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畠山委員 私は、社民党を代表し、
内閣提出の
会社の
分割に伴う
労働契約の
承継等に関する
法律案及び五会派
提出の
修正案並びに
日本共産党提出の
企業組織の
再編を行う
事業主に雇用される
労働者の
保護に関する
法律案に対して、反対の
立場から討論を行います。
この間、産業競争力のみを優先する
政府の政策によって、我が国にはリストラのあらしが吹き荒れておるとともに、下請中小
企業の整理淘汰が果てしなく進み、これにより、痛みや負担は弱者にとってはもはや耐えがたきものとなっております。
中でも我が国の
労働者は、EU諸国に比べると十分な権利保障のないまま、厳しい失業状態のもとで、これまでセーフティーネットが次々と改悪されていることで、先を見通せぬ不安な生活状況に追いやられております。
このような弱い
立場にある勤労者、中小
企業事業者の権利や生活を守る
立場から私はこの間の
審議に臨んでまいりましたが、
内閣提出法案はそうした不安を助長こそすれ、緩和するものではないと言わなければなりません。
確かに、
会社分割に伴う
労働契約承継法は、
会社分割のその局面においては、雇用や
労働条件の最低限を守る仕組みにはなっております。
しかし、
会社分割により生ずる雇用問題は、
分割局面だけで終わらないのも事実であります。
設立会社に
承継される
労働者はまだしも、
分割と同時に、あるいは
分割と前後して、
会社分割を
理由とした人員整理が野方図に行われることは容易に想定されるところであります。
しかるに、原案、
修正案ともに、その歯どめとなる
措置に関してはあいまいなものであり、辛うじて読み取れる箇所においても訓示
規定の水準にとどまっておると言わざるを得ません。そうした点から、
修正案の努力には敬意を表しつつも、満足し得る
内容とは言えません。
このままでは、
商法改正と相まって、
分割の影響を最も強く受ける下請
労働者を初めとする多くの人々に対する十分なセーフティーネットを欠いたまま、大がかりなリストラや下請中小
企業の整理淘汰に道を開くことは疑いないものであり、その意味では、
本案審議は全く拙速に過ぎると言わざるを得ません。
また、
会社分割の司令塔となる持ち株
会社の団体交渉の応諾義務のあり方については何ら触れていないことも、
本案の重要な疑問点であることを強く
指摘しておきたいと存じます。
企業の行き過ぎた行動を規制する法制があいまいなまま、しかも、
企業形態の
変更等を
理由とした
解雇制限
規定などが明文化されないままの
承継法の
制定は、将来に禍根を残すことは明らかであります。論議を尽くし、慎重な
立法作業を望むのも、まさにここにあります。
なお、共産党のいわゆる
労働者保護法については、
現実性の面で問題があると
考えます。
以上の
理由をもって、原案並びに
修正案並びに共産党案に反対する私の反対討論といたします。