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政務次官(
小此木八郎君) 文部省でございますが、
会長それから
委員各位に感謝を申し上げます。
当省における
少子化対策について御
説明申し上げます。
資料の一ページをごらんいただきたいと思います。
文部省は、これまで、
平成六年十二月、
関係各省で
合意した従来の
エンゼルプランに基づき
少子化対策を
推進してまいりましたが、その後、昨年の末に
閣僚会議において
少子化対策推進基本方針が策定されました。
基本方針における文部省に関連した主な
施策について
説明を申し上げます。
六ページの「文部省
関係部分」をごらんいただきたいと存じます。
まず、「第2
基本的な
施策」の1でありますが、「固定的な
性別役割分業や
職場優先の
企業風土の
是正」に関しては、学校や
地域、
家庭における
男女共同参画に関する学習の
充実等に努めてまいります。
次に、2「
仕事と
子育ての
両立のための
雇用環境の
整備」に関しては、公民館の講座や大学公開講座で
女性の再就職、
職場復帰のための講座を開設するなど、
出産、
子育て後の学習を
支援してまいります。
3「安心して
子どもを産み、
ゆとりをもって健やかに育てるための
家庭や
地域の
環境づくり」については、学校における性
教育について指導を
充実するなど思春期における健康
教育の
推進、
子育てに関する
相談機能などの
充実のほか、
家庭でのしつけの参考となる啓発
資料の配布など
家庭教育への
支援、
子育て支援ネットワークの
整備、全国
子どもプランの
計画的な
推進など
子供を伸び伸び育てる
地域の
教育環境の
整備を図ってまいります。
八ページの4「
利用者の多様な
需要に
対応した
保育サービスの
整備」についてでありますが、幼稚園と
保育所の
連携の
推進や預かり
保育の
充実など幼稚園における
子育て支援の
充実に努めてまいります。
5「
子どもが夢を持ってのびのびと生活できる
教育の
推進」については、
平成十四年度からの完全学校週五日制の
実施に向けた学習指導要領の改訂など生きる力を育てる
学校教育の
推進、総合学科や単位制高等学校、中高一貫
教育校の設置促進など柔軟な学校制度への改革、生徒が幼稚園などで乳幼児と触れ合う機会を設けるなど、
子育ての意義や
家庭を持つことの重要性を学ぶ機会の
充実、学校評議員制度を導入するなど開かれた
学校づくりの
推進、大学への
社会人の
受け入れの
拡大、放送大学の
充実など多様な
人生設計に
対応した柔軟な
大学制度の
実現、幼稚園就園奨励
事業、
育英奨学事業の
充実などによる
教育に伴う
経済的負担の軽減などを図ってまいります。
十ページをごらんいただきたいと思いますが、6「
子育てを
支援する
住宅の
普及など
生活環境の
整備」については、公民館、図書館等で託児サービスを提供するなど、
地域における学習
環境の
整備を図っていきたいと考えております。
以上が
少子化対策推進基本方針における文部省の主な
施策であります。
次に、
平成十一年十二月十九日に
関係六
大臣で
合意した新
エンゼルプランについてでありますが、文部省
関係といたしましては、「
地域で
子どもを育てる
教育環境の
整備」、「
子どもたちがのびのび育つ
教育環境の
実現」、「
教育に伴う
経済的負担の軽減」を三つの柱としております。
資料の十一ページをごらんいただきたいと思います。
平成十二年度
予算案についてもあわせて御
説明いたしますので、二ページの「文部省における
少子化対策関連
施策」を適宜御参照をお願いいたします。
十一ページの5でありますが、「
地域で
子どもを育てる
教育環境の
整備」については、
子供を
社会全体で育てる
教育環境の
整備が
課題であると考えております。「体験
活動等の情報提供及び機会と場の
充実」については、まず、
地域におけるさまざまな体験の機会について親や
子供たちにタイムリーに情報提供する組織として
子どもセンターの全国的な展開を図ってまいります。全国で一千カ所
整備することを
目標にしており、八億八千四百万円を計上しております。
次に、学校が休業する土曜日に
子供たちにスポーツ選手等が直接語りかける番組などを配信する
子ども放送局の受信場所を五千カ所程度を
目標に
整備を図っております。番組制作に係る経費等、四億九千三百万円を計上しております。
続いて、
子供の
活動の機会と場の
拡大のための各
省庁等と
連携した
事業の
推進を図ってまいります。
子ども地域活動促進
事業、六億二千三百万円などを計上しております。
また、
子供たちが文化
活動や文化財に触れる機会を
充実する
地域こども文化プランの
推進を図ってまいります。
関係の経費、八億六千八百万円を計上しております。
さらに、いじめ問題や家族、友人
関係等で悩む
子供たちが電話等により気軽に悩みを
相談できる
子ども二十四時間電話
相談体制を
整備することとし、親の電話
相談事業とともに、三十二県分一億五千五百万円を計上しております。
「
地域における
家庭教育を
支援する
子育て支援ネットワークの
整備」については、まず、
