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2001-11-27 第153回国会 参議院 国土交通委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成十三年十一月二十七日(火曜日)    午後一時開会     ─────────────    委員異動  十一月十四日     辞任         補欠選任      木村  仁君     坂野 重信君  十一月十五日     辞任         補欠選任      坂野 重信君     木村  仁君      大江 康弘君     渡辺 秀央君  十一月十六日     辞任         補欠選任      渡辺 秀央君     大江 康弘君  十一月十九日     辞任         補欠選任      大沢 辰美君     大門実紀史君      大江 康弘君     渡辺 秀央君  十一月二十日     辞任         補欠選任      野上浩太郎君     福島啓史郎君      大門実紀史君     大沢 辰美君      渡辺 秀央君     大江 康弘君  十一月二十一日     辞任         補欠選任      福島啓史郎君     野上浩太郎君      大江 康弘君     渡辺 秀央君  十一月二十二日     辞任         補欠選任      富樫 練三君     市田 忠義君      渡辺 秀央君     大江 康弘君  十一月二十六日     辞任         補欠選任      市田 忠義君     筆坂 秀世君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         北澤 俊美君     理 事                 鈴木 政二君                 山下 善彦君                 脇  雅史君                 藤井 俊男君     委 員                 荒井 正吾君                 泉  信也君                 木村  仁君                 北岡 秀二君                 野上浩太郎君                 野沢 太三君                 松谷蒼一郎君                 森下 博之君                 吉田 博美君                 池口 修次君                 佐藤 雄平君                 谷林 正昭君                 藁科 滿治君                 続  訓弘君                 大沢 辰美君                 筆坂 秀世君                 大江 康弘君                 田名部匡省君    国務大臣        国土交通大臣   扇  千景君    副大臣        国土交通大臣  佐藤 静雄君        国土交通大臣  泉  信也君    大臣政務官        国土交通大臣政        務官       木村  仁君    事務局側        常任委員会専門        員        杉谷 洸大君    政府参考人        水産庁漁政部長  白須 敏朗君        国土交通省河川        局長       竹村公太郎君        国土交通省道路        局長       大石 久和君        国土交通省住宅        局長       三沢  真君    参考人        住宅金融公庫総        裁        望月 薫雄君        日本道路公団総        裁        藤井 治芳君        都市基盤整備公        団総裁      伴   襄君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○国土整備交通政策推進等に関する調査  (今後の道路整備在り方及び特殊法人等をめ  ぐる諸問題に関する件)     ─────────────
  2. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告をいたします。  去る二十二日、富樫練三君が委員辞任され、その補欠として市田忠義君が選任されました。  また、昨二十六日、市田忠義君が委員辞任され、その補欠として筆坂秀世君が選任されました。     ─────────────
  3. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 次に、政府参考人出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  国土整備交通政策推進等に関する調査のため、本日の委員会水産庁漁政部長白須敏朗君、国土交通省河川局長竹村公太郎君、国土交通省道路局長大石久和君及び国土交通省住宅局長三沢真君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。     ─────────────
  5. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 次に、参考人出席要求に関する件についてお諮りをいたします。  国土整備交通政策推進等に関する調査のため、本日の委員会住宅金融公庫総裁望月薫雄君、日本道路公団総裁藤井治芳君及び都市基盤整備公団総裁伴襄君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 国土整備交通政策推進等に関する調査のうち、今後の道路整備在り方及び特殊法人等をめぐる諸問題に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  8. 山下善彦

    山下善彦君 自由民主党山下でございます。  大臣、よろしいですか。  これまでも何度となく道路政策に関しての議論がさまざまなところで展開をしてまいったわけでございますが、今日ほどその正確な理解また論理整合的な議論が行われなければいけない、こんな時期はないんではないかなと、そんなふうに私は思うわけでございます。  先般、というより六月の二十六日に閣議決定をされたいわゆる骨太方針、これには構造改革のための七つの改革プログラムが示されておるわけでございますけれども、その際政府は、高速道路凍結道路特定財源見直しを提案をするということで、従来の方針を一転してまいったわけでございます。具体的には、整備区間の二千三百八十三キロメートル部分については政府出資金廃止する、今後の高速自動車国道整備総理私的諮問機関第三者機関において検討すると、こういった結論が出てまいっておりまして、私どもといたしましては非常に困惑をし、またびっくりしている昨今でございます。  もともとこの道路整備法的手続を経て慎重に進められてきた整備計画でもあるわけですが、その見直しという前代未聞の事態に、それこそ私のみならず関係をされる皆さん方非常に驚いておられる、これが現実の姿でございます。  そこで、まず最初に交通大臣にぜひお伺いしたい。それは、今回の高速道路整備計画見直しについて扇国土交通大臣所見をまず伺って論点を整理してまいりたいと、こんなふうに考えておりますので、まず大臣から所見を述べていただきたいと思います。
  9. 扇千景

    国務大臣扇千景君) 国土交通大臣としてはいかがかという御質問でございますけれどももともと小泉内閣が発足したときに、聖域なき構造改革をうたって小泉内閣は誕生いたしました。そして、改革なくして成長なしと、これも小泉内閣の看板でございます。私どもは、そういう意味におきまして、聖域なき構造改革とは何たるやということで、それぞれの所管で宿題を預けられました。  そして、私には特に、山下先生が御承知のとおり、道路公団のことについて、また住宅金融公庫都市基盤整備公団、この特殊法人の中で六つ宿題を特に率先して民営化廃止、二者択一でございます、どっちかにしろというお話がございまして、私は、今、先生がおっしゃいましたように、今まででこれだけ大きな改革をしろという宿題を与えられた大臣はほかにないだろうと思っております。  しかも、率先して特殊法人の七公団改革という中に六つまでが国土交通省と、私が非力なのであそこをつっつけばどうかなると思われたのか、あるいは一生懸命先頭に立ってやっていけというお励ましなのかはかりかねますけれども宿題六つ与えられたわけでございます。それで、少なくとも公団に関しましては、今お話がございましたように、三十年で償還を終える、そして国費をゼロにするということが副題としてついてまいりました。  ですから、私は、三十年で国費ゼロということでどうなるかということを国土交通省挙げて検討してまいりましたけれども、私はその中で特に、我々だけでは、民営化ということに関しては民間の皆さん方の御意見も大変大事にしなければならない、参考意見も必要であるということで、御存じのとおり、高速自動車国道整備あり方についてという懇談会をつくらせていただきまして、諸井座長お願いをし、そしてメンバーとしては、御存じのとおり、トヨタの奥田会長でありますとか、あるいは皆さん方の御参加を得て、五名の皆さん方あり方懇談会を整理して、まさに民営化というのは今の一般の皆さん方から見ればどういうことが民営化に条件としてまた必要であるかということをあり方懇談会で七回にわたって懇談をさせていただきました。それは、今申しましたように、三十年で国費ゼロということが前提でございました。  それが、先週でございますけれども、十一月の二十二日、総理から改めて呼ばれましたときには五十年という年数が出てまいりました。それで、なおかつそのときに、私は一番最初出しました案は、日本道路公団をまず民営化し、首都公団阪神公団を逐次民営化して、これを三本を一体にして、本四だけは別途させていただかなければ、債務を負っていますので本四一緒にすると民営化が先延ばしになるので、私は先んじて日本道路公団からやっていきたいということで検討に入ったわけですけれども、二十二日には総理から五十年という数字と四公団一体でという話が出てまいりました。これは全く今までやってきたことと違いますので、本四を入れては私は今即答できる自信はございません、国土交通省と今までの、五十年で本四を入れたらどうなるかという計算をもう一度させていただきたいということで私は下がったわけでございますけれども。  少なくとも私は、党は違いますけれども与党連立の政党としてそれを選挙後も一緒にやっていくという公約をして選挙を戦った人間としては、この小泉総理のおっしゃることに何としても実現方協力するということで、国土交通省の姿勢としては、この方針で案がないものかということで、実は昨日でございますけれども、この諸井あり方懇談会座長最後答申を出してくださいました。それは、日本道路公団阪神首都、これはそれぞれ民営化して、やがて一つにはするけれども本四一緒一体化することに関しては検討を要するという最後の答えを出していただいて、きのう総理諸井座長とともにそれをお渡ししたところでございます。  ですから、少なくとも私は、道路公団一体化ということは今後大きな課題になりますけれども国土交通省として今申し上げたようなことを言っておりますけれども総理総理もと第三者機関をつくって、今後そのことを検討していくというお話がございました。  ところが、第三者機関というのは一体三条機関なのか八条機関なのか、私どもにはその道筋は示されておりません。そして、けさ行革推進本部閣議の前に開かれまして、行政改革をやっていくというこの七公団のことは決定されました。ただ、運び方については、今申しましたように、第三者機関というものが総理のお考えで、少なくとも今まで先生がおっしゃったように平成十一年に国幹審で決められた九三四二という数字が、これは第八条機関でございます。ですから、この八条機関で決まったことが重ねて今度は来年、ことしいっぱいでしょうけれども、来年の通常国会冒頭にこの第三者機関をお出しになるときに同じ八条機関がつくれるものなのかつくれないものなのか、これは法制局がきちんと整備をなさって法制化されるものだと思っておりますけれども第三者機関をつくるということをおっしゃっておりますけれども、きょうは改めて私は、行革推進本部決定の際には、総理に少なくとも国土交通省としてこの第三者機関にすべてのことを相談をさせていただくという立場を堅持させていただきたいということだけは申し入れて、今改革の途上にあるというのが現状でございます。
  10. 山下善彦

    山下善彦君 ちょうど今から十五年前になりますか、昭和六十二年に道路審議会答申を受けて、東名名神高速道路混雑区間、こういうところの拡幅整備、こんな政策を、実は対策を打ち出したわけでございます。また、あわせて高規格幹線道路網が第四次全国総合開発計画の一環としてそのときに閣議決定をされている。そして、国土開発幹線自動車道建設法の一部改正におきまして、既定予定路線に第二東名名神高速道路四百九十キロメートルの区間が新たに追加をされたわけでございます。  ここまで来る間には、私は静岡県でありますけれども、いろいろの皆さん方からこの道路の問題について御意見を伺ってまいりました。当時、私も県議会建設委員長をやっておりまして、地域皆様方、そして経済界の方々、たびたび懇談会開催してまいりまして、そして提言または要望を数多く受けて、その提言要望を受け入れながら高速自動車国道整備のための関連法をしっかり国会で受けとめてくれと、こんなようなお話をしたことを今思い浮かべるわけでございますが、これはあくまでも定められた手順をすべて経た上で閣議決定をされた高速道路整備計画の持つ意義、その確かな重みをこの際政府はどのように受けとめておられるのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
  11. 扇千景

    国務大臣扇千景君) 今申しましたように、八条機関でつくって国幹審で決めたものをというお話でございましたけれども、それを総理がどのように対処なさろうとしているのか、第八条機関にするか、もう一つ厳しい第三条にするのかは私にはまだ、どの閣僚にも御下問はございません。  総理もとにという、内閣につくるということでございますのでこれはわかりませんけれども、少なくとも私はこのことを論議する前に、本年の六月のたしか二十一日でしたか、皆さん方も御承知の、国は特殊法人等改革基本法というものを与党三党、民主党も御参加いただいて、これは賛成多数でこの基本法を通していただきました。  その六月の二十一日に通ったこの特殊法人等改革基本法の中には、少なくとも特殊法人の組織の廃止民営化独立法人化ということはこの法律の中に明示してあるわけでございますから、私は、そのとき既に、六月の二十一日の基本法が通ったときには、特殊法人改革していくということは、これは与党三党と民主党の御賛同で決めたことでございますから、これが特別に今話題になっているから日が当たって問題視されておりますけれども、このときからもう既に改革が始まっているということだけは私は御認識賜りたいと思いますし、個々の、どの道をどうするんだ、この道はどうするんだということに関しては、総理第三者機関検討するとおっしゃっていますので、今私がそこで予見を申し上げることは差し控えたいと思いますけれども、この九三四二を決めたことの重みというものはそれなりに今日も生きて私はグランドデザインの中に、全国の九三四二の仕上げた図をグランドデザインとして明示してございますので、これは今でも生きていると存じ上げております。
  12. 山下善彦

    山下善彦君 今、大臣お話を伺っておりまして、これ一国民にここで聞いていただくというと、ちょっとやはりわかりにくい。  と申しますのは、やはり今私が申し上げたような形で手順というものがある、法律も当然この国会審議をして、賛成、反対、そういうことで可決をされて、いわゆる道路でありましたら施行命令が出て推進をすると、こういうことに相なるわけでございますが、第三者機関でいろいろやろうとも、やはり決めたことの遂行に対する責任、これは非常に内閣並びにこの国会に重いものがあるという意味で私も申し上げているわけでございます。  そういう意味において、この整備計画を最終的に決定する、昔は国幹審、今では国幹会議と申しますか、その責任責務、またこれはその中に位置づけられていると思います、会長内閣総理大臣、現在では小泉さん、首相の決定責任、それはどのように考え、受けとめるべきものなのでしょうか。その辺、ちょっと私も理解をしておりませんので、ここであえて国民皆さんにわかりやすいような形で、この立場、御説明をいただければありがたいと思います。
  13. 佐藤静雄

    ○副大臣佐藤静雄君) 国幹審は、先生今おっしゃいましたとおり、国幹道法に基づいて決める、内閣総理大臣会長として審議をするものであります。これは、道路を新設をする上でも整備計画を進める上でも非常に重要な審議会でありまして、今申し上げました会長のほか、委員として関係閣僚が十名、さらに衆参の国会議員が十三名、さらに学識経験者が八名、合計三十二名で審議会を行うものであります。  この審議会決定されました整備計画、その策定に当たっては環境影響評価を得ておりまして、その影響評価説明会開催、さらに公告縦覧、各地区において具体的な計画ルート、そういうものが全部発表されるわけであります。この計画もとに具体的な地域開発をどんどんそれらの地域はやってまいります。ですから、この決定というのはその地域の未来をつくる上でも非常に大きな重要な役割を果たすものでありまして、その計画遂行には重大な責任を国として負わなければならないと考えております。
  14. 山下善彦

    山下善彦君 わかったような──実は、私が今責務というか責任というか、そういうものについてのいろいろの答弁を求めているわけでございますが、地元では大変な問題が起きていると。こういう中での今回この委員会開催ということですから、私はあえて国民皆さんというか県民の皆さん方に、本当にわかりやすく、今こういう形になって、これから国としても責任を持ってこういう考えでいきますと、こういうものをやはり披瀝をしていきたい、こんな意味でしつこく、これからも時間もまだございますけれども、その点について御説明をいただいてまいりたいと、こんなふうに思うわけでございます。  ずばり言いまして、神奈川、静岡、愛知、第二東名建設が現在進められております、もちろん施行命令の出ていない箇所もございますが。いずれにしても、私はこの第二東名名神工事というもの、過去二十年近く、先ほど申し上げましたように県議会議員当時から、本当に国の一つ施行命令が出た段階から、とにかく地元の発展のために地域はこうあるべきだということでこの第二東名、第一東名を軸としていろいろ地域開発、こんな問題に手を染めてまいりました。ここで今仮にとめられるようなことがあったら大変なことになってしまう。そういう意味で、この第二東名名神高速道路計画どおりぜひ進めていただきたい、ここは要望でありますけれども、そんな意味を込めながら質問をさせていただきたいと思います。  第一東名の現在の収支状況、これを教えていただきたい。それと同時に、第二東名がこれから開通をされたときの収支予測、これもわかりましたらお教え願いたいと思います。
  15. 大石久和

    政府参考人大石久和君) 現東名平成十二年度の収支実績、営業中三百四十七キロが対象でございますが、収入は二千六百八十七億円に対しまして管理費三百七十七億円でございます。収支率は一四、百円稼ぐのに十四円の費用がかかっていると、こういう状況でございます。  現在建設中の第二東名につきましては、現行整備計画九千三百四十二キロを前提といたしました第三十二回国幹審におきます償還見通しもとに試算いたしました概略の総収支見通しでは、総支出が総収入を上回る見込みでございます。しかしながら、第二東名は、現東名の渋滞を緩和するとともに、災害時における代替路としての機能を果たすなど、現東名一体となって国土の枢要な交通基盤を構成するものでありまして、収支についても一体として考えることが妥当だと考えておりまして、この場合、総収入が総支出を上回る状況でございます。  以上でございます。
  16. 山下善彦

    山下善彦君 ありがとうございます。  第二東名収支は合うと、こういう理解をしていいわけですね。
  17. 大石久和

    政府参考人大石久和君) さようでございます。  第二東名、第一東名一体となって機能をすると、そういう考え方で見てみますると、これは全体としてペイすると、こういうことでございます。
  18. 山下善彦

    山下善彦君 ありがとうございます。  たびたび恐縮ですけれども皆さん方にもぜひ御理解をいただきたい点、それは、私ども静岡県ではもう既に工事契約が七割から八割締結をされております。そういう意味で、高速道路工事施行命令が下されるのをにらみながらいろいろの関連事業が現在進行中であるということでございます。  例えば、新たな流通拠点となるインターチェンジ周辺では工業団地造成区画整理事業などによる基盤整備が現在十五地域、広さで言うと三百三十ヘクタール、金額も計算してまいりました、六百五十億円と、こういうお金を投入しております。  また、それと同時に、今後新設されるインターチェンジへのアクセス道路、これが十七路線、総延長でいきますと四十三キロ、これに投入しているお金が約千八百億円。  また、それと同時に、ほかにない例としてぜひ御理解をいただきたいのは、静岡県内企業法人事業税超過課税、こういうものを実は各企業お願いをしているわけでございます。大変無理を言って協力していただいている。第二東名ができますよ、これから皆さん企業もこういう形になりますよということで説得の結果、大変な無理の中でこの課税、二百七十億円の協力を拠出していただいている等々、大変地元皆さん方に今日までこの第二東名開通を目指して本当に協力を隅々まで行ってきていただいておるわけでございます。  それが今なくなったとした場合どうするかと、こういうことに相なるわけでございますが、これは政府責任において、補償対策も含めた完全な事後処理を覚悟していただきたい。地域住民にも、ぜひその辺の覚悟について御説明お願いしたいと思います。
  19. 佐藤静雄

    ○副大臣佐藤静雄君) 今、先生おっしゃるとおり、もうこの地域は用地を必要な面積の九〇%を取得済みあるいは契約済みでありますし、工事についても七五%の区間について着工している状況であります。さらに、今、先生おっしゃったとおり、静岡では第二東名関連道路整備への超過課税の投入をしている。平成六年から十二年までの間に二百七十億円事業税を上積みして集めておられると、そして関連事業を進めてきておられます。  そういうことを考えますと、静岡県におけるいろんな事業協力、そういうこともよく頭に置きながら、今後、経緯を重く受けとめて検討してまいりたいと考えております。
  20. 山下善彦

    山下善彦君 しっかりその辺は、決意を本当はお伺い、こういう責任をということでいただきたいところでございますが、またおいおいその辺については議論の中でお願いをしていきたいと、こんなふうに思うわけでございます。  いずれにしても、こういう地域がいろいろの資本投下をしておるわけでございます。言うなれば、もしこの高速道路が中止になった場合、言葉は悪いかもしれませんけれども、引くも地獄、進むも地獄という言葉がございますが、本当にその言葉どおりになってしまうんではないかな、こんなふうに私は思うわけでございます。  そこで、この事態収拾について、国民的な観点から最善の方法、どういうふうにしたらいいか、こういうことを見つけ出さなければいけないと思います。また、計画見直しとなれば、これまで展開されてきた道路政策政策評価に加えて、行政責任にも広がる極めて重大な問題となることから、この点について大臣の御所見伺いたいと思います。
  21. 扇千景

