天災ではなく、明らかに人災、それも
農水省の
責任なのですから、当然、その
責任者は職を辞し、国家賠償に当たる補償を今すぐにすべきです。
武部大臣は、答弁で、安全だと言っているのにどうして
皆さん食べてくれないのでしょうねと、
消費者に
責任を転嫁する発言を繰り返しています。
国民はみんな、しっかり見ています。
狂牛病が
発生した後のあなたの
うその発言、
後手後手に回った
農水省の
対応が風評
被害を拡大させたのです。この人の言うことは
信頼できない、そう思わざるを得ない頼りない
大臣、
国民はこのようにレッテルを張りました。そのレッテルをはがすには、お気の毒ですが、やめてもらわなきゃしようがありません。(
拍手)
街頭演説をしていると、多くの市民の
皆さんが、やめなきゃいけないのは田中さんじゃなくて武部さんでしょう。この当たり前の声に、あなたはきっちりと答えるべきです。
今回の
雪印食品の
事件は、
食品会社としてあるまじき所業を露呈しました。いち早く行った社民党の
調査団に対しても、ミートセンター所長個人の犯行だと言い逃れをした幹部の発言は、こっけいですらありました。しかし、これもまた、監督官庁の指導の
欠如、元凶はずさんな
牛肉買い上げ
制度に起因します。
雪印食品の嘱託、パート従業員は、二月四日、全員解雇を通告されました。私の友人たちもたくさん、首を切られました。しわ寄せはすべて、弱い立場の人たちがかぶるのです。その
責任にほおかむりをすることは断じて許せません。ましてや、この
事件に対し、
武部大臣、あなたが、あいた口がふさがらないなどと偉そうに言う資格は一切ありません。(
拍手)
火のないところに煙は立たないと申します。買い上げ
制度を丸投げした
農水省の特殊法人農
畜産事業団の二十人の役員のうち、七人は官僚の天下り、関連の組合にも天下り人事がなされています。今すぐにも天下りを
禁止すべきです。
また、農水族
議員の
やみの関与もささやかれている中、
狂牛病発生に至ったこの間の経過をすべて
国民の前に明らかにし、一刻も早く……