○中島
委員 ちょっと時間も迫ってきておりますので、この問題についての結論的なことを二つ申し上げてお尋ねもしたいと思うのです。
ただただ
予算を消化するとか、あるいはむだや浪費にもなるとか、大型
工事化する、こういう点でいろいろ見解は必ずしも一致しておりませんけれ
ども、やはり概算
発注に問題がある。つまり、概算
発注しなければならないほど
予算をどんどんおろしてくるということに問題があると思うのですね。私は、そういう点では、大型公共
工事を計画的に縮減する、減らす。それで、
国民や住民が求める、そして
中小企業の
人たちが大いに
仕事をすることができる
社会福祉施設とか、あるいは学校だとか、あるいは介護の基盤
整備だとか、あるいは震災
対策だとか、あるいは高齢者や
障害者が暮らしやすいバリアフリーの
住宅をつくるとか、こういうことに公共
工事も転換をしていかなければいかぬのじゃないかということを申し上げたい。
それから、もう
一つ言いたいのは、しかもこういうふうなことをやっておりますと、職場、
現場はどうなっているかというと、残業時間ばかり大変ふえて、非常に多い。
平均三十四時間とかあるいは百時間を超える人もいるとか、そういうふうに私
たちは聞いています。これでは家族そろっての団らんも奪われる。労働条件、とりわけ
建設省職員の長時間労働を早急に解決すべきだと思っています。
予算消化のために概算
発注しなければならないような膨大な大型
公共事業を縮小すれば、転換をすれば、さっき私が申し上げたような、そうすれば残業もなくしていくことができるのじゃないかということを申し上げます。
時間がちょっと厳し過ぎるものですから、次のことに。
ことしの豪雨災害で、急傾斜地、これは非常にがけ崩れが多くて、多くの住民が命や家屋を奪われるという大変な犠牲を受けました。中でもひどいのは、崩壊事故の
可能性がある場所に実は地下
マンションを建設している。私は、先日、横浜市中区本牧荒井七十六のがけ地に民間
業者が建設中の
現場を
調査しました。ことし七月の豪雨でこの
現場でがけ崩れが発生したのです。ここは、神奈川県が急傾斜地崩壊危険
地域に指定しているところです。がけ崩れの発生で
道路にも民家の庭にも土砂が押し寄せている。そして、
マンション建設中の土地の隣接地に住む平井さんという方は、どうしてこんな危険なところに
マンションを建設することを許可するのかわからない、ことしは七月、九月、十月の三回も被害に遭った、毎日不安でたまらないということを言っておりました。そのとおりだと思うのですね。以前はなかったのですかと聞いたら、以前は実はそんなこと、私はここで生まれたんだけれ
ども一回もありませんという話なのです。それで今、ことしの災害で、そういうがけ崩れで大変な不安におびえざるを得なくなっている。
何でこんな危険なところに
マンションを建設することを許可したのかということですね。私は、今の
政府の
政策の上からいっても、これらの災害の教訓からいっても、これは違うのじゃないかということを思います。この点どうかということ。
時間がありませんので、続けていろいろ聞きます。
それから、私は率直に言いますけれ
ども、片っ方では危険箇所に指定しているのですよ。もう一方では
マンション建設をオーケーする、許可するということをやる。こんなことは、これは矛盾でしょう。
政治家ならきちっとわかると思います、だれが
考えたって当たり前のことですから。
ところが、これは法律上の話をしますと、都市計画と建築規制がちぐはぐになっているのですよ。これは全くちぐはぐなんだ。それで、危険箇所に
マンションを建てるときに幾らかの何か
対策を講じればゴーサイン、こんなのはむちゃくちゃじゃないですか。私はどう
考えてもこんなことはおかしいと思うのです。だから、これについてやはり改善措置をとらなければいかぬのじゃないかということが
一つ。
それから、ここにつくられるのは、これがまた地下室
マンションなんですよ。御存じだと思いますが、九四年に地下を居住用に利用できるように、建築基準法の規制緩和をやったのです。それで
業者は、主にがけ地、それから傾斜地、こういうところに
マンションをつくるようになったのですね。それで、
業者に心配だから話をするとどう言うかというと、ここは岩盤がしっかりしているから大丈夫だ、こういうことを言ってやるわけです。神奈川県の方では、安全性を
確保するために幾つかの要件を求めているということで、今言ったように建設は許可する、こういうことになっているのです。それで今度のような被害が出てきているのですよね。
僕が言いたいのは、ここに建てられるのは俗に言う地下室
マンションなんです。それは、ここは一種低層住専ですよ。一種低層住居専用
地域です。高さは十メートル以下でなければならない。それから、ここは環境が守られなければならない
地域なんです、一種低層住専ですから。ところが、建物は何ができるかといったら、下から見れば何のことはない、地上三階、地下六階、合わせて九階の建物がどんとできるのですよ。これは矛盾でしょう。いろいろなことを言いますけれ
ども、これは大変な矛盾じゃないでしょうか。
私は、建築基準法のさきの改正、規制緩和、これをやったときに容積率不算入の措置を悪用していると思うのです。もうちょっと時間がないから省略しますけれ
ども、そういうことじゃないか。だから、この建築基準法の容積率不算入、これには
マンションを除いてもらいたい。
マンションを除く。一般の戸建ての居住の方はもっと、何というのですか、ちゃんと豊かな生活を送りたい、地下に一階、結構、そういう気持ちなんですよ。
だから、参議院でも衆議院でも、僕なんかもそのとき言ったのですよ。これは
マンションをつくるのじゃないか。察知して言ったのですけれ
ども、いや、そんなことはありません、こういう局長の
答弁ですよ。参議院だって言っているのですよ。これは地下につくるのだけれ
ども、これは公共に負荷はかからない。なぜならば、車がふえるわけでもない、それから同時に、そのことによって景観も町並みも変わらない。そうなんですねと言ったら、そうですと言ってちゃんとはっきり答えているのですよ。
そんなおかしなことは、法の趣旨を悪用して、そういう三階建てしかできないところに三階プラス六階、九階建てをつくっているとしか言いようがないので、私はこの問題は、ぜひひとつ
マンション建設をこの法律から除外するというふうにはっきり、
大臣、言っていただきたいのです。これは前に
議論がいろいろあるのです。私はここでやったのです、やったのだけれ
ども、この問題は
建設大臣の
政治家としての判断、これが求められているのです。
それから、最後に言いますけれ
ども、私は都市計画法の中にも環境という問題をやはり大きく位置づけるという必要があるのではないかということを申し上げて、まとめてひとつ
答弁してください。