    国務大臣扇千景君) 山下先生は自民党でいらっしゃいます。小泉総理は自民党の総裁でもあられます。ですから、私は、時代が変わって民営化ということは何を意味するのかということの本質をもっと議論していただきたいと。地域のことに関しては第三者機関とはっきりおっしゃっていますから、それは私どもが今言及するには及びませんし、またそれは私たちが今予見を持って洗脳するわけにはいきません。  私は、それよりも何よりも、少なくとも今二十一世紀の初頭に、国として二十一世紀、子供や孫にどうあるべきかと。きょうも午前中に衆議院の委員会で、本四の三本かけたのはこれは何が原因でしたかということで、私は政治的判断もあったし、そのときの通行量をコンピューターに入力するその入力の仕方にも誤算があったのではないかと申し上げましたけれども、再び政治的判断を間違えないように、二十一世紀の国の、国土あり方は基本的にはどうかということをきちんとこの委員会等々で、今国会議員、バッジをつけている人間が子供や孫にあのときの論議が正しかった、二十一世紀はこういう時代になるんだからこう改革すると、そういう基本的なことはぜひ私たちは正面を向いて前向きに検討していきたいと思っております。
  22. 山下善彦

    山下善彦君 大臣の今お話を聞いたその構えというか形というか、私どもも同じでございます。決して基本は間違っていないと、こう思います。  ただ、今、私が申し上げてきたのは、現実問題として、地域の中でいろいろの作業をしてきておるこういう方々、また、この目標が達成されたときに我々の企業はこういう形に将来、十年後にはなります二十年後にはなりますと、いろんな手を打ってきたそういう皆さん方に基本的な御理解をいただかなければ、この国会でいろいろ議論してもやはり国民の観点からは離れてしまう、そんな気持ちを持っておりますので、まだまだしつこくこうやって質問させていただいておりますけれども。  今の大臣お話を伺っていて、今ちょうど内閣でタウンミーティングというのをやっていますね、各地域。やはりこういう場を利用して、もっともっと国民皆さん方にその辺の構造改革に関連して、孫たち、子供たちのための将来はこうなんですよというそこが見えてこないと、どうしても現実とそこのギャップが広過ぎる。こういうことを私は常に、一週間に一遍地元に帰っております。国会議員は何をやっているんだ、机の上の議論ばかりするんじゃないよと、本当に生の声を自分の体に感じてきております。  そんな意味もありまして、きょうはたびたびしつこくこうやって地元の例を出しながら議論を吹っかけさせていただいておるわけですが、地域の声、また意見を聞くためのぜひこの際全国規模での公聴会などを開催していただきたい、こんなお願いを聞き入れていただけますでしょうか、伺いたいと思います。
  23. 佐藤静雄

    ○副大臣佐藤静雄君) 高速道路は、先ほども申し上げましたとおり、その地域の方々が本当にそれを中心としながら地域の発展計画考えております。そういうことを無視してやっぱり考えるわけにはいかないんだと思います。どういう形にせよ、そういう方々の今までの計画、投資したもの、いろんなこともやっぱり加味して考えなくちゃならぬだろうと思っています。それだけに、やはりそれらの地域意見も十分にお聞きしながら未来を考えていくことが大切なんだろうと私は思っております。  ですから、審議会という形になるのか、それはまだわかりませんけれども、そういうふうに意見をお聞きしながら未来を見ていかなくちゃならぬ、そう思っております。
  24. 山下善彦

    山下善彦君 あと八分ぐらいでありますから質問を整理して伺いたいと思いますけれども道路特定財源の問題についてちょっと触れさせていただきたいと思います。  現在、高速道路を走行する場合も道路特定財源に係るいろんな税金が課税をされておりますけれども、受益者負担の原則に基づくとすれば、一般道路整備に係る道路特定財源も負担をするのはちょっと筋が通らないんじゃないか、二重に払っているんじゃないかな、こんな感じを受けたわけでございます。  そこで、私は、高速道路に配分されるべき道路特定財源について、国土交通省が出しておりました道路統計年報二〇〇〇というものが資料としてございまして、これを計算していきますと、昭和四十六年以降の総額は累計で約十二兆三千七百億円、こういう数字になるわけですね。ここから返還義務のない政府補給金、国による直轄整備事業分は除くのでございますが、これを差し引いても十兆八千億円前後に当たるいわれなき負担を利用者は負ってきたわけでございます。これは第二東名名神の総建設費に匹敵する莫大な金額に相当するわけでございます。  次に、平成十三年度、単年度で見た場合でも、同じような方法で計算をいたしてみますと、道路特定財源五兆八千五百四十七億円中、約七千九百二十一億円、国税分四千七百七十億円が高速道路に配分をされなければならないことになるわけです。  今までの総理内閣の主張によりますと、ここは七千九百億円分を高速道路建設に投入するか、高速道路利用者に返金するか、この二者択一をやはり内閣考えていただかなければいけないんじゃないかな、矛盾しておりますから、そんなことをいずれか決断をしていただきたい。ちょっと強過ぎるかなと思いますが、質問をしながらいささか興奮をし始めましたので。この辺がちょっと矛盾点もある。実際、今まで道路特定財源としてそういうお金を取ってきておりますから、当然そのくらいのお金を使ってもいいんじゃないかなという論理で私は申し上げております。また、過年度分、先ほど申し上げましたように、十兆八千億円という数字の扱いについても同じようなことが言えるわけです。  そういう意味で、この道路特定財源高速道路建設への投入は理にかなったものと考える向きが一段と最近強まってきておりますが、この件に関して政府の見解を伺いたいと思います。
  25. 大石久和

    政府参考人大石久和君) 今、先生からも単年度の税収とその支出についてのお話もございました。私どもの試算によりましても、全車の、すべての車の総走行台キロのうち高速自動車国道が占めておりますシェアは、ガソリン車につきましては八%、ディーゼル車につきましては九%でございます。この比率による、これはガソリン税分でございますが、国税分は我々の試算ですと約二千九百億円となってございます。  この高速自動車国道の税による負担のあり方については、高速自動車国道利用者によるガソリン税収見合いの国費高速自動車国道に充当することは利用者負担の原則に基づくものであり、認められるべきという交通経済学者の御意見もございます。  しかしながら、私どもといたしましては、道路特定財源諸税は、受益者負担、損傷者負担という考え方に基づきまして、道路の主たる利用者である自動車利用者に全体として道路整備費を御負担していただく、全体としてお返ししていく、そういう制度でございまして、道路特定財源高速自動車国道整備のためにのみ活用することは制度の趣旨とは違うのではないかと考えてございまして、全体として、収入が当たった分を全体として道路整備に充てる、このような考え方で整理させていただいておるところでございます。
  26. 山下善彦

    山下善彦君 いずれにしても、この高速道路建設についての考え方は千差万別であるわけでございますけれども、やはり合理的な理由に裏づけられた改革断行でなければ、納税者、国民の支持は到底得られないと私は思うわけでございます。結論先にありきの方式での論戦のもたらす弊害は大変大きなものがあり、今こそ正確な事実認識、論理整合的な認識のもと国民的な広がりのある議論をぜひ約束させていただきたい。  万が一に、国が責任を持たなければならぬ高速道路ネットワーク整備責任をもし放棄しちゃったと、これまで協力体制をしいてきた地方とのいろいろの関係に亀裂が入ってしまう、大変重大な影響が生じると私は思うわけでございます。そんな段階になったら地方はもう国の言うことは聞かなくなりますよ。耳も傾けなくなってしまう。そんなことにはなってはいけませんから、国家百年の計に資するインフラ整備は我々現世代の大きな責務であるということを十分考えて、政府にはくれぐれも誤りなき道路行政を指揮されることを明言していただき、以上をもって私の質問を終わらせていただきます。明言してください。
  27. 扇千景

    国務大臣扇千景君) 私は、今回のあらゆることに関しては、地域はもちろんですけれども、国全体の国民の意識というもの、そういうものを、一地域だけであればどこも飛行場も欲しい、新幹線も欲しい、高速道路も欲しい、港も欲しい。それは、少なくとも新幹線が通ったために熱海の皆さん方は熱海におりてくれなくなったという声もあるんです。四国も三本つくったにもかかわらず、四国全体の経済効果は上がっていないという声もある。橋ができたために四国から出ていってみんな外で買っちゃう、そして泊まってくれない、橋があるから帰っちゃうと。  こういうこともあるわけで、全体的な経済効果、そしてどうあるべきかということは、私は、真に皆さん方一緒になって考えていくというのがまさに二十一世紀の幕あけであって、先生がおっしゃるように、地域の声、国民の声、そして国の財政、これを一体になって考えていくというのが今回の改革の基本であると思っております。
  28. 森下博之

    ○森下博之君 自由民主党の森下博之でございます。  今、山下委員の方から大変壮大な第二東名お話が出ましたが、私は本四三橋についてお伺いをさせていただきたいと思います。  大臣は、五月の二十四日の当委員会におかれまして、三本の橋は二本でよかったのではないか、四国島内の高速道路整備をした方がよかったのではないかと。ただいまも、政治的判断は誤りであったんじゃないかと、こういう御答弁があったわけであります。大臣、お立場として、大臣の御見識には大変敬意を表するものであります。しかし、私のように四国島内に長いこと住まいをいたしておる者からいたしますと、瀬戸内海に橋がかかり四国が島でなくなるということは先祖代々の悲願であったわけであります。また、三ルートにつきましても、それぞれの経緯があったことは御案内のとおりであります。  大臣、せきれい丸で、聞いていただいておりますか、大臣、せきれい丸で三百四名の犠牲者、紫雲丸で高知県の南海中学の学童三十名を含む百六十八名の犠牲者、また残りの今治ルートにおきましても第十東予丸で四百五十名という、千人を超える貴重な人命が失われたわけであります。橋ができておりましたらこういった犠牲者は出なかったわけであります。  それは大臣、笑い事じゃないですよ。そうだろう。
  29. 扇千景

    国務大臣扇千景君) いやいや、おっしゃるとおりだと言っているんです。
  30. 森下博之

    ○森下博之君 ということになりますと、これは、この橋がお荷物だとか無用の長物だとか言う以前に、私はこういった方々の犠牲の上に立った命のかけ橋だと思うわけであります。その点も、ひとつ大臣、むだだったと思われる御見解もございましょうが、ひとつ肝に銘じていただきたいと願うものであります。  以下、そういう観点から御質問をさせていただきます。  今、大臣ちょっと聞き漏らしたかもわかりませんが、この道路関係公団につきましては、もう一度本四を入れて計算し直して、国費ゼロ、償還五十年でシミュレーションをして見直すというお話でございますが、私は大変結論が出るのがいつになるのかということに関心を持つわけでありますが、大体いつごろをめどに決められるのか、おわかりでございましたら御答弁賜りたいと思います。
  31. 大石久和

    政府参考人大石久和君) 本州四国連絡橋公団につきましては他の三公団と同様に廃止することとし、新たな組織は内閣に置く第三者機関において検討し、その具体的内容を平成十四年中に取りまとめる。道路公団と同様に新たな組織は民営化前提とし、平成十七年度までの集中改革期間内のできるだけ早い時期に発足するとの方針が本日開催されました特殊法人等改革推進本部・行政改革推進本部合同会議において了承されたところでございます。  したがいまして、本州四国連絡橋公団民営化に関する具体的な内容につきましては、今後、第三者機関におきまして平成十四年中の取りまとめに向け検討が進められるものと考えております。
  32. 森下博之

    ○森下博之君 大臣も今お触れになったことの一つでありますが、大臣私的諮問機関であります高速自動車国道あり方検討委員会の中間報告があったわけでありますが、その中に、本四を統合することについては、同公団が巨額の債務と赤字を抱えておるということで、各方面の非難をされることが予想され、「慎重な対応を要する。」という一項があるわけでありますが、この「慎重な対応」ということはどういう意味があるのか具体的にお答えいただきたいと思います。
  33. 大石久和

    政府参考人大石久和君) 先ほど来大臣からも御説明申し上げております諸井虔氏の高速自動車国道整備あり方検討委員会におきまして、昨日、十一月二十六日でございますが、中間報告が提出されました。  その中身の中では、本州四国連絡道路の債務を高速自動車国道のプールに編入して処理することは、本四道路整備決定された経緯、本四道路の債務が多額で高速自動車国道の採算に悪影響を及ぼし、多方面のコンセンサスを得ることが困難であること、本四道路が国と地方公共団体との協調体制のもと整備してきたこと等から、慎重な検討を要するとされたところでございます。  この報告書の中の慎重な検討を要するとは、中間報告に記されました各種状況を勘案すれば、日本道路公団本四公団との統合については、その是非も含めて慎重な議論検討を経て判断する必要があるもの、そういう趣旨と理解いたしているところでございます。
  34. 森下博之

    ○森下博之君 次に、民営化前提とした話でありますが、本四公団そのものは巨額の債務を抱えておりますし、赤字体質だと言われておるわけであります。確かに、債務は三兆八千億円、平成十二年の利払いは一千四百億円、道路収入は何と八百八十億しかないわけでありますので、この収入では利払いもできないということに相なるわけであります。こういうことを考えますと、当然のことながら民営化は必至の議論であろうと思うわけであります。  ただ、私としましては、民営化をした場合に、その管理、運営というのがどういう形になるのかということが非常に重要な問題だと思うわけであります。  この点についての御見解を賜りたいと思います。
  35. 大石久和

    政府参考人大石久和君) 本四公団につきまして民営化するとの方針が本日開催されました先ほどの合同会議で了承されたところでございますが、本四公団の事業を承継する組織といたしまして、まず債務が確実に償還されること、長大橋梁群の万全な管理を行うこと、長大橋技術の継承、高度化を図ることが重要であり、そのような検討第三者機関において行われるものと考えております。
  36. 森下博之

    ○森下博之君 本四公団につきまして民営化をするといたしますと、今お話ししましたように、三兆八千億の債務を処理しなくてはならないわけであります。この処理の方法につきまして、関係の地方公共団体にも一定の負担を求めるという話も漏れ聞くところであります。  私の地元の高知県の例でまことに恐縮でございますが、本四架橋の直接の恩恵に高知県は浴していないわけでありますが、現在、累計をして百十一億の出資金を負担いたしておりますし、なお二十年にわたって七十一億円の負担をすべしという要請もあるやに承っておるところであります。  御案内のように、地方財政はまことに逼迫をいたしておる状況にあるわけでありますので、私は、この関係地方公共団体にこれ以上の負担を求めるということは非常に無理があるのではないかと思うわけであります。なかなかないそでは振れないわけでありますので、この点どういうようにお考えか、承りたいと思います。
  37. 扇千景

    国務大臣扇千景君) 一言、私、申し上げておかなければいけないと思いますけれども、今、森下先生が、私が、本四架橋、無用の長物と言ったことは一度もありません。三本必要であったかどうかということを政治的に判断しようと言ったので、無用の長物なんてことは、かえって失礼ですから、私が言った言葉でないということを御確認していただきたいと思います。
  38. 森下博之

    ○森下博之君 はい、わかりました。
  39. 扇千景

    国務大臣扇千景君) それから、今三兆八千億の本四の赤につきましても、出資金というものに対しても十府県がお金を出しております。これは、徳島だけではなくて、兵庫、神戸市、大阪、大阪市、徳島、岡山、香川、高知、広島、愛媛と、これだけの十府県が出資金を出しておりますので、私はそういう意味において、今、先生がおっしゃいましたが、けさ、行革本部で決定されました本四に関して一番大事なところは、「日本道路公団と同時に民営化する。なお、債務は、国の道路予算、関係地方公共団体の負担において処理することとし、」、これが私は今おっしゃったことに一番皆さんが御懸念があるところだと思いますけれども、けさこれ決定したところでございますので、私はぜひその点において、先生の徳島のみならず、愛媛のみならず、高知のみならず、四国の四県と大阪、兵庫等々十府県が負担しているということも含めて御論議いただければありがたいと思います。  あとは副大臣から補足します。
  40. 佐藤静雄

    ○副大臣佐藤静雄君) 今、本四橋はいろいろ言われますけれども、当時、国家的な事業としてスタートされたわけですね。そしてまた、それぞれの地域も非常に期待をしていたものであります。今これだけ経済が落ち込んできて、伸びが望めなくなってきた時代になってしまいました。それだけにこうして総理見直しをするようにという指示をされているわけでありますけれども、しかし地元の方々がどれだけこれを期待をしていたか、そしてまた国家としたってこれは相当な期待をしてつくったわけでありますから、ですから、そういうこともよく頭に置きながら、十分に考えながら、これからの債務の圧縮の処理方法ですとかこれからの運営方法ですとか、いろんなことを考えていくべきだろうと私は思っております。
  41. 森下博之

    ○森下博之君 るる御答弁いただいたわけでありますが、この三橋の存在といいますか、この結論は、私は、今の時点でこの橋が無用であったとかそうでなかったとかいう議論よりも、もう少し長期的に、また全国の交通ネットワークの中の位置づけとして、単なる地方あるいは四国、中国路の問題じゃなくてとらえていただくべきだという私見を持っておるところであります。  次に、現時点の判断としての本四架橋の悲劇の最たるものとしては、やはり四国島内の高速道路を初め国道の交通ネットワークがきちっと整備をされていなかったということにも一つの原因があるのではないかと思うわけであります。  この橋を渡りまして、現実に四国の野菜にしろ水産物にしろ、橋を利用して毎日都会に届けられておるのも事実であるわけであります。私は、四国には四国八十八カ所という心のいやしと申しますか、そういう世界遺産にも登録されようかという名所もありますし、手つかずの自然もあるわけであります。この橋が無用とか有用とかという議論よりも、将来にわたっていかに利活用をしていくかということが私はこれからの本四の三架橋のテーマではないかと思うわけであります。  この点について最後に御答弁をいただきまして、私の質問を、少し時間を残すかわかりませんが、終わります。
  42. 佐藤静雄

    ○副大臣佐藤静雄君) 今、森下先生がおっしゃいましたとおり、関連する道路が全体よくならなかったら効果が発揮できないわけですね。東京湾のアクアラインだってやっぱりそうなんですね。茨城ですとか千葉ですとか、向こうの道路整備されていない、成田空港にもうまくつながらない、そのために利用率が上がらないという面があるわけであります。  中国地方を含めて四国全体の道路整備をしていく、それは非常に大事です。特に四国は国道の整備率というのが、改良率というのがまだ非常に低いんですね。全国平均改良率が五三%のところ、徳島は三八%です。香川は五八%ですけれども、愛媛四五%、高知が三九%。それらの地域の改良、整備を進めて、そして全体的なものを進めて初めて橋も使えるようになってくるんだと思います。  これからの橋の利用に対しては相当みんなで知恵を出して、国ももちろん、地方の方々も一緒になって真剣になって考えていくという必要があるんだろうと思います。精いっぱい努力していきたいと思っております。
  43. 森下博之