家庭教育手帳・ノートを乳幼児を持つ親や小中学生を持つ親に配布していくこととし、所要の三億八千百万円を計上しております。
次に、
子育てやしつけについて悩みや不安を抱える親がいつでも
相談できるように二十四時間電話
相談を行う
体制を全国に
整備することとしております。
また、
子育て中の親の身近な
相談相手として
子育てサポーターを配置するなど、
地域における
子育て支援ネットワークの
充実に努めていきたいと考えております。新規
事業として四億八千万円を計上しております。
「学校において
子どもが
地域の人々と交流し、様々な
社会環境に触れられるような機会の
充実」については、小中学校の持つ
教育機能や大学等の高度な研究・実験・実習施設を
地域に開放するなどの
施策を
推進するとともに、余裕教室については
社会教育施設や
保育所等に有効
利用するため、所要の
施策を
推進しているところであります。
「幼稚園における
地域の幼児
教育センターとしての機能等の
充実」については、幼稚園において通常の
教育時間の終了後、
希望者を対象に引き続き
教育を行う預かり
保育を
推進するなど
子育てを積極的に
支援していくこととしており、
調査研究
事業及び私立幼稚園に対する助成に係る経費を計上しております。
二つ目の柱である、同じく十一ページの6「
子どもたちがのびのび育つ
教育環境の
実現」の(1)でありますが、「学習指導要領等の改訂」については、まずみずから学びみずから考える力など一人一人の
子供たちに生きる力を育成することをねらいとして学習指導要領等を改訂し、各学校段階で順次
実施していくこととしております。
続いて、十二ページの「
平成十四年度から完全学校週五日制を一斉に
実施」についてでありますが、
平成十四年度から毎週土曜日を休みとする完全学校週五日制を一斉に
実施することとしております。土曜日や日曜日を
利用して
子供たちがさまざまな
活動や体験することを望んでおります。
「高等
学校教育の改革及び中高一貫
教育の
推進」については、生徒一人一人の個性を重視した
教育を目指して、まず多様な開設科目の中から生徒が自由に
選択できることなどを特徴とする総合学科の設置を促進し、当面、全国で五百校を目途に
整備することとしております。
また、学年の区別を行わず、卒業までに所要の単位を修得すれば卒業を認める単位制高等学校の設置を促進してまいります。
さらに、中高一貫
教育校の設置を促進することとし、当面、全国に五百校
整備することを
目標としております。
「
子育ての意義や
喜びを学習できる
環境の
整備」については、中学校、高等学校のすべての生徒が
家庭科等において
子供の発達や
家庭等に関する
内容を学習するよう学習指導要領を改訂したところであります。
次に、実際に高校生が
保育や介護に関する体験
活動に取り組むなどの実践的な
活動を新たに
実施することとし、その成果を
普及することにより、すべての高等学校で
保育・介護体験を
推進したいと考えており、一億四千二百万円を計上しております。
「問題行動へ適切に
対応するための
対策の
推進」については、
教育相談室やカウンセリングルーム等の心の教室の
整備を
推進しており、百七十四億円を計上し、
平成十二年度までに約五千校に
整備したいと考えております。学校におけるカウンセリング等の機能を
充実するため、可能な限り多くの学校にスクールカウンセラーあるいは教職研究者などの心の教室
相談員を配置することとしております。それぞれ三十五億五千二百万円、三十九億九千六百万円を計上しているところであります。
三つ目の柱である、十二ページでありますが、「
教育に伴う
経済的負担の軽減」については、「
育英奨学事業の拡充」について、学生が自立して安心して学べるようにするため、
希望する学生が奨学金の貸与を受けられるよう
育英奨学事業を
充実してまいります。有利子、無利子を合わせて、今年度と比べ
事業規模で約三百七十億円増の四千百五十一億円の規模で
事業を
実施することとしております。
「幼稚園就園奨励
事業等の
充実」については、第二子、第三子の単価を引き上げることとし、このための経費として二億五千三百万円を計上しております。満三歳に達した幼児が翌年の四月を待たずに年度途中から幼稚園に入園する場合にも
平成十二年度から就園奨励費を適用することとし、必要な
予算九千三百万円を計上しているところであります。
以上が新
エンゼルプランにおける文部省
関係の
施策であります。
また、お手元に配付しておりますが、「ディスカバー・ザ・ライフ」、こういうものでございますけれども、
子育ての楽しさ等を啓発するリーフレットを作成しまして、成人式で配布するなど若い人たちへの啓発に努めているところであります。
なお、中央
教育審議会においては
少子化と
教育に関する小
委員会を設置し、現在、報告の取りまとめに向け御論議いただいているところであります。文部省としましては、
少子化対策推進基本方針、新
エンゼルプランに基づき、今後取りまとめられる中央
教育審議会の報告を参考にしつつ、
少子化対策を
推進してまいりたいと考えております。
以上でございます。ありがとうございました。