○瀬古
委員 実際には、市場というのは、先ほど
大臣が言われたように、株も上がり下がりするわけですよ。この
年金の
積立金というのは、被保険者にとっても、将来の安定した
生活を保障する一番基本的な財産なんですね。それは、先ほ
ども私が言っておりますように、一番安定した、安全な方法で
確保していくということが当たり前なんですね。ところが、市場運用をすれば、市場によってはマイナスになることもあるわけですよ。しかし、そんなことをやらなくても、基本的な、安全な運用のやり方というはあるわけですね。そういう点では、なぜあえて市場運用をするのかということが問われるわけです。
そういう点では、先ほどから出ておりますように、銀行関係者がそこにべったりかかわっているとか、また今までの仕組みでいったって、失敗しても責任をとる仕組みがないとか、こういう基本的なものが不十分なまま、ある意味では反省もされないまま強行されていくわけですから、これはやはりもう一度改めて
年金の資金、
積立金とは何かということが問われるんじゃないかというふうに思います。
そこで、時間がございませんけれ
ども、
積立金の問題なのですが、今莫大な
積立金があるわけです。
積立金の状況は、日本は
年金の五・五年分、アメリカは一・五年分、イギリスは一・二カ月分、ドイツは一カ月分。こういう世界の積み立てを見ましても、日本の場合は、世界にも例のないため込みになっています。
将来が不安だといってどんどん積み立てていく、一体それだけの
積立金が本当に必要なのだろうか。女性や
高齢者の今後の働き手、私はもっとこれをふやしてもらいたいと思っているわけですが、そういう条件整備をして、
年金の支え手、こういう人たちをうんとふやせば、実際にはこういう状況というのは、積み立てをやらなくてもいい状況というのに変わってくると思うのです。
そして今、この積立方式をどうしても維持しようと思いますと、例えばインフレなどで対応しようとしますと、結局、リスクの高い投機的な市場に
国民の資金をつぎ込むという
方向にもなりかねないわけですね。これは、やはりこの莫大な
積立金、積立方式のあり方そのものも今回見直さなければならないというふうに思います。
この
積立金を計画的に、段階的に取り崩す、見直す、こういうことをやれば、
年金の
保険料の
負担もこれほど高い
方向を出さなくてもいいわけですし、実際には、
国民に安心した
年金の
方向も打ち出せるんじゃないかというふうに思うのですけれ
ども、その点、
大臣、いかがでしょうか。