    ○森下博之君 終わります。
  44. 池口修次

    ○池口修次君 民主党・新緑風会の池口でございます。  私は高速道路整備計画道路公団民営化に絞って御質問をさせていただきたいというふうに思っております。  まず、第一点目の質問でございますけれども、今回の、ある意味改革だと思いますが、この改革の取りまとめの役割責任についてお聞きをしたいというふうに思っております。  この問題については長い間新聞等で報道がされております。ただ、そこに登場するのは、当初は石原行革大臣の発言がかなり取り上げられておりました。そして、最近は総理のある意味でトップダウンでの発言が目立っております。  ただ、十一月三日の新聞によりますと、石原さんが会見で、高速道路整備計画の取り扱いについては扇大臣が取りまとめるものを全面的にバックアップするというふうに立場を述べられておりますし、その前の一日の日に石原さんが首相官邸を訪ねたときには、何でも私の指示を仰ぐなと石原氏にボールを投げ返したというふうに言っております。この中身を察するに、やはり所管大臣は扇大臣だというふうに判断をしたわけですけれども、ただ、余り扇大臣考え方がこの間明確な形で私は報道がされていないというふうに思っております。  どこかの時点で閣議にかけるときに、その役割責任は、扇大臣答申をするんだろうというふうに考えておりますが、ぜひ扇大臣の現時点でのこの改革に取り組むに当たっての所信を、冒頭山下委員の方からも聞いたんでダブるところがありますけれども、再度お聞かせ願いたいというふうに考えております。
  45. 扇千景

    国務大臣扇千景君) 私は顔が見えないという意味がよくわかりませんし、私は顔を持っていますし、テレビのワイドショー、日曜日の「サンデープロジェクト」、「報道二〇〇一」等々ずっとこのところ出演依頼がありますけれども、すべて断っております。それは、こんな大事なときに私が軽々に出て軽々にしゃべるということで予断を持って多くの審議会の、あり方懇談会皆さん方にも予見を与えてはいけないという慎重な態度から、この一カ月間各テレビをすべて断っております。それは、私はそれほど大事であるという意味から、また私の責任がそれほど重いということから、あえてマスコミに出ないように全部お断りいたしております。そのことは御理解賜りたいと思います。  順序を追って言っておりますと長くなりますから失礼いたしますけれども、少なくとも私は、国土交通省として総理には、特にあなたのところとしては改革の先頭を切ってトップランナーになれと言われたんです。私、とてもトップランナーになる、そんな気持ちもありませんし、人を引っ張っていけるだけの、七法人の中で六つまでがうちであるということで、トップランナーとして頑張ってくれと言われた、その言葉意味はわかりますよ。総理がおっしゃっている聖域なき構造改革に私が努力しろということで、わかりますけれども、なぜ私だけ六つ宿題を負わされるんだと。一般的に言えば、あとの大臣、みんな国土交通省はどうするんだろうなと高みの見物で、みんな指をくわえて、あそこが答えを出すまでうちたちはみんな首すっ込めて、カメの子が首すっ込めるみたいに高みの見物しておこうと。  これでは私が幾らトップランナーになったところで改革はできるわけではありませんので、ある日、閣僚懇談会で、総理の前で皆さん閣僚に申し上げました。  私は、トップランナーになろうとおこがましい思いは持っていないけれども、これだけ六公団民営化することに努力して苦労しているんだから、あとの大臣方も各自分たちの事務方に、みんな持っているんですから、七十七特殊法人あるわけですから、これをみんな一緒になって、私だけが汗水かかないでみんなで一緒になって汗水かきましょうよ、これが小泉内閣でしょうと言ったことがあるんです。それくらい私は、何も私が顔を見せて出まくるのではなくて、私はきちんと、この方針は二十一世紀我が国にとっては一番大事な正念場に来ている、しかも二十一世紀の初頭、この年にこれを決定するということは今まで考えられなかったことだと。  ですから、私は一番最初に総理に、私ども国土交通省の三公団統合で、本四は別にして、その答えを持っていったとき、総理は英断だとおっしゃいました。受け取らないんじゃなくて、ちゃんと受け取って英断ですと。今までこんなこと口の端にものせられなかったことがここまで来たということで、もっとこれを掘り下げてくれという宿題を次々にいただいたというのが私の立場でございまして、私はその立場なりに謙虚に、なおかつ国民に不安を与えないというのは、それは住宅金融公庫都市基盤整備公団もありましたので、国民に不安を与えないような、先ほどからも御論議ありましたが、これを民営化して本当に二十一世紀よかったと言えるようなことをしたいというために拳々服膺し、諸先生意見も聞きながら今日まで歩んできたというのがこの小泉内閣ができてからの改革への姿勢でございます。
  46. 池口修次

    ○池口修次君 どうもありがとうございました。  顔が見えないというのは削除して、失礼だと思ったのでやめましたので、私は顔が見えないとは言っていませんので。  確かに、扇大臣が御苦労されているというふうに認識をしているところでありますけれども、ぜひ今回の改革、よい方向での取りまとめを再度お願いをさせていただきたいというふうに思っております。  実は、民主党高速道路整備計画道路公団民営化について意見の取りまとめをしました。いろいろな意見があるのは事実でございます。最終的な取りまとめということで御披露させていただきますと、まず一点目には、日本道路公団首都高速道路公団阪神高速道路公団については三年後をめどに分割・民営化をする。二点目には、現行の整備計画区間については一時的に凍結をする。三点目には、分割の形態など具体的な方策は第三者委員会検討決定をするというのがポイントでございます。  そういう中で、十一月二十一日に一斉に新聞が報道した中身が、総理と自民党の間でもう合意がされたというふうに報道がされております。その中身も再度ちょっとお話をさせてもらいますと、一点目は、道路公団は統合して民営化、そしてその具体的な姿については第三者機関検討をする。二点目には、高速道路整備計画、九千三百四十二キロについては見直しをする。三点目に、毎年三千億の国費投入は廃止をする。そして四点目に、建設費の償還期限は五十年を上限に縮減をするという中身だというふうに思います。  この二つを比較しますと非常に似ているわけでございますが、ただやはり私は、今後議論がされるであります三点目、四点目の三千億の国費投入の廃止償還期限の五十年を上限に縮減をする、これが具体的な今後の進め方においてはポイントになってくるというふうに思っております。  やはりこの点を確認させていただかないと、本当に私たち民主党考えているものと同じかどうかというところだというふうに思っておりますので、一部の新聞はこの中身は改革について批判的な報道をされているところもありますけれども、私は必ずしもそうではなくて、この三点目、四点目の進め方だというふうに考えております。  そういった観点で、まず一つ、三番目の三千億の国費投入について具体的な中身もしくは考え方をお聞きをしたい。  道路財源の使い方、これが出まして、じゃ、この三千億のいろいろな使い方に対する意見なり注文が出ております。一部は本四公団の債務の返済のために使うんだということなり、高速道路じゃなくて一般道もつくったらどうかということなり出ておりますが、この今後投入しないといった三千億円、国費といいましてもこれは道路特定財源なわけでございますから、どこかでこの三千億を使うと。さらに、これは来年度予算にも反映されるものだというふうに考えております。  そんなに結論を先延ばしにできない話ですから、この三千億の使い方というのを今後どういうふうに考えられているのかという点をまず大臣にお聞きしたいというふうに考えております。
  47. 扇千景

    国務大臣扇千景君) 基本的には国費ゼロというのが総理の御提案でございますから、これはなきものと考える以外にはないわけでございます。ならば、今までの日本道路公団として進めてきたものがこの国費投入ゼロということで果たしてできるか否か、これが今後大きな問題になってくると思います。  日本道路公団自体の運営は、先ほどもお話がありましたので、私もるるさっきも副大臣から数字を申し上げましたので多くは申し上げませんけれども日本道路公団単独ではこれはちゃんと収支がいっているというのが現実でございます。まあ企業でいえば、優良企業まではいきませんけれども収支まあまあいいというそういう企業である、優良まではいかないまでもいい企業であると。ところが、これを三千億をゼロにした場合に果たして優良企業として新しい、新規開発ができて、なおかつ新製品が出せるかというと、そこまでは三千億をストップされたらできなくなるというのが日本道路公団の現実の姿でございます。  けれども、これを民営化すれば、少なくとも私は、今まで国会の中でもマスコミにも言われておりました日本道路公団のファミリー企業、関連企業等々がもうかっていて、なぜ日本道路公団だけが赤字であとの関連企業はみんな黒字なんだ、おかしいではないかとるる世間で言われておりますこと等々を今回の民営化ということで全部整理いたしますれば、私は、三千億がなくても日本道路公団民営化するということによって役職とか、あるいはファミリー企業、関連企業すべてをひっくるめて一括で計算できるようになれば、しかも上下分離しないで一体として考えれば、会社もふえないわけですから、役職もふえないわけですから、上下分離しますとこれもっとふえます、役人は。けれども、役人の天下り等々ひっくるめて考えますと、民営化するということは、二十一世紀の子供たちのために、本当の道路公団としての姿というものはあるべき姿に、本来そうなければならなかったものが少し今枝葉が伸び過ぎている、それをカットして本道に一本化しようというのが私ども考え方です。
  48. 池口修次

    ○池口修次君 私も、国費を投入しないで自立、自力で運営をするということは理解をしているわけですけれども、もう一つの三千億、今まで道路特定財源の方から三千億回していたわけですから財源としては三千億あるわけで、これをどういう形で使うかというところが一番注目をされておって、されているからこそいろんな意見が出ているというふうに思っております。  この使い方によって、やはり今回の構造改革というのがどこに目を据えてやっているかということにも関連しますので、ぜひその三千億の使い方についてお考えがあったらお聞きをしたいということでございます。
  49. 扇千景

    国務大臣扇千景君) これはもう一言で、平成十四年度の予算編成に、これは道路、すべての道路予算の全体の中で考えていくと、これしか今の段階では申し上げられませんし、またそれがすべてでございます。
  50. 池口修次

    ○池口修次君 あともう一つ償還期限についても、これは償還期限というのは、私はある程度利用料金の徴収等の関係で大事な問題だというふうに思っております。  首相が言った言葉は、五十年を上限に縮減をするというふうに言っておりまして、五十年でいいというふうには必ずしも言っていない。ただ、一方で、五十年償還というのがある意味既定事実のような議論も出ております。これについても大臣として、どこまでかというのは明確には言えないかもしれませんけれども、少なくとも首相の指示をしんしゃくして削減をするというふうに言っていただけるのかどうかということをお聞きしたいというふうに思います。
  51. 扇千景

    国務大臣扇千景君) 私は、先ほど申しましたように、当初、総理から三十年と言われました。けれども、それを五十年にしたということは、より多くの皆さん方の御意見を勘案し、なおかつ国民の利用度、世代間を超えた利用度ということを私は御勘案されたということを認識しております。  それは、高速道路というものは耐用年数が、財務省が計算しますと大体耐用年数五十年というんですけれども、これは私たち、五十年後、私なんかはもうそこまで生きるわけがありませんけれども、つくったものは子供も孫も使えるという世代間の使い道がお互いに世代間を超えて五十年ということになれば、大体道路あり方が五十年ということと世代間負担ということを考えれば、三十年でなくて五十年にしてもいいなと、多くの皆さんにお聞きになって総理が判断されたものだと私は思っております。
  52. 池口修次

    ○池口修次君 そうしますと、やはりこれは五十年という前提検討がされるのか。私は、縮減というふうに明確に言っておりますので、いろんな今の工事費の削減等、努力しながら早くするということも当然検討に入るというふうに理解をしているわけですから、その点を再確認させていただきたいと思います。
  53. 扇千景

    国務大臣扇千景君) 池口先生おっしゃるとおりでございまして、総理がおっしゃったのは、五十年が限度ですよと、それよりもなるべく前倒しにして、最初、総理のお考えは三十年でございますから、なるべくその間をとって一年でも縮小して、そして国民にこれを示すようにというお話でございますから、もうぎりぎりが五十年が限度であると。なるべく縮小して、早目に、なおかつ国民要望をどこまで入れられるかと、そういう知恵を今後出せということだと私も理解しております。
  54. 池口修次

    ○池口修次君 これについては、冒頭、山下委員の方からも質問がありましたように、自動車ユーザーというのは、多くの税金を負担し、さらに高い高速道路料金というのを負担するということで大変重い負担をしているわけですから、やはりこれは、当初の三十年というのがどのぐらいの実現性があるかというのは私も判断する材料は今持ち合わせておりませんけれども、極力早目に償還をして無料にできればというふうに考えております。  そんな観点で、実は今回の構造改革、最初に出てきた特殊法人改革というのは、やはり国民のための構造改革でなくてはいけないというふうに私は思っております。国民もいろいろ意見がありますから、どこを中心に視点を置いてやるかというところがあるわけですけれども一つ、実はJAFというところがユーザーアンケートを六月の初旬にしました。そこで、道路整備に使うことを理由に税額が約二倍になっている税があるが、こうした税が道路整備以外に使われるとしたらどうかというアンケートの設問でございます。  一万人を超える人が答えているわけですけれども、五二・四%の人が道路整備に使わないなら税金を安くすべき。三七・一%の人が道路整備に使わないなら高速道路の料金を安くすべき。三六・七%の人が道路整備以外に何でも使うのは嫌だが、道路整備に関連した町づくりや環境対策などに限定して使うならよい。一〇・八%の人が道路整備以外に広く使っても仕方がないという結果になっております。  これから推測をしますと、私は、この三千億の使い方、それと償還期限の短縮について、今後の検討の中にぜひ入れなきゃいけないというふうに思うのは、まず一点目には、前回この委員会質問させていただきましたけれども、自動車ユーザーの税負担は私はやはり高過ぎるというふうに思っております。それを少しでも軽減するという視点がなければいけないというふうに思いますし、二点目には、高速道路の料金を安くする、もしくは早期に無料化をする、そして三点目には、交通渋滞対策など今環境面でも話題になっておりますので、できるだけスムーズに車が走れるようにして、CO2の発生を少なくするという環境面からの道路整備、これらの点を含めてこの使い方と償還期限の短縮について議論がされるべきというふうに個人的には考えておるわけですが、この点について大臣のお考えをお聞きしたいというふうに思っております。
  55. 扇千景

    国務大臣扇千景君) 私は、池口先生がJAFですか、その世論調査、私はそれまことに正直なところだと思いますし、私も一番最初に特定財源をという話が出ましたときに、私、まず総理にそのことを申し上げました。特に重量税ということを取り上げて総理お話ございましたので、特定財源の中で法整備しなくて使えるものは重量税のみしかありません。あとは全部法に絡んでおりますので、そういう意味で重量税という言葉を口になすったんだと思いますので、私はそのときに、まずそれなら暫定税率をどうするのかと、それをまず払っている皆さん方に対しては、これは車の車検のたびに払っているものを、これを安くするべきではないですかと。今、池口先生がおっしゃったような国民の声というのは当然あるべき声でございますし、それが私は正常な声だろうと思いますので、私も総理にそのことは申し上げました。  ただ、御理解いただきたいのは、国土交通省としては、これは道路特定財源だから道路だけに使っているというのではなくて、あかずの踏切ですとか、そういうボトルネックにも使おうということに、特にバリアフリー化するということで、これは道路特定財源も幅広く汎用を広めて、ボトルネックだとかバリアフリーだとか、それから駅前ビルの開発ですとか、そういう関連なところに幅広く使っているので、道路特定財源道路にしか使っていないよということだけは国土交通省の姿勢としてはもう少し理解していただきたいと思いますけれども、私は、今おっしゃったように、ユーザーが還元を求めるというのは当然のことだろうと思いますから、総理に私は、これを医療や福祉や一般財源化して違う目途で使うのであれば、これは消費者還元が本流ですよと申し上げて、そういうものには使わないという総理のお言葉がありました。
  56. 池口修次

    ○池口修次君 大変力強い御答弁をいただきましてありがとうございます。  これからも取りまとめ、大変御苦労されると思いますけれども、ユーザーの立場も忘れないで、ぜひ御努力をお願いしたいというふうに思います。  終わります。
  57. 谷林正昭

    谷林正昭君 引き続きまして、民主党谷林正昭でございます。  私の方からは、住宅金融公庫、あわせまして都市基盤整備公団、この問題について少しお尋ねをさせていただきたいと思います。  小泉総理が唐突にこの二公団廃止を打ち上げられまして、これは一体どうなるんかなというふうに、実は私もサラリーマン出身でございますので、仲間はほとんど公庫のお金で家を建てた、その家に新築祝いに行った、こういうような経験もございます。そういうこともありまして、大丈夫かなというふうな気持ちを持ちながらきょうを迎えたわけでございますが、いよいよきょうの行革推進本部で確定された方針が出たということでございます。  きょうは大変お忙しい中、実はぜひお気持ちを聞かせていただきたいという思いで質問をさせていただきますが、金融公庫、都市基盤整備公団、この廃止方針が出た今、両総裁にお尋ねいたしますが、今の心境をずばりお聞かせいただきたいと思います。
  58. 望月薫雄

    参考人望月薫雄君) 早速の御指名を賜りましたが、きょうの特殊法人等改革推進本部で私ども公庫の改革の方向性というものが報告されたわけでございます。  このことについて、この場で私の印象といいましょうか、感想を申し上げるのはちょっといかがかと思って御遠慮させていただきますけれども、ともあれ、あえて申し上げさせていただきますと、私ども住宅金融公庫、一九五〇年に創設されて以来、五十年間、国民の持ち家に対する支援あるいは賃貸住宅の質の向上、こういった面で長期、低利、固定の金融に努めさせていただいてまいりました。これまでの間に千八百万戸の住宅の供給に御支援申し上げたと、言いかえれば千八百万世帯の方々に御融資申し上げてきたと、こういうことになりますが、そのことはそのこととして、私ども、今般の改革というものを深く受けとめなきゃならぬ立場でございます。これは言うまでもありません。  ところで、先般来、私ども公庫をめぐりまして廃止等々の報道等がなされる過程で、率直に申しまして、大変多くの国民皆様方から不安、心配の声が届けられております。もちろん、中には当然つぶすべきだとかいう声もなしとしませんが、圧倒的部分はそういった声が今日でも毎日のように入っている状況でございます。  現在、私どもは五百五十万人の方々に、五百五十万件と言った方がいいんでしょうか、融資を続けております。この人たちが今後この債務はどうなるんだろうかと、こういう御心配がまず大きくございます。それから、さらに言えば、私どもの方でお手伝いしています中堅サラリーマンの方々が、三十代あるいは四十前後のときに家を持とうということで、言うなれば頭金をつくるために住宅債券の積立制度をやっております。この方々が二十三、四万人ございますが、自分たちの積み立てている債券は今後どうなっちゃうんだろうかと、こういう不安がかなりございます。  もっと言えば、やっぱり三十代の方々が中心でございますが、自分たちが果たして公庫以外の民間金融機関お金を借りることができるんだろうか、果たして貸してもらえるだろうかと、こういう悩み、不安、そういった中では持ち家をあきらめざるを得ない、あるいは先送りせざるを得ないなどなどの声が実はたくさん参っております。  もちろん、私ども、こういった国民皆さん方の声というものは非常に大事に考えなきゃいかぬということは当然でございますというふうに思っておりますが、一方で、特殊法人改革というものが待ったなしの課題であることもこれは事実でございまして、そういった中で、我々としては、一言で言うならば、今申しましたような国民大衆の方々の不安を起こさないように、可能な限り不安がないような姿での改革の道筋というものをこれからしっかりと詰めていただく必要があるなと、かように現場を預かる者として感じさせていただいている次第でございます。  今後、主務省の御指導等もいただきながら、私どもも民間金融機関の動向等も終始着目しながら、しかるべき改革に取り組んでいくということが大事だろうと、かように思っている次第でございます。
  59. 伴襄

    参考人(伴襄君) 私どもも今回の改革方針につきましては大変厳しい内容のものと受けとめておりますが、今回、特殊法人改革ということで、その趣旨を十分踏まえて、国土交通省の御指導を得ながら、示された方針に沿って改革に取り組んでいきたいというふうには考えております。  ただ、廃止という言葉が若干ひとり歩きしておりまして、今住んでおられる公団住宅はどうなるんだろうかといったような声とか、あるいは、公団は現在いろいろ再開発事業とか区画整理事業をやっておりますけれども、それはどうなるんだろうかといったような関係地方公共団体あるいは地権者の心配の声が寄せられておりますので、今回の改革に当たりましては、これまでしばしば扇大臣も述べていただいておりますけれども、高齢者を初めとした二百万居住者の不安を解消して居住の安定が確保されるということや、現在継続中の事業につきまして、地元地権者や関係地方公共団体等々の信頼関係を維持して連携を確保していくということが不可欠の前提だと考えておりますので、当公団の業務を引き継ぐことになります新法人においても、こういった面を十分に配慮されることが必要であるというふうに考えているところでございます。
  60. 谷林正昭

    谷林正昭君 ありがとうございました。  ぜひ大臣に、両総裁の話をお聞きになってその感想を後ほど伺いたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。  もう一点、お尋ねいたします。  これまでまさに役職員一同一丸となって、国土交通省、前建設省のそういう日本の住宅政策の大きな一翼を担って努力をされてきた、そういうふうに思っております。それが今、民間にゆだねざるを得ないというような、まさに心痛察するところでございますが、私は決して両総裁はまないたのコイではないと思います。よりもっと国民のためにぜひこの後もアドバイス、議論の中に入っていただきたい、このように思います。  そういう意味で、民間に任せた場合にどういう問題点がある、あるいは憂慮される、そういうものを、今お感じになっていることをぜひお聞かせいただきたい、それが今後の議論の大きなためになるんではないかというふうに私、思っておりますので、大変傷口に塩をすり込むような言い方になるかもわかりませんが、よろしくお願いをいたします。
  61. 望月薫雄

    参考人望月薫雄君) 大変これは微妙なお話になろうかと思いますけれども、今私ども現場を預かりながら非常に実感させていただくのは、やはり住宅ローンというのは五年や十年のローンで済むようなものではないと。多くのサラリーマンにとっては三十年とか三十五年という長期のローンを組んで、結果としては二十五年とか三十年で返済する人もいますけれども、とにかく長期のローンを組むというこの部分。端的に言って、期間は長く、金利はできるだけ先が見えるという意味で長期固定ローンというものが住宅ローンにとっては非常に国民大衆から見れば基本的に大事だというふうに認識されているところだと、これが一点ございます。これについて、銀行の場合、果たしてそのローンができるかと、こういう問題がしばしば言われております。現在、一部にそういう商品も出ている向きもありますけれども、大宗としてはまだまだこの辺が不十分であることは間違いない点でございます。  それから、これもしばしば言われることですけれども、職業とかあるいは年収とかあるいは会社の地位とか、そういったことによって俗に言う選別されると、選別された上で、借りられる人は借りられるけれども、だめと言われる方も現実におると、こういうことも耳にいたしております。あるいはまた、象徴的な言い方をすると、女性の単身者、キャリアウーマンと言ったらいいんでしょうか、こういった方々についてはどうしても銀行の方での信用評価は低いという現実もあるやに私どもは耳にすることがございます。  さらに言えば、今も言ったように、長い期間のローンでございますが、人間だれしも経済動向、職場環境等によって返済に困窮する場合が間々あり得るところでして、特に昨今のように経済動向が厳しい中では、現に私どもの公庫についても返済困窮者という人がふえておることは事実でございまして、そういう一たんお借りしたお金について返済困窮になったときに果たして銀行はしっかりと、条件変更等で、今現在公庫がやっているようなことをやってもらえるだろうかというようなこともよく指摘されているところでございます。  ともあれ、こんなようなことなどなどが民間金融について現時点ではいろいろと言われる点でございますが、またそういった中で、今回の改革の方向の中でも、公庫と言っていいんでしょうか、私どもが民間住宅ローンの証券化支援をやることによって銀行の長期固定ローンの道も開こうということを努めるべきだということも盛り込まれておりますけれども、それは当然の一つの課題でございますが、あわせて選別問題、公平、無差別、こういったことについて果たしてどうだろうかというようなこと等々を私はこれから注視しながら改革というものが進められていくべきではないかなというふうに思ったりしまして、それについては、主務省のしっかりした御検討を賜りながら、私どもも現場からの実情というものを的確に御連絡申し上げながら、今後の改革の道筋に過ちなきを期する必要があるなと、こういうふうに思っておるところでございます。
  62. 伴襄

    参考人(伴襄君) 民間との関係でございますが、都市公団も一昨年十月再発足させていただきました。その折に、単なる住宅宅地の大量供給から都市の基盤整備へ仕事をシフトさせまして、民間事業者で完全にできることから撤退しようということで分譲住宅等をやめております。等々、改革理念としてこれまでもいろいろ業務の重点化やあるいは業務運営の適正化に努めてきたところでございます。  今回の改革に当たりましても、例えば今我が国の喫緊の課題であります都市再生につきましては、基盤整備とかあるいは複雑な権利調整を行う大規模な事業、そういったものはすべて民間にゆだねることは困難であろうと思いますので、今度発足いたします新法人がその機能あるいは役割を十分に果たしていくというようなことで、基盤整備が整った上に、その後に上物の建設や運営は民間の事業者にお願いするといったような形で役割分担を徹底していきたいというふうに考えておるところでございます。
  63. 谷林正昭

    谷林正昭君 ありがとうございました。後々の議論にぜひ生かしていきたいというふうに思っております。  そこで、今度は国土交通省にお尋ねいたしますが、旧建設省、今は国土交通省、先ほどお述べになられましたように、戦災による住宅不足を何とか解消しなければならないということで五年計画を第七次にわたってこれまで建設省がやってまいりました、国土交通省がやってまいりました。この住宅政策をどう評価しているのか、端的にお尋ねをいたします。
  64. 佐藤静雄

    ○副大臣佐藤静雄君) 今、先生からお話ありましたとおり、戦後、国民に住宅を与える、そのためには最初はできるだけ供給を中心として量的拡大を目指してやってまいりました。今、量的拡大の方は大体落ちついて、そして今度は質的な拡大、もっと質のよい住宅を持ってもらおうと、そういう方向に今行っているのは御承知のとおりです。  おかげさまで、第一期のころには、昭和四十一年から始まった一期のころには一戸当たり七十四平米だったものが、今九十二平米、二十八坪ぐらいに広くなっております。しかし、まだまだ住宅としては狭い住宅であります。それだけに、もっともっと大都市圏を中心としながらファミリー住宅、広いファミリー住宅、賃貸住宅、こういうものを中心としながらこれから一層拡大をしていかなくちゃならぬだろうと、そう思っております。  さらに、これからは少子高齢化社会への対応、バリアフリー化とか、いろんな問題もあります。これらも含めて一層急速に良質の住宅の拡大のためにやっていかなくちゃならぬと、そう思っております。
  65. 谷林正昭

    谷林正昭君 今の副大臣の御答弁では、非常に大きな役割を果たしてきた、そしてこれからも果たしていきたい、こういう決意が述べられたように思います。  そこで、例えば第七次の五カ年計画の中でもこの金融公庫が果たした役割、非常に大きいものがございます。二百三十二万戸の目標に対して二百七十六万戸が達成を、新築がされている。こういうようなことからかんがみましても、今後の第八期の五カ年計画も私は非常に重要であるし、今ほど大臣がおっしゃいましたように、新しい観点で非常に住み心地のよい住宅を考えていかなければならない、そういうところに住んでもらいたいという思いが伝わってまいりました。  一点考えさせていただいたのは、今介護保険制度ができまして、社会的入院、そういうものから、ぜひお年寄り、介護できる人は家へ引き取って、介護をしながらそしてやろうというようなところにも視点を置いた住宅政策がとられているというふうに私は理解をしております。そのための介護保険制度であるということも理解をさせていただいております。  そういうことになりますと、これまでの政策に果たしてきた金融公庫と都市基盤整備公団の役割は非常に大きかったというふうに思いますけれども、この二つの団体が果たしてきた役割をどう評価されているか、お聞きしたいと思います。
  66. 佐藤静雄

    ○副大臣佐藤静雄君) 先生のおっしゃるとおり、日本の住宅の量的拡大、そして質の向上のために私は両公庫、公団というのは非常に大きな役割を果たしてきたと思っております。  外国を見ましても、国家が国民に対して住宅を与えていく、できるだけよい住宅を与えるように誘導していく、どこの国もやっていることです。しかし、日本の国の住宅というのは、先ほども申し上げましたが、まだ狭いということ、それから平均二十六年しかもたないなんということ、やっぱりこれは欧米を見ますと八十年、百年もつ住宅を国民に与えている、誘導している。そういうところを見てみますと、住宅に対しては国家としての誘導という、このことは非常に私は大切なんだろうと思います。  今、民営化ということが議論をされておりますけれども、組織の効率化ということはもちろん大切ですし、またこれだけ住宅が多くなり、次第に質がよくなってきましたから、昔とは違います。しかし、国家がやっぱり少しでもよい住宅に国民に住んでもらおうと誘導していくのは当然だと思います。そういう役割はこれから十分に果たしていかなくちゃならぬと、そう思っています。
  67. 谷林正昭

    谷林正昭君 そこで、お尋ねをいたします。  これは数字でありますから確認をさせていただきたいんですが、一つは十三年度の事業計画の公庫の貸付戸数と融資額、それから今度は過ぎた話で、十二年度の末で貸付件数と融資残高、先ほどちらっと総裁の方から出ましたが、詳しい数字をお知らせいただきたいと思います。
  68. 三沢真

    政府参考人三沢真君) まず住宅金融公庫の十三年度の事業計画の貸付戸数と融資額でございますが、貸付戸数は五十五万戸、貸付契約額十・六兆円を予定しているところでございます。  それから、十二年度末の貸付戸数と融資残高でございますが、十二年度末の貸付残件数は五百四十七万件、貸付金額高七十五・九兆円ということになっております。
  69. 谷林正昭

    谷林正昭君 大臣、これまでの議論をお聞きになりまして、お尋ねをするわけでございますが、とりわけ金融公庫に限ってお話をさせていただきますけれども、この公庫の廃止は組織改革にすぎないのか、あるいは国全体の住宅政策そのものの大幅な変更なのか、お聞かせください。
  70. 扇千景

    国務大臣扇千景君) わざわざきょうは参考人として両公団の総裁が来ていただいて、今までの両公団の果たしてきた役割、戦後の日本の復興のためにいかに国民の側に立ってこの公庫の役割というものがあったか、戦後、住宅の三割を超えるものを公庫によって皆さんがローンを利用しながら今日に至ったということの意義を私は両公庫総裁から聞いていて、ああ、やっぱり戦後の日本のためには必要なものであったなと実感をしております。  ただ、そこで、先ほどからけさ決定されたということを申し上げましたけれども総理がおっしゃっている民間にできるものは民間にゆだねると。これが、だんだん成熟してきた日本で、先ほどから副大臣が量よりは質の向上をということを言いました。それが私は少なくとも今後、日本が住宅政策の中で、より住みよい、そしてできれば、人口が減少する中で、高齢社会を迎える中で、二世帯も同居できるような質の拡充を図っていく、そういうことへ転換するということも私は大きな今の小泉総理の頭の中にあることだと思っております。  ですから、少なくとも五年以内の廃止ということと、それからきょう決めましたことで証券化支援業務を行う法人の設立等をと、こう書いてあるんですね。ですから、私はこれは一遍に今皆さんに不安を与えるような、ぶった切るというそういう荒療治ではなくて、この五年間というものの中で廃止をしながら証券化を支援するという意味で、これは少なくとも公庫の融資の役割というものを、民間が受け皿がどんなものができるかというのが一番私の論点だと思っております。  ですから、私、本当はきょうこんなことを言うつもりはなかったんですけれども、ちょっと三十秒だけ時間ください。  私のところへ多くの投書なりファクスが来ますけれども、簡単に説明します。私あてでございます。  私どもは娘二人と私の三人家族、女手一つで二人の子供を育ててきました。それなりの苦労がありましたが、今、上が高三になり、やっとここまで来たという正直なところで、この三月、少しは貯金もできて、今の二Kのアパートではどうしても手狭になってまいりましたので、私たちの夢でもありました、ささやかなマンションを買うことにしました。  ところが、銀行の金利も安いということで窓口で勧められましたけれども、母子家庭だということで、勧めておきながら結局融資はいただけませんでした。また、少なくとも知っている方も、銀行で勤続年数が三年未満なので融資はできないと断られて公庫融資を利用しています。銀行ではすべて断られておりますと、こういうお手紙、長くなりますので全部読みません。  けれども、こういうことで私は、総理に申し上げましたことは、こういう人たち、少なくとも中低所得者の皆さん方が、銀行では、先ほど総裁も申し上げましたように、どこの会社に勤めて役職は何ですか、年間収入は幾らですかと事細かに制約をされます。そして、今の私が手紙を読みました母子家庭、三年間といいますけれども、お母さんは大抵パートタイムに出ているんです。これは銀行が受け入れてくれないんですね。  そういうことで私は、この五年間の中に政府の金融機関、銀行連、銀行協会も含めて、このローンの受け皿は果たしてどこがあるのか。この間、党首討論で城南信用金庫の話も総理おっしゃいました。グッドローンの話もなさいましたけれども、私はこれは今、谷林先生がおっしゃってくださるように、国民が不安を持たない、この受け皿づくりというものに私は最大限の努力をしていきたいということをここで申し上げておきたいと思います。  済みません、長くて。
  71. 谷林正昭

    谷林正昭君 先ほど、手紙、聞かせていただきました。私はそこを聞きたいんですよ。  これまではそういう人にも家を持ってもらおうという公庫があったんですよ。だから私が聞きたいのは、そういう持ち家政策を捨てるのか、そうではない、持ち家政策というものを日本の政策として堅持していくのか、そこが大幅な変更なのかどうかということをお聞きしたかったんです。いかがですか。
  72. 扇千景

    国務大臣扇千景君) 私は、真に持ち家が持てない人たち、希望しながら持てない人たち、また、今金融公庫を利用されております本人の年収は平均が六百六万円になっております、ローン利用者の。これはまさに中低所得者でございます。  ですから、そういう意味で私が申し上げておりますのは、政策で買えたのではなくて、今までの戦後のローンのおかげで三割の皆さん方が家を建てたことは事実だけれども、民に任せられるところは民に任そうとおっしゃるんですから、民間の受け皿があるかないかというのが今後の私は勝負になって、これが民間が競争して、いや、うちもできるよ、うちももっと金融公庫よりもいいローンができるよ、皆さんどうぞと。今の保険と同じように、もっとマーケットが広がってたくさんの商品が出てくれば、私はこれは総理がおっしゃっていることの意図が達成されると思いますので、これからが勝負だと思っています。
  73. 谷林正昭

    谷林正昭君 いま一つはっきりしないのは、日本の政策として、国民に家を持ってもらおうという姿勢を強く打ち出すのか打ち出さないのかということを私はお聞きしたいわけでございますが、それが総理はそこまで考えていないというようなことなら私は大きな問題であるというふうに言わざるを得ません。  時間の都合で、もう少し聞きたいものがありますので、今度は事務的に少し聞いていきたいと思いますが、五年以内に廃止ということになりますが、国費投入を今やっています。この国費投入のストップというのはどうなるんですか。
  74. 三沢真

    政府参考人三沢真君) 現在、住宅金融公庫に投入されております補給金等の国費は、長期、固定、低利の住宅資金を供給するための調達金利と貸付金利の金利差等の経費に対して補てんをしているということでございまして、この補てんは過去に公庫が融資した住宅ローンに対するものでございます。  したがいまして、既に契約した公庫融資利用者に対する貸付金利は、これはもう既に確定しておりますので、この補給金を直ちにストップするということは困難でございます。
  75. 谷林正昭

    谷林正昭君 いわゆる国費はストップしないと。できないんだと、しないんじゃなくてできない、こういう認識だというふうに思います。  そういう意味では、今行革評議会というのがございまして、そこで盛んに、国土交通省がつくっております第八期の住宅建設五カ年計画、こういうものがございますが、これを見直せ見直せ、こういう指摘がされておりますが、それをどうするんですか。
  76. 三沢真

    政府参考人三沢真君) 住宅金融公庫については本日の特殊法人等改革推進本部において改革方針が出されたばかりでございまして、その改革方針と五カ年計画との関係についてはむしろこれから議論していくべきことかと思いますので、本日のところ確定的なことをなかなか申し上げにくいわけでございます。  ただ一方で、九月に決定されました改革工程表の中では、これはもう住宅も含めて、各種長期契約全体についてそのあり方を総合的にまた見直す、検討するということにされておりますので、住宅につきましても、こういうまた見直しの作業の中でそういうことについても検討を行うことになるんではないかというふうに考えております。
  77. 谷林正昭

    谷林正昭君 これからということというふうに認識をさせていただいております。  それからもう一点、この行革断行評議会というところが、公庫は著しい民業圧迫をやっている、こういうふうに指摘をしております。どう受けとめますか。
  78. 三沢真

    政府参考人三沢真君) 住宅金融公庫の融資は、先ほどからいろいろな形でお話ございますように、長期、固定、低利の融資を、住宅ローンを提供している。その長期、固定、低利の融資については、現状におきましては民間では極めて限定的な商品はございますけれども、大量に出ているという状況ではございません。  そういう観点からすると、民業圧迫という非難は必ずしも当たらないというふうに考えております。
  79. 谷林正昭

    谷林正昭君 民業圧迫には当たらないという感覚、私も実はそう思っているんですよ。民主党の中では谷林は抵抗勢力だと言われそうな気持ちもあるんですけれども、しかしこれは大きな問題なんですね、ポイントなんですね。  例えば、よくテレビの討論会にも出てきますが、グッド住宅ローンというパンフレットを取り寄せました。それから、城南スーパーマイホームというパンフレットも取り寄せました。中身をよく読んでみますと、一方は自分たちがつくった、あるいは自分たちの関係のあるマンションを買ったら貸しましょうと、こういうパンフレットです。それから一方は、十一年後からは金利が変動しますよという、そういうパンフレットを出して、これがさも受け皿になるような話がされている。  非常に私は大きな問題があるというふうに思いますので、私は民間にできるものとできないもの、これはあるとはっきり思います。しかしながら、住宅取得というのは、総裁もおっしゃいました、大臣もおっしゃいました、まさに長期固定融資と言われる性格が物すごく強い。そういうものを考えたときには、やっぱり民間には国民の安心、何かだまされるんではないかという、そういう安心感を与えるものが今はまだ成熟していない、特に住宅関係の融資についてそういうふうに私は思います。  そういうことを考えますと、今の国民の感情をどう受けとめてこれからの議論に生かすのか、大臣伺います。
  80. 扇千景

    国務大臣扇千景君) 私の思っていることも同じでございますし、本当かうそか、私自分で調べたわけじゃありませんけれども、今、先生が口になさいましたグッドローン、この社長も住宅金融公庫から金借りているよと投書があります。本当かうそかわかりません。それくらい民間を信用できないということのあらわれなんだろうと思うんですね、今、現段階では。  ですから、私が先ほど申しましたように、受け皿が果たしてあるのかどうか。民に任せられるものは民にゆだねるという、そのゆだねられる民間があるのかどうかというのがこれからの勝負だということで、私はそのことも総理にも財務大臣にも申し上げておりますので、先ほど私が手紙を読みましたように、こういうものを今いっぱい私のところへいただいています、よくわかっています。それを果たしてつくり得るかどうか、これがこれからの勝負なので、頑張っていきたいと思っています。
  81. 谷林正昭

    谷林正昭君 それでは、都市基盤整備公団について、大臣に見解を伺いたいと思います。  先ほど総裁がおっしゃいましたように、やっぱり都市の再生、本当に民間に任せていいのか、こういう気持ちがおありだと思いますし、私もそう思います。やっぱり都市の再生というのはしっかりした、国民あるいは住民に、地域に根差した、そして地域の人たちが、開発されてよかった、再生してよかった、そこに住んでいてよかったと思われるようなものにしなきゃならぬ。  あるいは、今、公的賃貸住宅の政策を見直すということになれば、公営住宅に住んでいる人たち、例えば県営住宅、市営住宅、町営住宅、こういうところに住んでいる人たちあるいはそういうところに入りたいと思っている人たちが本当にこれから大丈夫なのかというような心配が出てくる。あるいは障害者の方々だとか低所得者の方々などのいわゆる住宅弱者へのセーフティーネット、これはやっぱり私は基盤整備公団が果たしてきたのではないかというふうに思いますし、今二百万人の人が現在居住しておいでになる、この後、賃貸料がどうなっていくのか非常に心配だ、そういうことが今置き去りにされながら、とにかく民営化だ、組織改革だ、こういうような点だけで話がされているような気がいたします。  そこで、こういうような問題をどう今後の議論に生かしていくのか、大臣の見解をお聞きしたいと思います。
  82. 扇千景

    国務大臣扇千景君) まさに、私、こういう委員会の声が総理の耳に届いてほしいし、また第三者機関というものが全く私どもに見えておりませんのは、私も谷林先生と同じ不安を抱いております。ですから、きょうも私は一言申し上げましたのは、第三者機関ということを設置するに当たっても国土交通省と連携を密にしてくださいということをあえて私が口にしなければならないほど私も不安に駆られております。  そういう意味では、今、先生がおっしゃいましたように、都市基盤整備公団も、先ほど伴総裁からもお話がございましたように、私どもは、この二百十七万、そしてファミリー向けというか、特に高齢者向けの賃貸、高齢者の人たちでもう六十五歳以上の人が多いんですね。この人たちは行き場がなくなっちゃうんです。このことを私も一番心配しておりまして、その人たちがいかに不安なく、私たちは、変な話ですけれども、家というものは一生に一度の買い物ですし、賃貸だからといって外人のように転々、転々という、こういう習慣は余り日本にはないんですね。割合、定住型なんです、賃貸でも。  ですから、そういう意味では、今、先生がおっしゃったような人たちに七十万戸、そして二百万人の人たち、特に高齢者、母子家庭、そして身体障害者等々の人たちに、ぜひ私は賃貸の税制面でという話をきょうもしましたけれども、この人たちは税制面では全然入らないわけですね、納税者ではありませんから。そういう意味では、これは税の方でカバーしようと思っても無理なので、それもけさ話題になりました。  そのように、私どもも、今後この第三者機関というものに、国土交通省として皆さん議論がこの第三者機関に的確に反映されるように注目し、なおかつ来年この第三者機関の法案が国会に提出されるということでございますから、内閣府がお出しになるのか、あるいは行革本部がお出しになるのか、私にはわかりませんけれども国会論議の中でぜひそれを今の御意見を生かしていただきたいと存じております。
  83. 谷林正昭

    谷林正昭君 済みません、一言だけ最後お願いいたします。  終わりになりますけれども構造改革の名のもとに、先ほども言いましたが、組織改革だけに終わっては私はいけないというふうに思います。公庫、公団廃止政策転換なのかそうでないのかということが、いまだに今の議論を通じましても明確ではありません。そういうことを考えたときに、住宅政策の今後についてしっかりやるべきであって、公庫や公団廃止ありきで片づく問題ではないというふうに断言をさせていただきたいと思います。  もっと慎重に議論をすべきである、こういうことを申し上げて、もし見解があれば、先ほどからたくさん出ておりますけれども伺いたいと思いますが、なければ質問をこれで終わらせていただきます。
  84. 続訓弘

    ○続訓弘君 扇大臣も先ほどお触れになりましたけれども、今回の行政改革は今に始まった問題ではないと、こういうお話がございました。  そこで、この問題について若干歴史的なものを振り返らせていただきますと、平成十二年十二月の一日に閣議決定されました行政改革大綱の前文に次のような要旨がうたわれております。すなわち、二十一世紀の我が国経済社会を自律的な個人を基礎とした、より自由かつ公正なものにするため、中央省庁等の改革とあわせて特殊法人や公益法人等の改革平成十七年度までの間を一つのめどとして各般の行政改革を集中的、計画的に実施するとし、平成十三年度中に具体的計画を策定することを所管大臣に命じております。  一方、与党三党は、政府行政改革大綱を強力にバックアップする視点から特殊法人等改革基本法案を議員立法で提出し、第百五十一回国会において可決、成立いたしました。  そこで伺います。扇大臣は、行政改革大綱並びに特殊法人等改革基本法の理念に照らして、所管の道路関係公団住宅金融公庫都市基盤整備公団をどのように改革、改編しようとされるのか、その哲学を伺わせていただきます。
  85. 扇千景

    国務大臣扇千景君) 今、続先生がるる経緯を御丁重にお話しくださいました。我々国会に籍を置く者、共同して私たちはこれを通し、また国民にそれを示し今日まで来たわけでございますので、先ほども六法人のこと、私たち国土交通省に関しては六法人でございますけれども、そのことに関して私は今皆さん方にお答えしていたところでございます。  私は、特に、先ほどから申しておりますように、二十一世紀の新しい世紀に入って、我々は来し方行く末を考えるときに、今までやってきたことと新たにしなければ間に合わないこと、また今しなければ子供や孫に、ああ、あのときはだれも何もしなかったねと、そう言われないような世の中をつくるということで、私は、行政改革大綱に盛られております我々が今しなければいけないこと、これは過去を振り返り新たな第一歩を踏むというのが、この二十一世紀の初頭の我々の大きな責任であろうと思っております。  ですから、何度も申し上げておりますように、行政改革というのは改革してよかったという結果がなければ、これは改悪になるわけでございますので、ぜひ私たちはこの行政改革というものが将来の二十一世紀の子供や孫に、さすが二十一世紀の初頭、世紀の初めには多くの自分たちの代表の皆さん方議論をしてすばらしい改革をしていただいたために、二十一世紀のあと百年ぐらいたったときには、あのときの改革で日本は世界の中から孤立しないで世界に協調していける日本になったなと。  そういうための世界観も含めた行政改革というものを考えなければ、今閉ざされた目線だけで、日本国一国だけの目線でこれを考えていたのでは二十一世紀の日本は孤立する、そういう危機感も持っておりますので、私は行政改革を含めて、今改革という言葉がなぜ必要かということは、今、先生がおっしゃいましたように、過去の行政改革大綱が示されたときから二十一世紀に向かってこうしなさいよということを、基本的なことをお決めいただいたので、我々は現実に苦しみながらその作業をしながら、皆さん方の御意見をお聞きしているというのが現状でございます。
  86. 続訓弘

    ○続訓弘君 今、扇大臣からお答えがございましたように、我々国会議員は今改めてこれからの行く末を本当に真剣に考える必要があるんだなというふうに思いました。  そこで、各論にわたりますけれども、先ほど来御議論ございました道路公団の問題について伺います。  小泉総理は、道路公団の債務の償還期間を当初の三十年以内から五十年以内に変更し、あわせて国費の投入をゼロにするということを明言されました。その結果、懸案の未供用区間はどの程度の整備が可能なのか、このことをお示しいただきたいと存じます。
  87. 扇千景

    国務大臣扇千景君) 今、続先生がおっしゃいましたこれが一番難しい問題点でございます。総論賛成各論反対、まさにこのことが今起こっております。今申しましたように、改革は必要なんだと、総論賛成なんです。けれども、うちのところだけは改革しないで今までどおり約束を守ってねと、これは各論反対になるわけでございます。  けれども、私は、少なくとも平成十一年、国幹審で決められました国土の基本計画であります九三四二、この九千三百四十二キロについては現行のプール方式で今日までやってきたと。けれども、今振り返ってみれば、これだけ財政難のときに国がつくって、ただでつくってくれるものはどこまでも持っていらっしゃい、地方が負担するものは嫌よ、まして我が町にはこれは困るよと。インターチェンジもうちの町におりてほしい、そして負担はしたくないと。これでは、日本は先行き子供や孫にツケだけを残すと。これをつくり続けたら道路公団も第二の国鉄だという表現の仕方でも言われております。  私どもは、それを子供や孫にツケを残さないために、今もう一度採算性、コストのあり方等々を含めて改革しながら、よりこの目標に近いように持っていくにはどういうコストダウンをすればいいか、どういうリストラをすればいいか、どういう効率的な民営化を進めるべきかと、そのことが今回の大きな課題になっている点でございます。
  88. 続訓弘

    ○続訓弘君 先ほど来、住宅金融公庫あるいは都市基盤整備公団についての議論がございました。私ども公明党は、これまで住宅政策について先導的な役割を果たしてきたと自負しております。この視点に立って、住宅金融公庫都市基盤整備公団について建設的な改革案を持っておりますが、同様に、扇大臣も先ほど来述べておられますように、御自身が庶民の住宅政策について特別の思いを持っておられることも先ほど来伺いました。  そこで、扇大臣御自身の両者の改革案についてお示しいただきたいと存じます。
  89. 扇千景

    国務大臣扇千景君) きょう行革本部が閣議の前に開かれまして、先ほど御報告しましたように、住宅金融公庫は五年以内に廃止する、そして融資業務については段階的に縮小する、また住宅金融公庫が先行して行うことにしております証券化支援業務というものを、これを法人を設立して業務を移行すると、そういうことが決められたわけでございますので、私は、このことに関しましては、公明党、続先生、先頭に立って住宅行政というものを引っ張ってこられた、また住宅ローンの、金融公庫のローン行政というものも支援してこられたこともよく承知しておりますし、またそのことによって我々も勇気づけられて、一緒にお仕事を今日までしてきたわけでございます。    〔委員長退席、理事藤井俊男君着席〕  ただ、先ほどから申しておりますように、今申し上げました、けさ決まったことではありますけれども、融資業務を段階的に縮小すると、このことに関しては、民に任せられるところは民に委託するということで、これは段階的にという言葉が非常に微妙なところですけれども、これが入っているということだけでも私は少しは私たちの知恵が出しどころがあるんではないかと思っております。  また、金融公庫が先行して行う証券化、これは外国でも大変多く証券化というものが出ておりますので、支援するために新たな法人を設立するということをこれは明記してあるわけですから、私は証券業務を新たな法人としてこれはできると。これは外国でもやっていることでございます。アメリカでも大変これは売れています。ですから、そういうことではこれは私はある程度了とできるのではないか、即でも考えられることだと、これは話しておりますけれども。  ただ、問題は、今申しました一番弱者の皆さん方に、ローンを利用している皆さん方をいかに救済できるか、不安を与えないようにできるかということが一番の今の私の頭の痛いところで、また頭の痛いというより、それを実行していかなきゃいけないというものが私に課せられておりますので、少なくとも今住宅ローンを借りております五百五十万人、そういう人たちに対して、私は何としてもセーフティーネットをきちんとしたいというのが今私の念願でございます。  また、都市基盤整備公団につきましても、少なくとも期間中に集中的に改革していくということですから、今後、今までやっておりました都市基盤整備公団がみずから土地を取得してそこに公団をつくるということは、一切もうことしから国土交通省ではそれをしないということに決めておりますので、少なくとも今段階的に自分たちが、賃貸でお入りいただいております皆さん方に不安を与えないようにということを先ほどから申しておりますけれども、七十五万戸、二百万人の人たちにどういう手だてができるか。しかも、賃貸でない、持ち家を持てない、マンションも買えない、だから賃貸で我慢しているという、先ほど私が読んだ手紙の母子家庭のようにやっと賃貸からマンションを買いたいという人が両面で困るわけですから、ぜひそのセーフティーネットの受け皿、民間を誘導しながら、私たちも国土交通省としてできる限り民間に指導していくということも私は必要であると考えています。
  90. 続訓弘

    ○続訓弘君 私どもはこれから大いに建設的な議論をさせていただきたいと存じます。  そこで、本年六月に財政制度審議会企業会計部会が特殊法人等に係る行政コスト計算書を公表されました。大変分厚い資料でございます。  この行政コスト計算書とは、民間企業会計を用いて特殊法人の会計を計算し直すことで経営状態がどのようになるかを明確にするものですが、国土交通省所管の五公団一公庫について、行政コスト計算書で計算し直した場合どのような経営状態になっているか、お示しいただきたいと存じます。
  91. 佐藤静雄

    ○副大臣佐藤静雄君) 九月二十八日に公表されました行政コスト計算書には、民間企業として活動していると仮定に立って企業会計原則に準拠して作成された民間企業仮定損益計算書が添付されております。  これによりますと、各法人の損益の状況を申し上げますと、日本道路公団は約四千二百三十億円の利益、首都高速道路公団は約八十一億円の損失、阪神高速道路公団は約三百六十九億円の損失、本州四国連絡橋公団は約千三百七億円の損失、住宅金融公庫は三百四十三億円の損失、都市基盤整備公団は約三千九百五十三億円の損失となっております。
  92. 続訓弘

    ○続訓弘君 私は、たまたま都市基盤整備公団の計算書を見させていただきました。驚いたことに、子会社が何と三十一株式会社あります。そして、その関連会社が二十六株式会社ありますね。そのほかに今度は財団法人が九財団法人ある。合わせて六十六。さらには孫会社があるわけですね。そしてそこの役員は、これはちゃんと公表された資料に書いてある。副総裁、理事、監事、そしてそれぞれの総務部長だとか何とか部長さんだとかというのが全部天下りしている。  こんな状態では、幾ら我々が都市基盤整備が必要だと言っても国民の皆様は納得しないと思うんです。そのことについて、どのように考えておられるのか。これは大変答えづらい話だと思いますけれども所見だけを伺わせていただきます。
  93. 佐藤静雄

    ○副大臣佐藤静雄君) もちろん、先生おっしゃるように、やっぱりこういう公団、今までも多くの国民の批判がありました。そういうことは本当にもっと早くに直せばよかったんだろうと思いますし、これからも本当にもっと効率的で信頼されるものに直していかなくちゃならぬわけであります。もちろん、そのことは間接的にはいろんな今度の数字にもあらわれているんだと思いますけれども、実際問題、この数字は、損失は販売用不動産の強制評価減に際しましてこれまでの地価下落の累積を一時的に当期損失とみなして計上するという特殊要因によるものでありまして、御理解をいただきたいと思います。
  94. 続訓弘

    ○続訓弘君 私は今の国土交通省所管だけではないと思います。いずれにしましても、そういう特殊法人あるいは公益法人に対して国民の皆様の批判はその点にあるんじゃないかと、こんなふうに思います。  そこで、次に移らせていただきますけれども、総務省が実施した空港整備事業に係る行政監察によれば、平成元年から十年度までに整備を行い供用を開始した十五空港のうち、九空港で航空旅客の利用実績が需要予測値を大きく下回っているということであります。東京湾横断道路本四架橋やダム等、多くの公共工事の例に見られるように、初めに建設ありきで、確実で客観的な需要予測が行われておりません。  総務省の行政評価の勧告では、空港整備事業について、事業採択時の需要予測と各種の記録が保存されていなかったことが指摘され、今後は情報公開の原則にのっとり、外部からの検証が可能となるよう各種記録を整備し保存することが指示されました。国土交通省として、この勧告をどのように受けとめ、今後どのようにされるつもりか伺います。
  95. 泉信也

    ○副大臣(泉信也君) 今、先生から御指摘ございました事柄に類することが総務省から勧告がありました。このことは大変申しわけなく、また残念に思っております。  今日までの社会資本整備、空港に限らずですが、一般的には経済成長の中での整備でございましたので、いずれも当初計画値を上回る実績が積み重なってきた事実がございます。そうした事柄を反映して、これまでの予測値に用いました細かいデータは今日まで必ずしも保存が十分でなかった、それがこのたびの総務省の指摘であると思います。  国土交通省としましては、平成十年時代は、当時は運輸省でございますが、こうした事柄を反省をしまして、公共事業のあり方ということを踏まえまして、御承知のように、五年たっても着手できていないもの、十年たっても完成していないもの、あるいはその途中の事業を含めてその時点時点で事業の評価をするという事柄を明確にいたしておりますので、これからは、当然のことながら事業推計に用いましたデータはいついかなるときにでも公表できるように、また見直しができるように整備をしていく所存でございます。
  96. 続訓弘

    ○続訓弘君 これらの反省を込めて、行政機関が行う政策の評価に関する法律が来年四月一日から施行されます。今、泉副大臣が御答弁ございましたように、これからはこの法律に基づいてちゃんとすべての資料が公開されるということになるわけですから、これからはそういうことはないと思いますけれども、いずれにしても総務省がたまたま監察をした結果がこういう状況であったということを改めて指摘させていただきます。    〔理事藤井俊男君退席、委員長着席〕  そこでもう一つ、資料隠しの件について。私は地元が熊本なんです。熊本に関連する記事が十一月の二十四日、毎日新聞の朝刊に載っているわけですね。「国データもダム不要 計算式作成 現状堤防で治水可能 熊本・川辺川」、こう書いてある。私は、この記事を読みながら、関係者の一人として唖然といたしました。  この報道によれば、国が、八十年に一度とする大洪水が起きたとしても、現状の堤防で安全に流すことができると推定する計算式を国土交通省自身が作成している内部文書を毎日新聞が入手したと、こう書いてあります。そしてまた、同記事には、学者や技術者らでつくられる川辺川研究会が公表した報告書も同じような報告書である、これを裏づける資料が建設省の内部文書の中に明らかになったと、こういうことでございますけれども、この内容は正確でしょうか、その点を伺わせていただきます。
  97. 扇千景

    国務大臣扇千景君) 今、先生がおっしゃいました件ですけれども、やっぱり報道というのは時として間違うことがあるなと思って話を聞いておりました。  今、先生がおっしゃいました国土交通省が作成しております防災業務計画書、これについてのお尋ねですけれども、報道にございます防災業務計画書、これは先生御存じのとおり、地震や風水害のときなどの災害業務を円滑に行うために毎年作成しているものでございますし、洪水予報連絡会の構成員でございます都道府県、また市町村、自衛隊、JR、NHKなどの防災関係者に広く配付しております。特段に秘密にしているものではございません。全部に配付している。したがって、資料を、今、先生がおっしゃったように、非公開としていたという報道については全く事実と異なっております。  なお、ダムに関する情報につきましては、従来、すべてこれは国土交通省として公開に努めているというのが現状でございますので、今、先生が御指摘になりました毎日新聞の記事では、例えばその記事を読みましても、人吉市の堤防を一メートル程度かさ上げすれば川辺川ダムを建設しなくても人吉市の洪水を防御できると、こう書いてありますね、先生。けれども、それはこの記事では洪水時の水位について二、三点という限られた断面で過去の観測値のみをもとにしてこの水位を推計したんですね。私どもは、本来は下流から上流まで河川というものの全川にわたって洪水時の流量、このシミュレーションを私たちはコンピューターの上でしております。その上で洪水時の水位を求める必要があるんですね。二、三点だけではこれはデータにならないんです。  事実、私どもは、このような正しい方法に基づいて詳細な計算を行いますと、人吉市の堤防を二・五メートル、約二十キロメートルにわたってかさ上げしなければなりませんし、また川の両岸約二十メートルにわたる堤防敷地も必要となります。総事業費が約二千百億円でございます。計算もできております。また、これは川辺川ダムの治水分の事業費約千九百億円を上回るばかりではございませんし、また人吉市では市街地と水辺を分断するということにもなりますので、河川環境上も好ましくないという結論を得ておりますし、川辺川ダムによる治水対策が不可欠だということで、この記事を書いた毎日新聞がもし洪水のときに保証してくれるかということは、それはありませんので、これは間違いでございます。
  98. 続訓弘

    ○続訓弘君 これは、しかし毎日新聞の朝刊一面なんです。しかも、記事は署名入りの記事なんです。  今、大臣がそうおっしゃるけれども、恐らくこれを見た熊本県の関係者は、これは大変なことだと一様にそういう思いを持っているんじゃなかろうかと思います。したがって、今住民の間にこの問題が大変、木村務官御存じのように、同じ熊本県ですから、住民投票までやるような状況、たった一票差で決着がついたという、そういう問題のところなんですよ。  そういうところに、今、大臣がおっしゃるような言いわけは、この新聞を見た限りにおいては私は理解していただけないんじゃないかと。したがって、そういう意味で、当局はこの川辺川ダムの必要性について篤と説明をしないと混乱をするんじゃないかとあえて申し上げます。答弁は結構ですから。  今度は、同じような需要予測に関連して、関西国際空港について伺います。  関空は、当初の需要予測が甘過ぎたために第二期工事工事事業費を三割圧縮したことにより、二期滑走路供用開始後、早い場合で十二年目、遅い場合でも二十年目には累損が一掃できると経営予測を立てております。しかし、現下の厳しい経済情勢、アメリカ同時テロによる影響、二〇〇五年の中部国際空港の開港と、関空を取り巻く環境は一段と悪化しております。  さきに国土交通省は、成田、関空、中部の管理運営部門を一つの会社に民営化する案をまとめられましたが、この案は関空の赤字を成田の黒字で救済しようという案だと民間識者から厳しい批判が出ております。大臣はこの批判にどうこたえるおつもりなのか。また、周辺には大阪空港、建設中の中部国際空港と神戸空港もあり、どのようにすみ分け、共存を図ろうとしておられるのか、御見解を伺わせていただきます。
  99. 扇千景

    国務大臣扇千景君) この問題は重要な問題で、まさに先ほど私が続先生に申し上げました二十一世紀の日本の国が世界に対してどういう対応をしていくかという根幹にかかわることでございます。  と申しますのは、国際空港、ナショナル空港という看板をつけている以上、諸外国と対抗し、なおかつ周辺にハブ空港が次々とでき、日本が、御存じのとおり、成田一つとってみても一九七八年開港でございます。来年の四月まで国際空港と名をつけながら一本の滑走路しかなかった。先進国には国際空港と名がついて、一本しか滑走路がないというのはまず見られません。続先生御存じのとおりでございます。  ですから、私は、この国際化という、国際空港という看板をつけた以上は、少なくとも一九七八年から今日まで成田が国際空港と看板をつけ日本の玄関口だといいながら、一本の滑走路で諸外国から見たら危険きわまりないと言われる状況を続けてきた。この日本の国の国際空港に対する姿勢というものを諸外国に問われるくらい、私たちは恥ずかしい思いをしながら耐えてきたわけでございます。  それは、やっぱり成田に持っていった最初のボタンのかけ違えというのを私、よくわかっています。住民の皆さんに御迷惑をかけたこともわかっていますけれども、国が責任を持って国際空港をつくると言った以上は、私はきちんと皆さん方に最初から理解を求めるべきであったと。ただ、今現実的に開港しておりますときに、ボタンのかけ違え云々を言っても国際的には受け入れられません。けれども、新たに関空と、日本の中ではどこにもない二十四時間フルオープンという、世界に伍して日本が国際化を図るときには二十四時間オープンでなければならないということで、これも本来はおかしいと思いますけれども、地方自治体、関西財界、そして国と、第三セクターをつくって、早くつくれ早くつくれと言われて開港したことは御存じのとおりでございます。  ところが、これもまだ一本しか滑走路がありません。これを第二期工事でやろうとしているところですけれども、これとても第三セクターで参加しました関西財界が経済の地盤沈下に陥っております。ですから、国際空港と名をつけて、国際的に玄関口だと、西の玄関口だというのであれば、これは救済するという意味ではありません、国としての姿勢を諸外国に問われると。  そういうことからも、国際空港と名がつく成田、そして関西国際空港、今度建設いたします中部、これも国際空港です、こういうことは少なくとも私は上下分離をして、地盤は少なくとも確実に私たちは公的法人として土地とか基本設備を保有して空港の整備、大規模の改修とか環境対策というものをしていかなきゃいけない。上は上物として、各空港ごとに民間法人として私は旅客ターミナルの施設をいろいろ民間の競争力を導入して空港の管理運営をしていくと。この上下分離にすることが国としての基本姿勢ではないかということで、今苦しんでおりますこの国際空港のあり方御存じのとおり、諸外国に伍して日本がハブ空港足り得るかというその瀬戸際に立って、これは何としてもこの考えしか今ないだろうということで、国土交通省考え抜いた末の今の三公団統合でございます。
  100. 筆坂秀世

    筆坂秀世君 今、少し出ましたけれども、川辺川ダムについて伺います。  あす球磨川漁協の臨時総会があるんですけれども、それをめぐって地元では大問題になっています。中でも大きな問題になっているのがダム建設容認派によるなりふり構わぬ多数派工作、これが大変問題になっている。私も先日現地に行ってきました。現金五千円を出してダム建設に伴う補償案、これに賛成させるための書面議決書を提出させるということもやられている。これちゃんと私は五千円もらって出しましたという当事者の署名もある。それも入手してきました。あるいは土建業者が、漁協の組合員というのは幅広いですから、組合員の下請あるいは労働者に対してダム建設賛成しないと仕事は回さないよと、だから委任状を出しなさいというふうなこともやられている。これはもう全く今異常な事態になっています。  そこで、水産庁の漁政部長に伺いたいと思うんですが、こういうやり方というのは、これはあってはならないことだと思いますけれども、いかがですか。
  101. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) 漁政部長の白須でございます。  ただいま委員の御指摘の球磨川漁協の事案でございますが、私どもといたしましては、事実関係の詳細につきましては、これを承知いたしておらないところでございますが、一般論として申し上げますと、ただいまお話しの書面決議等の行使に当たりましては、あくまで組合員の自由な意思が確実に反映されているかどうかというところが組合運営の基本であろうというふうに考えておるところでございます。
  102. 筆坂秀世

    筆坂秀世君 だから、五千円出してその組合員の意思を曲げる、あるいは仕事を通じて圧力をかけるというふうなことは組合員の自由な意思を損なうわけですから、自由な意思の表明を損なうわけですから、これは当然あってはならないことだということでしょう。
  103. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいま私申し上げましたのはあくまで一般論で申し上げたわけでございまして、それがただいま委員御指摘の本当に組合員の意思を曲げておるのかどうかというところは、またもう一つ判断があろうかと思っております。
  104. 筆坂秀世

    筆坂秀世君 だから、一般論として見た場合に、そういう五千円、幾ら金を配っても構わないと。だって金配るのに、意思曲げるために金配るんですよ。意思どおりだったら金なんか何で配る必要がありますか。当たり前じゃないですか。だからあってはならないことでしょう、それは。
  105. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) 要は、漁協におきます選挙手続とか、あるいはただいまの書面議決等々の手続でございますが、これにつきましては公職選挙法といったような法律は適用されておらないわけでございますので、それが直ちに協同組合法上問題になるということではないというふうに考えております。
  106. 筆坂秀世

    筆坂秀世君 協同組合法上問題になるかならないか、そんなことを聞いているんじゃないの。そういうことが堂々とまかり通ったって水産庁は構わない、幾ら金配って多数派工作をやっても構わないと。じゃ、構わないという立場なの。そうじゃないでしょうが。どうなんですか。
  107. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいま委員お話でございますが、いずれにしても漁業権の管理といいますのは漁協の重要な業務でございますし、組合員にとりましても大変に影響が大きいというふうに私ども考えております。したがいまして、組合員の自由な意思に基づきまして組合の総意を取りまとめていただきたいというふうに私どもとしては考えている次第でございます。
  108. 筆坂秀世

    筆坂秀世君 なかなかはっきり言わないんだけれども。だって、聞いてみると、これを書いた人、白紙で出しているんです。書面議決書に書いているのは名前と住所だけなの。それで第一議案にどうするか、第二議案にどうするか、白紙なの。  そういう事実があれば、それはとても自由な意思が表明されたとは言えないでしょう。だって書いてないんだから。書いているのは名前と住所だけだよ。そういう場合だったらどうなの、一般論として。
  109. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) いずれにいたしましても、私どもとしては組合員の自由な意思が反映されておるかどうかという点があれだと思っておりまして、ただいまの委員お話のような、そういう仮定のお話につきましては、ちょっと私、この場ではなかなかお答えが難しいかと思っております。
  110. 筆坂秀世

    筆坂秀世君 だから、一般論で答えればいいじゃない、あなた方は法律だって運用しているんだから。何で一般論で言えないの。具体論も言えない、一般論も言えないといったら、何にも言えないのと一緒じゃないの、それじゃ。
  111. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 答弁者に申し上げますが、せっかくの集中審議をしておりますので、社会通念上、判断のできる範囲においてはきちんとお答えをいただくようにお願いをいたします。
  112. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいま委員の御指摘でございますが、白紙であるとかあるいは強制をされるとか、そういったような話がございまして、それが組合員の自由な意思の形成を阻害しておるといったような場合には、また別の判断があろうかと思っておりますが。
  113. 筆坂秀世

    筆坂秀世君 当然ですよね。  次に、この書面議決書について。書面議決書に、組合の公印入りの用紙でなければならないという通知が執行部から出ているんですよ。これはばかな話だと思うんですね。書面議決書を受け取るのは組合執行部の方でしょう。執行部の方が先に判こついてどうするんですか、受け取る側なんだから。出す人が署名して判こを押すというのが当たり前でしょう。これは逆の指示ですよ。  ですから、公印があるかなしかでその書面議決書が有効か無効か、そんなこと判断しようがないです。判断するのは、本当に本人が自由な意思で住所、氏名、書いて、そしてそれぞれの議案について自由な意思を表明しているかどうか、それが有効か無効かの決定的な分岐になるわけで、公印があるかないかは関係ないでしょう。
  114. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) ただいまの書面議決の有効性でございますが、いずれにしても、先ほどから私も申し上げましたとおり、組合員自身の意思が明らかにされているかどうかというところが判断のポイントだと考えておりまして、したがいまして組合の公印の有無によりましてその議決が左右されるものではないというふうに考えております。
  115. 筆坂秀世

    筆坂秀世君 水産庁は七二年、もう約三十年前ですけれども、九月二十二日付で漁政部長通知というのを出しています。漁業補償契約の締結に当たっては、組合は関係する組合員全員の同意をとって臨むよう指導されたいというふうにこの漁政部長通知では言っていますね。  具体的に、どう組合員全員の同意をとるのか、どういう形でやるのか、組合員全員が署名、押印して文書を作成するのか、そのあたりはどうなっていますか。
  116. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) 御指摘の通知につきましてはお話のとおりでございますが、要すれば組合の中で漁業補償といった問題の円満な解決を図るということが主眼でございまして、したがいまして、この漁業補償契約の締結に当たりましては関係組合員全員の同意をとって臨むというふうな指導をしておるわけでございますが、ただいまお話しの具体的な同意取りつけの方法につきましては、通達といいますか、その通知では指定をしておらないわけでございます。  じゃ、どういう場合があるんだというお尋ねでございますが、こういった組合員の同意の取りつけにつきましては、これはもうケース・バイ・ケースということでいろいろございまして、例えば書面によりまして同意書が取得された例ももちろんございますし、あるいはまた組合員対象の説明会等を通じまして、そういった話し合いによりまして意思確認が行われた例といったようなことで、要すればさまざまな方法で行われておるというふうに承知をいたしております。
  117. 筆坂秀世

    筆坂秀世君 これだけ問題が出てきているわけね。つまり、五千円配ったり、仕事を通じて圧力をかけたり、あるいは有効か無効か関係ないことを、あたかも判こがあれば有効で、なければ無効であるというふうなことも、こんな間違った通知も組合員に対してされておると。  こういう事実を見れば、水産庁として、熊本県なり、直接指導をするのか熊本県を通じてやるのか知りませんけれども、何らかのやっぱり改善指導をするというのは当然じゃないですか。
  118. 白須敏朗

    政府参考人白須敏朗君) お話でございますが、この球磨川漁協と申しますのは、これは県域を超えない、熊本県の県域を超えない漁協でございまして、こういった漁協に対します指導監督につきましては、これは県の権限だというふうになっておるわけでございまして、国に指導権限はないわけでございます。また、県の権限は自治事務ということでございますので、そこのところは国が直接に県を指導する立場にはないということで、ひとつ御理解を賜りたいと思うわけでございます。
  119. 筆坂秀世

    筆坂秀世君 もう時間が参りましたので終わりたいと思うんですが、漁業権補償というのは大変大事なものですよね。だから組合員三分の二以上の賛成による特別決議も必要だと。さっきの漁政部長通知では、契約締結には関係組合員全員の同意が必要だということも通知されている。したがって、そこに不正や疑惑というものがあってはならないというのが、これはもう当然のことだと思うんです。  大臣に一言だけお伺いしたいと思うんですけれども、やはりこの交渉相手は国土交通省ですよね。ですから、私は、国土交通省として、こういういろんな不正あるいは疑惑が出てきていると。このまま突っ走るというのが、さっき大臣、新しい世紀の初めの年だということをおっしゃいましたけれども、この川辺川ダムだってこれは数千億という大変な事業ですよね。やはりその事業にこれは汚点を残すことになるというふうに私は思うんですけれども最後大臣所見を一言お伺いしたいと思います。
  120. 扇千景

    国務大臣扇千景君) 少なくとも、私は、今回、現段階で、今おっしゃったように、球磨川漁協として漁業補償案を受け入れるかどうかという判断の大事なときに来ていると認識しておりますし、また国土交通省という筆坂議員のお話でございますので、私は現時点では、漁協の臨時総会、これが開かれていると聞いておりますので、この臨時総会の結果をまず見守っていくということしか、私、熊本に、見えないものですから、結果を待っているというところでございます。
  121. 筆坂秀世

    筆坂秀世君 終わります。
  122. 大沢辰美

    大沢辰美君 大沢でございます。  私は住宅金融公庫の問題についてお尋ねしたいと思います。  ずっと論議があったわけですけれども、現在住宅金融公庫が行っている住宅融資の問題については、国民にとって必要なのか、それとも必要ないのかという肝心の問題点を明確にすることなく、廃止とか民営化とか今叫んでいることは大問題だと思うんですよね。  そこで、最初にお聞きしたいんですが、住宅金融公庫がなぜできたのか、その点についてまずお聞きしたいと思います。
  123. 三沢真

    政府参考人三沢真君) 住宅金融公庫の設立目的といいますか役割ということだと思いますが、住宅金融公庫は、長期、固定、低利の資金を住宅を取得する国民に安定的に融資することによりまして、国民の住宅取得を支援するという役割を担ってきたというところでございます。
  124. 大沢辰美

    大沢辰美君 そういう大きな役割を担ってきたということは本当にすばらしい制度であったと思うんですね。私は、そういう制度だからこそ続けてほしいというのが私の願いなんですけれども。  この三月十三日に、そういう経過を踏まえて第八期の住宅建設五カ年計画というのが閣議決定して今進められている段階です。ところが、小泉首相や石原大臣は行革断行評議会というのもつくって、この特殊法人住宅金融公庫改革を、入り口は郵貯、そしてまた簡保の民営化で始まって、そして今、不良債権を抱える銀行の応援のために公庫の住宅金融を廃止しようとしていると、私はそのように指摘せざるを得ません。  そこで、先週の二十一日に国家基本政策委員会小泉総理は、「住宅金融公庫、これも廃止の方向で、民間にできることは民間に任せていく、五年以内の廃止の線で進めていきます。」と発言し、そしてきょう閣議決定されたわけですけれども廃止の理由を一言で言いますと、民間でできることは民間に任せていくというものになっています。  ところが、この二十一日の前の二十日ですか、全国銀行協会の山本会長さんという方がいらっしゃいます。この方が定期の記者会見を行っています。その内容を会見記録に基づいて紹介したいと思うんですが、こういうふうに述べています。住宅金融公庫機能が縮小されるということについては、私ども要望していることであり、そういう方向を望んでいるという基本的な立場を述べた後に、さらに次のように発言をしています。  次に、民間に代替できるかという意見についてであると。住宅金融公庫融資は、長期、低利、また固定金利という商品性を持っている。これは、郵貯や簡易保険などで集めた資金に基づいた、マーケットに存在しないような超長期かつ低利の資金調達であって、さらに、一般会計からも年間五千億円前後の財政資金の補てんを得て成り立っているのである。こうした恩典なしに、今の民間の金融機関が全く同じ条件でローンを行うことは採算上難しいと、このようにはっきりと言っているんですね。つまり、長期、固定、低利という住宅ローンの三つの条件を満たすことは困難だと言っているんです。  三つのうちの金利についてだけ次のように会長は言っています。  特に、政策的に市場金利より低利なものを提供すべきだという形で国の政策目的が置かれるのであれば、これについては例えば利子補給を行うことや、また税制上の所得控除や税額控除といった恩典を与えることなど、国が一般会計を通じて直接に住宅政策を行うという道もあると、こういうふうに会長は言っています。  現在、住宅金融公庫が行っている住宅融資は国民にとって本当に必要なんだと、それとも必要でないのか、こういう肝心の問題の明確な私は討論が必要だと思いますが、そういうものを明確にすることなく、廃止とか民営化とか叫ばれていることに対して私はとても重大な危惧を抱いています。  せんだってですけれども、週刊住宅情報というのがありますね、ここが雑誌のアンケート調査をしています。家を買いたい人は公庫廃止に困惑しているという、八割近くが公庫の存続を希望しているという結果も出ているんです。さらに、公庫廃止になると約三割の人が住宅購入を見送るという状態も出ていると、こういう報告をしています。ですから、本当に今日の深刻な不況から見ても私は重大な結果だと思うんです。  現在、公庫が行っている長期、固定、低利の住宅ローンは民間金融機関では肩がわりできないという銀行側の評価と、住宅金融公庫は必要だという国民の声を扇大臣はどのように受けとめて、公庫の廃止とか民営化に今臨んでいるのかという点を一点お聞きしたい。  また、長期、固定、低利のうち、低利だけなら一般会計から利子補給などの恩典をもらえば銀行でもできると。これが民間にできることは民間に任せていくとか民間活力とかということになるのかと。今後、少なくとも政府の中では民業圧迫とか、こういう言葉は私は軽々しく使わないように提案していただきたいなと思うんです。  先ほど住宅局長が民業圧迫には当たらないということをはっきりと申されましたけれども、その点について大臣はどのように思っていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
  125. 扇千景

    国務大臣扇千景君) 先ほどからもうこのことは随分論議されているので大沢先生のお耳にも達したと思いますけれども、私は何よりも、この住宅金融公庫廃止というときに、五年で廃止というときに条件を出しましたというのは、先ほども申し上げましたとおり、今ローンを利用している皆さん方に不安を与えないようにということが一番の基本であるということを私は総理に申し上げ、また、これは政府の財務省、そして総理第三者機関等と全部力を合わせて、果たして民間にこの受け皿がありやなしやということを私は強烈に論議していきたいと思っていますし、また、国土交通省として、今まで金融公庫の果たしてきた役割、このことを考えれば、戦後三割を超えるというのを先ほども申し上げました。これだけ大きな力を出してきた住宅金融ローンというものに対して、私は何としても皆さん方に不安を与えないようにしたい。  先ほど私は一般の皆さん方の手紙の一部を読ませていただきましたけれども、その方の最後にもう一文ございます。それは、少なくとも公庫は国の機関であるからこそ安心して公平な融資が受けられたんです。公庫に税金が入っていると言われておりますが、これまで銀行に何兆円の税金を投入されたんでしょうか。必要な政策に税金を使うことに国民のだれが反対するでしょうかという、さっきの続きのお話がございますけれども、まさにこれが受け皿の問題だと思っております。  そういう意味で、私は民間に今の公庫にかわり得る商品を並べることができるかどうかを見きわめていきたいと思っています。
  126. 大沢辰美

    大沢辰美君 ぜひ、必ず利用者の立場に立ってこのことを進めていただきたいことを念を押しまして、二点目です。  先ほども言いました行革断行評議会ですね。これが発表した住宅金融公庫廃止・民間市場化案では、公庫は廃止。公庫の事業は民間市場化する。そして、第一ステップとして、既存ローンの処理、直ちに民間金融機関に売却・証券化ということが打ち出されています。  住宅金融公庫の住宅ローンなどの貸付金は、先ほども金額が出ておりましたが、約七十五兆円余り、契約件数は今約五百五十万件、八世帯に一世帯が公庫融資を利用しているところです。住宅融資を行うために必要な資金はどこから調達しているかというのは、もう御存じのように、大部分は財政投融資ということになります。  断行評議会が言う既存の住宅ローンを直ちに民間金融機関に売却すること、これが本当に可能なのかどうか。それで、七十五兆円もの住宅ローンを一斉に売り出して、私はそれが買いたたかれないかどうか。七十五兆円もの財政投融資を実際に繰り上げ償還できるのか。住宅金融公庫から住宅ローンを借りている人、その借金の借入先が公庫から銀行にかわってしまったらどうなるのか。私は、直ちに民間金融機関に売却するというこの問題は、こういうことによって起きないのか、国土交通省としてこういうことはもう検証済みなのでしょうかということがこれが第一点。  済みません、時間の関係で続けます。  あわせてお聞きしたいんですが、私は、こんなわけのわからない無謀とも言える改革案がこの断行評議会になぜ出てきたのかとっても不思議でなりませんでした。ところが、内閣特殊法人改革責任者である石原大臣がこの疑問に答えていたことを新聞で報道されていました。  これは九月三十日だったんですけれども、日経新聞のインタビュー記事で、行革断行評議会が住宅金融公庫や都市公団廃止や売却を打ち出したそのねらいは何かということを次のように明確に語っています。  評議会のみそはこういうことなんですと。政府は今、銀行などの不良債権を整理回収機構が買い取る方策を打ち出していますねと。銀行が不良債権を売却し、かわりに公庫の住宅ローン債権を購入すれば、銀行の資産内容はバッドローン、いわゆるリスクの高い債権からグッドローン、いわゆる安全な債権に入れかわります。こう言っているんです。  ですから、本当に住宅政策を実施する公庫、公団廃止民営化は銀行救済、不良債権処理のためだというこの内容、政府の住宅政策責任を持つ国土交通大臣として、このような銀行救済、不良債権処理のために公庫や公団廃止や売却を行うというような暴挙は容認できるのでしょうか。国民は絶対に私は認めないと思いますが、大臣はこれからこのことについてどう対応されようとしていますか。
  127. 扇千景

    国務大臣扇千景君) 大沢先生御存じのとおり、行革断行評議会というのは石原大臣もとに持たれている評議会のことで、そのことに対して私は答弁する責任もありませんし、今私は石原担当大臣参考人としてお呼びいただいて、石原大臣の発言に対しても、私は石原大臣を直接参考人としてお呼びいただければいいことであって、私は国土交通省として先ほどからお答えしておりますので、石原大臣の評議会のことに関して私は答弁させていただくつもりはありません。
  128. 大沢辰美

    大沢辰美君 私は、そういう私的機関であるけれども責任大臣である石原行政改革大臣がやっているこの断行評議会というものは本当にひどいものだと。それに所管の大臣の問題がそこで審議されているわけですから、それに対してどうお思いですかということをお聞きしたわけですから、続いてそのこともあわせて御回答いただければと思います。  もう一つ問題点を抱えているんですが、内閣官房に行政改革推進事務局というのがあります。事務局というと何か庶務的な仕事をしているのかなと思いますけれども、実際はそんなものではない。このたびの特殊法人改革についても、行政改革推進事務局の名前で特殊法人廃止民営化の案をつくって各省庁にぶつけて、その回答が不十分であるとまた直接各省庁と交渉して折衝をしているという重要な重要な役割を果たしている行政改革推進事務局だと思います。  そこの事務局の私は構成のことについてお聞きしたいんですが、私、ちょっとこの資料を大臣に見ていただきたいんです。(資料を手渡す)この資料の中に、内閣官房の推進事務局からいただいたものですが、行政改革推進事務局のメンバーの中に民間から十四人来ていますね。この中に、東京三菱銀行から一名、富士銀行から一名、三和銀行の連結子会社という三和総合研究所から一名、都市銀行から事務局に三名入っているわけです。  私は、住宅金融公庫の住宅ローンは民業圧迫だと盛んに言われていますけれども、しかし先ほど紹介しました全銀協の山本会長の発言もあるように、実態はやっぱり根拠のほとんどない民業圧迫論だと思うんです。強いて言えば、公庫の住宅ローンがなくなればやむを得ず、泣く泣くか、条件の悪い民間の金融機関の方に何割かは流れてくるのではないかということになる、そういうことじゃないかと思うんですが、住宅金融公庫廃止を進めようとする人たちから見れば、住宅金融公庫と銀行はいわば商売がたきになると思うんです。だから、銀行の不良債権処理では公庫の優良債権をいただこうというのですから、言いかえれば何か食い合いの関係と言っても言い過ぎではないと思うんですが、このような関係にある金融機関の出身者がこの事務局に入って住宅金融公庫廃止案をつくるというようなことが許されるのかどうか。私は絶対に容認できないんです。  大臣におかれては、閣議の場などで、きょうは閣議決定をされたわけですけれども、こういう不明瞭な事務局の構成についてはやはり改善をしていただくように申し、また対応をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  129. 扇千景

    国務大臣扇千景君) 御存じのとおり、行革推進事務局というのは聖域なき構造改革を実行するという観点から本年の一月に設置されたんです。そして、これは私が設置したのではなくて、特殊法人改革についての検討を進めてきたとそこで言っていらっしゃるので、それはそれで、私、お仕事があることでお集めになったんだと思います。  今ここに内閣官房の行革推進事務局という大沢先生から紙が回ってまいりましたけれども、中央省庁から九十四人、地方公共団体からは一人もなくて、民間から大体十四人ということで、今この十四人の民間の表をいただきましたけれども、私はこの事務局の構成について国土交通大臣として意見を述べるという立場にはございません。もう一月に設置されていることですから。けれども国土交通省としては、特殊法人改革は特定の利益に偏らないで、なおかつ公平な立場で真に国民の利益につながるような検討をすべきであるというその信念に基づいて、国土交通省独自で、私たち今までの四省庁分持っているわけですから、真剣に国土交通省としては、これにとらわれず、国土交通省あり方、今までの経験と知恵と能力、そして国民に真に何を一番喜んでいただけるかということを検討しているというのが現在でございますから、これについての論評ではございません。
  130. 大沢辰美

    大沢辰美君 本当に私は、住宅金融公庫という歴史、そして果たしてきた役割、そして低中所得者に対する対応、さまざまな分野でその役割を果たしてきて、住宅の量、質ともに向上を果たしてきた役割があると思うんです。  ここに至って、五年以内に民営化廃止ということが出てきたわけですけれども、その方向づけをされたこの行革推進事務局というのが今その役割を果たしているわけですけれども、やはり今、大臣が言われたように、国土交通省としての今日までの果たしてきた役割をしっかりと踏まえて、公平に、そして言うべきことはしっかりと意見を述べていただいて、こういう銀行から事務局に三人入っていることによって、この力によって、民営、民間銀行がここに参入をしてきて大変な事態に完全になってはいけないということを申し上げまして、質問を終わります。
  131. 大江康弘

    大江康弘君 委員長、きょうはどうもありがとうございます。委員長の御配慮で委員会が形骸化しないようにということで、そうであっても本当に毎日毎日進んでいくスピードの速さにややもすれば我々言いたいことも言いそびれてしまうような、そんなことを感じるわけであります。  きょうは、特に道路整備、また国土交通省が所管される特殊法人についての集中審議ということでございまして、申し上げたいことは段々の先輩の皆さん方からも聞かせていただいたわけでありますけれども、私はまだ四カ月ですから、どうしても日本の国というものを大きな立場で、国家観という形の中で見れないわけでありまして、その延長線上にやっぱりこの道路という問題もとらまえてございます。それだけに、大臣が先ほど第三者機関について少し余り関与できないような御発言もありました。また、あえてテレビを、あるいはいろんな場面に出ることを控えられておるということを、非常に謙虚なお気持ちを聞かせていただいたんですけれども、私は、随分遠慮をされておる、しかし扇大臣のことでありますからこの遠慮の上に隠された二文字がついておる、深謀という言葉、いわゆる深謀遠慮でやっておられるんじゃないかなと。  そういう中で、今、何か道路のことを言うと道路族だとか、私はあえて自分のことは地方族と言っておりますけれども、やはり省益とか聖域とかということではなくて、そんな次元の問題では私はないと思うんです。戦後続いてきた道路行政というものがもう大きく変わっていこうとしておる、あるいは変えられていこうとしておる中で、やっぱり大臣がもっと前面に出て物を言うべきだ、もっと自分の思いのたけというよりも国土交通省のやっぱり今までのそういう歩みの中で今後のあり方も含めて私は言うべきだと思うんですけれども、これは大臣、なぜ余り言えないんですか。
  132. 扇千景

    国務大臣扇千景君) 言えないんじゃなくて言わないんです。言えないのと言わないのとは違うんです。言えば切りがございませんし、多くの皆さんに私は情報を発信して御判断を仰ぎたいと思う、今までの私の手法はそうです。なるべく知っていることを全部出して皆さん方に御判断を仰ぐというのが私の本来の手法でございます。  けれども、私は、今回の総理に御下問いただいた宿題というものは余りにも日本の行政を今までと変えるような大きな問題ですから、私一人の私見を皆さんにこう思っているとか、こうするようにしたいと思うとかということを控えなければならないほど国の行政の根幹にかかわることであるという重大性を御認識賜りたいと思います。
  133. 大江康弘

    大江康弘君 私は、言えない、それもちょっとわからない、大臣と言い合いしたら私は負けますから。言えない、それも私はわからないわけなんです。なぜ言わないのか、そうしたら。一番の所管の大臣であるにもかかわらずなぜ言わないのか。私はそこのところが本当にわからない。理解できない。首を振っておられますけれども。  しかし、そういう中で、今後、自分の立場はいろいろありましても、今までの旧建設省も含めてやっぱり今の国土交通省が進めておる道路行政をむしろ応援したい立場です。それだけにもっと言ってほしい、もっと私は国民に向けて発信をしてほしいという気持ちでありますけれども大臣がそういうお気持ちであれば、これはもう仕方がないことであります。  それじゃ、今後この高速道路も含めて第三者機関に、総理は何かいろんな今後の判断の自分は材料とするとか、そういうことの中での設置を言われておりますけれども、先ほど聞けば、これ内閣府から出るかどうか、出てくれば大臣もしっかり応援してくれみたいなことを言われていましたけれども、その第三者的機関の設置に対しても大臣は物が言えぬわけですか。総理大臣に対して、いわゆる国土交通省としてはかくあるべき、こうしてほしいという、そういうことも言えないわけですか。
  134. 扇千景

    国務大臣扇千景君) さっきいらっしゃらなかったのかどうか知りませんけれども、先ほど論議の中で、私は、きちんとけさも総理第三者機関に対しては国土交通省が今まで同様に関与させてくださいよということを念押ししたと、さっき報告申し上げました。
  135. 大江康弘

    大江康弘君 それはわかっているんです。それは一般的なことで、国土交通省立場で、その立場もひとつわかってやってくださいよと。それ以上もっと突っ込んだことが言えないのか。例えば人選の問題にしても、そういうことも含めて具体的なことの提案というのは、これからこの機関が設置されていく中で大臣として、やはりどこらぐらいまで言っていこうかなと、そういうことは言わぬわけですか。
  136. 扇千景

    国務大臣扇千景君) 私は、大江先生がおっしゃることごもっともで、私、全部関与したいです。国土交通大臣としては第三者機関も私のもとにつくっていただきたいぐらいに思っておりますし、なぜ政府もとに、総理もとにつくらなきゃいけないのか。国土交通省の中で私はつくっていただいて今までどおり検討させていただければもっと私は力を発揮できるという自信もありますし、うちの国土交通省の職員もそういう考えも持っていますし、能力、経験、すべてにおいて私はどこの省よりも国土交通省の職員は一番適していると。  また、私どもも、ここに並んでいる皆さん方も、国会議員の中から今までの国幹審のように、国幹審だって国会議員が入っているんですから、国幹審と同じようなものをつくっていただくにこしたことはないと、もちろんそう思っています。
  137. 大江康弘

    大江康弘君 それだけのお気持ちを聞かせていただいたらもう結構です。  次に、ちょっと話は飛びますが、道路局長、少しお尋ねをしたいんですが、特定財源の中で、先ほどからも少しありましたけれども、重量税が一般財源化される。これはもともと一般財源であったものを道路として使ってきたわけでありますけれども、私なんか、こういうことを聞きますと、何を今さらまたという、先日も申し上げましたけれども、何か取れるところから取って、ないところへ使うというのはおかしいじゃないか、まだまだ道路行政足りないじゃないかというそんな中で、道路特定財源の中でも今申し上げました重量税が一般財源に持っていかれるということに関して、これは局長、どう思われますか、局長の御意見
  138. 大石久和

    政府参考人大石久和君) 自動車重量税は、先生も御承知のとおり、昭和四十六年に、その当時の道路整備第六次の五カ年計画でございましたが、財源不足を来す、約三千億ほどでございますが、ということから創税されてきた経緯がございまして、一般財源化されたものを道路の特定財源に充てたものではなくて、その当時から道路に充てるということで創税がされたものでございます。  ただ、その際、いろんな税収不足が各方面でございましたので、これを一般財源としておいて、そのうち国税の分の八〇%を道路に充てるという国会答弁等による慣習で、その後道路の財源になってきているものでございまして、したがって、そういう意味では一般財源でございますが、私どもは、暫定税率を国民説明しております経緯、それから創税の経緯から見まして、道路の特定財源として考えたいと、このように思っております。
  139. 大江康弘

    大江康弘君 そういうことでありますと、このまま進んでいきますと、これ来年度の予算の中で、地方道も含めてこれはかなり計画変更というのが出てくるわけですか、財源不足というか、今の形の中で。
  140. 大石久和

    政府参考人大石久和君) 平成十四年の予算要求におきましては、概算要求段階でこそ各省庁一・〇〇の要望額を認められましたので、国土交通省では、省内調整の結果、道路局は一・〇二の要求をさせていただいておりますが、これが年末、これからでございますが、決着の時期に向けましては、公共事業一割カットということでございますので、そうなりますと、当然我々は、ちょうど現在で特定財源と道路支出がつり合っておりますので、一割削減ということになりますと、特に自動車重量税の部分であろうかと思いますが、この取り扱いが議論になるというように考えています。
  141. 大江康弘

    大江康弘君 そういうことになってきますと、かなり道路行政を進めていく中で影響も出てくるかと思うんですけれども、私は、一般的に、今地方道あるいは一般国道、それとは別に道路公団が抱えておる高速道路の問題の中で、やはり人間それぞれ許容範囲というのがあると思うんです。ですから、今天下りがけしからぬとかなんとかありますけれども、しかし長年国の官吏として奉仕をしてきて、国民のために頑張ってきて、省庁を退職してその能力を生かす場所、やはりその能力がまだまだ使える場所に私は行くということはこれは何ら問題がない。それだけに、私はそういう一つの退職という規定の中ででもまだまだ使える皆さん、あるいはそういう人材の方はどんどん私は国の宝として使っていくべきだと思うんです。  それだけに、私は、今公団が問題になっておる一つの背景というのは、先ほどからも少しありましたが、これは都市基盤整備のことで少しありましたけれども、我々田舎におっても大変不条理に思うのは、例えば高速道路で事故をしてガードレールをつぶしたら、自分の知っている業者にびっくりしてどのぐらいかかるかと聞いたら二十数万円。ところが、後で公団から請求が来たら約八十万円近い請求が来た。こういうこと自体が私はやはり一般の県民や利用者からすれば、公団というものは、かつての国鉄じゃありませんけれども、何か先ほどの話でもありましたけれども公団もやっぱり今まで施設協会というものがあって、これが非常に批判を浴びて、それでもまた二つの道路サービス機構ですか、それとハイウェイ交流センター、こういうようなものに形は別れたけれども、実態は今五十九社の大きなその下に企業があって、あるいはまたその下に二百社近いファミリー企業がある。  大臣は、親ガメがこけているのに子ガメ、孫ガメがもうけておるのはけしからぬと。これは確かにそのとおりなんです。しかし、普通聞けばやっぱり親として子供や孫が成長するということは、これは人間としては普通は喜ばないかぬ。ところが、喜ばないかぬそういう普通の感覚になれないところに私は公団の問題がある。それだけに、私は今申し上げましたこういうこと一つとってみても、どうも公団の長年の体質といいますか、そういうことを見ましたときに、何か一般世間の常識から乖離をして、我々の感覚から何かずれておるところがあるんじゃないか。  聞けば、総裁が二千五百万近い年間所得をもらっておるだとか、あるいはそれに近い金額を副総裁やあるいは理事がもらっておる。それに見合った仕事をされておるんだったらこれは当然いいわけですけれども、しかしやっぱりここには、いつまでたっても料金が安くならないという利用者のそうした不満も含めまして、これから五十年償還という形の中で、なかなかつくってほしくてもつくってもらえない、そういう地域も出てくる中で、民間にすればこんなことは解決していくだろうという話であるかもわかりませんけれども、やっぱりそれまでの間私は今のような状態でいいのかどうか、もっと私は世間の風に、世間の常識に敏感であるべきであると思うんですが、ここらあたりは、大臣お願いします。
  142. 扇千景

    国務大臣扇千景君) 今、大江先生の御指摘の一般常識から見て日本道路公団等々おかしいのではないか、各公団道路公団だけではありませんが、高収入、こういうこともおかしいんじゃないかということで、私もるる見てまいりましたけれども、少なくとも今、先生が御指摘になりましたように、年間の給与、総裁、理事長等々、道路公団にしましたら二千五百八十一万円。そして、御存じのとおり、特に私は大事にしたいなと思いますことは、日本道路公団の平均年齢は三十九・六歳、そして首都公団が四十一・四歳なんです。ところが、国家公務員の平均年齢は四十・七歳なんです。そして、年間収入六百三十九万円なんです。ところが、道路公団の公務員は年収で七百三十六万円なんです。だから国家公務員より高いわけです、平均でも。また、首都高の平均は本来は八百五十万でございますから、これも一般公務員より二百万円高いと。これは平均の公務員にとってみても、公務員よりも公団の職員の方が高いということも事実でございます。また、少なくとも総裁、理事長が二年間在職した場合の退職金は試算しましたら千百六十三万円と、これも多くの皆さんに御理解いただけない理由の一つであろうと思います。  ただ、ひとつ私は、先生にも御理解いただかなきゃ、私たちも理解しなきゃいけないことは、天下りというものをバツと言うべきかどうかと。国家公務員は五十歳を過ぎると肩たたきが始まります。そして、もう五十五歳になったら退職いたします。残るのは一人か二人。これではやっぱり子供が高校、まだ大学に行っていないということで、第二次の就職をしなきゃいけないような今の仕組み、少なくとも一般で六十五歳定年というのであれば国家公務員も六十歳までにして、それ以上は民間と同じように六十五歳までだったら給料も上げないで減らすよとか、民間がやっているようなことも私は国家公務員に課すべきだと思うので、それも原点としては宿題としてございます。それが今の先生が御指摘になりました給与のことに関してでございます。  また、私が先ほど親ガメと子ガメ、孫ガメの話をしましたら、先生が御指摘になりましたけれども、私は少なくとも日本道路公団、維持管理業務、四業務ございますけれども、ここで少なくとも百六十三社のファミリー企業があるわけです。この百六十三社のファミリー企業のうちに、関連企業が百六十三、ファミリー企業が五十九社あるわけです。こういうことも含めますと、私はその中の先生がおっしゃった今の天下りが子会社八十二社の中で五三%、半分以上がOBなんです。三百七十二名おります。これが天下りしているんです。  ですから、半分以上がOBだということがいけないとおっしゃいますけれども、今言った天下りの年齢の首切りと、あるいは天下りをせざるを得ないことと、そして余りにも関連・ファミリー企業に多過ぎるということの、この全体的なものを見直そうというのが今度の民営化でございますので、ぜひその点は私ども先生も、お知恵を私たちいただきながら、民営化に対して業務のあり方、管理のあり方、民間にしたらこれだけ職員を高くできないということも含めて論議させていただきたいと思います。
  143. 大江康弘

    大江康弘君 私も天下りいかぬということではないわけであります。それだけに、先日、大臣がどこかで言われたことを聞いたことがあるんですが、日本の流通コストの中で、岩手から東京まで百キロの荷物を運んだら千四百幾らかかる、それが横浜からアメリカまでだったら千百円ちょっとだと。これはまさにやっぱり日本の産業の発展を阻害しておる。阻害しておる原因は、道路の交通料金の高さもあるし、そういう高速道路の今のあり方があるんだということを聞きましたけれども、この考え大臣まだ変わっていませんね、基本的に。
  144. 扇千景

    国務大臣扇千景君) 全然変わっていませんし、また民営化ということは物流コストを下げるためにぜひ必要だという原点に立ってすべての改革が始まっているんだ、物流コストを下げて国際競争力に勝つ、これを私たちは忘れてはならない、それが国民のためであり国のためであると考えております。
  145. 田名部匡省

    田名部匡省君 最後ですのでよろしくお願いしたいと思います。  朝から皆さん議論伺っておって、これ本当にどうなったのか、どっちが野党でどっちが与党だかわからない議論ばかり始まって、いや、わからぬではないんです。これいろんな通告もしていませんから、いつものとおりやりますけれども、今の天下りの問題も、私は前から何で早くやめさせるのかと。参議院に日出さんが出てきて、彼、局長をやめたときも、僕は当時は懇談会をやっていましたから、会社つくってもうけろと、もうけて何ぼでももらえと言ったんだ。そういうことをやらないと、いつも申し上げるんですが、赤字でも給料もらってボーナスもらって退職金もらうというのは民間にないですよということを言うでしょう。そのことからいくと、このトップの年収、商工中金は約三千万だというんだ、年収。あとは大体総裁、理事長が二千三百万から二千六百万。特殊法人に行くと三年勤めて退職金が二千万でしょう。これは何回も退職金がある。  今、大臣言ったように、やっぱり仕組みを、時代がもう相当変わってきたということはみんなわかっているんですよ。そうして、やれ道路はどんどんつくれの言う、あれもやれの、やめろと言うところは全然ないんですよ。そうすると、結局、国債発行して借金して子や孫やひ孫に残すと。これを続けることはできないことわかっているから、みんないろんなことが今議論されておるんでね。私はそういうことからもう思い切って、どれをやればいいというんでなくて、次の世代の者たちにこの二十一世紀というのは日本がどういうふうに予測されるか、あるいはその結果どうすることが一番国民にいいのかという議論から始めていかないと、最初から守る話や形を残す話ばっかりしておったら、これは国会議員として責任持てませんよ、将来の子供や孫に。ですから、つらいことでもやらなきゃならぬことはやると。  しかも、小泉さんが総理になるときは、もうそれを訴えて、みんなそうだと言って総理大臣になったんですよ。なった途端にあれだこれだ言われたんでは、これはやれっこない。ただ、小泉総理の言うこともこれは完璧だと思わぬ。思わぬけれども、その中でじゃどうやってやればやれるのか、こういうことだろうと思うんです。  住宅公団のことからちょっと質問しますけれども、今後の新築住宅というのはどのように見通しをしておるか、まずそれをお答えいただきたいと思うんですが、これは住宅局長
  146. 三沢真

    政府参考人三沢真君) ことしの三月に策定されました第八期の住宅建設の五カ年計画の中では、向こう五年間で約六百四十万戸の建設戸数を見込んでおります。
  147. 田名部匡省

    田名部匡省君 そういう意味で聞いたんでなくて、日本のずっと将来を見たときに住宅政策というのはこのままでいいのかどうか。例えば、所得が伸び悩んでいるでしょう。しかも、雇用に不安がある。あるいはリストラを、どんどんもう解雇されている。あるいはローンの返済ができない人たちも出てきた。しかも、これは大変な少子化ですよ。こういうのを踏まえて、住宅であれ道路であれ、どうするかというものを今しっかりやっておかないといかぬ。  もともとの住宅政策だって、終戦直後、あれだけ大空襲で家がなくなって、ちっちゃな家でもいいから何とか家を建てようというので始まったんでしょう。それがどんどん発展してきた。随分できた。そうしたら、もっと大きな家にも貸すようにしよう。それから、どんどんまたやってきたら、だんだん満杯になってきたらセカンドハウスも認めよう、こういうふうに変わってきたんですよ、当初の目的から見ると。ですから、そういうことなんかを考え一体どのようにあなた方が考えておるかということを聞いておるんです。
  148. 三沢真

    政府参考人三沢真君) 委員が御指摘のとおり、確かに少子化でございます。それから、人口についてもだんだん減少していくということが見込まれるわけでございます。  ただ、住宅のニーズとの関係で申し上げますと、人口は減るけれども世帯数は、二十一世紀の初頭、二〇一五年くらいまで世帯増は、世帯はどんどんふえていく。それから、既存のストックでできるだけこれも活用しながらやっていくということが重要でございますが、ただ、やはり既存のストックで、例えば昭和五十六年の新しい耐震基準以前にできた、そういう意味では耐震性能を必ずしも備えていないものがストックとして相当程度ある。そういたしますと、その既存ストックを活用するにしても、やはりその既存のものでその性能をきちっと備えていないものは、これから恐らく相当なリプレースといいますか、建てかえを図っていかなきゃいけないということがございます。  したがいまして、どんどん高度成長期のようにいわば量の充足を求めるという時代ではないということは確かでございますが、しかし一方で質を高めていくということからいいますと、やはり一定の新しいフローの建設というのも必要であるということは事実かと思います。
  149. 田名部匡省

    田名部匡省君 いろんなふうに変えていく、時代に合ったようにやる、あるいは縮小していく。私は、その中で低所得者あるいは障害者、そういう人たちはどうするかというのは別個に考えればいいと思うんです。これはもう国で保障してもいいし、あるいは利子を補給してもいいしというやり方をしないと、これはなかなか進みませんよ。  ですから、民間でやれるのは一体どうなる、どこまでがやれるのか。どういうやり方をしてやったら民間がやれるのか。これ、小泉総理も言っているんですよ。特殊法人に商売させたって税金は納めないんですから、民間にして、もうけたら税金を納めてもらった方が国民全体にとってもありがたい。そうでないと、自分たちの郵便貯金、簡易保険、年金を預けて利息をもらって、それを道路つくったり住宅つくったりいろんなのをやりますよ。それで赤字を出して、今度は我々の税金からことしだって五兆三千億も補てんしなきゃやれないということになっているでしょう。だから、そういうことをどう変えて子供たちに残していくかということ、知恵を出すんですよ、今。それを何か昔のを守ろう守ろうとしていると、これは絶対やれませんよ。  道路団総裁、きょうはありがとうございました。かつて私は金丸先生と加藤六月先生と食事したときに、何で高速道路というのは何回も、千葉にゴルフやりに行くと三回も料金取られるが、乗ったらおりたところで払うようにできませんかと。そうしたら、加藤六月さんは専門家ですから、いや、あれは首都高と何とか、それはそっちの話だと。乗る方は乗ったところであの切符をもらって、おりるところで精算すれば、間がなくなれば相当楽になるんだから、分けるのはそっちの方で分けなさいよというの。  だから、そういう何か同じ高速道路でもそんなことをやっているものですから、そこへもってきて、これはぜひ検討してくださいよ。あれはあれだけ詰まって、しょっちゅうこれですから。私は羽田から毎週行ったり来たりしている、地元。今度はETCというのをつくったよね。あそこを通るとき四つぐらいあるんですよ、あの料金所が。ずっと並んでいる。あっちへ行けって言ったら、いや、あそこはだめですと言うんだ、運転手に。何でだって、あれは機械ついていなきゃ通れないと。全然通っていないですよ。きのう、おとつい来るとき見たら職員がいるんですよね、あそこに立って。ああいうのをこれからどんどんやるようですけれども、これは四万円とかかかるそうですね、あの機械が。三万幾らですか。だから、そんなのをつけたら、我慢して、時々しか乗らぬ人なら待ってあそこで払った方がいいということになる。  私が言いたいのは、何をやってもいいけれども、本当に調べて、これが普及していくということでやっていかないと、特殊法人のやるのはみんな、アクアラインだってそうでしょう、一日四万台通るのが一万台しか通っていないですよ、今。それから、本四架橋、そうでしょう。関西空港だってそうですよ。あれは五年で黒字にして九年で配当する、二十何年で借金を払うなんて、冗談じゃない、何回変わりましたか。そういういいかげんなことが多過ぎるんです。  それで、このETCの料金所、今度はどんとふえるんですな、今まで百七十五カ所が六百十六カ所になると。それで、今の利用率は一%です。だから、私は何ぼ見ていても通っているのを見たことがないと言うのはこれなんですよ。ですから、これをやると十万台ぐらいになるんじゃないかとかという資料をちょっともらいましたが、これ、総裁、どうですか。もう今度は、私は扇大臣にこの間も言ったんですが、何をやってもいいから、だれが考えてだれが決定したかという名前を残しておいてくれよと。そうすると、あのやつがやったのかという責任がはっきりしてくるから、もうちょっとしっかりなると、こう言っているんです。どうですか、今の話で。ETCのことで。
  150. 藤井治芳

    参考人藤井治芳君) 私がお答えするよりも大臣の方かと思いますけれども、私の立場で御説明させていただきますと、ETC、正直言いまして、先生のおっしゃるとおり、まず乗り継ぎ、京都から関西空港に行くのに七回ゲートを通らないと行けません。実はこれが非常に大きな問題意識のきっかけでございました。それからもう一つは、ゲートでとめられるということによるいらいら感と、そこで渋滞が起きるという問題とか、いろいろとございましたので、私ども、ETCという形を早く定着させたいということで、長年かかって研究し開発してきたわけでございます。  先生御指摘のように、今一%というのは、千葉を中心とする試行区間といいましょうか、というところがそのようなことでございます。今月の三十日から、東名名神は当然でございますが、全国五百三十八カ所でサービスをさせていただきたいと思っております。実際は九百五十カ所全国にございますから、それの三分の二ぐらいではございます。  これに対しまして、私どもどういう考え方でいくかといいますと、まず東京が一番、東京、大阪、中京地区というのは非常にユーザーが多うございますが、そのところからいろんな観光地あるいは県庁所在地等々、双方に動けるようにするために、県庁所在地とかあるいは空港に対する問題、あるいは重要港湾といったような地方の中核都市、あるいは出入り交通が比較的多くてそういう問題が起きるようなところをまず集中的にこのシステムを入れようということで、現在五百四十カ所ほどが十一月三十日からなるわけでございます。  そのときに、先生がおっしゃったように、またそこでいらいら感が起きるじゃないかと。おっしゃるとおりだと思います。したがって、料金についても、大臣の御指導で期間限定つきの割引もやらせていただいておりますし、来年の早い時期に本格的な割引制度を導入して普及に努めたいというふうにも思っております。  一番私どもが期待しているのは、渋滞だけではなくて、渋滞による料金所におけるCO2のいわゆる排気ガスが約二割ぐらい削減されるといったような環境的な問題もございます。  そういうことで、私ども、いろんなトラブルがございます。機械によるトラブル、あるいは利用の一番大きいのは、カードを奥に差し込まないために全然機械が反応しないというような非常に初歩的なことから、ゲートにぶつかってしまうといったようなことまでございますが、ここら辺は利用者の習熟度もございます。私ども、一生懸命、使っていただいてこそ意味があるものでございますので、そういうPRとか御習熟をいただくための努力もさせていただきながら、せっかく投資したからには役立つようにさせていただきたいと思います。
  151. 田名部匡省

    田名部匡省君 さっき私が言ったように、もう余計なのは取っ払って、おりたところで払うのが一番楽なんですよ。何回もそんなところを通すとかなんとかということを考える前に、どうぞそれを検討してみてください、真剣に。  それから、この間も大臣、ちょっと議論したんですが、道路公団の財政の問題で。企業というのはもうけの中から積立金というのを積むんですね。恐らく住宅公団でも道路公団でも、つくったものはいつか壊れるんですよ、ずっと未来永劫にそのままというのはありませんから。住宅だってそうでしょう。いつか耐用年数が来る、あるいは修理もしなきゃならぬ。そういうために、普通の企業ならそれにかける分をもうけの中から積んでおく。そうしてやらないと、ただ今のことだけで、ずっと百年も二百年も使えるという発想で考えている。いつかまた全部やり直してつくる費用というものはまた国民の負担になるんだということで、だからできるだけ民間でやれるものは民間にやらせて、本当に困った人はみんなで助けりゃいいじゃないですか。  だから、きのうも行政監視委員会で言ったけれども、例えば三百二十万までの人は税金を払わなくてもいい、課税最低限というのを下げたらどうですかと。いただくものはいただくが、助けるのはしっかり助けるということにしないと、三百二十一万もらっている人は税金は取られる、そういう恩恵はない、そうすると下の方が今度豊かになってと、そういういろんなことがありますから、公平公正ということは念頭に置きながら。  それで総裁、つらいときはつらいようにやっぱりもうちょっとやるとか、国会議員、これやめたら何にもないですよ、年金だけで。あなた方みたいにどこかへ行ってまた何千万ももらっているなんというところはないんですから。だからやっぱり、行くなら行くとしても、ちょっと遠慮して半分ぐらいにするとか、景気悪いときは少しボーナスも少なくするとかというのを国民に見せなきゃ、やっぱり我々国会議員もあなた方も。これで信用したら、お願いしたらできるようになりますよ、いろんなことを。  もう時間ですか。大臣、ちょっと今までの話の中で。
  152. 扇千景

    国務大臣扇千景君) せっかく総裁がいらしているから藤井総裁がお答えになった方がいいのではないかと思いますけれども、さっきもお話ございましたように、各特殊法人の役員の報酬が一般職員に比べても、年齢もそして収入も一般公務員よりも高いということは、先ほど大江委員のときに数字を出してお話ししましたからおわかりのとおりでございますけれども、私は少なくとも、今ETCの話を総裁から田名部先生の御質問でおっしゃいましたけれども、じゃ、日本道路公団一つとってみても、あのゲートの料金収入、これだけでも何社あるのかというと、この料金収入の業務だけでも三十五社あるわけですね。これもおかしいと。しかも、三十五社でこの中のファミリー企業は二十九社ある。  だから、それだけでもETCにすれば、これは自動で行けるんですから、しかも外国はETCでどんどん通っているのに日本がまだ導入できないというのはおかしいと。だったら外国から機械を入れなさいよと私は言ったんです。そうすると、いやいや、独自でも開発できますと。開発できているんなら入れて、それこそ石原東京都知事がおっしゃっているように、渋滞をしてCO2があんなに多くなっている、これが二割でも削減できるんだったらこんなにいいことはないと。  しかも、渋滞をしているロスの金額というものも大変な金額になっているというのであれば、私はぜひこれを入れるべきだということでやらせていただいて、三十日からは、原価が三万八千円でも、三公団通ったらこれは二割全部割引ですから元が取れちゃうんですね。ですから、冬休みでも少なくとも車でずっと行こうという人は、ETC、今十種類あります、十五社で十種類できていますけれども、その中で一番安いのをお買いになっても、ずっと走って冬休みに日本を縦断すればもう元が取れちゃうんです。それくらい、二割割引していますので、私は環境の二十一世紀型にもこういうことを改めて民間でできることを民間でしようと。それが今度の大きな原点で、国民に資するように、そして二十一世紀型の日本ができるようにという原点に立って、今我々は皆さんの御意見を聞きながらそれを取り入れるために苦心をしているというのが現状でございます。
  153. 田名部匡省

    田名部匡省君 公団総裁、これは国土交通省で二十年後には交通量が減少するということを発表しているんですね。  私はいつも言うんです。少子化というのは、これは家を建てる子供は生まれていないし、高速道路を走る子供は生まれていない。高速道路も交通量が一〇%減ると五兆八千億の減収だというんでしょう。だから、そういうことを見通して考えなきゃ我々は。いつも言うでしょう、昔は子供は五人も生まれて、長男は親の家をもらったと、しかし次男、三男はローン借りて家を建てたと。建てるのが生まれていないんですから。そういうこと等も全部考えた上で、どういう政策をやれば国民が本当に安心してやれるかということを我々はやらなきゃならぬと思うからこれはうるさく言っているんで、どうぞ大臣、いろいろと第三者機関をつくってやるのも、わあわあ言っているけれども、専門家の関係ない人たちが集まって決めたことには従うと。  私は農林大臣のときに閣議で言ったことがあるんですよ。選挙制度と言ったら、小泉総理は当時は郵政大臣で、こっちは村上正邦さんが労働大臣、けんかが始まった。だから私は総理に言ったんです。選手にルールを決めさせるからけんかが始まるというんだ。野球だって、右バッターはサードに行った方が近いんだ、左バッターはファーストの方が近い、これを選手に決めろと言うからけんかになるんだから、国会で決議して、どう決めてもそれには従いますという決議だけして任せろと言ったことがあるんですよ。  どうぞ、そういうことを真剣にやって、最終的には国民のために公平になることは何かということが我々のやる仕事だと私は思っているんですよ、党はどうであれ。どうぞしっかりこの現状を踏まえて、倒産してもう自殺しているのはいっぱいいるときに一体我々はどうしてやればいいか。そういうことを考えれば、総裁ね、そのぐらいの気持ちは、いや、これは少しは返そうかというのが新聞に出てごらんなさい、いや、大した総裁だと、こういうことになりますよ。  以上、申し上げて終わります。ありがとうございました。
  154. 北澤俊美

    委員長北澤俊美君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時四十二分散会